JP3099598B2 - 相対距離検出装置 - Google Patents

相対距離検出装置

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JP3099598B2
JP3099598B2 JP05216402A JP21640293A JP3099598B2 JP 3099598 B2 JP3099598 B2 JP 3099598B2 JP 05216402 A JP05216402 A JP 05216402A JP 21640293 A JP21640293 A JP 21640293A JP 3099598 B2 JP3099598 B2 JP 3099598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は相対距離検出装置に係
り、特に複数の障害物が異なる挙動を示す場合におい
て、個々の障害物に対する相対距離を精度良く検出する
のに適した相対距離検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物体間の相対距離を測定する装置とし
て、従来よりFM−CW(Frequency Modulation-Conti
nuous Wave)レーダを用いた測定装置が知られている。
この装置は、周期的に所定の変調幅で周波数が上昇・下
降を繰り返す変調波を発信し、この変調波の反射波に重
畳されている周波数差を検出して物体間の相対距離を測
定するものである。
【0003】すなわち、物体間に相対速度がないとすれ
ば変調波が発信されてから反射波として戻ってくるまで
には相対距離に応じた伝播時間を要する。このため、発
信波の周波数と受信波の周波数とには、変調波の周波数
変化率と伝播時間とで決まる周波数差が生じる。
【0004】ここで、変調波の周波数が上昇区間にある
場合の発信波の周波数と受信波の周波数との差をfup、
下降区間にある場合の周波数差をfdownとした場合、周
波数の上昇区間と下降区間とで周波数変化率が符号を除
いて同一であるとすればfup=fdownが成立する。
【0005】一方、物体間に相対速度がある場合は、反
射波にはドップラシフトによる周波数変動が重畳され、
反射波の周波数は、両者が接近している場合は高く、遠
ざかっている場合は低く検出される。このため、上昇区
間における周波数差fupは小さく、また下降区間におけ
る周波数差fdownは大きく、それぞれ相対速度に応じて
ほぼ同一の幅で中心周波数からシフトした値として検出
されることになる。
【0006】従って、fr =(fup+fdown)/2,f
d =(fup−fdown)/2,なる概念を導入した場合、
中心周波数を表すfr は相対距離を表す概念として、ま
た中心周波数からのシフト量を表すfd は相対速度を表
す概念として把握することができる。
【0007】つまり、FM−CWレーダを用いて変調波
の周波数が上昇区間にある場合の周波数差fupと、周波
数が下降区間にある場合の周波数差fdownを適切に検出
することができれば、それらの値から容易に物体間の相
対距離及び相対速度を検出することが可能である。
【0008】ところで、上記従来の装置においてFM−
CWレーダの監視領域内に複数の障害物が存在する場
合、受信機には個々の障害物に対応した反射波が受信さ
れる。つまり、FM−CWレーダの監視領域内に複数の
障害物が存在する場合、障害物の個数と同数のfup、f
downが検出されることになる。
【0009】従って、かかる場合には何らかの方法でf
upとfdownとのペアリングを行い、個々の障害物に対応
したfr ,fd を算出する必要がある。この場合、最も
単純な方法としては、fupとfdownとを大きい順に、ま
たは小さい順にペアリングする方法が考えられる。
【0010】しかしながら、例えば一の障害物について
は相対速度がなくfup=fdown(=f1 )が成立し、ほ
ぼ等距離にある他の一の障害物については相対速度があ
り、fup<f1 <fdownが成立する場合、単純に大きさ
の順でペアリングを行えば誤った組み合わせでペアリン
グされることは明らかである。
【0011】特開平4−343084号公報は、かかる
点を改善し得る装置として、反射波の強度レベルに着目
し、同程度のレベルをもって検出されたfupとfdownと
をペアリングする装置を開示している。FM−CWレー
ダが受信する反射波の強度が、変調波を反射する障害物
の形状や相対距離等によって異なることに着目したもの
である。
【0012】より具体的には、FM−CWレーダが受信
する反射波を上昇区間、下降区間につきスペクトル解析
してfup及びfdownを求め、そのスペクトル波形の近似
するもの同士をペアリングするものである。かかる構成
によれば、単純にfup,fdownの大きさを基準としてペ
アリングを行う場合に比べて画期的に高い精度で正しい
ペアリングを行うことが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置の如くスペクトル波形が近似するもの同士を組
み合わせる手法を用いても、スペクトル波形が近似する
程度に形状の近似する障害物を複数検出した場合には正
しい組み合わせでペアリングを実行できるとは限らな
い。
【0014】そして、かかる処理を実行するためには、
検出された障害物の数と同じ組数のスペクトル波形につ
いての特徴抽出・比較が必要であり、複雑な演算処理を
実行することから応答速度が遅くなるという欠点を伴
う。
【0015】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、FM−CWレーダとは別個に設けた測距手段に
より被検出物との大まかな相対距離を検出し、この相対
距離を基準としてFM−CWレーダによって検出された
複数のfup及びfdownをペアリングすることにより上記
の課題を解決し得る相対距離検出装置を提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する相対距離検出装置の原理構成図を示す。すなわち
上記の目的は、図1に示すように変調波発信手段1より
所定の変調幅で周期的に周波数が上昇・下降を繰り返す
変調波を発信すると共に反射波受信手段2により該変調
波の反射波を受信し、前記変調波の周波数が上昇する区
間における発信波と受信波の周波数差を検出する上昇区
間スペクトル検出手段3の検出結果と、前記変調波の周
波数が下降する区間における発信波と受信波の周波数差
を検出する下降区間スペクトル検出手段4の検出結果と
に基づいて、前記変調波を反射する障害物との相対距離
を検出するFM−CWレーダを備える相対距離検出装置
において、前記FM−CWレーダとは別個に障害物との
相対距離を検出すべく設けられた測距手段5と、前記上
昇区間スペクトル検出手段3が周波数差として検出した
スペクトルと、前記下降区間スペクトル検出手段4が周
波数差として検出したスペクトルのうち、該測距手段5
が個々の障害物について検出した相対距離に適合するペ
アを組み合わせて個々の障害物について相対距離を演算
する際の基礎データとするスペクトル組み合わせ手段6
とを備える相対距離検出装置により達成される。
【0017】また、上記構成の相対距離検出装置におい
て、前記上昇区間スペクトル検出手段3及び前記下降区
間スペクトル検出手段4が検出した周波数差のスペクト
ルの数が前記測距手段5が検出した障害物の数を越える
場合、前記スペクトル組み合わせ手段6は、前記測距手
段5の検出した障害物の数を超えるスペクトルに限り前
記測距手段5の検出結果を考慮せずにスペクトルの組み
合わせを行うことは、スペクトルの組み合わせ精度と演
算速度とを両立するために有効である。
【0018】
【作用】本発明に係る相対距離検出装置において、前記
変調波発信手段1が発信する変調波の周波数と前記反射
波受信手段2が受信する反射波の周波数とを比較するこ
とにより、前記上昇区間スペクトル検出手段3では変調
波周波数が上昇区間にある場合におけるドップラシフト
スペクトルfupが、また前記下降区間スペクトル検出手
段4では変調波周波数が下降区間にある場合におけるド
ップラシフトスペクトルfdownが検出される。
【0019】この際、被検出物との大まかな相対距離は
前記測距手段5により検出されるため、個々の障害物に
ついてのfup、fdownを大まかに逆算することが可能で
あり、前記スペクトル組み合わせ手段6は、fup、fdo
wnの大まかな値を逆算して求め、その逆算値に併せて実
測されたfupとfdownとを組み合わせることにより組み
合わせ精度の向上を図る。
【0020】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である相対距離検
出装置10の全体構成を表すブロック構成図を示す。
尚、本実施例の相対距離検出装置10は、車両に搭載し
て前方障害物との相対距離及び相対速度を検出するため
に構成したものである。
【0021】同図に示すFM−CWレーダ11は、前記
した変調波発信手段1、反射波受信手段2、上昇区間ス
ペクトル検出手段3、及び下降区間スペクトル検出手段
4に相当し、後述の如く変調波を発して被検出物との相
対距離及び相対速度に応じた信号を発生する装置であ
る。
【0022】カメラ12は、前記した測距手段5に相当
し、本実施例においてはCCD式カメラを用いている。
このカメラ12は、車両前方を監視して前方障害物との
相対距離及び相対速度を大まかに測定するために設けら
れたものであり、相対距離検出装置10の要部である。
【0023】尚、カメラの撮像画像を用いて距離を測定
する方法としては、異なる2点に配設したカメラを用い
て三角測距を行う手法が公知である。従って、かかる手
法により測距手段5を実現する場合には、2台のCCD
カメラを用いてカメラ12を構成する必要がある。
【0024】また、一台のカメラにより相対距離を測定
する手法としては、例えば前走車を含む撮像画像内にお
ける鉛直方向エッジ(明るさが変化する部分)を検出
し、画像中下端付近で検出される路面と車両との境目に
よるエッジのY座標値を求め、そのY座標値より相対距
離を求める手法が公知である。従って、かかる手法によ
り測距手段5を実現する場合には、CCDカメラ1台で
カメラ12を実現することができる。
【0025】制御装置13は、これらFM−CWレーダ
11及びカメラ12から供給される相対距離信号に従っ
て、車両前方の障害物との相対距離及び相対速度を演算
し、追突の危険性等を検知したら、その状況を警報装置
14により運転者に知らしめ、またはブレーキ機構15
を作動させて衝突を回避する等の処理を行う装置であ
る。
【0026】尚、制御装置13は、FM−CWレーダ1
1及びカメラ12から供給されるアナログ信号をディジ
タル化するA/Dコンバータを内蔵する入力ポート1
6、警報装置14及びブレーキ機構15を適当に駆動す
る駆動装置を内蔵した出力ポート17、及びこれらと共
通バス18を介して相互に接続された中央処理装置(C
PU)19、リードオンリメモリ(ROM)20、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)21からなる装置であ
り、CPU19がROM20内に格納されているプログ
ラムを実行することにより前記したスペクトル組み合わ
せ手段6を実現するものである。
【0027】以下、本実施例の要部である制御装置13
が、スペクトル組み合わせ手段6を実現すべく実行する
処理について詳細に説明するが、それに先立ってFM−
CWレーダ11の構成、及びFM−CWレーダ11によ
る相対距離の検出原理について説明する。
【0028】図3は、FM−CWレーダ11のブロック
構成図を示す。同図に示すようにFM−CWレーダ11
の送信側回路は、搬送波発生器22、周波数変調器2
3、変調電圧発生器24、サーキュレータ25、及び送
信アンテナ26から構成される。変調電圧発生器24か
らは振幅が三角形状に変化する三角波が出力され、変調
波として周波数変調器23に供給される。
【0029】これにより搬送波発生器22からの搬送波
は周波数変調され、図4(A)において実線で示される
ように時間経過に伴って所定の変動幅Δf,変調周波数
fm(=1/T)で周波数が三角形状に変調する変調波
信号が出力される。そして、この変調波信号は、サーキ
ュレータ25を介して送信アンテナ26に供給されて被
検出物たる障害物へ向けて発信されると共に、後述する
受信側回路のミキサ28に供給される。尚、上記した送
信側回路は、前記した変調波発信手段1に相当する。
【0030】受信側回路は、受信アンテナ27、ミキサ
28、増幅器29、アンチエリアシングフィルタ30、
及び制御回路13によって実現される高速フーリエ変換
処理器(FFT信号処理器)31から構成される。すな
わち、上記送信アンテナ26から発信された変調波は障
害物で反射して受信アンテナ27で受信され、ミキサ2
8に供給される。
【0031】図4(A)中に点線で示す波形は、受信ア
ンテナ27が受信した反射波の周波数変動の様子を表し
ている。ミキサ28では、かかる反射波の状態を表す信
号とサーキュレータ25から供給される発信波の状態を
表す信号とが差分演算により結合され、両者の周波数差
に応じた周波数で変動するビート信号が生成される。図
4(B)は、かかるビート信号の周波数変動状況を示し
ており、三角変調波の周波数上昇区間の周波数をfup、
周波数下降区間の周波数をfdownとして表している。
【0032】ミキサ28からのビート信号は、増幅器2
9で増幅され、アンチエリアシングフィルタ30に供給
される。アンチエリアシングフィルタ30に供給された
ビート信号は、ここで上昇区間のビート信号、及び下降
区間のビート信号に分離された後、それぞれFFT信号
処理器31に入力する。そして、FFT信号処理器31
は、各区間のビート信号についてFFT処理を施し、f
up及びfdownについてのパワースペクトラムを算出す
る。
【0033】図5は、車両前方に2つの障害物が存在す
る場合におけるFFT信号処理器31のパワースペクト
ラムを、上昇区間(図5(A))と下降区間(図5
(B))とに分けて表したものである。つまり、車両前
方に例えば2つの障害物が存在する場合、受信アンテナ
27には個々の障害物についての反射波が受信される。
このため、発信波と受信波の周波数差を表すビート信号
は個々の障害物に対応した数だけ形成され、この結果F
FT信号処理器31から出力されるパワースペクトラム
には、2つのピークが存在することになる。
【0034】ところで、車両と前方障害物との間に相対
速度がないとすると、送信アンテナ26から発信された
変調波は、変調波が障害物に達し、その後反射して戻っ
てくるのに要する時間が経過した後に受信アンテナ27
に到達する。この場合、反射波の周波数にドップラシフ
トが重畳されることはなく、その様子を図4(A)の如
く示すとすれば、反射波の周波数変動を表す波形は発信
波を時間的に平行移動した波形となる。
【0035】そして、上昇区間におけるビート信号の周
波数をfup、下降区間におけるビート信号の周波数をf
downとすると、この場合fup=fdownが成立することは
前記した通りであり、fup(=fdown)の大きさは、車
両と障害物との相対距離に応じた値となる。
【0036】一方、車両と障害物との間に相対速度vが
存在する場合、反射波には相対速度に応じたドップラシ
フトが重畳される。そして、例えば両者が接近している
とすれば、反射波の周波数は全体的に高周波側へシフト
し、反射波の周波数変動を表す波形は、図4(A)に示
す如く、相対距離に応じて発信波を時間的に平行移動し
た波形を更に高周波側へ平行移動した波形となる。
【0037】つまり、相対速度がない場合に比べてfup
は小さくfdownは大きく、それぞれ相対速度の大きさに
応じた量だけ変化することになる。このため、 fr =(fup+fdown)/2 ・・・(1) なる概念を導入すれば、ドップラシフト成分が相殺され
て前記したように相対距離を表す特性値となり、 fd =(fup−fdown)/2 ・・・(2) なる概念を導入すれば、ドップラシフトの大きさが求ま
り相対速度を表す特性値が得られる。
【0038】尚、変調波の中心周波数がf0 ,変調周波
数がfm,変調幅がΔf,相対速度がv,相対距離がL
であるとすれば、光速cに対してfr 及びfd の理論値
は次式のようになる。
【0039】 fr =4fm・Δf・L/c ・・・(3) fd =2v・f0 /c ・・・(4) 従って、図5に示すように2つのスペクトルピークが得
られた場合において、FMu1とFMd1とがペアであり、
FMu2とFMd2とがペアであるとすれば、fr=(FMu
1+FMd1)/2,fd =(FMu1−FMd1)/2によ
り、一方の障害物についての相対距離L及び相対速度v
が得られ、他方についても同様の処理を施すことにより
相対距離L及び相対速度vが得られることになる。
【0040】ところで、上記演算例は、FMu1とFMd1
とがペア、FMu2とFMd2とがペアであること前提とし
て行ったものである。しかしながら、同一障害物につい
てのスペクトルが上昇区間と下降区間とで必ずしも同一
の順序で表れるとは限らない。また、複数の車両、複数
の自動二輪等については反射波の強度、すなわちスペク
トル波形も近似することから、スペクトル波形の近似す
るもの同士を適宜組み合わせる手法も万能ではない。
【0041】このように、FM−CWレーダ11が複数
の障害物を検出する場合、上昇区間のスペクトルと下降
区間のスペクトルとを適切に組み合わせる処理は、必ず
しも容易な処理ではなく、従来より処理速度を適切な水
準に維持して適切な組み合わせ精度を確保することは困
難であるとされていた。
【0042】本実施例の相対距離検出装置10は、カメ
ラ12により補助的に検出した相対距離を用いて、簡易
な処理により上記組み合わせ処理を確実に実行し、FM
−CWレーダ11の持つ高い検出精度を生かした相対距
離検出を可能ならしめる点に特徴を有するものである。
以下、図6に示すフローチャートを参照して、制御装置
13が実行する組み合わせ処理の内容について詳細に説
明する。
【0043】同図に示す処理が起動すると先ずステップ
1(以下S1と称す)において、カメラ12が撮像した
画像データより車両前方の障害物の個数iをNnとし
て,個々の障害物に対する大まかな相対距離をLnとし
て(n=1〜i),及び個々の障害物に対する相対速度
をRVnとして(n=1〜i)演算する。この場合、L
nについては上記したように2つのCCDカメラを用い
た三角測距、または前走車の検出画像下端のY座標値演
算等により演算が可能であり、RVnについてはLnの
時間的な変化率を求めることで演算が可能である。
【0044】このようにしてカメラ12の撮像した画像
データより障害物に対する大まかなデータを演算した
ら、FM−CWレーダ11によって高精度な検出を実行
すべくS2へ進み、上記FFT信号処理器31に相当す
る処理を行う。つまり、FM−CWレーダ11によって
得られたビート信号より上昇区間スペクトルと下降区間
スペクトルとを検出する。このように、本実施例におい
てはS2が前記した上昇区間スペクトル検出手段3及び
下降区間スペクトル検出手段4に相当する。
【0045】S3は、FFT処理によってスペクトル解
析した結果をRAM21に記憶するステップであり、上
昇区間スペクトルの周波数データを小さい方から(また
は大きい方から)順にFMumに(m=1〜j)、下降区
間スペクトルの周波数データを小さい方から(または大
きい方から)順にFMdmに(m=1〜j)、そしてこれ
らの個数データjをNmに格納する。
【0046】ところで、上記したようにFMumとFMdm
とを適切に組み合わせると、fr =(FMum+FMdm)
/2に従って相対距離を表すfr が、またfd =(FM
um−FMdm)/2に従って相対距離を表すfd が演算可
能である。一方、上記S1においてLnが求まれば、L
nを基に個々の障害物に対するfrの該算値FCrnを逆
算し、またRVnよりfdの該算値FCdnを逆算するこ
とが可能である。
【0047】S4は、かかる逆算を行うステップであ
り、fr の該算値としてFCrnを(n=1〜i)、fd
の該算値としてFCdnを(n=1〜i)それぞれLn,
RVnに基づいて演算する。
【0048】続くS5は、これらの該算値FCrn及びF
Cdnを用いてFMumの該算値FC1nとFMdmの該算値F
C2nとを求めるステップである。FCrnとFCdnとの和
がFMumの該算値FC1nであり、FCrnとFCdnとの差
がFMdmの該算値FC2nであることより、個々の障害物
に対するFMum及びFMdmの該算値を、カメラ12の撮
像した画像データを基に逆算したものである。
【0049】従って、上記S3において求めたFMum、
FMdmのうち、それぞれFC1n、FC2nの近傍に検出さ
れたもの同士をペアとすることとすれば、組み合わされ
たFMumとFMdmとは、共にカメラ12により撮像され
た障害物に関するスペクトルであることが担保されたも
のとなり、誤ったペアリングが効果的に防止されること
になる。
【0050】S6以降の処理は、かかる点に鑑みて正常
なペアであることが担保された場合に限りFMumとFM
dmとをペアリングするものである。すなわちS6におい
て各種カウンタk,m,nを“1”に初期化したら、S
7へ進み先ずFC11の±ΔFe内に、上昇区間における
第1のスペクトルピークFMu1が存在するかを判別す
る。そしてFC11−ΔFe<FMu1<FC11+ΔFeが
成立する場合は、S8へ進み同様に下降区間における第
1のスペクトルピークFMd1が、FC21の±ΔFe内に
存在するかを判別する。ここで、ΔFeは、各種の検出
誤差等を考慮して導入した判定公差である。
【0051】上記S7及びS8の条件が共に成立するの
は、FMu1とFMd1が同一の障害物で反射した反射波に
より形成された場合であり、この場合両者はペアとして
取り扱うべきである。このため、S7,S8で共に条件
が成立した場合はS9へ進み、上記(1),(2)式中
のfup,fdownにFMu1、FMd1を代入し、その結果を
(3),(4)式に代入して相対距離Lと相対速度vと
を演算する。そして、その結果をXL1 ,XRV1 とし
て記憶し、一組スペクトルにつき照合を終えたことを表
すべくS10でkをインクリメントする。
【0052】一方、上記S7及びS8の何れかにおいて
条件が不成立であると判別されるのは、上昇区間、また
は下降区間においてカメラ12が捕らえた障害物とは別
の障害物に関するスペクトルが照合の対象とされている
場合である。従って、この場合はFMu1、FMd1とを組
み合わせるべきではなく、照合不可としてS11へ進
む。
【0053】S11は、カウンタm,nをインクリメン
トするステップであり、続くS12、S13では、それ
ぞれn≦Nn、m>Nmを判別する。すなわちS12
は、照合検査の済んだデータの数がカメラ12の検出し
た障害物の数Nn(=i)に達したか否かをチェックす
るステップであり、S13は、照合検査を実施したデー
タの数がFM−CWレーダ11によって検出されたスペ
クトルの数Nm(=j)に達したか否かをチェックする
ステップである。
【0054】上記S7,S8を実施するためにはカメラ
12によるデータとFM−CWレーダ11によるデータ
とが共に存在することが前提となること、及びカメラ1
2とFM−CWレーダ11の検出能力、検出可能領域の
違いによりNnとNmとが必ずしも同一になるとは限ら
ないこと等を考慮し、一方の検出データ数が他方の検出
データ数を越える場合には、異なる手法で相対距離L及
び相対速度vを演算する構成を採用することから設けた
ものである。
【0055】従って、S12においてn≦Nnであると
判別され、S13においてまだm>Nmは成立していな
いと判別されている間は、上記S7〜S13の処理を繰
り返し実行する。そして、FMumとFMdmにつき適切な
ペアが成立した場合、順次それらに基づいて相対距離
L、及び相対速度vを演算し、演算結果をXLk,XR
Vkとして記憶する。
【0056】一方、上記S11においてm及びnをイン
クリメントした結果n≦Nnが不成立であると判別され
るに至った場合、すなわち前回までの処理により既にカ
メラ12による検出データ数Nnと同数のスペクトルの
組についての照合検査が実施済である場合は、以後上記
S7,S8を実施することはできないため、残ったFM
−CWレーダ11の検出データのみにより障害物との相
対距離L、相対速度vを演算すべくS20へと進む。
【0057】そして、上記S11でインクリメントした
mに対して更にFMum、FMdmが存在する場合、S20
においてかかるFMum、FMdmより演算した相対距離
L、及び相対速度vをそれぞれXLk,XRVkとして
記憶し、次いでS21でm,kをインクリメントした後
S22においてm>Nmが成立するか否かを見る。
【0058】以後、m>Nmが成立するまで、すなわち
FM−CWレーダ11の検出した全てのスペクトルにつ
きペアリングが終了したと判別されるまで繰り返し上記
S20〜S22の処理を繰り返し実行する。
【0059】尚、上記S20において上昇区間のスペク
トルと下降区間のスペクトルとをペアリングする手法に
ついては、上記した如くインクリメントされるmに従っ
て、順番にFMumとFMdmとをペアリングする手法のほ
か、波形の近似するスペクトル同士をペアリングする手
法を用いてもよい。
【0060】また、n≦Nnが不成立となる前にS13
においてm>Nmが成立すると判別された場合、すなわ
ちFM−CWレーダ11の検出した全てのスペクトルF
Mum、FMdm(m=1〜j)について照合検査を終了し
たにも関わらずカメラ12による検出データが残存して
いる場合は、残存しているカメラ12の検出データのみ
により障害物との相対距離L、相対速度vを演算する必
要がある。このため、かかる判定がなされた場合、以後
S14へ進んでカメラ12の検出データ値Ln,RVn
をそのまま相対距離XLk,相対速度XRVkとして記
憶する。
【0061】そして、S15でn及びkをインクリメン
トし、そのnについてS16でn>Nnが成立すると判
別されるまで、Ln,RVnを相対距離L、相対速度v
として直接XLk,XRVkとして記憶する。
【0062】このようにして全てのスペクトルFMum、
FMdm(m=1〜Nm=j)、及びカメラ12による全
ての検出データLn,RVn(n=1〜Nn=i))に
基づいて、相対距離L及び相対速度vをXLk,XRV
kとして記憶したら、S17へ進んで演算結果を出力し
て今回の処理を終了する。
【0063】この結果、FM−CWレーダ11により検
出された上昇区間スペクトルFMumと下降区間スペクト
ルFMdmとは、両者が真に適合する場合に限りペアとし
て認識されることになり、FMumとFMdmとを不適切に
組み合わせて誤った相対距離及び相対速度を演算するこ
とがない。
【0064】また、FM−CWレータ11とカメラ12
との検出精度、検出可能領域等の差異に起因して一方が
他方に比べて多数の障害物を検出した場合、両者の検出
データが共存するものについては精度に勝るFM−CW
レーダの検出結果をカメラ12により補足し、共存部分
を越えるデータについてはFM−CWレーダ11または
カメラ12のデータを独自に用いた演算処理を行うこと
から常に高い検出精度を維持することができる。
【0065】更に、本実施例の相対距離検出装置は、カ
メラ12の検出データが利用できるものについては上昇
区間スペクトルFMumと下降区間スペクトルFMdmとを
極めて容易、かつ確実にペアリングすることが可能であ
るため、FM−CWレーダ11のみを用いて、例えば全
てのスペクトル波形につき近似するもの同士をペアリン
グする装置に比べて極めて短い演算速度で同等以上の処
理を実行し得るという効果をも有している。
【0066】尚、上記図6に示すルーチンは、ソフトウ
ェア構成を簡略化するため上昇区間スペクトルFMumと
下降区間スペクトルFMdmとをペアとすべきではないと
認めた場合、そのルーチンでは当該FMum及びFMdmを
用いずに、次回以降のルーチンに託す構成を採用してい
るが、これに限るものではなく、各ルーチン毎に、検出
された全てのFMum、FMdmについてペアを作る構成と
してもよい。
【0067】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、FM−CWレーダを用いて検出した上昇区間スペク
トルfupと下降区間スペクトルfdownとを、適切に組み
合わせることができると共に、その組み合わせ処理が測
距手段の検出結果を基準として行われるため、個々の障
害物に対する相対距離、及び相対速度の演算を適切な演
算速度で実行できるという特長を有している。
【0068】また、請求項2記載の発明によれば、FM
−CWレーダが測距手段に比べて多数の物体を検出した
場合、上昇区間スペクトル検出手段及び下降区間スペク
トル検出手段において検出されたfup、fdownは、最大
限請求項1記載の手法で組み合わされ、残ったfup、f
downについてのみスペクトルの特性に従う組み合わせ処
理を実行すれば足りることから、組み合わせ精度と演算
速度とを適切な水準で両立しつつfupとfdownの組み合
わせ処理を実行することができるという特徴を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相対距離検出装置の原理図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である相対距離検出装置の全
体構成を表すブロック構成図である。
【図3】本実施例の相対距離検出装置のFM−CWレー
ダのブロック構成図である。
【図4】FM−CWレーダによる相対距離、相対速度の
測定原理を説明するための図である。
【図5】FM−CWレーダにより検出した上昇区間スペ
クトル及び下降区間スペクトルの一例である。
【図6】本実施例の制御装置が実行するルーチン処理の
フローチャートの一例である。
【符号の説明】
1 変調波発信手段 2 反射波受信手段 3 上昇区間スペクトル検出手段 4 下降区間スペクトル検出手段 5 測距手段 6 スペクトル組み合わせ手段 11 FM−CWレーダ 12 カメラ 13 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−231398(JP,A) 特開 平6−214015(JP,A) 特開 平6−230116(JP,A) 特開 平5−126942(JP,A) 特開 平5−142337(JP,A) 特開 平5−142338(JP,A) 実開 平2−131679(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調波発信手段より所定の変調幅で周期
    的に周波数が上昇・下降を繰り返す変調波を発信すると
    共に反射波受信手段により該変調波の反射波を受信し、
    前記変調波の周波数が上昇する区間における発信波と受
    信波の周波数差を検出する上昇区間スペクトル検出手段
    の検出結果と、前記変調波の周波数が下降する区間にお
    ける発信波と受信波の周波数差を検出する下降区間スペ
    クトル検出手段の検出結果とに基づいて、前記変調波を
    反射する障害物との相対距離を検出するFM−CWレー
    ダを備える相対距離検出装置において、 前記FM−CWレーダとは別個に障害物との相対距離を
    検出すべく設けられた測距手段と、 前記上昇区間スペクトル検出手段が周波数差として検出
    したスペクトルと、前記下降区間スペクトル検出手段が
    周波数差として検出したスペクトルのうち、該測距手段
    が個々の障害物について検出した相対距離に適合するペ
    アを組み合わせて個々の障害物について相対距離を演算
    する際の基礎データとするスペクトル組み合わせ手段と
    を備えることを特徴とする相対距離検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の相対距離検出装置におい
    て、 前記上昇区間スペクトル検出手段及び前記下降区間スペ
    クトル検出手段が検出した周波数差のスペクトルの数が
    前記測距手段が検出した障害物の数を越える場合、前記
    スペクトル組み合わせ手段は、前記測距手段の検出した
    障害物の数を超えるスペクトルに限り前記測距手段の検
    出結果を考慮せずにスペクトルの組み合わせを行うこと
    を特徴とする相対距離検出装置。
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