JP3104024U - 土木・建築工事用の水糸 - Google Patents

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昌一 後藤
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株式会社櫛田度器製作所
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Abstract

【課題】 基準線を容易に且つ正確に示すことができ、また、記録に残すため写真撮影をした時には、基準線の位置を明確に写し出すことのできる作業性及び視認性に優れた実用価値の高い土木・建築工事用の水糸の提供。また、支柱に張り渡した水糸の不慮の切断が軽減され、作業者が引っかかって転倒する等の事故の発生が有効に防止できる、作業性及び安全性に優れ、しかも、製造上或いは使用上において、経済性に優れる土木・建築工事用の水糸の提供。
【解決手段】 ゴム製の芯材の周囲が伸縮性材料で被覆された一様な材質からなる伸縮性を有する水糸であって、少なくとも外周面が蛍光色に着色されており、且つ一様の太さを有することを特徴とする土木・建築工事用の水糸。
【選択図】 なし

Description

本考案は、特に、土木工事や建築工事等において、建物の位置や、水平値や垂直値等の基準線を示すのに好適な水糸、及び土木・建築工事用の水糸に関する。
従来より、土木工事や建築工事等においては、建物の位置や、水平値や垂直値等の基準線を示すのに、麻や、テトロン製やナイロン製の水糸が用いられている。これらの従来の水糸では、例えば、支柱等に張り渡して水平値を指示させた時に、張り方が弱いと中央部分がたるみ、正確性に欠ける場合があった。また、逆に張り方がきつ過ぎた場合には、相当なテンションがかかっているので、少しの衝撃で切れてしまったり、作業者が引っかかって転倒する危険等もあった。更に、水糸によって示された基準線を記録に残すため、スケールとともに写真撮影をした場合に、写真に基準線が明瞭に現れず、夜間に撮影された写真ともなれば極めて不明瞭であった。これに対して、従来の水糸の一部にゴム部を設けることについての提案がされている(特許文献1参照)。
実開平6−80116号公報
しかしながら、上記したものは、従来の麻やテトロン製等の水糸に比べてたるみにくくはなるものの十分ではなく、また、作業者が引っかかって転倒する危険等も十分には解消できなかった。更に、写真撮影の際等に、基準線の特定の位置にゴム部を配置したい場合には、水糸の端部を廃棄しなければならず、また、水糸の一部にゴム部を設けることは製造工程が煩雑になり、製造コストが増大し、経済性に劣るという問題もあった。このように、従来の水糸は、作業性及び実用性、更には経済性の点で改良すべき点があった。
従って、本考案の目的は、基準線を容易に且つ正確に示すことができ、また、記録に残すため写真撮影をした時には、基準線の位置を明確に写し出すことのできる作業性及び視認性に優れた実用価値の高い土木・建築工事用の水糸を提供することにある。また、本考案の目的は、支柱に張り渡した水糸の不慮の切断が軽減され、作業者が引っかかって転倒する等の事故の発生が有効に防止される、作業性及び安全性に優れる土木・建築工事用の水糸を提供することにある。更に、本考案の目的は、製造上或いは使用上において、経済性に優れる土木・建築工事用の水糸を提供することにある。
上記の目的は、本考案によって達成される。即ち、本考案は、ゴム製の芯材の周囲が伸縮性材料で被覆された一様な材質からなる伸縮性を有する水糸であって、少なくとも外周面が蛍光色に着色されており、且つ一様の太さを有することを特徴とする土木・建築工事用の水糸である。本考案の好ましい形態は、上記構成において、太さが、1〜5mmの範囲内にある土木・建築工事用の水糸が挙げられる。また、本考案の好ましい形態は、上記構成において、円筒状の芯体と、該芯体の両端に設けられた芯体の外径よりも大きい板状の端部とからなる糸巻きに、巻き回されてなる土木・建築工事用の水糸が挙げられる。
本考案にかかる水糸によれば、水糸を支柱等に張り渡した時に、たるみがなく緊張し過ぎない状態に容易に張ることができるため、作業性を向上できるのみならず、基準線を容易に且つ正確に示すことができ、また、外周面が蛍光色に着色されているため、特に、記録に残すため写真撮影をした時に、基準線の位置を明確に写し出すことができる。また、本考案にかかる水糸によれば、支柱に、たるみがなく緊張し過ぎない状態に張り渡すことができるため、水糸の不慮の切断が軽減され、作業者が引っかかって転倒する等の事故の発生を防止できる。本考案にかかる水糸は、ゴム製の芯材の周囲が伸縮性材料で被覆された一様な材質からなるため、容易に製造でき、使用の際に廃棄部分が発生することもなく、経済性に優れる。更に、円筒状の芯体と、該芯体の両端に設けられた板状の端部とからなる糸巻きに、水糸を巻き回されてなる形態とした場合には、上記した優れた特性に加えて、搬送する場合や、取り扱う場合の利便性がより向上し、実用価値の高いものとなる。
以下に、実施するための最良の形態を挙げて、本考案を更に詳細に説明する。本考案にかかる水糸は、図1に示したように、ゴム製の芯材の周囲が伸縮性材料で被覆された一様な材質からなる伸縮性を有するものであるが、少なくとも外周面が蛍光色に着色されており、且つ一様の太さを有することを特徴とする。更には、その太さが、1〜5mmの範囲内の直径を有するものであることがより好ましい。
本考案にかかる水糸を形成する場合に芯材として用いるゴムとしては、従来公知の、例えば、毛髪をまとめる際に使用されるゴム紐の製造の際に用いられているもの等を使用することができる。また、芯材を被覆する伸縮性材料も、従来公知の太めのゴム紐に用いられているものをいずれも使用することができる。即ち、芯材であるゴムの伸縮に合わせて、被覆された伸縮性材料が伸び縮みして、水糸とした場合に適度な伸縮性を有するものであればいずれのものでもよい。例えば、合成繊維や天然繊維等の糸を用いて編まれた輪編みの中心に、線状のゴムが芯材として配置されてなる形態のものが挙げられる。伸縮性材料の種類は、特に限定されるものではないが、水や油等に対してある程度耐性があるものを用いることが好ましい。
本考案にかかる水糸は、少なくとも外周面が蛍光色に着色されていることを特徴とするが、色についても特に限定されない。例えば、黄色、オレンジ色、ピンク色、赤色、青色、黄緑、緑等の、鮮やかな蛍光色に着色されていれることが好ましい。写真写りの点からは、中でも、蛍光黄色、蛍光オレンジ、蛍光ピンク、蛍光赤等が好ましい。
本考案にかかる水糸は、一様の太さを有するが、その太さとしては、1〜5mmの範囲内の直径のものがより好ましい。従来の水糸は、0.5〜0.8mm程度の太さのものが一般的であったのに対して、本考案にかかる水糸は、例えば、直径は1〜5mmと太く、しかも蛍光色であることから、張り渡された状態で非常に目立つため、写真写りもよく、転倒事故の防止にも繋がる。太さが1mm未満では、支柱等に張り渡した時に目立たなくなり、一方、5mmを超えると重量が増すので、特に長い距離を張り渡した場合等にたるみが生じたり、作業性が悪くなる等、本考案の効果が損なわれるおそれがあるため、好ましくない。
上記したような形状を有する本考案にかかる水糸は、土木・建築工事において、建物の位置や、水平値や垂直値等の基準線を示すのに用いられるものであるため(図3参照)、場合によっては、かなりの長さを必要とする。このため、図2に示したように、円筒状の芯体と、該芯体の両端に一体に設けられた芯体の外径よりも大きい板状の端部とからなる糸巻きに、巻き回された状態の製品とすることが好ましい。このようにすれば、搬送性に優れると同時に、芯体に巻き付けられた水糸を適宜に引き出し、その都度、所望の長さに切って使用できるので、作業性に優れたものとなる。特に、図2中の拡大断面図に示したように、芯体である円筒状の部分に、幾重にも巻き回された状態とすれば、非常に長い距離にも対応できる水糸となる。以下、本考案にかかる水糸によって得られる効果について説明する。
本考案にかかる水糸の第1の特徴は、ゴム製の芯材の周囲が伸縮性材料で被覆された一様な、伸縮性を有する材質からなることにある。そのため、従来の麻やテトロン製やナイロン製の水糸の場合と異なり、本考案の水糸を用い、少し引っ張った状態で張り渡せば、容易に、たるむことなく、適度な緊張をもった状態に張り渡すことができる。この結果、水平等の正確な基準線を、迅速且つ容易に示すことができるため、作業効率を向上できる。また、本考案の水糸は、伸縮性を有する材質からなるため、引っ張り過ぎることがなく、作業中に切断したり、張り渡した水糸に作業者が物や手足等を誤って引っかけた場合にも簡単に切れることがなく、耐久性に優れる。更に、作業者が、張り渡された水糸に引っかかって転倒するといった事故を防止でき、安全性にも優れる。
本考案にかかる水糸の第2の特徴は、伸縮性材料の表面が鮮やかな蛍光色に着色され、一様な太さを有することにある。そのため、本考案の水糸から受ける印象は、華やかで美麗なものとなり、写真等による記録を行えば、該水糸によって基準線の位置が明確に写し出され、更に蛍光色であることから、夜間の撮影でも明確に記録することができる。また、その外観が鮮やかな蛍光色であるため、瞬時に人の注意を喚起でき、張り渡された水糸に誤って引っかかるといった事故を防止することができる。更に、色調の異なる蛍光色を有する水糸を複数用意すれば、水平値や垂直値等、基準線の種類毎に色分けをすることも可能となり、より情報量の多い記録を残すことができる。
次に、実施例、及び使用例を挙げて本考案を具体的に説明する。本実施例では、芯材として断面が約2mm角の、長さが30mの線状のゴムを用い、該芯材の周囲に蛍光ピンク色の合成繊維からなる糸で輪編みを設けることで、芯材の周囲を伸縮性材料で被覆した。上記のようにして得られた水糸は、断面が直径約3mmの円形であった。
上記のようにして得た水糸を用い、図3に示したように、支柱を2本立てその間に水糸を張り渡し、水平値を示させて、その状況を写真撮影した。この結果、撮影された写真は、たるみがなく、且つ水平線の位置が明確に写し出されていた。更に、同様の状況を夕方、写真撮影したところ、水糸によって水平線の位置が蛍光ピンク色に明確に写し出されていた。また、水糸を張り渡す作業は、水糸を少し引っ張った状態で支柱に縛りつけるだけであり、極めて容易であった。更に、この状態で、足を引っかけて引っ張ってみたところ、水糸は伸びるだけであって、切断されることはなく、足を取り除くことで元の状態に直ちに戻った。
本考案によれば、水糸を支柱等に張り渡した時に、たるみがないように容易に張ることができ、正確な基準線を示すことができ、また、記録に残すため写真撮影をした時に、該水糸によって基準線の位置が明確に写し出される、作業性及び機能性に優れる水糸が提供される。更に、該水糸は、張り渡す際に引っ張り過ぎることがなく、且つ非常に目立つため、支柱に張り渡された水糸の不慮の切断をなくすことができ、更に、作業者が引っかかって転倒する等の事故を防止できる。本考案によれば、作業性、機能性、安全性に優れるのみならず、経済性に優れる水糸が提供される。
本考案の水糸の拡大斜視図。 水糸を円筒状の芯体に巻き回した態様を示す図。 水糸の使用状態を示す図。

Claims (3)

  1. ゴム製の芯材の周囲が伸縮性材料で被覆された一様な材質からなる伸縮性を有する水糸であって、少なくとも外周面が蛍光色に着色されており、且つ一様の太さを有することを特徴とする土木・建築工事用の水糸。
  2. 太さが、1〜5mmの範囲内にある請求項1に記載の土木・建築工事用の水糸。
  3. 円筒状の芯体と、該芯体の両端に設けられた芯体の外径よりも大きい板状の端部とからなる糸巻きに、巻き回されてなる請求項1又は2に記載の土木・建築工事用の水糸。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020172720A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 川島商事株式会社 土木工事用又は建築工事用水糸及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020172720A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 川島商事株式会社 土木工事用又は建築工事用水糸及びその製造方法
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