JP3100310U - 溶接用走行台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 効率的に隅肉溶接を行うことが可能で、小型化および低コスト化が可能な溶接用走行台車を提供する。
【解決手段】 4輪の車輪3を備えた台車本体2に溶接トーチ8を搭載し、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、溶接トーチ8によって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車において、4輪のそれぞれの車輪3は、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを同軸にして隣接固定して形成する等、永久磁石を備えた鉄製車輪により形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 4輪の車輪3を備えた台車本体2に溶接トーチ8を搭載し、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、溶接トーチ8によって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車において、4輪のそれぞれの車輪3は、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを同軸にして隣接固定して形成する等、永久磁石を備えた鉄製車輪により形成する。
【選択図】 図1
Description
本考案は、溶接トーチを搭載して、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、前記溶接トーチによって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車に関するものである。
例えば、下板に立板を隅肉溶接するような場合、まず、下板に対して立板を仮付け溶接して立て、かつては、溶接トーチを手に持って、溶接トーチのノズル先端部を被溶接領域に沿って移動させ、目的とする隅肉溶接を行っていた。しかし、溶接トーチを手に持って溶接する方式は、溶接作業が非常に煩わしく、また、溶接に熟練を必要とし、熟練者以外は溶接作業に従事できないという不便があった。
このような不便を解消するために、近年においては、溶接トーチを走行台車に搭載させ、走行台車を溶接部材としての下板と被溶接部材としての立板との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、溶接トーチによって前記溶接部材と被溶接部材との隅肉溶接を自動的に行うことが行われるようになった。このような溶接に適用される溶接用走行台車の一例として、図6の模式図に示す溶接用走行台車が提案されている。
図6において、走行台車1は、台車本体2の両側面の前方側と後方側に、それぞれ車輪3を設けて形成されており、これらの4輪の車輪3を回転させるための、図示されていないモータを有している。台車本体2の前後両側からは立板4の方向に一対のアーム5a,5bが突設され、このアーム5a,5bの先端側には立板4に倣う倣いローラ6が回転自在に取り付けられている。また、台車本体2にはトーチホルダ7が取り付けられ、このトーチホルダ7に溶接トーチ8を装着している。
このような溶接用走行台車においては、前記溶接トーチ8のノズル先端部8aを隅肉溶接の被溶接領域10に一定間隔を介して対向させ、この状態で、モータを駆動して、例えば後方側の車輪3を回転させ、走行台車1を下板11と立板4との溶接ラインに沿って車輪走行させる。このとき、倣いローラ6により走行台車1を立板4に倣わせて走行させることにより、ノズル先端部8aは被溶接領域10に沿って移動し、目的とする立板4の下板11に対する隅肉溶接が行われる。
なお、倣いローラ6により走行台車1を倣い走行させる場合には、例えば走行前方側のアーム5bを後方側のアーム5aよりも短く調整することにより、走行台車1の前方側を多少内側(立板4側)に傾けた状態で走行させ、倣いローラ6が立板4から離れないように工夫している。
また、台車本体2の前後には、リミッタスイッチ15a,15bがそれぞれ設けられており、このリミッタスイッチ15a,15bには前記モータ(図示せず)が連動している。そして、例えば、図6において、走行台車1が図の矢印の方向に走行したときに、走行台車1が溶接の終点位置(図の右端)に達して、リミッタスイッチ15bが側板9bに接触すると、モータ駆動が停止して走行台車1が前記終点位置で停止するようになっている。
なお、走行台車1が図の矢印と反対の方向に走行するときは、走行前方側となるアーム5aを走行後方側となるアーム5bよりも短く調整すると、走行台車1の前方側を多少内側(立板4側)に傾けた状態で走行させることができ、また、リミッタスイッチ15aが側板9aに接触すると、モータ駆動が停止して走行台車1が溶接の終点位置で停止する。
上記のような溶接用走行台車を用いると、隅肉溶接を自動的に行うことが行えるので、例えば一人の作業者が複数の溶接用走行台車を監視することにより、複数箇所で自動的に隅肉溶接を行うことができ、隅肉溶接作業を効率的に行うことができる。
なお、上記溶接用走行台車について、先行技術文献情報を調査した結果、現時点において先行技術文献は見つかっていない。
しかしながら、上記のような走行台車1において、車輪3が走行領域上から浮き上がってしまうと走行台車1が走行途中に転倒してしまい、一人の作業者が監視している複数の溶接用走行台車が、あちらこちらで溶接用走行台車の転倒が起きて効率的な溶接作業を行うことは困難になってしまうといった問題があった。
そこで、車輪3の浮き上がりを抑制するために、例えば台車本体2の底面中央部に電磁石や永久磁石を設け、この磁石と、鉄材等により形成されている下板11とが磁力によって引き合うように形成することが考えられるが、台車本体2の底面中央部に設けた磁石によって車輪3の浮き上がりを抑制できるようにするには、大型で高価な磁石を設ける必要があり、走行台車1の大型化やコストアップを招くといった問題が生じる。
そして、走行台車1の大型化が生じると、走行台車1が側板9a,9bの近傍で停止する停止位置における溶接トーチ8の先端位置と、側板9a,9bとの間に残ってしまう未溶接領域の長さが大きくなってしまう。この未溶接領域は作業者が前記の如く手作業で溶接することになるため、未溶接領域が多くなると、その分だけ作業者の手間を煩わせることになり、溶接効率の低下を招くことになる。
本考案は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、効率的に隅肉溶接を行うことが可能で、小型化および低コスト化が可能な溶接用走行台車を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の考案は、4輪の車輪を備えた台車本体に溶接トーチを搭載し、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、前記溶接トーチによって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車において、前記4輪のそれぞれの車輪は永久磁石によって形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の考案は、4輪の車輪を備えた台車本体に溶接トーチを搭載し、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、前記溶接トーチによって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車において、前記4輪のそれぞれの車輪は永久磁石を備えた鉄製車輪によって形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第3の考案は、上記第2の考案の構成に加え、4輪のそれぞれの車輪は永久磁石車輪と鉄車輪とを同軸にして隣接固定して形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
本考案によれば、台車本体に設けられている4輪のそれぞれの車輪は、永久磁石、または、永久磁石を備えた鉄製車輪により形成されているので、溶接部材と、該溶接部材と接しながら走行する車輪とが磁力によって引き合い、溶接用走行台車の転倒が抑制され、効率的に隅肉溶接を行うことができるし、磁石を溶接部材と間隔を介した台車本体の底部に設ける場合に比べ、小型で安価な永久磁石を用いて溶接用走行台車の転倒を抑制でき、溶接用走行台車の小型化および低コスト化を実現できる。
また、本考案において、4輪のそれぞれの車輪は永久磁石を備えた鉄製車輪によって形成されている構成によれば、4輪の車輪を鉄製車輪とすることによって、より一層安価に形成でき、より一層の低コスト化を図ることができる。
さらに、本考案において、4輪のそれぞれの車輪は永久磁石車輪と鉄車輪とを同軸にして隣接固定して形成されている構成によれば、永久磁石車輪と鉄車輪とによって、4輪の車輪をそれぞれ容易に、磁力が強い車輪を形成でき、効率的に隅肉溶接を行うことができる、小型で、より一層安価な溶接用走行台車を容易に実現できる。
以下、本考案の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
図1、図2には、本考案に係る溶接用走行台車の一実施形態例における台車本体側が示されおり、図1には、台車本体2の底面側から見た図が示されており、図2には、台車本体2の後方側(図1の後方面33側)から見た図が示されている。なお、本実施形態例において、図2に示すように、台車本体2の上面には、車輪3側に突出して形成されている部位が形成されているが、図1は、この部位を省略して示している。
これらの図に示されるように、本実施形態例の溶接用走行台車は、従来例と同様に、台車本体2の両側面の前方側と後方側に、それぞれ1つずつ、合計4輪の車輪3を設けて形成されており、対となる車輪3同士はシャフト23を介して接続されている。本実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、4輪のそれぞれの車輪3が、永久磁石を備えた鉄製車輪によって形成されていることであり、4輪のそれぞれの車輪3は、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを同軸にして隣接固定して形成されている。
永久磁石車輪13は、例えば図3の断面図に示すように、ドーナツ型のネオジウム磁石により形成されており、内径が19mmφ、外径が39mmφ、厚みが7mmに形成されている。鉄車輪14は外径が39mmφであり、永久磁石車輪13と反対側の端面が開口の凹部30を有している。永久磁石車輪13は、シャフト挿入孔26と鍔部12を備えたフランジ28の外周側に嵌合されており、永久磁石車輪13は、鉄車輪14とフランジ28の鍔部12とに挟まれて鉄車輪14に固定されている。鉄車輪14はシャフト挿入孔27を備え、ナット29と磁石車輪固定部材28とに挟まれている。
ところで、本考案者は、車輪3の構成を決定するために、永久磁石車輪13と様々な種類の金属車輪を組み合わせて車輪3を形成し、永久磁石車輪13と金属車輪との組み合わせ構成によって、車輪3と下板11との吸引力がどのように変化するかを検討した。
その結果、例えばアルミニウム車輪と永久磁石車輪13との組み合わせでは、好ましい強さの吸引力を得ることができず、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを組み合わせて、図3に示すように、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを同軸にして隣接固定することによって、車輪3と下板11との吸引力を走行台車1の転倒を抑制できる吸引力にできることが分かった。そこで、本実施形態例では、車輪3の構成を、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを組み合わせた上記構成に決定した。
なお、永久磁石車輪13を形成する永久磁石はネオジウム磁石により形成するとは限らず、鉄車輪14と隣接固定することによって溶接用走行台車の転倒を抑制できる磁力を有する適宜の永久磁石により形成されるものであり、その大きさや形状も特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。また、鉄車輪14の大きさや形状も特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
図4には、本実施形態例の溶接用走行台車に溶接トーチ8を取り付けたときの構成図が、溶接用走行台車の後方側から見た図により示されている。同図に示すように、本実施形態例の走行台車1は、電気基盤21、トーチホルダ7、減速機24を備えたモータ25を有している。また、図4には図示されていないが、本実施形態例でも、図6に示した従来例と同様に、一対のアーム5a,5bと倣いローラを有して構成されている。モータ25のシャフト19にはスプロケット17aが接続されている。
また、台車本体2の後方側の車輪3同士を接続するシャフト23には、ギア16が設けられており、このギア16のスプロケット17bと前記スプロケット17aとがチェーン18を介して接続されており、制御基盤21の制御によるモータ25の回転に伴い、台車本体2の後方側の車輪3が走行して走行台車1が走行する。
また、本実施形態例では、トーチホルダ7が、溶接トーチ8の位置を調整するためのX−Y調整スライダー40を介して台車本体2に設けられており、X−Y調整スライダー40のスライダー摘み46,47により溶接トーチ8のX,Y方向(水平方向と垂直方向)の位置調整を行う。また、溶接トーチ8は、トーチ回転位置調整装置50を介してトーチホルダ7に取り付けられ、トーチ回転位置調整装置50の操作により溶接トーチ8の上下回転方向の位置調整が行えるようになっている。なお、本実施形態例では、グリップ31が設けられており、作業者等が溶接用走行台車を片手で運べるように形成されている。
本実施形態例は以上のように構成されており、本実施形態例でも、従来例の溶接用走行台車と同様の動作により、走行台車1を被溶接部材としての立板4に倣わせて走行させることにより、溶接トーチ8のノズル先端部8aを被溶接領域10に沿って移動させることが行われるが、本実施形態例では、下板11に接して走行する4輪の車輪3を、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを同軸にして隣接固定して形成しているために、車輪3と下板11とが磁力によって引き合い、溶接用走行台車1の転倒が抑制され、走行台車1の移動は設定通り確実に行われて、効率的に隅肉溶接を行うことができる。
また、本実施形態例において、車輪3は下板11に接しながら走行するので、下板11と間隔を介して移動する台車本体2の底部に磁石を設ける場合に比べ、小型で安価な永久磁石を用いて走行台車1の転倒を確実に抑制することができ、溶接用走行台車の小型化および低コスト化を実現でき、本実施形態例の溶接用走行台車の適用により、効率的な隅肉溶接が実現できる。
また、本実施形態例によれば、4輪のそれぞれの車輪3は永久磁石車輪13と鉄車輪14とを有しているので、永久磁石のみによって車輪3を形成する場合に比べ、より一層の低コスト化を図ることができるし、4輪の車輪3をそれぞれ容易に、磁力が強い車輪に形成でき、効率的に隅肉溶接を行うことができる。
なお、本考案は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、車輪3は、永久磁石車輪13と鉄車輪14とを隣接固定して形成したが、車輪3は、永久磁石により形成してもよいし、図5(a)、(b)に示すように、永久磁石19を備えた鉄製車輪によって形成してもよい。
また、上記実施形態例では、台車本体2を車輪走行させるときに、モータ25の駆動により、台車本体2の後方側の車輪3を回転させるようにしたが、モータ25の駆動により台車本体2の前方側の車輪3を回転させるようにしてもよいし、台車本体2の前方側と後方側の車輪3の両方を回転させるようにしてもよい。
さらに、本考案において、溶接トーチ8の取り付け構成等の、車輪3以外の構成は特に限定されるものであり、適宜設定されるものである。
1 走行台車
2 台車本体
3 車輪
8 溶接トーチ
13 永久磁石車輪
14 鉄車輪
23 シャフト
2 台車本体
3 車輪
8 溶接トーチ
13 永久磁石車輪
14 鉄車輪
23 シャフト
Claims (3)
- 4輪の車輪を備えた台車本体に溶接トーチを搭載し、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、前記溶接トーチによって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車において、前記4輪のそれぞれの車輪は永久磁石によって形成されていることを特徴とする溶接用走行台車。
- 4輪の車輪を備えた台車本体に溶接トーチを搭載し、溶接部材と被溶接部材との溶接ラインに沿って車輪走行することにより、前記溶接トーチによって前記溶接部材と被溶接部材とを溶接する溶接用走行台車において、前記4輪のそれぞれの車輪は永久磁石を備えた鉄製車輪によって形成されていることを特徴とする溶接用走行台車。
- 4輪のそれぞれの車輪は永久磁石車輪と鉄車輪とを同軸にして隣接固定して形成されていることを特徴とする請求項2記載の溶接用走行台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003271059U JP3100310U (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 溶接用走行台車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003271059U JP3100310U (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 溶接用走行台車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3100310U true JP3100310U (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=43253953
Family Applications (1)
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JP2003271059U Expired - Fee Related JP3100310U (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 溶接用走行台車 |
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JP (1) | JP3100310U (ja) |
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2003
- 2003-09-08 JP JP2003271059U patent/JP3100310U/ja not_active Expired - Fee Related
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