JP3103397U - 自動車用照明灯 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光時の灯具内における温度上昇を抑制するとともに、直接光と反射光をともに着色して美的効果を向上すること。
【解決手段】透明なガラスバルブ内に、ロービームフィラメントと、ハイビームフィラメントと、ロービームフィラメントの下側のシェードとを有し、ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに、50〜90%の光透過性を有し、かつ、着色された耐熱塗料からなる着色層を形成したものである。
【選択図】図1
【解決手段】透明なガラスバルブ内に、ロービームフィラメントと、ハイビームフィラメントと、ロービームフィラメントの下側のシェードとを有し、ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに、50〜90%の光透過性を有し、かつ、着色された耐熱塗料からなる着色層を形成したものである。
【選択図】図1
Description
本考案は、発光時における灯具内の温度上昇を抑制するとともに、直接光と反射光とを着色するようにした自動車用照明灯に関するものである。
従来より、図4に示すように、自動車用照明灯は、ロービーム20のとき黄色や淡黄色を発光すると光膜現象が起こりにくく、対向車に与える注意効果が高く、安全面でも有効であることは広く知られていた。またハイビーム21の場合は、白色光を使用した方がより遠方を確認できることも公知である。
このような目的の自動車用照明灯には、H4型という高輝度のハロゲン電球が最もよく使用される。このランプバルブ12は、図3に示すように、ガラスバルブ14の内部の前方にロービームフィラメント15が設けられ、後方にハイビームフィラメント16が設けられている。そして、ハイビームフィラメント16は、ランプバルブ12をリフレクタ10に取付けたとき焦点位置にあってリフレクタ10での反射光がハイビーム21となる。また、前記ロービームフィラメント15の下側には、シェード17が取付けられてリフレクタ10での上向きの反射光を遮光し、ロービームフィラメント15の上向きの光だけがガラスバルブ14を透過して、リフレクタ10での反射光がロービーム20となる。
前記ガラスバルブ14の先端部には、先端黒色部18の塗膜が設けられている。この先端黒色部18を設けることで、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16から発射される光線のうち、前方への直接光を完全に遮断し、対向車や先行車の視覚に入ることによる眩しさを防止している(特許文献1参照)。
前記ガラスバルブ14の先端部には、先端黒色部18の塗膜が設けられている。この先端黒色部18を設けることで、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16から発射される光線のうち、前方への直接光を完全に遮断し、対向車や先行車の視覚に入ることによる眩しさを防止している(特許文献1参照)。
また、1本のガラスバルブの中に、ハイビームフィラメントとロービームフィラメントとを前後に配置し、ロービームフィラメントのガラスバルブの外周だけを着色するとともに、ハイビームフィラメントとロービームフィラメントの間に遮光部材を介在したものがある(特許文献2参照)。
実開平4−112402号公報
特開昭63−195903号公報
前述のように、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16から前方へ発射される直接光を完全に遮断するための先端黒色部18を設けると、次のような問題があった。
先端黒色部18で100%遮光することで、遮光による光エネルギーが熱に変わる。先端黒色部18は、一般的に耐熱性のある有機物塗料からなるが、その材質特性により、外気中の水分を吸収し、それが点灯直後に発生した熱により塗料中に包含する揮発性ガスと共に蒸発して発煙状態を起こす。その結果、灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたす。
また、ロービームフィラメントの光線のうち、直接光は完全に遮断され、リフレクタへの反射光だけが着色されるので、光線が単一色になり、美的効果に欠けていた。
先端黒色部18で100%遮光することで、遮光による光エネルギーが熱に変わる。先端黒色部18は、一般的に耐熱性のある有機物塗料からなるが、その材質特性により、外気中の水分を吸収し、それが点灯直後に発生した熱により塗料中に包含する揮発性ガスと共に蒸発して発煙状態を起こす。その結果、灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたす。
また、ロービームフィラメントの光線のうち、直接光は完全に遮断され、リフレクタへの反射光だけが着色されるので、光線が単一色になり、美的効果に欠けていた。
本考案は、発光時の灯具内における温度上昇を抑制するとともに、直接光と反射光をともに着色して美的効果を向上することを目的としたものである。
本考案は上述のような問題点を解決するためになされたもので、透明なガラスバルブ内の前後に、ロービームフィラメントとハイビームフィラメントを有し、ロービームフィラメントの下側にシェードを配置し、前記ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに50〜90%の光透過性を有し、かつ、着色された耐熱塗料からなる着色層を形成したことを特徴とする自動車用照明灯である。
請求項1記載の考案は、ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、低い光透過性を有し、かつ着色された低透過光層を形成したので、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16からの前方へ発射される光線のうち、低透過光層24を透過し着色された透過直接光26となり、対向車や先行車の視覚に入ることによる眩しさを防止することができる。又、遮光率が従来に比べて低くなるので、光エネルギーが熱に変換する比率が少なくなり、灯具の内部温度の上昇を抑え、発煙状態を起こして灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたすような不都合を解消することができる。
請求項2記載の考案は、ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された熱塗料からなる低透過光層を形成したので、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16からの前方へ発射される光線のうち、10〜30%だけが低透過光層24を透過し着色された透過直接光26となり、対向車や先行車の視覚に入ることによる眩しさをより確実に防止することができる。又、遮光率が従来に比べて低くなるので、光エネルギーが熱に変換する比率が少なくなり、灯具の内部温度の上昇を抑え、発煙状態を起こして灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたすような不都合を解消することができる。
請求項3記載の考案は、前記ガラスバルブの先端部に、低い光透過性を有し、かつ着色された低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに着色層を形成したので、ロービームの反射光を着色したため、灯具を点灯したときの他の車との違いを美的な観点から認識させることができる。
請求項4記載の考案は、ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに50〜90%の光透過性を有し、かつ、着色された耐熱塗料からなる着色層を形成したので、ロービームの直接光と反射光をともに着色し、対向車や先行車に、他の車との違いをより確実に認識させることができるなど、この灯具をつけた車両の特異性を主張でき、美的効果を向上することができる。
本発明は、透明なガラスバルブ内の前後に、ロービームフィラメントとハイビームフィラメントを有し、ロービームフィラメントの下側にシェードを配置し、前記ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに50〜90%の光透過性を有し、かつ、着色された耐熱塗料からなる着色層を形成した自動車用照明灯である。
図1において、リフレクタ10の前面には、レンズ11が気密に固着され、また、リフレクタ10の中心には、ランプバルブ12が取付けられている。
前記ランプバルブ12は、金具13とガラスバルブ14からなり、ガラスバルブ14の内部の前方にはロービームフィラメント15が設けられ、後方にはハイビームフィラメント16が設けられている。そして、ハイビームフィラメント16は、ランプバルブ12をリフレクタ10に取付けたとき焦点位置にあってリフレクタ10での反射光がハイビーム21となる。また、前記ロービームフィラメント15の下側には、シェード17が取付けられ、ロービームフィラメント15の上向きの光だけがガラスバルブ14を透過して、リフレクタ10での反射光がロービーム20となる。
前記ランプバルブ12は、金具13とガラスバルブ14からなり、ガラスバルブ14の内部の前方にはロービームフィラメント15が設けられ、後方にはハイビームフィラメント16が設けられている。そして、ハイビームフィラメント16は、ランプバルブ12をリフレクタ10に取付けたとき焦点位置にあってリフレクタ10での反射光がハイビーム21となる。また、前記ロービームフィラメント15の下側には、シェード17が取付けられ、ロービームフィラメント15の上向きの光だけがガラスバルブ14を透過して、リフレクタ10での反射光がロービーム20となる。
このように構成された自動車用照明灯のランプバルブ12において、本考案では、前記ガラスバルブ14の先端部に低透過光層24を形成する。この低透過光層24は、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料を塗布、蒸着などの方法で形成したもので、青、グリーン、黄、橙などの色から適宜選択される。
このように、ガラスバルブ14の先端部に低透過光層24を設けることにより、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16からの前方へ発射される光線のうち、10〜30%だけが低透過光層24を透過し着色された透過直接光26となるので、まず第1に、対向車や先行車の視覚に入ることによる眩しさを防止する目的を達成しながら、第2に、遮光率が従来に比べて低くなるので、光エネルギーが熱に変換する比率が少なくなり、灯具の内部温度の上昇を抑え、発煙状態を起こして灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたすような不都合を解消することができる。
このように、ガラスバルブ14の先端部に低透過光層24を設けることにより、ロービームフィラメント15とハイビームフィラメント16からの前方へ発射される光線のうち、10〜30%だけが低透過光層24を透過し着色された透過直接光26となるので、まず第1に、対向車や先行車の視覚に入ることによる眩しさを防止する目的を達成しながら、第2に、遮光率が従来に比べて低くなるので、光エネルギーが熱に変換する比率が少なくなり、灯具の内部温度の上昇を抑え、発煙状態を起こして灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたすような不都合を解消することができる。
このロービームのうち、リフレクタ10に向かって発射された光線20a、20b、20cは、リフレクタ10で反射されてロービーム20として出力する。同様に、ハイビームのうち、リフレクタ10に向かって発射された光線21a、21b、21cは、リフレクタ10で反射されてロービーム21として出力する。
図2に示す実施例では、前記ガラスバルブ14の先端部に低透過光層24を形成するとともに、ロービームフィラメント15の外周に位置して着色層25を形成したものである。
前記低透過光層24は、実施例1と同様、10〜30%の光透過性を有する耐熱塗料を塗布、蒸着などの方法で形成したものであるが、着色層25は、50〜90%の光透過性を有する耐熱塗料を塗布、蒸着などの方法で形成したものである。前記低透過光層24と着色層25は、青、グリーン、黄、橙などの色から適宜選択される。この低透過光層24と着色層25の色は、同一系統であってもよいし、異なる色であってもよい。
前記低透過光層24は、実施例1と同様、10〜30%の光透過性を有する耐熱塗料を塗布、蒸着などの方法で形成したものであるが、着色層25は、50〜90%の光透過性を有する耐熱塗料を塗布、蒸着などの方法で形成したものである。前記低透過光層24と着色層25は、青、グリーン、黄、橙などの色から適宜選択される。この低透過光層24と着色層25の色は、同一系統であってもよいし、異なる色であってもよい。
このように、ガラスバルブ14の先端部に低透過光層24を設けることにより、ロービームフィラメント15又はハイビームフィラメント16からの光線のうち、低透過光層24を10〜30%だけが対向車や先行車への着色された直接光として通過される。従って、光エネルギーが熱に変換する比率が少なくなり、灯具の内部温度の上昇を抑え、発煙状態を起こして灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたすような不都合を解消することができる。
また、ロービームフィラメント15のリフレクタ10に向かって発射された光線20d、20eは、着色層25を通過する際に着色され、リフレクタ10で反射されてロービーム20として出力する。従って、ロービームの直接光と反射光をともに着色したため、対向車や先行車に、他の車との違いを認識させることができるなど、この灯具をつけた車両の特異性を主張でき、美的効果を向上することができる。
ハイビームのうち、リフレクタ10に向かって発射された光線21a、21b、21cは、図1と同様、リフレクタ10で反射されてロービーム21として出力する。
ハイビームのうち、リフレクタ10に向かって発射された光線21a、21b、21cは、図1と同様、リフレクタ10で反射されてロービーム21として出力する。
なお、ハイビームは、低透過光層24を10〜30%だけが対向車や先行車への着色された直接光として通過され、光エネルギーが熱に変換する比率が少なくなり、灯具の内部温度の上昇を抑え、発煙状態を起こして灯具内を曇らせて照度不足になったり、塗料の劣化をきたすような不都合を解消することができる。また、ハイビームのうち、リフレクタ10に向かって発射された光線は、着色されることなくリフレクタ10で反射されてロービームとして出力するので、白色光を出力し、より遠方を確認できる。
前記低透過光層24と着色層25は、数μm厚のTiO2蒸着膜と数μm厚のSiO2蒸着膜を交互に10ないし数10層形成したり、耐熱性の塗料を塗布することによって、特定の色の光だけを透過するようにする。
10…リフレクタ、11…レンズ、12…ランプバルブ、13…金具、14…ガラスバルブ、15…ロービームフィラメント、16…ハイビームフィラメント、17…シェード、18…先端黒色部、19…ロービームフィラメントの光が直接透過する部分の着色層、20…ロービーム、21…ハイビーム、22…マスク、23…ガラスバルブ全体に形成した着色層、24…低透過光層、25…着色層、26…透過直接光。
Claims (4)
- 透明なガラスバルブ内の前後に、ロービームフィラメントとハイビームフィラメントを有し、ロービームフィラメントの下側にシェードを配置し、前記ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、低い光透過性を有し、かつ着色された低透過光層を形成したことを特徴とする自動車用照明灯。
- 透明なガラスバルブ内の前後に、ロービームフィラメントとハイビームフィラメントを有し、ロービームフィラメントの下側にシェードを配置し、前記ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成したことを特徴とする自動車用照明灯。
- 透明なガラスバルブ内の前後に、ロービームフィラメントとハイビームフィラメントを有し、ロービームフィラメントの下側にシェードを配置し、前記ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、低い光透過性を有し、かつ着色された低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに着色層を形成したことを特徴とする自動車用照明灯。
- 透明なガラスバルブ内の前後に、ロービームフィラメントとハイビームフィラメントを有し、ロービームフィラメントの下側にシェードを配置し、前記ガラスバルブの背部にリフレクタを有する自動車用照明灯において、前記ガラスバルブの先端部に、10〜30%の光透過性を有し、かつ着色された耐熱塗料からなる低透過光層を形成するとともに、ロービームフィラメントの外周に位置した前記ガラスバルブに50〜90%の光透過性を有し、かつ、着色された耐熱塗料からなる着色層を形成したことを特徴とする自動車用照明灯。
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JPH0465894U (ja) * | 1990-04-18 | 1992-06-09 |
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2004
- 2004-02-16 JP JP2004000596U patent/JP3103397U/ja not_active Expired - Fee Related
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