JP3102103B2 - ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理方法 - Google Patents

ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム補強用芳香族ポリ
アミド繊維の処理方法に関するものであり、詳しくは芳
香族ポリアミド繊維をゴム補強材として用いたゴム製品
が、高温になった状態での苛酷な使用条件におけるゴム
とゴム補強材との耐熱中剥離性を向上し得るゴム補強用
芳香族ポリアミド繊維の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド繊維は、その高い比強
度や比弾性率、繊維自体のすぐれた耐熱性および寸法安
定性などの特性からして、ゴム補強用途として有用な高
分子材料であるが、ナイロン繊維やポリエステル繊維に
比較して、ゴムとの接着性に乏しいという問題を有して
いる。
【0003】すなわち、ナイロン繊維では、レゾルシン
−ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスの混合物を用
いる処理によって、実用上十分なゴムとの接着性が得ら
れる。また、ポリエステル繊維では、初めにポリエポキ
シ化合物やブロックイソシアネ−ト化合物とレゾルシン
−ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスの混合物によ
り処理し、引き続いてレゾルシン−ホルマリン初期縮合
物とゴムラテックスの混合物により処理を施すことこと
によって、実用上十分なゴムとの接着性が得られる。
【0004】しかしながら、芳香族ポリアミド繊維は、
繊維自身の表面が不活性なことから、ゴムとの接着性は
ナイロン繊維やポリエステル繊維に比べて著しく劣って
いる。
【0005】これまで知られているゴムとの接着性改良
技術としては、例えば特公昭61−126142号公報
に記載されるように、芳香族ポリアミドよりなる繊維材
料を、水酸基を持つポリエポキシ化合物と、不飽和結合
を含むエポキシ化合物よりなる第1処理液に浸漬した後
熱処理し、次いでレゾルシン−ホルマリン初期縮合物と
ゴムラテックスの混合物で処理する方法がある。
【0006】また、特開平3−40875号公報記載の
ように、芳香族ポリアミド繊維をポリエポキシ化合物、
ブロックイソシアネ−ト化合物およびレゾルシン−ホル
マリン初期縮合物とゴムラテックスの混合物により処理
し、引き続いてクロロフェノ−ル化合物とレゾルシン−
ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスの混合物による
処理する方法も知られている。
【0007】しかるに、前記特公昭61−126142
号公報に記載の方法では、得られる芳香族ポリアミド繊
維とゴムとの接着性が、ナイロン繊維やポリエステル繊
維に比較して劣るという問題があった。
【0008】また、前記特開平3−40875号公報に
記載の方法では、得られる芳香族ポリアミド繊維におい
て、常温でのゴムとの接着力は一応ナイロンやポリエス
テルに近いものになるものの、耐熱中剥離性に劣り、高
温になった状態での苛酷な使用条件に耐えられないとい
う問題を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上述した従来技術における問題点を解決した芳香族
ポリアミド繊維の処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理
方法は、ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維に、第1処理
液を付与し、加熱処理し、次いで、第2処理液を付与
し、加熱処理するゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処
理方法において、前記第1処理液が、エチレン系不飽和
カルボン酸単量体が共重合された共役ジエン−ビニルピ
リジン共重合ラテックス100重量部、下記一般式
(a)で表されるエチレンイミン化合物25〜45重量
部、脂肪族ポリエポキシド化合物5〜20重量部、及
び、レゾルシン−ホルマリン初期縮合体1〜10重量部
を混合してなる処理液であり、かつ、前記第2処理液
が、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が共重合された
共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラテックス100重
部、下記一般式(b)で表されるフェノール系化合物
50〜70重量部、及び、レゾルシン−ホルマリン初期
縮合体1〜20重量部を混合してなる処理液であること
特徴とする。
【0011】
【化3】
【0012】ただし、式中のRは炭素数2〜50の芳香
族または脂肪族の炭化水素基であり、nは1または2の
整数である。
【0013】
【化4】
【0014】但し、式中のWはCH2 又はSn を、X、
YはCl 、H、OH及び炭素数1〜4のアルキル基から
選ばれた基を示し、mは〜15の整数である。さらに、
第1処理液の付与に引続いて100〜150℃の熱風を
用いて乾燥し、230〜260℃の温度で加熱処理する
こと、及び、第2処理液の付与に引続いて100〜15
0℃の熱風を用いて乾燥し、230〜260℃の温度で
加熱処理することが好ましい。
【0015】本発明における第1処理液および第2処理
液に含まれるエチレン系不飽和カルボン酸単量体が共重
合された共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラテックス
とは、ポリブタジエンラテックスまたはブタジエン成分
にスチレン成分を共重合せしめてなる共重合ポリブタジ
エンラテックスに、ビニルピリジンおよびエチレン系不
飽和カルボン酸単量体成分を共重合せしめてなる3元ま
たは4元共重合体である。
【0016】また、本発明における第1処理液および第
2処理液に含まれるレゾルシン−ホルマリン初期縮合物
とは、レゾルシンとホルマリンとを酸またはアルカリ触
媒下で反応させて得られる水溶性の初期縮合物である。
【0017】本発明における第1処理液に含まれる脂肪
族ポリエポキシド化合物とは、1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を含有する化合物であり、具体的にはグリセロ
ール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコー
ル類とエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキ
シド類との反応生成物、ビス(3,4−エポキシ−6−
メチル−ジシクロヘキシルメチル)アジベ−ト、3,4
−エポキシシクロヘキセンエポキシドなどの不飽和結合
部分を酸化して得られるポリエポキシド化合物などが挙
げられる。好ましくは多価アルコール類とエピクロルヒ
ドリンの反応生成物(多価アルコールのポリグリシジル
エーテル化合物)が挙げられる。
【0018】前記脂肪族ポリエポキシド化合物一分子中
のエポキシ基は、多いほど接着性が向上する。また、前
記脂肪族ポリエポキシド化合物は、水酸基を有するもの
が好ましく、この水酸基によって水溶性が増加し、ゴム
ラテックスやエチレンイミン化合物などの混合液でもゲ
ル化を起こすことなく安定に混合することができる。
【0019】前記一般式(a)で示されるエチレンイミ
ン化合物の具体例としては、ジフェニルメタン−ビス−
4,4´−N,N´−ジエチレンイミン、1,6−ヘキ
サメチレンジエチレンイミン、オクタデシルジエチレン
イミン、トリレンジエチレンイミン、ナフチレンジエチ
レンイミン、トリフェニルメタンジエチレンイミンなど
の芳香族、脂肪族イソシアネートとエチレンイミンとの
反応生成物が挙げられ、とくに芳香族エチレンイミン化
合物が良好な結果を与える。
【0020】第1処理液において、共役ジエン−ビニル
ピリジン共重合体ラテックス100重量部に対し、一般
式(a)で示されるエチレンイミン化合物の配合量が2
5重量部未満、とくに20重量部以下の場合には、芳香
族ポリアミド繊維との接着性や接着剤層の強度が低下
し、本発明における他の構成要素を満足したとしても、
ゴムとゴム補強用芳香族ポリアミド繊維との十分な接着
性が得られないため好ましくない。
【0021】また、第1処理液において、前記共役ジエ
ン−ビニルピリジン共重合体ラテックス100重量部に
対し、一般式(a)で示されるエチレンイミン化合物の
配合量が45重量部を越え、とくに50重量部以上の場
合には、相対的にゴムラテックス成分が少なくなること
によってゴムとの接着性が低下し、本発明における他の
構成要素を満足したとしても、ゴムとゴム補強用芳香族
ポリアミド繊維との十分な接着性が得られないため好ま
しくない。
【0022】前記第1処理液に含有される水酸基を持つ
脂肪族ポリエポキシド化合物の配合量は、前記共役ジエ
ン−ビニルピリジン共重合体ラテックス100重量部に
対し、5〜20重量部である。脂肪族ポリエポキシド化
合物の配合量が、共役ジエン−ビニルピリジン共重合体
ラテックス100重量部に対し、5重量部未満、とくに
4重量部以下の場合には、繊維との十分な接着が得られ
ず、本発明における他の構成要素を満足したとしてもゴ
ムとゴム補強用芳香族ポリアミド繊維との十分な接着性
が得られないため好ましくない。
【0023】一方、前記脂肪族ポリエポキシド化合物の
配合量が、共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラテック
ス100重量部に対し、20重量部を越え、とくに23
重量部以上の場合には、ゴムとの接着性が低下し、本発
明における他の構成要素を満足したとしても、ゴムとゴ
ム補強用芳香族ポリアミド繊維との十分な接着性が得ら
れないため好ましくない。
【0024】より好ましくは、一般式(a)で示される
エチレンイミン化合物と水酸基を持つ脂肪族ポリエポキ
シド化合物のモル比が、1:1で混合されていることが
望ましい。
【0025】前記第1処理液に含有されるレゾルシン−
ホルマリン初期縮合体の配合量は、前記共役ジエン−ビ
ニルピリジン共重合体ラテックス100重量部に対し、
1〜10重量部である。レゾルシン−ホルマリン初期縮
合体の配合量が共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラテ
ックス100重量部に対し、1重量部未満、とくに0.
8重量部以下の場合には、ゴム補強用繊維の粘着性が高
くなり、また処理機の汚れが酷くなり生産上の問題を生
じるため好ましくない。
【0026】一方、前記レゾルシン−ホルマリン初期縮
合体の配合量が、共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラ
テックス100重量部に対し、10重量部を越え、とく
に12重量部以上の場合には、ゴムとの十分な接着が得
られず、本発明における他の構成要素を満足したとして
も、ゴムとゴム補強用芳香族ポリアミド繊維との十分な
接着性が得られないため好ましくない。
【0027】前記第1処理液が付与された芳香族ポリア
ミド繊維は、この第1処理液が付与された直後に、10
0〜150℃の熱風を用いて加熱体に直接触れない状態
で乾燥され、次いで230〜260℃の高温域に導かれ
て、加熱処理が施される。
【0028】前記第1処理液の乾燥は、100℃未満で
も可能であるが、この場合には乾燥終了までに長時間を
要し、生産性が著しく低下する。一方、乾燥が150℃
を越える熱風によって行われる場合には、芳香族ポリア
ミド繊維に付着した第1処理液の表面が先に固まり、内
部から気泡が発生して、接着力の低下につながるため好
ましくない。
【0029】本発明で用いる第2処理液は、エチレン系
不飽和カルボン酸単量体が共重合された共役ジエン−ビ
ニルピリジン共重合ラテックス100重量部に対し、下
記一般式で示されるフェノール系化合物50〜70重量
部およびレゾルシン−ホルマリン初期縮合体1〜20重
量部を含む混合物である。
【0030】一般式
【0031】
【化5】
【0032】ただし、式中のWはCH2 またはSn を、
X、YはCl、H、OHおよびC1 4 のアルキル基か
ら選ばれた基を示し、nは1〜8の整数、mは1〜15
の整数である。
【0033】前記一般式(b)で示されるフェノール系
化合物は、ハロゲン化フェノール化合物とホルマリンと
の初期縮合物、硫黄変性レゾルシンとホルマリンとの初
期縮合物またはハロゲン化硫黄変性レゾルシンとホルマ
リンとの初期縮合物である。第2処理液において、共役
ジエン−ビニルピリジン共重合体ラテックス100重量
部に対し、一般式(b)で示されるフェノール系化合物
の配合量が50重量部未満、とくに45重量部以下の場
合には、耐熱中剥離性が著しく低下し、本発明における
他の構成要素を満足したとしても、ゴムとゴム補強用芳
香族ポリアミド繊維との十分な接着性が得られないため
好ましくない。
【0034】一方、前記共役ジエン−ビニルピリジン共
重合体ラテックス100重量部に対し、一般式(b)で
示されるフェノール系化合物の配合量が70重量部を越
え、とくに75重量部以上の場合には、相対的にゴムラ
テックス成分が少なくなることによって、ゴムとの接着
性が低下し、本発明における他の構成要素を満足したと
しても、ゴムとゴム補強用芳香族ポリアミド繊維との十
分な接着性が得られないため好ましくない。
【0035】前記第2処理液に含有されるレゾルシン−
ホルマリン初期縮合体の配合量は、前記共役ジエン−ビ
ニルピリジン共重合体ラテックス100重量部に対し、
1〜20重量部である。レゾルシン−ホルマリン初期縮
合体の配合量が、共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラ
テックス100重量部に対し、1重量部未満、とくに
0.8重量部以下の場合には、ゴム補強用繊維の粘着性
が高くなり、また処理機の汚れが酷くなり生産上の問題
を生じるため好ましくない。
【0036】一方、前記レゾルシン−ホルマリン初期縮
合体の配合量が、共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラ
テックス100重量部に対し、20重量部を越え、とく
に22重量部以上の場合には、ゴムとの十分な接着が得
られず、本発明における他の構成要素を満足したとして
も、ゴムとゴム補強用芳香族ポリアミド繊維との十分な
接着性が得られないため好ましくない。
【0037】前記第2処理液が付与された芳香族ポリア
ミド繊維は、直後に100〜150℃の熱風を用いて加
熱体に直接触れない状態で乾燥され、次いで230〜2
60℃の高温域に導かれて、加熱処理が施される。
【0038】前記第2処理液の乾燥は、100℃未満で
も可能であるが、この場合には乾燥終了までに長時間を
要し、生産性が著しく低下する。
【0039】一方150℃を越えた熱風によって乾燥す
る場合には、芳香族ポリアミド繊維に付着した第2処理
液の表面が先に固まって、内部から気泡が発生し、接着
力の低下につながるため好ましくない。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0041】なお、以下の実施例における各測定値は次
の方法によって求めたものである。
【0042】T−初期接着力およびT−耐熱接着力 接着剤処理後の芳香族ポリアミド繊維からなるコード
を、未加硫ゴム中に埋め込み、T−初期接着力は温度1
50℃、圧力50Kg/cm2 で30分間、T−初期接着力
は温度170℃、圧力50kg/cm2 で24時間プレス加
硫をおこない、室温まで放冷後、コードをゴムブロック
から30cm/分の速度で引き抜き、その引き抜き荷重を
Kg/cm で表したものである。
【0043】剥離接着テストおよび熱中剥離テスト 接着剤処理後の芳香族ポリアミド繊維からなるコード
を、26本/インチの密度で埋め込んだ自動車タイヤ用
カーカス配合ゴムトッピングシート2枚を、接着剤処理
コードが平行になるように張り合わせ温度150℃、圧
力50kg/cm2 で30分間プレス加硫した後、室温まで
放冷し、剥離テストは室温中にて、また熱中剥離テスト
は70℃にて5cm/分の速度で剥離し、その剥離荷重を
kgで表したものである。また、破壊面のゴムの付着状態
を目視によって観察し評価した。
【0044】なお、T−接着力及び剥離力の測定に使用
したゴムコンパウンドの組成は下記のとおりである。
【0045】 天然ゴム(RSS# 1) 70(重量部) SBR(JRS1501) 30(重量部) SRFカーボンブラック 40(重量部) ステアリン酸 2(重量部) 硫 黄 2(重量部) 亜 鉛 華 5(重量部) 2,2'−ジチオベンゾチアゾール 2(重量部) ナフテン酸プロセスオイル 3(重量部) 実施例1〜4 第1処理液として、苛性曹達の存在下でレゾルシン1モ
ルとホルマリン1〜1.5モルを反応させて得られた初
期縮合物と、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が共重
合された共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラテックス
(住友ノーガタック社製)とを、表1に示した所定の比
率で混合し、24時間熟成させた。
【0046】このようにして調整したレゾルシン−ホル
マリン−ラテックス混合液に、ジフェニルメタン−ビス
4,4´−N,N´−ジエチレンイミンと、デナコール
EX−810(ナガセ化成工業社製;エチレンポリエチ
レンジグリシジルエーテル)と、水とを、表1に示した
所定の比率で混合し、固形分濃度20%の第1処理液を
得た。
【0047】一方、第2処理液として、苛性曹達の存在
下でレゾルシン1モルとホルマリン1〜1.5モルを反
応させて得られた初期縮合物と、エチレン系不飽和カル
ボン酸単量体が共重合された共役ジエン−ビニルピリジ
ン共重合ラテックス(住友ノーガタック社製)とを、表
1に示した所定の比率で混合し、24時間熟成させた。
【0048】このようにして調整したレゾルシン−ホル
マリン−ラテックス混合液に、“デナボンド”(ナガセ
化成工業社製;クロルフェノール−レゾルシン−ホルマ
ルン初期縮合体)、または“スミカノール−750”
(住友化学製;硫黄変性レゾルシン−ホルマリン初期縮
合体)と、水とを、表1に示したを所定の比率で混合
し、固形分濃度20%の第2処理液を得た。
【0049】表示繊度1500デニール、フィラメント
数1000の芳香族ポリアミド繊維原糸(デュポン社
製;ケブラー)を、下撚数40回/10cm、上撚数40
回/10cmとなるように合糸撚糸したものをサンプルコ
ードとした。
【0050】コンピュートリータ処理機(C.A.リッ
ツラー社製)を用いて、前記サンプルコードを前記第1
処理液中に浸漬した後、130℃で150秒間乾燥し、
続い240℃で60秒間熱処理した。
【0051】その後、サンプルコードをただちに前記第
2処理液中に浸漬した後、130℃で150秒間乾燥
し、続いて240℃で60秒間熱処理した。
【0052】得られた処理コードについて、T−初期接
着力、T−耐熱接着力、剥離接着力、耐熱剥離接着力を
測定した結果を表1に合わせて示す。
【0053】なお、表1において、A−1はエチレン系
不飽和カルボン酸単量体が共重合された共役ジエン−ビ
ニルピリジン共重合ラテックスを、化合物Bはジフェニ
ルメタン−ビス4,4´−N,N´−ジエチレンイミン
を、化合物Cはエチレンポリエチレンジグリシジルエー
テルを、化合物Dはレゾルシン−ホルマリン初期縮合体
を、化合物E−1はクロルフェノール−レゾルシン−ホ
ルマルン初期縮合体を、化合物E−2は硫黄変性レゾル
シン−ホルマリン初期縮合体をそれぞれ表す。また、各
化合物の数字は重量部を表す。
【0054】 <表1> 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 (第1処理液) 化合物A−1 100 100 100 100 化合物B 45 30 30 44 化合物C 20 13 13 20 化合物D 3 5 5 3 (第2処理液) 化合物A−1 100 100 100 100 化合物E−1 60 60 70 0 化合物E−2 0 0 0 60 化合物D 3 5 5 3 (接着性) T−初期接着 kg/cm 19.0 21.0 21.2 20.3 T−耐熱接着 kg/cm 13.8 14.0 14.3 12.8 剥離接着 剥離力 kg 26.2 25.4 25.2 27.6 ゴム付き % 100 100 100 100 熱中剥離 剥離力 /kg 17.6 17.0 17.0 17.0 ゴム付き/% 45 40 40 40 比較例1〜6 苛性曹達の存在下でレゾルシン1モルとホルマリン1〜
1.5モルを反応させて得られた初期縮合物と、エチレ
ン系不飽和カルボン酸単量体が共重合された共役ジエン
−ビニルピリジン共重合ラテックス(住友ノーガタック
社製)とを、18対100の比率で混合し、24時間熟
成させた液をサンプルコードに付与し、130℃で15
0秒間乾燥し、続いて240℃で60秒間熱処理した。
【0055】次いで、実施例1で用いたのと同様の第2
処理液中に浸漬した後、130℃で150秒間乾燥し、
続いて230℃で60秒間熱処理して得られたゴム補強
用芳香族ポリアミド繊維の接着特性を評価した(比較例
1)。
【0056】また、第1処理液として、レゾルシン・ホ
ルマリン初期縮合体、ビニルピリジン−スチレン−ブタ
ジエン共重合ラテックス(住友ノーガタック社製)、エ
チレンイミン化合物および脂肪族ポリエポキシド化合物
を表2に示した比率で混合した混合液を、第2処理液と
して、レゾルシン−ホルマリン初期縮合体、ビニルピリ
ジン−スチレン−ブタジエン共重合ラテックスおよびエ
チレンイミン化合物を表2に示した割合で混合した混合
液を用いた以外は、実施例1と同様にして得らゴム補強
用芳香族ポリアミド繊維の接着特性を評価した(比較例
2)。
【0057】さらに、エチレン系不飽和カルボン酸単量
体が共重合された共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラ
テックスを使用せずに、ビニルピリジン−スチレン−ブ
タジエン共重合ラテックスを使用した以外は、実施例と
同様にして得られたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の
接着特性を評価した(比較例3)。
【0058】さらにまた、フェノール誘導体の使用を省
略(比較例4)、脂肪族ポリエポキシド化合物の使用を
省略(比較例5)、エチレンイミンン化合物の使用を省
略(比較例6)した以外は、実施例1と同様にして得ら
れたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の接着特性を評価
した。
【0059】上記の結果を表2に合わせて示す。
【0060】なお、表2において、化合物A−1はエチ
レン系不飽和カルボン酸単量体が共重合された共役ジエ
ン−ビニルピリジン共重合ラテックスを、化合物A−2
はビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合ラテッ
クスを、化合物Bはジフェニルメタン−ビス4,4´−
N,N´−ジエチレンイミンを、化合物Cはエチレンポ
リエチレンジグリシジルエーテルを、化合物Dはレゾル
シン−ホルマリン初期縮合体を、化合物E−1はクロル
フェノール−レゾルシン−ホルマルン初期縮合体をそれ
ぞれ表す。各化合物の数字は重量部を表す。
【0061】 <表2> 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 (第1処理液) 化合物A−1 100 0 0 100 100 100 化合物A−2 0 100 100 0 0 0 化合物B 0 30 30 30 30 0 化合物C 0 10 10 10 0 13 化合物D 18 8 8 8 8 8 (第2処理液) 化合物A−1 - 0 0 100 100 100 化合物A−2 - 100 100 0 0 0 化合物B - 30 0 0 0 0 化合物E−1 - 0 60 0 60 0 化合物D - 8 8 18 8 8 (接着性) T−初期接着 kg/cm 13.5 18.5 18.9 18.5 18.5 18.8 T−耐熱接着 kg/cm 8.8 10.7 11.7 12.2 11.5 11.7 剥離接着 剥離力 kg 16.5 21.0 22.5 21.0 20.0 18.5 ゴム付き % 20 95 95 95 90 80 熱中剥離 剥離力 kg 12.5 14.5 15.5 15.0 14.5 14.0 ゴム付き % 10 20 25 20 20 15 以上に記したごとく、実施例のゴム補強用芳香族ポリア
ミド繊維は、比較例のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維
に比較して、耐熱中剥離力のみならず、接着力の耐熱
性、初期の接着力および剥離接着力にすぐれていること
が認められた。
【0062】
【発明の効果】本発明の方法により2段処理を施された
ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、従来のものに比べ
て初期の接着レベルが高いだけではなく、接着力の耐熱
性(耐久性)や高温雰囲気中での剥離接着が高い。
【0063】したがって、本発明の方法により処理され
た芳香族ポリアミド繊維は、高温中で使用されるゴム製
品においても使用することができ、とくにタイヤなどの
ゴム製品に対する補強材として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 15/693 D06M 15/693 // B29B 11/16 B29B 11/16 15/08 15/08 D06M 101:36 (56)参考文献 特開 平3−40875(JP,A) 特開 昭63−227868(JP,A) 特開 平3−227456(JP,A) 特開 昭63−81184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/715

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維に、第
    1処理液を付与し、加熱処理し、次いで、第2処理液を
    付与し、加熱処理するゴム補強用芳香族ポリアミド繊維
    の処理方法において、前記第1処理液が、エチレン系不
    飽和カルボン酸単量体が共重合された共役ジエン−ビニ
    ルピリジン共重合ラテックス100重量部、下記一般式
    (a)で表されるエチレンイミン化合物25〜45重量
    部、脂肪族ポリエポキシド化合物5〜20重量部、及
    び、レゾルシン−ホルマリン初期縮合体1〜10重量部
    を混合してなる処理液であり、かつ、前記第2処理液
    が、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が共重合された
    共役ジエン−ビニルピリジン共重合ラテックス100重
    部、下記一般式(b)で表されるフェノール系化合物
    50〜70重量部、及び、レゾルシン−ホルマリン初期
    縮合体1〜20重量部を混合してなる処理液であること
    特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理方
    法。 【化1】 (但し、式中のRは炭素数2〜50の芳香族又は脂肪族
    の炭化水素基であり、nは1又は2の整数である。) 【化2】 (但し、式中のWはCH2 又はSn を、X、YはCl 、
    H、OH及び炭素数1〜4のアルキル基から選ばれた基
    を示し、mは〜15の整数である。)
  2. 【請求項2】 第1処理液の付与に引続いて100〜1
    50℃の熱風を用いて乾燥し、230〜260℃の温度
    で加熱処理すること、及び、第2処理液の付与に引続い
    て100〜150℃の熱風を用いて乾燥し、230〜2
    60℃の温度で加熱処理することを特徴とする請求項1
    記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理方法。
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