JP3101377B2 - 再帰フィルタ設計方式 - Google Patents

再帰フィルタ設計方式

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JP3101377B2
JP3101377B2 JP03330184A JP33018491A JP3101377B2 JP 3101377 B2 JP3101377 B2 JP 3101377B2 JP 03330184 A JP03330184 A JP 03330184A JP 33018491 A JP33018491 A JP 33018491A JP 3101377 B2 JP3101377 B2 JP 3101377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,演算データの入力手段
と演算データの記憶手段と演算データの演算処理手段
と,演算結果の出力手段を備えたコンピュータシステム
により最適係数を求める再帰フィルタの設計方式に関す
る。
【0002】再帰フィルタは,入力されるデータ群f
(0),f(1),f(2),・・・・・,f(t),
f(t+1)・・・に対して,次式によって出力p
(0),p(1),・・・,p(t),p(t+1),
・・・を出力するものである。
【0003】
【数5】 但し,a(t’)は入力値に対する係数であり,b
(t’)は過去の出力値に対する係数である。
【0004】再帰フィルタは上記式(1) の係数a
(t’),b(t’)の値によって様々な特性を持ち,
音声信号や画像信号の処理に幅広く利用されている。そ
のため,用途に応じて,柔軟にその最適係数を得ること
のできるフィルタ設計方式が望まれる。
【0005】入力されるデータ群f(0),f(1),
・・・,f(t),f(t+1),・・・に対する望ま
しい出力をP(0),P(1),・・・,P(t),P
(t+1),・・・とした時,適切な係数a(t’),
b(t’)は式(1) の出力p(t’)と望ましい出力P
(t’)の差の二乗の和,
【0006】
【数6】 を最小にするa(t’),b(t’)として求められ
る。
【0007】
【従来の技術】従来は,コンピュータにより上記最適係
数を求める場合,上記式(2) を直接演算する代わりに,
式(1) におけるp(t)を望ましい出力P(t)に置き
換えた式によりa(t’),b(t’)を算出してい
た。即ち
【0008】
【数7】 を最小にするa(t’),b(t’)を求めていた。
【0009】そのため,まず,式(3) を係数a
(t’),b(t’)の2次式として偏微分する(P
(t)は定数であるので,a(t’)とb(t’)はそ
れぞれ独立した変数となる)。各偏微分の結果を0とお
くことにより,a(t’)とb(t’)の連立1次式が
得られるので,それを解いて,再帰フィルタの最適係数
a(t’),b(t’)として出力していた。
【0010】図6は従来の再帰フィルタ設計方式のフロ
ーであって,コンピュータシステムにより最適係数を求
めるものである。図示の番号に従って,フローを説明す
る。 (1) 望ましい出力P(0),P(1),・・・,P
(t),P(t+1)・・・を設定する。 (2) 評価函数E(上記式(3) )を設定する(通常,N
=2〜3,tの最大値=1024程度もしくはそれ以
上)。
【0011】(3) 評価函数Eを係数a(t’)および
b(t’)で偏微分し,各微分を0とおいて,a
(t’),b(t’)を求める。 (4) 求めたa(t’),b(t’)を最適係数として
出力する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】最適係数は,正確には
上記(2) 式を最小にすることにより定められるべきもの
であるのに対し,従来の係数の算出方法は,それに近い
(3) 式による近似であるため厳密な最適解でない。ま
た,(3) 式に基づいて得た解は必ずしも(2) 式を最小に
しているとは限らないので,得られた再帰フィルタが不
安定になることがある((1) 式が発散する)。
【0013】本発明は,上記式(2) を最小にすることに
等価な方法で,最適係数を求める再帰フィルタ設計方式
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための具
体的構成を説明する前に,本発明における最適係数の算
出原理を説明する。
【0015】任意の時系列信号{k(t);tは整数}
に対して,k(t)をk(t+1)に変換する作用素で
zで表すことにする。即ち, z*k(t)=k(t+1) (4) また,zの逆作用素をz-1,zをn回続けて施すことを
n で表す。つまり, z-1*k(t)=k(t−1),zn *k(t)=k(t+n) (5) と表される。
【0016】一般に,任意の線型フィルタは次式で表す
ことができる。
【数8】
【0017】これは作用素zを使って,
【数9】
【0018】と表すことができる。ここで,
【数10】 によって,H(z)を定義すると式(7) は g(t)=H(z)*f(t) (9) と表現できる。ここで,H(z)はh(t)のz変換で
あり,(7) 式のフィルタの伝達函数である(以下zを複
素数とみなす)。
【0019】一方,(1) 式の再帰フィルタ
【数11】
【0020】は作用素zを使えば,次のように表現でき
る。
【数12】
【0021】ここで,右辺の第2項を移行して整理する
と,
【数13】 が得られる。
【0022】これより,
【数14】 ここで,
【数15】 とおくと,(10)式は p(t)=L(z)*f(t) (12) と表現できる。ここで,L(z)は再帰フィルタ(1) の
伝達函数である。従って,(9) 式のフィルタg(t)=
H(z)*f(t)をより良く近似する再帰フィルタの
係数を決定するためには,(12)式のフィルタp(t)=
L(z)*f(t)においてL(z)ができるだけH
(z)に一致するようにすれば良い。L(z)とH
(z)の一致の度合いを評価するために次の評価函数を
定義する。
【数16】
【0023】(13)式の積分は原点を中心とする単位円周
上の左回りの線積分である。
【0024】L(z)とH(z)がそれぞれインパルス
応答{l(0),l(1),・・・},{h(0),h
(1),・・・}を持つフィルタの伝達函数であるとす
ると,
【数17】 であるので,(13)式は次のように変形できる。
【数18】 ここで,コーシーの定理,
【数19】 を用いた。
【0025】このことは(13)式の評価函数を最小にする
ことはインパルス応答の2乗誤差を最小にすることに等
価であることを意味する。そこで,(11)式の分母をD
(z)とおくと,
【数20】 但し,
【数21】 このとき,(13)式は以下のように変形できる。
【数22】 但し,
【数23】 である。評価函数Eは再帰フィルタのパラメータa
(t)とb(t)の函数であるが,Eを最小にするパラ
メータを求めるために,まず,Eをa(t)で微分して
ゼロとおく。
【数24】 T(t,u)を(n+1)×(n+1)の行列であると
みなしてその逆行列をT-1(t,u)とおくと,(19)式
より
【数25】 が得られる。これを(15)式に代入すると,
【数26】 となり,評価函数Eはパラメータb(t)だけの函数と
なる。従って,係数b(t)をパラメータとして,(21)
式を最小にするb(t)を求め,さらにb(t)に従っ
て式 (20) のa(t)を求めれば,最適係数が得られ
る。
【0026】図1は,本発明の基本構成であって,上記
原理に基づき再帰フィルタの最適係数を求めるための装
置構成である。図において,1演算データ入力手段であ
って,評価函数E,係数(b)パラメータ初期値,評価
基準値(E’)初期値,インパルス応答算出函数,係数
(a)パラメータ算出式等を入力するものであり,キー
ボード等の入力装置もしくは,上記各データを記憶して
いるディスク装置等よりなるものである。2は評価値算
出手段であって,インパルス応答,評価函数,パラメー
タbにより評価値を算出するものである。評価値算出手
段2は各種データ,演算中間結果等を記憶する記憶手段
と各種データに基づいて演算処理をする演算処理部より
なるものである。
【0027】3はインパルス応答設定手段であって,入
力されたインパルス応答算出函数に従ってフィルタの望
ましいインパルス応答を算出し,設定するものである。
インパルス応答設定手段は,インパルス応答算出函数等
を記憶する記憶部とインパルス応答算出函数に従ってイ
ンパルス応答を算出する演算部とよりなるものである。
4は評価値比較手段であって,評価値と評価基準値を比
較するものである。5は係数(b)パラメータ更新手段
であって,係数パラメータ(b)を更新するものであ
る。6は係数(a)算出手段であって,最適係数(b)
に基づいて最適係数(a)を算出するものである。7は
評価基準値更新手段であって,評価基準値より小さい評
価値が得られた場合,その評価値を新たな評価基準値と
して更新するものである。8は最適係数(a,b)出力
手段であって,ディスプレイ,プリンタ等の出力結果を
出力するものおよび出力結果を格納するディスク装置等
よりなるものである。
【0028】
【作用】図の構成の動作を説明する。演算データ入力手
段1より,インパルス応答算出函数(例えば,h(t)
=exp(−t2 /σ))を入力する。インパルス応答
設定手段3はインパルス応答を算出する。例えば,σを
指定し,t=0,1,2,・・・のh(0),h
(1),h(2),・・・を算出する。インパルス応答
設定手段3は予め,数種類のインパルス応答算出函数を
持っていて,演算データ入力手段1からはインパルス応
答算出函数の指定と,引数等の指定のみ行うようにして
もよい。
【0029】演算データ入力手段1より評価函数E(上
記式(21))および係数(b)の初期値を入力する。例え
ば,評価函数はあらかじめディスク装置等に格納して用
意しておき,係数(b)の初期値のみを入力するように
する。評価値算出手段2は入力された評価函数を記憶す
る。そして,上記式(1) の出力p(t)が安定になる範
囲の係数(b)を初期値から順次値を変更しながら,係
数(b)をパラメータとして,各bについて,設定され
たインパルス応答とにより評価値算出手段2は評価値を
算出する。なお,上記式(1) におけるN,Mは演算デー
タとして予め与えておく。評価値比較手段4は,評価値
算出手段2の算出した評価値と演算データ入力手段1よ
り入力された評価基準値の初期値を比較し,評価値が評
価基準値より小さければ,評価基準値更新手段7は算出
された評価値を新たな評価基準値として更新する。係数
(b)パラメータ更新手段5は係数(b)パラメータを
更新する。評価値が評価基準値より大きければ,評価基
準値を更新することなく係数(b)パラメータ更新手段
5は次のパラメータを発生する。
【0030】評価値算出手段2は,係数(b)パラメー
タ更新手段5の発生した係数(b)パラメータにより,
評価値を算出する。評価値比較手段4は算出された評価
値と評価基準値(更新されていれば更新された評価基準
値)を比較する。
【0031】以後同様の処理を,出力p(t)が安定に
なる範囲の全てのb(t)について繰り返し,評価函数
Eを最小にする最適係数(b)を求める。係数(a)算
出手段6には係数(a)算出式(上記式 (20) )が,演
算データ入力手段1より与えられて記憶されているの
で,係数(a)算出手段6は,最適係数(b)に基づい
て最適係数(a)を算出する。
【0032】最適係数(a,b)出力手段8は求めた最
適係数をディスプレイ,プリンタ等により出力し,必要
に応じてディスク装置等に格納する。本発明によれば,
評価函数,係数(a)パラメータ算出式,インパルス応
答函数等はあらかじめディスク装置に用意しておき,ユ
ーザはインパルス応答のみを設定することにより,簡単
に再帰フィルタの最適係数を求めることができる。
【0033】
【実施例】式(21)を直接計算することは時間がかかるの
で,本実施例ではM=2,N=2の場合について補助配
列を用いて高速に算出する方法を説明する。
【0034】M=2とした場合,D=1−(b(1)z
-1+b(2)z-2)である。そこで,D=0の2つの根
をα,βとすると, D(z)=(1−z-1α)(1−z-1β),D(z-1)=(1−zα)(1− zβ) (22) と表される。
【0035】なお,根と係数の関係によりα,βとb
(1),b(2)の間には次の関係がある。 b(1)=α+β,b(2)=−αβ (23) ここで,d=|t−u|とおくと(16)式より,
【数27】 である。なお,(24)の算出式では,D(z)の根が原点
を中心とする単位円の中にあることを仮定した。即ち, |α|<1,|β|<1. この仮定は,D(z)をz-1に関して原点の回りに展開
できるための必要十分条件であり,このときに限り再帰
フィルタは安定になる。
【0036】この条件から,b(1)とb(2)が取り
得る領域は次のようになる。 b(2)>−1,b(2)<b(1)+1, b(2)<−b(1)+1 (25) (b(1),b(2)の関係を表す図4参照)このと
き,(24)の被積分函数の極は単位円内部ではαとβだけ
になり,留数の定理により簡単に積分値が求まる。
【0037】ここで,tとuはそれぞれ0から2の整数
であるので,dの値も0から2の整数になる。d=0,
d=1,d=2のそれぞれに対してT(t,u)は次式
を持つ。
【0038】 d=0に対して,T(t,u)=(1+αβ)/((1−α2 )(1−β2 ) (1−αβ)) (26) d=1に対して,T(t,u)=(α+β)/((1−α2 )(1−β2 )( 1−αβ)) (27) d=2に対して,T(t,u)=(α2 +αβ+β2 −α2 β2 )/((1− α2 )(1−β2 )(1−αβ)) (28) これから3×3の行列T(t,u)は次のように表すこ
とができる。
【数28】 これから逆行列を算出すると,T-1は次のようになる。
【数29】
【0039】一方,(17)式の積分を留数の定理を使って
計算すると, V(0)=H(0)/αβ+(H(α-1)/α−H(β-1)/β)/(α−β ), (31) V(1)=(H(α-1)−H(β-1))/(α−β) (32) V(2)=(αH(α-1)−βH(β-1))/(α−β) (33) が得られる。
【0040】(21)式と(30)式より E=φ−(V(0)2 +(1+b(1)2 −b(2)2 )V(1) +V(2)2 −2b(1)V(1)V(2)−2b(2)V(2)V(0) −2b(1)V(0)V(1)) (34) V(0),V(1),V(2)はそれぞれ(31),(32),
(33)式で与えられるが,これらは以下のようにしてb
(1),b(2)で表すことができる。
【0041】伝達函数H(z)は(8) 式で表されるの
で,
【数30】 となる。従って,
【数31】 ここで, γ(t)=(αt+1 −βt+1 )/(α−β), (38) とおくと,(35),(36),(37)は
【数32】 となる。従ってγ(t)は次の漸加式により与えられ
る。
【0042】 γ(0)=1, γ(1)=b(1), γ(t)=b(1)γ(t−1)+b(2)γ(t−2) (42) 以上のように,インパルス応答が与えられたとき,それ
ぞれb(1),b(2)に対して,(42)式によってγ
(t)が得られ,それを基にして(39),(40),(41)を用
いてv(0),v(1),v(2)が求まる。さらに,
(39)式を使えば,評価函数Eが算出することができる。
【0043】従って,(25)式を満たす領域内(図4参
照)内部を適当な大きさのメッシュに分割し,全てのb
(1)とb(2)に関して評価函数を算出すれば,評価
函数を最小にするb(1)とb(2)が算出できる。ま
た, (20) 式により,a(0),a(1),a(2)は
次式によって求まる。
【数33】 以上の最適係数a,bの算出方法により高速に最適係数
を求めることができる。図2は,本発明のシステム構成
実施例を示す。
【0044】図おいて,10はキーボードであって,演
算データを入力するものである。11は演算処理装置で
あって評価値の算出,評価値と評価基準値の比較,係数
(b)パラメータの更新等を行うとともに最適係数
(b)に基づいて係数(a)を算出するものである。1
2はディスク装置であって,評価函数,インパルス応答
算出函数,係数(a)算出式等をあらかじめ格納してお
くとともに,出力結果を保存するものである。13はデ
ィスプレイであって,演算結果を表示するものである。
14はプリンタであって,演算結果をプリント出力する
ものである。
【0045】図3は本発明の演算処理手段の実施例構成
を示す。図において,20は演算データ入力手段,22
はインパルス応答設定手段,23はインパルス応答算出
函数テーブルであって,インパルス応答を算出する函数
を保持するものである。24はインパルス応答算出部で
あって,インパルス応答を算出するものである。25は
評価値算出手段,26は補助配列γ(t)算出分(後
述),27は配列V(t)算出部(後述),28は評価
値E算出部である。28’は最適係数(b’) 更新手段で
あって,評価基準値より小さい評価値を与える係数
(b)パラメータが得られたときそれまでの最適係数
b’をあらたに得られた係数(b)パラメータにより更
新するものである。29は評価値比較手段,30は係数
(b)パラメータ更新手段,31は係数(a)算出手段
である。32は最適係数(a,b)出力手段である。
【0046】図3の構成の動作を説明する。先ず,ユー
ザはインパルス応答設定手段22によりインパルス応答
を設定する。
【0047】インパルス応答算出函数テーブル23には
インパルス応答算出部が複数用意されていてユーザが函
数名と引数を選択することにより望ましいインパルス応
答が設定されるようにする。
【0048】インパルス応答算出函数としては,例え
ば, h(t)=exp(−t2 /σ) (函数名:ガウシャ
ン,引数σ) h(t)=exp(−t2 /σ)cos(−κt)
(函数名:対称ガボール,引数σ,κ) h(t)=exp(−t2 /σ)sin (函数名:反
対称ガボール,引数σ) h(t)=(1−2x2 /σ)exp(−t2 /σ)
(函数名:ガウシャンラプラシャン,引数σ) 等を備える。
【0049】ユーザは先ず,上記の函数と引数を指定す
ることにより,望ましいインパルス応答h(t)(t=
0,1,・・・Q)を設定する。例えば,上記ガウシャ
ン函数を指定,σ=2を設定すると,インパルス応答算
出部24はインパルス応答h(0)=1,h(1)=e
xp(−1/2),h(2)=exp(−1),・・・
exp(−Q2 /2)を算出する。Qの大きさは任意で
あるが,通常,1024程度あれば十分である。
【0050】演算データ入力手段20により,評価函数
の初期値E’およびb(1),b(2)の初期値を設定
する。評価函数の初期値E’は十分に大きな値,例え
ば,9999の値を設定する。b(1),b(2)の初
期値は,出力p(t)を安定にする範囲(図4の斜線部
分)であれば任意であるが,例ではb(1)=2,b
(2)=−1を設定する。
【0051】補助配列γ(t)算出部26には上記式(4
2)を与える。配列v(t)算出部27には上記式(39),
(40),(41)を与える(Nは通常2〜3程度を与える)。
補助配列γ(t)算出部26により,式(42)によりγ
(t)が求まる。
【0052】次ぎに,配列V(t)算出部27はインパ
ルス応答とγ(t)に基づいて,式(39),(40),(41)に
従ってv(0),v(1),v(2)を算出する。評価
値E算出部28は上記式(34)に従って評価値を算出す
る。
【0053】そこで,評価値比較手段29は評価値と評
価基準値を比較し,評価値が基準値より小さければ,そ
の評価値を新しい評価基準値とし,最適係数b’を係数
bで更新する。そして,係数(b)パラメタ更新手段3
0は係数(b)パラメータを更新して,次の係数bを求
める。
【0054】評価値が評価基準値より大きければ,評価
基準値および最適係数b’を更新することなく,次の係
数(b)パラメータを求める。そして,次の係数(b)
パラメータにより,同様に補助配列γ(t)算出部26
はγ(t)を求め,そのγ(t)とインパルス応答によ
り配列v(t)算出部27は配列v(t)を求める。そ
して,評価値E算出部28はそのV(t),b(1),
b(2),インパルス応答により評価値を算出する。
【0055】以下,評価値と評価基準値の比較,評価基
準値の更新,最適係数b’の更新等を全てのb(1),
b(2)について終了するまで繰り返す。次に,そのよ
うにして求めたb(1),b(2)より,係数a算出手
段31は最適係数a(0),a(1)、a(2)を求め
る。そして,最適係数(a,b)出力手段32は算出し
た最適係数b(1),b(2),a(0),a(1),
a(2)を出力する。
【0056】図4は,M=2の場合について,再帰フィ
ルタが安定に動作するb(1)とb(2)の取り得る領
域を表したものである(上記式(24)のb(1)とb
(2)の関係により表される領域)。
【0057】本発明では,図の三角形ABCの内部をメ
ッシュに分割し,その格子点の各(b(1),b
(2))について,全て評価値Eを算出し,評価値が最
小になるb(1),b(2)を求める。
【0058】図5は,評価値算出手段のフローを示す。
図示の番号に従ってフローを説明する。 (1) インパルス応答h(t)を設定する。 (2) 評価基準値E’を設定する。 (3) 係数パラメータb(1),b(2)を設定する。 (4) 補助配列γ(t)を算出する。
【0059】(5) 配列V(t)を算出する。 (6) 評価値Eを算出する。 (7) 評価値と評価基準値E’を比較し,E<E’であ
れば,(8) に進み,E>E’であれば(3) 以降の処理を
繰り返す。 (8) 最適係数b(1)’,b(2)’をb(1),b
(2)に更新する。評価基準値E’を求めた評価値Eに
より更新する。
【0060】(9) 全てのb(1),b(2)について
探索したか判定し,全て終了していなければ(10)に進
み,b(1),b(2)を更新する。全て終了していれ
ば(11)に進み最適係数を出力する。 (10) b(1),b(2)を更新し,(4) 以降の処理を
繰り返す。 (11) 最適係数b(1)’,b(2)’を出力する。
【発明の効果】本発明によれば,b(t)だけの函数と
して定義される評価函数を最小にするだけで良いので,
最適解を短時間でもとめることができる。しかも,評価
函数は上記式(14)を最小にする解と同一であり,上記式
(3)のように近似的な式に基づくものではないので,
より正確な最適係数が得られる。また,得られた最適係
数により,再帰フィルタが不安定になることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す図である。
【図2】本発明のシステム構成実施例を示す図である。
【図3】本発明の演算処理手段の実施例構成を示す図で
ある。
【図4】係数b(t) パラメータの領域実施例を示す図で
ある。
【図5】本発明の演算処理手段のフローを示す図であ
る。
【図6】従来の再帰フィルタ設計方式を示す図である。
【符号の説明】
1 :演算データ入力手段 2 :評価値算出手段 3 :インパルス応答設定手段 4 :評価値比較手段 5 :係数 (b) パラメータ更新手段 6 :係数(a)算出手段 7 :評価基準値更新手段 8 :最適係数(a,b)出力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 H03H 17/02 - 17/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演算データを入力する手段と,演算デー
    タの記憶手段と,演算データに基づいて演算処理する演
    算処理手段と,演算結果の出力手段とを備えた装置によ
    り再帰フィルタを設計する方式において, 再帰フィルタの入力をf(t)と出力p(t)(t=0
    〜∞の整数),過去の出力に対する係数をb(t’),
    入力に対する係数をa(t’)(t’=0〜∞の整数)
    として, 【数1】 (M,Nは正整数)で表される再帰フィルタに対して, 上記演算処理手段は,インパルス応答を設定するインパ
    ルス応答設定手段(3)と,インパルス応答設定手段(3)
    により設定されたインパルス応答とb(t’)とにより
    評価函数を演算することにより評価値を算出する評価値
    算出手段(2) と,評価値を評価基準値と比較する評価値
    比較手段(4) と,係数b(t’)を更新する係数(b)
    パラメータ更新手段(5) と,係数b(t’)に基づいて
    上記係数a(t’)を算出する係数(a)算出手段(6)
    とを備え, 上記出力p(t)が安定する領域のb(t’)を逐次更
    新しながら,インパルス応答と各b(t’)について評
    価値を算出し,各評価値を評価基準値と比較し,評価基
    準値より小さい評価値が得られた場合には,評価基準値
    をその評価値で更新することにより,上記出力p(t)
    が安定する領域の全てのb(t’)において,評価値を
    最小とするb(t’)を求め,そのb(t’)により,
    a(t’)を求め,その係数b(t’)とa(t’)を
    上記再帰フィルタの最適係数として出力することを特徴
    とする再帰フィルタ設計方式。
  2. 【請求項2】 請求項1において,H(z)をインパル
    ス応答のz変換として, 【数2】 としたとき(但し,t=0〜N,u=0〜Nの整数),
    評価函数を, 【数3】 で定義し, 係数aを, 【数4】 とすることを特徴とする再帰フィルタ設計方式。
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