JP3101173B2 - フローズンヨーグルトの製造法 - Google Patents

フローズンヨーグルトの製造法

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JP3101173B2
JP3101173B2 JP6227395A JP6227395A JP3101173B2 JP 3101173 B2 JP3101173 B2 JP 3101173B2 JP 6227395 A JP6227395 A JP 6227395A JP 6227395 A JP6227395 A JP 6227395A JP 3101173 B2 JP3101173 B2 JP 3101173B2
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英輔 望月
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低酸度フローズンヨー
グルトを製造する方法に関する。詳しくは、ラクトバチ
ルス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス
(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus) の低
生酸性株とストレプトコッカス・サリバリウス・サブス
ピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius
subsp.thermophilus)の高増殖性株との混合スターター
を用いて低酸度フローズンヨーグルトを製造する方法に
関する。本発明の方法により、低酸度で適度にマイルド
な酸味を有し、長期間の凍結保存においても高レベルの
乳酸菌数を維持している嗜好性の高いフローズンヨーグ
ルトを製造することができる。
【0002】
【従来の技術】フローズンヨーグルトは、法令上は発酵
乳として分類されており、乳又はこれと同等以上の無脂
乳固形分を含む乳などを乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊
状又は液状にしたもの又はこれを凍結したものと定義さ
れている。また、その成分は、無脂乳固形分 8.0%以
上、乳酸菌数又は酵母数1ml当たり1000万以上であり、
大腸菌群陰性のものと規定されている。そして、従来の
フローズンヨーグルトは、発酵乳をそのまま凍結したも
のであるため、発酵臭が強く、酸度も高いものが多かっ
た。しかし、最近の嗜好調査などによると、酸味が強く
なく、酸甘バランスの程好いマイルドなフローズンヨー
グルトが好まれる傾向にある。
【0003】フローズンヨーグルトを製造する方法とし
ては、殺菌した原料ミックスにスターター乳酸菌を添加
して発酵させ後、冷却し、フリージングする方法と発酵
ミックス及びアイスクリームミックスを混合し、フリー
ジングする方法が知られている。ところが、いずれの方
法においても、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブ
スピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii
subsp. bulgaricus)やストレプトコッカス・サリバリ
ウス・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus
salivarius subsp. thermophilus)などの乳酸菌を用い
て高固形分の原料ミックスを発酵させる工程が必要とな
るが、このような高固形分の原料ミックスを発酵させる
という条件下では乳酸菌の生育が不良となり、一定レベ
ルの乳酸菌数(108cfu/ml以上)に到達するまでに発酵ミ
ックスの酸度が著しく上昇するという問題があった。
【0004】また、発酵ミックス中の乳酸菌は、フリー
ジングや充填時の物理的衝撃、あるいは、フリージング
や凍結硬化時に受けるヒートショックにより生菌数が減
少し、さらに、ヒートショックを伴う長期間の凍結保存
で著しく生菌数が低下するという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
たこれらの問題を解決するために鋭意研究を進めたとこ
ろ、特定の性質を有する乳酸菌株を混合して用いること
により、低酸度で適度にマイルドな酸味を有するフロー
ズンヨーグルトを製造することができることを見出し、
本発明を完成するに至った。なお、このフローズンヨー
グルトは、凍結保存中においても高レベルの乳酸菌数を
維持しており、かつ風味や組織などの点においても高品
質なものであった。したがって、本発明は、低酸度で適
度にマイルドな酸味を有し、長期間の凍結保存において
も高レベルの乳酸菌数を維持している嗜好性の高いフロ
ーズンヨーグルトを製造する方法を提供することを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、フローズン
ヨーグルトの乳酸菌として、市販の発酵乳から分離した
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブ
ルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgar
icus) とストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピ
ーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius su
bsp. thermophilus)を特定の条件で選別して得られる菌
株を混合して使用する。すなわち、ラクトバチルス・デ
ルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactoba
cillus delbrueckii subsp. bulgaricus) については、
通常の乳酸菌を培養する培地で培養した際に乳酸生成量
の低い性質(低生酸性)の菌株を選定し、また、ストレ
プトコッカス・サリバリウス・サブスピーシズ・サーモ
フィルス(Streptococcus salivarius subsp. thermophi
lus)については、高固形の培地で培養した際に高増殖性
の菌株を選定した。次に、本発明でスターター乳酸菌と
して用いることのできる各菌株について説明する。
【0007】ラクトバチルス・デルブルッキー・サブス
ピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii s
ubsp. bulgaricus) の低生酸性株は、以下のようにして
取得することができる。すなわち、市販の発酵乳から常
法に従って分離したラクトバチルス・デルブルッキー・
サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrue
ckii subsp. bulgaricus) を12重量%還元脱脂乳培地で
3回継代培養した後、12重量%還元脱脂乳培地に1重量
%接種し、37℃で16時間培養して、乳酸酸度が0.50%以
下の菌株を分離して得る。本発明では、このようにして
得られたラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピー
シズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subs
p. bulgaricus) の菌株を低生酸性株と称する。そし
て、このようなラクトバチルス・デルブルッキー・サブ
スピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii
subsp. bulgaricus) の低生酸性株として、ラクトバチ
ルス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス
(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus) SBT1
0412(FERM P-14822)を例示することができる。このラ
クトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブル
ガリクス(Lactobacillusdelbrueckii subsp. bulgaricu
s) SBT10412(FERM P-14822)の菌学的性質を次に示
す。
【0008】A 形態的性状 (1)細胞の形: 桿菌 (2)運動性: なし (3)胞子の有無: なし (4)グラム染色性: 陽性 (5)異染色体: 有する B 培地上の生育状態 (1)プレートカウントアガー培地上のコロニー形態(37℃で24〜48時間培養) : R型 C 生理学的性質 (1)硝酸塩の還元: 陰性 (2)インドールの生成: 陰性 (3)ゼラチンの液化: 陰性 (4)カタラーゼ: 陰性 (5)でんぷんの分解: 陰性 (6)酸素に対する態度: 陽性 (7)グルコースよりホモ乳酸発酵によりD(−)乳酸を生産する。 (8)リンゴ酸塩よりCO2 を産生しない。 (9)脱脂乳培地に培養すると酸を生成し、凝乳する。 (10)各種炭水化物の分解性
【0009】 1.グルコース + 2.ラクトース + 3.フラクトース + 4.マンノース + 5.ガラクトース − 6.シュークロース − 7.マルトース − 8.セロビオース − 9.トレハロース − 10. メリビオース − 11. ラフィノース − 12. メレジトース − 13. マンニトール − 14. ソルビトール − 15. エスクリン − 16. サリシン − 17. アミグダリン − (+は分解することを示し、−は分解しないことを示
す。)
【0010】その他、Nアセチルグルコサミンを分解
し、グリセロール、エリスリトール、D又はL−アラビ
ノース、リボース、D又はL−キシロース、アドニトー
ル、βメチル−D−キシロシド、L−ソルボース、ラム
ノース、ダルシトール、イノシトール、α−メチル−D
−マンノシド、α−メチル−D−グルコシド、アルブチ
ン、サッカロース、イヌリン、アミドン、グリコーゲ
ン、キシリトール、β−ゲンチオビオース、D−トラノ
ース、D−キリソーゼ、D−タガトーゼ、D又はL−フ
コース、D又はL−アラビトール、グルコネート、2セ
ト−グルコネート、5セト−グルコネートを分解しな
い。
【0011】上記の菌学的性質から、Bergey's Manual
of Systematic Bacteriology, vol.2 (1986)により同定
すると、SBT10412株(FERM P-14822)は、ラクトバチル
ス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス(L
actobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus) の菌学
的性質と一致したが、脱脂乳培地での37℃における増殖
が極めて遅く、乳酸の生成が少ない点で低生酸性株と同
定された。また、このSBT10412株(FERM P-14822)を継
代培養しても、乳酸の産生能力は常に低く、12重量%還
元脱脂乳培地に1重量%接種し、37℃で16時間培養した
後の乳酸酸度は、0.40〜0.50%であった。
【0012】一方、ストレプトコッカス・サリバリウス
・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus sal
ivarius subsp. thermophilus)の高固形分ヨーグルトミ
ックス中における高増殖性株は、以下のようにして取得
することができる。すなわち、市販の発酵乳から常法に
従って分離したストレプトコッカス・サリバリウス・サ
ブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivar
ius subsp. thermophilus)を固形分29%のヨーグルトミ
ックスで3回継代培養した後、固形分29%のヨーグルト
ミックスに1重量%接種し、37℃で3時間培養して、生
菌数が108cfu/g以上の菌株を分離して得る。本発明で
は、このようにして得たストレプトコッカス・サリバリ
ウス・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus
salivarius subsp. thermophilus)の菌株を高増殖性株
と称する。そして、このような高増殖性株として、スト
レプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシズ・サー
モフィルス(Streptococcus salivarius subsp. thermop
hilus) SBT10398 (FERM P-14821)を例示することができ
る。このストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピ
ーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius su
bsp. thermophilus) SBT10398 (FERM P-14821)の菌学的
性質を次に示す。
【0013】A 形態的性状 (1)細胞の形: 球菌 (2)運動性: なし (3)胞子の有無: なし (4)グラム染色性: 陽性 (5)異染色体: なし B 培地上の生育状態 (1)プレートカウントアガー培地上のコロニー形態(37℃で24〜48時間培養) : S型 C 生理学的性質 (1)10℃生育能: 陰性 (2)40℃生育能: 陽性 (3)50℃生育能: 陽性 (4)2.0 %塩化ナトリウム生育能: 陽性 (5)4.0 %塩化ナトリウム生育能: 陰性 (6)6.5 %塩化ナトリウム生育能: 陰性 (7)60℃, 30分耐熱性: 陽性 (8)pH9.6 生育能: 陰性 (9)40%胆汁酸耐性: 陰性 (10)硝酸塩の還元: 陰性 (11)インドールの生成: 陰性 (12)ゼラチンの液化: 陰性 (13)カタラーゼ: 陰性 (14)でんぷんの分解: 陰性 (15)酸素に対する態度: 陽性 (16)グルコースよりホモ乳酸発酵によりL(+)乳酸を生産する。 (17)リンゴ酸塩よりCO2 を産生しない。 (18)脱脂乳培地に培養すると酸を生成し、凝乳する。 (19)各種炭水化物の分解性
【0014】 1.グルコース + 2.ラクトース + 3.フラクトース + 4.マンノース + 5.ガラクトース − 6.シュークロース − 7.マルトース − 8.セロビオース − 9.トレハロース − 10. メリビオース − 11. ラフィノース − 12. メレジトース − 13. マンニトール − 14. ソルビトール − 15. エスクリン − 16. サリシン − 17. アミグダリン − (+は分解することを示し、−は分解しないことを示
す。)
【0015】その他、Nアセチルグルコサミン、グリセ
ロール、エリスリトール、D又はL−アラビノース、リ
ボース、D又はL−キシロース、アドニトール、βメチ
ル−D−キシロシド、L−ソルボース、ラムノース、ダ
ルシトール、イノシトール、α−メチル−D−マンノシ
ド、α−メチル−D−グルコシド、アルブチン、サッカ
ロース、イヌリン、アミドン、グリコーゲン、キシリト
ール、β−ゲンチオビオース、D−トラノース、D−キ
リソーゼ、D−タガトーゼ、D又はL−フコース、D又
はL−アラビトール、グルコネート、2セト−グルコネ
ート、5セト−グルコネートを分解しない。
【0016】上記の菌学的性質から、Bergey's Manual
of Systematic Bacteriology, vol.2 (1986)により同定
すると、SBT10398株(FERM P-14821)は、ストレプトコ
ッカス・サリバリウス・サブスピーシズ・サーモフィル
ス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)の
菌学的性質と一致したが、高固形分ヨーグルトミックス
中での37℃における増殖が極めて速い点で高増殖性株と
同定された。このSBT10398株(FERM P-14821)を継代培
養しても高固形分ヨーグルトミックス中での高増殖性の
性質を有していた。
【0017】
【試験例1】ラクトバチルス・デルブルッキー・サブス
ピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii s
ubsp. bulgaricus) の低生酸性株 SBT10412 (FERM P-14
822)とストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピー
シズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius subs
p. thermophilus)の高増殖性株 SBT10398 (FERM P-1482
1)とを12重量%還元脱脂乳培地にそれぞれ1重量%接種
し、37℃で16時間混合培養した。そして、この混合培養
物を12重量%還元脱脂乳培地に1重量%接種し、37℃で
16時間培養した。このようにして継代培養を5代実施し
た。継代培養中の生菌数は、SBT10412株(FERM P-1482
2)が 1.0〜2.0 ×109cfu/gで、SBT10398株(FERM P-14
821)が 4.0〜6.0 ×106cfu/gであり、両菌株のバラン
スは安定していた。この5代継代して得た混合培養物を
スターターとして、固形分29%のヨーグルトミックスに
4重量%添加し、39℃で9時間まで発酵させ、その間の
総乳酸菌数及び乳酸酸度の推移を通常のヨーグルトスタ
ーターであるラクトバチルス・デルブルッキー・サブス
ピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckiisu
bsp. bulgaricus) とストレプトコッカス・サリバリウ
ス・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus s
alivarius subsp. thermophilus)との混合株スターター
であるMRC-32を使用した場合と比較した。その結果を図
1及び図2に示す。
【0018】固形分29%のヨーグルトミックス中におい
ては、SBT10412株(FERM P-14822)とSBT10398株(FERM
P-14821)との混合スターターを用いた場合、増殖性が
良好で酸生成が低値で推移することがわかった。
【0019】
【試験例2】ラクトバチルス・デルブルッキー・サブス
ピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii s
ubsp. bulgaricus) の低生酸性株 SBT10412 (FERM P-14
822)とストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピー
シズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius subs
p. thermophilus)の高増殖性株 SBT10398 (FERM P-1482
1)とを12重量%還元脱脂乳培地にそれぞれ1重量%接種
し、37℃で16時間培養した。そして、この混合培養物を
12重量%還元脱脂乳培地に1重量%接種し、37℃で16時
間培養した。このようにして継代培養を5代実施した。
継代培養中の生菌数は、SBT10412株(FERM P-14822)が
1.0〜2.0 ×109cfu/gで、SBT10398株(FERM P-14821)
が 4.0〜6.0 ×106cfu/gであり、両菌株の比率は安定し
ていた。この5代継代して得た混合培養物をスターター
として、固形分18.7%のヨーグルトミックスに4重量%
添加し、39℃で9時間まで発酵させ、その間の総乳酸菌
数及び乳酸酸度の推移を通常のヨーグルトスターターで
あるラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシズ
・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bu
lgaricus) とストレプトコッカス・サリバリウス・サブ
スピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivariu
s subsp. thermophilus)との混合株スターター(MRC-3
2)を使用した場合と比較した。その結果を図3及び図
4に示す。
【0020】固形分18.7%のヨーグルトミックス中にお
いては、SBT10412株(FERM P-14822)とSBT10398株(FE
RM P-14821)の混合スターターを用いた場合、増殖性が
良好で酸生成が低値で推移することがわかった。
【0021】本発明では、上述したような性質のラクト
バチルス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリ
クス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)
の低生酸性株とストレプトコッカス・サリバリウス・サ
ブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivar
ius subsp. thermophilus)の高増殖性株をスターター乳
酸菌として併用することに特徴を有する。
【0022】なお、フローズンヨーグルトの製造は、次
のように行えば良い。20〜30%固形分のヨーグルトミッ
クスを90〜95℃で30分〜1時間殺菌した後、37〜43℃ま
で冷却し、スターターを接種する。次に、37〜43℃で発
酵して乳酸酸度が0.40〜0.80%に到達したら5〜10℃ま
で冷却し、アイスクリームの製造工程に従って凍結しフ
ローズンヨーグルトを得ることができる。また、15〜20
%固形分のヨーグルトミックスを90〜95℃で30分〜1時
間殺菌した後、37〜43℃まで冷却し、スターターを接種
して37〜43℃で発酵し、乳酸酸度が0.80〜1.60%に到達
したら5〜10℃まで冷却する。次に、90〜95℃で30分〜
1時間殺菌した後、5〜10℃まで冷却した15〜20%固形
分のアイスクリームミックスと発酵が終了したヨーグル
トミックスとを混合し、アイスクリームの製造工程に従
って凍結硬化しフローズンヨーグルトを得ることもでき
る。
【0023】このように、本発明により製造されたフロ
ーズンヨーグルトは、低酸度で適度にマイルドな酸味を
有し、長期間の凍結保存においても乳酸菌数を高レベル
に維持している嗜好性の高いものとなる。以下に実施例
を示し、本発明を具体的に説明する。
【0024】
【実施例1】脱脂練乳13kg、脱脂粉乳6kg、混合油脂3
kg、砂糖2kg、粉末水飴9kg及び水63kgを混合して調製
したヨーグルトミックス(固形分29%)を95℃で30分間
殺菌した後、39℃に冷却した。この殺菌ヨーグルトミッ
クスに、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピー
シズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subs
p. bulgaricus) の低生酸性株 SBT10412 (FERM P-1482
2)とストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシ
ズ・サーモフィルス(Streptococcus salivariussubsp.
thermophilus)の高増殖性株 SBT10398 (FERM P-14821)
とを12重量%還元脱脂乳培地で混合培養したスターター
4kgを接種し、39℃で乳酸酸度が 0.4%となるまで発酵
させた後、冷却し、凍結させることによりフローズンヨ
ーグルトを得た。なお、図5に示すように、このように
して得られたフローズンヨーグルト中の乳酸菌数は、製
造直後で 6.0×108cfu/g、凍結(−5〜−20℃処理)6
カ月保存後で 2.0×108cfu/gであった。
【0025】
【実施例2】生クリーム10kg、脱脂粉乳 10.75kg、精製
ヤシ油 0.5kg、砂糖7kg、粉末水飴4kg及び水 63.75kg
を混合して調製したヨーグルトミックス(固形分26%)
を95℃で30分間殺菌した後、39℃に冷却した。この殺菌
ヨーグルトミックスに、ラクトバチルス・デルブルッキ
ー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus del
brueckii subsp. bulgaricus) の低生酸性株 SBT10412
(FERM P-14822)とストレプトコッカス・サリバリウス・
サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus saliv
arius subsp. thermophilus)の高増殖性株 SBT10398 (F
ERM P-14821)とを12重量%還元脱脂乳培地で混合培養し
たスターター4kgを接種し、39℃で乳酸酸度が 0.4%と
なるまで発酵させた後、冷却し、凍結させることにより
フローズンヨーグルトを得た。なお、このようにして得
られたフローズンヨーグルト中の乳酸菌数は、製造直後
で 5.5×108cfu/g、凍結(−5〜−20℃処理)6カ月保
存後で 3.0×108cfu/gであった。
【0026】
【実施例3】脱脂粉乳13kg、混合油脂4kg、砂糖2kg及
び水77kgを混合して調製したヨーグルトミックス(固形
分18.7%)を95℃で30分間殺菌した後、39℃に冷却し
た。この殺菌ヨーグルトミックスに、ラクトバチルス・
デルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lacto
bacillus delbrueckii subsp. bulgaricus) の低生酸性
株 SBT10412 (FERM P-14822)とストレプトコッカス・サ
リバリウス・サブスピーシズ・サーモフィルス(Strepto
coccus salivarius subsp. thermophilus)の高増殖性株
SBT10398 (FERM P-14821)とを12重量%還元脱脂乳培地
で混合培養したスターター4kgを接種し、39℃で乳酸酸
度が 0.5%となるまで発酵させた後、冷却した。そし
て、脱脂練乳15kg、脱脂粉乳4kg、混合油脂3kg、砂糖
5kg、粉末水飴22kg及び水51kgを混合して調製したアイ
スミックス(固形分43%)を等量混合した後、凍結させ
ることにより乳酸酸度 0.3%のフローズンヨーグルトを
得た。なお、図6に示すように、このフローズンヨーグ
ルト中の乳酸菌数は、製造直後で 9.0×108cfu/g、凍結
(−5〜−20℃処理)6カ月保存後では 6.5×108cfu/g
であった。
【0027】
【実施例4】脱脂粉乳12.5Kg、精製ヤシ油1Kg、砂糖2
Kg、水80.5Kgで調製したヨーグルトミックス(固形分1
5.0%)を95℃で30分間殺菌後、39℃に冷却した。これ
に、殺菌した12重量%還元脱脂乳培地を用いてラクトバ
チルス・デルブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリク
ス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus) の
低生酸性株 SBT10412 (FERM P-14822)とストレプトコッ
カス・サリバリウス・サブスピーシズ・サーモフィルス
(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)の高
増殖性株 SBT10398 (FERM P-14821)とを混合培養したス
ターターを4kg接種し、39℃で乳酸酸度 0.5%となるま
で発酵させた後、冷却した。そして、生クリーム20kg、
脱脂粉乳9kg、砂糖10kg、粉末水飴8kg及び水53kgを混
合して調製したアイスミックス(固形分35.0%)を等量
混合した後、凍結させることにより乳酸酸度 0.3%のフ
ローズンヨーグルトを得た。なお、フローズンヨーグル
ト中の乳酸菌数は、製造直後で 8.5×108cfu/g、凍結
(−5〜−20℃処理)6カ月保存後では 6.0×108cfu/g
であった。
【0028】
【発明の効果】本発明のように、ラクトバチルス・デル
ブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactobaci
llus delbrueckii subsp. bulgaricus) の低生酸性株 S
BT10412 (FERM P-14822)とストレプトコッカス・サリバ
リウス・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococc
us salivarius subsp. thermophilus)の高増殖性株 SBT
10398 (FERM P-14821)との混合培養物をスターター乳酸
菌として用いることにより、低酸度でマイルドな酸味を
有し、長期間の凍結保存においても高レベルの乳酸菌数
を維持している嗜好性の高いフローズンヨーグルトを提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1における培養物の総乳酸菌数の推移を
示す。
【符号の説明】
●は本発明の混合スターターを使用した例を、○はMRC-
32混合スターターを、それぞれ示す。
【図2】試験例1における培養物の乳酸酸度の推移を示
す。
【符号の説明】
●は本発明の混合スターターを使用した例を、○はMRC-
32混合スターターを、それぞれ示す。
【図3】試験例2における培養物の総乳酸菌数の推移を
示す。
【符号の説明】
●は本発明の混合スターターを使用した例を、○はMRC-
32混合スターターを、それぞれ示す。
【図4】試験例2における培養物の乳酸酸度の推移を示
す。
【符号の説明】
●は本発明の混合スターターを使用した例を、○はMRC-
32混合スターターを、それぞれ示す。
【図5】実施例1におけるフローズンヨーグルトの保存
中の総乳酸菌数の推移を示す。
【図6】実施例3におけるフローズンヨーグルトの保存
中の総乳酸菌数の推移を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 9/12 - 9/137 BIOSIS(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ミックスに、ラクトバチルス・デル
    ブルッキー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactobaci
    llus delbrueckii subsp. bulgaricus) の低生酸性株と
    ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシズ・
    サーモフィルス(Streptococcus salivarius subsp. the
    rmophilus)の高増殖性株との混合スターターを接種して
    発酵させた後、凍結させることを特徴とする低酸度フロ
    ーズンヨーグルトの製造法。
  2. 【請求項2】 ラクトバチルス・デルブルッキー・サブ
    スピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii
    subsp. bulgaricus) の低生酸性株がSBT10412株(FERM
    P-14822) であり、ストレプトコッカス・サリバリウス
    ・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus sal
    ivarius subsp. thermophilus)の高増殖性株がSBT10398
    株(FERM P-14821)である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 固形分が25〜30%の原料ミックスを用い
    る請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 固形分が15〜25%の原料ミックスを用
    い、凍結させる前にアイスミックスをさらに混合する請
    求項1に記載の製造法。
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