JP3099471B2 - 繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法 - Google Patents

繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法

Info

Publication number
JP3099471B2
JP3099471B2 JP03299774A JP29977491A JP3099471B2 JP 3099471 B2 JP3099471 B2 JP 3099471B2 JP 03299774 A JP03299774 A JP 03299774A JP 29977491 A JP29977491 A JP 29977491A JP 3099471 B2 JP3099471 B2 JP 3099471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibrous
diacetal compound
diacetal
producing
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03299774A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07149766A (ja
Inventor
稔明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Japan Chemical Co Ltd filed Critical New Japan Chemical Co Ltd
Priority to JP03299774A priority Critical patent/JP3099471B2/ja
Publication of JPH07149766A publication Critical patent/JPH07149766A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3099471B2 publication Critical patent/JP3099471B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状の結晶形態を有
するジアセタール化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,3:2,4−ジベンジリデンソルビ
ト−ル(以下「DBS」と略記する。)及びその芳香環
がメチル基、エチル基、イソプロピル基及びジメチル基
などのアルキル基で置換されたジアセタール化合物が、
ポリエステル成形(特開昭50−151250号)、塗
料(特開昭49−23229号)、インキ(特開昭51
−59506号)、接着剤(特開昭48−44332
号)など、広範囲な分野におけるゲル化剤、チキソトロ
−プ剤あるいは増粘剤、更にはポリオレフィン結晶核剤
として有用であることは良く知られている(特開昭50
−124034号、特開昭50−139150号、特開
昭50−134034号、特開昭51−59506号な
ど)。
【0003】一般に、チキソトロ−プ剤あるいは増粘剤
などをポリエステル成形、塗料、インキ、接着剤などの
添加剤として適用するに際しては、加熱、冷却など特定
の工程なしに常温で分散して適応できることが望まし
い。
【0004】しかしながら、従来公知のジアセタール化
合物は、いずれも粉末状の結晶物であるため、常温分散
方法が適用できず、これらのものを上記各分野に適用す
るためには、溶剤を使用したり、系全体を加熱してジア
セタール化合物を溶解させ、次いで冷却してゲルを形成
する工程、必要に応じて、更に十分に混練する工程など
を必要としていた。
【0005】本発明者は、かかる問題点を解決するもの
として、先に、DBS類/有機溶媒系のゲルを凍結乾燥
して成る、アモロファスでスポンジ状のDBS類のキセ
ロゲルの製造について提案した(特開昭63−1207
88号)。
【0006】この方法で得られるDBS類は、マトリッ
クス中で形成するフィブリルのX線パターンが、もとの
DBS類の結晶のそれとは著しく異なっていてアモロフ
ァス的であり、しかも、その電子顕微鏡写真から明らか
なように、断面の直径がおよそ100オングストローム
と極めて小さいフィブリルから構成されるという特徴を
有している(高分子添加剤の最新技術、p204、CM
C出版、1988年)。
【0007】上記DBS類は、常温分散型としての特徴
を有しているが、連続的製造方法が困難な凍結乾燥法を
採用する点に工業化する際の難点を有していた。又、凍
結乾燥物の嵩比重が極めて小さいため、その取扱いに難
点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、作業性に優
れ、従来公知の各分野において常温分散方法が適用でき
る、新規有用な結晶性ジアセタール化合物及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討の結果、 1.従来公知の結晶粉末状のDBS類を特定の温度条件
下で加熱することにより、ゲル形成の状態を経由するこ
となく、結晶性の粉末状から繊維状結晶への結晶形態転
移が発生し、嵩密度がもとの結晶性粉末と余り変化無
く、しかも、文献に未記載の形態、即ち、アモロファス
的なフィブリルとは異なった結晶性で比較的断面の直径
の大きい繊維状態のDBS類が生成し得る事実を見いだ
し、 2.更に、溶融ジアセタール化合物の過冷却物を特定の
温度に保持することによっても、上記と同様の結晶性繊
維状形態のジアセタールを調製することができることを
見いだし、 3.かくして得られる繊維状DBS類が常温分散型のチ
キソトロープ剤などとして、又、分散性の良好な高分子
結晶核剤として極めて有用であることを見いだした。本
発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0010】本発明に係るジアセタール化合物は、一般
式(I)で示され、繊維状の結晶形態を有し、断面の直
径が2000オングストローム〜10ミクロン、好まし
くは4000オングストローム以上であることを特徴と
する。
【化1】 [式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基を示し、m、nは1〜5の整
数を示す。pは0又は1を示す。]
【0011】一般式(I)で表されるジアセタール化合
物として、具体的には、DBS、メチル基、エチル基、
イソプロピル基などの炭素数1〜4のアルキル基が夫々
の芳香環に1〜5個置換してなるDBS、及び同様のキ
シリトール誘導体が例示される。このとき、各置換基の
位置は問わない。又、2個の芳香環への置換基が全く同
じであるいわゆる対称型であっても、あるいは互いに異
なる置換基であるいわゆる非対称型であっても良い。
【0012】当該繊維状ジアセタール化合物は、公知の
合成法(例えば、特公昭48−43748号、特開昭5
6−108791号、特開昭56−161391号、特
開平1−149789号、特開平2−231488号)
によって得られたジアセタ−ル化合物の粉末、好ましく
は揮発成分が0〜20重量%程度の乾燥粉末を120〜
250℃、好ましくは130〜200℃程度に加熱して
粉末状結晶から繊維状結晶への結晶形態転移を生じせし
めることにより容易に得ることができる。
【0013】粉末結晶から繊維状結晶への結晶形態の転
移速度は、加熱温度が高いほど大きく、例えば、加熱処
理を140〜200℃で15〜60分程度行うことによ
り、形態転移が完了する。
【0014】この微粉末結晶の熱処理方法において、1
20℃未満では転移速度が小さく、実質的に転移が生じ
ていないため実用的でなく、250℃を越える温度では
ジアセタール化合物の分解や着色を伴うため好ましくな
い。
【0015】もう一つの方法として、溶融物の高温処理
方法がある。この方法は、溶融ジアセタール化合物の過
冷却物を120〜250℃に高温保持することにより達
成される。急激に100℃以下に冷却すると球晶形態と
なってしまい、結晶性繊維形態を得ることができない。
又、一般に250℃を越える温度では繊維状結晶の成長
速度が小さく、ジアセタール化合物の分解が惹起され実
用的でない。
【0016】加熱による結晶間の形態転移或いは溶融過
冷却物から繊維状結晶形成への形態変化を生ぜしめる熱
処理は、結晶粉末あるいは溶融物の静置状態で、又は適
当な混合の状態で行うことができる。
【0017】又、加熱処理工程における雰囲気は、特に
限定しないで行うことができる。即ち、常圧でも減圧で
も加圧でもよく、空気存在下でも窒素、二酸化炭素、ア
ルゴン等の不活性気体下でも水蒸気、メタノール、炭化
水素などの溶剤ガス雰囲気下などのいずれでもよい。一
般には、減圧下、窒素ガス雰囲気が望ましい。
【0018】かくして得られる繊維状ジアセタール化合
物は、従来公知のジアセタール化合物と比較して、単位
重量当たりの比表面積が大きいにも拘らず嵩比重はあま
り変わらず(0.3程度)、前記凍結乾燥物にみられた
嵩比重が極めて小さく(0.01程度)、取り扱いにく
いといった欠点も解消されており、これまでジアセター
ル化合物が用いられてきた分野、例えば、ポリエステル
成形、塗料、インキ、接着剤などの分野における常温分
散型のゲル化剤、チキソトロ−プ剤あるいは増粘剤とし
て有用であり、又、分散性の良好なポリオレフィン結晶
核剤としても適用される。
【0019】以下、実施例を掲げ、本発明を詳しく説明
する。 実施例1 DBS結晶粉末(商品名「ゲルオ−ルD」、新日本理化
株式会社製)45gを10×20×4cmステンレスバッ
トに投入し、これを130℃にセットした恒温室に40
分間静置した。光学顕微鏡(日本分光株式会社製、偏光
顕微鏡、以下同様)によるクルスニコル下での観察の結
果、図1に示す顕微鏡写真の如く繊維状に結晶形態転移
していることが確認された。
【0020】応用例1 実施例1で得た繊維状結晶のDBS2gを常温でスチレ
ンモノマ−100gに添加し、10分間ホモジナイズ混
合した後、1日静置すると流動性のないゲル状となっ
た。
【0021】応用比較例1 ゲルオ−ルD結晶粉末を用いて、応用例1と同じ方法で
スチレンモノマ−に適応したところ、流動性状にほとん
ど変化なく、ゲルの形成も認められなかった。
【0022】実施例2 1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソル
ビトールの結晶粉末(商品名「ゲルオ−ルMD」、新日
本理化株式会社製)45gを10×20×4cmステンレ
スバットに投入し、これを190℃にセットした窒素雰
囲気の恒温室に10分間静置した。クルスニコル下での
光学顕微鏡観察の結果、図2に示す顕微鏡写真の如く繊
維状に結晶形態転移していることが確認された。
【0023】応用例2 実施例2で得た繊維状結晶のメチル置換DBS2gを常
温でスチレンモノマ−100gに添加し、10分間ホモ
ジナイズ混合した後、1日静置すると流動性のないゲル
状となった。
【0024】応用比較例2 ゲルオ−ルMD結晶粉末を用いて、応用例2と同じ方法
でスチレンモノマ−に適応したところ、流動性状にほと
んど変化なく、ゲルの形成も認められなかった。
【0025】実施例3 窒素雰囲気下で270℃の10×20×4cmステンレス
バットに、ゲルオールMD結晶粉末10gを投入して、
ゲルオールMDの溶融体とした。次に、200℃の窒素
雰囲気下の恒温室にバットを移動し、20分間保持した
後、室温に戻した。クスニコル下での光学顕微鏡観察の
結果、図3に示す顕微鏡写真の如く繊維状の結晶形態が
生成していることが確認された。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る方法により得られる繊維状
結晶のジアセタール化合物は、作業性に優れ、常温分散
型の流動性改質剤や結晶性高分子の良好な分散性核剤と
して各種分野において幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた繊維状結晶DBSのクルス
ニコル下での光学顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られた繊維状結晶のメチル置換D
BSのクルスニコル下での光学顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で得られた繊維状結晶のメチル置換D
BSのクルスニコル下での光学顕微鏡写真である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表され、繊維状の結晶形
    態を有し、断面の直径が2000オングストローム〜1
    0ミクロンであることを特徴とするジアセタール化合
    物。 【化1】 [式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、
    炭素数1〜4のアルキル基を示し、m、nは1〜5の整
    数を示す。pは0又は1を示す。]
  2. 【請求項2】 結晶粉末状のジアセタール化合物を12
    0〜250℃で加熱して結晶形態を転移せしめることを
    特徴とする請求項1に記載のジアセタール化合物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 溶融ジアセタール化合物の過冷却物を1
    20〜250℃で保持して結晶化せしめることを特徴と
    する請求項1に記載のジアセタール化合物の製造方法。
JP03299774A 1991-10-18 1991-10-18 繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3099471B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03299774A JP3099471B2 (ja) 1991-10-18 1991-10-18 繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03299774A JP3099471B2 (ja) 1991-10-18 1991-10-18 繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07149766A JPH07149766A (ja) 1995-06-13
JP3099471B2 true JP3099471B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=17876797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03299774A Expired - Fee Related JP3099471B2 (ja) 1991-10-18 1991-10-18 繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3099471B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL1765843T3 (pl) * 2004-07-09 2017-01-31 Basf Se Sposób wytwarzania sproszkowanej kompozycji acetalu alditolu

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07149766A (ja) 1995-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liu Nanofibers
JPH0657057A (ja) ポリプロピレン組成物及びそのフィルム
DE69411382T2 (de) Polyhydroxyalkanoate und ihre filmbildung
Kumamaru et al. Formation of single crystals of poly (acrylonitrile) during the process of solution polymerization
KR920016481A (ko) 필름성형용 고결정성 폴리프로필렌
Chae et al. Effects of silicalite-1 nanoparticles on rheological and physical properties of HDPE
JP3099471B2 (ja) 繊維状のジアセタール化合物及びその製造方法
US4519939A (en) Particulate doped polyacetylene
Kojima et al. Morphology of siloxane block copolymers: Tetramethyl‐p‐silphenylene siloxane–dimethylsiloxane
CA1215805A (en) Polyacetylene production
US20050271573A1 (en) Fibrous fullerene crystal and process for producing same
JP2004107494A (ja) 熱可塑性層状アルキルシロキサンとその製造方法
EP0369213A2 (en) Polypropylene composition
Zhu et al. Morphology control between microspheres and nanofibers by solvent-induced approach based on crosslinked phosphazene-containing materials
KR101907868B1 (ko) 이온성 액체를 이용한 자기 조립형 균일계 셀룰로오스 나노입자 및 이의 제조 방법
JPS62240353A (ja) 成形用樹脂組成物
JPH0360488A (ja) ヒ酸チタン・カリウム単結晶の製造方法
JPH03234714A (ja) ポリプロピレンの製造方法
Hou et al. A kind of novel biodegradable hydrogel made from copolymerization of gelatin with polypseudorotaxanes based on α-CDs
Chen et al. Electroactive and Photoactive Nanostructured Materials from Self-Assembling Coil-Rod-Coil Triblock Copolymers
JP2954240B2 (ja) 高結晶性プロピレン重合体組成物及び高透明性ポリプロピレンフィルム
JP3156969B2 (ja) ポリブテンの成形物
JP2962430B2 (ja) ポリ−ε−カプロラクトンフィルムの製造方法
JP2002293947A (ja) ポリイミド粉体の製造方法
Oliver et al. of ABC triblock terpolymers with a central crystallizable poly (ferrocenyldimethylsilane) core-forming segment. Polymer Chemistry, 10 (20), 2559-2569. https://doi. org/10.1039/c8py01830h

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees