JP3097706U - レーザプリンタの梱包構造および画像形成装置の梱包構造 - Google Patents

レーザプリンタの梱包構造および画像形成装置の梱包構造 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙トレイの突出部への過度の衝撃および突出部の変形を抑制することが可能なレーザプリンタの梱包構造を提供する。
【解決手段】側部フレーム230と、側部フレーム230に開閉可能に取り付けられたカバー220と、用紙トレイ210とを含むレーザプリンタ200の底部および底部近傍の側部を梱包するための発泡樹脂材料からなる底部梱包部材10を含むレーザプリンタの梱包構造において、用紙トレイ210の突出部212aの裏面と側部フレーム230との間に配置され、発泡ポリエチレンからなる発泡ブロック1をさらに備え、底部梱包部材10の用紙トレイ210の突出部212aに対応する部分には、切り欠き部10dが設けられている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、レーザプリンタの梱包構造および画像形成装置の梱包構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、運搬・輸送時に梱包材を用いることによって、用紙トレイおよびその周辺部を保護する機能を備えたレーザプリンタなどの画像形成装置の梱包構造が知られている。図6は、従来のレーザプリンタの梱包構造を示した斜視図である。図7は、図6に示した従来のレーザプリンタの用紙トレイおよびその周辺部の梱包構造の上面図である。図8は、図7に示した従来のレーザプリンタの側部フレームと用紙トレイとの位置関係を示した斜視図である。図9は、図7に示した従来のレーザプリンタの梱包構造に用いる底部梱包部材を示した上面図である。図10は、図7の部分拡大図である。
【0003】
まず、従来のレーザプリンタの梱包構造は、図6に示すように、レーザプリンタ200の底面部に、底部梱包部材100を取付けることによって構成されている。レーザプリンタ200は、図6〜図8に示すように、側面に位置するメインテナンス用の樹脂製のカバー220と、このカバー220が開閉可能に取付けられる樹脂製の側部フレーム230と、側部フレーム230内に配置されたコントロールユニット300と、下段に設けられた用紙トレイ210とを備えている。カバー220は、図8に示すように、第1ヒンジ部240と第2ヒンジ部250とにより、側部フレーム230に対して開閉可能に取付けられている。また、カバー220は、1つの第1固定部221aと2つの第2固定部221bとを含んでいる。また、側部フレーム230は、カバー220の第1固定部221aに対応する位置に設けられた1つの第1固定係合部231aと、カバー220の第2固定部221bに対応する位置に設けられた2つの第2固定係合部231bとを含んでいる。そして、メインテナンス時には、カバー220を開けて、側部フレーム230に設置されたコントロールユニット300を操作することができるように構成されている。また、カバー220を閉じる際には、カバー220の第1固定部221aおよび第2固定部221bが、それぞれ、側部フレーム230の第1固定係合部231aおよび第2固定係合部231bに脱着可能に係合することにより、カバー220が閉じた状態で固定される。
【0004】
また、図8に示すように、側部フレーム230に隣接するように、用紙トレイ210が設置されている。用紙トレイ210は、図8に示すように、方形状の用紙収納部211と、把持部212とを有する。また、把持部212には、側部フレーム230の前方の一部と対向するように、側方に突出した突出部212aが形成されている。用紙トレイ210の突出部212aの背面には、側部フレーム230と対向する領域に、凹部212bが形成されている。
【0005】
なお、図7および図8に示すように、用紙トレイ210をレーザプリンタ本体に対して装着した状態では、側部フレーム230の前面と、用紙トレイ210の突出部212aの裏面との間には、隙間150が形成されている。
【0006】
また、図9に示すように、発泡樹脂材料からなる底部梱包部材100には、レーザプリンタ200の底部を収納するための凹部からなる収納部100aが形成されている。収納部100aにレーザプリンタ200の底部が収納された状態では、図7に示すように、用紙トレイ210の把持部212は、収納部100aの前方内面部100bおよび100cに当接する。
【0007】
また、従来、運搬・輸送時に、梱包材を用いることなく、用紙トレイおよびその周辺部の移動を抑制して用紙トレイおよびその周辺部を保護する機能を備えた構造も提案されている(たとえば、特許文献1および2参照)。上記特許文献1には、給紙トレイおよび排紙トレイの先端部近傍に、それぞれ、固定用係合部を設けることによって、給紙トレイおよび排紙トレイが支持部を中心に回転して、原稿台上に載置されたときに、互いに係合固定される画像形成装置が開示されている。この特許文献1に開示された画像形成装置では、運搬・輸送時に、固定用係合部により給紙トレイおよび排紙トレイを固定することによって、原稿台が固定されるので、運搬・輸送時に原稿台が移動するのが抑制される。また、上記特許文献2には、用紙の幅を規制するために用紙載置台に用紙の幅方向に移動可能に設けられた一対の規制板と、運搬・輸送時に、両規制板間に位置して、両規制板が移動不可能な状態になるように配置される補助トレイとを設けることによって、規制板のがたつきにより、規制板や装置の破損が生じることを防止した自動給紙装置が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−244063号公報
【特許文献2】
特開平9−226945号公報
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
図6〜図10に示した従来のレーザプリンタの梱包構造では、図10に示すように、外部からA方向に衝撃が加わった場合、その衝撃は、底部梱包部材100を介して用紙トレイ210に伝わる。この場合、用紙トレイ210の突出部212aの裏面と、側部フレーム230の前面との間には隙間150が形成されているので、A方向に加わった衝撃は、用紙トレイ210の突出部212aを曲げるように作用する。このため、用紙トレイ210の突出部212aが変形するという問題点があった。また、突出部212aがA方向の衝撃を受けると、用紙トレイ210の突出部212aの基端部であるB点にも大きな力が加わることになる。これにより、用紙トレイ210の突出部212aの基端部(B点)に沿って、用紙トレイ210を構成する樹脂が白くなる現象(白化)が生じるという問題点もあった。
【0010】
また、A方向に過度の衝撃が加わると、用紙トレイ210の突出部212aが衝撃を受けて曲げられることにより、用紙トレイ210の突出部212aがカバー220に当接するので、カバー220に過度の衝撃が加わる。その結果、第1ヒンジ部240および第2ヒンジ部250(図8参照)や第1固定部221aおよび第2固定部221bにも過度の衝撃が加わるので、第1ヒンジ部240および第2ヒンジ部250や第1固定部221aおよび第2固定部221bの変形や破損が発生するという問題点もあった。
【0011】
また、上記特許文献1では、装置使用時に、給紙トレイと排紙トレイとの係合部は係合が解除された状態で使用されるので、装置使用時の衝撃対策がなされていないという問題点がある。
【0012】
また、上記特許文献2では、装置使用時に、規制板の移動の規制が解除された状態で使用されるので、上記特許文献1と同様の問題点がある。
【0013】
この考案は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この考案の1つの目的は、用紙トレイの突出部への過度の衝撃および突出部の変形を抑制することが可能なレーザプリンタおよび画像形成装置の梱包構造を提供することである。
【0014】
この考案のもう1つの目的は、上記のレーザプリンタの梱包構造において、運搬・輸送時のみならず、装置使用時にも、梱包材により対衝撃性を向上させることである。
【0015】
【課題を解決するための手段および考案の効果】
この考案の第1の局面による梱包構造は、コントロールユニットが取り付けられた側部フレームと、コントロールユニットを調整可能なように側部フレームに開閉可能に取り付けられたカバーと、下段に設けられ、側部フレームが配置される領域に対応する正面部分が側方に突出した突出部を有する用紙トレイとを含むレーザプリンタの底部および底部近傍の側部を梱包するための発泡樹脂材料からなる底部梱包部材を含むレーザプリンタの梱包構造において、用紙トレイの突出部の裏面と側部フレームとの間に配置され、発泡ポリエチレンからなる発泡ブロックをさらに備え、底部梱包部材は、側部フレームの下部、カバーの下部および用紙トレイを収納するための凹部を有するとともに、底部梱包部材の用紙トレイの突出部に対応する部分には、切り欠き部が設けられている。
【0016】
この第1の局面によるレーザプリンタの梱包構造では、上記のように、用紙トレイの突出部の裏面と側部フレームとの間に配置された発泡ブロックを設けることによって、用紙トレイの突出部に対して外部から衝撃が加わった場合に、用紙トレイの突出部が受けた衝撃が、発泡ブロックを介して側部フレームにより受け止められるので、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わるのを抑制することができる。また、用紙トレイの突出部と側部フレームとの間に発泡ブロックを配置することによって、用紙トレイの突出部が衝撃を受けた場合に、用紙トレイの突出部が側部フレーム側に曲がるのが発泡ブロックにより阻止されるので、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わった場合にも、用紙トレイの突出部が変形するのを抑制することができる。このように、用紙トレイの突出部への過度の衝撃および突出部の変形が抑制されるので、用紙トレイの突出部の基端部に大きな力が加わるのが抑制される。その結果、基端部に沿って白化が生じるのを抑制することができる。また、用紙トレイの突出部が受けた衝撃は、発泡ブロックの弾性により緩和された状態で側部フレーム側に伝達されるので、側部フレームにも過度の衝撃が加わるのが抑制される。これにより、側部フレームに開閉可能に取り付けられたカバーにも過度の衝撃が加わるのを抑制することができる。その結果、カバーに設けられたヒンジ部や固定部への過度の衝撃に起因してカバーのヒンジ部や固定部の変形や破損が生じるのを抑制することができる。
【0017】
また、第1の局面によるレーザプリンタの梱包構造では、発泡ブロックを、用紙トレイの突出部の裏面と側部フレームとの間に配置することによって、発泡ブロックを装着した状態でも、レーザプリンタを使用することができる。これにより、梱包材としての発泡ブロックを取り外すことなくレーザプリンタを作動させた場合にも、レーザプリンタの動作に異常が発生することがないので、梱包構造内に発泡ブロックを取り外してからレーザプリンタを使用すべき旨の警告表示を行う必要がない。また、発泡ブロックを取り外すことなくレーザプリンタを作動させることができるので、運搬・輸送時のみならず、装置使用時にも、レーザプリンタの耐衝撃性を向上させることができる。
【0018】
また、第1の局面によるレーザプリンタの梱包構造では、発泡ブロックを、プラスチック(樹脂)に対する移行性のほとんどない発泡ポリエチレンにより形成することによって、梱包材を構成する発泡樹脂の可塑剤の分子が用紙トレイを構成するプラスチック(樹脂)へ移行することに起因して用紙トレイが劣化するという不都合(移行性の問題)が発生するのを抑制することができる。これにより、移行性に起因する用紙トレイの劣化を生じさせることなく、用紙トレイに接触させた状態で発泡ブロックを長期間使用することができる。
【0019】
また、第1の局面によるレーザプリンタの梱包構造では、底部梱包部材の用紙トレイの突出部に対応する部分に、切り欠き部を設けることによって、底部梱包部材に対して外部から衝撃が加わった場合に、底部梱包部材が受けた衝撃が、用紙トレイの突出部に伝わるのを抑制することができる。これにより、この切り欠き部と上記した発泡ブロックとの組合せにより、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わるのをより抑制することができるので、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わることにより、用紙トレイの突出部の基端部に沿って白化が生じるのをより抑制することができる。
【0020】
この考案の第2の局面による画像形成装置の梱包構造では、側部フレームと、下段に設けられ、側部フレームが配置される領域に対応する正面部分が側方に突出した突出部を有する用紙トレイとを含む画像形成装置の梱包構造であって、発泡樹脂材料からなるとともに、画像形成装置の底部を梱包するための底部梱包部材と、用紙トレイの突出部の裏面と、側部フレームとの間に配置され、発泡樹脂材料からなる発泡ブロックとを備える。
【0021】
この考案の第2の局面による画像形成装置の梱包構造では、上記のように、用紙トレイの突出部の裏面と側部フレームとの間に配置された発泡ブロックを設けることによって、用紙トレイの突出部に対して外部から衝撃が加わった場合に、用紙トレイの突出部が受けた衝撃が、発泡ブロックを介して側部フレームにより受け止められるので、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わるのを抑制することができる。また、用紙トレイの突出部と側部フレームとの間に発泡ブロックを配置することによって、用紙トレイの突出部が衝撃を受けた場合に、用紙トレイの突出部が側部フレーム側に曲がるのが発泡ブロックにより阻止されるので、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わった場合にも、用紙トレイの突出部が変形するのを抑制することができる。このように、用紙トレイの突出部への過度の衝撃および突出部の変形が抑制されるので、用紙トレイの突出部の基端部に大きな力が加わるのが抑制される。その結果、基端部に沿って白化が生じるのを抑制することができる。また、発泡ブロックを、用紙トレイの突出部の裏面と側部フレームとの間に配置することによって、発泡ブロックを装着した状態でも、画像形成装置を使用することができる。これにより、梱包材としての発泡ブロックを取り外すことなく画像形成装置を作動させた場合にも、画像形成装置の動作に異常が発生することがないので、梱包構造内に発泡ブロックを取り外してから画像形成装置を使用すべき旨の警告表示を行う必要がない。また、発泡ブロックを取り外すことなく画像形成装置を作動させることができるので、運搬・輸送時のみならず、装置使用時にも、画像形成装置の耐衝撃性を向上させることができる。
【0022】
上記第2の局面による画像形成装置の梱包構造において、好ましくは、発泡ブロックは、発泡ポリエチレンからなる。このように構成すれば、発泡ポリエチレンは移行性がほとんどないので、梱包材を構成する発泡樹脂の可塑剤の分子が用紙トレイを構成するプラスチック(樹脂)へ移行することに起因して用紙トレイが劣化するという不都合(移行性の問題)が発生するのを抑制することができる。これにより、移行性に起因する用紙トレイの劣化を生じさせることなく、用紙トレイに接触させた状態で長期間発泡ブロックを使用することができる。
【0023】
上記第2の局面による画像形成装置の梱包構造において、好ましくは、底部梱包部材の用紙トレイの突出部に対応する部分には、切り欠き部が設けられている。このように構成すれば、底部梱包部材が受けた衝撃が、用紙トレイの突出部に伝わるのを抑制することができる。これにより、この切り欠き部と上記した発泡ブロックとの組合せにより、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わるのをより抑制することができるので、用紙トレイの突出部に過度の衝撃が加わることにより、用紙トレイの突出部の基端部に沿って白化が生じるのをより抑制することができる。
【0024】
上記第2の局面による画像形成装置の梱包構造において、好ましくは、側部フレームに開閉可能に取り付けられたカバーをさらに備え、発泡ブロックは、カバーが取り付けられた側部フレームと、用紙トレイの突出部の裏面との間に配置されている。このように構成すれば、用紙トレイの突出部が受けた衝撃は、発泡ブロックの弾性により緩和された状態で側部フレーム側に伝達されるので、側部フレームにも過度の衝撃が加わるのが抑制される。これにより、側部フレームに開閉可能に取り付けられたカバーにも過度の衝撃が加わるのを抑制することができる。その結果、カバーに設けられたヒンジ部や固定部への過度の衝撃に起因してカバーのヒンジ部や固定部の変形や破損が生じるのを抑制することができる。
【0025】
上記第2の局面による画像形成装置の梱包構造において、好ましくは、用紙トレイの突出部の裏面には、凹部が形成されており、発泡ブロックは、用紙トレイの突出部の凹部に嵌め込まれた状態で、側部フレームと用紙トレイの突出部の裏面との間に配置されている。このように構成すれば、発泡ブロックの位置ずれが発生するのを有効に防止することができる。
【0026】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本考案の一実施形態によるレーザプリンタの用紙トレイおよびその周辺部の梱包構造の上面図である。図2は、図1に示した本考案の一実施形態によるレーザプリンタの側部フレームと用紙トレイとの位置関係を示した斜視図である。図3は、本考案の一実施形態による梱包構造に用いる発泡ブロックを示した斜視図である。図4は、図1に示した本考案の一実施形態によるレーザプリンタの梱包構造に用いる底部梱包部材を示した上面図である。図5は、図1の部分拡大図である。
【0028】
まず、本考案の一実施形態によるレーザプリンタの梱包構造は、レーザプリンタ200に底部梱包部材10と発泡ブロック1とを取付けることによって構成されている。なお、レーザプリンタ200は、図6および図8に示した従来のレーザプリンタ200と同様の構造を有している。
【0029】
ここで、本実施形態では、図1および図2に示すように、発泡ポリエチレンからなる発泡ブロック1を、側部フレーム230の前面と、用紙トレイ210の突出部212aの裏面との間に配置している。この発泡ブロック1は、用紙トレイ210の凹部212bに嵌め込まれるように配置されている。また、この発泡ブロック1は、図2および図3に示すように、用紙トレイ210の凹部212bに挿入される面1aと、側部フレーム230と対向する面1bとを有している。面1aは、用紙トレイ210の凹部212bの湾曲した面に沿うような曲面形状を有している。また、面1bは、平坦な平面形状を有している。
【0030】
また、図4に示すように、発泡樹脂材料からなる底部梱包部材10には、レーザプリンタ200の底部を収納するための凹部からなる収納部10aが形成されている。収納部10aにレーザプリンタ200の底部が収納された状態では、図1に示すように、用紙トレイ210の把持部212は、収納部10aの前方内面部10bおよび10cに当接する。
【0031】
ここで、本実施形態では、図4に示すように、底部梱包部材10の用紙トレイ210の突出部212aの先端部分に対応する部分には、切り欠き部10dが設けられている。この切り欠き部10dにより、用紙トレイ210の突出部212aの先端部分には、荷重が加わらない。
【0032】
上記した本実施形態によるレーザプリンタの梱包構造では、図5に示すように、外部からA方向に衝撃が加わった場合、その衝撃は、底部梱包部材10を介して、用紙トレイ210の突出部212aに伝わる。この衝撃は、用紙トレイ210の突出部212aを側部フレーム230側に曲げようとする方向に作用する。この場合、本実施形態では、用紙トレイ210の突出部212aの裏面と、側部フレーム230の前面との間に、発泡ブロック1を配置することによって、用紙トレイ210の突出部212aが受けた衝撃が、発泡ブロック1を介して側部フレーム230により受け止められる。これにより、用紙トレイ210の突出部212aに過度の衝撃が加わるのを抑制することができる。また、用紙トレイ210の突出部212aと側部フレーム230との間に発泡ブロック1を配置することによって、用紙トレイ210の突出部212aが衝撃を受けた場合に、突出部212aが側部フレーム230側に曲がるのが発泡ブロック1により阻止されるので、用紙トレイ210の突出部212aに過度の衝撃が加わった場合にも、用紙トレイ212の突出部212aが変形するのを抑制することができる。このように、用紙トレイ210の突出部212aへの過度の衝撃および突出部212aの変形が抑制されるので、用紙トレイ210の突出部212aの基端部(図5のB点)に大きな力が加わるのが抑制される。その結果、突出部212aの基端部(B点)に沿って白化が生じるのを抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態では、用紙トレイ210の突出部212aが受けた衝撃は、発泡ブロック1の弾性により緩和された状態で側部フレーム230側に伝達されるので、側部フレーム230にも過度の衝撃が加わるのが抑制される。これにより、側部フレーム230に開閉可能に取り付けられたカバー220にも過度の衝撃が加わるのを抑制することができる。その結果、第1ヒンジ部240および第2ヒンジ部250や第1固定部221aおよび第2固定部221bの変形や破損が生じるのを抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態では、発泡ブロック1を、用紙トレイ210の突出部212aの裏面と側部フレーム230との間に配置することによって、発泡ブロック1を装着した状態でも、レーザプリンタ200を使用することができる。これにより、梱包材としての発泡ブロック1を取り外すことなくレーザプリンタ200を作動させた場合にも、レーザプリンタ200の動作に異常が発生することがないので、梱包構造内に発泡ブロック1を取り外してからレーザプリンタ200を使用すべき旨の警告表示を行う必要がない。また、発泡ブロック1を取り外すことなくレーザプリンタ200を作動させることができるので、運搬・輸送時のみならず、装置使用時にも、レーザプリンタ200の耐衝撃性を向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、発泡ブロック1を、プラスチック(樹脂)に対する移行性のほとんどない発泡ポリエチレンにより形成することによって、梱包材を構成する発泡樹脂の可塑剤の分子が用紙トレイ210を構成するプラスチック(樹脂)へ移行することに起因して用紙トレイ210が劣化するという不都合(移行性の問題)が発生するのを抑制することができる。これにより、移行性に起因する用紙トレイ210の劣化を生じさせることなく、用紙トレイ210に接触させた状態で発泡ブロック1を長期間使用することができる。
【0036】
また、本実施形態では、底部梱包部材10の用紙トレイ210の突出部212aの先端部分に、切り欠き部10dを設けることによって、底部梱包部材10に対して外部から衝撃が加わった場合に、底部梱包部材10が受けた衝撃が、用紙トレイ210の突出部212aの先端部分に伝わるのを抑制することができる。これにより、この切り欠き部10dと上記した発泡ブロック1との組合せにより、用紙トレイ210の突出部212aに過度の衝撃が加わるのをより抑制することができるので、用紙トレイ210の突出部212aに過度の衝撃が加わることにより、用紙トレイ210の突出部212aの基端部に沿って白化が生じるのをより抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、発泡ブロック1を、用紙トレイ210の突出部212aの凹部212bに嵌めこんだ状態で、用紙トレイの突出部212aと側部フレーム230との間に配置することによって、発泡ブロック1の位置ずれが発生するのを有効に防止することができる。
【0038】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく実用新案登録請求の範囲によって示され、さらに実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0039】
たとえば、上記実施形態では、発泡ブロック1を、発泡樹脂材料の一例としての発泡ポリエチレンにより形成したが、本考案はこれに限らず、発泡ブロック1を、発泡ポリエチレン以外の衝撃緩和作用を有する発泡樹脂材料により形成してもよい。この場合、発泡ブロックは、移行性のないかまたは少ない発泡樹脂材料により形成することが好ましい。
【0040】
また、上記実施形態では、底部梱包部材10の用紙トレイ210の突出部212aに対応する部分に、切り欠き部10dを設けたが、本考案はこれに限らず、切り欠き部10dのない底部梱包部材を用いてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、本考案を画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの梱包構造に適用した例を示したが、本考案はこれに限らず、レーザプリンタ以外の用紙トレイと側部フレームとを有する画像形成装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案の一実施形態によるレーザプリンタの用紙トレイおよびその周辺部の梱包構造の上面図である。
【図2】図1に示した本考案の一実施形態によるレーザプリンタの側部フレームと用紙トレイとの位置関係を示した斜視図である。
【図3】本考案の一実施形態による梱包構造に用いる発泡ブロックを示した斜視図である。
【図4】図1に示した本考案の一実施形態によるレーザプリンタの梱包構造に用いる底部梱包部材を示した上面図である。
【図5】図1に示した本考案の一実施形態によるレーザプリンタの梱包構造の部分拡大図である。
【図6】従来のレーザプリンタの梱包構造を示した斜視図である。
【図7】図6に示した従来のレーザプリンタの用紙トレイおよびその周辺部の梱包構造の上面図である。
【図8】図7に示した従来のレーザプリンタの側部フレームと用紙トレイとの位置関係を示した斜視図である。
【図9】図7に示した従来のレーザプリンタの梱包構造に用いる底部梱包部材を示した上面図である。
【図10】図7に示した従来のレーザプリンタの梱包構造の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 発泡ブロック
10 底部梱包部材
10d 切り欠き部
210 用紙トレイ
212a 突出部
212b 凹部
220 カバー
230 側部フレーム

Claims (6)

  1. コントロールユニットが取り付けられた側部フレームと、前記コントロールユニットを調整可能なように前記側部フレームに開閉可能に取り付けられたカバーと、下段に設けられ、前記側部フレームが配置される領域に対応する正面部分が側方に突出した突出部を有する用紙トレイとを含むレーザプリンタの底部および底部近傍の側部を梱包するための発泡樹脂材料からなる底部梱包部材を含むレーザプリンタの梱包構造において、
    前記用紙トレイの突出部の裏面と、前記側部フレームとの間に、発泡ポリエチレンからなる発泡ブロックをさらに備え、
    前記底部梱包部材は、前記側部フレームの下部、前記カバーの下部および前記用紙トレイを収納するための凹部を有するとともに、前記底部梱包部材の前記用紙トレイの突出部に対応する部分には、切り欠き部が設けられている、レーザプリンタの梱包構造。
  2. 側部フレームと、下段に設けられ、前記側部フレームが配置される領域に対応する正面部分が側方に突出した突出部を有する用紙トレイとを含む画像形成装置の梱包構造であって、
    発泡樹脂材料からなるとともに、前記画像形成装置の底部を梱包するための底部梱包部材と、
    前記用紙トレイの突出部の裏面と、前記側部フレームとの間に配置され、発泡樹脂材料からなる発泡ブロックとを備えた、画像形成装置の梱包構造。
  3. 前記発泡ブロックは、発泡ポリエチレンからなる、請求項2に記載の画像形成装置の梱包構造。
  4. 前記底部梱包部材の前記用紙トレイの突出部に対応する部分には、切り欠き部が設けられている、請求項2または3に記載の画像形成装置の梱包構造。
  5. 前記側部フレームに開閉可能に取り付けられたカバーをさらに備え、
    前記発泡ブロックは、前記カバーが取り付けられた前記側部フレームと、前記用紙トレイの突出部の裏面との間に配置されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置の梱包構造。
  6. 前記用紙トレイの突出部の裏面には、凹部が形成されており、
    前記発泡ブロックは、前記用紙トレイの突出部の凹部に嵌め込まれた状態で、前記側部フレームと前記用紙トレイの突出部の裏面との間に配置されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置の梱包構造。
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