JP3103840U - 伸縮自在な浴用タオル - Google Patents

Abstract

【課題】 肌ざわりとして使用者が感じる柔軟性の硬軟を、エステル糸のデニール値を変更するのみで容易に調整することができ、成人や幼子あるいは男女の体質の相違に応じて、それぞれに適した快い摩擦感を与え、かつ伸縮性と使い勝手に富んだ人体の洗浄に好適な浴用タオルを提供する。
【解決手段】 経編で編成されたループ４により構成される地組織３中に、ループ４を形成しない緯糸６を隣り合うウエール５にアンダーラップさせて編み込む第１の編み込み手段と、ループ４を形成しない経糸７を隣り合うウエール５にオーバーラップさせて編み込む第２の編み込み手段とで編地を構成すると共に、ループ４を形成しない任意のデニール値を有するエステル糸８を、上記地組織３の表裏面域を形成する隣り合わない複数のウエール５間に編み込んだ。
【選択図】 図４

Description

本考案は、伸縮自在な浴用タオルに係り、詳しくは、同一のナイロン地組織を用いるものでありながら、肌ざわりとして使用者が感じる柔軟性の硬軟を、エステル糸のデニール値を変更するのみで容易に調整することができ、成人や幼子あるいは男女の体質の相違に応じて、それぞれに適した快い摩擦感を与え、かつ伸縮性と使い勝手に富んだ人体の洗浄に好適な浴用タオルに関するものである。

従来、浴用タオルについては、種々のものが提案され、かつ市場に供されているが、特に伸縮性を有するタオルは、編地を製編する原糸としてスパン糸などを使用しているので、入浴時に人体を洗浄する際、タオルを伸長して使用すると、引張力により地組織を構成しているループのニードルループとシンカーループとの交差部が経時的に解れ易く、このため耐用命数が短いうえ、編目の密度が荒いため、女性や子供などが使用すると肌を傷めるという不具合があった。

そこで本出願人は、編目の密度を増して編地に安定度を高くし、かつループにより構成された地組織中に、ループを作らない緯糸、経糸を編み込むことによって伸縮性を向上させて使い易くし、人体を洗浄する際、肌ざわりが柔軟で、快よい適度の摩擦感を与え、女性や子供などが使用しても肌を傷つけることがなく、耐用命数を延長させて長く愛用することができる伸縮自在な浴用タオルを提案した。
実用新案登録第３０４８０５４号

本考案は、上述のように提案した浴用タオルの実用性をより一層向上させるための研究、開発の過程で創案されたものであって、その意図するところは、編目の密度を増して編地に安定度を高くし、かつループにより構成された地組織中に、ループを作らない緯糸、経糸を編み込むことによって伸縮性を向上させて使い易くしつつ、耐用命数を延長させて長く愛用することができると共に、エステル糸のデニール値を変更するのみで容易に肌ざわりを調整することができ、人体を洗浄する際の重要な要素である柔軟で快よい適度の摩擦感を、成人や幼子あるいは男女の体質の相違に応じて、それぞれに適した肌を傷つけない摩擦感に容易に変更することができる伸縮自在な浴用タオル提供することを課題とするものである。

上記課題を解決するため、本考案が採用した技術手段は、経編で編成されたループにより構成される地組織中に、ループを形成しない緯糸を隣り合うウエールにアンダーラップさせて編み込む第１の編み込み手段と、ループを形成しない経糸を隣り合うウエールにオーバーラップさせて編み込む第２の編み込み手段とで編地を構成すると共に、ループを形成しない任意のデニール値を有するエステル糸を、上記地組織の表裏面域を形成する隣り合わない複数のウエール間に編み込んだことを特徴とするものである。

したがって本考案によれば、伸縮性に富んで使い易く、人体の洗浄にあたっては肌ざわりが柔軟で快よい適度の摩擦感を、成人や幼子あるいは男女の体質の相違に応じて、それぞれに適した摩擦感として得ることができ、敏感肌の女性や子供でも肌を傷つけることなく安心して使用することができる効果を奏する。

地組織中に、ループを形成しない緯糸を隣り合うウエールにアンダーラップさせて編み込む第１の編み込み手段と、ループを形成しない経糸を隣り合うウエールにオーバーラップさせて編み込む第２の編み込み手段とで編地を構成し、かつ上記地組織の表裏面域を形成する複数のウエール間に跨って編み込んだエステル糸のデニール値を低く設定すれば、女性や子供に適した柔軟性の高い浴用タオルとすることができ、デニール値を高く設定すれば、成人男子に適した洗浄性の高い浴用タオルとすることができる。

本考案の構成を、図面に示した実施例に基いて詳細に説明する。
本考案の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図１は本考案の浴用タオルの全体斜視図、図２は同上拡大表面図、図３は同上地組織の拡大図、図４は同上地組織への編み込み状態を示す拡大図であって、１は伸縮自在な溶用タオル、２は該タオル１の表面に編成された経縞、３は経編で編成された地組織であって、該地組織３はニードルループ４ａとシンカーループ４ｂとから構成されたループ４を経方向に連続してなるウエール５によって編成されている。

６は緯糸であって、該緯糸６はループ４を形成せずに隣り合うウエール５にアンダーラップさせて編み込まれている。７は経糸であって、該経糸７もループ４を形成せずに隣り合うウエール５にオーバーラップさせて編み込むことによって浴用タオル１の編地が構成されている。

上記編地において、本実施例では緯糸６および経糸７はナイロン糸を使用し、ループ４もナイロン糸を使用したものを示したが、上記地組織３によって編成する限り、原糸の選択はこれに限定されるものではなく綿糸などの天然繊維でもよい。

また、８はループを形成しない１５０デニール値を有するエステル糸であって、該エステル糸８は、上記地組織３の表裏面域を形成する隣り合わない複数のウエール５、５…間に編み込まれて「柄」を創出していると共に、同一のウエール５のシンカーループ４ｂ、４ｂ…に交互に編み込まれている部位Ａは、上述の「柄」の切れ目を形成している。なお、図４中において、各糸の種類の違いを明確にするために、異なる線種、線幅を使用して図を形成しているが、これらは実際の各糸の太さおよび形状を表すものではない。

本考案は、上記のような組織で編成されているので、編目の密度が増して編地に安定度が高められるうえ、ループ４を作らない緯糸６、経糸７の編み込みによって伸縮性が大幅に向上され、例えば図１および図２に示す浴用タオル１において、横幅８０ｃｍ、縦幅２０ｃｍに形成したものを伸長させると、横幅１１０ｃｍ、縦幅４０ｃｍとなる。その際、緯方向の引張力は隣り合うウエール５にアンダーラップさせて編み込んだ緯糸６によって助長保持され、経方向の引張力は隣り合うウエール５にオーバーラップさせて編み込んだ経糸７によって助長保持されるので、伸長時にループ４のニードルループ４ａとシンカーループ４ｂとの交差部が解かれることがない。したがって、安心して浴用タオル１を伸縮して使用することができる。

一方、隣り合わない複数のウエール５、５…間に編み込まれているエステル糸８は、極細の１５０デニール値を有しており、地組織３の表裏面全域に亘って現出するため、人体を洗浄する上では柔軟性の高い「肌触り」として人体に感じられる。そして、実際に石鹸を使用して人体の洗浄を行う時には、前記したウエール５に対してそれぞれアンダーラップで編み込んだ緯糸６と、オーバーラップで編み込んだ経糸７との協働により、編目の密度が増して編地としての安定度が高められると共に、石鹸成分に対して極め細かい泡立ちを促し、肌ざわりも柔軟で、洗浄性に優れた快よい適度の摩擦感が得られ、女性にも子供にも肌を傷つけることなく使用することができる。

また、上記エステル糸８を１５０デニール値より高い値に変更すれば、同一の地組織３を用いるものでありながら、複数のウエール５、５…間に編み込まれて地組織３の表裏面全域に亘って現出した際に、人体を洗浄する上で洗浄性の高い「肌触り」として人体に感じられることとなり、成人男子に適した浴用タオル１とすることができる。

上記浴用タオル１を所要の大きさで袋状に形成し、その中にスポンジ材を内装すれば、従来の浴用スポンジタオルでは奏し得られない肌触りの良いスポンジタオルとすることができると共に、地組織３に編み込まれるエステル糸８のデニール値を変更するだけで、柔軟性と洗浄性に関してどちらに比重を置くかの調整も容易に行うことができ、多種多様な浴用スポンジタオルとすることが可能となる。また、浴用に限らず、清掃用のタオル、スポンジタオルとすることも簡単である。

本考案の浴用タオルの全体斜視図 同上拡大表面図 同上地組織の拡大図 同上地組織への編み込み状態を示す拡大図

符号の説明

１ 浴用タオル
２ 経縞
３ 地組織
４ ループ
４ａ ニードルループ
４ｂ シンカーループ
５ ウエール
６ 緯糸
７ 経糸
８ エステル糸

Claims (1)

1. 経編で編成されたループにより構成される地組織中に、ループを形成しない緯糸を隣り合うウエールにアンダーラップさせて編み込む第１の編み込み手段と、ループを形成しない経糸を隣り合うウエールにオーバーラップさせて編み込む第２の編み込み手段とで編地を構成すると共に、ループを形成しない任意のデニール値を有するエステル糸を、上記地組織の表裏面域を形成する隣り合わない複数のウエール間に編み込んだことを特徴とする伸縮自在な浴用タオル。

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