JPH0520850U - 非磁性体用バケツトコンベア式セパレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械加工時に発生する混濁クーラント液が、
フィルターを破損したり、目詰りをおこしたりすること
がなく、切粉、浮遊スラッジをクーラント液から有効に
除去でき、清浄なクーラント液を得て再利用することが
できるとともに、コンパクトな構造で保守の必要性が少
なく、スラッジの液切れもよい非磁性体用バケットコン
ベア式セパレータを提供すること。 【構成】 切粉や浮遊スラッジを含む混濁クーラント液
が供給されるクーラント受部７と、該クーラント受部７
に供給されたクーラント液から切粉や浮遊スラッジをす
くい上げ、該切粉や浮遊スラッジをスラッジカート８へ
投入排出するバケットコンベア１と、前記クーラント受
部７の外周に設けられ、逆洗装置１２ａ、１２ｂを有す
る回転フィルター９ａ、９ｂを介して前記クーラント受
部７と連通されたクーラント保有タンク５と、該クーラ
ント保有タンク５内のクーラント液を工作機械等へ供給
するマシン供給ポンプ１１とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

近年、機械加工産業の自動化及び省力化がめざましく進展しつつあり、放電加 工、ワイヤーカット、研削加工等で生ずる切粉の処理方法についても省力化が望 まれ、クーラント液（加工液）を清浄し、工作機械に再利用できるようにするク ーラント清浄装置の高性能化及びメンテナンスフリー化が求められている。

【０００２】 本考案は、前記クーラント液を清浄する非磁性体用バケットコンベア式セパレ ータに関する。

【０００３】

【従来の技術】

従来、この種のクーラント液清浄装置としては、工作機械から排出された切粉 を含む混濁クーラント液を液槽に滞留させ、切粉はスクリューコンベア等で排除 、排出し、残ったクーラント液は細めの網フィルターからオーバーフローさせて 貯留槽に貯留し、貯留槽に貯留された貯留クーラント液を液体ポンプで工作機械 に供給して再利用するクーラント液清浄装置、あるいは、処理槽内に設けた回転 自在のフィルタドラムに、かき上げ片を設けたコンベアを懸架し、導入部から供 給される混濁クーラント液を、前記フィルタドラムと下方仕切り間に導入してフ ィルタドラムを通過させて濾過し、さらに、フィルタドラムと下方仕切り間に残 されたスラッジを、前記かき上げ片によりかき上げて分離してスラッジボックス に排出するとともに、フィルタドラムの外周面に付着しているスラッジを逆洗ノ ズルからの清浄クーラントの噴射によって再び下方仕切り上に落として分離を繰 り返しつつ、前記フィルタドラムによって濾過されて清浄となったクーラント液 を、フィルタドラム内から隣接した貯留槽へ送り、加圧ポンプを介して工作機械 に供給再利用し、一部を前期逆洗ノズルに供給するクーラント液清浄装置が提供 されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 近年、機械加工工程の自動化、省力化がめざましく進められるとともに、その 工程で加工物と切削刃物の冷却に用いられるクーラント液の清浄化に対しても自 動化、メンテナンスフリー化が強く求められてきている。

【０００５】 しかしながら、従来使用されているクーラント液清浄装置のうち前者の場合に は、網フィルターが目詰りをしたりするなどして、スクリューコンベア等による 切粉の排出が困難となると、切粉がスクリューコンベア、網フィルター等に損害 を与えるようになり装置の部品交換等を頻繁に行わなければならなかった。

【０００６】 さらに、混濁クーラント液中に含まれる微細な混濁物質をも含めた切粉とクー ラント液とを分離浄化しようとすると、網フィルターを細かく形成しなければな らず、そのためにさらに目詰りしやすくなるばかりか、網フィルターを形成する 鋼線を細くしてゆかなければならず、強度的にも限界があり、細い網フィルター はさらに頻繁に交換せざるを得なくなる等の欠点があった。

【０００７】 さらに、クーラント液の流入口から排出口へのクーラント液圧力は自然落差に よるため、回収される清浄クーラント液が網フィルターの目詰り等により切粉と ともに排出口に排出されるという欠点があった。

【０００８】 他方後者の場合には、供給部から供給される混濁クーラント液とともに切粉が 、下方仕切りとフィルター間へ直接入り込んでフィルターの網を破損したり、目 詰りを生じさせる場合があった。

【０００９】 さらに、軽合金材料を使用した機械加工の場合には、発生するスラッジのかさ 比重が軽いため、清浄クーラント液中に浮遊スラッジとなって残存したままにな るという欠点があった。

【００１０】 本考案は、前記事情に鑑みてなされたもので、機械加工時に発生する切粉を含 んだ混濁クーラント液が、処理槽内に供給されたとしても直接フィルター部分を 破損したり、目詰りをおこすことがなく、そのうえ、軽合金材料を使用する機械 加工時に発生するかさ比重の軽い浮遊スラッジもクーラント液中に残存すること がなく、極めて清浄なクーラント液を再生することができるとともに、コンパク トな構造で保守の必要性が少なく、スラッジの液切れのよい非磁性体用バケット コンベア式セパレータを提供することを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、切粉や浮遊スラッジを含む混濁クーラン ト液が供給されるクーラント受部と、該クーラント受部に供給されたクーラント 液から切粉や浮遊スラッジをすくい上げ、該切粉や浮遊スラッジをスラッジカー トへ投入排出するバケットコンベアと、前記クーラント受部の外周に設けられ、 逆洗装置を有する回転フィルターを介して前記クーラント受部と連通されたクー ラント液保有タンクと、該クーラント液保有タンク内のクーラント液を工作機械 等へ供給するマシン供給ポンプとからなる構成としたものである。

【００１２】

【作用】

本考案によれば、機械加工時に発生するスラッジ集合体及び加工物の小片、切 削クズ等の切粉を含んだ混濁クーラント液が、処理槽内に供給されたとしても直 接フィルター部分を破損したり、目詰りをおこしたりすることがなく、軽合金材 料を使用する機械加工時に発生するかさ比重の軽い浮遊スラッジもクーラント液 中に残存することがなく、極めて清浄なクーラント液を再生することができると ともに、クーラント液と切粉、浮遊スラッジとの液切れもよく、コンパクトな構 造で保守の必要性も少ないものである。

【００１３】 まず、本考案では切粉、浮遊スラッジ等を含んだ混濁クーラント液が流入トイ ６を介してクーラント液保有タンク５内のクーラント受部７内に供給される。

【００１４】 該クーラント受部７内に供給されたクーラント液中の切粉、浮遊スラッジが回 動するバケットコンベア１のバケット２によってクーラント液から分離される。

【００１５】 すなわち、前記クーラント受部７内に供給された切粉は、バケット２ですくい 上げられて該バケット２内に捕捉され、かさ比重の軽い浮遊スラッジは前記バケ ット２内に捕捉された切粉上にのって捕捉され、バケット２の上昇過程において クーラント液と分離される。

【００１６】 さらに、前記バケット２はバケットコンベア１の上昇端で反転させられ、反転 衝撃力によってバケット２内に捕捉された切粉、浮遊スラッジがバケット２内か らスラッジカート８内に投入排出されるものである。

【００１７】 一方、前記バケット２によって切粉、浮遊スラッジと分離されてほとんど清浄 となったクーラント液はクーラント受部７から逆洗装置１２ａ、１２ｂを有する 回転フィルター９ａ、９ｂを通って濾過されてクーラント液保有タンク５内へ清 浄なクーラント液として供給され、マシン供給ポンプ１１によって工作機械等に 供給され、機械加工に再利用されるものである。

【００１８】 なお、前記回転フィルター９ａ、９ｂに目詰りが生じた場合には逆洗装置１２ ａ、１２ｂから清浄クーラント液が噴射され、目詰り物がクーラント受部７に戻 され、バケット２による再度の捕捉が行われる。

【００１９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００２０】 図１及び図２に示されている１はバケットコンベアであり、全体が傾斜させら れ、液切れしやすい逆三角錐形状の構造になるバケット２が多数取りつけられて 無端状に構成されるとともに、チェーン３を介したギアードモータ４によって回 動自在に構成されている。

【００２１】 そして、前記バケットコンベア１の下端には流入トイ６から流入する混濁クー ラント液の貯留部となるクーラント受部７が構成され、上端の下方にはバケット ２内の切粉、浮遊スラッジが投入排出されるスラッジカート８が設けられる。

【００２２】 前記バケット２は、バケットコンベア１の回動によって移動させられ、下端に おいてはクーラント受部７内の混濁クーラント液中の切粉や浮遊スラッジをすく い上げ、上昇過程では開口部を上方に保ち、上昇端で反転し、前記クーラント受 部７内ですくい上げた切粉、浮遊スラッジを反転衝撃力によって、前記スラッジ カート８に投入排出するように構成されている。

【００２３】 さらに、前記クーラント受部７の外周にはクーラント液保有タンク５が設けら れる。

【００２４】 ９ａ、９ｂは逆洗装置１２ａ、１２ｂを有する回転フィルターであり、前記ク ーラント受部７の両側にそれぞれ設けられ、該クーラント受部７と前記クーラン ト液保有タンク５間にあり、その間を連通している。

【００２５】 図３、図４及び図５には、前記逆洗装置１２ａを有する回転フィルター９ａの 詳細が示されている。

【００２６】 図面実施例において、該回転フィルター９ａとして、例えば４０メッシュの平 織りの金網等が使用され、前記クーラント受部７の一側面に回転自在に設けられ 、前記バケットコンベア１の回転軸１３との間に掛渡されたチェーン１４によっ て回転させられるとともに、前記クーラント受部７とクーラント液保有タンク５ との間を連通し、クーラント受部７に投入された混濁クーラント液を前記回転フ ィルター９ａで濾過してクーラント液保有タンク５内に清浄クーラント液を供給 している。

【００２７】 なお、前記クーラント液保有タンク５内の清浄クーラント液は、その最高液面 が前記回転フィルター９ａの回転軸よりも少々下方に位置するように設定されて いる。

【００２８】 前記逆洗装置１２ａは、前記回転フィルター９ａの上半部のクーラント液保有 タンク５側に設けられ、回転フィルター９ａ側に多数の清浄クーラント噴出口１ ６を設けて構成され、必要時に逆洗ポンプ１０から清浄クーラント液が供給噴射 される。

【００２９】 前記構成において、前記回転フィルター９ａに目詰りが生じた場合には、逆洗 ポンプ１０を作動させ、クーラント液保有タンク５側に設けられた逆洗装置１２ ａから清浄なクーラント液を回転フィルター９ａに吹き付ける。その結果、回転 フィルター９ａの目詰りが解消させられるとともに、目詰り物がクーラント受部 ７内に戻され、バケット２による再度の捕捉が可能となる。

【００３０】 なお、図示していないが、前記クーラント受部７の他側面に設けられた逆洗装 置１２ｂを有する回転フィルター９ｂ部も、同様に構成されている。

【００３１】 １１はマシン供給ポンプであり、前記クーラント液保有タンク５内の清浄なク ーラント液を工作機械等に供給し、再利用するためのものである。

【００３２】 前記構成になる本考案では、まず、工作機械等の機械加工によって発生する切 粉、浮遊スラッジを含んだ混濁クーラント液が流入トイ６を介してクーラント受 部７に供給される。

【００３３】 同時に、ギアードモータ４により前記バケットコンベア１が回動させられ、該 バケットコンベア１に取りつけられたバケット２が移動させられる。

【００３４】 その結果、バケット２がクーラント受部７内を通過する際に該クーラント受部 ７内に供給された混濁クーラント液中の切粉、浮遊スラッジをすくい上げる。

【００３５】 すなわち、前記バケット２がクーラント受部７内の混濁クーラント液中に浸漬 され、つぎに上昇させられると、切粉、浮遊スラッジがすくい上げられ、液切れ が行われ、クーラント液から切粉、浮遊スラッジが捕捉される。

【００３６】 前記過程において、まず比較的粒径の大きい切粉がバケット２内に捕捉され、 細かい切粉、浮遊スラッジがそれらの上にのる形で捕捉される。

【００３７】 その後、前記バケット２が上昇移動させられてバケットコンベア１の上昇端に おいて反転させられ、その反転衝撃力によってバケット２内に捕捉された切粉、 浮遊スラッジがスラッジカート８に投入排出される。

【００３８】 そして、ほとんどの切粉、浮遊スラッジが分離されたクーラント液は逆洗装置 １２ａ、１２ｂを有する回転フィルター９ａ、９ｂを通って濾過され、クーラン ト受部７の外周に設けられたクーラント液保有タンク５へ清浄なクーラント液と なって供給される。

【００３９】 さらに、前記クーラント液保有タンク５内に供給された清浄なクーラント液は 、マシン供給ポンプ１１によって工作機械等に供給されて再び機械加工に使用さ れる。

【００４０】

【考案の効果】

本考案によれば、切粉、浮遊スラッジを含んだ混濁クーラント液が、フィルタ ー部分を破損したり、目詰まりをおこしたりすることがなく、切粉、浮遊スラッ ジをクーラント液から有効に除去でき、清浄なクーラント液を得て再利用するこ とができるとともに、コンパクトな構造で保守の必要性も少なく、スラッジの液 切れがよい等々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案になる非磁性体用バケットコンベア式セ
パレータの一部切欠正面図である。

【図２】その平面図である。

【図３】回転フィルター部の要部正面図である。

【図４】図３のＩＶーＩＶ線断面図である。

【図５】回転フィルター駆動部の正面図である。

【符号の説明】

１ バケットコンベア ２ バケット ５ クーラント液保有タンク ７ クーラント受部 ９ａ 逆洗装置を有する回転フィルター ９ｂ 逆洗装置を有する回転フィルター １１ マシン供給ポンプ １２ａ 逆洗装置 １２ｂ 逆洗装置

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 33/44 33/58 35/02 Ｂ２３Ｑ 11/00 Ｕ 7908−3Ｃ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 切粉や浮遊スラッジを含む混濁クーラン
   ト液が供給されるクーラント受部と、該クーラント受部
   に供給されたクーラント液から切粉や浮遊スラッジをす
   くい上げ、該切粉や浮遊スラッジをスラッジカートへ投
   入排出するバケットコンベアと、前記クーラント受部の
   外周に設けられ、逆洗装置を有する回転フィルターを介
   して前記クーラント受部と連通されたクーラント液保有
   タンクと、該クーラント液保有タンク内のクーラント液
   を工作機械等へ供給するマシン供給ポンプとからなるこ
   とを特徴とする非磁性体用バケットコンベア式セパレー
   タ。