JP3101314B2 - 制振装置 - Google Patents
制振装置Info
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Description
体へ伝達しないよう構成した制振装置に関する。
により振動が発生した場合、振動を制振するための制振
装置がビル屋上等に設けられている。この種の制振装置
では、主にビルの質量に応じた所定の重量を有する付加
質量を、ビルの振動状態に応じて変位させてビルで発生
した振動を制振する構成が採用されている。
に設けられ、サーボモータ等のアクチュエータの駆動力
が伝達されて振動を減衰する方向に移動する。
屋上に固定されているため、付加質量を移動させるため
のアクチュエータあるいは付加質量に駆動力を伝達する
ための伝達機構で発生した高周波振動がビルに伝わりや
すく、ビル内の居住者に不快感を与えてしまうといった
課題がある。
することを目的とする。
に、変位可能な所定の重量を有する付加質量と該付加質
量を変位させる駆動手段とを設け、 該付加質量の変位により該振動体の振動を制振する制
振装置において、 前記装置本体の底部と前記振動体の上面との間に設け
られ前記装置本体からの振動を吸収する防振部材と、 前記装置本体が前記付加質量の変位方向と直交する向
きへ変位することを許容するとともに前記付加質量の変
位による慣性力を前記振動体に伝達するよう前記装置本
体の前記付加質量の変位方向側の側面と、該側面に対向
する振動体の側面との間に設けられた伝達部材と、 を具備してなる。
間に設けられた防振部材により装置本体からの振動を吸
収して装置本体からの振動を遮断でき、且つ装置本体の
付加質量の変位方向側の側面と、これに対向する振動体
の側面との間に設けられた伝達部材により装置本体が付
加質量の変位方向と直交する向きへ変位することを許容
するため、装置本体からの振動を遮断した状態で振動体
の振動を制振することができるとともに、制振装置で生
じた振動が振動体に伝達することを防止することができ
る。
を示す。
置されている。このビル2は12階建てであり、正面の横
幅に対して側面の奥行きが小さいタワー構造の如く建設
されている。ビル2の例えば3,6,9,12階の各フロアには
床面あるいは柱等の振動の状態を検出する振動状態検知
センサ3(31,32,33…)が設けられており、ビル2の地
下には地震を検出する地震センサ4が埋設されている。
又、ビル2の屋上には風速風向計5が設置されている。
の変位を検知する変位センサでも良いし、あるいは振動
発生時の速度を検知する速度センサ、あるいは加速度を
検知する加速度センサ等が考えられる。
いは風圧が作用した場合奥行の小さい幅狭方向(X方
向)に振動が発生しやすい構造となっている。そのため
第2図に示す制振装置1はX方向に発生する振動を制御
するように設置されている。この制御装置1は概略、付
加質量6にボールねじ機構7を設け、ACサーボモータ8
の回転駆動力をボールねじ機構7に伝達して付加質量6
をX方向に摺動させる構成となっている。
と、各振動状態検知センサ31〜34及び地震センサ4から
の検出信号はA/D変換器9に入力され、デジタル信号に
変換される。A/D変換器9からの信号が入力される演算
装置10には、風速風向計5からの計測信号及びACサーボ
モータ8に内蔵された回転検出器(図示せず)から回転
検出信号も供給されており、振動状態検知センサ31〜
34、地震センサ4、風速風向計5等からの信号により振
動状態が演算され、その演算結果に基づいて付加質量6
の変位方向、変位量、変位速度、加速度等を算出するプ
ログラムが入力されている。そして、演算装置10内に接
続されたサーボコントローラ11は演算装置10からの指令
によりACサーボモータ8に駆動電流を供給する。
する。
2図及び第3図に示す如くビル2の屋上2aに設けられた
コンクリート製の取付凹部2b内に設置されている。又本
体1aの下面1bと取付凹部2b上面との間には複数(第2図
では3個のみ示す)の防振部材12(121〜12n)が介在し
ている。この防振部材12は例えば制振装置1で発生した
振動を吸収するよう弾性を有したゴム製であり、上、下
のベース部が夫々本体1a,取付凹部2bに固着されてい
る。
には積層ゴム部材(伝達部材)13,14が介在している。
属板と、円板状のゴム板とを交互に複数枚積重してな
り、これ等を一体的に保持する構成となっている。そし
て、積層ゴム部材13,14は弾性的なそのせん断力により
振動を減衰する構造であり、本体1aが上、下方向に変位
することを許容しうる向きで、両端のベースが本体1aの
側面1c,1dと取付凹部2b内壁に固着されている。
向の力をその剛性により取付凹部2b内壁に伝達するが、
本体1aが上、下方向に変位するとき取付凹部2bに対する
相対変位を許容するとともに上記せん断力により上、下
方向の振動を吸収する。
凹部1eが形成されている。付加質量6は第3図に示すよ
うにT字状の断面形状とされており、その下部6aが凹部
1eに挿入されると共に両側の腕部6b,6cは凹部1eの周縁
の上面1fに対向するように張り出している。そして、付
加質量6の腕部6b,6cと本体1aの上面1fとの間にはリニ
アベアリング15a,15bが設けられている。
15a,15bにより支持されるため、前述のボールねじ機構
7には付加質量6の重量がほとんど付与されない。
されており、その出力軸8aは第4図に示す如くカップリ
ング16を介してボールねじ機構7に螺入するおねじ17に
結合されている。おねじ17は一端が凹部1eの底面1gに固
定された第1の軸受部18に軸承され、付加質量6を貫通
して延在する他端が第2の軸受部19に軸承されている。
1gに固定されたハウジング18aと、ハウジング18a内に嵌
合するアンギュラコンタクト玉軸受20,21と、アンギュ
ラコンタクト玉軸受20,21を保持するストッパ18bとより
なる。
ねじ17の嵌合部17aに嵌合し、外輪20b,21bはハンギング
18aの孔18a1内に嵌合している。尚、内輪20a,21aはおね
じ17の段部17bとワッシャ22との間で、おねじ17のねじ
部17cに螺合するナット23の締付けによりおねじ17に固
定されている。
向だけでなくスラスト方向(X方向)の荷重に耐えられ
る構造となっている。即ち、第4図中、左側のアンギュ
ラコンタクト玉軸受20はX2方向の荷重を受けることがで
き、右側のアンギュラコンタクト玉軸受21はX1方向の荷
重を受けることができる。これは、付加質量6がX1,X2
方向に駆動される際におねじ17に付加質量6の移動方向
と逆向きの力が作用するためである。
成としても良いし、あるいはスラスト荷重を受けない通
常のラジアル軸受によりおねじ17の端部を軸承するよう
にしても良い。
じ機構7は、付加質量6の取付部6dに保持されたナット
7aと、ナット7aの螺旋溝7a1とおねじ17の螺旋溝17dとの
空間に嵌入するボール7bとよりなる。ボールねじ機構7
におねじ17の回転がボール7bのころがり摩擦を介してナ
ット7aに伝達されるため、伝達効率が他の伝達手段より
も高く、ACサーボモータ8の回転駆動力を伝達ロスの少
ない状態で付加質量6に伝達できる。
明する。
に振動した場合、ビル2の各階では夫々異なる変位量、
加速度の振動が発生する。このような、ビル2の振動は
各振動状態検知センサ31〜34により検出され、さらに地
震センサ4,風速風圧計5からの信号に基づいて付加質量
6の変位方向、変位量、速度、加速度等が演算装置10に
より算出される。サーボコントローラ11は演算装置10か
らの指令によりACサーボモータ8に駆動電流を供給す
る。
ンバイ状態にあるので、ACサーボモータ8は駆動電流の
供給と同時におねじ17を回転駆動する。尚、微弱電流に
よるエネルギ消費はわずかであるので無駄が少ない。
7に伝達され、さらに前述の如く効率良く、付加質量6
の変位に変換される。付加質量6はビル2の質量に応じ
た相当な質量を有するものの、リニアベアリング14,15
により支持されているので始動時の負荷が軽減されてい
る。
動電流供給に対して、応答性良くX方向に摺動すること
ができる。これにより、ビル2で発生した振動は付加質
量6の変位により制振される。しかも、上記制振装置1
においては、付加質量6が比較的軽い力で駆動できるの
で周波数の高い振動も良好に制振することができる。
質量6を駆動するACサーボモータ8及びボールねじ機構
7等の駆動伝達機構において振動が生じやすく、これら
の振動が本体1aに伝達される。このように、本体1aから
発生した振動はおよそ50Hz以上の高周波振動であるのに
対し、付加質量6により制振するビル2の振動数は最大
でも10Hz程度であり、装置本体1aからの振動数に比べる
と非常に低い振動数である。積層ゴム部材13,14はこの
振動数の差を利用して、高周波振動のみを吸収するよう
に設けられている。即ち、付加質量6が摺動したときの
X方向の慣性力は積層部材13,14を介して取付凹部2bの
内壁に伝達され、従来と同様な制振効果が得られる。し
かしながら、ACサーボモータ8及びボールねじ機構7等
により発生した高周波振動は防振部材12及び積層ゴム部
材13,14の弾性により吸収される。
部材13,14は本体1aの上、下動を許容し、上下方向の振
動は防振部材12の弾性及び積層ゴム部材13,14のせん断
力により吸収される。又、上、下方向以外のX方向と直
交する方向の振動が生じた場合も、同様に吸収される。
付加質量6を移動させる際ビル2の居住者に不快感を与
えることがない。
を設けたが、これに限らず、例えばエアダンパ等の緩衝
部材を設けるようにしても良いのは勿論である。
材13,14を設けたが、これに限らず、付加質量6の摺動
方向へは剛体として作用し、摺動方向と直交する方向に
は本体1aの動きを許容する構成のものであれば他の部材
を用いても良い。
量6を移動させたが、別の駆動機構により付加質量6を
移動させるようにしても良いのは言うまでもない。
と振動体の上面との間に設けられた防振部材により装置
本体からの振動を吸収して装置本体からの振動を遮断で
き、且つ装置本体の付加質量の変位方向側の側面と、こ
れに対向する振動体の側面との間に設けられた伝達部材
により装置本体が付加質量の変位方向と直交する向きへ
変位することを許容するため、付加質量を摺動させて振
動体の振動を制振する際に、例えば付加質量を駆動する
駆動系において発生した高周波振動が装置本体に伝達さ
れても、装置本体と振動体との間に設けられた防振部材
により吸収され振動体に高周波振動が伝達されることを
防止でき、居住者の不快感を解消することができる。し
かも、付加質量の摺動による慣性力が伝達部材を介して
振動体に伝達されるので、振動体の振動を良好に制振す
ることができる等の特長を有する。
された状態を示す概略図、第2図は制振装置の正面図、
第3図は制振装置の縦断面図、第4図はおねじを軸承す
る軸受部の縦断面図、第5図は付加質量に設けられたボ
ールねじ機構の縦断面図である。 1……制振装置、2……ビル、31〜34……振動状態検知
センサ、4……地震センサ、6……付加質量、7……ボ
ールねじ機構、8……ACサーボモータ、11……サーボコ
ントローラ、12……防振部材、13,14……積層ゴム部
材、15a,15b……リニアベアリング。
Claims (1)
- 【請求項1】振動する振動体上に設置された装置本体内
に、変位可能な所定の重量を有する付加質量と該付加質
量を変位させる駆動手段とを設け、 該付加質量の変位により該振動体の振動を制振する制振
装置において、 前記装置本体の底部と前記振動体の上面との間に設けら
れ前記装置本体からの振動を吸収する防振部材と、 前記装置本体が前記付加質量の変位方向と直交する向き
へ変位することを許容するとともに前記付加質量の変位
による慣性力を前記振動体に伝達するよう前記装置本体
の前記付加質量の変位方向側の側面と、該側面に対向す
る振動体の側面との間に設けられた伝達部材と、 を具備してなることを特徴とする制振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02281574A JP3101314B2 (ja) | 1990-10-19 | 1990-10-19 | 制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02281574A JP3101314B2 (ja) | 1990-10-19 | 1990-10-19 | 制振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04157234A JPH04157234A (ja) | 1992-05-29 |
JP3101314B2 true JP3101314B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=17641076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02281574A Expired - Fee Related JP3101314B2 (ja) | 1990-10-19 | 1990-10-19 | 制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3101314B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH086494B2 (ja) * | 1991-06-07 | 1996-01-24 | 鹿島建設株式会社 | 構造物の振動制御装置 |
-
1990
- 1990-10-19 JP JP02281574A patent/JP3101314B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04157234A (ja) | 1992-05-29 |
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