JP3100823B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置及び画像形成装置

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JP3100823B2
JP3100823B2 JP06023056A JP2305694A JP3100823B2 JP 3100823 B2 JP3100823 B2 JP 3100823B2 JP 06023056 A JP06023056 A JP 06023056A JP 2305694 A JP2305694 A JP 2305694A JP 3100823 B2 JP3100823 B2 JP 3100823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーとキャリアを有
する現像剤を用いて静電潜像を現像する現像装置及び画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明が適用できる現像装置の説明図で
ある図1を借りて従来技術を説明する。
【0003】図1で、現像装置9は、非磁性トナー粒子
と磁性キャリア粒子が混合された2成分現像剤7を収容
する容器8を有している。
【0004】容器8内には第1撹拌室13と第2撹拌室
14が設けられ、この第1撹拌室13と第2撹拌室14
の間には、隔壁6が設けられている。隔壁6には、長手
方向(紙面に垂直方向)の両端部に現像剤通開口が設け
られており、現像剤は第1撹拌室13と第2撹拌室14
の間を循環移動する。
【0005】現像剤を後述のスリーブ3の長手方向(紙
面に垂直な方向)に移動させ、かつ撹拌する手段とし
て、第1撹拌室13と第2撹拌室14間には、夫々矢印
方向に回転するスクリュー11、12が配置されてい
る。
【0006】前記のスクリュー11の回転により第1撹
拌室13内の現像剤は移動し、長手方向に撹拌されつ
つ、前記の1つの開口を通って第2撹拌室14に入る。
そして第2撹拌室14内の現像剤はスクリュー12の回
転により撹拌されつつ長手方向に移動し、前記の他の開
口より再び第1撹拌室13に入る。スクリュー11、1
2による現像剤の移動方向は逆方向である。いずれにせ
よ前記の撹拌によりトナーとキャリアは均一に混合さ
れ、またトナーはキャリアとの摩擦で、潜像を現像する
為の極性の十分な摩擦電荷を得る。
【0007】尚、第2撹拌室14には、不図示のトナー
補給手段からトナーが供給される。
【0008】容器8の開口部には、現像剤担持部材とし
て、アルミニウム、ステンレス鋼等の非磁性スリーブ3
が配置されている。このスリーブ3は矢印方向に回転す
る。
【0009】スリーブ3の内側には磁石10が静止配置
されている。この磁石10は、周面に複数の磁極を有し
ている。図示例では、2つのN極N1 、N2 、3つのS
極S1 、S2 、S3 が存在する。
【0010】前記スリーブ3の回転径路には、供給位置
31、規制位置32、現像位置33、除去位置34があ
る。スリーブ3は前記各位置を前記の順に通って回転す
る。
【0011】現像位置33は像担持体としての電子写真
感光体4も通過する。そしてこの位置33で感光体4上
の静電潜像にトナーが付着し、潜像が現像される。
【0012】第1磁極N1 は、この現像位置33に磁界
を形成する現像磁極である。この磁界によって形成され
た現像剤の磁気ブラシが感光体4に接触する。
【0013】現像効率を向上する為に、スリーブ3には
現像バイアス電圧源15から振動電圧が印加される。振
動電圧としては交流電圧に直流電圧を重畳したものが使
用できる。しかし、スリーブ3に直流バイアス電圧を印
加してもよい。
【0014】第2、第3、第4、第5磁極S2 、N2
3 、S1 は、スリーブ3の回転によって現像剤を搬送
できるように、スリーブ3上に現像剤を磁気的に吸着す
る搬送磁極として機能している。
【0015】そして第2磁極S2 は、その磁界によって
第1撹拌室13内の現像剤を汲み上げ、供給位置31に
於いて、この汲み上げた現像剤をスリーブ3表面上に磁
気的に付着させる。
【0016】供給位置31でスリーブ3表面に磁気的に
付着された現像剤はスリーブ3の回転により規制位置3
2に搬送される。
【0017】規制位置32にはスリーブ3と対向して現
像剤層厚規制部材2が配置されている。この部材2はア
ルミニウム等の非磁性体のドクターブレードが使用でき
る。ブレード2とスリーブ3との間隙は600〜130
0μmが、現像剤を薄層化する上で好ましい。
【0018】ブレード2は、現像位置33に搬送される
現像剤層の厚みを規制する。
【0019】第3磁極N2 は、ブレード2が現像剤層の
厚みを円滑に規制できるように、規制位置32に磁界を
形成する。
【0020】規制位置32でブレード2とスリーブ3と
の間隙の通過を阻止された現像剤は、スリーブ3の回転
方向とは実質的に逆方向に反転し、重力の作用で第1撹
拌室に落下する。
【0021】現像剤の前記反転移動は案内部材1の現像
剤案内面1’によって案内される。
【0022】第4磁極S3 はスリーブ3の回転方向に関
して第2磁極S2 の上流側にあり、かつ第2磁極S2
隣り合っている。そして第4磁極S3 は第2磁極S2
同極性である。従って磁極S2 、S3 間には反発磁界が
形成される。現像後スリーブ3上に残留して容器8内に
戻って来た現像剤は、この反発磁界により、除去位置3
4に於いてスリーブ3から離脱せしめられ、第1撹拌室
13内に落下する。
【0023】第5磁極S1 は、規制位置32と現像位置
の間に位置しており、規制位置32を通過した現像剤層
を現像位置33に安定して搬送するのに寄与する。規制
位置32と現像位置33間の距離が短い場合等には、第
5磁極S1 は不要である。いずれにせよ、2成分現像剤
を使用する装置では、装置の作動が繰り返されるのに伴
って現像剤が劣化する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、供給位置3
1から規制位置32までの間のスリーブ3表面上には比
較的厚い現像剤層が存在する。そしてこの現像剤層の最
下部のスリーブ3表面近傍の現像剤には、磁極S2 、N
2 の磁力によって現像剤層が吸引されることによるスリ
ーブ中心方向に向かう磁気的圧力が加わる。
【0025】この圧力の作用によりスリーブ表面近傍の
トナー粒子及び磁性キャリア粒子に強いストレスが作用
し、その結果キャリア粒子表面にトナーの樹脂成分が融
着するキャリア劣化が促進されていることが判った。
【0026】また、流動性向上の為にシリカ微粒子や酸
化チタン微粒子等の外添剤がトナーに外添されている場
合は、前記ストレスにより、外添剤がトナー中に埋め込
まれるトナー劣化が促進されていることが判った。この
ようなキャリア劣化、及び、又はトナー劣化が生ずる
と、トナーが十分な摩擦帯電を得られなくなり、現像画
像の画質が劣化したり、現像画像の背景部にカブリが生
じたり、容器外に露出しているスリーブ表面からトナー
が飛散したりしやすくなる。
【0027】本発明の目的は、現像剤の劣化速度を抑制
できる現像装置及び画像形成装置を提供することであ
る。
【0028】本発明の他の目的は、現像剤の劣化速度を
抑制し、長期間にわたって良好な画質の現像画像を形成
できる現像装置及び画像形成装置を提供することであ
る。
【0029】本発明の更に他の目的は、現像剤の劣化速
度を抑制し、長期間にわたってカブリやトナー飛散を抑
制できる現像装置及び画像形成装置を提供することであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記諸目的は本発明に係
る現像装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれ
ば、第1の本発明によれば、トナーとキャリアを有する
現像剤を担持して搬送する現像剤担持部材と、前記現像
剤担持部材内に設けられ複数の磁極を備えた磁石とを有
し、前記現像剤担持部材は、その表面に現像剤が供給さ
れる供給位置と、その表面の現像剤の層厚が規制される
規制位置と、静電潜像を現像する現像位置と、現像後そ
の表面に残留した現像剤が除去される除去位置を、この
順に通って移動する現像装置において、前記磁石の、前
記供給位置と規制位置の間に位置する磁極の磁束密度の
ピーク値は、すべて、前記現像位置に磁界を形成する現
像磁極の磁束密度のピーク値の10〜49%の範囲内に
あることを特徴とする現像装置が提供される。本発明に
て、一実施態様によると、前記現像磁極の磁束密度ピー
ク値は750〜1400ガウスである。又、他の実施態
様によると、前記キャリアは平均粒径が20〜60μm
であり、400メッシュ以下の粒径のキャリアは20重
量%以下、350メッシュ以下の粒径のキャリアは30
重量%以下、250メッシュ以上のキャリアは10重量
%以下であり、又キャリアの飽和磁化は、3000エル
ステッドの印加磁場に対して55emu/g以上、75
emu/g以下、残留磁化は、3000エルステッドの
印加磁場に対して10emu/g以下、保持力は、30
00エルステッドの印加磁場に対して10エルステッド
以下である。第2の本発明によれば、トナーとキャリア
を有する現像剤を撹拌する撹拌部材を備えた現像剤撹拌
室と、現像剤を担持して搬送する現像剤担持部材と、前
記現像剤担持部材内に設けられ複数の磁極を備えた磁石
とを有し、前記現像剤担持部材は、その表面に現像剤が
供給される供給位置と、その表面の現像剤の層厚が規制
される規制位置と、静電潜像を現像する現像位置と、現
像後その表面に残留した現像剤が除去される除去位置
を、この順に通って移動し、前記磁石は、前記現像位置
に磁界を形成する第1磁極と、前記撹拌室内の現像剤
を、前記除去位置と規制位置との間の位置で、前記現像
剤担持部材表面上に磁気的に吸引する第2磁極と、前記
現像剤担持部材移動方向に関して前記第2磁極の下流側
かつ前記規制位置の上流側に位置し、前記規制位置に磁
界を形成する第3磁極とを有している現像装置におい
て、前記第2磁極及び前記第3磁極の磁束密度のピーク
値は、ともに前記第1磁極の磁束密度のピーク値の10
〜49%の範囲内にあることを特徴とする現像装置が提
供される。本発明の一実施態様によれば、前記第1磁極
の磁束密度ピーク値は750〜1400ガウスである。
又、他の実施態様によれば、前記磁石は、現像剤担持部
材移動方向に関して前記第2磁極の上流側に位置しかつ
この第2磁極と隣り合う第4磁極を有しており、この第
4磁極は前記第2磁極と同極性であって、前記第2磁極
と前記第4磁極とで形成される反発磁界により、現像剤
は前記除去位置に於いて前記現像剤担持部材から除去さ
れる。他の実施態様によれば、前記キャリアは平均粒径
が20〜60μmであり、400メッシュ以下の粒径の
キャリアは20重量%以下、350メッシュ以下の粒径
のキャリアは30重量%以下、250メッシュ以上のキ
ャリアは10重量%以下であり、又キャリアの飽和磁化
は、3000エルステッドの印加磁場に対して55em
u/g以上、75emu/g以下、残留磁化は、300
0エルステッドの印加磁場に対して10emu/g以
下、保持力は、3000エルステッドの印加磁場に対し
て10エルステッド以下である。
【0031】上記第1及び第2の本発明にて、他の実施
態様によれば、前記現像剤担持部材には、振動電圧が印
加されるか、或いは、前記現像剤担持部材には、直流電
圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。第3の本発
明によれば、上記現像装置を備えた画像形成装置が提供
される。
【0032】
【実施例】以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装
置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0033】図1は本発明の一実施例の説明図である
が、各部材の配置、機能については前述の通りである。
【0034】但し、現像剤劣化の原因となっている磁極
2 、N2 については、現像剤劣化を長期にわたって防
止できる強さの磁極とされる。
【0035】そこで、図1に示す磁石ローラ10に関
し、第1、第2、第3磁極N1 、S2、N2 の磁束密度
の異なる18種の磁石ローラ10を用意し、各磁石ロー
ラについて、現像装置9内での現像剤の搬送性、及び印
字比率10%でA4サイズ紙に10万枚コピー後の画像
劣化につき評価した。その結果を表1に示す。
【0036】尚、本明細書に於いて、磁極の磁束密度と
いうのは、その磁極が形成する磁界の磁束密度分布の、
スリーブ(現像剤担持部材)表面上でのピーク値の事を
言う。
【0037】また表1で、N2 /N1 で表わされている
のは、100×(磁極N2 の磁束密度)/(磁極N1
磁束密度)、S2 /N1 で表わされているのは、100
×(磁極S2 の磁束密度)/(磁極N1 の磁束密度)の
事である。
【0038】そして表1で、記号○は良、記号△はやや
良、記号×は不良を示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から判るように、第2磁極S2 、第3
磁極N2 夫々の磁束密度が第1磁極N1 の磁束密度の1
0%以上、49%以下であれば、現像剤の搬送性も良好
で、かつ画像劣化が防止できることが判る。即ち、現像
剤劣化を長期間にわたって防止できる。
【0041】以下、本発明にて使用可能の現像剤につい
て述べる。本実施例ではキャリアとトナーとを有する2
成分現像剤を使用した。本発明で使用されるキャリア
は、好ましくは、従来の一般的なキャリアよりも平均粒
形は小さく、粒度分布がシャープなものとされる。小粒
径であることにより、キャリアとトナーの接触回数が増
え、トナーの帯電の立上がりが速くなり補給量が増大し
ても未帯電トナーが現像されることはなくなる。更に、
帯電の立上がりが速くなることにより、高湿下での未帯
電トナーによる飛散、カブリの増加を防止できる。よっ
て、以下に述べるトナーと組み合わせることにより、大
画像面積の原稿の連続複写を行っても飛散、カブリの生
じない湿度変化の影響の小さい現像剤が得られる。
【0042】又、キャリアの粒度分布をシャープにする
ことにより、小粒径キャリアで往々にして発生する、現
像時に微粉キャリアがトナーと同伴して感光ドラム上へ
と付着する現象を解決し、粗粉キャリアによる帯電不良
による画質の低下を防いでいる。
【0043】400メッシュ以下の微粉キャリアは、2
0重量%以下、好ましくは13重量%以下である。20
重量%以上では、感光ドラムへのキャリアの付着が発生
し、又、トナーとの円滑な摩擦帯電を妨害し、エッジ効
果を助長する。350メッシュ以下の微粉キャリアは、
30重量%以下、好ましくは25重量%以下、より好ま
しくは20重量%以下である。30重量%以上ではトナ
ーの帯電の立上がりが著しく悪くなり、エッジ効果も増
大する。
【0044】又、250メッシュ以上の粗粉キャリア量
は、画像の鮮鋭度と密接に相関しており、10重量%以
上であると、トナーの非画像部への飛び散りが増加し、
画像の解像力の低下やガサツキを生じ易くなる。そのた
め、250メッシュ以上のキャリアは、10重量%以
下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%
以下である。
【0045】キャリアの平均粒径は、20〜60μmが
好ましく、より好ましくは30〜56μmである。20
μm以下の平均粒径では、トナーのチャージアップによ
る画像濃度の低下や感光ドラムへのキャリア付着が増
し、60μm以上の平均粒径は、複写の細線再現性を悪
化させることになる。
【0046】キャリアの磁気特性は、現像剤の現像特性
そして搬送に大きく影響を及ぼすものであり、画像の均
一性や階調性が重視される。
【0047】飽和磁化が75emu/g(3000エル
ステッドの印加磁場に対し)以上の場合には、現像時
に、感光ドラム上の静電潜像に対向した現像スリーブ上
でのキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立
ちが、固く締った状態となり、階調性や中間調の再現が
悪くなる。又、55emu/g以下の場合には、トナー
及びキャリアを現像スリーブ上に保持出来にくくなり、
カブリやトナー飛散が悪化するという欠点がある。更
に、キャリアの残留磁化、保持力(保磁力)が高すぎる
と、現像装置内の現像剤の搬送が悪くなり、画像のカス
レやベタ画像での濃度不均一などが発生し易くなる。そ
のため、3000エルステッドの印加磁場に対し、キャ
リア残留磁化、保磁力をそれぞれ10emu/g以下、
10エルステッド以下、好ましくは5emu/g以下、
6.0エルステッド以下にすることが必要である。
【0048】本実施例でのキャリアの粒度分布の測定法
は以下の通りである。 1.試料約100gを0.1gの桁まで計り取る。 2.篩は、100メッシュから、400メッシュの標準
篩(以下単に「篩」という。)を用い、上から100、
145、200、250、350、400の大きさの順
に積み重ね、底には受け皿を置き、試料は一番上の篩に
入れて蓋をする。 3.これを振動機によって水平旋回数毎分(285±
6)回、振動回数毎分(150±10)回で15分間ふ
るう。 4.ふるった後、各篩及び受け皿内の鉄粉を0.1gの
桁まで計り取る。 5.重量百分率で少数第2位まで算出し、JIS−Z8
401によって少数第1位まで丸める。
【0049】なお、このとき、篩の枠の寸法は篩面から
上の内径が200mm、上面から篩面までの深さが45
mmとされ、又、各部分の鉄粉の重量の総和は、始めに
取った試料の質量の99%以下であってはならない。
【0050】又、平均粒径は、上述の粒度分布測定値よ
り、下記式に従って求める。 平均粒径(μ)=1/100×{(100メッシュ篩の
残量)×140+(145メッシュ篩の残量)×122
+(200メッシュ篩の残量)×90+(250メッシ
ュ篩の残量)×68+(350メッシュ篩の残量)×5
2+400メッシュ篩の残量)×38+(全篩通過量)
×14} キャリアの磁気特性の測定装置としては、BHU−60
型磁化測定装置(理研測定製)を用いる。
【0051】測定試料は、約1.0g秤量し、内径7m
m、高さ10mmのセルに詰め、前記の装置にセットす
る。
【0052】測定は、先ず、印加磁場を徐々に加え最大
3000エルステッドまで変化させる。次いで、印加磁
場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシ
スカーブを得る。これより、飽和磁化、残留磁化、保磁
力を求める。
【0053】本実施例に使用されるキャリアとしては、
公知の材料を用いることができ、例えば表面酸化又は未
酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、
クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及
びフェライトなどであり、好ましくは、亜鉛、銅、ニッ
ケル、コバルトの金属から選ばれたフェライトが使用で
きる。又その製造方法として特別な制約はない。
【0054】又、前記キャリアの表面を樹脂等で被覆す
ることも可能である。その方法としては、樹脂等の被覆
材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリア
に付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来
公知の方法がいずれも適用できる。
【0055】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
−t−ブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、
ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料及び
そのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを単独
或いは複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこれに
制約されない。
【0056】前記化合物の処理量は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般には総量
で、キャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは
0.5〜20重量%)が望ましい。
【0057】本実施例において使用可能な、特に好まし
い態様としては、Cu−Nn−Feの3元系のフェライ
トであり、その表面をフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の
如き樹脂の組み合せ、例えばポリフッ化ビニリデンとス
チレン−メチルメタアクリレート樹脂、ポリテトラフル
オロエチレンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂、
フッ素系共重合体とスチレン系共重合体などを90:1
0〜20:80、好ましくは70:30〜30:70の
比率の混合物としたもので、0.01〜5重量%、好ま
しくは0.1〜1重量%コーティングしたコートフェラ
イトキャリアであるものが挙げられる。該フッ素系共重
合体としてはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体(10:90〜90:10)が例示され、ス
チレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エ
チルヘキシル(20:80〜80:20)、スチレン−
アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル
(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
【0058】トナーに適用する結着樹脂としては、公知
のものが全て使用可能であるが、例えばポリスチレン、
ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどの
スチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−ク
ロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−ク
ロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体などのスチレン系共重合体、ポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリアマイド、ポリアクリ
ル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノ
ール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系
石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなど
が単独或は混合して使用できる。
【0059】更に、トナーには、必要に応じ荷電制御剤
を添加しても良い。一例としてマゼンタ色トナーを挙げ
れば負性トナーの場合には、アントラキノン系のマゼン
タ色を有する染料、或は、アルキルサリチル酸の金属キ
レート等が、正性トナーの場合にはマゼンタ色の塩基性
染料、或いは、それらのレーキ顔料等が使用できる。更
に、前記トナーが使用される現像剤に対しては、コロイ
ダルシリカなどの帯電制御剤、流動性改質剤をトナーに
対して0.01〜5重量%(好ましくは0.1〜2重量
%)程度添加することは好ましい。
【0060】以下に、本実施例にて使用した現像剤を詳
細に説明する。
【0061】表2に示すキャリアA〜Cと、次に示すト
ナーa〜cを作製した。
【0062】
【表2】
【0063】 トナーa: スチレン−n−ブチル 100重量部 メタクリレート共重合体 帯 電 制 御 剤 4.0重量部 キナクリドン系顔料 4.0重量部 (C.i.Pigment Red 122) メチン系染料 1.0重量部 (C.I.Basic Red 12)
【0064】 トナーb: 不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 帯 電 制 御 剤 4.0重量部 キナクリドン系顔料 3.5重量部 (C.I.Pigment Red 202) メチン系染料 0.5重量部 (C.I.Basic Red 14)
【0065】 トナーc: スチレン樹脂 100重量部 帯 電 制 御 剤 4.0重量部 キナクリドン系顔料 4.0重量部 (C.I.Pigment Red 122)
【0066】前記各トナーa、b、cは、各々の処方を
ロールミルで溶融混練し、冷却後、ジェットミルで微粉
砕、分級を行い、平均粒径8〜15μmの分級品を得
た。この分級品に、0.5重量%の疎水性シリカ(商品
名R−972、日本アエロジル社製)をヘンシェルミキ
サーで外添し、本発明のトナーを得た。更に、該トナー
とキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤とした。
【0067】本実施例にて、(キャリアA+トナー
a)、(キャリアB+トナーb)、(キャリアA+トナ
ーc)とされる組み合わせの現像剤を使用した場合、各
現像装置(a)〜(r)に対して、表1に示すような評
価結果になり、現像剤として(キャリアC+トナーa)
の組み合わせを採用した場合には、各現像装置(a)〜
(r)に対する総合評価は、全てが×であった。
【0068】図2に現像装置の他の構成例を示す。この
現像装置は、図1に示した構成の現像装置とは異なり、
現像位置33でのスリーブ3の回転方向が感光体4の回
転方向と逆方向である。このような現像装置にも本発明
は適用できる。
【0069】尚、図2では磁極S1 が現像磁極として機
能し、磁極N1 は、現像位置33から除去位置34に現
像剤を搬送する磁極として機能している。
【0070】図2の現像装置では除去位置34でスリー
ブ3上の現像剤にトナーが補給される。
【0071】即ち、トナー収容室23内のトナーが塗布
ローラ25によって補給ローラ26に塗布される。補給
ローラ26上のトナー層厚はブレード27により規制さ
れる。そして補給ローラ26は、スリーブ3上の現像剤
層に接触しており、補給ローラ26の回転に伴ってロー
ラ26上のトナーが前記現像剤層に付与される。
【0072】尚、前述の現像磁極(第1磁極)の磁束密
度は750ガウス以上、1400ガウス以下であること
が好ましい。
【0073】現像磁極の磁束密度が750ガウスより小
さいと低濃度領域での画像の再現性が低下し、1400
ガウスより大であると現像画像にスジ状のムラが生ずる
からである。
【0074】図3に本発明の現像装置を利用できる電子
写真画像形成装置の一例として、カラープリンタを示
す。プリンタは、感光ドラムの周囲に画像形成手段を有
して構成される画像形成ステーションが色に対応して4
個設けられ、各画像形成ステーションにて形成された感
光ドラム上のトナー画像が、この感光ドラムに対向して
移動するベルト状移動体により搬送される転写材に転写
され、カラー画像を形成する。
【0075】つまり、マゼンタ、シアン、イエロー、ブ
ラックの各画像形成ステーションPm、Pc、Py、P
kには、それぞれ矢印方向(時計方向)に回転する感光
ドラム4(4M、4C、4Y、4K)が配置される。
又、各感光ドラム4M、4C、4Y、4Kの周囲には、
コロナ帯電器16(16M、16C、16Y、16
K)、光走査手段としての走査光学装置17(17M、
17C、17Y、17K)、現像装置9(9M、9C、
9Y、9K)、そしてクリーニング器18(18M、1
8C、18Y、18K)を有する画像形成手段が配置さ
れている。
【0076】更に、画像形成手段の1つを構成する転写
部は、各画像形成ステーションに共通して用いられる転
写ベルト19a及び各ドラム用の転写用帯電器19(1
9M、19C、19Y、19K)を有し、フルカラー画
像の形成は、転写ベルト19a上に支持された転写材P
上に、順次前記感光ドラム上に形成された各色のトナー
像を重ね転写することによって達成される。なお、転写
材Pは給紙カセット20から供給され、転写工程を終了
した転写材Pは分離され、定着器21を介してトレイ2
2に排出される。
【0077】前記走査光学装置17M、17C、17
Y、17Kは、図示しない光源であるレーザ光源と、こ
のレーザ光源からのレーザ光を走査する回転ポリゴンミ
ラーと、走査ビームを感光ドラム表面の母線上に集光す
るfθレンズと、光束を変向する反射ミラーと、前記走
査ビームの特定位置を検出するビーム検出装置とから構
成されている。
【0078】尚、以上の例では現像剤担持部材上の現像
剤層を像担持体に接触させる所謂接触現像型の装置につ
いて述べたが、本発明は、現像剤担持体と像担持体の最
小間隙が現像剤の層厚よりも薄い所謂非接触現像型の装
置にも適用できる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、 (A)トナーとキャリアを有する現像剤を担持して搬送
する現像剤担持部材と、現像剤担持部材内に設けられ複
数の磁極を備えた磁石とを有し、現像剤担持部材は、そ
の表面に現像剤が供給される供給位置と、その表面の現
像剤の層厚が規制される規制位置と、静電潜像を現像す
る現像位置と、現像後その表面に残留した現像剤が除去
される除去位置を、この順に通って移動する現像装置に
おいて、磁石の、供給位置と規制位置の間に位置する磁
極の磁束密度のピーク値は、すべて、現像位置に磁界を
形成する現像磁極の磁束密度のピーク値の10〜49%
の範囲内にある構成とするか、 (B)トナーとキャリアを有する現像剤を撹拌する撹拌
部材を備えた現像剤撹拌室と、現像剤を担持して搬送す
る現像剤担持部材と、現像剤担持部材内に設けられ複数
の磁極を備えた磁石とを有し、現像剤担持部材は、その
表面に現像剤が供給される供給位置と、その表面の現像
剤の層厚が規制される規制位置と、静電潜像を現像する
現像位置と、現像後その表面に残留した現像剤が除去さ
れる除去位置を、この順に通って移動し、磁石は、現像
位置に磁界を形成する第1磁極と、撹拌室内の現像剤
を、除去位置と規制位置との間の位置で、現像剤担持部
材表面上に磁気的に吸引する第2磁極と、現像剤担持部
材移動方向に関して第2磁極の下流側かつ規制位置の上
流側に位置し、規制位置に磁界を形成する第3磁極とを
有している現像装置において、第2磁極及び第3磁極の
磁束密度のピーク値は、ともに前記第1磁極の磁束密度
のピーク値の10〜49%の範囲内にある構成とする
か、或いは、 (C)画像形成装置は、上記現像装置を備えた構成とさ
れるので、現像剤の劣化速度を抑制し、長期間にわたっ
て良好な画質の現像画像を形成することができ、又、長
期間にわたってカブリやトナー飛散を抑制することがで
きるという効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置の一実施例の説明図である。
【図2】本発明の現像装置の他の実施例の説明図であ
る。
【図3】本発明の現像装置を利用できる画像形成装置の
一例の説明図である。
【符号の説明】
3 現像剤担持部材(現像スリーブ) 4 像担持体(感光体) 9 現像装置 10 磁石 31 供給位置 32 規制位置 33 現像位置 34 除去位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 繁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 北山 邦彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−182682(JP,A) 特開 平2−281280(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 - 15/095

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアを有する現像剤を担持
    して搬送する現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材内
    に設けられ複数の磁極を備えた磁石とを有し、前記現像
    剤担持部材は、その表面に現像剤が供給される供給位置
    と、その表面の現像剤の層厚が規制される規制位置と、
    静電潜像を現像する現像位置と、現像後その表面に残留
    した現像剤が除去される除去位置を、この順に通って移
    動する現像装置において、 前記磁石の、前記供給位置と規制位置の間に位置する磁
    極の磁束密度のピーク値は、すべて、前記現像位置に磁
    界を形成する現像磁極の磁束密度のピーク値の10〜4
    9%の範囲内にあることを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 前記現像磁極の磁束密度ピーク値は75
    0〜1400ガウスである請求項1の現像装置。
  3. 【請求項3】 前記キャリアは平均粒径が20〜60μ
    mであり、400メッシュ以下の粒径のキャリアは20
    重量%以下、350メッシュ以下の粒径のキャリアは3
    0重量%以下、250メッシュ以上のキャリアは10重
    量%以下であり、又キャリアの飽和磁化は、3000エ
    ルステッドの印加磁場に対して55emu/g以上、7
    5emu/g以下、残留磁化は、3000エルステッド
    の印加磁場に対して10emu/g以下、保持力は、3
    000エルステッドの印加磁場に対して10エルステッ
    ド以下である請求項1又は2の現像装置。
  4. 【請求項4】 トナーとキャリアを有する現像剤を撹拌
    する撹拌部材を備えた現像剤撹拌室と、現像剤を担持し
    て搬送する現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材内に
    設けられ複数の磁極を備えた磁石とを有し、前記現像剤
    担持部材は、その表面に現像剤が供給される供給位置
    と、その表面の現像剤の層厚が規制される規制位置と、
    静電潜像を現像する現像位置と、現像後その表面に残留
    した現像剤が除去される除去位置を、この順に通って移
    動し、前記磁石は、前記現像位置に磁界を形成する第1
    磁極と、前記撹拌室内の現像剤を、前記除去位置と規制
    位置との間の位置で、前記現像剤担持部材表面上に磁気
    的に吸引する第2磁極と、前記現像剤担持部材移動方向
    に関して前記第2磁極の下流側かつ前記規制位置の上流
    側に位置し、前記規制位置に磁界を形成する第3磁極と
    を有している現像装置において、 前記第2磁極及び前記第3磁極の磁束密度のピーク値
    は、ともに前記第1磁極の磁束密度のピーク値の10〜
    49%の範囲内にあることを特徴とする現像装置。
  5. 【請求項5】 前記第1磁極の磁束密度ピーク値は75
    0〜1400ガウスである請求項4の現像装置。
  6. 【請求項6】 前記磁石は、現像剤担持部材移動方向に
    関して前記第2磁極の上流側に位置しかつこの第2磁極
    と隣り合う第4磁極を有しており、この第4磁極は前記
    第2磁極と同極性であって、前記第2磁極と前記第4磁
    極とで形成される反発磁界により、現像剤は前記除去位
    置に於いて前記現像剤担持部材から除去される請求項5
    の現像装置。
  7. 【請求項7】 前記キャリアは平均粒径が20〜60μ
    mであり、400メッシュ以下の粒径のキャリアは20
    重量%以下、350メッシュ以下の粒径のキャリアは3
    0重量%以下、250メッシュ以上のキャリアは10重
    量%以下であり、又キャリアの飽和磁化は、3000エ
    ルステッドの印加磁場に対して55emu/g以上、7
    5emu/g以下、残留磁化は、3000エルステッド
    の印加磁場に対して10emu/g以下、保持力は、3
    000エルステッドの印加磁場に対して10エルステッ
    ド以下である請求項4〜6のいずれかの項に記載の現像
    装置。
  8. 【請求項8】 前記現像剤担持部材には、振動電圧が印
    加される請求項1〜7のいずれかの項に記載の現像装
    置。
  9. 【請求項9】 前記現像剤担持部材には、直流電圧に交
    流電圧を重畳した電圧が印加される請求項1〜7のいず
    れかの項に記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかの項に記載の
    現像装置を備えた画像形成装置。
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