JP3097449B2 - アルミフイン材親水化処理剤用有機重合体粒子 - Google Patents

アルミフイン材親水化処理剤用有機重合体粒子

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JP3097449B2
JP3097449B2 JP06085321A JP8532194A JP3097449B2 JP 3097449 B2 JP3097449 B2 JP 3097449B2 JP 06085321 A JP06085321 A JP 06085321A JP 8532194 A JP8532194 A JP 8532194A JP 3097449 B2 JP3097449 B2 JP 3097449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミフィン材親水化
処理剤用有機重合体粒子に関する。さらに詳しくは、無
機粒子より柔らかく且つ水のブリッジ形成を抑える効果
に優れるアルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子
に関する。
【0002】
【従来の技術】空調機の熱交換器は、冷房時に発生する
凝縮水が水滴となって2枚のアルミフィンの間に水のブ
リッジを形成するために空気の通路が狭められ通風抵抗
が大きくなるので、電力の損失、騒音の発生、水滴の飛
散などの不具合が発生する。
【0003】水のブリッジの形成を抑える方法として、
アルミフィン材に、親水化処理剤を塗布し、アルミフィ
ン材表面に均一な高さの凸部を形成させる方法が一般に
採用されている。
【0004】この親水化処理剤としては、有機樹脂にシ
リカ、水酸化アルミニウム、チタニア等の無機粒子を混
合したもの(特開平1−223188号)が知られてい
る。しかし、この処理剤を塗布したアルミフィン材は、
熱交換器のフィンを製造する際に用いるカッターの刃を
著しく損傷させ、熱交換器の製造費用を高めることとな
っていた。この原因は、親水化処理剤を構成する無機粒
子が硬いためであると言われている。
【0005】そこで、最近、親水化処理剤の構成成分と
して、シリカ等の無機粒子に代えて、無機粒子より柔ら
かい有機重合体粒子を用いる研究が行われ始めた。有機
重合体粒子としては、スチレンやジビニルベンゼンを分
散重合してなる狭い粒子径分布を有する有機重合体粒子
が知られている(特開平1−249806号公報、特開
平4−351605号公報)。これらの有機重合体粒子
を用いて得られるアルミフィン材はカッターの刃の損傷
を少なくすることができた。しかし、フィン間に水のブ
リッジが形成するのを抑える効果は低くなってしまっ
た。
【0006】そこで、無機粒子より柔らかく且つ水のブ
リッジ形成を抑える効果に優れる有機重合体粒子の開発
が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無機
粒子より柔らかく且つ水のブリッジ形成を迎える効果に
優れるアルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子を
提供することにある。
【0008】本発明者らは、前記目的を達成するために
鋭意研究した結果、特定の単量体をポリメタクリル酸の
存在下で分散共重合することによって無機粒子より柔ら
かく且つ水のブリッジ形成を抑える効果に優れる有機重
合体粒子を得ることができることを見出し、その知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、化学式1で表される単量体及び化学式2で表される
単量体から選ばれる1種以上の単量体(A)0.1〜1
0重量%、疎水性多官能エチレン性不飽和単量体(B)
15〜45重量%、疎水性モノエチレン性不飽和単量体
(C)45〜84.9重量%及びこれら以外の単量体
(D)0〜39.9重量%からなる単量体混合物100
重量部を、ポリ(メタ)アクリル酸1〜40重量部の存
在下に、該単量体混合物とポリ(メタ)アクリル酸とを
溶解するが該単量体混合物の共重合体を溶解しない溶媒
中で重合して得られ且つ重量平均粒子径/数平均粒子径
の比が1.2以下で、1次粒子の平均粒子径が0.3〜1
μmであるアルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒
子が提供される。
【0010】以下、本発明について詳述する。
【0011】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子は、その重量平均粒子径/数平均粒子径の
比が1.2以下である。重量平均粒子径/数平均粒子径
の比が1.2を超えるものはアルミフィン材の表面に均
一な高さの凸部を形成するのに適さない。なお、重量平
均粒子径/数平均粒子径の比は、その値が小さいほど、
粒子径分布が狭いことを表す。
【0012】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子は、その平均粒子径(重量平均粒子径およ
び数平均粒子径)が0.3〜1μm、好ましくは0.3〜
0.8μmの範囲内にある。平均粒子径が0.3μm未満
のものではアルミフィン材の表面に凸部を形成させるこ
とができない。逆に1μmを超えるものはアルミフィン
材の熱伝導効率が低下して、熱交換器に使用できない。
【0013】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子は、単量体(A)、疎水性多官能エチレン
性不飽和単量体(B)、疎水性モノエチレン性不飽和単
量体(C)及びこれら以外の単量体(D)を共重合して
なるものである。
【0014】本発明で使用される単量体(A)は化学式
1で表される単量体及び化学式2で表される単量体から
選ばれる1種以上のものである。
【0015】
【化4】
【0016】化学式1中の、R1及びR2はそれぞれ独立
に炭素原子数1〜4個のアルキル基又は水素、好ましく
はメチル基又は水素である。R3は炭素原子数1〜4個
のアルキル基又は水素、好ましくはメチル基である。n
は1〜25、好ましくは3〜15、さらに好ましくは3
〜10である。nはポリエチレングリコール又はポリプ
ロピレングリコールの平均重合化度を表す値である。
【0017】化学式1で表される単量体としては、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。これらの単量体(A)のうち、
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートは、水のブリッジ形成を抑える効果が一段と優れる
アルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子が得られ
るので好適に用いられる。なお、「(メタ)アクリレー
ト」は「メタクリレート又はアクリレート」を意味す
る。
【0018】
【化5】
【0019】化学式2中の、R4は炭素原子数1〜4個
のアルキル基又は水素、好ましくはメチル基又は水素で
ある。R5は炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原
子数1〜4個のアルコキシル基、炭素原子数1〜4個の
ヒドロキシアルキル基、水素又は化学式3で表される
基、好ましくは水素又は化学式3で表される基である。
【0020】
【化6】
【0021】化学式3中のR6は2価の有機残基、好ま
しくはメチレン基又はエチレン基である。R7は炭素原
子数1〜4個のアルキル基又は水素、好ましくはメチル
基又は水素である。
【0022】化学式2で表される単量体(A)の具体例
としては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどが挙
げられる。これら単量体(A)のうち、アクリルアミド
とメチレンビスアクリルアミドとの組合せからなるもの
は、水のブリッジ形成を抑える効果が一段と優れるアル
ミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子が得られるの
で好適に用いられる。なお、「(メタ)アクリルアミ
ド」は「メタクリルアミド又はアクリルアミド」を意味
する。
【0023】単量体(A)の量の下限は、単量体混合物
の0.1重量%、好ましくは1重量%であり、上限は、
単量体混合物の10重量%、好ましくは5重量%であ
る。0.1重量%未満ではアルミフィン間に水のブリッ
ジが形成するのを抑える効果が小さくなる。逆に10重
量%を超えるとアルミフィン材親水化処理剤用有機重合
体粒子の粒子径分布が広くなる。
【0024】本発明で使用する疎水性多官能エチレン性
不飽和単量体(B)は、20℃における水に対する溶解
度が5重量%未満、好ましくは1重量%未満であり、エ
チレン性不飽和結合を2個以上有するものである。
【0025】疎水性多官能エチレン性不飽和単量体
(B)としては、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル
単量体;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
のジ(メタ)アクリレート;1,3−ブタジエン、イソ
プレン等の共役ジエン単量体が挙げられる。これらのう
ちジビニルベンゼンは、これを用いるとアルミフィン材
親水化処理剤用有機重合体粒子の粒子径分布が狭くなる
他に、有機重合体粒子の耐熱性が一段と高くなるので好
適である。
【0026】疎水性多官能エチレン性不飽和単量体
(B)の量の下限は、単量体混合物の15重量%、好ま
しくは18重量%であり、上限は、45重量%、好まし
くは43重量%である。15重量%未満では、有機重合
体粒子の耐熱性が低くなる。逆に45重量%を超えると
粒子径分布が広くなる。
【0027】本発明で使用する疎水性モノエチレン性不
飽和単量体(C)は、20℃における水に対する溶解度
が5重量%未満、好ましくは1重量%未満であり、エチ
レン性不飽和結合を1個有するものである。
【0028】疎水性モノエチレン性不飽和単量体(C)
としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ハロゲン化
スチレン等の芳香族モノビニル単量体;メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等の疎水性モノ(メタ)アクリレート;を挙げるこ
とができる。これらの疎水性モノエチレン性不飽和単量
体(C)の中でも、芳香族モノビニル単量体は、これを
用いて得られるアルミフィン材親水化処理剤用有機重合
体粒子の粒子径分布が狭くなるので好適に用いられる。
【0029】疎水性モノエチレン性不飽和単量体(C)
の量の下限は、単量体混合物の45重量%、好ましくは
50重量%であり、上限は84.9重量%、好ましくは
81重量%である。45重量%未満では有機重合体粒子
の粒子径分布が広くなる。逆に84.9重量%を超える
と有機重合体粒子の耐熱性が低下する他に、水のブリッ
ジ形成を抑える効果が小さくなる。
【0030】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子を得るためには、前記の単量体(A)、単
量体(B)及び単量体(C)以外に、単量体(D)を用
いることができる。単量体(D)としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和
カルボン酸及びその塩;スチレンスルホン酸等のエチレ
ン性不飽和スルホン酸及びその塩が挙げられる。単量体
(D)のうちエチレン性不飽和カルボン酸は、これを用
いることによって、アルミフィン材親水化処理剤用有機
重合体粒子を重合する際の安定性が高くなり、フィン材
間に水がブリッジを形成するのを抑える効果に優れる有
機重合体粒子が得られるので好適に用いられる。
【0031】単量体(D)の量は、単量体混合物の3
9.9重量%以下、好ましくは0.1〜31重量%であ
る。39.9重量%を超えるとアルミフィン材親水化処
理剤用有機重合体粒子の粒子径分布が広くなる。
【0032】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子は、前記単量体の混合物を、ポリ(メタ)
アクリル酸の存在下に、該単量体混合物及びポリ(メ
タ)アクリル酸を溶解するが該単量体混合物の共重合体
を溶解しない溶媒中で重合してなるものである。なお、
「ポリ(メタ)アクリル酸」は「ポリアクリル酸又はポ
リメタクリル酸」を意味する。
【0033】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子は、これを得るための重合の際、分散安定
剤としてポリ(メタ)アクリル酸、好ましくはポリメタ
クリル酸を使用する。
【0034】ポリ(メタ)アクリル酸は、その20重量
%水溶液をB型粘度計で測定した粘度(20℃、ロータ
ー#2、60rpmで測定)が、通常、100〜50
0,000cps、好ましくは50,000〜150,0
00cpsのものである。粘度が低くなるとアルミフィ
ン材親水化処理剤用有機重合体粒子の粒子径分布が広く
なる傾向になり、高くなるとアルミフィン材親水化処理
剤用アルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子の製
造の際に凝集物が発生する傾向になる。
【0035】ポリ(メタ)アクリル酸の量は、単量体混
合物100重量部に対して、1〜40重量部、好ましく
は5〜30重量部である。1重量部未満では、重合時の
重合安定性が悪くなり凝固物が多量に発生する。40重
量部を超えて使用すると、単量体濃度が低くなり生産性
が低下する。
【0036】また、本発明のアルミフィン材親水化処理
剤用有機重合体粒子は、これを得るための重合の際、溶
媒を使用する。溶媒は、前記の単量体及びポリ(メタ)
アクリル酸を溶解するが、該単量体を重合して得られる
共重合体を溶解しない溶媒である。
【0037】このような溶媒の具体例としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール等の低級アルコール;アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン;ピリジン、ピロール、テト
ラヒドロフラン等のヘテロ環状化合物;n−ヘキサン、
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム等
のハロゲン化炭化水素等の有機溶媒を挙げることができ
る。これらの中でも炭素原子数4個以下の低級アルコー
ルが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用しても
よく2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0038】溶媒の使用量は、アルミフィン材親水化処
理剤用有機重合体粒子を得るために使用する全単量体1
00重量部に対して、通常、100〜2000重量部、
好ましくは500〜2000重量部の範囲である。溶媒
の使用量が少なくなると重合時の単量体濃度が高いた
め、凝集物生成量が多くなる傾向になる。逆に多くなる
と生産性が低くなって工業的に利用できない傾向にな
る。
【0039】また、必要に応じて、前記溶媒に水を混合
して使用してもよい。水の量は、通常、溶媒100重量
部に対して、100重量部以下、好ましくは80重量部
以下である。水の量が多くなると重合安定性が低下し
て、凝集物が生じやすい傾向になる。
【0040】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子を得るための重合法は、いわゆる分散重合
法である。具体的には、単量体(A)、単量体(B)、
単量体(C)、単量体(D)及びポリ(メタ)アクリル
酸を反応器に全量仕込み溶媒に溶解して均一な溶液にし
た後、重合するか;単量体(A)、単量体(B)、単量
体(C)及び単量体(D)の一部とポリ(メタ)アクリ
ル酸とを反応器に仕込み溶媒に溶解して均一な溶液にし
た後、重合し、次に単量体(A)、単量体(B)、単量
体(C)及び単量体(D)の残部を添加して重合する
(以下、多段階重合という。)。これらの重合のうち多
段階重合は水のブリッジ形成を抑える効果に優れるアル
ミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子が得られるの
で好適である。なお、ポリ(メタ)アクリル酸に、未反
応の(メタ)アクリル酸が残存している場合は、単量体
(D)を反応器にあらためて仕込み又は添加する必要は
ない。
【0041】多段階重合において、最初に仕込む単量体
の合計量と、後から添加して重合する単量体の合計量と
の比率は、最初に仕込んだ単量体の合計量100重量部
に対して、後から添加して重合する単量体の合計量が、
通常150重量部以下、好ましくは120重量部以下で
ある。後から添加して重合する単量体の合計量が多くな
ると重量平均粒子径/数平均粒子径の比が大きくなる傾
向になる。
【0042】多段階重合において反応器に最初に仕込む
単量体の組成は、単量体(A)及び単量体(D)の合計
量が、反応器に最初に仕込む単量体の合計量の、通常、
30重量%以下、好ましくは10重量%以下になるよう
に、また疎水性多官能エチレン性不飽和単量体(B)の
量が、反応器に最初に仕込む単量体の合計量の、通常、
30重量%以下、好ましくは10重量%以下になるよう
にする。単量体(A)及び単量体(D)の合計量又は疎
水性多官能エチレン性不飽和単量体(B)の量が多くな
るとアルミフィン材間に水のブリッジが形成するのを抑
える効果が小さくなる傾向になる。
【0043】多段階重合において、後から添加して重合
する単量体は、最初に仕込んだ単量体の重合転化率が5
0%以上、好ましくは70%以上になってから添加する
のが好ましい。最初に仕込んだ単量体の重合転化率が5
0%以上になってから添加すると、アルミフィン材親水
化処理剤用有機重合体粒子の重量平均粒子径/数平均粒
子径の比が小さくなる。
【0044】重合反応温度は、使用する重合開始剤によ
り適宜選定すればよく、通常、20〜100℃である。
【0045】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子は、アルミフィン材親水化処理剤の一成分
として配合し、アルミフィン材の表面に塗布して使用さ
れる。
【0046】本発明者らは、本発明のアルミフィン材親
水化処理剤用有機重合体粒子がアルミフィン間の水のブ
リッジ形成を抑える機構について詳細にわかっていない
が、アルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子の水
に対する接触角が、シリカ粒子の該接触角と同程度に小
さいために、アルミフィンの表面が水で濡れやすくなる
のであると考える。
【0047】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有
機重合体粒子の好適な態様を以下に示す。
【0048】(1) 単量体(A)がアクリルアミドと
メチレンビスアクリルアミドとを組み合わせて用いたも
の又はメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレートであることを特徴とする本発明のアルミフィ
ン材親水化処理剤用有機重合体粒子。
【0049】(2) 疎水性多官能エチレン性不飽和単
量体(B)がジビニルベンゼンであることをを特徴とす
る本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒
子。
【0050】(3) 疎水性モノエチレン性不飽和単量
体(C)が芳香族モノビニル単量体であることを特徴と
する本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有機重合体
粒子。 (4) 単量体(A)がアクリルアミドとメチレンビス
アクリルアミドとを組み合わせて用いたもの又はメトキ
シポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートで
あり、疎水性多官能エチレン性不飽和単量体(B)がジ
ビニルベンゼンであり、疎水性モノエチレン性不飽和単
量体(C)が芳香族ビニル単量体であることを特徴とす
る本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒
子。
【0051】(5) 分散安定剤としてポリメタクリル
酸を用いてなることを特徴とする本発明のアルミフィン
材親水化処理剤用有機重合体粒子。
【0052】(6) ポリ(メタ)アクリル酸の20重
量%水溶液のB型粘度が100〜500,000cps
であることを特徴とする本発明のアルミフィン材親水化
処理剤用有機重合体粒子。
【0053】(7) 溶媒が炭素原子数4個以下の低級
アルコールであることを特徴とする本発明のアルミフィ
ン材親水化処理剤用有機重合体粒子。
【0054】(8) 溶媒を単量体混合物100重量部
に対して、100〜2000重量部使用することを特徴
とする本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有機重合
体粒子。
【0055】(9) 単量体(A)、疎水性多官能エチ
レン性不飽和単量体(B)、疎水性モノエチレン性不飽
和単量体(C)及びこれ以外の単量体(D)の一部とポ
リ(メタ)アクリル酸とを反応器に仕込み溶媒に溶解し
た後、重合し、次に単量体(A)、疎水性多官能エチレ
ン性不飽和単量体(B)、疎水性モノエチレン性不飽和
単量体(C)及びこれ以外の単量体(D)の残部を添加
して重合してなる本発明のアルミフィン材親水化処理剤
用有機重合体粒子。
【0056】(10) 20重量%水溶液のB型粘度が
100〜500,000cpsであるポリメタクリル酸
と、単量体(A)、疎水性多官能エチレン性不飽和単量
体(B)、疎水性モノエチレン性不飽和単量体(C)及
びこれ以外の単量体(D)の一部とを反応器に仕込み、
炭素原子数4個以下の低級アルコールに溶解した後、重
合し、次に単量体(A)、疎水性多官能エチレン性不飽
和単量体(B)、疎水性モノエチレン性不飽和単量体
(C)及びこれ以外の単量体(D)の残部を添加して重
合してなる本発明のアルミフィン材親水化処理剤用有機
重合体粒子。
【0057】(11) 溶媒を単量体混合物100重量
部に対して、100〜2000重量部使用してなること
を特徴とする前記(10)のアルミフィン材親水化処理
剤用有機重合体粒子。
【0058】(12) 単量体(A)がアクリルアミド
とメチレンビスアクリルアミドとを組み合わせて用いた
もの又はメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレートであり、疎水性多官能エチレン性不飽和単
量体(B)がジビニルベンゼンであり、疎水性モノエチ
レン性不飽和単量体(C)が芳香族ビニル単量体であ
り、ポリメタクリル酸の存在下に、炭素原子数4以下の
低級アルコール中で重合して得られるアルミフィン材親
水化処理剤用有機重合体粒子。
【0059】
【発明の効果】本発明のアルミフィン材親水化処理剤用
有機重合体粒子は、無機粒子より柔らかく且つ水のブリ
ッジ形成を抑える効果に優れるので、熱交換器のアルミ
フィン材の親水化処理剤用に好適に用いることができ
る。
【0060】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の部
および%は重量基準である。
【0061】本実施例において行った評価方法は以下の
とおりである。
【0062】(1) 平均粒子径及び重量平均粒子径/
数平均粒子径の比 走査電子顕微鏡を用いてアルミフィン材親水化処理剤用
有機重合体粒子を観察し、撮影した写真に写る粒子を無
作為に300個選びだしてその直径を測定し、数式1及
び数式2により数平均値Dn及び重量平均値Dwを求め
た。
【0063】
【数1】
【0064】
【数2】
【0065】ただし、数式1及び数式2中のDiは粒子
の直径;Niは直径がDiである粒子の数である。
【0066】(2) 水に対する接触角 固形分濃度15%のポリビニルアルコール水溶液100
部に、有機重合体粒子又はシリカ粒子の分散液10部
(固形分換算)を添加し、撹拌して、組成物を得、この
組成物を、クロメート処理したアルミニウム板に、N
o.2ワイヤーバーを用いて塗布し、220℃の熱風で
30秒間乾燥し、さらに揮発性プレス油を塗布して、1
50℃にて5分間乾燥させて、塗板を得た。この塗板
を、水道水流水中(流水量塗板1m2当り15kg/h
r)に7時間浸漬する工程と、引き上げて20℃で17
時間乾燥する工程とからなる処理を5回繰り返し、さら
に100℃で5分間乾燥した後、接触角計(DC−A
型、協和界面化学(株)製)を用いて水に対する接触角
を測定した。
【0067】(3) 水のブリッジ形成抑制能 熱交換器のフィン間に凝縮する水の状態を以下の基準で
観察し評価した。
【0068】◎・・水滴の発生、ブリッジ形成がない。
【0069】○・・水滴は若干発生するが、ブリッジ形
成がない。
【0070】×・・ブリッジを形成する。
【0071】実施例1 撹拌器、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管および温度
計を装置した2リットルの反応器の内部を窒素置換し、
この反応容器中に脱イオン水250部、エチルアルコー
ル590部、メタクリル酸14部および過硫酸カリウム
0.95部を加えて30分間撹拌して均一混合液とし
た。次いで、窒素で混合液のバブリングを行なった後、
70℃に反応器を加温して反応を開始させ、そのまま6
時間保ち、メタクリル酸の重合を完了させポリメタクリ
ル酸を得た。重合転化率は90%であった。ポリメタク
リル酸の20%水溶液のB型粘度は85,000cps
であった。
【0072】この反応器にスチレン56部及び過硫酸カ
リウム0.5部を添加して70℃で重合を開始し、1時
間経過した後、メトキシポリエチレングリコールモノメ
タクリレート(ポリエチレングリコール平均重合度n=
9)3部を添加し、その後ジビニルベンゼン41部を添
加して、重合開始から10時間経過するまで重合した。
重合生成物を室温まで冷却してアルミフィン材親水化処
理剤用有機重合体粒子の分散液を得た。重合転化率は9
4%であった。このアルミフィン材親水化処理剤用有機
重合体粒子の評価結果を表1に示した。
【0073】実施例2〜8及び比較例1〜6 実施例1において、重合処方を表1、表2又は表3に示
す処方に変えた他は実施例1と同じ方法でアルミフィン
材親水化処理剤用有機重合体粒子を得た。これらアルミ
フィン材親水化処理剤用有機重合体粒子の評価結果を表
1、表2及び表3に示した。
【0074】比較例7 シリカ粒子(スノーテックスN、日産化学工業(株)
製)の評価結果を表3に示した。
【0075】参考例 実施例1〜8、比較例1〜3、比較例5及び比較例6に
おいて得られたアルミフィン材親水化処理剤用有機重合
体粒子の水に対する接触角の評価に用いた塗板を、熱交
換器のフィンとして使用した。フィン間の凝縮水の観察
結果を表1、表2及び表3に示した。
【0076】また、実施例1〜8において得られたアル
ミフィン材親水化処理剤用有機重合体粒子を塗布した塗
板をフライス盤を用いて短冊状に切削した。フライスの
刃の損傷状態はシリカ粒子を用いた塗板よりも軽微であ
った。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】以上から、化学式1で表される単量体
(A)を共重合しなかったアルミフィン材親水化処理剤
用有機重合体粒子(比較例1又は比較例3)又は重量平
均粒子径/数平均粒子径の比が1.2を超えるアルミフ
ィン材親水化処理剤用有機重合体粒子(比較例2又は比
較例5)はフィン間に水のブリッジが形成することがわ
かる。
【0081】また、化学式1で表される単量体(A)を
ポリメタクリル酸非存在下で乳化重合すると(比較例4
又は比較例6)、重合途中で、反応系が、固化して、重
合が不可能であることがわかる。
【0082】一方、本発明のアルミフィン材親水化処理
剤用有機重合体粒子では、フィン間に水のブリッジが形
成し難く、フライスの刃の損傷も少ないことがわかる。
【0083】特に単量体(A)がアクリルアミドとメチ
レンビスアクリルアミドとを組合せたもの又はメトキシ
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートであ
り、疎水性多官能エチレン性不飽和単量体(B)がジビ
ニルベンゼンであり、疎水性モノエチレン性不飽和単量
体(C)が芳香族ビニル単量体である本発明のアルミフ
ィン材親水化処理剤用有機重合体粒子(実施例1〜3又
は実施例5〜7)は、水のブリッジ形成抑制能が一段と
高いことがわかる。
フロントページの続き (72)発明者 上子 守哉 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日本ゼオン株式会社 研究開発センター 内 (56)参考文献 特開 平5−247382(JP,A) 特開 平5−17509(JP,A) 特開 平7−268274(JP,A) 特開 平7−157708(JP,A) 特開 平1−249863(JP,A) 特開 平1−268747(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 265/02 B05D 7/14 C08F 2/06 F28F 1/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式1で表される単量体及び化学式2
    で表される単量体から選ばれる1種以上の単量体(A)
    0.1〜10重量%、疎水性の多官能エチレン性不飽和
    単量体(B)15〜45重量%、疎水性のモノエチレン
    性不飽和単量体(C)45〜84.9重量%及びこれら
    以外の単量体(D)0〜39.9重量%からなる単量体
    混合物100重量部を、ポリ(メタ)アクリル酸1〜4
    0重量部の存在下に、該単量体混合物とポリ(メタ)ア
    クリル酸とを溶解するが該単量体混合物の共重合体を溶
    解しない溶媒中で重合して得られ且つ重量平均粒子径/
    数平均粒子径の比が1.2以下で、1次粒子の平均粒子
    径が0.3〜1μmであるアルミフィン材親水化処理剤
    用有機重合体粒子。 【化1】 ただし、化学式1中のR1、R2及びR3はそれぞれ独立
    に炭素原子数1〜4個のアルキル基又は水素;nは1〜
    25である。 【化2】 ただし、化学式2中のR4は炭素原子数1〜4個のアル
    キル基又は水素;R5は炭素原子数1〜4個のアルキル
    基、炭素原子数1〜4個のアルコキシル基、炭素原子数
    1〜4個のヒドロキシアルキル基、水素又は化学式3で
    表される基(化学式3中のR6は2価の有機残基;R7
    炭素原子数1〜4個のアルキル基又は水素)である。 【化3】
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