JP3101498B2 - 車両用衝撃吸収構造体 - Google Patents

車両用衝撃吸収構造体

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JP3101498B2
JP3101498B2 JP06226508A JP22650894A JP3101498B2 JP 3101498 B2 JP3101498 B2 JP 3101498B2 JP 06226508 A JP06226508 A JP 06226508A JP 22650894 A JP22650894 A JP 22650894A JP 3101498 B2 JP3101498 B2 JP 3101498B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両用衝撃吸収構造体に係り、
特に自動車のドアやクォーターパネル等の車両部品に取
り付けられ、衝突事故等により、該自動車の乗員、特に
その胸部が衝突した際に、その衝撃エネルギーを有利に
吸収し得る車両用衝撃吸収構造体に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、車両、例えば自動車等にあって
は、バンパーやインストルメントパネル等の車両部品に
対して、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体が取
り付けられており、衝突時等において、自動車全体に及
ぼされる衝撃や、乗員、特にその頭部に対する衝撃を吸
収せしめて、乗員の安全が可及的に確保され得るように
なっている。
【0003】そして、近年では、かかる乗員の安全性を
より高いレベルで確保するために、ドアやクォーター等
にも、上述の如き衝撃吸収機能を具備せしめて、主に乗
員の腰部や胸部に対する衝撃を吸収せしめるようにする
ことが、要求されている。特に、米国においては、新側
突基準(FMVSS214)が発行されて、実際に、実
車側突試験における、ダミーの腰部や胸部に対する傷害
値が厳しく規制されているのである。
【0004】このため、それらの要求や基準を満足せし
めるべく、ドアの内部やクォーターパネルの裏側に対し
て、(1)ウレタンパッドを取り付けること、(2)ポ
リプロピレンやポリスチレン等を用いたビーズ発泡成形
体を配置すること、(3)合成樹脂製のリブ構造体を取
り付けること等、種々の提案が為されている。
【0005】ところが、上記(1)における如き衝撃吸
収構造においては、ウレタンパッドが形状自由度が小さ
いばかりでなく、強度においても劣ることから、ドアや
クォーターパネルへの取付けが、接着剤等を用いた全面
ラップに限定されてしまい、取扱性が悪く、コスト高に
なってしまうといった問題を有していた。また、ウレタ
ンパッドは、その構造よりして、パッド全体に対して7
0%程度の変形量で、衝撃エネルギーを吸収しなければ
ならないため、つまり衝撃ストロークが70%程度のも
のであるため、そのようなウレタンパッドを用いた衝撃
吸収構造では、衝撃エネルギーの吸収を十分に行なうこ
とができず、しかも衝撃を加えた時の反発力、所謂荷重
値が大きくなってしまうことが避けられなかった。
【0006】また、前記(2)における如き衝撃吸収構
造にあっては、ビーズ発泡成形体を与える材料として、
熱可塑性樹脂が用いられていることから、リサイクルが
可能で、溶着による接着手法が採用され得ることとなる
ものの、そのような熱可塑性樹脂を用いてなるビーズ発
泡成形体が、その強度や衝撃ストロークが小さいもので
あるため、前記(1)の構造と同様な問題を有してお
り、それ故に衝撃吸収構造として望ましいものであると
は、言い難いものであった。
【0007】これに対して、前記(3)の如き衝撃吸収
構造によれば、合成樹脂製のリブ構造体が、形状自由度
が大きく、材質も何等制限されるものでないところか
ら、各種の取付孔を設けることができ、それによってド
アの内部やクォーターパネルの裏側等に対して、嵌込み
やビス止め等によって容易に取り付けられ得るばかりで
なく、例えばドアトリム等との一体成形が可能となっ
て、ウレタンパッドやビーズ発泡成形体をそれらの車両
部品に取り付ける場合に比して、その取付け性が大幅に
向上され得る特徴がある。
【0008】しかしながら、そのような合成樹脂製のリ
ブ構造体において、従来より、バンパーやインストルメ
ントパネル等に取り付けられているものにあっては、ド
アやクォーター等に取り付けられ、特に乗員の胸部に対
する衝撃エネルギーを吸収せしめる衝撃吸収構造体とし
て、直ちに適用され得るものではなかった。
【0009】すなわち、ドアの内部やクォーターパネル
の裏側が比較的スペースが狭いことから、そのような部
位に取り付けられる胸部用の衝撃吸収構造体において、
大きなストローク(変位量)を得るようにすることは困
難である。それ故、かかる衝撃吸収構造体にあっては、
限られたストロークの中で、ストローク全体にわたって
衝撃ができるだけ小さくなるようにするために、荷重値
(衝撃を加えた時の反発力:F)と変位量(撓み量乃至
は破壊量:S)とが、図9に示される如き関係を有して
いること、即ち、荷重値と変位量とが比例し、且つその
傾き(F/S)の値が0.5以下となるような荷重−変
位特性を有していることが要求される。しかるに、従来
のリブ構造体の殆どのものにおいては、荷重値と変位量
とが、図10において曲線aや曲線bで示される如き関
係となるのであって、初期荷重値が大きくなってしま
い、上述の如き要求特性が、満たされ得るものではなか
ったのである。
【0010】一方、ドアの内部に取り付けられる合成樹
脂製のリブ構造体としては、特開平6−72153号公
報に開示されたドアトリム用のリブ構造体が知られてい
る。即ち、図11に示される如く、このリブ構造体36
は、ドアトリム22の内側に、薄肉平板状のリブ38の
複数個が、互いに対向する状態で、直列に配され、且つ
ドア本体20に向かって所定高さ延び出すようにして、
一体的に立設せしめられて成っており、それら複数のリ
ブ38が、その長さと剛性が段階的に異ならしめられ
て、長さの短いもの程、剛性が大きくなるように構成さ
れている。
【0011】かくして、かくの如き構造とされたリブ構
造体36にあっては、衝撃力が加えられて、ドア本体2
0とドアトリム22とが互いに接近する方向に移動せし
められた際に、複数のリブ38が、ドア本体20に接触
せしめられて、長さの長い、剛性の小さなものから順に
撓み乃至は破壊せしめられるようになっているのであ
り、それによって、リブ38の撓み変形の小さい、換言
すればリブ構造体36全体の変位量が小さい初期時に
は、荷重値が小さく、かかる変位量が増加するに伴っ
て、荷重値が増大するように構成され得、以て胸部用の
衝撃吸収構造体として要求される荷重−変位特性に近い
特性が得られるようになっているのである。
【0012】ところが、図11からも明らかなように、
そのような構成を有するリブ構造体36においては、複
数のリブ38が、剛性の異なるものとして形成される必
要があることに加えて、一方向に直列形態をもって配列
せしめられていることから、例えば、衝撃力が、それら
複数のリブ38の幅方向(図11において、紙面に垂直
な方向)乃至はそれに近い方向から加えられた際には、
衝撃エネルギーが効果的に吸収せしめられ得るものの、
その配列方向(図11において、上下方向)乃至はそれ
に近い方向から加えられた場合には、衝撃エネルギーを
十分に吸収せしめることが困難となってしまうのであ
る。即ち、かかるリブ構造体36にあっては、衝撃力が
加えられる方向によって、その衝撃吸収性にバラツキが
生じるといった、大きな問題が内在していたのである。
【0013】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、荷重値と変位量とが比例するような荷重−
変位特性が得られ、しかも衝撃力が加えられる方向の変
化によって衝撃吸収性にバラツキが生じるようなことが
有効に防止され得る車両用衝撃吸収構造体を提供するこ
とにある。
【0014】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、合成樹脂材料からなり、平板状の底板の
底面上に、所定高さを有する薄肉平板状のリブを複数個
立設せしめて構成した車両用衝撃吸収構造体において、
かかる複数のリブの一部若しくは全部が、可撓性を有
し、且つ少なくともリブ上部が、上端に向かうに従って
次第に狭幅となる三角形状に構成されていると共に、そ
れらのリブが、交差する複数の平面内に位置するように
配置せしめられ、更にそれらリブの高さが該複数の平面
の交差位置において最大となるように、それらリブの前
記三角形状の頂部が該交差位置に位置せしめられ、また
それによって、かかる交差位置の隣接するものの中間部
位において、それらリブの高さが最小となるように構成
されている車両用衝撃吸収構造体を、その特徴とするも
のである。
【0015】なお、かくの如き本発明に従う車両用衝撃
吸収構造体の好ましい態様によれば、前記複数のリブの
一部若しくは全部が、それぞれのリブの位置する平面に
て格子形状を構成した状態で配置せしめられると共に、
該格子形状の縦方向に配置されるリブとその横方向に配
置されるリブとが略同数となるように構成される。
【0016】また、本発明の望ましい態様の一つによれ
ば、前記複数のリブの一部若しくは全部が、それぞれの
リブの位置する平面にて、1又は2以上の放射形状を構
成した状態で配置せしめられる。
【0017】さらに、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、前記底板に、取付部が設けられ、該取付部におい
て、車両の所定部位に取り付けられ得るように構成され
ることとなる。
【0018】更にまた、本発明の別の好ましい態様の一
つによれば、前記複数のリブの一部若しくは全部が、そ
の上端を車両内方に向けた状態で配置せしめられて、車
両の所定部位に取り付けられることとなる。
【0019】
【実施例・作用】以下、本発明を更に具体的に明らかに
するために、本発明の幾つかの実施例について、図面を
参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0020】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た、自動車のドアやクォーターに適用される車両用衝撃
吸収構造体の一例が、概略的に示されている。そして、
かかる図1からも明らかなように、衝撃吸収構造体10
は、底板12と、該底板12の底面13上に一体的に立
設せしめられた複数のリブ14とを含んで、構成されて
いる。
【0021】より具体的には、この衝撃吸収構造体10
を構成する底板12は、所定の合成樹脂材料からなり、
矩形平板形状をもって構成されている。また、そのよう
な底板12の幅方向両側の端面には、リップ状の取付部
16,16が、側方に所定寸法突出する状態で、それぞ
れ一体的に設けられている。そして、この取付部16,
16には、ボルト用孔18,18が、それぞれ形成され
ており、これによって、衝撃吸収構造体10が、ドア内
部やクォーターパネルの裏側等に、ボルト固定や嵌込み
固定等により、位置固定的に取り付けられ得るようにな
っている。
【0022】一方、複数のリブ14は、可撓性を有する
合成樹脂材料からなっており、三角形状の薄肉平板形態
をもって、構成されている。また、それら複数のリブ1
4にあっては、前記底板12の底面13上において、そ
れを縦と横に各々三等分するように、縦4列、横4列の
並列形態をもって、且つ各リブ14が上端に向かうに従
って次第に狭幅となるように、三角形の頂部を上部に向
けた状態で、それぞれ配されている。そして、底板12
の底面13の外周縁部における縦と横の列の交差位置に
おいて、2個のリブ14,14が互いに垂直に重なり合
うように、またそれ以外の交差位置において、2個のリ
ブ14,14が互いに直交するように、それぞれ位置せ
しめられている。かくして、複数のリブ14が、格子形
状を構成して、交差する複数の平面内に位置する状態
で、底板12の底面上に立設せしめられているのであ
る。なお、ここでは、リブ14が1列に4個ずつで、底
板12の縦と横に、それぞれ同数の16個ずつ配され
て、立設せしめられている。
【0023】そして、かくの如き構造とされた衝撃吸収
構造体10が、前記したように、ボルト固定等により、
ドア内部やクォーターパネルの裏側等に取り付けられる
ようになっているのであるが、その際、有利には、底板
12が車室外側に位置せしめられ、また複数のリブ14
が、その上端を車室内側に向けた状態で配置せしめられ
ることとなる。即ち、例えば、衝撃吸収構造体10をド
ア内部に取り付ける場合には、図2に示される如く、鉄
板からなるドア本体20と合成樹脂製のドアトリム22
との間に形成される空間24内において、底板12を車
室外26側に、また複数のリブ14を車室内28側に、
それぞれ位置するように配置せしめ、該底板12を、ド
ア本体20に、前記取付部16,16においてボルト固
定等して、取り付けるようにすることが望ましいのであ
る。これによって、所定の衝撃力が加えられた際に、よ
り目標特性に近い荷重−変位特性が、有利に得られるこ
ととなる。なお、図2中、30は窓ガラスである。
【0024】このように、本実施例に係る衝撃吸収構造
体10にあっては、複数のリブ14が三角形形状とされ
て、上端に向かって次第に狭幅となるように構成されて
おり、それによって、同一の荷重が加えられた場合に、
上端側(頂部側)が撓み易く、また下部側(基部側)が
撓み難くなっているのである。それ故、所定の衝撃力が
加えられた際、初期時には、小さな荷重で撓みが生ぜし
められるものの、その撓み量が増大するに伴って、同量
の撓み量を得るためには、より大きな荷重が必要となる
ようになっているのである。
【0025】また、かかる複数のリブ14が、格子形状
を構成して、交差する複数の平面内に位置する状態で、
底板12の底面13上に立設せしめられているところか
ら、底板12の縦方向乃至はそれに近い方向から衝撃力
が加えられた際には、底板12の縦方向に沿って配列せ
しめられた複数のリブ14によって、衝撃吸収が有効に
行なわれ得るようになっているのであり、また底板12
の横方向乃至はそれに近い方向から衝撃力が加えられた
時には、底板12の横方向に沿って配列せしめれた複数
のリブ14によって、効果的に衝撃吸収が行なわれ得る
ようになっているのである。
【0026】従って、本実施例に係る衝撃吸収構造体1
0にあっては、初期荷重値が小さく、変位量の増大に伴
って、荷重値が増大するといった、荷重値と変位量とが
比例する、図9に示される如き荷重−変位特性が得られ
ることとなるのであり、また衝撃力が加えられる方向の
変化に伴う衝撃吸収性のバラツキが可及的に小さくせし
められ得るのである。そして、それらの結果として、ド
アの内部やクォーターパネルの裏側等、設置スペースの
小さな部位に取り付けられる衝撃吸収構造体として有利
に適用され得、以て乗員、特にその胸部へのドアやクォ
ーターパネルの衝突時における衝撃エネルギーの吸収が
極めて有効に且つ安定的に実現され得ることとなるので
ある。
【0027】また、かかる衝撃吸収構造体10において
は、複数のリブ14が底板12の底面13上において、
その縦方向と横方向にそれぞれ同数ずつ配されて、立設
せしめられているところから、衝撃力が加えられる方向
の違いによって、複数のリブ14の撓み変形に基づく衝
撃エネルギーの吸収量に差が生ずることが有利に抑制さ
れ得るのである。
【0028】さらに、かかる衝撃吸収構造体10にあっ
ては、前記底板12に、取付部16,16が設けられ、
該取付部16,16において、ドア本体やドアトリム、
クォーターパネル等に対して、ボルト固定や嵌込み固定
が可能となっていることから、従来の如き接着剤を用い
た全面ラップによる接着固定を行なう必要がなく、その
取付け作業がより簡便に行なわれ得るのである。
【0029】更にまた、かかる衝撃吸収構造体10にお
いては、複数のリブ14が、底板12の底面13上に、
互いに交差乃至は重ね合わされた状態で、立設せしめら
れていることから、単位面積当たりのリブ14の立設枚
数が有利に多くされ得、それによって、衝撃方向の違い
に基づく衝撃吸収性のバラツキが有効に抑制されつつ、
衝撃エネルギーの吸収量の向上が効果的に図られ得てい
るのである。
【0030】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、それは文字通りの例示であって、本発明
が、それら例示のものにのみ限定して解釈されるもので
はないことは、言うまでもないところである。
【0031】例えば、前記実施例では、複数のリブ14
の全べてのものが三角形形状をもって構成されていた
が、求められる荷重−変位特性等に応じて、一部のリブ
14のみが、そのような形状となるように構成されてい
ても良い。即ち、例えば図3に示される如く、底板12
の外周縁部に沿って立設せしめられるリブ32を矩形形
状となるように構成し、それ以外の位置に立設せしめら
れるリブ14のみを三角形形状となるように構成するこ
とも可能である。これによって、荷重−変位特性におけ
る傾きを大きく為すことができるのであり、その結果と
して、単位変位量当たりの衝撃エネルギーの吸収量を増
大せしめることが可能となる。
【0032】また、前記実施例では、複数のリブ14
が、格子形状をもって交差する平面の交差位置におい
て、2個のリブ14,14が互いに重なり合うように、
または直交するように、配置せしめられていたが、該複
数のリブ14が、底板12の底面13上において、交差
する複数の平面内に位置するように配置せしめられるの
であれば、それら複数のリブ14の配置形態は、何等こ
れに限定されるものではない。即ち、例えば、複数のリ
ブ14を、各々独立させた状態で、図4に示される如
く、底板12の底面13上に、その縦方向と横方向に、
それぞれ並列的に配置せしめたり、また図5に示される
如く、放射状に配置せしめたりするようにしても良い。
更に、前記平面の交差位置において、3個以上のリブ1
4が互いに重なり合うように、または互いに交差するよ
うに配置することも可能であり、具体的には図6に示さ
れる如く、複数のリブ14を、放射形状をもって交差す
る複数の平面内に位置するように配置せしめても良いの
である。なお、それら図4乃至図6に示される各衝撃吸
収構造体10においては、三角形状のリブ14と矩形状
のリブ32とが組み合わされて、底板12の一方の面上
に、立設せしめられている。
【0033】さらに、そのようなリブ14の設置枚数
も、前記実施例における如きものに決して限定されるも
のではなく、取り付けられるべき車両部品の形状や構
造、更には求められる荷重−変位特性等に応じて、適宜
に決定され得るものである。
【0034】更にまた、リブ14の形状も、前記実施例
における如きものに、何等限定されるものではなく、少
なくとも上部が、上端に向かうに従って次第に狭幅とな
るように構成されていれば良いのである。従って、例え
ば図7に示される如く、上部に山形状の凹凸を長さ方向
に連続的に設けて、上端に向かうに従って次第に狭幅と
されたリブ34を構成することも可能である。なお、そ
の際には、かかるリブ34の高さの30%以上が山形形
状とされていることが望ましい。また、複数のリブの全
べてをそのような形状とする必要はなく、例えば図8に
示される如く、それらのリブ34と長手矩形状のリブ3
2とを組み合わせても良いのである。更に、上述の如き
形状とされたリブ(14,34)を含むものであれば、
その他のリブや底板の形状を考慮して、衝撃吸収構造体
10自体を、取り付けられるべき車両部品に対応した形
状と為すようにすることも、勿論、可能である。
【0035】また、前記実施例では、底板12に取付部
16,16が設けられて、取り付けられるべき車両部品
に対して、ボルト固定や嵌込み固定等により、位置固定
的に取り付けられ得るようになっていたが、そのような
取付部16,16を設けることなく、底板12の複数の
リブ14が設けられる側とは反対側の面に所定の接着剤
を塗布して、取り付けられるべき車両部品に対して、接
着固定するようにすることも、勿論、可能である。
【0036】さらに、この底板12は、その厚さが、特
に限定されるものではないが、衝撃時の破壊速度を制御
して、安定した衝撃吸収性を得る上で、2mm以上の厚さ
とされていることが好ましい。また、必要以上に厚い場
合には、成形サイクルが長くなるばかりでなく、成形過
程における冷却時の収縮差によって、リブ14が変形し
て、衝撃エネルギーの吸収が安定して行なわれ得なくな
る恐れがあることから、その厚さが5mm以下とされてい
ることが望ましい。
【0037】また、リブ14の厚さも、特に限定される
ものではなく、それらを構成する材質等によって適宜に
決定されるものであるが、有利には、0.6〜1.2mm
の範囲内とされる。けだし、リブ14の厚さが0.6mm
を下回る場合には、薄過ぎて、成形が困難となり、かか
るリブ14、ひいては衝撃吸収構造体10の生産性が悪
化してしまうからであり、またその厚さが1.2mmを越
える場合には、逆に厚過ぎて、有効な撓み量が得られ
ず、効率的な衝撃エネルギーの吸収が行なわれ得なくな
ってしまう恐れがあるからである。
【0038】さらに、リブ14の高さも、衝撃吸収構造
体10の設置スペース等によって、適宜に決定されると
ころであるが、より大きな衝撃ストロークを得るように
する上において、許容され得る範囲内で、より高くされ
ることが望ましい。
【0039】更にまた、そのようなリブ14や底板12
を与える材料、即ち衝撃吸収構造体10の構成材料は、
合成樹脂材料であれば、特に限定されるものではない
が、好ましくは延性材料たるポリプロピレン、ポリエチ
レン、及びそれらのポリマーアロイ等のポリオレフィン
系樹脂材料やポリアミド樹脂材料が用いられ、その中で
も、特に曲げ弾性率が10000kg/cm3 (但し、AS
TM D 790に準拠して実施される曲げ強さ試験に
おいて得られる値)以下のものが好適に用いられ得る。
そして、有利には、そのような合成樹脂材料の射出成形
により、衝撃吸収構造体10が形成されることとなるの
である。なお、それらの合成樹脂材料に対して、必要に
応じて、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体や
エチレン−プロピレンゴム等のゴム材料やタルク、マイ
カ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ワラストナイト等の
充填材、更にはヒンダードアミンやBHT等の添加剤等
を公知の配合比率をもって配合せしめても良い。それに
よって、衝撃吸収構造体10に対して、通常、自動車等
の車両部品に要求される耐光性や耐熱性、強度等が、優
れた衝撃吸収特性に加えて、効果的に付与せしめられ得
ることとなる。
【0040】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
のドアやクォーターに取り付けられる車両用衝撃吸収構
造に対して適用したものの具体例を示したが、本発明
は、ピラーガニッシュ、ドアグラブ、インストルメント
パネル、クラスター等、その他の車両部品に対しても、
有利に適用され得ることは、勿論である。
【0041】その他、一々列挙はしないが、本発明が、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う車両用衝撃吸収構造体にあっては、底板の底面上
に立設せしめられた複数のリブの一部若しくは全部が、
可撓性を有し、且つ少なくともリブ上部が、上端に向か
うに従って次第に狭幅となるように構成されていると共
に、それらのリブが、交差する複数の平面内に位置する
ように配置せしめられていることから、荷重値と変位量
とが比例する荷重−変位特性が得られることとなるので
あり、また衝撃力が加えられる方向の変化に伴う衝撃吸
収性のバラツキが可及的に小さくせしめられ得、以て乗
員、特にその胸部への衝撃エネルギーの吸収が極めて有
効に且つ安定的に実現され得ることとなるのである。
【0043】また、本発明において、前記複数のリブの
一部若しくは全部が、それぞれの位置する平面にて格子
形状を構成した状態で配置せしめられると共に、該格子
形状の縦方向に配置されるリブとその横方向に配置され
るリブとが略同数となるように構成される場合には、衝
撃力が加えられる方向の違いによって、衝撃エネルギー
の吸収量に差が生ずるようなことがより効果的に抑制さ
れ得るのである。
【0044】さらに、本発明において、前記複数のリブ
の一部若しくは全部が、それぞれのリブの位置する平面
にて、1又は2以上の放射形状を構成した状態で配置せ
しめられる場合には、複数のリブが、底板の底面上にお
いて、より多方向に向けて配置せしめられ得、それによ
って、衝撃位置の変化による衝撃エネルギーの吸収量の
バラツキが更に効果的に抑制され得ることとなる。
【0045】また、本発明において、前記天板に、取付
部が設けられ、該取付部において、車両の所定部位に取
り付けられ得るように構成される場合には、かかる車両
の所定部位に対して、ボルト固定や嵌込み固定が可能と
なって、その取付け作業がより簡便に行なわれ得ること
となるのである。
【0046】さらに、本発明において、前記複数のリブ
の一部若しくは全部が、その上端を車両内方に向けた状
態で配置せしめられて、車両の所定部位に取り付けられ
る場合には、より目標特性に近い荷重−変位特性が得ら
れることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の一例を示
す斜視説明図である。
【図2】図1に示された車両用衝撃吸収構造体のドア内
部への取付状態を説明するための図である。
【図3】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の別の例を
示す図1に対応する図である。
【図4】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に別の
例を示す図1に対応する図である。
【図5】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の他の例を
示す図1に対応する図である。
【図6】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に他の
例を示す図1に対応する図である。
【図7】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に別の
例を示す図1に対応する図である。
【図8】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に他の
例を示す図1に対応する図である。
【図9】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の荷重−変
位特性を示す説明図である。
【図10】従来の車両用衝撃吸収構造体の荷重−変位特
性を示す説明図である。
【図11】従来の車両用衝撃吸収構造体の例を示す縦断
面説明図である。
【符号の説明】
10 衝撃吸収構造体 12 底板 13 底面 14,32,34 リブ 16 取付部 18 ボルト用孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/02 - 21/05 F16F 7/00 - 7/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂材料からなり、平板状の底板の
    底面上に、所定高さを有する薄肉平板状のリブを複数個
    立設せしめて構成した車両用衝撃吸収構造体において、 かかる複数のリブの一部若しくは全部が、可撓性を有
    し、且つ少なくともリブ上部が、上端に向かうに従って
    次第に狭幅となる三角形状に構成されていると共に、そ
    れらのリブが、交差する複数の平面内に位置するように
    配置せしめられ、更にそれらリブの高さが該複数の平面
    の交差位置において最大となるように、それらリブの前
    記三角形状の頂部が該交差位置に位置せしめられ、また
    それによって、かかる交差位置の隣接するものの中間部
    位において、それらリブの高さが最小となるように構成
    されていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
  2. 【請求項2】 前記複数のリブの一部若しくは全部が、
    それぞれのリブの位置する平面にて格子形状を構成した
    状態で配置せしめられていると共に、該格子形状の縦方
    向に配置されるリブとその横方向に配置されるリブとが
    略同数となるように構成されている請求項1に記載の車
    両用衝撃吸収構造体。
  3. 【請求項3】 前記複数のリブの一部若しくは全部が、
    それぞれのリブの位置する平面にて、1又は2以上の放
    射形状を構成した状態で配置せしめられている請求項1
    又は請求項2に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  4. 【請求項4】 前記底板に、取付部が設けられ、該取付
    部において、車両の所定部位に取り付けられ得るように
    なっている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両
    用衝撃吸収構造体。
  5. 【請求項5】 前記複数のリブの一部若しくは全部が、
    その上端を車両内方に向けた状態で配置せしめられて、
    車両の所定部位に取り付けられている請求項1乃至4の
    何れかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
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