JP3098613B2 - 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法 - Google Patents

有機自硬性鋳型を用いた鋳造法

Info

Publication number
JP3098613B2
JP3098613B2 JP04137842A JP13784292A JP3098613B2 JP 3098613 B2 JP3098613 B2 JP 3098613B2 JP 04137842 A JP04137842 A JP 04137842A JP 13784292 A JP13784292 A JP 13784292A JP 3098613 B2 JP3098613 B2 JP 3098613B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
casting
odor
deodorizer
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04137842A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05305385A (ja
Inventor
孝男 堀江
正一 酒井
Original Assignee
株式会社岡本
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社岡本 filed Critical 株式会社岡本
Priority to JP04137842A priority Critical patent/JP3098613B2/ja
Publication of JPH05305385A publication Critical patent/JPH05305385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3098613B2 publication Critical patent/JP3098613B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、有機自硬性鋳型を用いた鋳造法
に係り、特に金属溶湯の注湯時に有機自硬性鋳型から発
生する臭いの問題を効果的に解消する技術に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来より、目的とする形状の鋳物製品を得
るべく、自硬性鋳型を用いた所定の金属溶湯の鋳造操作
が、広く採用されてきている。そして、そこで用いられ
る自硬性鋳型を大別すると、使用する粘結剤により、有
機自硬性鋳型と無機自硬性鋳型とに分けることが出来る
が、現在は、有機自硬性鋳型を用いた鋳造法、例えばフ
ランノーベーク鋳型法が、砂の再生率、鋳造コスト、鋳
物品質、生産性等の点で優れ、最も多く採用されてい
る。
【0003】ところで、無機自硬性鋳型に対し、有機自
硬性鋳型は、鋳物砂の粘結剤である樹脂及びその硬化剤
に有機物を用いることから、金属溶湯の注湯時に鋳型内
の樹脂や硬化剤が分解せしめられることとなり、それに
よって不快な臭い乃至はガスが発生することは、宿命的
な問題であるとされている。例えば、フランノーベーク
鋳型法の場合において、その基本的な樹脂化反応は、フ
ルフリルアルコールの第1級アルコール基とフラン環の
5位の水素との脱水縮合反応と考えられるが、鋳型内に
注湯される溶湯により、鋳物砂中の樹脂及び硬化剤は分
解燃焼し、CO2 、SO2 を主とするガスを発生せし
め、これが臭い発生の原因となっているのである。
【0004】このような有機自硬性鋳型に宿命的に内在
する臭いの発生について、その問題を解消すべく、従来
から種々なる対策が講じられてきている。例えば、燃焼
法として、有機自硬性鋳型から発生した臭気成分を高温
で酸化することにより、無臭のガスに分解・変換して、
脱臭を行なう方法が提案され、また活性炭、活性白土等
の物理吸着を利用したり、イオン交換樹脂等の化学吸着
を利用した吸着法、更には吸収筒内で吸収液に酸化剤と
酸化触媒を添加し、臭気ガス成分を吸収液に吸収させる
と同時に、薬剤により酸化分解する薬液酸化洗浄法等が
提案され、鋳造工場の実情に応じて採用されてきてい
る。
【0005】しかしながら、それら従来の脱臭技術は、
鋳造工場の臭気を公害対策の面から処理しようとするも
のであって、鋳造工場全体の臭気対策であるところか
ら、設備が著しく大型化し、設備コストも膨大となり、
比較的企業規模の小さな鋳造工場にとって、そのような
脱臭技術の採用は、極めて困難なものであった。しか
も、鋳造工場における臭気の発生は、連続的なものでは
ないところから、発生した臭気を如何に効率良く処理す
るか、どうかの点についても、大きな問題を内在するも
のであったのである。
【0006】また、上記の如き従来の脱臭技術は、公害
対策の面から、鋳造工場全体を対象としたものであるた
めに、鋳造工場内において作業する作業者の作業環境の
改善の面からは、何等顧慮されておらず、そのような作
業環境の改善には殆ど寄与していないのが実情である。
【0007】
【解決課題】そこで、本発明は、かかる事情を背景にし
て為されたものであって、その課題とするところは、有
機自硬性鋳型を用いた鋳造法において、その臭気発生源
での脱臭を図り、鋳造工場内における作業環境の改善を
達成し、ひいては鋳造工場全体の公害対策に効果的に寄
与することにあり、また大型の脱臭設備を用いることな
く、発生する臭気の処理に適宜に応じられ得、更には脱
臭コストの低減をも図り得る技術を提供することにあ
る。
【0008】
【解決手段】そして、上記の課題を解決するために、本
発明にあっては、有機自硬性の鋳物砂にて所定の鋳枠内
に鋳造キャビティを形成して、造型された有機自硬性鋳
型を用い、かかる鋳型内の鋳造キャビティに所定の金属
溶湯を注湯して、目的とする鋳物製品を鋳造するに際
し、前記有機自硬性鋳型における鋳枠の内側に位置する
ように吸気層を設けて、該吸気層を外部の排気通路に接
続せしめる一方、該排気通路上に、上流側より、吸気手
段、圧縮機、蓄圧器、並びに所定の容器内に脱臭剤を充
填してなる脱臭器を順次設けて、前記金属溶湯の注湯時
に鋳物砂から生じる臭気乃至はガスを、該吸気手段の吸
引作用によって排気通路に導き、そして該圧縮機にて圧
縮した後、前記蓄圧器を介して、前記脱臭器に流入させ
ると共に、その臭気乃至はガスを、脱臭器内の圧力が所
定の圧力に到達するまで、該脱臭器内に滞留させるよう
にしたことを特徴とする有機自硬性鋳型を用いた鋳造法
を、その要旨とするものである。
【0009】
【具体的構成・実施例】ところで、図1には、かかる本
発明に従う鋳造法を実施するべく構成された、有機自硬
性鋳型及びそれに接続された排気通路の一例が概略的に
示されており、互いに重ね合わされた状態で一体的な有
機自硬性鋳型を構成する上型2及び下型4には、それぞ
れ、エアホース34が接続されることによって、排気通
路が形成されている。そして、該排気通路上には、上流
側より、吸気手段たる真空ポンプ8、圧縮機10、蓄圧
器12、並びに脱臭器14が順次設けられ、該通路の末
端は排気口16として開口せしめられる。また、真空ポ
ンプ8の上流にはボールバルブ17が設けられており、
更に、脱臭器14に対しては、その上流に電磁弁18
が、その下流にリリーフバルブ19が設けられている。
【0010】そして、図2〜図4には、その有機自硬性
鋳型の構造が詳しく示されている。それらの図におい
て、有機自硬性鋳型は、上型2と下型4とが定盤6上に
おいて重ね合わされて、構成されており、その内部に
は、目的とする製品形状を与える鋳造キャビティ20が
形成されている。また、この上型2及び下型4は、それ
ぞれ、有機自硬性の鋳物砂26が鋳枠たる上枠22及び
下枠24内にそれぞれ充填せしめられることによって、
形成されているのである。
【0011】すなわち、それら上、下型2,4の上枠2
2及び下枠24内には、鋳造キャビティ20のキャビテ
ィ面を構成する所定厚さの肌砂層の背後に、例えば片
状、球状、塊状等の各種形状の金属材、セラミックス材
等の耐熱性のボリューム増加材28が充填され、更にそ
の背後に、鋳物砂26にてバックサンド部が形成され、
以て目的とする鋳型が造型されている。このような鋳型
構造を採用することによって、鋳物砂26の使用量が効
果的に低減されて、コストダウンが図られ得ると共に、
充填されるボリューム増加材28間における間隙の存在
によって、所定の金属溶湯を注湯した際の臭気乃至はガ
スの発生に対して、その吸引を効果的に実現し得るので
ある。なお、図において、25は中子であり、この中子
25の内部にも、ボリューム増加材28が充填され、中
子25において発生する臭気乃至はガスが上型2や下型
4の外周部側に容易に導かれ得るようになっている。ま
た、29は湯口であって、この湯口29を通じて、所定
の金属溶湯が鋳造キャビティ20内へ導かれるようにな
っている。更に、30は押湯である。
【0012】そして、上型2及び下型4には、図から明
らかなように、それぞれ、その上枠22及び下枠24の
内側に沿って、パンチングメタル等の剛性を有する所定
の多孔板31が配設され、この多孔板31よりも外側と
なる上枠22や下枠24との間に、通気空間たる吸気層
32が形成されている。なお、この多孔板31の内側に
は、鋳物砂26やボリューム増加材28が充填されるも
のであるところから、かかる多孔板31は、それら鋳物
砂26やボリューム増加材28を吸気層32へ漏出させ
ない程度の大きさの細孔を多数有するものとして形成さ
れている。また、かかる多孔板31は、通気性を考慮し
た上で、それぞれ細孔の大きさが異なる複数枚のものを
重ねて設けても良い(図6参照)。
【0013】さらに、吸気層32は、ここでは、上枠2
2や下枠24の内周面に沿って、その全長に亘って設け
られているが、鋳物砂26において発生する臭気やガス
が外部に漏れ出すことなく、有効に吸引されることとな
るならば、吸気層32は、鋳枠(22,24)の内周部
の所定長さの領域において設けられているだけであって
も、何等差支えない。尤も、そのような臭気乃至はガス
の有効な吸引のためには、例示の如き矩形の鋳枠(2
2,24)の場合において、その対向する少なくとも2
辺の内側に吸気層32が設けられていることが望まし
い。
【0014】なお、このような有機自硬性の鋳型(上型
2,下型4)の造型に際しては、先ず、所定の定盤上
に、内周面に多孔板(31)を取り付けてなる鋳枠(2
2,24)を載置し、次いでこの鋳枠(22,24)内
に、目的とする製品キャビティ形状(20)の所定部分
を与える模型が配置された状態において、有機自硬性の
鋳物砂(26)が投入されて、模型の表面に所定厚み、
好適には30〜50mm程度の肌砂層が形成される。な
お、有機自硬性の鋳物砂(26)としては、従来と同様
なものが用いられるものであって、例えば珪砂の如き鋳
物砂材料に対し、有機質粘結剤としてフラン系樹脂、フ
ェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が配合され、
またそのような樹脂を硬化せしめるための硬化剤が添加
せしめられてなるものである。
【0015】次いで、かかる肌砂層が形成された後に、
セラミックスボール等の耐熱性のボリューム増加材(2
8)が投入されて充填され、更にその上に鋳物砂(2
6)が裏砂として投入され、バックサンド部が形成され
る。なお、鋳型内の鋳物砂(26)とボリューム増加材
(28)との比率は、製品の形状、寸法、重量、更には
鋳枠の構造等に応じて適宜に設定されるものであるが、
鋳枠内の30〜40%の容積を、該ボリューム増加材に
て置き換えることは可能であり、それによって鋳型全体
の強度を低下させることはない。
【0016】その後、鋳型(2,4)の表面層が硬化す
るのを待って抜型が行なわれ、そしてその抜型された模
型は次の造型に使用され得るように、直ちに、先の充填
工程に戻される一方、得られた鋳型(2,4)は必要に
応じて塗型工程に移送されて塗型された後、次の鋳造工
程のために、それら上型(2)と下型(4)は、図2に
示される如く、定盤(6)上において、別途上記鋳型の
造型と同様にして造型された中子(25)と共に型合わ
せされ、図2に示される如き鋳型構造に組み立てられる
のである。
【0017】そして、図4から明らかなように、上型2
及び下型4には、それぞれ、その上枠22及び下枠24
に対して、エアホース34がエアカプラー36及びボー
ルバルブ17を介して取り付けられており、それら上枠
22及び下枠24の内側に形成された吸気層32に連通
せしめられている。そして、前記真空ポンプ8に対し
て、エアホース34が接続せしめられることにより、ボ
ールバルブ17による吸気作用の制御のもとに、吸気層
32を通じて、上型2及び下型4内が吸引・排気せしめ
られるようになっているのである。なお、真空ポンプ8
としては、従来から使用されている公知の各種ものが使
用され得、その下流側の排気通路上に設けられる前記圧
縮機10や前記蓄圧器12としても、公知の各種ものが
使用されることとなる。
【0018】一方、図5には、排気通路上に設置される
前記脱臭器14の構造の一例が示されている。そこにお
いて、38は容器本体であり、内部に4本の鋼管40が
互いに平行に配列され、溶接固定されている。それによ
って、各鋼管40内を順次通過して、流入口42から流
出口44に至る、蛇行状に屈曲した通路が形成されてお
り、該通路内には、ゼオライト等の所定の粒状乃至は塊
状の脱臭剤46が充填されている。また、48は、脱臭
剤46の漏出を防止するために取り付けられた通気性の
フィルターであり、例えば、前記鋳型の鋳枠(22,2
4)の内側に配設された多孔板31等が取り付けられ
る。従って、流入口42から流入せしめられた臭気乃至
はガスは、かかる蛇行状の通路を通過する間に、脱臭剤
46と効果的に接触せしめられ、有効に吸着されること
となるのである。
【0019】なお、脱臭剤46は、臭気の吸着による除
去を基本とするものであり、一般的にゼオライト、活性
炭、セピライト等の吸着脱臭剤が用いられることとなる
が、特に脱臭効率を常に一定に保つには、定期的な交換
が必要であり、コスト的にも安価であることが望ましい
ことから、天然ゼオライトよりも、フライアッシュを原
料とした人工ゼオライトの使用が最も有利である。
【0020】そして、本発明に従う鋳造法にあっては、
このようにして得られた排気通路を備えた鋳型に対し
て、その湯口29から、常法に従って、所定の金属溶
湯、例えば鋳鉄溶湯や溶鋼等が注湯される際に、ボール
バルブ17やエアカプラー36を介して上枠22や下枠
24の内側の吸気層32に接続されたエアホース34を
通じて、吸気手段たる真空ポンプ8にて吸気せしめるも
のである。これにより、鋳型内で発生する臭気乃至はガ
スが効果的に吸引除去されて、目的とする鋳物製品の鋳
造が行なわれることとなるのである。この際、鋳型に
は、吸気を均等にする吸気層32が設けられているとこ
ろから、図6に示すように、接続されたエアホース34
を介しての吸気が安定して行なわれ得るのである。
【0021】なお、注湯によって発生する臭気乃至はガ
スは、金属溶湯に触れる肌砂層(スキンサンド部)から
の発生が著しく多く、上型2の上部や下型4の下部のバ
ックサンド部では、熱による影響は少なく、臭気乃至は
ガスの発生は少ない。そして、例示の如き、鋳型の中間
部にボリューム増加材28を充填してなる鋳型構造にあ
っては、このような鋳型内部に位置する肌砂層から発生
する臭気乃至はガスが、より有効に吸気層32へ導かれ
ることとなる。何故なら、例えば、ボリューム増加材2
8として、35mmφ程度の直径を有するセラミックス
ボールを用いた場合において、それらセラミックスボー
ルの交点には、一片が6mm程度の三角形の隙間が生
じ、この隙間は3次元的に連鎖するところから、エアホ
ース34を通じて、外部から強制吸引されることによ
り、生じた臭気乃至はガスは、そのような隙間を通じて
容易に鋳型内を通過し、吸気層32に到達して、鋳型外
へ導かれ得るからである。
【0022】このように、溶湯に触れた肌砂層から生じ
た臭気乃至はガスは、透過性の良いボリューム増加材2
8の充填部を通じて、それに接する吸気層32へ導かれ
ることとなるが、上型2上部及び下型4下部のバックサ
ンド部は、一般に細かい砂が用いられることから、充填
密度が高く、また熱による影響も少ないために、外部に
対するシールの役目を果たし、上記の如き臭気乃至はガ
スの吸気層32側への流れをより有効なものとしている
のである。しかも、このように、鋳型の上下のバックサ
ンド部が、外部に対するシールの役目を果たすことによ
って、エアホース34を通じての吸引作用を、ボールバ
ルブ17にて遮断しても、鋳型(2,4)内の減圧が或
る程度は維持され、これにより鋳型内に生じた臭気乃至
はガスが、鋳型外に漏出するようなことも全く解消せし
め得るのである。
【0023】また、上記のように、エアホース34を通
じて鋳型(2,4)内が吸気せしめられることによっ
て、金属溶湯の注湯時に生じるガスは、鋳物砂26間、
特にボリューム増加材28の間隙を通って急速に吸気層
32に導かれ、鋳型全体から速やかに吸引され、外部へ
除去せしめられるところから、そのような発生ガスによ
る鋳造製品における鋳造欠陥(ガス欠陥)の発生防止に
も、大きな効果を発揮し得るのである。
【0024】このようにして排気通路に導かれた臭気乃
至は排ガスは、真空ポンプ8を通過した後、圧縮機10
にて圧縮せしめられ、蓄圧器12内に蓄積されることと
なる。そして、定期的に電磁弁18が開かれることによ
って、脱臭器14内へ強制的に送り込まれ、ゼオライト
等の脱臭剤46の中を通過させられて、脱臭されるので
ある。しかも、その際、脱臭器14の下流にリリーフバ
ルブ19が設けられているために、臭気乃至は排ガス
は、単に脱臭器14を通過させられるのではなく、脱臭
器14内に臭気乃至は排ガスが充満し、所定の圧力に到
達するまで、脱臭器14内に封じ込められ、滞留させら
れることとなる。
【0025】それによって、脱臭器14内でガスの濃度
が高められると共に、ガスと脱臭剤46との接触時間が
長くされるため、臭気乃至は排ガスと脱臭剤46との接
触機会が増加させられて、極めて効果的に気体中の臭気
が吸着され、吸着除去されるガス量が増加させられるの
であり、その結果、脱臭効率が大幅に向上され得るので
ある。しかる後、脱臭器14内の圧が一定以上となった
場合に、リリーフバルブ19が開いて、脱臭された清浄
な空気が排気口16より外部に排出されることとなる。
なお、外部へ排出される空気は圧が高いものであるた
め、排気口16にはサイレンサを取り付けることが望ま
しい。
【0026】ところで、本発明において、エアホース3
4を通じての鋳型(2,4)からの吸気は、鋳物砂26
から臭気乃至はガスが生じる注湯時のみで充分であり、
鋳造キャビティ20内に注湯された金属溶湯の冷却固化
工程では、ボールバルブ17の操作により、鋳型(2,
4)は、外部の吸気手段(真空ポンプ8)から遮断され
ることとなる。
【0027】そして、注湯された金属溶湯の冷却固化が
完了すると、鋳型(2,4)が型ばらしされて、鋳型内
に形成された鋳物製品が取り出される。また、型ばらし
が行なわれた鋳物砂からは、マグネットセパレータによ
って、鋳物砂に混入した鋳物バリ、鉄片、鉄粉等の介在
物が磁気によって分離される一方、適当な分離装置によ
り、ボリューム増加材28が鋳物砂から分離され、そし
てそれら鋳物砂及びボリューム増加材が回収されて、再
使用されることとなる。
【0028】以上、本発明の代表的な具体例に基づい
て、本発明の具体的構成、そしてその作用について説明
してきたが、本発明が、そのような例示の具体例のみに
限定して解釈されるものでは決してなく、本発明の趣旨
を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づき、種
々なる変更、修正、改良等を加えた形態において実施す
ることが出来、それらの実施形態をも、本発明が含むも
のであることが理解されるべきである。
【0029】例えば、例示の具体例では、ボリューム増
加材を充填してなる鋳型構造が示され、それが本発明の
最も好ましい実施形態ではあるが、本発明が、また、ボ
リューム増加材を充填していない鋳物砂のみから構成さ
れる鋳型構造に対しても、適用され得るものであること
は言うまでもないところである。
【0030】また、本発明にあっては、鋳物砂からの分
離や回収を考慮して、ボリューム増加材に対して、耐熱
性のみでなく、磁性をも付与せしめることが望ましく、
それにより、鋳物バリ等を除去するマグネットセパレー
タ等をそのまま用いて、ボリューム増加材を容易に回収
することが出来ることとなり、鋳造の自動化が図られ得
ると共に、特別の分離装置も不要となる等の優れた効果
が得られることとなる。そのようなボリューム増加材と
しては、金属材料の他に、磁性材料を内在せしめた各種
の耐熱性の材料が考えられるが、本願出願人が先に出願
した特願平1−40948号明細書に開示されている如
き、磁性材料を内在したセラミックスボールが特に好適
に用いられる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う有機自硬性鋳型を用いた鋳造法にあっては、鋳枠
の内側に吸気層を設け、また該吸気層に連通する排気通
路を設けて、外部の吸気手段による吸引作用によって、
鋳型内への金属溶湯の注湯時に鋳物砂から生じる臭気乃
至はガスを排気通路に導くと共に、そのガスを圧縮した
状態で脱臭器に流入させ、且つ脱臭器内の圧力が所定の
圧力に到達するまで、そのガスを脱臭器内に滞留させる
ようにすることから、かかる臭気乃至はガスを極めて効
果的に吸着除去して、鋳型外への放出を効果的に阻止し
得ることとなったのである。それ故に、個々の鋳型、換
言すれば臭気発生源での脱臭が効果的に図られ得、鋳造
工場における作業環境の改善が有利に為され得ることと
なったのである。また、この脱臭器は、従来のものに比
して、容量的に非常に小さく、設置スペースが大幅に節
減され得る利点があり、コスト的にも安く、鋳造工場に
おける公害対策にも膨大な設備投資をすることなく、実
用的な脱臭装置として、大きく寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる有機自硬性鋳型及びそれに
接続された排気通路の構成の一例を概略的に示す説明図
である。
【図2】図1における有機自硬性鋳型を示す縦断面説明
図である。
【図3】図2の有機自硬性鋳型の平面断面を示す説明図
である。
【図4】図3におけるIV−IV線断面を示す断面説明図で
ある。
【図5】図1における脱臭器を示す縦断面説明図であ
る。
【図6】図4の断面形態における吸気の流れを示す要部
説明図である。
【符号の説明】
2 上型 4 下型 6 定盤 8 真空ポンプ 10 圧縮機 12 蓄圧器 14 脱臭器 16 排気口 17 ボールバルブ 18 電磁弁 19 リリーフバルブ 20 鋳造キャビティ 22 上枠 24 下枠 26 鋳物砂 28 ボリューム増加材 31 多孔板 32 吸気層 34 エアホース 38 容器本体 40 鋼管 42 流入口 44 流出口 46 脱臭剤 48 フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−21147(JP,A) 特開 平3−254333(JP,A) 特開 平1−180769(JP,A) 実開 昭63−189454(JP,U) 実開 昭62−46160(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 B22C 5/00 - 9/30 B22D 18/00 - 18/08 B22D 33/00 - 47/02 B01D 53/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機自硬性の鋳物砂にて所定の鋳枠内に
    鋳造キャビティを形成して、造型された有機自硬性鋳型
    を用い、かかる鋳型内の鋳造キャビティに所定の金属溶
    湯を注湯して、目的とする鋳物製品を鋳造するに際し、 前記有機自硬性鋳型における鋳枠の内側に位置するよう
    に吸気層を設けて、該吸気層を外部の排気通路に接続せ
    しめる一方、該排気通路上に、上流側より、吸気手段、
    圧縮機、蓄圧器、並びに所定の容器内に脱臭剤を充填し
    てなる脱臭器を順次設けて、前記金属溶湯の注湯時に鋳
    物砂から生じる臭気乃至はガスを、該吸気手段の吸引作
    用によって排気通路に導き、そして該圧縮機にて圧縮し
    た後、前記蓄圧器を介して、前記脱臭器に流入させると
    共に、その臭気乃至はガスを、脱臭器内の圧力が所定の
    圧力に到達するまで、該脱臭器内に滞留させるようにし
    たことを特徴とする有機自硬性鋳型を用いた鋳造法。
JP04137842A 1992-04-30 1992-04-30 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法 Expired - Fee Related JP3098613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04137842A JP3098613B2 (ja) 1992-04-30 1992-04-30 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04137842A JP3098613B2 (ja) 1992-04-30 1992-04-30 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05305385A JPH05305385A (ja) 1993-11-19
JP3098613B2 true JP3098613B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=15208095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04137842A Expired - Fee Related JP3098613B2 (ja) 1992-04-30 1992-04-30 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3098613B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3007116U (ja) * 1994-07-22 1995-02-07 エーピーシー エアロスペシャルティ株式会社 滑り止め用具

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4596362B2 (ja) * 2005-02-28 2010-12-08 岩崎電気株式会社 アミン系化合物分解方法及びアミン系化合物分解装置
DE102008025311A1 (de) * 2008-05-27 2009-12-03 Ashland-Südchemie-Kernfest GmbH Geruchs- und schadstoffadsorbierende Beschichtungsmasse für den kastengebundenen Metallguss

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3007116U (ja) * 1994-07-22 1995-02-07 エーピーシー エアロスペシャルティ株式会社 滑り止め用具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05305385A (ja) 1993-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE50100560D1 (de) Verfahren und giessform zum steigenden giessen in sandformen mit gerichteter erstarrung von gussteilen
JP3098613B2 (ja) 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法
CN101869975A (zh) 利用负压浇注砂型的铸造方法
JP3101428B2 (ja) 生型を用いた鋳造法
JP2009279647A (ja) 消失模型鋳造装置
US4691756A (en) Molding material and mold
JPH05192738A (ja) 有機自硬性鋳型を用いた鋳造法
JPH08206777A (ja) 消失模型鋳造法
CN110014123B (zh) 一种百吨级乏燃料贮运一体化金属容器的铸造方法
CN206688498U (zh) 一种浇铸废气吸收净化装置
JP2007245201A (ja) 消失模型鋳造法および該鋳造法に用いる鋳型
CN113547077A (zh) 一种用于砂型铸型过程中增强铸件冷却的管道及方法
CN204685958U (zh) 新型的消失模废气处理装置
JPS60162553A (ja) 充填鋳造法における造型方法
JPH06108170A (ja) 溶融金属の処理方法およびその実施のためのフィルター
JP4514995B2 (ja) 消失模型鋳造法
JPS6043824B2 (ja) 鋳物砂再生方法
CN216297901U (zh) 一种用于砂型铸型过程中增强铸件冷却的管道
CN206335096U (zh) 一种消失模树脂砂负压铸造的专用装置
CN221158560U (zh) 一种用于片状热节点大法兰盘排气管的铸造模型结构
JP2003025044A (ja) 鋳造用消失模型
JP3225988B2 (ja) 重力鋳造機のガス処理装置
JP3138630B2 (ja) 鋳型の造型法
JPS5919545Y2 (ja) 減圧鋳型造型用鋳枠装置
Brummer Origination, action and secondary actions of thermally decomposible carbon compounds in bentonite-bonded moulding sand

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees