JP3098694U - 金属製ドア用緩衝材 - Google Patents

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力石 富文
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Abstract

【課題】水密性、気密性並びに遮音性を大幅に向上させる。
【解決手段】シリコンゴムによって製作する。軸断面形状を、ドア枠8の緩衝材嵌合溝9に嵌合する部分2を中空の角形になすと共に両側部に緩衝材嵌合溝9の開口側に傾斜する複数の抜け止め用突片3、3を形成する。また、緩衝材嵌合溝9から突出する金属製扉10に接触する部分4を、金属製扉10における内面と内側角部とに接触するように内向きに適宜の角度に湾曲5させる。更にまた金属製扉10に接触する部分4の内部にゴム磁石6を配置する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は金属製ドア用緩衝材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属製ドア、特に特殊防火設備における金属製ドアには、金属製ドア枠と金属製扉との開閉時の衝撃を和らげ、また水密性や気密性、遮音性を保持する目的で緩衝材が用いられる。
【0003】
図3は従来の緩衝材を用いた金属製ドアの一部を示しており、緩衝材100は、金属製ドア101における金属製ドア枠102に形成された緩衝材嵌合溝103に嵌合させて取り付けられる。
【0004】
そしてまた、斯かる従来の緩衝材100は、図4及び図5に示す如き形態である。先ず図4に示す従来の緩衝材100について説明すると、軸断面形状を、金属製ドア枠102の緩衝材嵌合溝103に嵌合するソリッドゴムからなる部分100Aを中空の角形になすと共に両側部に直角に張り出す複数の抜け止め用突片100Bを形成し、緩衝材嵌合溝103から突出する金属製扉に接触するスポンジゴムからなる部分100Cを、金属製扉における内側角部に接触するように所定の角度に傾斜させた形状となしたものである。
【0005】
また、図5に示す従来の緩衝材100は、スポンジゴムからなり、軸断面形状を、金属製ドア枠102の緩衝材嵌合溝103に嵌合する部分100Aを中空の角形になすと共に、緩衝材嵌合溝103から突出する金属製扉に接触する部分100Cを、金属製扉における内側角部に接触するように所定の角度に傾斜させた形状となしたものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、斯かる従来の緩衝材100には、次の如き問題点がある。それは緩衝材100は金属製ドア枠102の緩衝材嵌合溝103に単に嵌合しているだけであり、そして金属製扉に施錠したときには、金属製扉と金属製ドア枠との間に通常僅かながらガタが生じるから、これら緩衝材100と金属製扉との間に隙間が生じやすい。例えば、この隙間が1mmあると“ピー”という音が生じ、2〜3mmあると“ゴー”という音を発生する。特に、エレベーターホールに面する扉にあっては、この隙間が非常時に致命的な欠陥となる場合がある。また、これらが接触したとしても、緩衝材100の一部(図上A点)のみが一点で金属製扉の内側角部に接触するのみであるから、水密性、気密性並びに遮音性の面において充分な機能を発揮することができない。
【0007】
本考案は上記の点に鑑みなされたものであって、緩衝材と金属製扉との接触を確実になさしめると共に、緩衝材の金属製扉への接触を、金属製扉における内面と内側角部との2箇所において行うようになし、もって水密性、気密性並びに遮音性を大幅に向上せしめることができるようになした緩衝材を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
而して、本考案の要旨とするところは、シリコンゴムからなり、軸断面形状を、ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分を中空の角形になすと共に両側部に緩衝材嵌合溝の開口側に傾斜する複数の抜け止め用突片を形成し、緩衝材嵌合溝から突出する金属製扉に接触する部分を、金属製扉における内面と内側角部とに接触するように内向きに適宜の角度に湾曲せしめた形状となし、更に前記金属製扉に接触する部分の内部に磁石を配置してなる金属製ドア用緩衝材にある。
【0009】
また、上記構成において、磁石としては、ゴム内に磁石の粉を分散させたゴム磁石を用いることが好ましい。このようにした場合には次の如き効果を期待することができる。即ち、従来の緩衝材にあっては金属製ドア枠に合わせて枠状に四角に形成し、この状態において現場に運び込み、金属製ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌め込んでセットしていたが、持ち運びに不便であった。また四角い形の全体が一体であるから、溝内で位置を合わせにくく、嵌め込みにも手間がかかった。これに対して、上記の如くなした場合には、ゴム磁石は弾性を有するからシリコンゴムからなる緩衝材本体と一緒に曲げて丸めることができ、且つまた切断することも可能となるものである。したがって、持ち運びが容易になり、また現場において適宜の長さに切断して使用することができるから、金属製ドア枠の緩衝材嵌合溝への嵌め込み作業も能率良く行うことができ、取り付け作業を大幅にスピードアップすることができるものである。
【0010】
更にまた、本考案は、次の金属製ドア用緩衝材をもその要旨とするものである。
シリコンゴムからなり、軸断面形状を、ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分を中空の角形になすと共に両側部に緩衝材嵌合溝の開口側に傾斜する複数の抜け止め用突片を形成し、緩衝材嵌合溝から突出する金属製扉に接触する部分を、金属製扉における内面と内側角部とに接触するように内向きに適宜の角度に湾曲せしめた形状となし、更に前記金属製扉に接触する部分の内部に磁石を配置してなる金属製ドア用緩衝材であって、更に前記ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分における端面に、厚味を変更可能な充填材を配置してなる金属製ドア用緩衝材。
【0011】
また、斯かる構成において、磁石としては、ゴム内に磁石の粉を分散させたゴム磁石を用いることが好ましい。尚、この場合による効果は上記の通りである。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本考案の第1実施形態の金属製ドアにセットした状態の要部拡大断面図である。
【0013】
図中、1は金属製ドア用緩衝材である。該金属製ドア用緩衝材1は、シリコンゴムからなり、軸断面形状を、ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分2を中空の角形になすと共に両側部に緩衝材嵌合溝の開口側に傾斜する複数の抜け止め用突片3、3を形成し、緩衝材嵌合溝から突出する金属製扉に接触する部分4を、金属製扉における内面と内側角部とに接触するように内向きに適宜の角度に湾曲5せしめた形状となし、更に前記金属製扉に接触する部分4の内部に磁石6を配置してなるるものである。
【0014】
また、磁石6としては、本実施形態では、ゴム内に磁石の粉を分散させたゴム磁石を用いている。また、その他図中7は金属製ドア、8は金属製ドア枠、9は該金属製ドア枠8に形成した緩衝材嵌合溝、10は金属製扉を示す。
【0015】
次に、本実施形態の作用について説明する。
金属製扉10を閉じたときにおいては、金属製ドア用緩衝材1内に配置したゴム磁石6の磁力によって金属製ドア10が引き寄せられ、金属製ドア用緩衝材1と金属製扉10との接触状態を確実に保持することができるものである。且つまた、このとき金属製ドア用緩衝材1の金属製扉10への接触は、金属製扉10における内面(B点)と内側角部(C点)との2箇所において行われる。而も内面(B点)における接触は、接触面積の大きな面接触となる。これらのことから水密性、気密性並びに遮音性を大幅に向上せしめることができるものである。因みに、遮音性に関しての実験では、従来の緩衝材では25ホーンしか減衰することができなかったが、本考案では35ホーンまで減衰することができた。そしてまた、ゴム磁石6を用いたことにより持ち運びが容易になり、また取り付け作業を大幅にスピードアップすることができるものである。加えて、抜け止め用突片3、3は緩衝材嵌合溝9の開口側に傾斜するようになしているから、抵抗が大きくなり、容易に抜け出なくすることができるものである。
【0016】
次に、図2に示した本考案の第2実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、基本的な形態においては同一である。したがって、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0017】
而して、本実施形態は、上記構成においてドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分2における端面に、厚味を変更可能な充填材11を配置してなるものである。また、本実施形態にあっては該充填材11として、複数枚の板状充填材11a、11b、11cを相互を剥離自在に重ねて接着してなるものを用いている。
【0018】
本実施形態による場合には、前記第1実施形態による作用、効果に加えて、ドア枠8の緩衝材嵌合溝9の深さが金属製ドア用緩衝材1に適合せず、これより深い場合に、その深さに応じて板状充填材11a、11b、11cを増減して対応させることができるものである。
【0019】
【考案の効果】
本考案は上記の如き構成、作用であり、金属製ドア用緩衝材と金属製扉との接触状態を確実に保持することができ、且つまたこのとき金属製ドア用緩衝材の金属製扉への接触を、金属製扉における内面と内側角部との2箇所において行うことができ、而も金属製扉における内面との接触は、接触面積の大きな面接触となるものである。よって水密性、気密性並びに遮音性を大幅に向上せしめることができるものである。また、抜け止め用突片は緩衝材嵌合溝の開口側に傾斜するようになしているから、抵抗が大きくなり、容易に抜け出なくすることができるものである。
【0020】
また、磁石としてゴム磁石を用いた場合には、持ち運びが容易になり、且つまた取り付け作業を大幅にスピードアップすることができるものである。
【0021】
また、ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分における端面に、厚味を変更可能な充填材を配置した場合には、上記効果に加えてドア枠の緩衝材嵌合溝の深さが金属製ドア用緩衝材に適合せず、これより深い場合に、その深さに応じて充填材の厚味を変えることによって対応させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施形態の金属製ドアにセットした状態の要部拡大断面図である。
【図2】本考案の第2実施形態の金属製ドアにセットした状態の要部拡大断面図である。
【図3】従来の緩衝材を用いた金属製ドアの一部の斜視図である。
【図4】従来の緩衝材の軸断面図である。
【図5】従来の緩衝材の他の例の軸断面図である。
【符号の説明】
1 金属製ドア用緩衝材
2 緩衝材嵌合溝に嵌合する部分
3、3 抜け止め用突片
4 金属製扉に接触する部分
5 金属製扉に接触する部分における湾曲部分
6 ゴム磁石
11 充填材

Claims (4)

  1. シリコンゴムからなり、軸断面形状を、ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分を中空の角形になすと共に両側部に緩衝材嵌合溝の開口側に傾斜する複数の抜け止め用突片を形成し、緩衝材嵌合溝から突出する金属製扉に接触する部分を、金属製扉における内面と内側角部とに接触するように内向きに適宜の角度に湾曲せしめた形状となし、更に前記金属製扉に接触する部分の内部に磁石を配置してなる金属製ドア用緩衝材。
  2. 磁石が、ゴム内に磁石の粉を分散させたゴム磁石である請求項1記載の金属製ドア用緩衝材。
  3. シリコンゴムからなり、軸断面形状を、ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分を中空の角形になすと共に両側部に緩衝材嵌合溝の開口側に傾斜する複数の抜け止め用突片を形成し、緩衝材嵌合溝から突出する金属製扉に接触する部分を、金属製扉における内面と内側角部とに接触するように内向きに適宜の角度に湾曲せしめた形状となし、更に前記金属製扉に接触する部分の内部に磁石を配置してなる金属製ドア用緩衝材であって、更に前記ドア枠の緩衝材嵌合溝に嵌合する部分における端面に、厚味を変更可能な充填材を配置してなる金属製ドア用緩衝材。
  4. 磁石が、ゴム内に磁石の粉を分散させたゴム磁石である請求項3記載の金属製ドア用緩衝材。
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JP2022147147A (ja) * 2021-03-23 2022-10-06 株式会社Lixil 建具および衝撃吸収部材

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