JPH0740646U - シート状記録紙の収納器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録紙のサイズに応じて記録紙の位置を規制
する移動自在な規制手段を、簡単な構造でかつ容易に固
定し得るようにすること。 【構成】 給紙カセット２０は、シート状の記録紙Ｐが
積層状態で収容されるカセット本体２１と、このカセッ
ト本体２１に収容された記録紙Ｐに当接して当該記録紙
Ｐの位置を規制する移動自在な規制手段４０と、カセッ
ト本体２１の上面を覆う上蓋２２とを有する。規制手段
４０と上蓋２２との間には、上蓋２２がカセット本体２
１の上面を覆うと規制手段４０の位置を固定すると共に
上蓋２２がカセット本体２１の上面を開くと規制手段４
０の位置固定を解除するロック手段Ｌが設けられてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シート状の記録紙を収容するための給紙カセットや給紙トレーなど の収納器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

レーザビームプリンタ、熱転写プリンタ、複写機などの画像形成装置において は、シート状の記録紙を給紙カセット内や給紙トレー上に積層した状態で収容し ておき、プリント動作がなされるときに、１枚ずつ給紙カセットや給紙トレーか ら記録紙を繰り出すようにしている。一般的な給紙カセットは、記録紙を積層状 態で収容するカセット本体を有し、このカセット本体には、その上面を覆って記 録紙へごみが付着することなどを防止する上蓋が着脱自在に取り付けられている 。上述した画像形成装置では、葉書サイズからＡ５サイズ、Ｂ５サイズ、Ａ４サ イズまであるいはＡ３サイズまで、サイズが相違する複数の用紙が使用されるこ とがある。

【０００３】 そして、小型のプリンタにあっては、１つの給紙カセットのみを装填し得るよ うにしているので、例えば複数種類の記録紙に対する画像の形成がなされる場合 には、記録紙のサイズに応じて複数の給紙カセットを用意しておき、作業者がプ リンタを操作する際に、任意の給紙カセットを選択し、プリンタに装填するよう にしていた。

【０００４】 しかしながら、この方式では、複数の給紙カセットを予め用意する必要がある のでユーザ側の金銭的な負担が大きくならざるを得ず、また、使用されない記録 紙を収容した給紙カセットを保管する場所も必要になるという問題があった。

【０００５】 そこで、記録紙のサイズに応じて収容された記録紙の位置を規制する用紙規制 板を可動式にしたいわゆるユニバーサルカセットが提案されている。

【０００６】 このユニバーサルカセットによれば、保管場所が少なくて済むという利点など があるものの、記録紙を収容した状態で給紙カセットを持ち運びすると、記録紙 の重みで用紙規制板が動いてしまい、収容した記録紙が傾いたり、ずれたりする ことがあった。このような状態で印字を実行すると、画像の位置がずれてしまっ たり、用紙詰まりが生じたりする虞があった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従来のユニバーサルカセットには、用紙規制板の位置を固定するロック機構を カセット本体側に設けたものがある。しかし、ロック機構をカセット本体に設け るのに伴ってカセット本体が大きくなり、給紙カセット全体のサイズを小さくで きないという問題があった。

【０００８】 さらに、ロック機構を操作するための専用の作業が必要となるので、ユーザに とっては煩雑で、用紙規制板の位置固定を容易かつ迅速に行うことができないと いう問題もあった。

【０００９】 また、従来のユニバーサルカセットには、用紙規制板の位置固定を、記録紙の サイズごとに設けたクリックにより行うようにしたものもある。しかし、記録紙 の重みに抗して用紙規制板を動かないようにするためにはクリックをきつく設定 しなければならず、用紙規制板を記録紙のサイズに合わせて調節移動する際の操 作性が著しく低下するという問題もあった。

【００１０】 本考案は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、記 録紙のサイズに応じて記録紙の位置を規制する移動自在な規制手段を、簡単な構 造でかつ容易に固定し得るようにしたシート状記録紙の収納器を提供することを 目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するための本考案は、シート状の記録紙が積層状態で収容され る収容部と、 この収容部に収容された前記記録紙に当接して当該記録紙の位置を規制する移 動自在な規制手段と、 前記収納部の上面を覆う蓋部材と、 前記規制手段と前記蓋部材との間に設けられ、前記蓋部材が前記収納部の上面 を覆うと前記規制手段の位置を固定すると共に前記蓋部材が前記収納部の上面を 開くと前記規制手段の位置固定を解除するロック手段と、を有してなるシート状 記録紙の収納器である。

【００１２】

【作用】

このように構成したシート状記録紙の収納器によれば、記録紙を収容部に収容 するなどのときには、蓋部材により収納部の上面を開くと、これに連動して、ロ ック手段による規制手段の位置固定が解除されるため、収容部に収容される記録 紙のサイズに合わせて、規制手段を滑らかに調節移動することができる。一方、 規制手段を調節移動して記録紙の位置規制が終わると、蓋部材により収納部の上 面を覆うだけで、ロック手段により規制手段の位置が固定され、収容器を運搬な どしても収容した記録紙が傾いたり、ずれたりすることがなくなる。

【００１３】 このように、規制手段と蓋部材との間に設けたロック手段によって、収納部上 面を開閉する操作に連動して規制手段の固定解除あるいは位置固定がなされるた め、収納器のサイズが大きくならず、また、規制手段を固定するための専用の作 業を必要としないため規制手段の位置固定が容易かつ迅速に行われる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案の一実施例に係る収納器としての給紙カセットが装填されたプ リンタを示す図であり、プリンタ１０下部に接続した給紙ユニット１１には、シ ート状記録紙の収納器としての給紙カセット２０が装填されている。この給紙カ セット２０は、シート状の記録紙Ｐを積層状態で収容するカセット本体２１（収 容部に相当する）と、このカセット本体２１の上面を覆う上蓋２２（蓋部材に相 当する）とを有する。

【００１５】 図２および図３に示すように、カセット本体２１は、プリンタ内への挿入方向 に沿って先端側となる前壁２３と、挿入方向に沿って後端側となる後壁２４と、 左右の両側壁２５、２６と、底壁２７とを備え、上面が開口された箱形状を有し 、底壁２７上には、記録紙Ｐが載置される用紙押上板２８が設けられている。こ の用紙押上板２８は、後述する用紙規制板４４の移動と干渉しないように切り込 み部２９が設けられ、全体は略Ｈ字形状を有している。また、図４にも示すよう に、用紙押上板２８の基端部寄りには当該用紙押上板２８から立ち上がるように 接続板３０が設けられている。この接続板３０は、左右両側壁２５、２６におけ る後壁２４寄りに設けた支軸３１に対して回動自在に取り付けられている。これ により、用紙押上板２８は、支軸３１を中心に揺動自在となっている。さらに、 用紙押上板２８の裏面側と底壁２７との間には、用紙押上板２８の先端部側を開 口部３２に向けて押し上げる弾発力を当該用紙押上板２８に付勢するバネ３３が 設けられている。このバネ３３の弾発力が付勢された下で、記録紙Ｐは、図示し ない給紙ローラに圧接し、給紙ローラの回転により１枚ずつ繰り出される。

【００１６】 カセット本体２１内には、収容された記録紙Ｐに当接して当該記録紙Ｐの位置 を規制する規制手段４０が移動自在に設けられている。図示する規制手段４０は 、記録紙Ｐのサイズに応じて記録紙Ｐの幅方向（カセット本体２１の左右方向） にスライド移動自在となっており、記録紙Ｐの右縁側を規制する右方規制部材４ １と、記録紙Ｐの左縁側を規制する左方規制部材４２とを有する。各規制部材４ １、４２は、スライド板４３の端部に記録紙Ｐに当接する用紙規制板４４を取り 付けて構成されている。

【００１７】 右方規制部材４１のスライド板４３における前端辺および左方規制部材４２の スライド板４３における後端辺には、ラック４５およびこのラック４５よりも若 干突出する突出片４６がそれぞれ形成されている。各スライド板４３のラック４ ５に噛み合うギア４７がカセット本体２１の底壁２７に回転自在に取り付けられ 、このギア４７はカセット本体２１の左右方向の中間位置に配置されている。し たがって、一方の規制部材４１（４２）を動かすと、他方の規制部材４２（４１ ）も連動して同量だけ左右方向にスライド移動する。

【００１８】 カセット本体２１の底壁２７には、ギア４７近傍から左右方向にそれぞれ伸び るガイド部材４８が設けられている。このガイド部材４８の長溝４９に、各スラ イド板４３に設けた前記突出片４６が嵌まり合っている。また、各スライド板４ ３の他の端辺には、片持ち支持により弾力性が付与された弾性突出片５０が設け られ、これら弾性突出片５０が嵌まり合うガイドリブ５１がカセット本体２１の 底壁２７に設けられている。各スライド板４３は、弾性突出片５０の弾性力によ りガタが吸収されて、ガイド部材４８とガイドリブ５１とに案内されつつ左右方 向にスライド移動する。

【００１９】 前記上蓋２２は、カセット本体２１の開口部３２以外の上面部分を覆い、カセ ット本体２１に収容した記録紙Ｐにほこりが付いたり、記録紙Ｐが吸湿したりす るのを防止する。この上蓋２２は、収容した記録紙Ｐの残量を目視で確認し得る ように例えば透明な樹脂材料より成形されている。上蓋２２の４辺のうち前端辺 を除いた３辺には、カセット本体２１の両側壁２５、２６と後壁２４に形成した 段差部５２に係合する係合段部５３が形成され、上蓋２２はカセット本体２１に 着脱自在に取り付けられる。

【００２０】 特に、本実施例では、図５にも拡大して示すように、各用紙規制板４４の上端 面には、断面山型形状を有する突起５５が形成され、上蓋２２の内面には、各用 紙規制板４４の突起５５が係合するへこみ部５６が形成されている。へこみ部５ ６は、用紙規制板４４の移動許容範囲よりも若干広い範囲で形成されている。用 紙規制板４４を記録紙Ｐの幅に合わせて調節移動した後、上蓋２２をカセット本 体２１に取り付けると、各用紙規制板４４は、その突起５５が上蓋２２のへこみ 部５６に係合することにより、移動が防止される。

【００２１】 この実施例にあっては、各用紙規制板４４の突起５５と上蓋２２のへこみ部５ ６とにより、ロック手段Ｌが構成されている。

【００２２】 上述のように構成された給紙カセット２０に記録紙Ｐを収容する場合には、ま ず、上蓋２２をカセット本体２１から取り外す。上蓋２２を取り外すことによっ て、各用紙規制板４４は、その突起５５と上蓋２２のへこみ部５６との係合が解 除され、スライド移動自在となる。次いで、作業者は用紙規制板４４の間隔を広 げる。このとき、一方の用紙規制板４４を動かすと、他方の用紙規制板４４も連 動して同量だけスライド移動する。記録紙Ｐを用紙押上板２８上に載置した後、 記録紙Ｐの幅方向の縁部に当接するまで、用紙規制板４４の間隔を狭める。そし て、上蓋２２をカセット本体２１に取り付けて、プリンタの所定位置にセットす る。

【００２３】 このとき、各用紙規制板４４は、その突起５５が上蓋２２のへこみ部５６に係 合することにより、移動が阻止され、調節した位置に固定されている。このため 、給紙カセット２０をプリンタにセットするために持ち運ぶ場合にも、用紙規制 板４４が移動せず、カセット本体２１に収容した記録紙Ｐが傾いたり、ずれたり することがない。したがって、プリンタで印字を実行しても、画像の位置がずれ ることはなく、用紙詰まりが生じることもない。

【００２４】 さらに、用紙規制板４４をロックする機構が上蓋２２と用紙規制板４４との間 に設けられており、上蓋２２をカセット本体２１に取り付けるだけで用紙規制板 ４４の位置固定が自動的になされる。このため、用紙規制板４４を位置固定する ための専用の操作を行う手間が省けるので、作業者を煩わすことがなく、操作ミ スを防ぐこともできる。

【００２５】 しかも、カセット本体２１の底壁２７などにロック機構を設ける必要がないた め、カセット本体２１ひいては給紙カセット２０全体の小型化を図れ、結果的に プリンタの小型化をも達成することができる。また、突起５５とへこみ部５６と を形成するだけでロック手段Ｌを構成できるため、コストの増加を抑えることが 可能である。

【００２６】 また、上蓋２２をカセット本体２１から取り外すだけで用紙規制板４４の位置 固定が解除されるため、用紙規制板４４の調節移動を直ぐに行うことができ、さ らに、クリックなどを設けていないため、用紙規制板４４を滑らかに動かすこと ができ操作性が著しく向上する。

【００２７】 図６は、本考案の他の実施例に係る要部を拡大して示す断面図である。

【００２８】 この実施例では、用紙規制板４４ａの上端面には突起５５が設けられておらず 、用紙規制板４４ａの上端面は平坦面５７に形成されている。一方、上蓋２２ａ の内面にはへこみ部５６が設けられておらず、上蓋２２ａの内面にはゴムなどの 弾性を有する材料からなる弾性部材５８が貼り付けられている。また、カセット 本体２１の段差部５２に係合凹部５９を形成し、上蓋２２の係合段部５３には係 合凸部６０を形成することにより、カセット本体２１に取り付けた上蓋２２ａが 外れ難いようにしてある。

【００２９】 この実施例にあっては、用紙規制板４４ａ上端の平坦面５７と上蓋２２ａの弾 性部材５８とにより、ロック手段Ｌが構成されている。

【００３０】 そして、上蓋２２ａをカセット本体２１に取り付けると、各用紙規制板４４ａ がどの位置にあっても、上蓋２２ａの弾性部材５８が弾性変形しつつ各用紙規制 板４４ａを押圧ないし圧迫するため、用紙規制板４４ａは、その移動が阻止され 、調節した位置に固定されることになる。このため、前述した実施例と同様に、 給紙カセット２０を持ち運ぶ場合にも、用紙規制板４４ａが移動せず、カセット 本体２１に収容した記録紙Ｐが傾いたり、ずれたりすることがなく、画像の位置 がずれたり、用紙詰まりが生じたりすることがない。

【００３１】 さらに、用紙規制板４４ａをロックする機構が上蓋２２ａと用紙規制板４４ａ との間に設けられているため、上蓋２２ａをカセット本体２１に取り付けるだけ で用紙規制板４４ａの位置固定が自動的になされ、作業者を煩わすことがなくな る。

【００３２】 しかも、カセット本体２１ひいては給紙カセット２０全体の小型化を図れ、結 果的にプリンタの小型化をも達成することができる。また、平坦面５７を形成す ると共に弾性部材５８を取り付けるだけでロック手段Ｌを構成できるため、コス トの増加を抑えることが可能である。

【００３３】 また、上蓋２２ａをカセット本体２１から取り外すだけで用紙規制板４４ａの 位置固定が解除されるため、用紙規制板４４ａの調節移動を直ぐに行うことがで き、また、用紙規制板４４ａを滑らかに動かすことができるため、操作性が著し く向上する。

【００３４】 なお、図６に示した実施例とは逆に、弾性部材５８を用紙規制板４４ａの上端 面に取り付けても、同様の作用、効果を発揮する。さらに、弾性部材５８との噛 み合いを高めるために、弾性部材５８との当接面（用紙規制板４４ａの上端面な ど）を凹凸状に形成しても良い。

【００３５】 図示した２つの実施例では、記録紙Ｐの左右縁を規制する左右の規制部材４１ 、４２が設けられているが、搬送方向に沿って後端側となる記録紙Ｐの後縁を規 制する規制部材をさらに設けても良い。

【００３６】 また、本考案を給紙カセット２０に適用した場合の実施例について図示したが 、本考案はこの場合に限定されるものではない。例えば、給紙トレーに本考案を 適用することも可能である。この場合には、給紙トレーが収容部に相当し、給紙 トレーの上面を覆う上蓋やプリンタカバーなどが蓋部材に相当する。

【００３７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係るシート状記録紙の収納器によれば、記録紙 のサイズに応じて記録紙の位置を規制する移動自在な規制手段を、簡単な構造で かつ容易に固定することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る収納器としての給紙
カセットが装填されたプリンタを示す外観斜視図であ
る。

【図２】 給紙カセットを示す平面図である。

【図３】 図２の３−３線に沿う断面図である。

【図４】 図２の４−４線に沿う断面図である。

【図５】 同実施例の要部を拡大して示す断面図であ
る。

【図６】 本考案の他の実施例に係る要部を拡大して示
す断面図である。

【符号の説明】

２０…給紙カセット（収納器）、 ２１…カセット本
体（収容部）、２２、２２ａ…上蓋（蓋部材）、 ４
０…規制手段、４１…右方規制部材、 ４
２…左方規制部材、４３…スライド板、
４４、４４ａ…用紙規制板、５５…突起、
５６…へこみ部、５７…平坦面、
５８…弾性部材、Ｌ…ロック手段、
Ｐ…シート状の記録紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状の記録紙が積層状態で収容され
   る収容部と、 この収容部に収容された前記記録紙に当接して当該記録
   紙の位置を規制する移動自在な規制手段と、 前記収納部の上面を覆う蓋部材と、 前記規制手段と前記蓋部材との間に設けられ、前記蓋部
   材が前記収納部の上面を覆うと前記規制手段の位置を固
   定すると共に前記蓋部材が前記収納部の上面を開くと前
   記規制手段の位置固定を解除するロック手段と、を有し
   てなるシート状記録紙の収納器。