JP3097359B2 - 熱間押出し製管方法 - Google Patents

熱間押出し製管方法

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JP3097359B2 JP04319644A JP31964492A JP3097359B2 JP 3097359 B2 JP3097359 B2 JP 3097359B2 JP 04319644 A JP04319644 A JP 04319644A JP 31964492 A JP31964492 A JP 31964492A JP 3097359 B2 JP3097359 B2 JP 3097359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間押出しによる製管
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間押出し製管法は、一般に次のように
して行われる。
【0003】図1は、熱間押出し直前の状態を説明する
ための断面図であり、コンテナ6には中心部を穿孔した
円筒状のビレット8が挿入されている。コンテナ6の一
端の開口部にはダイホルダ4が設けられており、ダイホ
ルダ4の内縁側にはダイバッカー5およびそれと隣接さ
せてダイス2が嵌入されている。このコンテナ6内には
所定温度に加熱され、その内外周面に粉状ガラス潤滑剤
(それぞれ内面潤滑剤、外面潤滑剤という)を塗布され
たビレット8がその先端をダイス2に向けて挿入されて
おり、ビレット8の軸心にはマンドレル3が挿入されて
いる。ビレット8の他端にはダミーブロック7が配置さ
れている。
【0004】ダイス2のビレット8側には、その内径が
ダイス2の内径より少し大きく、最大外径がコンテナ6
の内径とほぼ等しい正面潤滑剤としてのガラスディスク
1が装着されている。ガラスディスク1は、粉粒状のガ
ラスを、例えば水ガラス、ゴム類、さらにはガラスとの
接着性を有するビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェ
ノール系樹脂およびポリエステル系樹脂等のバインダー
により円板状に成形し固化乾燥したものである。
【0005】そして、図示しないステムにより矢印方向
にダミーブロック7を押圧すると、ビレット8がアプセ
ットされるとともにダイス2とマンドレル3とで形成さ
れる環状空隙から押し出され、ダイス2の内径に対応す
る外径と、マンドレル3の外径に対応する内径とを有す
る管が製造される。このときガラスディスク1はビレッ
トの熱で表面が少しずつ軟化、溶融して、ビレット外表
面に塗布したガラス粉とともにダイス2とビレット8と
の間の潤滑剤として作用する。
【0006】ところが、難加工性のフェライト系ステン
レス鋼材を上述の熱間押出し製管法により押出した場
合、フェライト組織に代表される体心立方格子の金属が
有する塑性異方性により、押出しの変形初期から管の軸
方向にしわ疵と呼ばれるスジ状の欠陥が発生する。ダイ
ス直下では、このしわの山部で溶融ガラス潤滑膜が切
れ、ダイスとの焼付きが起こる。
【0007】この潤滑膜切れを防止する方法として、
粘性の高いガラスを正面潤滑剤として使用して膜に強度
を持たせるか、溶融量の多いガラスを正面潤滑剤に使
用して膜を厚くするのが良いとされてきた。しかし、
の粘性の高いガラスは一般に溶融性が悪いので、高粘度
で膜強度はあるが溶融量が少なく膜が薄くなる。また、
の溶融性の良いガラスは低粘性であるので、しわの山
部での膜強度がなく膜切れを起こしやすく、いずれの方
法によっても焼付きの発生を満足に防止することはでき
なかった。
【0008】このように溶融性と粘性は一般に相反する
性質であるので、これらが両立するようなガラス組成は
現在のところ得られていない。
【0009】特開昭56−144817号公報には、ガラス粉末
に微細な金属酸化物の粉末を配合した潤滑剤を押出材料
の表面に塗布して押出しする方法が記載されている。し
かしこの方法では、押出し前の材料表面に塗布するので
押出変形により管表面積が増大し、それに伴って潤滑膜
が薄く伸ばされて潤滑膜切れが生じやすい。特に、局部
的に高面圧となる押出し製管においては、その高面圧と
なる部分から潤滑膜切れを起こし焼付きを生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、潤滑膜切れ
の生じない熱間押出し製管方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、「押出
し温度域における粘度が105Poise以下のガラス粉末に、
平均粒径が1〜100 μmでありかつ同温度域で溶融する
ことのない固体潤滑粉末を2〜20体積%配合し、バイン
ダーを加えて成形したガラスディスクを正面潤滑剤とし
て使用する熱間押出し製管方法」にある。
【0012】
【作用】本発明の熱間押出し製管方法に用いる正面潤滑
剤としてのガラスディスクは、その成分中に上記のよう
な固体潤滑粉末を含んでいるので潤滑膜強度が高く、高
面圧下でも膜切れを起こすこともない。特に、フェライ
ト系ステンレス鋼材のように、表面にしわが発生し、局
部的に高面圧となる場合の製管においても有効である。
【0013】このガラスディスク中に含まれる固体潤滑
粉末は、通常の製管温度である 900℃弱〜1200℃強の温
度で溶融することがなく、ガラスのみが溶融する。そし
て、この固体潤滑粉末は溶融したガラスによって剪断を
受け、一緒にダイス直下へ導入される。この時、この固
体潤滑粉末はいわゆる固体潤滑剤としてはたらき、ダイ
スと押出材との接触を防ぐことができる。
【0014】以下、本発明の熱間押出し製管において正
面潤滑として用いるガラスディスクの組成について説明
する。
【0015】ガラス粉末は押出温度における粘度が105P
oise (ポアズ;以下Pと記す)以下であることが必要で
ある。 105Pを超えると押出し温度における溶融量が少
なく、1μm以上のガラス膜を得難いので、潤滑膜切れ
を生じやすい。
【0016】固体潤滑粉末としては、黒鉛、窒化ホウ
素、雲母あるいは酸化鉄などのように押出し温度域で溶
融しないものを用いる。
【0017】この固体潤滑粉末は、ガラス粉末量に対し
て2〜20体積%の割合で配合する。
【0018】2体積%未満では、固体潤滑剤としての効
果が不十分で潤滑膜切れを起こしやすいし、20体積%を
超えて含むと溶融性が劣化してダイス直下への潤滑剤の
導入量が不足する。
【0019】ガラスディスクは、上記のガラス粉末と固
体潤滑粉末とを混合した粉体に、水ガラス等のバインダ
ーを用いて円盤上に成形し、その後固化乾燥して製作す
る。
【0020】本発明の方法においては、上記組成のガラ
スディスクを正面潤滑剤として使用して押出し製管をす
るから、押出変形で管表面積が拡大しても変形部に対し
てガラスディスクから潤滑剤が円滑に供給されることに
なり、潤滑膜が切れることなく押出すことができる。
【0021】上記のように固体潤滑粉末がダイス直下ま
で導入されるためには、固体潤滑粉末の平均粒径が大き
すぎないことが必要である。一般に、ガラスディスクを
用いて押出製管を行った場合、ガラス膜の厚みは 100μ
m以下であるので、 100μmを超えるような粒径の粉末
はダイス直下へは導入されない。この粒径は小さいほど
導入されやすいが、あまり細かいと、ダイスと押出材と
の接触を防止する固体潤滑剤としての効果が損なわれ
る。したがって、平均粒径は1μm〜 100μmであるこ
とが必要である。
【0022】以下、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0023】
【実施例1】表1に押出しの条件を示す。表2(1) 〜表
2(3) (以下まとめて表2という)に示すようにC-105
(商品名、千代田化学株式会社製、1020℃で粘度が10
1.17P) 、C−5H (商品名、同社製、1020℃で粘度が
103.8P) 、NWH (商品名、同社製、1020℃で粘度が
約 105P) の3種類のガラス粉末に、それぞれ、黒鉛、
窒化ホウ素、雲母、酸化鉄の各固体潤滑粉末を、平均粒
径、配合比を違えて配合し、水ガラス(キミダ化学株式
会社製、ケイ酸ソーダ3号(商品名))をバインダーと
してディスクに成形し固化乾燥してガラスディスクを製
作した。この時のディスクの縦断面形状を図2に示す。
【0024】このガラスディスクを図1に示すように設
置し、従来と同様の方法で押出しを行って、押出し後の
管およびダイスの表面状態を目視で観察して焼付きの有
無を調べた。なお、押出し条件は表1に示す通り、ビレ
ットとして外径 174mm、内径41mm、長さ 400mmの25%Cr
フェライト系ステンレス鋼(JIS-SUH446)を用い、ダイス
内径50mm、マンドレル外径38mm、押出温度1020℃、ラム
速度180mm/sec とした。また、押出材表面には外面潤滑
剤としてC−5Hのガラス粉末を塗布した。
【0025】表2に示すように、黒鉛、窒化ホウ素、雲
母、酸化鉄の各固体潤滑粉末を2〜20体積%の配合比
で、かつ平均粒径が1〜100 μmの範囲で配合したガラ
スディスクを用いた押出し製管では、ダイスとの焼付き
が防止できる。さらに、固体潤滑粉末の種類の影響は少
なく、配合比、平均粒径によって、潤滑状態が左右され
ることが分かる。したがって、表2の4種類に限らず、
押出し温度域で溶融することのない平均粒径が1〜100
μmの固体潤滑粉末であればこれらを単独あるいは複数
組み合わせて2〜20体積%配合することにより、同様の
効果が得られる。
【0026】一方、固体潤滑粉末を含まないガラスディ
スク(固体粉末の配合比0%)を用いた場合には、いず
れもしわの山部あるいは全面で焼付きを生じた。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2(1)】
【0029】
【表2(2)】
【0030】
【表2(3)】
【0031】
【実施例2】本発明の熱間押出し製管方法で正面潤滑に
用いるガラスディスクと併せて、押出し温度域における
粘度が 105P以下のガラス粉末を押出材外表面にあらか
じめ塗布した後、実施例1と同様にして熱間押出し製管
を行った。また押出し条件は実施例1と同じで表1の通
りである。その結果を表3に示す。
【0032】比較例として、固体潤滑粉末を配合しない
正面潤滑剤を用いた熱間押出し製管を試験した。すなわ
ち、押出し温度域における粘度が 105P以下のガラス粉
末に、平均粒径が1〜100 μmでありかつ同温度域で溶
融することのない固体潤滑粉末を2〜20重量%配合した
ものを外面潤滑剤として押出材表面に予め塗布し、ガラ
スディスクには固体潤滑粉末を配合しない押出し温度域
における粘度が 105P以下のガラス粉末のみからなるも
のを用いて、実施例1と同様の条件で押出しを行った。
その結果を表4に示す。
【0033】表3に示すように、ガラスディスクとし
て、固体潤滑粉末を配合したものを用いる本発明の方法
では、しわの山部においても焼付くことなく製管するこ
とができた。これに対し、表4に示すように、ガラス粉
末のみからなるガラスディスクを用いる一方で、外面潤
滑剤としてガラス粉末に固体潤滑粉末を配合したものを
使用した場合には、管表面のしわの部分で焼付きを生じ
た。なお、結果の表示は省略するが、外面潤滑剤にもガ
ラスディスクにも固体潤滑粉末を配合しないガラス粉末
のみからなるものを使用して押出しをおこなったところ
管表面全域に焼付きを生じた。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】本発明方法によれば、正面潤滑剤として
使用するガラスディスクが押出し温度域で溶融すること
のない固体潤滑粉末を2〜20体積%含むので、高面圧下
においても潤滑膜切れを起こすことがなく、押出材とダ
イス間の焼付きを生じさせずに熱間押出し製管を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間押出し製管法を説明するための断面図であ
る。
【図2】実施例で使用したガラスディスクの縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1:ガラスディスク、 2:ダイス、 3:
マンドレル、4:ダイホルダー、 5:ダイバッカ
ー、 6:コンテナ、7:ダミーブロック、 8:
ビレット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出し温度域における粘度が 105Poise 以
    下のガラス粉末に、平均粒径が1〜100μmでありかつ
    同温度域で溶融することのない固体潤滑粉末を2〜20体
    積%配合し、バインダーを加えて成形したガラスディス
    クを正面潤滑剤として使用することを特徴とする熱間押
    出し製管方法。
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