JP3098932B2 - プライマー組成物 - Google Patents

プライマー組成物

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    • C09D4/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; Coating compositions, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09D183/00 - C09D183/16
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プライマー組成物に関
し、特にシリコーンゴムに硬化性液状フッ素ゴムを接着
するのに好適なプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シリーンゴムは、その優れた耐候性、耐
熱性及び電気特性により、多くの分野で使用されてい
る。しかし、当該シリコーンゴムは、耐溶剤性及び耐薬
品性に劣るため、その用途に限界がある。そこで、シリ
コーンゴムの表面を改質する有望な材料として、硬化性
液状フッ素ゴムがある。この硬化性液状フッ素ゴムは、
硬化前は低粘度で塗布作業に適し、塗布後に150 ℃程度
の温度で加熱することにより硬化して、ゴム状弾性を有
する硬化被膜を形成するものである。こうして得られる
硬化被膜は耐溶剤性及び耐薬品性に優れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の硬化性
液状フッ素ゴムの硬化被膜は、シリコーンゴムに対して
接着性が低いため、得られる耐溶剤性・耐薬品性の耐久
性が低いという欠点を有する。それにもかかわらず、従
来液状フッ素ゴムとシリコーンゴムとの接着性を向上す
るのに有用なプライマーは知られていない。そこで、本
発明の目的は、シリコーンゴムと硬化性液状フッ素ゴム
の硬化被膜とを強固に接着することができる、新規なプ
ライマー組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A) 含
フッ素有機基を有し、かつ分子両末端にハイドロジェン
シリル基を有する有機ケイ素化合物、及び(B) 白金族金
属系触媒を有効成分として含有するプライマー組成物が
提供される。
【0005】(A) 有機ケイ素化合物 (A) 成分の有機ケイ素化合物は、含フッ素有機基を有
し、かつ分子両末端にハイドロジェンシリル基を有する
必要がある。含フッ素有機基は、少なくとも1個のフッ
素原子を含有する2価の有機基である。このような有機
基としては、フルオロアルキレン基、パーフルオロアル
キレン基、2価のフルオロアルキルエーテル基、2価の
パーフルオロポリエーテル基等が挙げられる。含フッ素
有機基に含まれるフッ素原子の数は、多いほど改質効果
が優れる。好ましくは、炭素原子数1〜20のパーフルオ
ロアルキレン基及び2価のパーフルオロポリエーテル基
である。また、有機ケイ素化合物(A) が有するハイドロ
ジェンシリル基は、 一般式:
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基等のアルキル基であり、Lは1〜3の整数である〕
で表され、Rは好ましくはメチル基であり、Lは好まし
くは1である。このような有機ケイ素化合物(A) の好ま
しい例としては、一般式(1) :
【0008】
【化3】
【0009】〔式中、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基等のアルキル基であり、Lは1〜3の整数であり、
Rfは2価の含フッ素有機基であり、R1 は同一でも異
なってもよく、2価の炭化水素基であり、R2 は置換又
は非置換の1価炭化水素基であり、m及びnは0〜2の
整数である〕で示される化合物が挙げられる。一般式
(1) において、Rfで表される含フッ素有機基の好まし
い例は、2価のパーフルオロポリエーテル基、パーフル
オロアルキレン基及び2価のパーフルオロポリエーテル
基とパーフルオロアルキレン基との組合せからなる2価
の基である。例としては、-CF2CF2-, -CF2CF2CF2CF2-,
-C8F16-, -CF2OCF2-, -CF2OCF2CF2OCF2-,-CF2OCF(CF3)O
CF2CF2CF2-, -[CF(CF3)OCF2]3[CF2OCF(CF3)]3- ,-[CF(C
F3)OCF2]10[CF2OCF(CF3)]15-及び -(CF2O)2(CF2CF2O)
4[CF(CF3)CF2O]2(CF2CF2CF2CF2O)-が挙げられる。R1
で表される2価の炭化水素基としては、例えば、エチレ
ン基、プロピレン基等の炭素原子数1〜8のアルキレン
基、フェニレン基、下記の化学式:
【0010】
【化4】
【0011】で表される基等の炭素原子数6〜12のア
リーレン基が挙げられ、アルキレン基が好ましく、特に
好ましいのはエチレン基である。そして、R2 はメチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基
等のアリール基が挙げられ、アルキル基が好ましく、特
に好ましいのはメチル基である。
【0012】一般式(1) の有機ケイ素化合物は、例え
ば、R1 がエチレン基の場合、次のようにして作成され
る。まず、下記の一般式: CH2=CH-Rf-CH=CH2 〔式中、Rfは前記と同じ意味を表す〕に示す含フッ素
有機化合物と下記の一般式: H(Cl)3-n Si(R2)n 及び H(Cl)3-m Si(R2)m 〔式中、R2 、n及びmは前記と同じ意味を表す〕に示
される化合物とを、白金触媒の存在下で反応させて、下
記の一般式: [(Cl)3-nSi(R2)n ]CH2CH2-Rf-CH2CH2[(R2) m Si(Cl)3-m ] に示される化合物を合成する。こうして得られた化合物
を下記一般式: (H)L Si(R)3-LO (R)3-LSi (H)L 〔式中、R及びLは前記と同じ意味を表す〕に示される
化合物と共加水分解して、下記の一般式:
【0013】
【化5】 に示される有機ケイ素化合物を得る。
【0014】(B) 白金族金属系触媒 (B) 成分の白金族金属系触媒は、例えば、Rh、Pd、
Pt及びそれらの化合物が挙げられる。特に白金系触媒
が、プライマーとしての効果、コスト等の点から好まし
い。例えば、白金黒、白金をアルミナ・シリカ・珪藻土
等の担体に担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸と
アルコール・エーテル・アルデヒド・エチレン等のオレ
フィンとの錯体等が挙げられる。これらの中では、塩化
白金酸とオレフィンとの錯体が好ましい。
【0015】白金族金属系触媒(B) の量は、所謂触媒と
しての有効量であればよく、その最適量は、該プライマ
ー組成物が適用されるシリコーンゴム及び硬化性液状フ
ッ素ゴムの種類に応じて決めればよい。通常、有機ケイ
素化合物(A) に対して、白金族金属換算で、10〜10,000
ppmであればよく、好ましくは、100 〜5,000 ppm であ
る。
【0016】プライマー組成物の調製 本発明のプライマー組成物は、白金族金属系触媒(B) を
有機ケイ素化合物(A)中に溶解又は分散させることによ
り容易に調製することができる。このとき、得られる組
成物の粘度を調整する等のため、必要に応じて有機溶剤
を添加してもよい。有機溶剤としては、例えば、ヘキサ
ン、トルエン、キシレン、ゴム揮発油等の炭化水素系有
機溶剤及びメタキシレンヘキサフルオライド等のフッ素
系有機溶剤が挙げられる。
【0017】プライマー組成物の使用方法 本発明のプライマー組成物が用いられるゴムと硬化被膜
との組合せは、限定されるものではないが、特にシリコ
ーンゴムの表面に硬化性液状フッ素ゴムの硬化被膜を形
成して、シリコーンゴムの表面を改質するのに有用であ
る。該改質方法は、シリコーンゴムの表面に上記プライ
マー組成物を塗布し、次いで得られた塗布面に硬化性液
状フッ素ゴムを塗布した後、硬化させることからなる。
すなわち、まず、シリコーンゴムの表面に本発明の組成
物を塗布し塗膜を形成する。塗布する方法は、特に限定
されず、刷毛塗り、スプレー塗布、プライマー組成物溶
液にシリコーンゴムを浸漬する方法等が挙げられる。次
に、得られた塗膜を室温で風乾する。乾燥時間は塗膜の
厚みにより変わるが、通常10〜20分間でよい。次に、乾
燥した塗膜の上に、硬化性液状フッ素ゴムを塗布する。
そして、硬化に必要とする温度まで昇温し、液状フッ素
ゴムを硬化させる。改質の対象となるシリコーンゴム
は、特に限定されず、例えば、過酸化物硬化型のミラブ
ルタイプのシリコーンゴム、縮合硬化型室温硬化性シリ
コーンゴム、付加硬化型室温硬化性シリコーンゴム等が
挙げられる。改質に用いられる液状硬化性フッ素ゴム
は、常温で塗布作業に適した低粘度を示し、150 ℃程度
の温度で硬化してゴム状弾性体となるものが好適であ
る。このようなものとしては、例えば、SHIN-ETSU SIFE
L 200 ・600 [商品名、信越化学工業(株)製]が挙げ
られる。
【0018】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明する。実施例1〜10、比較例1〜4 下記のフッ素を含有する有機ケイ素化合物A〜F及びフ
ッ素を含有しない有機ケイ素化合物Gを用意した。 A:(HSiMe2O)3SiC2H4-[(CF(CF3)OCF2]2[CF2OCF(CF3)]2-C2H4Si(OSiMe2H)3 B:(HSiMe2O)2SiMeC2H4-CF2OCF2CF2OCF2-C2H4SiMe(OSiMe2H)2 C:(HSiMe2O)3SiC2H4-CF2OCF(CF3)OCF2CF2CF2-C2H4Si(OSiMe2H)3 D:(HSiMe2O)3SiC2H4-C2F4-C2H4Si(OSiMe2H)3 E:(HSiMe2O)3SiC2H4-C4F8-C2H4Si(OSiMe2H)3 F:(HSiMe2O)3SiC2H4-C6F12-C2H4Si(OSiMe2H)3 G:(HSiMe2O)3SiC2H4-C6H12-C2H4Si(OSiMe2H)3 各実施例及び各比較例において、表1に示すとおりの有
機ケイ素化合物(A) 、白金族金属系触媒(B) 及び有機溶
剤を、表に示す割合で混合し、それぞれのプライマー組
成物溶液を調製した。このようにして得られた組成物溶
液を、10cm×10cmのシリコーンゴムKE555U[商品
名、信越化学工業( 株) 製]の表面に塗布した。次に、
塗布された表面を室温で15分間、風乾した。次に、乾燥
したプライマー組成物塗布面に硬化性液状フッ素ゴムSH
IN-ETU SIFEL 600[商品名、信越化学工業(株)製]を
ひも状に押し出して付着させた後、150 ℃に加熱し、該
硬化性液状フッ素ゴムを硬化させた。こうして、プライ
マー組成物塗布面上に、細長い突起状(ビード状)の硬
化物を形成した。次に、当該硬化物の接着性を試験する
ため、当該硬化物の一端を手で垂直方向に引張って剥が
すことを試みた。接着性の判定方法は、フッ素ゴム被膜
が剥離できない場合を良とし、そしてフッ素ゴム被膜が
容易に剥離される場合を不良とした。各実施例及び各比
較例について得られた結果を表1に記す。
【0019】
【表1】 IPA :イソプロピルアルコール ウイルキンソン錯体:(Ph3P)3RhCl 1000ppm( ただし、P
hはフェニル基を示す。)
【0020】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物によれば、シ
リコーンゴムと硬化性液状フッ素ゴムとの接着性が著し
く向上する。したがって、耐候性、耐熱性及び電気特性
には優れるシリコーンゴムで、従来劣っていた耐溶剤性
及び耐薬品性が大きく改善され、シリコーンゴムの用途
がさらに拡大される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 靖 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 米国特許4100136(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/06 C08L 83/04 - 83/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 含フッ素有機基を有し、かつ分子両
    末端にハイドロジェンシリル基を有する有機ケイ素化合
    物、及び(B) 白金族金属系触媒を有効成分として含有す
    るプライマー組成物。
  2. 【請求項2】 有機ケイ素化合物が、一般式(1) : 【化1】 〔式中、Rはアルキル基であり、Lは1〜3の整数であ
    り、Rfは2価の含フッ素有機基であり、R1 は同一で
    も異なってもよく、2価の炭化水素基であり、R2 は置
    換又は非置換の1価炭化水素基であり、m及びnは0〜
    2の整数である〕で示される化合物である、請求項1記
    載のプライマー組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンゴムの表面に前記プライマー
    組成物を塗布し、次いで得られた塗布面に硬化性液状フ
    ッ素ゴムを塗布した後、硬化させることからなる、シリ
    コーンゴムの表面改質方法。
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