JP3101581B2 - 包装体 - Google Patents

包装体

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JP3101581B2
JP3101581B2 JP09043268A JP4326897A JP3101581B2 JP 3101581 B2 JP3101581 B2 JP 3101581B2 JP 09043268 A JP09043268 A JP 09043268A JP 4326897 A JP4326897 A JP 4326897A JP 3101581 B2 JP3101581 B2 JP 3101581B2
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耐二 大橋
満男 石田
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富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、A4,B4等の小
判に裁断されたコピー用紙等の小判用紙を水系処理で離
解可能な防湿性を備えた包装紙によって包装した包装体
に関し、特に、古紙を用いた包装紙によって構成される
包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の小判用紙の包装紙としては、ポリ
エチレンラミネートの晒クラフト紙と一部未晒クラフト
紙がある。また、実用化はされていないが、例えば、特
開平8−144192号公報に示されるものがある。こ
の包装紙は、晒クラフト紙等を基紙とし、この基紙の表
面に水溶性エマルジョンと脂肪酸エステルとの混合液を
塗工した防湿層を形成して構成されている。
【0003】図3および図4は、小判用紙の包装体を示
す。従来、上記包装紙を用いて積層状態の小判用紙を包
装する場合は、1冊の構成枚数によって包装形態が異な
っていた。
【0004】図3は、1冊の構成枚数が500枚の場合
を示し、包装体10の端部10aを側面を越えて底面ま
で折り返す「アンダーホールド式」で包装している。ア
ンダーホールド式によって包装することにより、腰の強
いバージンパルプのみからなるクラフト紙を使用して側
面における密着性が悪くなっても接着不良を生じること
はない。
【0005】図4は、1冊の構成枚数が1000枚の場
合を示し、包装体10の端部10aを底面まで折り返さ
ないで側面にのみ接着する「カートンホールド式」で包
装している。1冊の構成枚数が1000枚になると、側
面の接着面積を大きくとることができるので、腰の強い
バージンパルプのみからなるクラフト紙を使用しても接
着不良を生じることはない。
【0006】前述した混合液を塗工した従来の包装紙に
よれば、防湿層は、水溶性であるので、古紙再生時にお
ける基紙の離解が容易なため、基紙を古紙として再利用
できる。説明するまでもなく、防湿層によって湿気を遮
断することにより、小判用紙の防湿を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の包装体
10によると、1冊の構成枚数が500枚の小判用紙を
アンダーホールド式で包装したのでは、包装紙の使用量
が増え、資源の無駄を招くことになる。
【0008】図5は、アンダーホールド式の他の問題点
を説明するための図である。アンダーホールド式で包装
し、それを図5のように何冊も重ねると、包装体10の
底面に折り返された端部10aによって小判用紙の上側
の何枚かに圧痕が付くので、商品価値の低下を招き、コ
ピー用紙に用いた場合に画質の劣化を招くという問題が
ある。
【0009】また、基紙に晒クラフト紙等を用いると、
漂白工程で塩素系薬品等の処理薬品を用いるため、公害
問題を起こすおそれがある。一方、公害問題を避けるも
のとして酸素漂白法もあるが、漂白効果が十分ではな
い。
【0010】従って、本発明の目的は、包装紙の使用量
を少なくして資源の効率的利用を図った包装体を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、包装体を積
み重ねても包装される小判用紙に圧痕が付かない包装体
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、公
害防止問題を生じない包装紙によって構成される包装体
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、基紙に防湿層を形成した所定のサイズの包
装紙によって小判用紙を包装する包装体において、前記
基紙は、古紙を所定の配合率で含む未晒クラフト紙によ
って構成することにより、所定の値に低減された腰の強
さを有し、前記包装紙は、前記所定の値に低減された腰
の強さに基づいて、底面まで折り返さずに側面で接着す
カートンホールド式によって前記小判用紙を包装する
ことを特徴とする包装体を提供する。上記構成によれ
ば、古紙を所定の配合率で含む未晒クラフト紙を基紙と
して使用することにより、適切な腰の強さの包装紙が得
られ、小判用紙を包装したときに側面への密着性が向上
し、1冊の構成枚数が少ない場合(例えば、400枚か
ら600枚)でもカートンホールド式の包装が可能にな
る。この結果、包装紙の使用量が少なくなり、小判用紙
をカートンホールド式で包装した包装体を積み重ねて
も、小判用紙に圧痕が付き難くくなる。また、未晒クラ
フト紙は、漂白工程をほとんど経ずに製造されるので、
漂白による公害問題を生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係
る包装体を構成する包装紙である。この包装紙1は、基
紙2に水溶性の防湿層3を形成して構成されている。
【0013】基紙2は、未晒クラフト紙に所定の配合率
(例えば20〜70%)で古紙を配合したものである。
本発明において「未晒クラフト紙」とは、パルプの漂白
処理をほとんど行わないクラフト紙、又は一般の晒クラ
フトパルプに比べて非常に低いレベルの漂白処理を行
い、かつ、針葉樹パルプの比率が全パルプ中80%以上
で紙にしたときの白色度(JIS−P8123)が50
%以下のクラフト紙を意味する。また、本発明において
「古紙」には、新聞紙(新聞紙に挿入されているビラを
含む。),雑誌等の古紙や、未晒クラフト紙,晒クラフ
ト紙,上質紙,中質紙などの古紙を単独に、又は複数の
組合せで用いてもよい。また、「古紙」には、古紙業者
が回収して製紙工場に送られた古紙だけでなく、製紙工
場での製造工程内で発生した製品にならない紙、いわゆ
る損紙等のバージンパルプ以外の再生パルプの原料にな
る全ての紙が含まれる。古紙の配合率を20%以上とす
ることで、包装紙1の腰を弱くすることができ、小判用
紙を包装したときに側面への密着性が向上してカートン
ホールド式で包装することができる。また、古紙の配合
率を70%以下とすることで、包装紙としての必要な強
度を確保できる。従って、古紙の配合率は、20〜70
%が妥当である。
【0014】防湿層3は、パラフィン系ワックス,ポリ
エチレン系ワックス等のワックス、スチレンブタジエン
系ラテックス(SBR),アクリルニトリル・ブタジエ
ン系ラテックス(MBR)等の合成ゴム系ラテックス、
あるいは両者のエマルジョンの混合液を用いることがで
きる。この場合に、図1(a) に示すように、上記ワック
ス,合成ゴム系ラテックス,混合液のいずれか1つを1
層で形成してもよく、図1(b) に示すように、それらの
いずれか2つを上層3a,下層3bからなる2層で形成
してもよい。2層の場合は、基紙2の一方の面に重ねて
形成してもよく、基紙2の両側にサンドイッチ状に形成
してもよい。包装体を構成するとき、防湿性を重視する
場合は、ワックスを表側にした方が好ましい。また、こ
の防湿層3は、メイセーバー、エアーナイフコーター、
バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター等に
より塗工される。
【0015】図2は本発明の実施の形態に係る包装体1
0を示す。この包装体10は、500枚のA4のコピー
用紙をカートンホールド式で包装している。包装枚数
は、一般的には、500枚だが、場合によっては400
枚から600枚でも支障はない。包装体10の端部10
aは、側面にのみ接着されている。
【0016】以下、本発明の実施の形態における効果を
具体的に説明する。 (イ) 古紙を所定の配合率で含む未晒クラフト紙を基紙2
として使用することにより、適切な腰の強さを有した包
装紙1が得られ、小判用紙を包装したときに側面への密
着性が向上する。また、500枚/1冊を包装する場合
でもカートンホールド式で包装することができる。従っ
て、何冊かを重ねても、小判用紙に圧痕が付き難く、商
品価値の低下を防止でき、コピー用紙として用いた場合
の画質劣化を回避することができる。 (ロ) 未晒クラフト紙に古紙を配合しているので、古紙を
包装紙1として再利用することができる。また、1冊の
構成枚数が500枚の小判用紙をカートンホールド式で
包装することができるので、1冊分の包装紙1の使用量
が少なくなり、資源の無駄を省くことができる。また、
防湿層3に水系処理で離解性に優れる水溶性エマルジョ
ンや水溶性樹脂を用いているので、包装紙1をそのまま
離解し、再生パルプにすることが可能である。従って、
資源の効率的利用を図ることができる。 (ハ) 基紙2に、漂白工程をほとんど施していない未晒ク
ラフト紙を使用しているので、公害が発生せず、また、
主に、安価な新聞紙や雑誌などの古紙を配合すること
で、新規な木材資源の節減やコスト低減を図ることがで
きる。
【0017】
【実施例】表1は、本発明の実施例1〜4と比較例の各
種試験結果を示す。表1において、実施例1〜4は、主
に古紙の配合率を20〜70%の間で変化させたもので
あり、比較例は、古紙を使用していないものである。
【表1】
【0018】試験条件は、次の通りである。 (1) 「透湿度」JIS−Z0208による。 (2) 「シートの吸湿度」包装状態のリームから最上部、
中間部、最下部より一枚ずつ取り出し、それぞれの水分
をJIS−P8127に従って測定し、その平均値をA
とする。リームを包装状態のまま、温度40℃,湿度9
0%RHの状態で21日間放置した後、上記と同様な方
法で水分を測定し、その平均値をBとする。このように
して求めた上記A,Bの差(A−B)をシートの吸湿度
とする。 (3) 「水での離解性」1000mlの水に対し30%の
濃度となるように1cm×1cmの大きさのサンプルを
用意し、これを家庭用ミキサーに入れて2分間攪拌した
後、実験室手抄きマシンでシートを作成し、肉眼で未離
解物(紙片等)が検出されず、均一なシートを形成して
いるものを良好とした。 (4) 「テーバこわさ」JIS−P8125による。 (5) 「包装時のたわみ」所定の枚数の小判用紙を一旦包
装した後、包装紙を開け、再度包装した場合の包装紙の
縁の位置ずれを測定したもので、腰の弱い程、小さな値
を示すものある。この位置ずれは、包装紙が1回目の包
装よりも2回目の包装においてより小判用紙の積層体に
なじむために生じるものである。 (6) 「リーム強度」包装状態のA4サイズのリームを
1.5mの高さからビル床のピータイル上に落下させた
ときの包装紙の破壊レベルを測定した。包装紙の破損な
しを「良好」、包装紙に2cm未満の亀裂ありを
「可」、包装紙に2cm以上の亀裂あり、あるいは破裂
ありを「不可」として評価した。
【0019】表1から明らかなように、上記実施例1〜
4によると、包装時のたわみが、0.9〜1.8mmと
なり、比較例の3.0mmと比較してかなり小さい値と
なり、一定のリーム強度を確保しつつ腰の弱い包装紙1
が得られたことが分かる。従って、小判用紙を包装した
ときに側面への密着性が向上するので、1冊の構成枚数
が500枚の小判用紙をカートンホールド式で包装する
ことができる。
【0020】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず、種々な実施の形態が可能である。例えば、上記実
施の形態では、防湿層3を基紙2の一方の面に形成した
場合について説明したが、基紙2間に形成してもよい。
また、防湿層3を包装体10の表側に形成してもよく、
裏側に形成してもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、古
紙を所定の配合率で含む未晒クラフト紙を基紙として使
用しているので、適切な腰の強さの包装紙が得られ、小
判用紙を包装したときに側面への密着性が向上し、1冊
の構成枚数が少ない場合でもカートンホールド式の包装
が可能になる。この結果、包装紙の使用量が少なくな
り、資源の効率的利用を図ることができる。また、1冊
の構成枚数が少ない場合でもカートンホールド式の包装
が可能になるので、包装体を積み重ねても包装される小
判用紙に圧痕が付き難い。この結果、商品価値の低下を
防止でき、コピー用紙として用いた場合には、画質劣化
を回避することができる。また、漂白処理をほとんど施
していない未晒クラフト紙を使用しているので、公害問
題を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) ,(b) は本発明に係る包装体の断面図であ
る。
【図2】本発明に係る包装体によるカートンホールド式
の包装状態を示す斜視図である。
【図3】アンダーホールド式の包装形態を示す斜視図で
ある。
【図4】カートンホールド式の包装形態を示す斜視図で
ある。
【図5】アンダーホールド式の包装形態の問題点を説明
するための斜視図である。
【符号の説明】
1 包装紙 2 基紙 3 防湿層 3a 上層 3b 下層 10 包装体 10a 端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−13386(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 65/00 - 65/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙に防湿層を形成した所定のサイズの包
    装紙によって小判用紙を包装する包装体において、 前記基紙は、古紙を所定の配合率で含む未晒クラフト紙
    によって構成することにより、所定の値に低減された腰
    の強さを有し、 前記包装紙は、前記所定の値に低減された腰の強さに基
    づいて、底面まで折り返さずに側面で接着するカートン
    ホールド式によって前記小判用紙を包装することを特徴
    とする包装体。
  2. 【請求項2】前記古紙は、新聞紙・雑誌類を含む構成の
    請求項1記載の包装体。
  3. 【請求項3】前記古紙は、20〜70%の前記配合率と
    した構成の請求項1記載の包装体。
  4. 【請求項4】 前記防湿層は、水溶性を有する構成の請求
    項1記載の包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7742124B2 (en) 2001-04-20 2010-06-22 Puredepth Limited Optical retarder
US7742239B2 (en) 2002-03-17 2010-06-22 Puredepth Limited Method to control point spread function of an image
US8146277B2 (en) 2002-09-20 2012-04-03 Puredepth Limited Multi-view display
US8154691B2 (en) 2000-11-17 2012-04-10 Pure Depth Limited Altering surfaces of display screens
US8416150B2 (en) 2007-08-22 2013-04-09 Igt Method and system for determining a position for an interstital diffuser for use in a multi-layer display
US8687149B2 (en) 2001-10-11 2014-04-01 Pure Depth Limited Visual display unit illumination

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