JP3097393B2 - 精密嵌め合い部の嵌め合わせ方法および装置 - Google Patents

精密嵌め合い部の嵌め合わせ方法および装置

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JP3097393B2 JP05140598A JP14059893A JP3097393B2 JP 3097393 B2 JP3097393 B2 JP 3097393B2 JP 05140598 A JP05140598 A JP 05140598A JP 14059893 A JP14059893 A JP 14059893A JP 3097393 B2 JP3097393 B2 JP 3097393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、精密嵌め合い部の嵌
め合わせ作業を自動的に行う方法およびその実施のため
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば車両用自動変速機のコントロール
バルブのバルブボディとスプール間等の、精密嵌め合い
部の嵌め合わせ作業は、部品の挿入の際に微妙な力覚や
保持の柔軟性が必要とされるため従来は手作業で行われ
ていたが、精密嵌め合い部は例えば上記コントロールバ
ルブでも一台当たり20箇所程度と、一般に極めて多いた
め、従来からその嵌め合わせ作業の自動化が求められて
いた。
【0003】これがため従来、精密嵌め合い部の嵌め合
わせ作業の自動化を試みた方法および装置が、例えば特
開平 4-34887号公報にて提案されており、この方法およ
び装置では、ロボットのアームに、スプールを把持する
チャックを設け、そのチャックと上記アームとの間に、
水平方向および角度方向のずれを吸収するコンプライア
ンス素子および、チャックに作用する三成分の力と三成
分のトルクとを検出する六軸力覚センサを介装し、その
力覚センサを上記ロボットの制御手段に接続して、その
制御手段の制御に基づくロボットの作動により、上記チ
ャックで把持したスプールを力覚センサの出力に基づき
所定の力でバルブボディに押し付けつつ移動させて、そ
の押し付け力が減少した際の上記チャックの位置から挿
通孔の位置を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の嵌め合わせ方法および装置では、スプールをバル
ブボディに押し付けつつ移動させてその押し付け力の変
化を検出する構成となっていることから、スプールとバ
ルブボディとの間の摩擦に邪魔されてスプールを滑らか
に移動させることが困難なため挿通孔の位置の検出精度
を高めるのが難しいという問題および、チャックに大き
なモーメントが加わるためチャック自身の剛性およびそ
れ支持するロボットの剛性を高める必要があって装置が
大がかりなものになるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述の課題
を有利に解決した方法および装置を提供することを目的
とするものであり、この発明の精密嵌め合い部の嵌め合
わせ方法は、ロボットのアームに、棒状の嵌め合い部品
を把持するチャックを設け、前記チャックと前記アーム
との間に、平行移動方向および角度方向のずれを受動的
に吸収するコンプライアンス素子および、前記チャック
から加わる力とトルクとを検出する力覚センサを介装
し、前記チャックに、そのチャック内における前記棒状
の嵌め合い部品の有無を検出する部品センサを設け、前
記ロボットの作動を制御する制御手段に、前記力覚セン
サおよび前記部品センサからの信号を入力し、前記制御
手段で前記ロボットを作動させることにより、先ず、前
記チャックで把持した前記棒状の嵌め合い部品を、他方
の嵌め合い部品の、その棒状の嵌め合い部品が嵌め合わ
される嵌め合い孔の上方のその孔に実質的に対向する位
置に移動させる第1の工程を行い、次いで、前記棒状の
嵌め合い部品を、その対向する位置から、前記チャック
に加わるその移動方向と逆方向の反力を検出しつつ前記
他方の嵌め合い部品へ向けて下降移動させる第2の工程
を行って、その反力が所定値以下のまま所定の嵌合深さ
まで下降移動したら、嵌め合わせ作業を終了し、前記下
降移動の途中で前記反力が所定値を越えたら、前記チャ
ックを開閉させてからそのチャック内における前記棒状
の嵌め合い部品の有無を検出する第3の工程を行って、
そのチャック内に前記棒状の嵌め合い部品が無ければ、
嵌め合わせ作業を終了し、前記検出の結果、前記チャッ
ク内に前記棒状の嵌め合い部品が未だ有れば、前記チャ
ックを垂直軸線周りに僅かに回動させるひねり動作後
に、再度前記反力を検出しつつ前記棒状の嵌め合い部品
を前記他方の嵌め合い部品へ向けて下降移動させ、その
反力が所定値以下のまま所定の嵌合深さまで下降移動し
たら、嵌め合わせ作業を終了し、一方、その反力が所定
値を超えたら、その反力により前記チャックに作用する
トルクの方向を検出し、次いで、前記棒状の嵌め合い部
品を一旦上昇させてそのトルクが減少する方向へ僅かに
水平移動させる第4の工程を行った後、前記第2の工程
からの手順を繰り返すものである。
【0006】またこの発明の精密嵌め合い部の嵌め合わ
せ装置は、ロボットのアームに設けられた、棒状の嵌め
合い部品を把持するチャックと、前記チャックと前記ア
ームとの間に介装された、水平方向および角度方向のず
れを受動的に吸収するコンプライアンス素子および、前
記チャックから加わる力とトルクとを検出する力覚セン
サと、前記チャックに設けられた、そのチャック内にお
ける前記棒状の嵌め合い部品の有無を検出する部品セン
サと、前記ロボットの作動を制御するとともに前記力覚
センサおよび前記部品センサからの信号を入力する制御
手段と、を具える装置であって、前記制御手段は、前記
ロボットを作動させることにより、先ず、前記チャック
で把持した前記棒状の嵌め合い部品を、他方の嵌め合い
部品の、その棒状の嵌め合い部品が嵌め合わされる嵌め
合い孔の上方のその孔に実質的に対向する位置に移動さ
せる第1の工程を行い、次いで、前記棒状の嵌め合い部
品を、その対向する位置から、前記チャックに加わるそ
の移動方向と逆方向の反力を検出しつつ前記他方の嵌め
合い部品へ向けて下降移動させる第2の工程を行って、
その反力が所定値以下のまま所定の嵌合深さまで下降移
動したら、嵌め合わせは完了したと判断し、前記下降移
動の途中で前記反力が所定値を越えたら、前記チャック
を開閉させてからそのチャック内における前記棒状の嵌
め合い部品の有無を検出する第3の工程を行って、その
チャック内に前記棒状の嵌め合い部品が無ければ、嵌め
合わせ作業を終了し、前記検出の結果、前記チャック内
に前記棒状の嵌め合い部品が未だ有れば、前記チャック
を垂直軸線周りに僅かに回動させるひねり動作後に、再
度前記反力を検出しつつ前記棒状の嵌め合い部品を前記
他方の嵌め合い部品へ向けて下降移動させ、その反力が
所定値以下のまま所定の嵌合深さまで下降移動したら、
嵌め合わせ作業を終了し、一方、その反力が所定値を超
えたら、その反力により前記チャックに作用するトルク
の方向を検出し、次いで、前記棒状の嵌め合い部品を一
旦上昇させてそのトルクが減少する方向へ僅かに水平移
動させる第4の工程を行った後、前記第2の工程からの
手順を繰り返すという構成を具える、というものであ
る。
【0007】
【作用】かかる方法および装置にあっては、ロボットの
作動制御と力覚センサおよび部品センサからの信号入力
とを行う制御手段が、ロボットを作動させて、先ず、ロ
ボットのアームに水平方向および角度方向のずれを受動
的に吸収するコンプライアンス素子を介して設けたチャ
ックで把持した棒状の嵌め合い部品を、他方の嵌め合い
部品の、その棒状の嵌め合い部品が嵌め合わされる嵌め
合い孔の上方のその孔に実質的に対向する位置に移動さ
せる第1の工程を行い、次いで、その棒状の嵌め合い部
品を、その対向する位置から、チャックに加わるその移
動方向と逆方向の反力を検出しつつ他方の嵌め合い部品
へ向けて下降移動させる第2の工程を行って、その反力
が所定値以下のまま所定の嵌合深さまで下降移動した
ら、嵌め合わせ作業を終了し、その下降移動の途中で反
力が所定値を越えたら、チャックを開閉させてからその
チャック内における棒状の嵌め合い部品の有無を検出す
る第3の工程を行って、そのチャック内に棒状の嵌め合
い部品が無ければ、嵌め合わせ作業を終了し、上記検出
の結果、チャック内に棒状の嵌め合い部品が未だ有れ
ば、チャックを垂直軸線周りに僅かに回動させるひねり
動作後に、再度反力を検出しつつ棒状の嵌め合い部品を
他方の嵌め合い部品へ向けて下降移動させ、その反力が
所定値以下のまま所定の嵌合深さまで下降移動したら、
嵌め合わせ作業を終了し、一方、その反力が所定値を超
えたら、その反力によりチャックに作用するトルクの方
向を検出し、次いで、棒状の嵌め合い部品を一旦上昇さ
せてそのトルクが減少する方向へ僅かに水平移動させる
第4の工程を行った後、上記第2の工程からの手順を繰
り返す。
【0008】従ってこの方法および装置によれば、棒状
の嵌め合い部品を、原則的にはコンプライアンス素子の
受動的な作用で位置ずれを吸収しつつ、所定値以下の反
力下で他方の嵌め合い部品の嵌め合い孔内に嵌め合わ
せ、それで入らない場合は、チャックを開閉させて嵌め
合い孔内に自重落下させることにより嵌め合わせ、それ
で入らない場合は、チャックを垂直軸線周りにひねるひ
ねり動作を行ってから下降させることで嵌め合わせ、そ
れでも入らない場合は、棒状の嵌め合い部品を一旦上昇
させて、チャックに作用するトルクが減少する方向へ水
平移動させてから上記手順を繰り返すことから、棒状の
嵌め合い部品と他方の嵌め合い部品との間の摩擦に邪魔
されて棒状の嵌め合い部品を滑らかに移動させることが
困難になるということがないので、嵌め合い部品を嵌め
合い孔内に確実に嵌め合わせることができ、また、チャ
ックに大きなモーメントが加わるということがないの
で、チャック自身の剛性およびそれ支持するロボットの
剛性がそれほど高くなくても良く、それゆえ装置をコン
パクトに構成することができる。
【0009】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明の精密嵌め合い部の嵌
め合わせ方法の一実施例を行うための、この発明の装置
の一実施例を示す構成図であり、この実施例の方法およ
び装置は、図2に示すように、精密嵌め合い部として
の、車両用自動変速機のコントロールバルブのバルブボ
ディ1のバルブ孔1aとスプール2とを嵌め合わせる作業
を、自動的に行うもので、図1中符号3は、通常のロボ
ットを示し、また符号3aは、常に垂直方向へ延在する、
ロボット3のアームを示す。
【0010】ロボット3のアーム3aの下端部には、スプ
ール2を把持し得るチャック4が下向きに設けられ、そ
のチャック4と上記アーム3aの下端部との間には、アー
ム3a側から順に、チャック4の水平方向および角度方向
のずれを吸収する、コンプライアンス素子としての通常
のRCC(リモートセンタコンプライアンス)デバイス
5と、そのRCCデバイス5を介しチャック4から加わ
る水平なX,Y軸方向および垂直なZ軸方向の三成分の
力およびそれらの軸周りの三成分のトルクを検出する通
常の六軸力覚センサ6とが介装されており、またチャッ
ク4内には、そのチャック4内におけるスプール2の有
無を検出する、例えば近接センサ等の部品センサ7が設
けられている。
【0011】そして、六軸力覚センサ6および部品セン
サ7の出力信号は、センサコントローラ8を介し、制御
手段としての、マイクロコンピュータを具える通常のロ
ボットコントローラ9に入力され、そのロボットコント
ローラ9は、あらかじめ与えられたプログラムに従って
ロボット3を作動させる。
【0012】かかる装置にあっては、図1に示すよう
に、治具10に取り付けられてコンベアにより搬送され、
所定位置に停止したバルブボディ1の複数のバルブ孔1a
内に、所定の部品供給位置に供給されたスプール2をそ
れぞれ嵌め合わせて組付ける作業を、図3に示す当該実
施例の方法のフローチャートに従って、以下に説明する
如く自動的に行う。
【0013】すなわちここでは、ロボットコントローラ
9が、力覚センサ6および部品センサ7からの信号を入
力しつつロボット3を作動させることにより、先ずステ
ップ11で、上記部品供給位置にあるスプール2をチャッ
ク4で把持し、次いでステップ12で、そのスプール2を
バルブボディ1の所定のバルブ孔1a上へ移動させ、続く
ステップ13で、力覚センサ6のセンサ値をゼロにリセッ
トし、その後にステップ14で、力覚センサ6からの入力
信号によりZ軸方向の力をチェックしながらスプール2
をバルブ孔1aへ向けて下降させ、Z軸方向の力がその閾
値以下のままでスプール2が所定の高さまで下降した
ら、スプール2がRCCデバイス5の作用で多少の位置
ずれを吸収されつつバルブ孔1a内に嵌め合わされたと判
断して、チャック4を開くことによりスプール2を開放
し、そのスプール2の組付け作業を終了する一方、その
下降の途中でZ軸方向の力があらかじめ設定した閾値を
越えたら、スプール2がバルブボディ1の上面に接触し
たと判断して、下降を止めさせ、ステップ15へ進む。
【0014】次いでここでは、ステップ15で、そのスプ
ール2がバルブボディ1の上面に接触した状態で、チャ
ック4を瞬間的に開閉する動作を二回行ってスプール2
の位置および姿勢を僅かに変えさせ、それによって、ス
プール2が自重でバルブ孔1a内に落下し得るようにし、
続くステップ16で、部品センサ7からの入力信号により
チャック4がスプール2を保持しているか否かを確認
し、スプール2を保持していなければ、スプール2がバ
ルブ孔1a内に自重落下で嵌め合わされたと判断して、そ
のスプール2の組付け作業を終了する一方、未だスプー
ル2を保持している場合にはステップ17へ進む。
【0015】次いでここでは、ステップ17で、上記ステ
ップ14と同様にして、力覚センサ6からの入力信号によ
りZ軸方向の力をチェックしながらスプール2をバルブ
孔1aへ向けて下降させ、Z軸方向の力が上記閾値以下の
ままでスプール2が所定の高さまで下降したら、スプー
ル2がバルブ孔1a内に嵌め合わされたと判断して、チャ
ック4を開くことによりスプール2を開放し、そのスプ
ール2の組付け作業を終了する一方、その下降の途中で
Z軸方向の力が上記閾値を越えたら、スプール2がバル
ブボディ1の上面に接触したと判断して、下降を止めさ
せ、ステップ18へ進む。
【0016】次いでここでは、ステップ18で、スプール
2を保持しているチャック4をZ軸周りに元の向きから
時計方向および反時計方向へ10°づつ回動させるひねり
動作を二回行い、それによって、スプール2がRCCデ
バイス5の作用で位置および姿勢を僅かに変えてバルブ
孔1a内に嵌まり得るようにし、続くステップ19で、上記
ステップ14と同様にして、力覚センサ6からの入力信号
によりZ軸方向の力をチェックしながらスプール2をバ
ルブ孔1aへ向けて下降させ、Z軸方向の力が上記閾値以
下のままでスプール2が所定の高さまで下降したら、ス
プール2がバルブ孔1a内に嵌め合わされたと判断して、
チャック4を開くことによりスプール2を開放し、その
スプール2の組付け作業を終了する一方、その下降の途
中でZ軸方向の力が上記閾値を越えたら、スプール2が
バルブボディ1の上面に接触したと判断して、下降を止
めさせ、ステップ20以降へ進む。
【0017】そしてここでは、ステップ20で、力覚セン
サ6からの入力信号によりX軸およびY軸周りのトルク
を示すセンサ値をチェックし、これにより、図4に示す
ように、スプール2がバルブボディ1の上面に接触した
反力Fによって発生する、それらの水平軸周りの曲げト
ルクTを確認し、続くステップ21で、図4中矢印A,B
で示すように、一旦スプール2を上昇させ、次いでその
曲げトルクTが減少する方向(例えば図4では反時計方
向のトルクが生じているので左方)へスプール2を微小
移動させ、しかる後ステップ22で、上記ステップ14と同
様にして、力覚センサ6からの入力信号によりZ軸方向
の力をチェックしながらスプール2を図4中矢印Cで示
すようにバルブ孔1aへ向けて下降させ、Z軸方向の力が
上記閾値以下のままでスプール2が所定の高さまで下降
したら、スプール2がバルブ孔1a内に嵌め合わされたと
判断して、チャック4を開くことによりスプール2を開
放し、そのスプール2の組付け作業を終了する一方、そ
の下降の途中でZ軸方向の力が上記閾値を越えたら、ス
プール2がバルブボディ1の上面に接触したと判断し
て、下降を止めさせ、ステップ20へ戻る。なお、上記ス
テップ20〜22を数回繰り返して行ってもスプール2がバ
ルブボディ1の上面に接触する場合には、組付け失敗と
判断して、その旨をアラーム音等により作業者に知らせ
る。
【0018】上述の如くしてこの実施例の方法および装
置によれば、バルブボディ1のバルブ孔1aとスプール2
とを嵌め合わせる作業を自動的に行うことができ、しか
もこの実施例の方法および装置によれば、そのスプール
2を、原則的にはチャック4を開閉させてバルブ孔1a内
に自重落下させることにより嵌め合わせ、それで入らな
い場合は所定の閾値以下の反力下で押し込み、それでも
入らない場合は、スプール2を一旦後退させてチャック
4に作用するトルクが減少する方向へ移動させてから上
記手順を繰り返すことから、スプール2とバルブボディ
1との間の摩擦に邪魔されてスプール2を滑らかに移動
させることが困難になるということがないので、スプー
ル2をバルブ孔1a内に確実に嵌め合わせることができ、
また、チャック4に大きなモーメントが加わるというこ
とがないので、チャック4自身の剛性およびそれ支持す
るロボット3の剛性がそれほど高くなくても良く、それ
ゆえ装置をコンパクトに構成することができる。
【0019】加えてこの実施例の方法および装置によれ
ば、上記ステップ18,19でひねり動作による嵌め合わせ
も試みるので、スプール2をバルブ孔1a内に、さらに確
実に嵌め合わせることができる。
【0020】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、嵌め合
わせ部品の表面が傷つき安い場合等所要に応じ、上記ひ
ねり動作による嵌め合わせを省略することもできる。ま
たこの発明は、上記例以外の他の種類の部品の精密嵌め
合い部の嵌め合わせにも適用することができる。
【0021】
【発明の効果】かくしてこの発明の方法および装置によ
れば、棒状の嵌め合い部品と他方の嵌め合い部品との間
の摩擦に邪魔されて棒状の嵌め合い部品を滑らかに移動
させることが困難になるということがないので、嵌め合
い部品を嵌め合い孔内に確実に嵌め合わせることがで
き、また、チャックに大きなモーメントが加わるという
ことがないので、チャック自身の剛性およびそれ支持す
るロボットの剛性がそれほど高くなくても良く、それゆ
え装置をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の精密嵌め合い部の嵌め合わせ方法の
一実施例を行うための、この発明の装置の一実施例を示
す構成図である。
【図2】上記実施例の方法および装置が行うバルブボデ
ィおよびスプールの嵌め合わせ作業を示す説明図であ
る。
【図3】上記実施例の方法および装置が行うバルブボデ
ィおよびスプールの嵌め合わせ作業の手順を示すフロー
チャートである。
【図4】上記実施例の方法および装置におけるスプール
の微小移動の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ 1a バルブ孔 2 スプール 3 ロボット 3a アーム 4 チャック 5 RCCデバイス 6 力覚センサ 7 部品センサ 8 センサコントローラ 9 ロボットコントローラ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットのアームに、棒状の嵌め合い部
    品を把持するチャックを設け、 前記チャックと前記アームとの間に、平行移動方向およ
    び角度方向のずれを受動的に吸収するコンプライアンス
    素子および、前記チャックから加わる力とトルクとを検
    出する力覚センサを介装し、 前記チャックに、そのチャック内における前記棒状の嵌
    め合い部品の有無を検出する部品センサを設け、 前記ロボットの作動を制御する制御手段に、前記力覚セ
    ンサおよび前記部品センサからの信号を入力し、 前記制御手段で前記ロボットを作動させることにより、 先ず、前記チャックで把持した前記棒状の嵌め合い部品
    を、他方の嵌め合い部品の、その棒状の嵌め合い部品が
    嵌め合わされる嵌め合い孔の上方のその孔に実質的に対
    向する位置に移動させる第1の工程を行い、 次いで、前記棒状の嵌め合い部品を、その対向する位置
    から、前記チャックに加わるその移動方向と逆方向の反
    力を検出しつつ前記他方の嵌め合い部品へ向けて下降移
    動させる第2の工程を行って、その反力が所定値以下の
    まま所定の嵌合深さまで下降移動したら、嵌め合わせ作
    業を終了し、 前記下降移動の途中で前記反力が所定値を越えたら、前
    記チャックを開閉させてからそのチャック内における前
    記棒状の嵌め合い部品の有無を検出する第3の工程を行
    って、そのチャック内に前記棒状の嵌め合い部品が無け
    れば、嵌め合わせ作業を終了し、 前記検出の結果、前記チャック内に前記棒状の嵌め合い
    部品が未だ有れば、前記チャックを垂直軸線周りに僅か
    に回動させるひねり動作後に、再度前記反力を検出しつ
    前記棒状の嵌め合い部品を前記他方の嵌め合い部品へ
    向けて下降移動させ、その反力が所定値以下のまま所定
    の嵌合深さまで下降移動したら、嵌め合わせ作業を終了
    し、一方、その反力が所定値を超えたら、その反力によ
    り前記チャックに作用するトルクの方向を検出し、次い
    で、前記棒状の嵌め合い部品を一旦上昇させてそのトル
    クが減少する方向へ僅かに水平移動させる第4の工程を
    行った後、前記第2の工程からの手順を繰り返す、精密
    嵌め合い部の嵌め合わせ方法。
  2. 【請求項2】 ロボット(3)のアーム(3a)に設けら
    れた、棒状の嵌め合い部品(2)を把持するチャック
    (4)と、 前記チャックと前記アームとの間に介装された、水平方
    向および角度方向のずれを受動的に吸収するコンプライ
    アンス素子(5)および、前記チャックから加わる力と
    トルクとを検出する力覚センサ(6)と、 前記チャックに設けられた、そのチャック内における前
    記棒状の嵌め合い部品の有無を検出する部品センサ
    (7)と、 前記ロボットの作動を制御するとともに前記力覚センサ
    および前記部品センサからの信号を入力する制御手段
    (9)と、 を具える装置であって、 前記制御手段は、前記ロボットを作動させることによ
    り、 先ず、前記チャックで把持した前記棒状の嵌め合い部品
    を、他方の嵌め合い部品(1)の、その棒状の嵌め合い
    部品が嵌め合わされる嵌め合い孔(1a)の上方のその孔
    に実質的に対向する位置に移動させる第1の工程を行
    い、 次いで、前記棒状の嵌め合い部品を、その対向する位置
    から、前記チャックに加わるその移動方向と逆方向の反
    力を検出しつつ前記他方の嵌め合い部品へ向けて下降移
    動させる第2の工程を行って、その反力が所定値以下の
    まま所定の嵌合深さまで下降移動したら、嵌め合わせは
    完了したと判断し、 前記下降移動の途中で前記反力が所定値を越えたら、前
    記チャックを開閉させてからそのチャック内における前
    記棒状の嵌め合い部品の有無を検出する第3の工程を行
    って、そのチャック内に前記棒状の嵌め合い部品が無け
    れば、嵌め合わせ作業を終了し、 前記検出の結果、前記チャック内に前記棒状の嵌め合い
    部品が未だ有れば、前記チャックを垂直軸線周りに僅か
    に回動させるひねり動作後に、再度前記反力を検出しつ
    前記棒状の嵌め合い部品を前記他方の嵌め合い部品へ
    向けて下降移動させ、その反力が所定値以下のまま所定
    の嵌合深さまで下降移動したら、嵌め合わせ作業を終了
    し、一方、その反力が所定値を超えたら、その反力によ
    り前記チャックに作用するトルクの方向を検出し、次い
    で、前記棒状の嵌め合い部品を一旦上昇させてそのトル
    クが減少する方向へ僅かに水平移動させる第4の工程を
    行った後、前記第2の工程からの手順を繰り返すという
    構成を具える、精密嵌め合い部の嵌め合わせ装置。
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