JP3102251B2 - 自動変速機付車両のエンジン制御装置 - Google Patents

自動変速機付車両のエンジン制御装置

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JP3102251B2
JP3102251B2 JP06022446A JP2244694A JP3102251B2 JP 3102251 B2 JP3102251 B2 JP 3102251B2 JP 06022446 A JP06022446 A JP 06022446A JP 2244694 A JP2244694 A JP 2244694A JP 3102251 B2 JP3102251 B2 JP 3102251B2
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弘淳 遠藤
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機のパワーオ
フダウンシフト時に、エンジンに吸入される吸入空気量
を増大する制御を実行すると共に、所定の条件下で燃料
をカットする制御を実行する自動変速機付車両のエンジ
ン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両がコースト状態のとき、即ちエンジ
ン側から車輪側へと動力が伝達されるのではなく、逆に
車輪側からエンジン側へと動力が伝達されている状態の
とき、車速の低下に伴って自動変速機がより低い変速段
に変速すべきであると判断されると、ここでダウンシフ
トが実行される。
【0003】この明細書では、このようなコースト時に
実行されるダウンシフトを「パワーオフダウンシフト」
と定義する。
【0004】パワーオフダウンシフトが実行されると、
それまで高速段側のギヤ比に対応する回転数で回転して
いたエンジンが、低速段側に対応した回転数、即ちより
高い回転数に引き上げられる。この引き上げの際に多く
のコーストトルクが消費されるため、車両は瞬間的に強
く減速され、乗員に不快感を与える。
【0005】このような点に鑑み、例えば特開平5−1
62570号公報においては、パワーオフダウンシフト
時に吸入空気量を増大させることによってエンジン出力
を増大し、エンジンの回転数をエンジン自ら引き上げる
ことによってコーストトルクの消費を低減し、摩擦材の
負荷を低減して変速時間を短縮すると共に変速ショック
を低減する技術が提案されている。
【0006】ところで、このようにパワーオフダウンシ
フト中に吸入空気量を増大してエンジン出力を高めよう
としても、これと平行していわゆる燃料カットの制御が
実行されると、エンジンの吸入空気量の増加によるエン
ジン出力増加の効果が減殺されてしまう。この問題は、
パワーオフダウンシフトの起こる運転条件と減速時の燃
料カットを実行する運転条件が極めて類似しているた
め、現実にはよく発生する問題である。
【0007】この問題を解決する1つの対策として、パ
ワーオフダウンシフトが実行される際にはいわゆる燃料
カットの制御を中止し、所定の燃料噴射を行うようにす
ることが考えられる。この技術は例えば特開昭63−2
84039号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に開示されているように、只単に燃料カットを中止し
ただけでは、現実には反ってエンジンの出力が不安定と
なったり、あるいは失火を招いたりし、これによって触
媒が加熱したり排気ガス成分が悪化したりする等の不具
合が発生してしまうことがあるという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、パワーオフダウンシフト時にお
けるエンジン制御を適確に行うことにより、エンジンの
失火、あるいはこれによる触媒加熱や排ガス成分の悪化
等の不具合を発生することなく、パワーオフダウンシフ
ト時における変速ショック、変速時間、摩擦材の負荷を
低減するという所期の目的を一層適確に達成することを
その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、図1にその要旨を示すように、自動変速機のパワー
オフダウンシフト時に、エンジンに吸入される吸入空気
量を増大する制御を実行すると共に、所定の条件下で燃
料をカットする制御を実行する自動変速機付車両のエン
ジン制御装置において、エンジン負荷を検出する手段
と、エンジン回転数を検出する手段と、エンジン負荷及
びエンジン回転数に基づいて噴射すべき燃料噴射量を演
算する手段と、演算された燃料噴射量が所定値以上か否
か判断する手段と、前記吸入空気量を増大すべき条件下
で、且つ前記燃料カットをすべき条件下の場合は、吸入
空気量の増大制御を優先すると共に、前記演算された燃
料噴射量が所定値未満のときには燃料カット制御も併せ
て実行し、該演算された燃料噴射量が所定値以上のとき
は燃料カット制御を中止して燃料噴射を実行する手段
と、を備えたことにより、上記課題を解決したものであ
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、更に、前記パワ
ーオフダウンシフトが終了したか否かを判断する手段
と、終了と判断されてから増大させていた吸入空気量を
減少させて運転状態に応じた通常の値に戻す手段と、燃
料カットを中止していた場合は、前記噴射すべき燃料噴
射量が前記所定値以下となる前に、該燃料カットの中止
を解除し、再び燃料をカットする手段と、を備えたこと
により、同じく上記課題を解決したものである。
【0012】
【作用】パワーオフダウンシフト時に、エンジンの出力
を効果的に高めるには、吸入空気量を増大させると共
に、もし燃料カットの制御を実行中であった場合にはこ
れを中止して燃料噴射を再開することがまず考えられ
る。
【0013】しかしながら、一般に燃料噴射量は、エン
ジン負荷及びエンジン回転数に基づき、例えばエンジン
負荷として吸入空気量Qを用い、Q/N(吸入空気量/
エンジン回転数)に基づいて、あるいはエンジン負荷と
して吸気管圧力PMを用いPMとエンジン回転数Nに基
づき演算される。ところが、このパワーオフダウンシフ
トが実行されるような運転中においては、吸入空気量が
少ない上に、エンジンは車輪側からのコーストトルクに
より車速及びギヤ比に応じた(アイドル回転数よりも高
い)回転数で回転している。従ってそのときの車速ある
いはギヤ比によってはこのQ/N、あるいはPMが非常
に小さくなることから、これに対応して演算される燃料
噴射量も非常に小さくなってしまうことがあることにな
る。
【0014】一方、エンジンを適正に燃焼させるには、
所定値以上の吸入空気と燃料がバランスよく供給される
必要があり、いずれか一方でも絶対的にあるいは相対的
に少ないと燃焼が非常に不安定となったり、場合によっ
ては燃焼できないという事態が発生する。
【0015】このことは、換言すると、このようなパワ
ーオフダウンシフト時に只単に燃料カットを中止して燃
料供給を再開すると、これによって反ってエンジンの回
転が不安定となって出力増強ができなくなるだけでな
く、不完全な燃焼ガスが排出されることによる触媒の加
熱や排ガス成分の悪化が引き起こされることを意味す
る。
【0016】本発明は、このような事情に着目し、エン
ジン負荷及びエンジン回転数に基づいて演算された「噴
射すべき燃料噴射量」が所定値以上であったときにのみ
パワーオフダウンシフト時の燃料カットの中止(燃料噴
射)を実行するようにした。
【0017】この結果パワーオフダウンシフト時におけ
るエンジンの出力増大が、エンジンの失火、あるいはこ
れによる触媒加熱や排ガス成分の悪化等の不具合を招く
ことなく効率的に達成され、当該パワーオフダウンシフ
トにおける変速ショックの低減や変速時間、摩擦材の負
荷軽減等の所期の目的を効果的に達成することができる
ようになる。
【0018】なお、請求項1に記載の発明に従ってパワ
ーオフダウンシフト時に吸入空気量の増大、燃料カッ
ト、あるいは燃料噴射を実施した場合、当該制御をどの
ようにして終了するかが問題となる。請求項2に記載の
発明では、パワーオフダウンシフトが終了したと判断さ
れてから、まず増大させていた吸入空気量を減少させて
運転状態に応じた通常の値に戻すと共に、演算によって
算出された噴射すべき燃料噴射量が所定値以下となる前
に燃料カットの中止を解除し、再び燃料をカットするよ
うにしている。これにより、パワーオフダウンシフトを
行う際のエンジンの出力増大を、不具合を発生させるこ
となく終了することができるようになる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0020】図2は、本発明が適用される、自動変速機
付エンジンの全体概要図である。このエンジンは吸入空
気量感知式の自動車用電子燃料噴射エンジンであり、そ
の出力軸に図3に示す自動変速機(以下ECTと称す
る)900が連結されている。
【0021】エアクリーナ10から吸入された空気は、
エアフローメータ12、吸気スロットル弁14、サージ
タンク16、吸気マニホルド18へと順次送られる。こ
の空気は吸気ポート20付近でインジェクタ22から噴
射される燃料と混合され、吸気弁24を介して更にエン
ジン本体26の燃焼室26Aへと送られる。燃焼室26
A内において混合気が燃焼した結果生成された排気ガス
は、排気弁28、排気ポート30、排気マニホルド32
及び排気管(図示省略)を介して大気に放出される。
【0022】前記エアフローメータ12は、エンジン負
荷としての吸入空気量Qを検出するためのもので、吸気
温を検出するための吸気温センサ100が付設けられて
いる。これは、同一の吸入空気量でも吸気温が異なると
その実質的な量が異なってくるため、これを補正するた
めである。
【0023】又、前記排気マニホルド32には、エンジ
ンの排気温を検出するための排気温センサ101が設け
られている。前記吸気スロットル弁14は、運転席に設
けられた図示せぬアクセルペダルと連動して回動する。
この吸気スロットル弁14には、その開度を検出するた
めのスロットルセンサ102が設けられている。又、こ
のスロットルセンサ102にはスロットル弁14が全閉
のときにONとなるアイドルスイッチの機能が付設され
ている。
【0024】又、前記エンジン本体26のシリンダブロ
ツク26Bには、エンジン冷却水温を検出するための水
温センサ104が配設されている。更に、エンジン本体
26のクランク軸によって回転される軸を有するデスト
リビュータ38には、前記軸の回転からクランク角を検
出するためのクランク角センサ108が設けられてお
り、これからエンジン回転数Nが検出されるようになっ
ている。
【0025】又、ECT900には、その出力軸の回転
数N0から車速を検出するための車速センサ110、ク
ラッチC0(後述)の回転数を検出するC0センサ11
3、シフトポジションを検出するためのシフトポジショ
ンセンサ112、更にECT900のオイルパン内の油
温を検出するためのセンサ111が設けられている。
【0026】これらの各センサ100、101、10
2、104、108、110、111、112、11
3、の出力及びパターンセレクトスイッチ114、オー
バードライブスイッチ116、ブレーキランプスイッチ
118の出力は、エンジンコンピュータ40又はECT
コンピュータ50に入力される。
【0027】エンジンコンピュータ40では吸入空気量
Q、エンジン回転数Nの情報を含む各センサからの入力
信号をパラメータとして燃料噴射量や最適点火時期を公
知の方法で計算し、該燃料噴射量に対応する所定時間だ
け燃料を噴射するように前記インジェクタ22を制御す
ると共に、前記最適点火時期が得られるように前記イグ
ニッションコイル44を制御する。
【0028】又、アイドルスイッチ(スロットルセンサ
102に付設)がON、エンジン回転数Nが所定値以上
の条件が成立したときには燃料カットを実行し、燃費を
それだけ向上させる。
【0029】吸気スロットル弁14の上流とサージタン
ク16とを連通させるバイパス通路には、ステップモー
タで駆動されるアイドル回転数制御弁(ISCV)42
が設けられている。前記エンジンコンピュータ40は、
前記ECTコンピュータ50から自動変速機側の各セン
サの情報を受け、このアイドル回転数制御弁(ISC
V)42を制御することによりエンジンのアイドル回転
数を制御すると共に、本発明に係るパワーオフダウンシ
フト時の吸入空気量Qの増大制御を実行する。
【0030】一方、この実施例におけるECT900の
トランスミッション部は、図3に示すように、トルクコ
ンバータ910と、オーバードライブ機構920と、ア
ンダードライブ機構930とを備える。前記トルクコン
バータ910は、ポンプ911、タービン912、及び
ステータ913を含む周知のものであり、ロックアップ
クラッチ914を備える。
【0031】前記オーバードライブ機構920は、サン
ギヤ921、該サンギヤ921に噛合するプラネタリピ
ニオン922、該プラネタリピニオン922を支持する
キャリア923、プラネタリピニオン922と噛合する
リングギア924からなる1組の遊星歯車装置を備え、
この遊星歯車装置の回転状態をクラッチC0、ブレーキ
B0、及び一方向クラッチF0によって制御している。
【0032】前記アンダードライブ機構930は、共通
のサンギヤ931、該サンギヤ931に噛合するプラネ
タリピニオン932、933、該プラネタリピニオン9
32、933を支持するキャリア934、935、プラ
ネタリピニオン932、933と噛合するリングギア9
36、937からなる2組の遊星歯車装置を備え、この
遊星歯車装置の回転状態、及び前記オーバードライブ機
構との連結状態をクラッチC1、C2、ブレーキB1〜
B3、及び一方向クラッチF1、F2によって制御して
いる。このトランスミッション部は、これ自体周知であ
るため、各構成要素の連結状態については、図3におい
てスケルトン図示するに留め、詳細な説明は省略する。
【0033】この実施例におけるECT900は、上述
の如きトランスミッション部を備え、スロットルセンサ
102、及び車速センサ110、あるいはC0センサ1
13等の信号を入力されたECTコンピュータ50によ
って、予め設定された変速パターンに従って油圧制御回
路60内の電磁弁S1〜S4が駆動・制御され、図4に
示されるような、各クラッチ、ブレーキ等の係合の組み
合わせが行われて変速制御がなされる。なお、図4にお
いて○印は作用状態を示し、又、◎印は駆動時のみ作用
状態になることを示している。
【0034】次に、本発明に係るパワーオフダウンシフ
ト時の吸入空気量の制御及び燃料噴射制御に関する具体
的な制御フローを図5に従って説明する。
【0035】図5に記載した制御フローがスタートする
と、まずステップ200においてアイドルスイッチ(ス
ロットルセンサ102に付設)がオンであるか否かが判
定される。アイドルスイッチがオフであるときは、スロ
ットル弁14が開状態、即ちアクセルペダルが踏み込ま
れている状態であると判断されるため、直ちにこのフロ
ーを抜ける。
【0036】アイドルスイッチがオンであると判断され
たときには、ステップ202に進んで本発明に係る「パ
ワーオフダウンシフトの制御」が行われるべき運転状態
であるか否かが検出される。本発明に係るパワーオフダ
ウンシフトの制御は、車輪側からエンジン側に動力が伝
達されている状態のダウンシフト時に実行される。具体
的には、例えばDレンジから2レンジ、DレンジからL
レンジ、2レンジからLレンジ等のマニュアルシフトが
なされたとき、あるいはDレンジでの第4速から第3速
への自動変速がなされたとき等において実行される。更
には、特殊な制御ではあるが、例えば(降坂時に)アイ
ドルスイッチONで車速が増大するようなときに、強制
的にDレンジの第4速から第3速へシフトされるような
場合にも実行される。この状態が検出されないときは、
直ちにこの制御フローを抜ける。
【0037】一方、アイドルスイッチがオンであり、且
つ本発明に係るパワーオフダウンシフトの制御が行われ
るべき運転状態であると検出されたときには、ステップ
204に進んで当該検出がなされてからの経過時間を示
すタイマTがリセットされる。
【0038】ステップ206では、このタイマTが所定
時間T0 に至ったか否かが判定される。所定時間T0 に
至らないうちは、当該タイマTのカウントアップの実行
を伴いながら、ステップ206での判断が繰り返され
る。
【0039】やがて、パワーオフダウンシフトが検出さ
れてからのタイマTが所定時間T0に至ったと判断され
ると、ステップ210に進んでアイドル回転数制御弁
(ISCV)42が開とされ、これにより吸入空気量Q
が増大される。
【0040】このように、パワーオフダウンシフトが検
出されてから所定時間T0 をおいて吸入空気量Qを増大
させるようにしたのは、吸入空気量Qの増大と変速が実
際に開始するのとを同期させるためである。即ち、実際
の変速に先立って吸入空気量Qが増大されることによ
り、エンジンが噴き上がってしまうのを防止するためで
ある。
【0041】ステップ212では、燃料カットが実行中
であるか否かが判定される。この実施例では、アイドル
スイッチがオン、且つエンジン回転数Nが所定値以上の
ときに燃料カット制御が実行されるようになっているた
め、その時の運転状態がこの条件に合致していた場合に
は、燃料カット制御が実行されていることになる。
【0042】燃料カット制御が実行中であると判断され
たときはステップ214に進んみ、Q/Nに基づいて演
算された(噴射すべき)燃料噴射量(具体的には燃料噴
射量に対応する燃料噴射時間TAU)が所定値TAU0
より大きいか否かが判定される。
【0043】例えば車速が高いときは、エンジンは当該
車速及びギヤ比に応じた(アイドル回転数よりかなり高
い)回転数で回転しているため、この燃料噴射量TAU
はかなり低い値となる。この場合、このような「少な
い」燃料を噴射してもエンジンは不安定に燃焼するか、
あるいは失火してしまう恐れがある。そのため、このよ
うな場合にはステップ216に進んで燃料カットがその
まま継続・実行される。
【0044】一方、燃料噴射量TAUが所定値TAU0
より大きいときは当該燃料を噴射することによってエン
ジン出力をより円滑に高めることができるため、ステッ
プ218に進んで燃料カット制御は中止され、燃料噴射
が実行される。
【0045】なお、前記ステップ212で燃料カットが
実行中でないと判定されたとき、即ち燃料噴射が実際に
行われていると判定されたときは、現在の運転状態がも
ともと吸入空気量の増大制御と燃料カット制御との干渉
が生じないような状況にあるか、又は、前述したステッ
プ214、218のステップを経て燃料カット制御が中
止されている状態であると判断されるため、ステップ2
14〜218をバイパスして直接ステップ220へと進
む。
【0046】ステップ220では、変速(パワーオフダ
ウンシフト)が終了したか否かが判定される。この判定
は、エンジン回転数、あるいは自動変速機の入力軸回転
速度(前記C0 センサ113にて検出)が、車速センサ
110の出力に変速後のギヤ比を乗じた値より若干低い
所定値にまで到達したことを検出することによって行わ
れる。
【0047】変速終了が検出されるまではステップ20
6以降のフローが繰り返される。
【0048】やがて、変速の終了が検出されると、フロ
ーはステップ220に進み、アイドル回転数制御弁(I
SCV)42が閉じられ、吸入空気量Qはスロットル開
度に応じた値に復帰される。又、これと同時にステップ
222において変速終了判定からの経過時間を示すタイ
マTe がリセットされる。
【0049】ステップ224ではこのタイマTe が所定
時間Te0に至ったか否かが判定され、タイマTe が所定
時間Te0に至ったと判断された時点でステップ226に
進み、通常の燃料カット制御に復帰する。
【0050】この趣旨は、当該所定時間Te0を、吸入空
気量Qを復帰させた時点(ステップ220、あるいは2
22)における燃料噴射量TAUに依存して設定するこ
とにより、燃料噴射量TAUが所定値TAU0 より小さ
くなる前に燃料カット制御に復帰させるようにするため
である。
【0051】これにより、パワーオフダウンシフト時の
制御のために燃料カット制御を一時的に中止したとして
も、変速の終了と共に不具合を発生することなく、又エ
ンジン出力を急変させることなく再び燃料カット制御に
復帰することができる。
【0052】なお、このステップ222、224、22
6のステップは、その趣旨より当然に、例えば図6に示
されるように、燃料噴射量TAUが所定値TAU1 より
大きいか否かを判断するステップを追加し(ステップ2
50)、燃料噴射量TAUが所定値TAU1 を下回った
と判断されたときには、タイマTe1が経過する前であっ
ても通常の燃料カット制御に復帰する(ステップ22
6)ように構成することが可能である。
【0053】この場合、時間遅れを考慮して所定値TA
U1 はステップ214の所定値TAU0 より若干大きな
値に設定される。この図6の変形例によれば、ステップ
224AのタイマTe1は、ステップ224のタイマTe0
より若干長目に設定しておくことが可能となる。従って
より確実に燃料カット状態に復帰できると共に、タイマ
が長い分それだけQ/Nに応じた燃料噴射が長く実行で
きるため、エンジン出力の急変を一層防止できる。
【0054】上記説明で明らかなように、この実施例に
よれば、パワーオフダウンシフトが実行されるときで且
つ演算された燃料噴射量が所定値TAU0 より大きいと
きにのみ燃料カット制御が中止されるため、それ以外の
ときについては燃料カット制御は通常通り実行される。
そのため、当該燃料カット制御が中止されることによる
燃費の悪化はほとんど無視し得る程度のみとなる。
【0055】又、変速中のエンジン出力の増加を吸入空
気量及び燃料噴射量の双方を増大することによって実行
するため、非常に効率的に行うことができ、しかもその
際に不安定燃焼や失火等を引き起こす恐れがないため、
触媒の加熱や排ガス成分の悪化等を招く恐れもない。
【0056】更には、条件が整って吸入空気量を増大す
ると共に燃料カット制御を中止したとしても、燃料噴射
量が所定値以下となる前に燃料カット制御に速やかに入
れるようにしているため、常に良好な燃焼制御を実行す
ることができる。
【0057】なお、本実施例では、吸入空気量Qをスロ
ット開度に応じた値に復帰させる処理を変速終了判定か
ら直ちに行うようにしているが、この処理は、変速終了
判定からある時間経過後に行うようにしても良く、又、
本発明は、吸気管圧力PM及びエンジン回転数Nに応じ
て燃料噴射量を演算するものにも適用できるものであ
る。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パワーオフダウンシフト時にエンジン出力を極めて効率
的に増大させることができるため、変速ショックを低減
できると共に変速時間、あるいは摩擦係合装置の負荷も
効率良く低減でき、しかも、その際にエンジンの不安定
燃焼や失火等を招く恐れがないため、これらに伴う触媒
の加熱や排ガス成分の悪化を引き起こす恐れもないとい
う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明が適用される、自動車用電子燃料噴射エ
ンジンの全体概要図
【図3】図2に示した自動変速機の概要図
【図4】自動変速機の各摩擦係合装置の作用状態を示す
線図
【図5】上記実施例装置で実行される制御フローを示す
フローチャート
【図6】上記フローチャートの変形例を示す部分フロー
チャート
【符号の説明】
12…エアフローメータ 14…スロットル弁 42…アイドル回転数制御弁(ISCV) 22…インジェクタ 100…吸気温センサ 102…スロットルセンサ(アイドル接点付) 108…クランク角センサ(エンジン回転数センサ) 110…車速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 312 F02D 45/00 312M (56)参考文献 特開 平5−162570(JP,A) 特開 昭63−284039(JP,A) 特開 平4−58041(JP,A) 特開 平4−365955(JP,A) 実開 昭61−132462(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/00 - 29/06 F02D 41/00 - 45/00 395

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機のパワーオフダウンシフト時
    に、エンジンに吸入される吸入空気量を増大する制御を
    実行すると共に、所定の条件下で燃料をカットする制御
    を実行する自動変速機付車両のエンジン制御装置におい
    て、 エンジン負荷を検出する手段と、 エンジン回転数を検出する手段と、 エンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて噴射すべき
    燃料噴射量を演算する手段と、 演算された燃料噴射量が所定値以上か否か判断する手段
    と、 前記吸入空気量を増大すべき条件下で、且つ前記燃料カ
    ットをすべき条件下の場合は、吸入空気量の増大制御を
    優先すると共に、前記演算された燃料噴射量が所定値未
    満のときには燃料カット制御も併せて実行し、該演算さ
    れた燃料噴射量が所定値以上のときは燃料カット制御を
    中止して燃料噴射を実行する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機付車両のエンジン
    制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、更に、 前記パワーオフダウンシフトが終了したか否かを判断す
    る手段と、 終了と判断されてから増大させていた吸入空気量を減少
    させて運転状態に応じた通常の値に戻す手段と、 燃料カットを中止していた場合は、前記噴射すべき燃料
    噴射量が前記所定値以下となる前に、該燃料カットの中
    止を解除し、再び燃料をカットする手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機付車両のエンジン
    制御装置。
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