JP3097779B2 - 廃棄物焼却炉及び廃棄物燃焼方法 - Google Patents

廃棄物焼却炉及び廃棄物燃焼方法

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JP3097779B2 JP04042937A JP4293792A JP3097779B2 JP 3097779 B2 JP3097779 B2 JP 3097779B2 JP 04042937 A JP04042937 A JP 04042937A JP 4293792 A JP4293792 A JP 4293792A JP 3097779 B2 JP3097779 B2 JP 3097779B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみや産業廃棄物
等を焼却する廃棄物焼却炉と廃棄物の燃焼方法の改良に
係り、炉内の二次燃焼室の入口近傍に於いて、燃焼ガス
を二次空気を供給しつつ強制的に攪拌混合することによ
り、燃焼状態を大幅に改善して有害ガスの発生の抑制や
廃熱ボイラの熱効率の向上を可能とした廃棄物焼却炉と
廃棄物燃焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の廃棄物焼却炉からの燃焼排
ガスにはHCl・SOx・NOx・重金属・ダイオキシ
ン等多種類の有害物質が含まれており、更に、今日では
この他にも未解明の微量有害物質が含まれていると想定
されている。従って、都市ごみ等の廃棄物焼却炉に於い
ては、燃焼排ガス中の有害物質量を可能な限り少なく
し、環境汚損や公害の発生を完全に防止する必要があ
り、そのため一般には、廃棄物の燃焼過程を所定の条件
下に制御することにより、有害物質の発生そのものを極
力その発生段階に於いて抑制すると共に、燃焼排ガス内
に含まれる有害物質を排ガス処理装置により除去する方
策が採られている。即ち、通常の都市ごみ等の焼却炉に
於いては、ごみの供給量や各火格子送り速度、一次空気
供給量、二次空気供給量等を適切に調整すると共に、場
合によっては焼却炉内へ水噴射等を行うことにより、燃
焼ガス温度やごみ焼却量、廃熱ボイラ蒸発量、NOx発
生量等を所定の目標設定値に制御することが行われてい
る。
【0003】一方、近年廃棄物焼却炉へ搬入されてくる
廃棄物の中には、紙類やプラスチック類等の高カロリー
物質が特に多量に含まれているものがあり、ごみピット
内へ一旦ごみを貯留したり、或いは、貯留中にクレーン
によってごみの攪拌・切り返しが行われていても、燃焼
過程に於ける発生熱量や燃焼ガスの組成に大幅な変動が
生ずることになる。そうすると、焼却炉内の燃焼温度等
が不安定になり、所謂理想的な廃棄物の完全燃焼が困難
となって必然的に有害物質の発生量が増加することにな
る。
【0004】特に、最近我が国に於いては、有害物質の
一種であるダイオキシンの発生防止が重要課題になって
来ており、厚生省からもダイオキシン類の発生防止のた
めのガイドラインが発表され、その基準が具体的に示さ
れている。即ち、上記ガイドラインは、焼却炉内で廃棄
物を完全燃焼させることにより、ダイオキシン類の前駆
物質そのものの発生を防止することを目指すものであっ
て、未知の有害物質の抑制に対しても有効であるため、
ごみ焼却技術上の基本的事項とも云えるものである。換
言すれば、焼却炉内に於ける廃棄物の完全燃焼を積極的
に図って有害物質の発生を有効に防止するためには、燃
焼ガス温度、ガスの炉内滞留時間及び炉内での燃焼ガス
の攪拌混合等の各制御を高精度で行う必要があり、その
中でも特に燃焼ガスの攪拌混合は最も工夫を要する制御
要素であると想定されている。
【0005】而して、前記燃焼ガスの攪拌混合を促進す
る目的で現在利用されている手段には、炉壁形状を改
善する方法と、水噴霧を利用する方法がある。前者の
方法は、炉壁に突起体を設けて燃焼ガスの流れに乱流を
誘起せしめると共に、二次空気の吹込位置を適切に選定
し、流れに乱れを起こすことによって燃焼ガスを攪拌混
合せんとするものであり、廃棄物の燃焼状態が安定して
いる場合には、燃焼ガスが比較的円滑に攪拌混合される
ことになり、燃焼の改善が可能となる。しかし、焼却負
荷が変動したり、ごみ質の変化等によって火格子上の燃
焼中心位置が変化するような場合には、燃焼ガスの攪拌
混合の程度が大きく変動し、その結果、所望の燃焼改善
が得られないと云う難点がある。換言すれば、炉内の燃
焼ガス流が有する攪拌混合に利用可能なエネルギーは、
極く僅かなものであって、当該方法のみでは大きな燃焼
改善を達成することができないと云う難点がある。
【0006】また、後者の水噴霧を利用する手段に於い
ても、水噴霧ノズルの設置位置やその噴霧方向、水噴霧
量等が、燃焼温度やO2 濃度等との関連で様々に制約を
受け、二次燃焼室温度が低下すると急激にCO濃度やダ
イオキシン濃度の上昇を引き起こす等、その作動の制御
が極めて難しいと云う難点がある。
【0007】一方、上述の如き有害物質の発生を抑制す
る方法を補完するものとして、近年焼却炉内の一次燃焼
ゾーンへNaOH水溶液を直接噴霧することにより、H
ClやSOxの除去を併せてNOxの発生そのものを抑
制するようにした技術が開発されている。このNaOH
水溶液を一次燃焼ゾーンへ直接噴霧する方法に於いて
は、未燃焼炭素が存在してNOx生成反応が起生する火
炎帯へ直接NaOHを噴霧することにより、炭素の酸化
反応とNOx生成反応機構とがリンクしてNOxの生成
が抑制されると考えられている。しかし、現実にはその
結果としてCOが多量に発生することになり、当該CO
の除去が新たな障害となって、実用化が遅れている。即
ち、当該方法に於いては、COの発生濃度が高くなれば
なるほどNOx発生の抑制効果が高まるため、新たにN
Oxを発生させることなしにCOを効率よく酸化させる
ことが出来れば、極めて好都合であって実用化の障害が
解消されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本件発明は、従前の廃
棄物焼却炉に於ける有害物質の発生の抑制に係る上述の
如き問題、即ち炉壁に設けた突起体を利用して燃焼ガ
スを攪拌混合する方法では、十分な燃焼ガスの攪拌混合
が出来ないうえ、負荷変動等によって攪拌混合の程度が
変動し、安定した有害物質の発生の抑制効果が得られな
いこと、二次燃焼室内へ水を噴霧する方法では、ノズ
ルの設置場所や水噴霧量に多くの制約があり、有害物質
の発生を効果的に抑制し難いこと、NaOHを一次燃
焼ゾーンへ直接噴霧する方法では、多量のCOが発生す
るためこれを別途に除去することが必要になること等の
問題を解決せんとするものであり、燃焼ガスを回転翼や
噴出空気流によって強制的に攪拌混合すると共に、二次
空気を攪拌混合中の燃焼ガス内へ均一に供給することに
より、焼却炉内での有害物質やその前駆物質の発生を効
率よく安定して抑制し得ると共に、炉内容積の削減や廃
熱回収率の向上、焼却処理量のアップ等を可能とした廃
棄物焼却炉並びに廃棄物燃焼方法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本件発
明に係る廃棄物焼却炉は、炉壁を挿通して二次燃焼室の
入口近傍の内方へ挿入され且つその外端部に二次空気供
給ダクトが連結された中空軸と;中空軸を回転自在に支
承する支持軸受け装置と;中空軸の炉内挿入部分に設け
られた二次空気噴出ノズルと;中空軸を回転させる回転
駆動装置とから成る燃焼ガスの攪拌混合装置を備えたこ
とを発明の基本構成とするものである。
【0010】また、請求項7に記載の本件発明に係る廃
棄物燃焼方法はストーカ型廃棄物焼却炉の二次燃焼室の
入口近傍内方へ回転翼部を備えた中空軸を挿入し、当該
中空軸を回転しつつ回転翼部に設けた二次空気噴出ノズ
ルから二次空気を燃焼ガス内へ供給し、回転翼部により
燃焼ガスを攪拌混合しつつ二次燃焼させることを発明の
基本構成とするものである。
【0011】
【作用】攪拌混合装置11の所定の速度で回転する中空
軸15を通して、二次空気12が二次空気噴出ノズル1
7を通して二次燃焼室8の入口近傍へ供給される。ま
た、一次燃焼室7から上昇してきた燃焼ガスは、回転運
動をする前記回転軸15の回転翼部16や回転運動をす
るノズル17から噴出された二次空気流によって均一に
攪拌混合される。その結果、ごみの燃焼室や燃焼ガスの
成分がごみ質の変動によって多少変化しても、二次燃焼
室8内の燃焼ガスの成分はほぼ均一化されると共に、所
要量の二次空気が燃焼ガス内へ均等に混入され、燃焼ガ
スは完全に二次燃焼される。また、NaOH水溶液を一
次燃焼ゾーンへ吹き込んだ場合でも、発生したCOは完
全に酸化されることになる。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1〜図7は本発明に係る廃棄物焼却炉の第1実
施例を示すものであり、図1及び図2に於いて1はごみ
投入ホッパー、2は供給ストーカ、3は乾燥ストーカ、
4は燃焼ストーカ、5は後燃焼ストーカ、6は廃熱ボイ
ラ、7は一次燃焼室、8は二次燃焼室、9は灰排出口、
10は水噴射装置、11は攪拌混合装置、12は二次燃
焼用空気、13は二次空気送風機であり、前記攪拌混合
装置11の部分を除くその他の構成は、公知の所謂スト
ーカ式廃棄物焼却炉と同一である。
【0013】前記攪拌混合装置11は本発明の要部を構
成するものであり、一次燃焼室7からの燃焼火焔が直接
に及ばない二次燃焼室8の入口部近傍に於いて、燃焼ガ
スを機械的に攪拌混合すると共に、燃焼ガス内へ二次空
気12を供給するものである。即ち、当該攪拌混合装置
11は図2に示す如く、炉壁14を貫通して焼却炉内へ
挿入された中空軸15と、中空軸15の一側に設けた二
又状(又はY形状)の偏平管製の回転翼部16と、回転
翼部16の側壁並びに先端に取付けた二次空気噴出ノズ
ル17と、中空軸15を回転自在に支承する支持軸受け
装置18と、中空軸15の一端と二次空気供給ダクト1
9とを気密に連結する回転継手20と、中空軸15を所
定の速度で回転する回転駆動装置21等から形成されて
おり、前記支持軸受け装置18や回転駆動装置21等
は、炉壁14の外側面に設けた支持受台22上に配設支
持されている。尚、23は炉壁部のシール装置である。
【0014】前記中空軸15は直線状の中空部15a
と、その一側に連結した二又状の偏平管製の回転翼部1
6とから構成されており、両者は一体的(若しくはフラ
ンジ、等により分離可能)に連結されている。また、前
記回転翼部16は図6に示す如く偏平管から形成されて
おり、当該偏平管の先端と、偏平管の外側縁面に、二次
空気噴出ノズル17が適宜のピッチで設けられている。
更に、前記中空軸15を支承する支持軸受装置18は2
基の所謂外輪式軸受18a,18aから形成されてお
り、図7に示す如く4個の外輪18bにより中空軸15
が回転自在に支持されている。
【0015】前記回転継手20には所謂メカニカルシー
ル構造の継手が採用されており、これによって二次空気
供給ダクト19と中空軸15間の気密が保持されてい
る。また、回転駆動装置21は動力伝達装置21aと電
動機21bとから形成されており、約100〜300R
PMの速度で中空軸15が所望の方向へ回転駆動され
る。
【0016】前記中空軸15の直線部15aや攪拌翼部
16は、焼却炉内の高温と燃焼ガス内の粉塵及び塩化物
や硫化物等の腐食性粒子の衝突に耐え得るように、その
材質並びに加工技術が選定されることは勿論であり、本
実施例では耐熱合金(JIS規定のNCF1P又はNC
F2P相当品)から成る溶接構造の直線部15aと攪拌
翼部16とを備えた中空軸15が使用されている。ま
た、中空軸15の直線部15aや攪拌翼部16の外表面
は、所謂プラズマ熔射によるセラミック遮熱コーティン
グ(TBC)によって保護されている。即ち、直線状の
中空部15aや回転翼部16の外表面をサンドブラスト
等によって研磨したあと、先ず外表面上にエムクラリィ
(MCrAlY)による金属結合層を形成し、次にその
上に、Y23 で安定化したZr2 により、厚さ0. 3
mm程度の均等な被覆膜を形成するようにプラズマ溶射
コーティングを施工する。
【0017】尚、本実施例に於いては、図1及び図2に
示す如く炉壁の両側壁に対向状に2基の攪拌混合装置1
1を設けるようにしているが、炉壁の前壁と後壁に攪拌
混合装置11を設けてもよく、攪拌混合装置の設置基数
やその設置箇所は、炉の形状に応じて適宜に選定され
る。
【0018】図8乃至図12は本発明の第2実施例を示
すものである。当該第2実施例に於いては、中空軸15
の直線部15aが炉内を挿通して配設されており、炉壁
14の両側壁の外側に設けた自動調芯型の支持軸受け装
置18により、中空軸15の両端部が回転自在に支持さ
れている。また、本実施例に於いては、中空軸15の直
線部15aの外周面に、軸芯方向に一定のピッチPでも
って、4枚の回転翼部16が円周方向に90°の角度ピ
ッチをもって放射状に固定されている。
【0019】前記中空軸15の直線部15aは、2重管
構造に形成されており、内管15bと外管15c間の空
間部は二次空気流通路Bに、内管15bの内方は冷却水
通路Cに夫々なっており、二次空気12及び冷却水Wが
夫々流通する。また、前記二次空気流通路Bの内部は隔
壁15dによって4区画に区分されており、夫々の区画
に後述する回転翼部16の内管16aが連通されてい
る。
【0020】前記中空軸15の回転翼部16は偏平状の
外管16bと細径の内管16aとから図11に示す如き
偏平状の二重管構造に形成されており、内管16aの基
端部を前記中空軸15の直線部15aの外管へ固定する
ことにより、各回転翼部16が中空軸15の直線部15
aへ固着されている。尚、図10及び図11に於いて、
24はボルト結合後に溶接された連結用フランジ、25
は耐熱キャスター、16cは内管16aに穿設した空気
孔、17は偏平管(外管)16bに設けた二次空気噴出
用ノズルであり、中空軸15の直線部15aや回転翼部
16の外表面に、耐熱用のセラミック遮熱コーティング
が施されていることは、前記第1実施例の場合と同様で
ある。
【0021】図13乃至図16は本発明の第3実施例で
使用する攪拌混合装置を示すものである。本実施例に於
いては、直線部15aと回転翼部16とを形成する中空
軸15が一本の円形パイプによって一体的に形成されて
おり、中空軸15の炉内へ挿入される部分(即ち、回転
翼部16を構成する部分)の壁面に、二次空気噴出ノズ
ル17が軸芯方向に一定のピッチで且つ円周方向に18
0°の角度ピッチで放射状に設けられている。
【0022】本実施例於いては、回転翼部として燃焼ガ
スの攪拌混合の機能をする部分がノズル17の側面部だ
けであって極めて小さいため、回転翼部16による機械
的な燃焼ガスの攪拌混合作用は大きくない。そのため、
二次空気12の噴出圧力を高めて、回転する高圧二次空
気噴流によって攪拌混合作用を得るように構成されてお
り、これによって十分な攪拌混合作用が得られることが
確認されている。本実施例の場合には、廃棄物焼却炉の
運転を停止することなしに、中空軸15やノズル17等
の取替補修が出来ると云う利点がある。また、図示され
ていないが、中空軸15の直線部15aや回転翼部16
に相当するノズル17の外表面には、セラミック遮熱コ
ーティングか若しくは耐熱キャスター被覆が施されてい
る。尚、図16に於いて17aは二次空気噴出ノズル1
7を形成するセラミック製ノズル片である。
【0023】図17は本発明の第4実施例を示すもので
あり、廃棄物焼却炉の二次燃焼室8の入口部近傍の炉壁
の両側壁に突起体27を設けると共に、当該突起体27
の形成部分へ前記第3実施例に示した攪拌混合装置11
を設置する構成としたものである。当該実施例に於いて
は、炉壁に設けた突起体27による燃焼ガス流の攪拌作
用と、攪拌混合装置11による攪拌作用とが相乗的に作
用し、より効果的な燃焼ガス流の攪拌混合が達成でき
る。
【0024】次に、本発明に係る廃棄物焼却炉の作動に
ついて説明する。ごみ投入ホッパー1から供給された廃
棄物は、乾燥ストーカ3、燃焼ストーカ4、後燃焼スト
ーカ5の順に下方へ移送され、その間に燃焼される。ま
た、一次燃焼室7内で発生した燃焼ガスは、二次燃焼室
8内へ順次流入し、ここで攪拌混合装置11によって機
械的に燃焼ガスが攪拌混合されると共に、燃焼ガス内へ
二次空気12が混合される。即ち、回転軸15が約10
0〜300RPMで右方向又は左方向に回転され、且つ
ノズル17から所望の有効射程が得られる圧力で二次空
気が噴出されることにより、旋回する攪拌翼部16とノ
ズル17からの噴出空気流との両作用によって、乾燥段
から発生する未燃ガス成分と、燃焼段から上昇する燃焼
ガスと、後燃焼段から上昇する空気を多く含む燃焼ガス
が強制的に混合される。また、同時に燃焼ガスの内部へ
二次空気12が過不足なく均一に分散供給される。その
結果、燃焼ガスの均一な二次燃焼が安定して行われ、N
Oxの新たな発生が有効に防止されると共に、ダイオキ
シン等の前駆物質の酸化が安全且つ十分に行われ、有害
成分の排出が大幅に抑制されることになる。
【0025】また、焼却炉の一次燃焼室7内へNaOH
を直接噴霧するような場合に於いては、攪拌混合装置1
1によって二次空気12が効率よく燃焼ガス内へ供給で
きるため、発生した多量のCOが容易に酸化されること
になる。その結果、炉内に於ける燃焼段階でHCl及び
SOxを除去できると共にNOx及びCOの発生も抑制
でき、更にはダイオキシン類の発生の防止も図れるた
め、後段の排ガス処理設備を著しく簡略化することが出
来る。
【0026】尚、前記中空軸15の回転方向は、炉体の
形状やごみ質によって適宜に選定される。例えば図1の
如き炉体形状であって且つごみ質が高カロリーで乾燥段
で燃え易い場合には、左回転(反時計方向回転)の運転
とし、また低カロリーごみの場合には右回転(時計方向
回転)の運動とする。また、ノズル17から噴出させる
二次空気12の風量は、炉出口近傍の排ガス中のO2
度及びCO濃度を検出し、当該両濃度が所定値となるよ
うに、二次空気送風機13の回転数(又は二次空気供給
ダクト19のダンパー開度)を調整することにより、制
御される。尚、炉内温度が正常値を保つよう運転制御さ
れることは勿論である。更に、二次空気12の流通によ
り、中空軸15は十分に冷却され、特に図8乃至図12
に示した第2実施例の場合には、冷却水Wによって中空
軸15の直線部15aの冷却が行われる。
【0027】二次燃焼室8内で完全燃焼された燃焼ガス
は、廃熱ボイラ6で廃熱を回収されたあと、電気集塵機
等の排ガス処理装置(図示省略)を経て、大気中へ放散
されて行く。
【0028】
【発明の効果】本発明に於いては、廃棄物焼却炉の二次
燃焼室の入口部近傍へ燃焼ガスの攪拌混合装置を配設
し、燃焼ガスを強制的に攪拌混合すると共にノズル17
を介して当該燃焼ガス内へ二次燃焼用空気を噴出する構
成としている。そのため、廃棄物焼却炉の一次燃焼室の
乾燥・燃焼及び後燃焼の各過程から発生する成分の不揃
いな燃焼ガスは、迅速且つ確実に二次燃焼室入口に於い
て、攪拌混合され、更に、十分な二次空気が燃焼ガス内
へ均一に分散されるため、燃焼ガスは常に安定した状態
で二次燃焼をし、完全燃焼が行われることになる。その
結果、NOxの新たな発生が防止されると共に、ダイオ
キン等の前駆物質も完全に酸化され、有害物質の外部へ
の放散が抑制される。また、NaOHを直接一次燃焼室
内へ噴射したような場合でも、HCl及びSOxの除去
は勿論のこと、COの酸化が容易に行えてその放出が抑
制できると共に、NOxやダイオキシン類の発生の抑制
も可能となる。更に、燃焼状態の改善により廃熱ボイラ
等に於ける廃熱回収効率が向上すると共に、廃棄物の処
理能力等も向上する。本発明は上述の通り、廃棄物焼却
炉の燃焼排ガス内の有害物質の削減や排ガス処理装置の
簡素化等の点で、優れた実用的効用を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る廃棄物焼却炉の縦断
面概要図である。
【図2】図1のA−A視拡大断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3のB−B視側面図である。
【図6】図3のC−C視拡大断面図である。
【図7】図3のD−D視拡大断面図である。
【図8】本発明の第2実施例に係る廃棄物焼却炉の縦断
面概要図である。
【図9】図8のE−E視拡大断面図である。
【図10】図9のF−F視拡大断面図である。
【図11】図10のG−G視部分断面図である。
【図12】図11のH−H視拡大断面図である。
【図13】本発明の第3実施例に係る廃棄物焼却炉の部
分断面概要図である。
【図14】図13の部分拡大図である。
【図15】図14のI−I視側面図である。
【図16】図14のJ−J視拡大断面図である。
【図17】本発明の第4実施例に係る廃棄物焼却炉の縦
断面概要図である。
【符号の説明】
1 ごみ投入ホッパー 2 供給ストーカ 3 乾燥ストーカ 4 燃焼ストーカ 5 後燃焼ストーカ 6 廃熱ボイラ 7 一次燃焼室 8 二次燃焼室 9 灰排出口 10 水噴射装置 11 攪拌混合装置 12 二次空気 13 二次空気送風機 14 炉壁 15 中空軸 16 偏平管製の回転翼部 17 二次空気噴出ノズル 18 支持軸受け装置 19 二次空気供給ダクト 20 回転継手 21 回転駆動装置 22 支持架台 23 炉壁部のシール装置 24 連結用フランジ 25 耐熱キャスター 27 炉壁の突起体 B 二次空気流通路 C 冷却水通路 W 冷却水
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/14 - 5/18 F23G 5/44 F23G 5/00 F23L 9/00 - 9/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉壁を挿通して二次燃焼室の入口近傍の
    内方へ挿入され且つその外端部に二次空気供給ダクトが
    連結された中空軸と;中空軸を回転自在に支承する支持
    軸受け装置と;中空軸の炉内挿入部分に設けられた二次
    空気噴出ノズルと;中空軸を回転させる回転駆動装置と
    から成る燃焼ガスの攪拌混合装置を備えたことを特徴と
    するストーカ式廃棄物焼却炉。
  2. 【請求項2】 中空軸を、直線状の中空部と二又状の偏
    平管製の回転翼部とから形成すると共に、前記回転翼部
    に二次空気噴出ノズルを設けた構成とした請求項1に記
    載のストーカ式廃棄物焼却炉。
  3. 【請求項3】 中空軸を、直線状の中空部とすると共に
    当該中空部に二次空気噴出ノズルを設けた構成とした請
    求項1に記載のストーカ式廃棄物焼却炉。
  4. 【請求項4】 二次燃焼室の入口近傍の炉壁内面に突起
    体を形成するようにした請求項1に記載のストーカ式廃
    棄物焼却炉。
  5. 【請求項5】 中空軸を、二重管製の直線状の中空部と
    当該中空部に軸芯方向に所定のピッチで放射状に固着さ
    れた複数の二重偏平管製の回転翼部とから形成すると共
    に、前記回転翼部に二次空気噴出ノズルを設ける構成と
    した請求項1に記載のストーカ式廃棄物焼却炉。
  6. 【請求項6】 二重管製の中空部の内管の内方を冷却水
    通路とすると共に内管と外管との空間部を二次空気の流
    通路とし、且つ二重偏平管製の回転翼部の内管を通して
    二次空気噴出ノズルへ二次空気を供給する構成とした請
    求項5に記載のストーカ式廃棄物焼却炉。
  7. 【請求項7】 ストーカ型廃棄物焼却炉の二次燃焼室の
    入口近傍内方へ回転翼部を備えた中空軸を挿入し、当該
    中空軸を回転しつつ回転翼部に設けた二次空気噴出ノズ
    ルから二次空気を燃焼ガス内へ供給し、回転翼部により
    燃焼ガスを攪拌混合しつつ二次燃焼させることを特徴と
    する廃棄物燃焼方法。
  8. 【請求項8】 ストーカ型廃棄物焼却炉の二次燃焼室の
    入口近傍内方へ二次空気噴出ノズルを備えた中空軸を挿
    入し、当該中空軸を回転しつつ前記二次空気噴出ノズル
    から二次空気を噴出させ、二次空気流により燃焼ガスを
    攪拌混合しつつ二次燃焼させることを特徴とする廃棄物
    燃焼方法。
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