JP4526204B2 - 小型放電灯 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のヘッドランプなどの光源として用いられる小型放電灯に関するものであり、詳細には、複層の透明薄膜による多層膜干渉フィルタなどが設けられ、フォグランプなどに規定される黄色、アンバー色など所望の灯色が得られるようにした放電灯に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の小型放電灯90の構成の例を示すものが図3であり、放電室91aを有する発光管91には透明シース92が被着され、この透明シース92は紫外線を遮蔽する部材で形成されていて、点灯時に放電室91aで生じる紫外線が外部に放射されることを防止している。
【0003】
このときに、前記透明シース92は放電室91aを挟む両端で発光管91に溶着が行われ、発光管91と透明シース92との間に生じる空間を外気に対して密封状態としている。従って、放電室91aの両側には透明シース92の外径が縮小された溶着部92aを生じるものとなっている。そして、上記のように一体化された発光管91と透明シース92との一方の端部には口金93が取付けられ、車両側との配線が行えるものとしている。
【0004】
ここで、この小型放電灯90を発光色に所望の色が要求されるフォグランプの光源として採用する場合には、前記透明シース92の表面に例えばTiO2などによる高屈折薄膜と、SiO2などによる低屈折薄膜とを交互に積層し300〜500nmの波長領域をカットする多層膜干渉フィルタ94を形成して対応している。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかしながら、前記した従来の構成の小型放電灯90においては、実際にフォグランプの灯具に組み込んで点灯させ、この状態で灯具面の発光している状態を観視すると、発光面の全面が所望の灯色に統一されず、部分的に異なる色彩、例えば青白く発光している部分を生じ、それにより対向車の運転者などに幻惑感を生じさせたり、観視者に違和感を生じさせる問題点を生じている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、発光管を取囲み略円筒状の透明シースが前記発光管とは溶着で一体化して設けられ両端部に径が縮小する溶着部を有し、該透明シースの表面には灯色に規定色を与えるための多層膜干渉フィルタが設けられて成る小型放電灯において、前記透明シースの口金側の端部には、前記発光管との前記溶着部のみを覆う遮光膜が表面側に設けられていることを特徴とする小型放電灯を提供することで課題を解決するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に示すものは本発明に係る小型放電灯1の第一実施形態であり、この小型放電灯1は放電室2aが設けられた発光管2と、アウターバルブなどと称されこの発光管2を覆う透明シース3と、口金4とから構成され、前記透明シース3の外面には多層膜干渉フィルタ5が形成されているものである点は従来例のものと同様である。
【0008】
また、前記透明シース3は放電室2aを挟む両端部で発光管2に熱溶着により一体化が行われているものであり、従って、透明シース3の両端には径が縮小する溶着部3aを生じるものとなっている点も従来例のものと同様である。そして、前記多層膜干渉フィルタ5は、上記のように溶着部3aにより一部が変形した状態の透明シース3の外表面に形成されている。
【0009】
ここで、本発明を成すための発明者の検討の結果を述べれば、従来例の小型放電灯において、規定色(所望の灯色)と異なる色彩の光を放出するのは、大別して、下記の2つの要因により生じているものであることが判明し、この2つの要因に対処すれば解決可能であろうことが推察された。
【0010】
まず、第1の要因は、前記放電室2aで発生された光の内の一部のものは大気よりも屈折率が高い発光管2内に閉じこめられるものを生じ、この閉じこめられた光が発光管2内を内面反射しながら前記溶着部3aに達し、この溶着部3aから外部に放出される光を生じるものとなっているが、このときの、外部に放出される光の方向性は前記溶着部3aの形状が複雑であることで様々である。
【0011】
従って、前記溶着部3aから外部に放出される光の多層膜干渉フィルタ5を透過するときの角度も様々となることが予想され、このときに透過方向が直角から傾くと、前記多層膜干渉フィルタ5は各層の厚みが薄くなったのと同じ作用を生じるものとなり、即ち、カットする波長帯域が短波長側に移動する。
【0012】
このことは、前記多層膜干渉フィルタ5に設定されていた青寄りであったカットする波長帯域(300〜500nm)が、さらに青緑もしくは紫寄りに移動するものとなり、この帯域の部分の光がカットされると共に、従来はカットされていた300〜500nmの波長帯域が透過するものとなるので、当然に青白い発光色の光が放射されるものとなる。
【0013】
また、第2の要因は、小型放電灯1においては、例えばバルブの外表面にこの種の多層膜干渉フィルタ5が設けられている白熱電球に比較して、放電室2aに対する前記透明シース3の寸法が前後方向に大きいことであり、これにより、前記放電室2aから放射された光が透明シース3および多層膜干渉フィルタ5を透過するときに直角から大きく傾くものを生じ、上記と同様に見かけの多層膜干渉フィルタ5の厚さが薄くなり、カットする波長帯域が短波長側に移動するからである。
【0014】
以上の結論に基づいて、本発明では、まず、第一の要因に対処すべく、前記溶着部3aにこの部分からの光が外部に放射され、フォグランプなど車両用灯具の反射鏡に反射して観視者の目に達することのないように、例えば黒色の不透明塗料により遮光膜6を形成するものである。
【0015】
このようにすることで、この第一実施形態の小型放電灯1を光源として採用した車両用灯具(図示は省略する)においては、照射光中に青白い光が混入することはなく、例えばフォグランプなど、この種の車両用灯具に規定されている、照射光が単色であることを満足するものとなることが確認された。
【0016】
尚、上記遮光膜6が設けられたことで、小型放電灯1からの光量が減少することが懸念されたので、前記遮光膜6が存在しない状態と、存在する状態とでの車両用灯具としての照度比較を行ってみたが、その低下量は僅かに0.3%であった。
【0017】
このことは、前記溶着部3aは車両用灯具の反射鏡の焦点からは離れた位置に存在し、加えて、この溶着部3aから放射される光の方向性は様々なものであり、車両用灯具としての照射光の形成には本質的に関与していなかった光であるので、遮蔽したことによる光量の損失は実質的に生じなかったと考察できるものである。
【0018】
図2は本発明に係る小型放電灯の第二実施形態であり、前の第一実施形態では、確かに照射光は単色となり、関係規格は満足するものとなるが、車両用灯具の点灯時の発光面を覗き込むと僅かに青白い光による色ムラが感じられるものであり、観視者によっては違和感を感じる可能性を残すものであった。
【0019】
そして、発明者は、この状況は上記に説明した第2の要因により生じているものであると考慮し、この第二実施形態では遮光膜7を前記発光管2の放電室2aの口金4よりの端部から、口金4に至るまでの範囲の透明シース3の外面に設けるものとした。
【0020】
このようにすることで、点灯した状態の車両用灯具の発光面を覗き込むときにも、全面が均一な所望の灯色で輝くものとなり、色ムラは全くに感じることがなく、観視者に対し違和感を全く生じさせないものとすることが可能となった。そして、この実施形態においても遮光膜7の照度に対する影響を測定してみたが、低下量は3%程度であり、例えば車両の夜間時の運転に実質的な影響を与えるものではないことが確認された。
【0021】
尚、上記の説明では前記遮光膜6、7は不透明塗料を所定の部分に塗装することで形成するものとして説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば第一実施形態においては金属など耐熱性のある部材でリング状に形成したものを当該の部分に被着させるものとしても良く、例えば第二実施形態においては耐熱性のある部材で口金4と一体形成しても良いものである。更には、前記多層膜干渉フィルタ5と同様な構成とし、カットする帯域を前記多層膜干渉フィルタ5の補色範囲とするものを用いても良い。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明により、発光管を取囲み略円筒状の透明シースが前記発光管とは溶着で一体化して設けられ、該透明シースの表面には灯色に規定色を与えるための多層膜干渉フィルタが設けられて成る小型放電灯において、前記透明シースの口金側の端部には、最小範囲としては前記発光管との溶着部を覆い、最大範囲としては前記発光管の口金側の放電室端部から口金に至る範囲を覆う遮光膜が表面側に設けられている小型放電灯としたことで、多層膜干渉フィルタを所定の角度である直角から傾く角度で透過した光を遮蔽するものとして、照射光からも、発光面を見る状態でも異なる色彩の光を生じないものとして、性能向上と違和感の防止とに極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る小型放電灯の第一実施形態を示す側面図である。
【図2】 同じく本発明に係る小型放電灯の第二実施形態を示す側面図である。
【図3】 従来例を一部を破断した状態で示す側面図である。
【符号の説明】
1……小型放電灯
2……発光管
2a……放電室
3……透明シース
3a……溶着部
4……口金
5……多層膜干渉フィルタ
6、7……遮光膜
Claims (3)
- 発光管を取囲み略円筒状の透明シースが前記発光管とは溶着で一体化して設けられ両端部に径が縮小する溶着部を有し、該透明シースの表面には灯色に規定色を与えるための多層膜干渉フィルタが設けられて成る小型放電灯において、前記透明シースの口金側の端部には、前記発光管との前記溶着部のみを覆う遮光膜が表面側に設けられていることを特徴とする小型放電灯。
- 前記遮光膜は不透明塗料の塗装手段により設けられていることを特徴とする請求項1記載の小型放電灯。
- 前記遮光膜は前記口金と一体形成された不透明部材であることを特徴とする請求項1記載の小型放電灯。
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- 2001-04-20 JP JP2001122637A patent/JP4526204B2/ja not_active Expired - Fee Related
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