JP3102613B2 - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JP3102613B2
JP3102613B2 JP05230290A JP23029093A JP3102613B2 JP 3102613 B2 JP3102613 B2 JP 3102613B2 JP 05230290 A JP05230290 A JP 05230290A JP 23029093 A JP23029093 A JP 23029093A JP 3102613 B2 JP3102613 B2 JP 3102613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中の特定成分につ
いて、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施することので
きるバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】バイオセンサの一例としてスクロースセ
ンサについて説明する。酵素電極を用いたスクロースの
定量方法としては、インベルターゼ(EC3.2.1.
26:以下INVと略す)、ムタロターゼ(EC5.
1.3.3:以下MUTと略す)、グルコースオキシダ
ーゼ(EC1.1.3.4:以下GODと略す)の3つ
の酵素と酸素電極あるいは過酸化水素電極とを組み合わ
せた方式が一般によく知られている(例えば、鈴木周一
編「バイオセンサー」講談社)。上記方法について説明
する。試料中のスクロースはINVによってα−グルコ
ースとフルクトースに加水分解される。つぎにMUTに
よってα−グルコースからβ−グルコースへの異性化が
促進され、このβ−グルコースがGODにより選択的に
酸化される。酸素の存在下では、前記GODによる酸化
反応過程において酸素が過酸化水素に還元される。この
ときの酸素減少量を酸素電極によって計測するか、ある
いは過酸化水素の増加量を過酸化水素電極によって計る
ことでスクロースの定量を行うものである。
【0003】つぎに、酸素の代わりにレドックス化合物
を電子受容体として機能させる方式について説明する。
この方式のバイオセンサとして、試料液の希釈や攪拌な
どを行うことなく簡易に定量しうる方法が提案されてい
る(特開平3−54447号公報)。このバイオセンサ
は、絶縁性の基板上にスクリーン印刷等の方法で電極系
を形成し、上記電極系上に親水性高分子と酸化還元酵素
を含む層、親水性高分子層および電子受容体を含む層を
順に形成したものである。試料液を酵素反応層上へ滴下
すると反応層が溶解し、試料液中の基質との間で酵素反
応が進行し、電子受容体が還元される。酵素反応終了
後、この還元された電子受容体を電気化学的に酸化し、
このとき得られる酸化電流値から試料液中の基質濃度を
求めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において
は、測定対象となるスクロースを加水分解してβ−グル
コースを生じさせ、このβ−グルコースを酸化させるこ
とによってスクロースを定量するために、試料液中にス
クロースとβ−グルコースが共存する場合にはスクロー
スのみを正確に定量することが難しかった。さらに、レ
ドックス化合物を電子受容体として機能させる方式のバ
イオセンサにおいては、試料液中にアスコルビン酸が含
まれている場合には、センサ応答に誤差を与える場合が
あり、正確な基質定量が妨げられるという問題点を有し
ていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、電気絶縁性の基板、前記基板上に形成さ
れた少なくとも作用極と対極からなる電極系、少なくと
も親水性高分子と酵素と電子受容体を含有し、前記電極
系上に接して設けられた第1の反応層、前記第1の反応
層における測定対象物の反応系に関与する妨害物質を前
記反応系に関与しない物質に変換する酵素を含有し、前
記電極系近傍に設けられた第2の反応層、および測定対
象物は透過するが第2の反応層の酵素の透過を制限する
膜からなり、前記第1の反応層を被覆する隔離層を具備
するバイオセンサを提供するものである。
【0006】ここで、第1および第2の反応層に用いる
酵素等の好ましい組合せを挙げると、第1の反応層に含
有される酵素がグルコースオキシダーゼであり、第2の
反応層に含有される酵素がピラノースオキシダーゼであ
るバイオセンサがある。また、第1の反応層に含有され
る酵素が、インベルターゼ、マルターゼ、β−ガラクト
シダーゼおよびセルラーゼよりなる群から選ばれた少な
くとも一つとグルコースオキシダーゼの組合せからな
り、第2の反応層に含有される酵素がヘキソキナーゼで
あり、さらに第2の反応層がアデノシン−5’−三リン
酸を含有するバイオセンサ、および第2の反応層が、さ
らにグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼおよびβ
−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を含有
するバイオセンサがある。さらに、第2の反応層に含有
される酵素がアスコルビン酸オキシダーゼであるバイオ
センサがある。
【0007】
【作用】第2の反応層中に含まれる酵素により、測定対
象物を含む試料液中に共存する応答妨害物質を測定対象
物の反応系に関与しない物質に化学的に変化させること
ができる。さらに、隔離層により第2の反応層中の酵素
が第1の反応層中の酵素反応系に関与することを防ぐこ
とができる。したがって、共存する妨害物質の影響を小
さくすることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 [実施例1]バイオセンサの一例として、スクロースセ
ンサについて説明する。図1は本発明のバイオセンサの
一実施例として作製したスクロースセンサの分解斜視
図、図2は同スクロースセンサのうち第1および第2の
反応層と隔離層を除いた分解斜視図、図3は同スクロー
スセンサのカバーおよびスペーサーを除いた模式断面図
である。
【0009】以下、スクロースセンサの作製方法につい
て説明する。ポリエチレンテレフタレートからなる電気
絶縁性の基板1に、スクリーン印刷により銀ペ−ストを
印刷しリ−ド2、3を形成する。つぎに、樹脂バインダ
ーを含む導電性カーボンペーストを印刷して作用極4を
形成する。作用極4はリード2と接触している。つぎ
に、絶縁性ペーストを印刷して絶縁層6を形成する。絶
縁層6は、作用極4の外周部を覆っており、これによっ
て作用極4の露出部分の面積を一定に保っている。さら
に、絶縁層6は、リード2、3を部分的に覆っている。
つぎに、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペースト
をリード3と接触するように印刷して対極5を形成す
る。
【0010】つぎに、前記電極系(作用極4、対極5)
上に親水性高分子としてカルボキシメチルセルロ−ス
(以下CMCと略す)の0.5wt%水溶液を滴下し、乾
燥させてCMC層を形成する。続いて、前記CMC層上
に酵素としてINV、MUT、GODおよび電子受容体
としてフェリシアン化カリウムをリン酸緩衝液(0.2
M:KH2PO4−0.2M:Na2HPO4;pH=7.
4)に溶解させた混合溶液を滴下し、50℃の温風乾燥
器中で10分間乾燥させて親水性高分子、酵素および電
子受容体を含む第1の反応層7を形成する。CMC層上
に、酵素および電子受容体の混合水溶液を滴下すると、
親水性高分子であるCMC層は一度溶解し、その後の乾
燥過程で酵素などと混合された状態で親水性高分子、酵
素および電子受容体からなる第1の反応層7を形成す
る。しかし、攪拌をともなわないため完全な混合状態と
はならず、電極系表面はCMCのみによって被覆された
状態となる。すなわち、電極系表面へのタンパク質の吸
着などを防ぐことができる。
【0011】つぎに非水溶性高分子としてポリ(2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)(以下PHEMAと略
す)の2wt%メタノール溶液を前記第1の反応層7上へ
滴下し、乾燥させて非水溶性高分子からなる隔離層8を
形成する。CMC、酵素、フェリシアン化カリウムはメ
タノールにはほとんど溶解しない。したがって、第1の
反応層7はPHEMAの膜からなる独立した隔離層8に
より被履される。
【0012】つぎに、ピラノースオキシダーゼ(EC
1.1.3.10:以下、PyODと略す)の水溶液を
絶縁層6上に滴下し、乾燥させて第2の反応層9を形成
する。この場合、PyODを溶解する際の溶媒には水を
用いたが、必要に応じてリン酸などの適当な緩衝溶液を
溶媒として用いることにより、PyODと緩衝塩を含む
第2の反応層を形成することもできる。第2の反応層9
は、必ずしも上記のように第1の反応層7と離れた位置
に形成する必要はない。第1および第2の反応層を離れ
た位置に形成した場合には、各酵素試薬の活性低下に基
くセンサ保存特性の低下を小さくすることができる。
一方、第2の反応層9を第1の反応層7上の隔離層8
接して形成することも可能である。この場合には、第2
の反応層の形成場所が隔離層8を介して第1の反応層と
一致するためにセンサ形状をより小さくすることが可能
である。上記のようにして第1の反応層7、隔離層8
よび第2の反応層9を形成した後、カバー22およびス
ペーサー21を図1または図2中、一点鎖線で示すよう
な位置関係をもって接着してスクロースセンサを作製す
る。
【0013】このスクロースセンサに試料液としてスク
ロースとグルコースの混合水溶液3μlを試料供給孔2
3より供給すると、試料液は空気孔24部分まで達し、
第2の反応層9および第1の反応層7が順次溶解する。
試料液を供給してから3分後に電極系の対極5と作用極
4間に+0.5Vの電圧を印加し、5秒後の電流値を測
定したところ、試料液中のスクロース濃度のみに比例し
た値が得られた。
【0014】以下、測定原理について説明する。試料液
中のグルコースは、第2の反応層に含まれるPyODに
よって酸化されるが、PyODはスクロースに対しては
酸化作用を及ぼさない。従って、第2の反応層を溶解さ
せた後の試料液中にはグルコースはほとんど存在しな
い。試料液中のスクロースは、第1の反応層中のINV
によって加水分解され、α−グルコースとフルクトース
が生成する。このα−グルコースからβ−グルコースへ
の異性化はMUTによって促進され、β−グルコースが
GODによって選択的に酸化される。このとき第1の反
応層中に共存するフェリシアン化カリウムが還元されて
フェロシアン化カリウムが生成する。このフェロシアン
化カリウムの生成量は、試料液中のスクロース量に比例
する。前記電圧印加によりフェロシアン化カリウムの生
成量に比例した酸化電流値が得られる。したがって、前
記酸化電流値よりスクロース濃度を定量することができ
る。
【0015】隔離層8は、試料液中のスクロースを透過
させるが、第2の反応層9中のPyODを透過させず、
従って、PyODがINV、MUT、GODによる第1
の反応層における酵素反応系に関与するのを妨げる効果
を有する。これは、メタノール溶液から形成したPHE
MAの膜がスクロースより2桁ほど大きい酵素分子の透
過を妨げるに適当な孔径の微孔を有することによるもの
と思われる。
【0016】[実施例2]バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。実施例1と同様に
して、ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基
板1上に、リ−ド2、3と電極系(作用極4、対極5)
および絶縁層6を形成する。さらに、実施例1と同様に
して、CMC、INV、MUT、GOD、フェリシアン
化カリウムを主成分とする親水性高分子−酵素−電子受
容体からなる第1の反応層7および、PHEMAからな
る隔離層8を形成する。つぎに、ヘキソキナーゼ(EC
2.7.1.1:以下、HXと略す)とアデノシン−
5’−三リン酸二ナトリウム(以下、ATPと略す)の
混合水溶液を絶縁層6上に滴下し、乾燥させて第2の反
応層9を形成し、さらに、実施例1と同様にしてカバー
22およびスペーサー21と共に一体化してスクロース
センサを作製した。
【0017】上記のように作製したスクロースセンサに
試料液としてスクロースとグルコースの混合水溶液3μ
lを実施例1と同様に試料供給孔23から供給してセン
サ応答電流を測定したところ、グルコース濃度には依存
せず、スクロース濃度のみに比例した値が得られた。以
下、測定原理について簡単に説明する。試料液中のグル
コースは、第2の反応層に含まれるHXによってリン酸
化され、グルコース−6−リン酸となる。上記HXによ
るグルコースのリン酸化反応にはATPが必要であり、
ATPはアデノシン−5’−二リン酸塩となる。HXは
スクロースに対しては作用を及ぼさない。従って、第2
の反応層を溶解させた後の試料液中にはグルコースはほ
とんど存在しない。試料液中のスクロースは、実施例1
と同様にして第1の反応層中の酵素と反応し、フェロシ
アン化カリウムが生成する。さらに、実施例1と同様に
して、このフェロシアン化カリウムの酸化電流よりスク
ロース濃度を定量することができる。
【0018】[実施例3]バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。実施例1と同様に
して、ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基
板1上に、リ−ド2、3と電極系(作用極4、対極5)
および絶縁層6を形成する。さらに、実施例1と同様に
して、CMC、INV、MUT、GOD、フェリシアン
化カリウムを主成分とする親水性高分子−酵素−電子受
容体からなる第1の反応層7および、PHEMAからな
る隔離層8を形成する。
【0019】つぎに、HX、ATP、グルコース−6−
リン酸デヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.49:以
下、G6PDHと略す)、β−ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチドリン酸塩(以下、NADPと略す)とC
MCの混合水溶液を絶縁層6上に滴下し、乾燥させて第
2の反応層9を形成する。さらに、実施例1と同様にし
てカバー22およびスペーサー21と共に一体化してス
クロースセンサを作製する。第2の反応層9中にCMC
のような親水性高分子を含有させることによって、形成
後の第2の反応層9のひび割れや絶縁層6からの剥離な
どを防ぐことができる。この作用は、本実施例のように
第2の反応層中に含有する試薬の量が多い場合に、特に
有効である。
【0020】上記のように作製したスクロースセンサに
試料液としてスクロースとグルコースの混合水溶液3μ
lを実施例1と同様に試料供給孔23から供給してセン
サ応答電流を測定したところ、グルコース濃度には影響
を受けず、スクロース濃度に比例した値が得られた。以
下、測定原理について簡単に説明する。試料液中のグル
コースは、第2の反応層に含まれるHXによってリン酸
化され、グルコース−6−リン酸となる。このグルコー
ス−6−リン酸はG6PDHによって酸化されグルコノ
ラクトン−6−リン酸となる。上記G6PDHによるグ
ルコース−6−リン酸の酸化反応にはNADPが必要で
あり、NADPは還元されNADPHとなる。G6PD
Hがグルコース−6−リン酸を酸化させることによっ
て、HXによる反応の平衡がグルコース−6−リン酸の
生成方向へ移行する。したがって、HXによるグルコー
スのリン酸化反応が加速され、妨害物質として試料液中
にあらかじめ存在したグルコースの除去の効果を高める
ことができる。試料液中のスクロースは、実施例1と同
様にして第1の反応層中の酵素と反応し、フェロシアン
化カリウムが生成する。さらに、実施例1同様にして、
このフェロシアン化カリウムの酸化電流よりスクロース
濃度を定量することができる。
【0021】なお、上記実施例1から3ではスクロース
センサについて示したが、本発明は第1の反応層中に含
有する酵素としてINV、MUT、GODの組合せを用
いる代わりにマルターゼとGODの組合せを用いること
でマルトースセンサに、β−ガラクトシダーゼとGOD
の組合せを用いることでラクトースセンサに、セルラー
ゼとGODの組合せを用いることでセルロースセンサに
ついても適用することができる。
【0022】[実施例4]バイオセンサの一例として、
グルコースセンサについて説明する。実施例1と同様に
して、ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基
板1上に、リ−ド2、3と電極系(作用極4、対極5)
および絶縁層6を形成する。さらに、実施例1と同様に
して電極系(作用極4、対極5)上にCMC層を形成
し、続いて、前記CMC層上に酵素としてGODおよび
電子受容体としてフェリシアン化カリウムの混合水溶液
を滴下し、温風乾燥器中で乾燥させて親水性高分子−酵
素−電子受容体からなる第1の反応層7を形成する。
【0023】つぎに、非水溶性高分子としてPHEMA
の2wt%メタノール溶液を前記第1の反応層7上へ滴下
し、乾燥させて隔離層8を形成する。つぎに、アスコル
ビン酸オキシダーゼ(EC1.10.3.3:以下、A
sODと略す)の水溶液を絶縁層6上に滴下し、乾燥さ
せて第2の反応層9を形成する。上記のようにして第1
の反応層7、隔離層8および第2の反応層9を形成した
後、カバー22およびスペーサー21を図1または図2
中、一点鎖線で示すような位置関係をもって接着してグ
ルコースセンサを作製する。
【0024】このグルコースセンサに試料液としてグル
コースとアスコルビン酸の混合水溶液3μlを試料供給
孔23より供給した。試料液は空気孔24部分まで達
し、第2の反応層9および第1の反応層7が順次溶解し
た。試料液を供給してから1分後に電極系の対極5と作
用極4間に+0.5Vの電圧を印加し、5秒後の電流値
を測定したところ、アスコルビン酸の影響はほとんど受
けず、試料液中のグルコース濃度に比例した値が得られ
た。以下、測定原理について簡単に説明する。試料液中
のアスコルビン酸は、第2の反応層に含まれるAsOD
によって酸化され、デヒドロアスコルビン酸となる。試
料液中のグルコースは、第1の反応層中のGODと反応
し、同時にフェリシアン化カリウムが還元されてフェロ
シアン化カリウムが生成する。さらに、前記電圧印加に
よってこのフェロシアン化カリウムの酸化電流が得られ
る。このフェロシアン化カリウム生成量は、試料液中の
グルコース量に比例するため、グルコース濃度を定量す
ることができる。
【0025】第2の反応層中にAsODを含有しない場
合には、試料液中のアスコルビン酸が以下の理由によっ
てセンサ応答を妨害する。アスコルビン酸は第1の反応
層中のフェリシアン化カリウムと反応し、GODとグル
コースとの反応とは別にフェロシアン化カリウムが生成
する。したがってこの場合には、フェロシアン化カリウ
ムの生成量は、アスコルビン酸とグルコースの両方に依
存するため、フェロシアン化カリウムの還元電流からグ
ルコース濃度を正確に定量することができない。
【0026】なお、上記実施例4ではグルコースセンサ
について示したが、本発明は他の糖類、例えばフルクト
ース、マルトース、ラクトースのセンサやセルロースセ
ンサ、乳酸センサ、アルコールセンサ、コレステロール
センサなど酸化還元酵素の関与する反応系に広く適用す
ることができる。酵素としてはインベルターゼ、ムタロ
ターゼ、グルコースオキシダーゼ以外に、フルクトース
デヒドロゲナーゼ、マルターゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、セルラーゼ、乳酸オキシダーゼ、アルコールオキシ
ダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、キサンチンオキ
シダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等も用いることができ
る。また上記実施例1から4では、非水溶性高分子とし
てはPHEMAを用いたが、これに限定されることはな
く、上記の効果が得られるものを自由に選択することが
できる。
【0027】上記実施例のスクロースセンサでは、緩衝
液としてKH2PO4−Na2HPO4(pH=7.4)を
用いたが、これら以外にも、HEPES−NaOH、K
2PO4−K2HPO4、NaH2PO4−K2HPO4、N
aH2PO4−Na2HPO4、クエン酸−Na2HPO4
クエン酸−K2HPO4、Tris−Tris塩酸塩、
[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノ
エタンスルホン酸]−NaOH、[ピペラジン−N,
N’−ビス(2−エタンスルホン酸)]−NaOHの組
合せをpH7〜8付近の値に調整して用いても同様の効
果が得られる。さらに、上記実施例では親水性高分子と
してCMCを用いたが、これらに限定されることはな
く、他のセルロース誘導体、具体的にはヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースを用
いてもよく、さらには、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ゼラチンおよびその誘導体、アクリル
酸およびその塩、メタアクリル酸およびその塩、スター
チおよびその誘導体、無水マレイン酸およびその塩を用
いても同様の効果が得られる。
【0028】一方、電子受容体としては、上記実施例に
示したフェリシアン化カリウム以外に、p−ベンゾキノ
ン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フ
ェロセン誘導体なども使用できる。また、上記実施例に
おいて酵素および電子受容体については試料液に溶解す
る方式について示したが、これに制限されることはな
く、固定化によって試料液に不溶化させた場合にも適用
することができる。また、上記実施例では、作用極と対
極のみの二極電極系について述べたが、参照極を加えた
三電極方式にすれば、より正確な測定が可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によると、試料液中
に共存する応答妨害物質の影響を受けず、高精度な定量
が可能なバイオセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるスクロースセンサの
分解斜視図である。
【図2】同スクロースセンサのうち第1の反応層および
第2の反応層を除いた分解斜視図である。
【図3】同スクロースセンサのカバーおよびスペーサー
を除いた模式断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性の基板 2 リード 3 リード 4 作用極 5 対極 6 絶縁層 7 第1の反応層 8 隔離層 9 第2の反応層 21 スペーサー 22 カバー 23 試料供給孔 24 空気孔

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の基板、前記基板上に形成さ
    れた作用極および対極を有する電極系、少なくとも親水
    性高分子と酵素と電子受容体を含有し、前記電極系上に
    接して設けられた第1の反応層、前記第1の反応層にお
    ける測定対象物の反応系に関与する妨害物質を前記反応
    系に関与しない物質に変換する酵素を含有し、前記電極
    系近傍に設けられた第2の反応層、および測定対象物は
    透過するが第2の反応層の酵素の透過を制限する膜から
    なり、前記第1の反応層を被覆した隔離層を具備するこ
    とを特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 第2の反応層がさらに親水性高分子を含
    有する請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 第1の反応層に含有される酵素がグルコ
    ースオキシダーゼであり、第2の反応層に含有される酵
    素がピラノースオキシダーゼである請求項1記載のバイ
    オセンサ。
  4. 【請求項4】 第1の反応層に含有される酵素が、イン
    ベルターゼ、マルターゼ、β−ガラクトシダーゼおよび
    セルラーゼよりなる群から選ばれた少なくとも一つとグ
    ルコースオキシダーゼの組合せからなり、第2の反応層
    に含有される酵素がヘキソキナーゼであり、さらに第2
    の反応層がアデノシン−5’−三リン酸を含有する請求
    項1記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 第2の反応層が、さらにグルコース−6
    −リン酸デヒドロゲナーゼおよびβ−ニコチンアミドア
    デニンジヌクレオチドリン酸を含有する請求項4記載の
    バイオセンサ。
  6. 【請求項6】 第2の反応層に含有される酵素がアスコ
    ルビン酸オキシダーゼである請求項1記載のバイオセン
    サ。
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