JP3099230B2 - 切削液の浄化装置 - Google Patents

切削液の浄化装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削盤などに使用
される切削液の浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】研削盤などでは、ワークと砥石の間の摩
擦やこれらの温度上昇を抑制したり切削粉を洗い流すな
どのため、研削中、研削処理部に切削液を供給するよう
にしている。
【0003】この切削液はその殆どが水であって多少の
切削油を混入されたものであり、研削盤などへの供給に
於いては、図3に示すような浄化装置からその研削処理
部へ供給した後、洗浄装置へ環流することを繰り返すよ
うに行っている。
【0004】上記浄化装置は、研削盤などから流下した
切削液を液流入管1から液溜め部2に受け入れ、この受
け入れた切削液に混入した切削粉などを回転駆動される
ローラ3の表面に磁力吸着して掻き上げ、このように掻
き上げた切削粉などをスクレーパ4で脱離させ、別途用
意した容器内に収集するようにしたローラ掻き上げ装置
5と、この掻き上げ装置5の液流出管6から流れ出た切
削液wを第一沈殿槽部7aに受け入れ、続いて第二沈殿
槽部7b、第三沈殿槽部7cそして第四沈殿槽部7dへ
とこの順にゆっくりと流動させ、この流動過程の下で切
削液に未だ残存している切削粉などを沈殿させるものと
した液貯留沈殿槽7と、前記第四沈殿槽部7d内の切削
液を供給管8を通じて研削盤などに供給するための送液
ポンプ手段9とからなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した在来の浄化装
置では、ローラ3の表面の磨耗が激しく、その保守管理
コストが嵩むものとなり、また液貯留沈殿槽7が比較的
大きな床面を占有するものとなって工場内の床面の合理
的活用が損なわれるほか、切削液は第四沈殿槽部7dに
達しても未だ濁りが残り、十分な浄化が行われないので
ある。
【0006】本発明は、このような問題点を解消させる
ものとした切削液の浄化装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、切削液を受け入れるための比較的緩やかな
傾斜の開水路を備えた第一開水路箱、この開水路箱から
流下する切削液を受け入れる第一貯留液タンク、この第
一貯留液タンク内の切削液を供給されるもので比較的緩
やかな傾斜の浅い水路を備えた第二開水路箱の複数を多
段状に配列し、切削液が順次下方段へ流下するものとし
た多段形開水路装置、この多段形開水路装置から流下し
た切削液を受け入れる第二貯留液タンク、この第二貯留
液タンク内の切削液を供給される濾過装置、この濾過装
置から流下する切削液を受け入れる第三貯留液タンク、
及び、第三貯留液タンク内の切削液を送り出すための送
液手段を備えた構成となす。
【0008】このさい、第一開水路箱の開水路は折れ曲
がり状となし、また第二開水路箱はその水路底面を流れ
方向へ向けて段階状に降下させた構成となす。
【0009】また濾過装置は、箱体内にスポンジ板を出
し入れ可能に収容させたもので箱体内に供給された切削
液がスポンジ板を通過した後に外方へ流れ出る構成とな
す。
【0010】この発明に於いて、第一開水路箱は切削液
を適当な速度で第一貯留タンクへ向けて流下させるもの
で、この流下中に切削液に混入した切削粉などはこえの
水路底面に沈殿付着し、この付着した切削粉などは時間
の経過により上表面が栗いが状に成長していき、切削液
中に浮遊する切削粉などを効率的に捕獲する。このさ
い、第一開水路箱の折れ曲がり状の開水路は切削液の流
れを抑制してこれの水路底面への切削粉などの沈殿分離
を効果的となす。
【0011】第二開水路箱は、第一貯留液タンクの上方
へ多段形に積層された構成となして長い距離を適当な速
度で流下させ、この流下中に切削液中の切削粉などを水
路底面に沈殿付着させるようにする。このさい各開水路
箱は水路底面を下降傾斜面に形成すると共に抽斗し状の
抜き取り可能に構成したものであり、水路底面に付着し
た切削粉などは栗いが状に成長し、切削液中に浮遊する
切削粉などを効率的に捕獲除去する。
【0012】濾過装置は第一貯留液タンクの上方に於け
る上記第二開水路箱と隣接状態に配設し、第一開水路箱
及び多段形開水路装置で除去されなかった切削粉などを
スポンジ板などによる濾過作用で除去する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る浄化装置を示
し、Aは全体斜視説明図で、Bはその一部を示す平面
図、図2はその使用状態を示す断面視説明図である。
【0014】これらの図に示すように、本発明の浄化装
置は、切削液wを受け入れるための比較的緩やかな傾斜
の折れ曲がり開水路10aを備えた第一開水路箱10
と、この開水路箱10から流下する切削液wを受け入れ
るための平型となした直方体箱の第一貯留液タンク11
を形成し、この貯留液タンク11の上方の片側に底面部
を交互に一定の下向傾斜面となした第二開水路箱を積層
した多段形開水路装置12と、これと隣接した他側位置
に多段形開水路装置12から流下した切削液wを受け入
れるための第二貯留液タンク13及び、この第二貯留液
タンク13内の切削液wを供給される濾過装置14と、
この濾過装置14から流下する切削液wを受け入れるた
めの第三貯留液タンク15、並びに第三貯留液タンク1
5内の切削液wを送り出すための送液手段16とを並設
して立方構成にする。17はそのさいの外側フレームで
ある。
【0015】上記第一開水路箱10は具体的には、次の
ようになしてある。即ち、図1Bに示すように、本体フ
レーム17の後面に固定された細長いステンレス鋼板製
の箱体の内方に長手方向の仕切り壁101を設け、研削
盤などからの切削液wが水路始点a1に落下し、ここか
ら水路折れ曲がり点a2を経て水路終点a3の落下孔へ
向けて流下するものとなす。
【0016】上記多段形開水路装置12は具体的には、
次のようになしてある。即ち、7個の第二開水路箱12
0を形成して、これらを多段状に配列すると共に、それ
ぞれの開水路箱120は単独の抽斗し状に形成して前方
f1への抜き取り可能に装設する。各開水路箱120は
横巾bが凡そ30〜50cm程度で深さが5〜10cm
程度と比較的浅く、比較的緩かな傾斜となされた開水路
120aを備えると共に水路底面120bを切削液wの
流れ方向へ段階的に降下させ、その水路終点に切削液w
を下方へ流下させる流出孔120cを備えた構成とな
す。そして、7個の開水路箱120は切削液wの流れ方
向が交互に前後逆向きとなるように配列する。
【0017】上記濾過装置14は、具体的には、底板1
4aを多孔板で形成された箱体内にこれの全断面を覆う
大きさとした厚さ凡そ数cm程度のスポンジ板140の
複数枚を積層状且つ出し入れ可能に収容させた構成とな
す。
【0018】18は第一送液ポンプで、第一貯留液タン
ク11内の切削液wを多段形開水路装置12の最上段の
開水路箱120の水路始点に供給するためのものであ
る。19は第二送液ポンプで、第二貯留液タンク13内
の切削液wを濾過装置14のスポンジ板140上の空間
c内に供給するためのものである。
【0019】しかして、上記送液手段16は第三貯留液
タンク15内の切削液wを第三送液ポンプ20により供
給管21を通じて研削盤などに供給するものとなしてあ
る。なお、22は操作盤を示す。
【0020】上記の如く構成した本発明装置を研削盤に
使用する場合の例及びそのさいの作動を説明する。図2
に示すように研削盤23のベッド23a上の研削液を第
一開水路箱10の水路始点a1に流下させるための液流
入管24を設けると共に、送液手段16の供給管21の
先端を研削盤23の切削液供給ノズル23bに接続させ
る。そして第三貯留液タンク15内には必要量の切削液
を供給しておく。
【0021】ワークmを研磨処理するさいは、このワー
クmを研削盤23のチャック23cなどに固定させ、チ
ャック23cの回転によりワークmを回転させると共
に、砥石駆動軸23dを回転させて砥石23eを回転さ
せる。
【0022】この一方では、第一乃至第三送液ポンプ1
8、19、20の制御装置を作動可能状態となすのであ
り、これにより第三送液ポンプ20が回転して第三貯留
液タンク15内の切削液を供給管21を通じて切削液供
給ノズル23bに送り、切削液wは供給ノズル23bか
ら放出されて砥石23eやワークmなどの研削処理部へ
継続的に供給される。
【0023】このように供給された切削液wは研磨処理
部の摩擦を緩和し、熱を奪い去り、切削粉を洗い流すよ
うに作用し、研削盤23のベッド23a上に流下する。
【0024】ベッド23a上に流下した切削液wは重力
作用により液流入管24を経て第一開水路箱10の水路
始点a1に流入し、これの折れ曲がり開水路10aを経
て第一貯留液タンク11内に流入する。
【0025】第一貯留液タンク11内に流入した切削液
wは、第一送液ポンプ18が多段形開水路装置12の最
上段の開水路箱120に供給する。このように供給され
た切削液wは各開水路箱120の水路底面120b上を
数cm程度の薄層状となって流れ、各開水路箱120の
落下孔120cから落下し、一段毎に逆向きとなって順
次下方に流下し、最下段の開水路箱120の落下孔12
0cから落下した切削液wは第二貯留液タンク13内に
流入する。
【0026】第二貯留液タンク13内に流入した切削液
wは、第二送液ポンプ19が濾過装置14に供給するの
であり、このように供給された切削液wは濾材であるス
ポンジ板140を透過して第三貯留液タンク15内に流
入するものとなり、この後は再び供給管21を通じて研
削盤23に供給され、切削液wは同じ経路を循環するも
のとなる。
【0027】このような切削液wの循環により、各部は
次のように作用する。即ち、第一開水路箱10は折れ曲
がり開水路10aを流下する切削液wに混入した比較的
重い切削粉などを水路底面に沈殿させる。このさい、沈
殿した切削粉などは順次に上向きの栗いが状となって成
長し、この成長が進むにつれて、栗いが状物は長く多数
となって切削液w中に浮遊した切削粉などを効率的に捕
獲除去するものとなる。この沈殿した切削粉などは作業
者により数週間毎に清掃除去される。
【0028】多段形開水路装置12は各開水路箱120
の水路を流下する切削液w中に浮遊した切削粉などを水
路底面上に沈殿させるのであり、このさいも沈殿した切
削粉などは栗いが状に成長し、前記と同様に切削液中に
浮遊する切削粉などを効率的に捕獲除去するのであり、
このさい、切削液wが薄層状となって流れること、切削
液wが前後へ交互に方向転換されて適度な速度で流れる
こと、及び切削液wの流れの経路が長いものとなること
などのため、切削粉などの捕獲除去の効率性は一層促進
されるものとなる。
【0029】各開水路箱120の水路底面120b上に
沈殿した切削粉などは各開水路箱120を前方f1へ引
き抜くことにより清掃除去される。
【0030】濾過装置14は、第一開水路箱10や多段
形開水路装置12で除去されなかった切削液w中の切削
粉などをスポンジ板140で分離するものであり、スポ
ンジ板140の上面などに付着した切削粉などはスポン
ジ板140を洗濯機などで水洗いすることにより除去さ
れ、水洗いされたスポンジ板140は繰り返し使用され
る。
【0031】
【発明の効果】上記した立体的構成の本発明によれば、
全体の平面視大きさを従来の半分程度となすことができ
て工場内の床面を効率的に他へ転回利用できるのであ
り、またスクレーパで周面を押圧される従来のローラは
不要となって著しく磨耗する部分が存在しなくなるため
保守管理やコスト面が減少するのである。また本発明装
置によれば比較的狭くて長い水路を経て浄化されること
から、不十分な処理状態に於ける切削液の混入現象が生
じなくなることや、切削液中の切削粉などを効率良く捕
獲するものとなって切削液の清浄効果に優れるのであ
る。
【0032】請求項2に記載のものによれば、第一開水
路箱の開水路内で沈殿した切削粉の捕獲除去が効率良く
簡便に行うことができるものとなる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浄化装置を示し、Aは全体斜視説
明図で、Bはその一部を示す平面である。
【図2】上記浄化装置の使用状態を示す断面視説明図で
ある。
【図3】従来例の浄化装置を示す図である。
【符号の説明】
w 切削液 10 第一開水路箱 10a 開水路 11 第一貯留液タンク 12 多段形開水路装置 12a 開水路 120 第二開水路箱 120a 水路底面 13 第二貯留液タンク 14 濾過装置 15 第三貯留液タンク 16 送液手段 140 スポンジ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 11/00 B23Q 11/10 B01D 21/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削液を受け入れるための比較的緩やか
    な傾斜の開水路を備えた第一開水路箱、この開水路箱か
    ら流下する切削液を受け入れる第一貯留液タンク、この
    第一貯留液タンク内の切削液を供給されるもので比較的
    緩やかな傾斜の浅い開水路を備えた第二開水路箱の複数
    を多段状に配列し、切削液が順次下段に流下するものと
    した多段形開水路装置、この多段形開水路装置から流下
    した切削液を受け入れる第二貯留液タンク、この第二貯
    留液タンク内の切削液を供給される濾過装置、この濾過
    装置から流下する切削液を受け入れる第三貯留液タン
    ク、及び、第三貯留液タンク内の切削液を送り出すため
    の送液手段を備えたものであって、第一貯留液タンクは
    平型の直方体箱となしたものを下方底部へ、そしてその
    上方の片側に多段形となした第二開水路箱を、そしてそ
    の他側に第二貯留液と第三貯留液タンク及び濾過装置を
    段重ねするものとなすと共に、第一開水路箱内の開水路
    は箱内へ仕切壁を設けて折れ曲り水路を形成したものと
    なし、一方上記多段形となした第二開水路箱の夫々れは
    各箱内水路底面を上下間で交互に下降傾斜させて切削液
    の流れが階段状に降下するものとなし、他方濾過装置は
    箱体内にスポンジ板を出し入れ可能に収容させ、且つ箱
    体内に供給された切削液がスポンジ板を通過した後に外
    方へ流れ出る構成となしたことを特徴とする切削液の浄
    化装置。
  2. 【請求項2】 多段形となされた第二開水炉箱は、各単
    独に前方の下降傾斜面側へ抽斗し状の構成にして抜き取
    り可能となしてあることを特徴とする請求項1記載の切
    削液の浄化装置。
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