JPH07332627A

JPH07332627A - ゴミ焼却炉

Info

Publication number: JPH07332627A
Application number: JP12218694A
Authority: JP
Inventors: Sukenori Hirai; 祐則平井; Yuji Arima; 勇二在間
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1994-06-03
Filing date: 1994-06-03
Publication date: 1995-12-22

Abstract

(57)【要約】【目的】後燃焼帯から生成される排ガスの保有する酸
素分、熱を充分に利用することができるゴミ焼却炉を得
る。【構成】主燃焼室３に、被焼却物を乾燥させながら搬
送する乾燥帯Ａと、乾燥された被焼却物を燃焼させなが
ら搬送する燃焼帯Ｂと、被焼却物を灰化させながら搬送
する後燃焼帯Ｃとを記載順に備え、乾燥帯Ａ、燃焼帯
Ｂ、後燃焼帯Ｃから発生する排ガスを集合させて排気側
へ導く煙道１３を備えるとともに、燃焼に伴って発生す
る未燃ガスを更に燃焼させる二次燃焼空間Ｓを備えたス
トーカ式のゴミ焼却炉に、後燃焼帯Ｃの上方部位から後
燃焼排ガスを吸引して、煙道１３とは異なった経路を介
して、後燃焼排ガスを二次燃焼空間Ｓに噴射供給する後
燃焼排ガス供給手段１４、１５を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主燃焼室に、被焼却物
を乾燥させながら搬送する乾燥帯Ａと、乾燥された被焼
却物を燃焼させながら搬送する燃焼帯Ｂと、被焼却物を
灰化させながら搬送する後燃焼帯Ｃとを記載順に備え、
乾燥帯Ａ、燃焼帯Ｂ、後燃焼帯Ｃから発生する排ガスを
集合させて排気側へ導く煙道を備えるとともに、燃焼に
伴って発生する未燃ガスを更に燃焼させる二次燃焼空間
を備えたストーカ式の搬送装置を備えたゴミ焼却炉に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、主燃焼室での一次燃焼後の排ガス
を完全燃焼させるために、二次燃焼領域を設け、この二
次燃焼領域に、外気である燃焼空気を導入して、この領
域を通過する排ガスを完全燃焼化していた。ここで、一
酸化炭素を含む排ガスを完全燃焼させるためには、数百
度の高温で、酸素を充分に供給して処理する必要があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、従来、後燃焼帯
からの排ガスは、これが被焼却物の灰化の用に供される
ものであるため、酸素が比較的消費されず、その濃度が
比較的高いとともにその温度も高い。しかしながら、乾
燥帯Ａ、燃焼帯Ｂ、後燃焼帯Ｃからの排ガスは、集合流
路としての煙道に並流状態で集合導入されて二次燃焼処
理されるため、後燃焼帯からの排ガスが有する酸素分及
び、その熱が充分には二次燃焼に生かされていなかっ
た。従って本発明の目的は、後燃焼帯から生成される排
ガスの保有する酸素分、熱を充分に利用することができ
るゴミ焼却炉を得ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明によるゴミ焼却炉の特徴構成は、後燃焼帯の上方
部位から後燃焼排ガスを吸引して、煙道とは異なった経
路を介して二次燃焼空間に後燃焼排ガスを噴射供給する
後燃焼排ガス供給手段を備えたことにある。さらに、こ
の後燃焼排ガス供給手段を構成するに、二次燃焼空間に
開口する後燃焼排ガス供給部に、供給されるガスを旋回
状態で噴射供給する旋回噴流ノズルを備えることが好ま
しい。さらに、燃焼帯上に形成される炎の先端上方近傍
が前記二次燃焼空間とされていることが好ましい。さら
に、煙道に、主燃焼室側に位置し且つ流路面積が絞られ
た狭流路部と、狭流路部の下流側に位置され且つ流路面
積が拡大された拡大流路部とが備えられており、拡大流
路部が二次燃焼空間とされていることが好ましい。

【０００５】

【作用】本願のゴミ焼却炉においては、後燃焼排ガス供
給手段により、後燃焼帯から生成する酸素含有量が高
く、高温の排ガスが、二次燃焼空間に噴射供給される。
ここで、この排ガスの経路は煙道の経路とは異なってお
り、各燃焼帯から生成される排ガスが並流状態で流れる
煙道に、この排ガスが噴射供給される。従って、結果的
に、両者の排ガスは充分に攪拌・混合される。さらに、
後燃焼帯からの排ガスは酸素を比較的多く含み、高温で
あるため、ガス温度をあまり低下することなしに、二次
燃焼を良好に促進する。ここで従来のように、二次燃焼
用の空気として外気を吸引する場合は、二次燃焼空間の
低温化を避け得ないが、本願の場合は、この問題を回避
できる。さらに、この後燃焼排ガス供給手段を構成する
に、二次燃焼空間に開口する後燃焼排ガス供給部に、供
給されるガスを旋回状態で噴射供給する旋回噴流ノズル
を備えておくと、一般的な一様流を噴射するノズルを使
用する場合に比較して、ガスの攪拌・混合を促進でき、
良好な二次燃焼状態を実現できる。さらに、燃焼帯上に
形成される炎の先端上方近傍を二次燃焼空間としておく
と、激しい上昇気流が生じているこの部位に、後燃焼帯
排ガスが有する酸素を供給するとともに、この部位を攪
拌・混合することとなり、良好な混合状態で、この部位
以降の部位で二次燃焼を起こさせることが可能で、排ガ
スが噴射され、混入される部位からその下流側に渡って
二次燃焼空間を比較的広く取った状態で、良好な二次燃
焼処理を行える。さらに、煙道に、主燃焼室側に位置し
且つ流路面積が絞られた狭流路部と、狭流路部の下流側
に位置され且つ流路面積が拡大された拡大流路部とが備
えられ、この拡大流路部を二次燃焼空間としておくと、
拡大流路部において流速が低下するとともに、発生する
渦等による排ガスの攪拌・混合状態を、後燃焼排ガス供
給手段により、より促進して、二次燃焼をおこなうこと
ができる。

【０００６】

【発明の効果】本発明によれば、後燃焼帯から生成され
る排ガスの保有する酸素分、熱を充分に利用することが
できるゴミ焼却炉を得ることができた。

【０００７】

【実施例】以下に実施例を説明する。都市ゴミ用の焼却
炉は、図１に示すように、ホッパ２に投入された被焼却
物（都市ゴミ等）をその下部に設けたプッシャ１の往復
駆動により主燃焼室３に搬送し、主燃焼室３で焼却され
た灰を灰ピット４に回収するように構成してある。

【０００８】主燃焼室３は、被焼却物を乾燥させ着火点
近傍温度まで加熱する乾燥帯Ａと、乾燥された被焼却物
を燃焼させる燃焼帯Ｂと、被焼却物を灰化させる後燃焼
帯Ｃを上方から下方に段階的に配置し、それらの下方か
ら一次燃焼用空気を供給する空気供給手段１２を備えて
構成してある。乾燥帯Ａ、燃焼帯Ｂ、後燃焼帯Ｃは、そ
の配置方向に固定の火格子と可動の火格子とを交互に配
置してそれら火格子の前記配置方向への相対移動により
ゴミを攪拌搬送するストーカ式の搬送装置５で構成して
ある。さらに、プッシャ１や搬送装置５の搬送速度、或
いは空気供給手段１２からの供給量を調整して安定的に
燃焼させるコンピュータ等でなる燃焼制御手段（図示せ
ず）を設けてある。

【０００９】主燃焼室３の上部であって、燃焼帯Ｂの上
方空間には、煙道１３が設けてある。この煙道１３は、
主燃焼室３側に位置し且つ流路面積が絞られた狭流路部
１３ａと、この狭流路部１３ａの下流側に位置され且つ
流路面積が拡大された拡大流路部１３ｂとが備えられて
いる。そして、拡大流路部１３ｂが二次燃焼室とされて
いる。さらに、この煙道１３の下流側部位には、廃熱ボ
イラ９を設けてあり、排ガスは、排ガス中の熱エネルギ
ィが廃熱ボイラ９により蒸気の形で取り出されてタービ
ン・発電機１０に供された後に、電気集塵機等からなる
排ガス処理装置１１によりばいじんや有害ガスが除去さ
れて煙突から排気される。

【００１０】主燃焼室３と煙道１３との間にある上部壁
面３０には、燃焼帯Ｂ上の炎の上部先端近傍に向けて二
次燃焼空気を供給する複数の燃焼空気供給ノズル１４を
設けてあり、煙道１３に排ガスが収束され激しい上昇気
流となる前に、一酸化炭素が分散された状態で二次燃焼
用空気と攪拌混合される。ここで、この二次燃焼空気と
しては、一部外気から吸引されるとともに、後燃焼帯Ｃ
の上方部位から後燃焼排ガスを吸引して、これが、二次
燃焼空気として図３に示すように、排ガス経路の周部の
複数部位から攪拌混合される。従って、これらの燃焼空
気供給ノズル１４が配置されている部位を後燃焼排ガス
供給部１４０と呼ぶ。さらに、燃焼空気供給ノズル１４
による二次燃焼用空気の供給量を、被焼却物の搬送方向
に沿って上流側及び下流側から各別に調整するブロワフ
ァンとダンパ、そしてダンパの開度を制御する制御回路
でなる燃焼空気供給量調整手段１５を設けてある。即
ち、燃焼空気供給ノズル１４、燃焼空気供給量調整手段
１５により、後燃焼排ガス供給手段が構成される。ここ
で、外気と後燃焼排ガスの吸引比は、二次燃焼部位の温
度等に依存して制御される。

【００１１】上記の燃焼空気供給ノズル１４は、ノズル
流路を構成する流路形成管１４１中に一般にスワラーと
呼ばれる旋回流形成部材１４２を備えた旋回噴流ノズル
として構成されている。従って、ノズル１４から燃焼空
気は旋回噴流として供給され、排ガスとの混合が促進さ
れる。そして、この部位で一部、二次燃焼が起こること
となる。さらに、燃焼空気と良好な状態まで混合された
排ガスは、前述の二次燃焼室１３ｂを備えた煙道１３に
導かれて、この部位で二次燃焼する。この場合、主燃焼
室３の上部空間と煙道とで、二次燃焼が進行するため、
充分な燃焼時間を確保して処理を進めることができる。
従って、これらの部位が二次燃焼空間Ｓとなっている。

【００１２】以下に別実施例を説明する。上記の実施例
においては、主燃焼室の上部空間以降を二次燃焼空間と
する例を示し、この部位から二次燃焼室１３ｂにかけて
二次燃焼処理が進む例を示したが、図２に示すように、
元来の位置付けである二次燃焼室１３ｂで主な二次燃焼
を促進するものを構築する場合は、この煙道に開口する
燃焼空気供給ノズル１４を設けることとなる。この場合
もまた、燃焼空気供給ノズルを旋回噴流ノズルとするこ
とにより、二次燃焼室での燃焼の促進により、この室の
小型化を達成することができる。

【００１３】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ゴミ焼却炉の概略構成図

【図２】本願の別実施例のゴミ焼却炉の概略構成図

【図３】後燃焼排ガスの吹き込み構成を示す図

【符号の説明】

３主燃焼室１３煙道１３ａ狭流路部１３ｂ拡大流路部１４後燃焼排ガス供給手段１５後燃焼排ガス供給手段１４０後燃焼排ガス供給部Ａ乾燥帯Ｂ燃焼帯Ｃ後燃焼帯Ｓ二次燃焼空間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】主燃焼室（３）に、被焼却物を乾燥させ
ながら搬送する乾燥帯（Ａ）と、乾燥された被焼却物を
燃焼させながら搬送する燃焼帯（Ｂ）と、被焼却物を灰
化させながら搬送する後燃焼帯（Ｃ）とを記載順に備
え、前記乾燥帯（Ａ）、燃焼帯（Ｂ）、後燃焼帯（Ｃ）
から発生する排ガスを集合させて排気側へ導く煙道（１
３）を備えるとともに、燃焼に伴って発生する未燃ガス
を更に燃焼させる二次燃焼空間（Ｓ）を備えたストーカ
式の搬送装置を備えたゴミ焼却炉であって、前記後燃焼帯（Ｃ）の上方部位から後燃焼排ガスを吸引
して、前記煙道（１３）とは異なった経路を介して、前
記後燃焼排ガスを前記二次燃焼空間（Ｓ）に噴射供給す
る後燃焼排ガス供給手段（１４、１５）を備えたゴミ焼
却炉。
【請求項２】前記後燃焼排ガス供給手段を構成する
に、前記二次燃焼空間に開口する後燃焼排ガス供給部
（１４０）に、供給されるガスを旋回状態で噴射供給す
る旋回噴流ノズルを備えた請求項１記載のゴミ焼却炉。
【請求項３】前記燃焼帯（Ｂ）上に形成される炎の先
端上方近傍が前記二次燃焼空間とされている請求項１記
載のゴミ焼却炉。
【請求項４】前記煙道（１３）に、前記主燃焼室
（３）側に位置し且つ流路面積が絞られた狭流路部（１
３ａ）と、前記狭流路部（１３ａ）の下流側に位置され
且つ流路面積が拡大された拡大流路部（１３ｂ）とが備
えられており、前記拡大流路部（１３ｂ）が前記二次燃
焼空間（Ｓ）とされている請求項１記載のゴミ焼却炉。