JP3103530B2 - 乳風味飲料 - Google Patents
乳風味飲料Info
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Description
ーや紅茶等の飲料に関する。さらに詳しくは、密閉容器
入りの乳風味コーヒー、乳風味紅茶に関し、ホットベン
ダーなどの加温状態で保存した場合、内容物のpHが低
下して酸味が強くなることを抑制できる乳風味飲料に関
する。
れる缶コーヒーや缶紅茶などの密閉容器入り飲料は、加
熱状態で長時間保存されることにともない、味が変質し
たり、沈殿が生じたりという問題が発生している。この
ような缶コーヒー等を加温状態で保存した場合に生じる
課題への対策として、特開平6−245703のように
缶コーヒー等を加温状態で保存する場合に乳蛋白質の沈
殿や脂肪の分離がありそれを防止するために、乳製品を
加えたコーヒー抽出液に蔗糖脂肪酸エステルなどの乳化
剤と微結晶セルロースを添加する方法が提案されてい
る。しかしながら味の変質については、いまだ充分な対
応策が知られていないのが実状である。
は加熱状態で長時間保存されているときに発生するギ酸
の生成を抑制した新規な乳飲料を提供する点にある。
添加したコーヒーや紅茶飲料をホットベンダーのような
加温状態で保存した場合の味変質の原因を検討したとこ
ろ、乳成分などの添加剤中に含まれている乳糖が熱分解
され、その結果ギ酸が生じていることを見出し、本発明
を完成するに至った。
り乳糖含有率が1重量%以下である乳代替成分を含有す
ることを特徴とする乳風味飲料に関する。
地、飼料などによって多少の差異はあるが、国内産牛乳
では通常4.54重量%、外国産牛乳では通常4.92
重量%である。
いないことが好ましいが、多くても1重量%以下、好ま
しくは0.5重量%以下であることが必要である。図1
に見られるように乳糖の存在はギ酸の生成量を著しく高
いものとするからである。
ては、乳蛋白質濃縮物があり、これを使用することが好
ましい。乳蛋白質濃縮物とは、脱脂乳から限外濾過膜透
過成分である乳糖、ミネラル、水分等を除去し、濃縮し
たものであり、この製品中には乳糖は含まれていない
し、かりに含まれていてもほんのわずかである。
して利用するために脂肪を組み合わせて味わいを乳に近
くすることが必要である。この脂肪としては、植物性脂
肪、生クリームなどを使用することができる。植物性脂
肪の中には通常乳糖が約1.0重量%含まれており、生
クリーム中には通常乳糖が約3.0重量%含まれてい
る。植物性脂肪としては、通常菜種油が好ましく、これ
を適宜の乳化剤により乳化し、生クリーム状物として使
用する。このように食品に使用する乳化剤としては粉末
乳化剤が使用されているが、粉末乳化剤を製造するとき
にはしばしば乳糖が使用されている。
の調整において任意の量を添加することができる。しか
しながら、乳風味飲料の中には、前記乳代替成分以外に
も乳糖を含む成分が含有されている場合があるので、乳
風味飲料全体の中の乳糖含有率が1重量%以下、好まし
くは0.5重量%以下であることが望ましい。
乳化剤、重曹など缶コーヒー、缶紅茶製造時に使用され
る原料を添加することができが、単糖類および/または
乳糖以外の二糖類を含まないものであることが好まし
い。
もできるが、ダイエット中の人などのために、糖アルコ
ールおよび/または非糖類甘味料(ジテルペン配糖体)
を使用することが好ましい。
デヒド基が還元されて生じた多価アルコールすなわちエ
リスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリト
ール、マンニトールなどを挙げることができ、前記非糖
類甘味料(ジテルペン配糖体)の例としては、ステビオ
サイド、アスパルテーム、グリチルリチンなどを挙げる
ことができる。
とする場合には、抽出したコーヒー液、紅茶液に乳糖を
含まない乳成分と脂肪よりなる乳代替成分を牛乳の代替
として添加する。コーヒーや紅茶の抽出の条件は従来の
一般的な方法で実施できるが、コーヒー豆、茶葉、焙煎
条件、抽出条件などは特に限定されない。
本発明はこれにより限定されるものではない。
利用した乳風味飲料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽
出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液4000gと
グラニュー糖600g、乳蛋白質濃縮物〔森永乳業
(株)製、トータルミルクプロテイン、乳糖は実質的に
含まない〕65g、植物性脂肪乳化物(脂肪分25wt
%)250g、乳化剤5g、水5080gを混合して均
質化し、重曹を添加してpHを6.7の調合液を調整し
た。上記のような処方により均質に製造された乳風味飲
料は、缶に充填、密封して加熱殺菌を行い製品とした。
使用した乳風味飲料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽
出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液4000g
に、グラニュー糖600g、乳蛋白質濃縮物〔森永乳業
(株)製、トータルミルクプロテイン〕65g、生クリ
ーム130g、乳化剤5g、水5200gを混合して調
合して均質化し、重曹を添加してpHを6.7の調合液
を調整した。
料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽出してコーヒー抽
出液を得た。この抽出液4000gにグラニュー糖60
0g、牛乳(乳糖含有率4.54重量%)1800g、
乳化剤5g、水3595gを混合して均質化し、重曹を
添加してpH6.7の調合液を調整した。
を高温保存の加速試験として80℃で保存し、ギ酸増加
量の変化とpH変化を調べた。その結果を図1および図
2に示す。この結果からも明らかなように、乳糖を実質
的に含まない実施例1、2のものに較べて、乳糖4.5
4重量%を含有する牛乳を加えた比較例のものは、ギ酸
の増加率が著しく高い。
と比較例の缶コーヒーのpH変化を示すものである。実
施例と比較例の間においてpHの差はそれほど大きくは
ないが、系中に存在するギ酸の量に起因するのか、コー
ヒーの味覚の上では著しい差異を生じる。
サンプルについて、専門パネリスト5名により官能試験
評価を行った結果を表1に示す。評価方法は評点法で、
「非常に良い」=+7、「良い」=+6、「やや良い」
=+5、「普通」=+4、「やや悪い」=+3、「悪
い」=+2、「非常に悪い」=+1の7段階とした。実
施例1、2は、いづれも比較例1より良い評価を得た。
5重量部を抽出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液
にエリスリトール3.5重量部、ステビア0.002重
量部、牛乳3.2重量部、乳蛋白質濃縮物1重量部、植
物性脂肪2.3重量部、重曹0.05重量部を添加し、
全体を100重量部とした。得られたコーヒーの乳糖含
有率は0.4重量%であった。
ル3.5重量部、ステビア0.001重量部、牛乳3.
2重量部、乳蛋白質濃縮物1重量部、植物性脂肪2.3
重量部を添加し、全体を100重量部とした。得られた
紅茶の乳糖含有率は0.4重量%であった。
5重量部を抽出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液
に砂糖3.5重量部、牛乳20重量部、重曹0.05重
量部を添加し、全体を100重量部とした。実施例3と
比較例2に示した処方の調合液を均質化し、缶に充填、
密封して加熱殺菌を行い、ミルクコーヒー缶飲料とし
た。これらを高温保存して80℃で保存し、ギ酸の濃度
とpHを調べた。また、前述の官能試験方法と同じよう
にして、専門のパネリスト5名により官能試験評価を行
った。評価方法も前述と同様である。
である乳代替成分を含有することを特徴とする乳風味飲
料。 (2)前記乳糖含有率が0.5重量%以下である乳風味
飲料。 (3)前記乳成分が乳蛋白質濃縮物である前項1または
2記載の乳風味飲料。 (4)前記脂肪が植物性脂肪または生クリームである前
項1、2または3記載の乳風味飲料。 (5)前記乳風味飲料が単糖類および/または乳糖以外
の二糖類を含まないものである前項1、2、3または4
記載の乳風味飲料。 (6)前記乳風味飲料が単糖類および/または乳糖以外
の二糖類を含まないものである前項1、2、3、4また
は5記載の乳風味飲料。 (7)前記乳風味飲料が糖アルコールおよび/または非
糖類甘味料(ジテルペン配糖体)を含むものである前項
1、2、3、4、5または6記載の乳風味飲料。 (8)前記乳風味飲料全体の中の乳糖含有率が1重量%
以下である前項1、2、3、4、5、6または7記載の
乳風味飲料。 (9)前記乳風味飲料全体の中の乳糖含有率が0.5重
量%以下である前項1、2、3、4、5、6または7記
載の乳風味飲料。 (10)前記乳風味飲料がコーヒーまたは紅茶である前項
1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の乳風味
飲料。
発生を抑制することができた。
るギ酸濃度変化と保存期間の関係を示すグラフである。
るpHと保存期間の関係を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 乳糖含有率が1重量%以下である、加温
状態で長時間保存されているときに内容物のpHが低下
して酸味が強くなること抑制用の乳風味コーヒーもしく
は乳風味紅茶飲料。 - 【請求項2】 乳糖含有率が1重量%以下であるものを
含有する、加温状態で長時間保存されているときに内容
物のpHが低下して酸味が強くなること抑制用の密閉容
器入りの乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶飲料。 - 【請求項3】 前記乳糖含有率が0.5重量%以下であ
る請求項1または2記載の乳風味コーヒーもしくは乳風
味紅茶飲料。 - 【請求項4】 前記飲料が単糖類および/または乳糖以
外の二糖類を含まないものである請求項1、2または3
記載の乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶飲料。 - 【請求項5】 前記糖アルコールはエリスリトールであ
る請求項4記載の乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶飲
料。 - 【請求項6】 前記非糖類甘味料がステビアである請求
項4記載の乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶飲料。 - 【請求項7】前記加温状態での長時間保存がホットベン
ダーによるものであることを特徴とする請求項1または
2記載の乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶飲料。 - 【請求項8】乳糖含有量を1重量%以下とすることによ
り、乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶飲料が、加温状
態で長時間保存されているときに、内容物のpHが低下
して酸味が強くなることを抑制する方法。 - 【請求項9】乳糖含有量を1重量%以下とすることによ
り、密閉容器入りの乳風味コーヒーもしくは乳風味紅茶
飲料が、加温状態で長時間保存されているときに、内容
物のpHが低下して酸味が強くなることを抑制する方
法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14544295 | 1995-05-19 | ||
JP7-145442 | 1995-05-19 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8091897A Division JP2963870B2 (ja) | 1995-05-19 | 1996-03-21 | 乳風味飲料 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11002538A Division JPH11243859A (ja) | 1995-05-19 | 1999-01-08 | 乳風味飲料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11113493A JPH11113493A (ja) | 1999-04-27 |
JP3103530B2 true JP3103530B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=15385340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10232649A Expired - Lifetime JP3103530B2 (ja) | 1995-05-19 | 1998-08-19 | 乳風味飲料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103530B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9101160B2 (en) | 2005-11-23 | 2015-08-11 | The Coca-Cola Company | Condiments with high-potency sweetener |
-
1998
- 1998-08-19 JP JP10232649A patent/JP3103530B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11113493A (ja) | 1999-04-27 |
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