JP3101825B2 - マルチタスク・システムの障害診断装置 - Google Patents

マルチタスク・システムの障害診断装置

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JP3101825B2
JP3101825B2 JP03071778A JP7177891A JP3101825B2 JP 3101825 B2 JP3101825 B2 JP 3101825B2 JP 03071778 A JP03071778 A JP 03071778A JP 7177891 A JP7177891 A JP 7177891A JP 3101825 B2 JP3101825 B2 JP 3101825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマルチタスク・システム
において、障害が発生した時、容易に障害の診断を行う
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にマルチタスク・システムでは、コ
ンピュータがスタートまたはリスタートしてからオペレ
ーティング・システムが動作し、複数のタスクを多重管
理してアプリケーション・ソフトウェアを実行させてい
る。前記オペレーティング・システムは例えばシステム
管理等の数々の管理プログラムで構成され、さらにその
システム管理には、実行すべき仕事(タスク)単位でア
プリケーション・ソフトウェア(プログラム)の起動・
実行・終了等の流れを一括管理するタスク管理がある。
【0003】このようなマルチタスク・システムにおい
て、万が一、例えばソフトウェアのバグ等によるシステ
ムの暴走等の障害が発生した場合、コンピュータをリセ
ットしてリスタートさせ、オペレーティング・システム
を再動作させ、動作状態を確認しながら障害の原因を究
明している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のマル
チタスク・システムでは、万が一、複数のタスクが同時
に動作している時に障害が発生した場合にどのアプリケ
ーション・ソフトウェアに障害が発生したかを知ること
が困難である。またタスク動作状態の情報がオペレーテ
ィング・システムで管理されているメモリにすべて記憶
されている為、障害によりシステムダウンが発生して一
旦リセットをかけると、リセットと同時にメモリに記憶
されている情報のすべてがクリア(初期化)され、シス
テムダウン直前のタスク動作状態の情報も失われてしま
う。したがって障害の原因を究明しようとしてもシステ
ムダウンする直前のタスク動作状態の情報を知ることが
出来ず、システムがダウンした原因を診断することが困
難になるおそれがある。
【0005】本発明ではこのような従来の課題に鑑みて
なされたもので、万が一、障害が発生した時、容易にそ
の障害の原因を診断出来るマルチタスク・システムの障
害診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、図1
に示すように、コンピュータがスタートまたはリスター
トしてオペレーティング・システムが動作し、複数のタ
スクを多重管理することによりアプリケーション・ソフ
トウェアを実行させるマルチタスク・システムにおい
て、前記オペレーティング・システムで管理され、複数
のタスクを多重管理してアプリケーション・ソフトウェ
アを実行させる管理手段と、前記オペレーティング・シ
ステムの管理領域の外に設けられ、タスク動作状態の
情報をそれぞれ記憶する複数の情報記憶手段と、前記
アプリケーション・ソフトウェアから呼び出され、タス
ク動作状態の前記同一情報を前記情報記憶手段に記録
する情報記録手段と、前記各情報記憶手段の記憶内容を
照合する照合手段と、前記オペレーティング・システム
のスタート時またはリスタート時、前記照合手段の照合
結果に基づいて前記情報記憶手段に記憶されているタス
ク動作状態の情報を解読して出力する情報解読手段と、
を備えた。
【0007】
【作用】上記の構成によれば、管理手段により複数のタ
スクが多重管理されることによりアプリケーション・ソ
フトウェアが実行される。また情報記録手段はアプリケ
ーション・ソフトウェアから呼び出され、タスク動作状
態の同一情報を複数の情報記憶手段に記録する。
【0008】これら情報記憶手段はオペレーティング・
システムの管理領域の外にある為、万が一、障害の発生
によりコンピュータがシステムダウンした場合、コンピ
ュータにリセットをかけてリスタートさせてもシステム
ダウンする直前のタスク動作状態の情報はリセットされ
ず、情報解読手段でこの情報を解読して出力することに
より障害が発生した原因を容易に診断することが可能に
なる。また、情報解読手段から情報を出力する際には、
複数に情報記憶手段の内容の一致を照合手段で確認する
ので信頼性が高い。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図2〜図12に基づ
いて説明する。本実施例を示す図2において、CPU1
はマルチタスク処理可能なコンピュータのコントロール
プロセッサユニットであり、ROM2から一連の命令を
入力し、ROM2等に記憶されているマルチタスク・オ
ペレーティング・システム(以後、OSと記す)により
マルチタスクのシステムでスタートまたはリスタート
し、RAM3との間でデータの入出力を行う。前述のR
OM2はシステムのスタート時、初期起動のための一連
の命令を記憶しているブートROMであり、ROM2に
はOSの他に後述するシステム定数定義ファイル、実行
させる各アプリケーション・プログラムを定義するプロ
グラム定義ファイル等からなる編集テーブル・ファイル
と、環境構築プログラム等からなるシステム・プログラ
ムと、各タスクの動作状態の情報を記録するルーチン等
のシステム・サブルーチンと、実行させるアプリケーシ
ョン・ソフトウェア等が書き込まれている。尚、前記O
S、ファイル、システム・サブルーチン、アプリケーシ
ョン・ソフトウェア等は図示しない磁気ディスク装置等
の記憶装置に記憶させてもよい。
【0010】RAM3はOSが管理する領域の他に、O
Sの管理領域の外に設けられたタスク情報記憶手段であ
る2つのロギング領域(タスク動作状態の情報を記録す
る領域)P1及びP2と、から構成されている。このロ
ギング領域P1、P2は全く同一の大きさの領域であ
り、ロギング領域P1はタスク動作状態の情報をそのま
ま記録する領域、ロギング領域P2はロギング領域P1
と全く同じ情報を1の補数表現(ビット毎に値を反転さ
せたもの)で格納する領域、即ち、ロギング領域P1の
冗長系となっている。このロギング領域P1、P2を確
保する位置及びその大きさは前述のROM2のシステム
定数定義ファイルに書き込まれている。
【0011】図3に図2のロギング領域P1、P2の詳
細を示す。図2の詳細図である図3において、ロギング
領域P1(P2)は、先頭に設けられたロギング領域で
あるヘッダ部HDR、アプリケーション・ソフトウェア
(タスク)毎に順番に並び、アプリケーション・ソフト
ウェアの情報を記録するプログラム部PROG1〜n
と、によって構成されている。
【0012】ヘッダ部HDRは、ロギング領域P1が初
期化された時刻を(年月日/時分秒/曜日)の形式で格
納する領域であるシステム・スタート時刻格納領域HD
R−aと、例えば10ミリ秒毎に時刻をカウントしている
時刻カウンタと後述する順序カウンタとのカウント値が
常時記録される現在時刻記録領域HDR−bと、セマフ
ォによる排他制御用の排他権の所有者(プログラム)を
排他権毎に記録する排他権所有者記録領域HDR−c
と、によって構成される。
【0013】プログラム部PROG1は、其々、各アプ
リケーション・ソフトウェアのプログラム名称を書き込
むプログラム名称格納領域PROG1−1と、排他権待
ちの状態になった時にその事を示す情報を記録する排他
権待ち記録領域PROG1−2と、アプリケーション・
ソフトウェアの実行開始時刻が記録される現在時刻記録
領域PROG1−3aとどのシステム・サブルーチンで
実行開始に至ったかを示すサブルーチン区別領域PRO
G1−3bとからなる実行開始時刻記録領域PROG1
−3と、アプリケーション・ソフトウェアの実行終了時
刻を記録する現在時刻記録領域PROG1−4aとどの
システム・サブルーチンで実行終了に至ったかを示すサ
ブルーチン区別領域PROG1−4bとからなる実行終
了時刻記録領域PROG1−4と、最後に発行したシス
テム・サブルーチンが判別出来るように後述するシステ
ム・サブルーチンexwait( ) 、xtsleep( ) を除いたシ
ステム・サブルーチンがコールされる毎にコールされた
システム・サブルーチンのIDを記録するID記録領域
PROG1−5と、によって構成され、プログラム部P
ROG2〜nも同様に構成されている。
【0014】次に図4のフローチャートに基づいて動作
を説明する。まずステップ(図中では「S」と記してあ
り、以下同様とする)1では、OSによりマルチタスク
のシステムがスタートまたはリスタートする。ここでR
AM3におけるOSの管理領域は初期化されるが、ロギ
ング領域P1、P2はOSの管理領域の外なので初期化
されない。
【0015】ステップ2では、診断ルーチンjudge を実
行することにより、ロギング領域P1、P2に記録され
たリスタート直前のタスク動作状態の情報を参照して解
読し、人間が読みやすい形式に変換して表示出力する。
診断ルーチンjudge の動作については後述する。このス
テップが情報解読手段に相当する。ステップ3では、環
境構築プログラムを起動する。環境構築プログラムは、
編集テーブル・ファイルの情報に基づいて、アプリケー
ション・プログラム・プロセス、タイマ・プロセス等の
アプリケーション・ソフトウェアを動作させるために必
要な各プログラムを起動すると同時に、テーブル・ファ
イルの作成を行う。この環境構築プログラムの動作につ
いては次で説明する。またこのステップが管理手段に相
当する。
【0016】次に図5のフローチャートに基づいて前述
の環境構築プログラムの動作を説明する。ステップ11で
は、RAM3上に確保されたロギング領域P1、P2を
初期化する。ステップ12では、ロギング領域P1、P2
が初期化された時刻をロギング領域P1、P2のヘッダ
部HDRのシステム・スタート時刻格納領域HDR−a
に記録する。
【0017】ステップ13では、テーブル・ファイル及び
各セマフォを作成し、後述するタイマ・プロセス、そし
て各アプリケーション・ソフトウェアを起動する。テー
ブル・ファイルは、システム動作用の定数を管理する管
理テーブル・ファイルと、プロセス動作用の定数を管理
するプロセス管理テーブル・ファイルと、セマフォの定
数を管理するセマフォテーブル等によって構成される。
またセマフォにはプログラムの同時動作禁止制御用セマ
フォ等があり、このステップで各セマフォも作成する。
【0018】次に前述のタイマ・プロセスを説明する。
タイマ・プロセスは時刻カウンタのカウント値の更新及
び順序カウンタのカウント値のクリアを行うプログラム
であり、図6のフローチャートに基づいて動作する。ス
テップ21では、ヘッダ部HDRの現在時刻記録領域HD
R−bの時刻カウンタのカウント値を更新し、順序カウ
ンタのカウント値をゼロ・クリアする。順序カウンタは
時刻カウンタが10ミリ秒毎に時刻をカウントする間に実
行されたアプリケーション・ソフトウェアによりロギン
グが行われた順序を示すものである。この順序カウンタ
は、各アプリケーションプログラムがロギングを行うと
きに自分で更新する。例えば図8のように時刻カウンタ
のカウントが更新されてから10ミリ秒の間にアプリケー
ション・ソフトウェア1、2、3が順次実線で示された
間に実行された場合、順序カウンタのカウント値は其々
(0)〜(1)、(2)〜(3)、(4)〜(5)とな
る。これにより時刻カウンタが更新される間に複数のア
プリケーション・ソフトウェアが実行された場合でも順
序カウンタのカウント値によりアプリケーション・ソフ
トウェアの実行された順序を判別することが出来る。
【0019】ステップ22では、時刻カウンタのカウント
値が更新されてから10ミリ秒間スリープし、ステップ21
に戻る。次にアプリケーション・ソフトウェアの動作を
説明する。アプリケーション・ソフトウェアは前述の環
境構築プログラムのステップ13において起動される。こ
のアプリケーション・ソフトウェアの中には、自プログ
ラムの起動待ちをするシステム・サブルーチンexwait
( ) 、指定された時間スリープするxtsleep( )が、アプ
リケーション・ソフトウェアに応じて組み込まれ、アプ
リケーション・ソフトウェアからコール(呼出)され
る。ここでは図7(a)、(b)のフローチャートに基
づいて例えばアプリケーション・ソフトウェア1、2の
動作例について説明する。
【0020】まず図7(a)のフローチャートに基づい
てアプリケーション・ソフトウェア1の動作を説明す
る。ステップ31では、システム・サブルーチンexwait
( ) をコールする。システム・サブルーチンexwait( )
の動作については後述する。ステップ32では、他プログ
ラム等から自プログラムに起動がかかることでシステム
・サブルーチンexwait( ) からリターンし、アプリケー
ション・ソフトウェアの処理が実行される。処理が完了
すると再びステップ31に戻ってexwait( )をコールし、
自プログラムが再び起動されるのを待つ。
【0021】次に図7(b)のフローチャートに基づい
てアプリケーション・ソフトウェア2の動作を説明す
る。ステップ41では、ステップ31と同様にシステム・サ
ブルーチンexwait( ) をコールする。ステップ42では、
システム・サブルーチンexwait( ) からリターンし、ア
プリケーション・ソフトウェアの処理が実行される。
【0022】ステップ43では、アプリケーション・ソフ
トウェアの処理が完了してからシステム・サブルーチン
xtsleep( )をコールする。システム・サブルーチンxtsl
eep()の動作については後述する。ステップ44では、シ
ステム・サブルーチンxtsleep( )からリターンした後、
アプリケーション・ソフトウェアの処理が実行され、実
行終了後、ステップ41に戻る。
【0023】尚、ステップ12、21、31、41、43が情報記
録手段に相当する。次に前述のシステム・サブルーチン
exwait( ) の動作を図8のフローチャートに基づいて説
明する。尚、実行されるアプリケーション・ソフトウェ
アはプログラム部PROG1に対応しているものとして
説明する。ステップ51では、アプリケーション・ソフト
ウェアの実行終了時刻のロギングを行う。このロギング
を行うには、ヘッダ部の現在時刻記録領域HDR−bに
記録されている時刻カウンタのカウント値(現在時刻)
と順序カウンタのカウント値とを、プログラム部の現在
時刻記録領域PROG1−4aに実行終了時刻としてコ
ピーし、サブルーチン区別領域PROG1−4bにシス
テム・サブルーチン名exwait( ) を記録し、さらにこの
後、ヘッダ部の現在時刻記録領域HDR−bに記録され
ている順序カウンタのカウント値を更新(+1)してお
く。
【0024】ステップ52では、同時動作禁止制御用排他
権を解放する。これを行うには、ヘッダ部HDRの排他
権所有者記録領域HDR−cの所定の位置をクリアした
後、OSのシステムコールで排他権を解放する。ステッ
プ53では、起動がかかるまでスリープする。ステップ54
では、起動がかかるとアプリケーション・ソフトウェア
の実行開始時刻のロギングを行う。このロギングを行う
には、ヘッダ部の現在時刻記録領域HDR−bに記録さ
れている時刻カウンタのカウント値(現在時刻)と順序
カウンタのカウント値とを、プログラム部の現在時刻記
録領域PROG1−3aに実行開始時刻としてコピー
し、サブルーチン区別領域PROG1−3bにシステム
・サブルーチン名exwait() を記録し、さらにこの後、
ヘッダ部の現在時刻記録領域HDR−bに記録されてい
る順序カウンタのカウント値を更新(+1)しておく。
【0025】ステップ55では、同時動作禁止制御用排他
権を取得する。これを行うには、アプリケーション・ソ
フトウェアがこれから取得しようとする排他権の番号を
排他権待ち記録領域PROG1−2に書き込み、OSの
システム・コールで排他権を取得し、排他権が取得され
たら直ちに前記排他権待ち記録領域PROG1−2の情
報をクリアし、排他権所有者記録領域HDR−c内の所
定の位置に自アプリケーション・ソフトウェアのプログ
ラム番号を書き込む。このステップが終了してからリタ
ーンする。
【0026】次に前述のシステム・サブルーチンxtslee
p( )の動作を図9のフローチャートに基づいて説明す
る。尚、実行されるアプリケーション・ソフトウェアは
プログラム部PROG1に対応しているものとして説明
する。ステップ61では、アプリケーション・ソフトウェ
アの実行終了時刻をロギングする。このロギングはシス
テム・サブルーチンexwait( ) のステップ51と同様にし
て行われ、サブルーチン区別領域PROG1−4bにシ
ステム・サブルーチン名xtsleep( )を記録する。
【0027】ステップ62では、指定された時間が経過す
るまでスリープする。ステップ63では、指定された時間
が経過するとアプリケーション・ソフトウェアの実行開
始時刻のロギングを行う。このロギングはシステム・サ
ブルーチンexwait( ) のステップ54と同様にして行わ
れ、サブルーチン区別領域PROG1−3bにシステム
・サブルーチン名xtsleep( )を記録する。
【0028】次に図10のフローチャートに基づいてステ
ップ2の診断ルーチンjudge の動作を説明する。ステッ
プ71では、ロギング領域P1の情報を入力してタスク動
作状態の情報を解読する。入力するタスク動作状態の情
報は、現在時刻、ロギング・スタート時刻、最終ロギン
グ時刻、セマフォによる排他権所有者、各アプリケーシ
ョン・ソフトウェアの実行状態(プログラム番号、プロ
グラム名称、プログラムの実行開始時刻、プログラムの
実行終了時刻、プログラムの実行時間、プログラムの状
態、サブルーチンタイプ、排他権待ちの有無)、であ
る。
【0029】尚このとき、診断ルーチンjudge はこれら
の入力情報からプログラムの状態とプログラムの実行時
間を算出して、入力情報と共にステップ73において出力
する。その計算方法は次の通りである。 「開始時刻<終了時刻」であればプログラムの状態は停
止(スリープ)であり、実行時間は「終了時刻−開始時
刻」である。
【0030】また逆に 「開始時刻>終了時刻」であれば、プログラムの状態は
動作中であり、実行時間は「最終ロギング時刻−開始時
刻」である。 ここで、最終ロギング時刻とは現在時刻記録領域HDR
−bの値である。
【0031】ステップ72では、ステップ71と同様にして
ロギング領域P2の情報を入力する。前述したようにロ
ギング領域P2の情報はロギング領域P1の情報に対し
て1の補数をとったものである。ステップ73では、ロギ
ング領域P1の情報を人間が読みやすい形にして表示す
る。
【0032】ステップ74では、ロギング領域P1、P2
から入力された情報が一致しているかどうかを判定す
る。そして一致していればそのまま終了し、情報が一致
していなければステップ75に進んでロギング領域P2の
情報も表示してリターンする。このステップ74が照合手
段に相当する。かかる構成によれば、OSの管理するメ
モリ領域の外にタスク動作状態の情報を記録するロギン
グ領域を設けることにより、万が一、プログラムのバグ
等によるプログラムの暴走のような障害が発生してコン
ピュータがシステムダウンした場合、このロギング領域
がOSの管理領域の外にある為、コンピュータにリセッ
トをかけても記憶されているタスク動作状態の情報はリ
セットされず、リスタート後にこの情報を解読してシス
テムダウン直前のシステム状態を把握することが出来、
障害が発生した原因を容易に診断することが出来る。
【0033】またお互いに複数の排他権を取り合うこと
によりシステムが動作しなくなるデッドロックが発生し
た場合でも、アプリケーション・ソフトウェアの排他権
の取得状態を把握することが出来るので、デッドロック
が発生した原因も容易に究明することが出来る。またタ
スク動作状態の情報をそのまま記録するロギング領域P
1と、全く同じ情報を1の補数で記録するロギング領域
P2と、の冗長構成とすることにより、ロギング領域に
記録された情報に対する信頼性が向上する。
【0034】また本発明は、システム・ダウン時の原因
究明の為の機能を備えていない既存のOSにも容易に適
用することが出来、汎用性が高い。尚、本実施例では、
ロギング領域を2重系にした場合について説明したが、
これに限らず例えばロギング領域P3をRAM3にもう
1つ配設して3重系を形成し多数決を行う方式にしても
構わない。このように奇数個の多重系にして多数決を行
うことにより信頼性をさらに向上させることが出来る。
【0035】また本実施例では、OSの管理領域の外の
ロギング領域をRAM3上に設けたが、これに限らず記
憶能力を有する別のハードウェア上にロギング領域を設
け、このハードウェアに記録、解読を行っても構わな
い。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、オ
ペレーティング・システムの管理領域の外にタスク動作
状態の情報を記録する情報記憶手段を設けることによ
り、万が一、障害の発生によりコンピュータがシステム
ダウンした場合、またはデッドロックの発生によりシス
テムが停止した場合、直前のタスク動作状態の情報を解
読・出力することが出来、障害またはデッドロックが発
生した原因を容易に診断することが出来る。また、情報
記憶手段を複数設けて同一の情報を記憶させて情報を照
合して一致しているか否かを確認する冗長構成としたの
で、情報に対する信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の一実施例を示すブロック図。
【図3】 図2のロギング領域の詳細を示す図。
【図4】 図2の動作を示すフローチャート。
【図5】 図4の環境構築プログラムの動作を示すフロ
ーチャート。
【図6】 図5のタイマ・プロセスの動作を示すフロー
チャート。
【図7】 図5のアプリケーション・ソフトウェアの動
作例を示すフローチャート。
【図8】 図7のシステム・サブルーチンexwait( ) の
動作を示すフローチャート。
【図9】 図7のシステム・サブルーチン名xtsleep( )
の動作を示すフローチャート。
【図10】 図4の障害診断ルーチンの動作を示すフロー
チャート。
【図11】 図6の時刻カウンタと順序カウンタとの説明
図。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータがスタートまたはリスター
    トしてオペレーティング・システムが動作し、複数のタ
    スクを多重管理することによりアプリケーション・ソフ
    トウェアを実行させるマルチタスク・システムにおい
    て、 前記オペレーティング・システムで管理され、複数のタ
    スクを多重管理してアプリケーション・ソフトウェアを
    実行させる管理手段と、 前記オペレーティング・システムの管理領域の外に設け
    られ、タスク動作状態の同一情報をそれぞれ記憶する複
    数の情報記憶手段と、 前記アプリケーション・ソフトウェアから呼び出され、
    タスク動作状態の前記同一情報を前記情報記憶手段に
    記録する情報記録手段と、前記各情報記憶手段の記憶内容を照合する照合手段と、 前記オペレーティング・システムのスタート時またはリ
    スタート時、前記照合手段の照合結果に基づいて前記情
    報記憶手段に記憶されているタスク動作状態の情報を解
    読して出力する情報解読手段と、 を備えたことを特徴とするマルチタスク・システムの障
    害診断装置。
JP03071778A 1991-04-04 1991-04-04 マルチタスク・システムの障害診断装置 Expired - Lifetime JP3101825B2 (ja)

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