JP3097255U - 車両保守用ピット設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業ピットの開口部の扉の開閉を自動制御して短時間で行わせる。扉開閉時の安全性を高める。
【解決手段】開口部21の縦幅を横幅よりも長くし、開口部21を通して車両Cを下から保守できるようにする。開口部21を開閉する扉3を横開き式とし、かつ、その扉3を左扉31と右扉32とに分割する。左扉31と右扉32とは、エア供給源4から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダ41,42によって互いに反対向きに同調して開閉駆動される。作業ピット2内に切換え制御弁5の開閉操作スイッチを配備し、車両走行路面12上で操作可能な箇所に、エアシリンダ41,42に至る給気路をその外部に解放して扉3の開動又は閉動を停止させる非常停止スイッチ62を配備する。
【選択図】 図1
【解決手段】開口部21の縦幅を横幅よりも長くし、開口部21を通して車両Cを下から保守できるようにする。開口部21を開閉する扉3を横開き式とし、かつ、その扉3を左扉31と右扉32とに分割する。左扉31と右扉32とは、エア供給源4から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダ41,42によって互いに反対向きに同調して開閉駆動される。作業ピット2内に切換え制御弁5の開閉操作スイッチを配備し、車両走行路面12上で操作可能な箇所に、エアシリンダ41,42に至る給気路をその外部に解放して扉3の開動又は閉動を停止させる非常停止スイッチ62を配備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、車両の下側から車両の保守、たとえばオイル交換や機構部分のねじ締めなどの保守を行うための車両保守用ピット設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
実公平7−2343号公報に自動車の修理及びオイル交換用ピットについての記載がある。このものは、車両走行路面上に定められた入車場所に位置してその入車場所で停止した車両が車幅方向に跨ぐ開口部を備えた作業ピットの上記開口部の入車方向に沿う縦幅が、上記入車場所で停止した車両の車幅方向に沿うその開口部の横幅よりも長くなっていると共に、この開口部に、入車方向に沿って開閉動される扉が設けられ、開扉状態で上記開口部を通して上記作業ピット内の作業員が上記入車場所で停止している車両をその下側から保守することができるようになっていて、扉の開閉操作は作業員が手動で行うようになっている(従来例)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例では、扉の開閉操作を作業員が手動で行うようになっていたため、保守作業を始めるに当たって作業員が手動で行う扉の開閉作業が煩わしかった。また、従来例では、作業ピットの開口部の縦幅が入車場所で停止した車両の車幅方向に沿う横幅よりも長くなっていて、その開口部に、車両の入車方向に沿って開閉動される扉(縦開き扉)が設けられていたので、開閉時の扉のストローク(移動距離)が開口部の縦幅の長さに見合って長くなる。すなわち、開口部は車両を下側から保守するのに必要な長さを備えている必要があることからその開口部の縦幅が車長に近い長さに定められているために、扉の開閉に要するストロークも長くなって開閉作業を行う作業員の負担が大きかっただけでなく、開閉に要する時間も比較的長かった。また、開閉に要する扉のストロークの長いことが原因となって、保守後に扉が全閉されないまま放置されてしまうおそれがあり、その場合には、開いている箇所から作業ピット内に工具その他の異物が落下するという事故が起こるおそれも生じていた。そのほか、扉が開いているか閉じているかが車両走行路面上から判りにくく、そのために落下事故などの不慮の事故が起こるおそれもあった。
【0004】
一方、左右一対の可動部材を、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダによって同時に互いに反対向きに開閉駆動する技術、センサーによって車両などの物体を検出する技術、そのセンサーの検出信号に基づいて各種の制御弁などを切換え動作させたり、その制御弁の切換え動作によっでエア供給源からのエア供給路を切り換えたりする技術、ブザーの鳴動開始や鳴動停止を制御したりする技術、複数の部材の動作を時間的なタイミングをずらせて一定時間だけ動作させる技術などは、自動制御の分野において周知である。
【0005】
本考案は以上の状況の下でなされたものであり、作業ピットの開口部を跨ぐ位置に入車させた車両をその開口部を通して下側から保守する場合に、開口部に設けた扉の開閉を上掲したような周知の自動制御技術を組み合わせることにより自動で短時間で行わせることができ、しかも、扉によって開閉される開口部を備えた作業ピット内での作業や入車場所の近くでの作業の安全性を高めることのできる車両保守用ピット設備を提供することを目的とする。
【0006】
また、本考案は、手動によるスイッチング操作によっても扉の開閉を短時間で安全に行わせることのできる車両保守用ピット設備を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本考案は、扉の開閉を自動制御している状態において、異常事態が発生したような場合にはその自動制御を即座に解除して手動操作に切り換えることのできる車両保守用ピット設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る車両保守用ピット設備は、車両走行路面上に定められた入車場所に位置してその入車場所で停止した車両が車幅方向に跨ぐ開口部を備えた作業ピットの上記開口部の入車方向に沿う縦幅が、上記入車場所で停止した車両の車幅方向に沿うその開口部の横幅よりも長くなっていると共に、この開口部に、入車方向に沿って開閉動される扉が設けられ、開扉状態で上記開口部を通して上記作業ピット内の作業員が上記入車場所で停止している車両をその下側から保守することができるようになっている車両保守用ピット設備において、上記扉を入車方向に沿って開閉動させることに代えて車幅方向に開閉動可能に構成し、その扉が入車場所で停止した車両の車幅方向に左右2分割されていると共に、分割された左扉と右扉とが、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダによって互いに反対向きに同調して開閉駆動され、かつ、左右の各扉がそれらの閉位置ではそれらの扉の内端同士が段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっている、というものである。
【0009】
この構成を備えた車両保守用ピット設備は、作業ピットに備わっている縦幅が横幅よりも長い開口部に設けられていた所謂縦開き扉に代えて、入車場所で停止した車両の車幅方向すなわち開口部の横幅方向に開閉動可能に構成してある(所謂横開き式に構成してある)ので、扉の開閉に要するストロークが短く抑えられて扉の開閉に要する時間が少なくて済む。その上、その横開き式の扉は、入車場所で停止した車両の車幅方向に左右2分割されていて、それらの分割された左扉と右扉とが互いに反対向きに同調して開閉駆動されるようになっているので、1枚の横開き扉によって開口部を開閉させる場合に比べても開閉に要する時間がその半分程度に短縮される。また、左扉と右扉とは閉扉状態でそれらの扉の内端同士が段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっているので、左扉と右扉との突合せ箇所に段差が生じなくなり、その上を人が歩いても段差につまづくといった危険がなくなってそれだけ高い安全性が保たれる。さらに、左扉と右扉との同調した開閉駆動が、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダの動作を通じて行われるので、扉の開閉が自動化されるようになり、作業員が手動で扉を開閉するという煩わしさがなくなる。
【0010】
本考案に係る上記車両保守用ピット設備では、上記入車場所の上方に配備されてその入車場所に車両のあることを検出するセンサーと、車両走行路面上で視認可能な位置に設置されて上記センサーが車両を検出することによって起動されかつ上記扉が全開されることに併せて動作停止される入車確認灯と、上記センサーが入車場所への入車を検出した後の一定時間後に上記扉が閉位置から開位置へ向けて開駆動されるように上記エア供給源から上記エアシリンダへのエアの供給を制御する制御弁と、上記入車確認灯が起動した後で上記扉が閉位置から開位置へ向けて始動されるよりも先に鳴動を開始して上記扉の開動を予告しかつ扉が全開することと併せてその鳴動が停止されるブザーと、を備え、車両が入車場所から出車することにより上記センサーが車両を検出しなくなる動作に併せて、上記ブザーが一定時間だけ続行する再鳴動を開始するようになっていると共に、そのブザーの再鳴動中に上記扉が開位置から閉位置に向けて閉動するように上記制御弁が上記エアシリンダへのエアの供給を制御するようになっていることが望ましい。
【0011】
これによれば、車両走行路面を走行してきた車両をリフトアップなどの余分な作業を行わずにそのまま入車場所に入車させることができる。そして、入車場所に車両が入車すると、その車両をセンサーが検出するので、入車確認灯が起動(点灯)して入車を知らせ、また、その後一定時間が経過するとブザーが鳴動を開始して扉が開動することを予告するので、周囲の作業員やその他の人は扉が開き始めるよりも先に扉がこれらから開くことを知り得るようになって高い安全性が確保される。この場合、入車確認灯は扉が全開されることに併せて動作停止(消灯)するので、その入車確認灯が入車場所への入車を知らせるという役割だけを果たすようになり、その入車確認灯が扉の全開後も点灯し続けて周囲の人に入車が継続されているような誤解を与えることがない。また、ブザーは扉が全閉することと併せてその鳴動を停止するので、いたずらにブザーが鳴動し続けて周囲に不必要な警戒感を与えることもない。さらに、車両保守が終わって入車場所から車両が出車するとブザーが再鳴動を開始するので、このときの再鳴動によって周囲の人に開口部が開いていることを知らされる。そのため、開いた開口部に落下するというような事故が予防される。そして、扉の開駆動や閉駆動は、エア供給源からエアシリンダへのエアの供給を制御する制御弁の切換え動作を介して行われるため、上記した一連の動作が自動で円滑に行われる。この場合の上記した一連の動作は、冒頭で説明した自動制御の分野で周知になっている技術を組み合わせることによって容易に行わせることが可能である。
【0012】
本考案では、上記作業ピットの室内に、上記センサーが車両のあることを検出しているか否かとは無関係に上記制御弁を切り換えて上記扉の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチが配備されていることが望ましい。これによれば、上記した一連の動作が行われているときに何らかの動作不良が発生した場合でも、作業ピットの室内で作業を行っている作業員が開閉操作スイッチを操作して制御弁を切り換え、それによって、センサーが車両のあることを検出しているか否かとは無関係に扉の開閉動を行わせることができるので、動作不良が発生した場合の安全性が向上するという利点がある。
【0013】
本考案では、上記車両走行路面上で操作可能な箇所に、上記エア供給源からエアシリンダに至る給気路をその外部に解放して上記扉の開動又は閉動を停止させる非常停止スイッチが配備されていることが望ましい。これによれば、扉の開閉動作中に何らかの事故又は不具合が発生した場合に、車両走行路面上にいる作業員がその場所で即座に非常停止スイッチを操作して給気路をその外部に解放することが可能である。そのため、緊急を要するような場合に扉の開閉動作を即座に停止させてその扉にエアシリンダの力が作用しないようにすることが可能になって緊急時の安全性が向上する。
【0014】
【考案の実施の形態】
図1は本考案に係る車両保守用ピット設備の実施形態の全体概略構成を例示した説明図、図2は開口部21の平面図、図3は扉の開閉動作を示した説明図、図4は車両の入車から出車に至るまでの超音波センサー6などの時系列図、図5は切換え制御弁5とその制御方法を説明するための概略系統図である。
【0015】
図1において、1はピット設備の建屋を示し、その床面は建屋の外部と内部との間で車両を走行させる車両走行路面12として形成されている。建屋1の地下には作業ピット2が備わっていて、その作業ピット2には矩形の開口部21が設けられている。この開口部21は、建屋1内の車両走行路面12上に定められた2箇所の入車場所13,13に位置していて、入車方向(図2矢印A)に沿う縦幅Dが、入車場所13で停止した車両(自動車)Cの車幅方向(図2矢印Aに直交する方向)に沿う横幅Wよりも長くなっている。しかも、この開口部21の横幅方向両側に車両Cの車輪Hの停止領域が規定されていて、車両走行路面12を走行して建屋1内に進入した車両がその停止領域に車輪Hを停止させると、その車両Cが開口部21を車幅方向に跨いで入車場所13で停止するようになっている。
【0016】
開口部21には開閉用の扉3が設けられている。この扉3は、ステンレス製のパンチングメタルなどで製作されていて、扉3に優れた耐蝕・耐久性を具備させると共に、作業ピット2内への採光性も具備させてある。扉3は、入車場所13で停止した車両Cの車幅方向、すなわち当該開口部21の横幅方向に開閉動可能に構成されている。さらに具体的には、扉3が、開口部21の横幅方向に左右2分割されて左扉31と右扉32とにより形成されていて、これら左右の扉31,32が、開口部21に設置された図示していないガイドレールによって互いに接近離反方向にスライドして開閉されるようになっている。また、図3(A)(B)のように、左右の各扉31,32には、エアシリンダ41,42のロッドが各別に連結されていて、これらのエアシリンダ41,42の押引き動作を介して左右の各扉31,32が開閉すると共に、それらの各扉31,32の閉位置では、各扉31,32の内端同士が同図(B)のように段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっている。
【0017】
上記した各エアシリンダ41,42は、図5に示したエアコンプレッサなどの同一のエア供給源4から供給されるエアを動作媒体として同調して押引き動作される。そのため、左右の各扉31,32が左右のエアシリンダ41,42によって互いに反対向きに同調して開閉駆動される。図4には、エア供給源4と片側のエアシリンダ41との間のエア供給路に切換え制御弁5を介在したエア回路を概略で示している。同図のように、この実施形態では、切換え制御弁5が切換え動作されることによって片側のエアシリンダ41の押し動作と引き動作とが選択されるようになっている。また、図示していないけれども、他側のエアシリンダ42は、上記エア回路に片側のエアシリンダ41と並列に介在されていて、切換え制御弁5が切換え動作されることによって、片側のエアシリンダ41と同調として押引き動作するようになっている。
【0018】
図1のように、上記入車場所13の上方には、取付枠14を介して超音波センサー6が設置されている。この超音波センサー6は、入車場所13に車両があることを検出する機能を有し、下方に放射して車両Cに当たった超音波の反射波を検知して車両があることを検出する。したがって、入車場所13に車両Cが無いときには、この超音波センサー6によっては車両が検出されない。建屋1内の壁面の視認可能な箇所に回転灯でなる入車確認灯61が設置されている。さらに、上記取付枠14には、車両走行路面12で操作可能な箇所に非常停止スイッチ62がリール架台63を介して吊り下げられている。この非常停止スイッチ62は、図5で判るように、そのオンオフ制御信号を介して切換え制御弁5を切換え動作させることにより、エア供給源4からエアシリンダ41(42)に至る給気路をその外部に解放することに用いられる。これに対し、作業ピット2の室内に、上記超音波センサー6が車両Cのあることを検出しているか否かとは無関係に上記切換え制御弁5を切り換えて扉3の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチ64が設置されている。ここで、上記した超音波センサー6、非常停止スイッチ62、切換え制御弁5、開閉操作スイッチ64などは、2か所の開口部21,21のそれぞれに設けられた扉3,3に対して各別に設けられている。さらに、建屋1内には、車両走行路面12上や作業ピット2にいる人に聞こえるように鳴動するブザー(不図示)が設置されている。
【0019】
次に、図4を主に参照して入車場所13への車両の入車から入車場所13からの車両の出車までに至る一連の動作を説明する。
【0020】
扉3が図3のように全閉している状態のときに、車両走行路面12を走行してきた車両Cがそのまま入車場所13に入車してくる。入車場所13に車両Cが入車すると、その車両Cを超音波センサー6が検出するので、入車確認灯(回転灯)61が起動(点灯)する。このときの入車確認灯61が点灯により、建屋内の作業員やその他の人が車両Cの入車を知ることになる。入車確認灯61が点灯した後の一定時間T1(たとえば10秒)が経過すると、ブザーが鳴動を開始して扉3が開動することを予告する。そのため、周囲の作業員やその他の人は扉3が開き始めるよりも先に扉3がこれらから開くことを知るようになり、そのことが、高い安全性を確保することに役立つ。一方、入車確認灯61は扉3が全開されることに併せて動作停止(消灯)する。そのため、入車確認灯61が入車場所13への入車を知らせるという役割だけを果たすようになり、その入車確認灯61が扉3の全開後も点灯し続けて周囲の人に入車が継続されているような誤解を与えることが防止される。また、ブザーは扉3が開きはじめる前に鳴動を開始して一定時間T2だけ鳴動を継続し、扉3が全閉することと併せてその鳴動を停止する。したがって、ブザーの鳴動時間T2を短くして3秒程度に定めることがてきるようになり、いたずらにブザーが鳴動し続けて周囲に不必要な警戒感を与えることを防止することができる。
【0021】
扉3が全開した後、入車場所13で停止している車両Cが開口部21を利用して下側から保守される。この保守には、オイル交換やその他のねじ締め作業といった必要な保守作業が含まれる。
【0022】
車両保守が終わると、車両Cが車両走行路面12を自走して入車場所13から出車する。そして、車両Cが入車場所13から出車すると、超音波センサー6が車両Cを検出しなくなり、そのときの超音波センサー6の信号に基づいてブザーが再鳴動を開始する。このときの再鳴動によって周囲の人に開口部21が開いていることが知らされる。そのため、開いた開口部21に気づかずにその開口部21から人が落下するというような事故が防止される。このときのブザーの再鳴動は一定時間T3(たとえば3秒)だけ継続され、タイマーの働きによって数秒後には再鳴動が停止する。また、扉3はブザーが再鳴動を開始した後で閉動し、扉3が全閉した時点でブザーの再鳴動が停止する。
【0023】
上記において、扉3の開駆動や閉駆動は、エア供給源4からエアシリンダ41,42へのエアの供給を制御する切換え制御弁5の切換え動作を介して行われるため、上記した一連の動作は自動で円滑に行われる。
【0024】
このピット設備において、開口部21は、縦幅Dが横幅Wよりも長くなっていて、その開閉が、横開き式の左扉31と右扉32との同調開閉動作によって行われるようになっているので、縦開き式の扉で開閉する場合や1枚の横開き扉によって開閉する場合に比べて、開閉に要する時間が大幅に短縮されて車両保守サイクルの短縮化が図れるという利点があるだけでなく、開閉に要する時間が短縮されるのに見合って安全性も向上する。また、左扉31と右扉32とは閉扉状態でそれらの扉31,32の内端同士が段差を生じない状態で図3(A)のように互いに突き合わされるようになっているので、左扉31と右扉32との突合せ箇所イに段差が生じず、その扉3の上を人が歩いても段差につまづくといった危険がなくなってそれだけ高い安全性が保たれる。さらに、左扉31と右扉32との同調した開閉駆動が、同一のエア供給源4から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダ41,42の動作を通じて行われるので、扉3の開閉が自動化されるようになり、作業員が手動で扉を開閉するという煩わしさもない。
【0025】
この実施形態では、作業ピット2の室内に、超音波センサー6が車両Cのあることを検出しているか否かとは無関係に切換え制御弁5を切り換えて扉3の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチ64が配備されている。そのため、上記した一連の自動動作が行われているときに何らかの動作不良が発生した場合でも、作業ピット2の室内で作業を行っている作業員が開閉操作スイッチ64を操作して切換え制御弁5を切り換え、それによって、超音波センサー6が車両Cのあることを検出しているか否かとは無関係に扉3の開閉動を行わせることができる。その結果、動作不良が発生した場合の安全性が向上する。
【0026】
さらに、扉3の開閉動作中に何らかの事故又は不具合が発生した場合には、車両走行路面12上にいる作業員がその場所で即座に非常停止スイッチ62を操作して給気路をその外部に解放することが可能である。そのため、緊急を要するような場合に扉3の開閉動作を即座に停止させて、左扉31や右扉32にエアシリンダ41,42の力が作用しないようにすることが可能になる。これにより緊急時の安全性が向上する。
【0027】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、作業ピットの開口部を跨ぐ位置に入車させた車両をその開口部を通して下側から保守する場合に、開口部に設けた扉の開閉を自動制御して短時間で行わせることができるだけでなく、扉によって開閉される開口部を備えた作業ピット内での作業や入車場所の近くでの作業の安全性を高めることが可能になる。また、手動による開閉操作スイッチ64のスイッチング操作によっても扉の自動開閉を短時間で安全に行わせることができるようになる。さらに、扉の開閉を自動制御している状態において、異常事態が発生したような場合にはその自動制御を即座に解除して手動操作に切り換えることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る車両保守用ピット設備の実施形態の全体概略構成を例示した説明図である。
【図2】開口部の平面図である。
【図3】(A)は閉扉状態を示した説明図、(B)は開扉状態を示した説明図である。
【図4】車両の入車から出車に至るまでの超音波センサーなどの時系列図である。
【図5】切換え制御弁とその制御方法を説明するための概略系統図である。
【符号の説明】
2 作業ピット
3 扉
4 エア供給源
5 切換え制御弁
6 超音波センサー
12 車両走行路面
13 入車場所
21 開口部
31 左扉
32 右扉
41,42 エアシリンダ
61 入車確認灯
62 非常停止スイッチ
64 開閉操作スイッチ
A 入車方向
C 車両
【考案の属する技術分野】
本考案は、車両の下側から車両の保守、たとえばオイル交換や機構部分のねじ締めなどの保守を行うための車両保守用ピット設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
実公平7−2343号公報に自動車の修理及びオイル交換用ピットについての記載がある。このものは、車両走行路面上に定められた入車場所に位置してその入車場所で停止した車両が車幅方向に跨ぐ開口部を備えた作業ピットの上記開口部の入車方向に沿う縦幅が、上記入車場所で停止した車両の車幅方向に沿うその開口部の横幅よりも長くなっていると共に、この開口部に、入車方向に沿って開閉動される扉が設けられ、開扉状態で上記開口部を通して上記作業ピット内の作業員が上記入車場所で停止している車両をその下側から保守することができるようになっていて、扉の開閉操作は作業員が手動で行うようになっている(従来例)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例では、扉の開閉操作を作業員が手動で行うようになっていたため、保守作業を始めるに当たって作業員が手動で行う扉の開閉作業が煩わしかった。また、従来例では、作業ピットの開口部の縦幅が入車場所で停止した車両の車幅方向に沿う横幅よりも長くなっていて、その開口部に、車両の入車方向に沿って開閉動される扉(縦開き扉)が設けられていたので、開閉時の扉のストローク(移動距離)が開口部の縦幅の長さに見合って長くなる。すなわち、開口部は車両を下側から保守するのに必要な長さを備えている必要があることからその開口部の縦幅が車長に近い長さに定められているために、扉の開閉に要するストロークも長くなって開閉作業を行う作業員の負担が大きかっただけでなく、開閉に要する時間も比較的長かった。また、開閉に要する扉のストロークの長いことが原因となって、保守後に扉が全閉されないまま放置されてしまうおそれがあり、その場合には、開いている箇所から作業ピット内に工具その他の異物が落下するという事故が起こるおそれも生じていた。そのほか、扉が開いているか閉じているかが車両走行路面上から判りにくく、そのために落下事故などの不慮の事故が起こるおそれもあった。
【0004】
一方、左右一対の可動部材を、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダによって同時に互いに反対向きに開閉駆動する技術、センサーによって車両などの物体を検出する技術、そのセンサーの検出信号に基づいて各種の制御弁などを切換え動作させたり、その制御弁の切換え動作によっでエア供給源からのエア供給路を切り換えたりする技術、ブザーの鳴動開始や鳴動停止を制御したりする技術、複数の部材の動作を時間的なタイミングをずらせて一定時間だけ動作させる技術などは、自動制御の分野において周知である。
【0005】
本考案は以上の状況の下でなされたものであり、作業ピットの開口部を跨ぐ位置に入車させた車両をその開口部を通して下側から保守する場合に、開口部に設けた扉の開閉を上掲したような周知の自動制御技術を組み合わせることにより自動で短時間で行わせることができ、しかも、扉によって開閉される開口部を備えた作業ピット内での作業や入車場所の近くでの作業の安全性を高めることのできる車両保守用ピット設備を提供することを目的とする。
【0006】
また、本考案は、手動によるスイッチング操作によっても扉の開閉を短時間で安全に行わせることのできる車両保守用ピット設備を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本考案は、扉の開閉を自動制御している状態において、異常事態が発生したような場合にはその自動制御を即座に解除して手動操作に切り換えることのできる車両保守用ピット設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る車両保守用ピット設備は、車両走行路面上に定められた入車場所に位置してその入車場所で停止した車両が車幅方向に跨ぐ開口部を備えた作業ピットの上記開口部の入車方向に沿う縦幅が、上記入車場所で停止した車両の車幅方向に沿うその開口部の横幅よりも長くなっていると共に、この開口部に、入車方向に沿って開閉動される扉が設けられ、開扉状態で上記開口部を通して上記作業ピット内の作業員が上記入車場所で停止している車両をその下側から保守することができるようになっている車両保守用ピット設備において、上記扉を入車方向に沿って開閉動させることに代えて車幅方向に開閉動可能に構成し、その扉が入車場所で停止した車両の車幅方向に左右2分割されていると共に、分割された左扉と右扉とが、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダによって互いに反対向きに同調して開閉駆動され、かつ、左右の各扉がそれらの閉位置ではそれらの扉の内端同士が段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっている、というものである。
【0009】
この構成を備えた車両保守用ピット設備は、作業ピットに備わっている縦幅が横幅よりも長い開口部に設けられていた所謂縦開き扉に代えて、入車場所で停止した車両の車幅方向すなわち開口部の横幅方向に開閉動可能に構成してある(所謂横開き式に構成してある)ので、扉の開閉に要するストロークが短く抑えられて扉の開閉に要する時間が少なくて済む。その上、その横開き式の扉は、入車場所で停止した車両の車幅方向に左右2分割されていて、それらの分割された左扉と右扉とが互いに反対向きに同調して開閉駆動されるようになっているので、1枚の横開き扉によって開口部を開閉させる場合に比べても開閉に要する時間がその半分程度に短縮される。また、左扉と右扉とは閉扉状態でそれらの扉の内端同士が段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっているので、左扉と右扉との突合せ箇所に段差が生じなくなり、その上を人が歩いても段差につまづくといった危険がなくなってそれだけ高い安全性が保たれる。さらに、左扉と右扉との同調した開閉駆動が、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダの動作を通じて行われるので、扉の開閉が自動化されるようになり、作業員が手動で扉を開閉するという煩わしさがなくなる。
【0010】
本考案に係る上記車両保守用ピット設備では、上記入車場所の上方に配備されてその入車場所に車両のあることを検出するセンサーと、車両走行路面上で視認可能な位置に設置されて上記センサーが車両を検出することによって起動されかつ上記扉が全開されることに併せて動作停止される入車確認灯と、上記センサーが入車場所への入車を検出した後の一定時間後に上記扉が閉位置から開位置へ向けて開駆動されるように上記エア供給源から上記エアシリンダへのエアの供給を制御する制御弁と、上記入車確認灯が起動した後で上記扉が閉位置から開位置へ向けて始動されるよりも先に鳴動を開始して上記扉の開動を予告しかつ扉が全開することと併せてその鳴動が停止されるブザーと、を備え、車両が入車場所から出車することにより上記センサーが車両を検出しなくなる動作に併せて、上記ブザーが一定時間だけ続行する再鳴動を開始するようになっていると共に、そのブザーの再鳴動中に上記扉が開位置から閉位置に向けて閉動するように上記制御弁が上記エアシリンダへのエアの供給を制御するようになっていることが望ましい。
【0011】
これによれば、車両走行路面を走行してきた車両をリフトアップなどの余分な作業を行わずにそのまま入車場所に入車させることができる。そして、入車場所に車両が入車すると、その車両をセンサーが検出するので、入車確認灯が起動(点灯)して入車を知らせ、また、その後一定時間が経過するとブザーが鳴動を開始して扉が開動することを予告するので、周囲の作業員やその他の人は扉が開き始めるよりも先に扉がこれらから開くことを知り得るようになって高い安全性が確保される。この場合、入車確認灯は扉が全開されることに併せて動作停止(消灯)するので、その入車確認灯が入車場所への入車を知らせるという役割だけを果たすようになり、その入車確認灯が扉の全開後も点灯し続けて周囲の人に入車が継続されているような誤解を与えることがない。また、ブザーは扉が全閉することと併せてその鳴動を停止するので、いたずらにブザーが鳴動し続けて周囲に不必要な警戒感を与えることもない。さらに、車両保守が終わって入車場所から車両が出車するとブザーが再鳴動を開始するので、このときの再鳴動によって周囲の人に開口部が開いていることを知らされる。そのため、開いた開口部に落下するというような事故が予防される。そして、扉の開駆動や閉駆動は、エア供給源からエアシリンダへのエアの供給を制御する制御弁の切換え動作を介して行われるため、上記した一連の動作が自動で円滑に行われる。この場合の上記した一連の動作は、冒頭で説明した自動制御の分野で周知になっている技術を組み合わせることによって容易に行わせることが可能である。
【0012】
本考案では、上記作業ピットの室内に、上記センサーが車両のあることを検出しているか否かとは無関係に上記制御弁を切り換えて上記扉の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチが配備されていることが望ましい。これによれば、上記した一連の動作が行われているときに何らかの動作不良が発生した場合でも、作業ピットの室内で作業を行っている作業員が開閉操作スイッチを操作して制御弁を切り換え、それによって、センサーが車両のあることを検出しているか否かとは無関係に扉の開閉動を行わせることができるので、動作不良が発生した場合の安全性が向上するという利点がある。
【0013】
本考案では、上記車両走行路面上で操作可能な箇所に、上記エア供給源からエアシリンダに至る給気路をその外部に解放して上記扉の開動又は閉動を停止させる非常停止スイッチが配備されていることが望ましい。これによれば、扉の開閉動作中に何らかの事故又は不具合が発生した場合に、車両走行路面上にいる作業員がその場所で即座に非常停止スイッチを操作して給気路をその外部に解放することが可能である。そのため、緊急を要するような場合に扉の開閉動作を即座に停止させてその扉にエアシリンダの力が作用しないようにすることが可能になって緊急時の安全性が向上する。
【0014】
【考案の実施の形態】
図1は本考案に係る車両保守用ピット設備の実施形態の全体概略構成を例示した説明図、図2は開口部21の平面図、図3は扉の開閉動作を示した説明図、図4は車両の入車から出車に至るまでの超音波センサー6などの時系列図、図5は切換え制御弁5とその制御方法を説明するための概略系統図である。
【0015】
図1において、1はピット設備の建屋を示し、その床面は建屋の外部と内部との間で車両を走行させる車両走行路面12として形成されている。建屋1の地下には作業ピット2が備わっていて、その作業ピット2には矩形の開口部21が設けられている。この開口部21は、建屋1内の車両走行路面12上に定められた2箇所の入車場所13,13に位置していて、入車方向(図2矢印A)に沿う縦幅Dが、入車場所13で停止した車両(自動車)Cの車幅方向(図2矢印Aに直交する方向)に沿う横幅Wよりも長くなっている。しかも、この開口部21の横幅方向両側に車両Cの車輪Hの停止領域が規定されていて、車両走行路面12を走行して建屋1内に進入した車両がその停止領域に車輪Hを停止させると、その車両Cが開口部21を車幅方向に跨いで入車場所13で停止するようになっている。
【0016】
開口部21には開閉用の扉3が設けられている。この扉3は、ステンレス製のパンチングメタルなどで製作されていて、扉3に優れた耐蝕・耐久性を具備させると共に、作業ピット2内への採光性も具備させてある。扉3は、入車場所13で停止した車両Cの車幅方向、すなわち当該開口部21の横幅方向に開閉動可能に構成されている。さらに具体的には、扉3が、開口部21の横幅方向に左右2分割されて左扉31と右扉32とにより形成されていて、これら左右の扉31,32が、開口部21に設置された図示していないガイドレールによって互いに接近離反方向にスライドして開閉されるようになっている。また、図3(A)(B)のように、左右の各扉31,32には、エアシリンダ41,42のロッドが各別に連結されていて、これらのエアシリンダ41,42の押引き動作を介して左右の各扉31,32が開閉すると共に、それらの各扉31,32の閉位置では、各扉31,32の内端同士が同図(B)のように段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっている。
【0017】
上記した各エアシリンダ41,42は、図5に示したエアコンプレッサなどの同一のエア供給源4から供給されるエアを動作媒体として同調して押引き動作される。そのため、左右の各扉31,32が左右のエアシリンダ41,42によって互いに反対向きに同調して開閉駆動される。図4には、エア供給源4と片側のエアシリンダ41との間のエア供給路に切換え制御弁5を介在したエア回路を概略で示している。同図のように、この実施形態では、切換え制御弁5が切換え動作されることによって片側のエアシリンダ41の押し動作と引き動作とが選択されるようになっている。また、図示していないけれども、他側のエアシリンダ42は、上記エア回路に片側のエアシリンダ41と並列に介在されていて、切換え制御弁5が切換え動作されることによって、片側のエアシリンダ41と同調として押引き動作するようになっている。
【0018】
図1のように、上記入車場所13の上方には、取付枠14を介して超音波センサー6が設置されている。この超音波センサー6は、入車場所13に車両があることを検出する機能を有し、下方に放射して車両Cに当たった超音波の反射波を検知して車両があることを検出する。したがって、入車場所13に車両Cが無いときには、この超音波センサー6によっては車両が検出されない。建屋1内の壁面の視認可能な箇所に回転灯でなる入車確認灯61が設置されている。さらに、上記取付枠14には、車両走行路面12で操作可能な箇所に非常停止スイッチ62がリール架台63を介して吊り下げられている。この非常停止スイッチ62は、図5で判るように、そのオンオフ制御信号を介して切換え制御弁5を切換え動作させることにより、エア供給源4からエアシリンダ41(42)に至る給気路をその外部に解放することに用いられる。これに対し、作業ピット2の室内に、上記超音波センサー6が車両Cのあることを検出しているか否かとは無関係に上記切換え制御弁5を切り換えて扉3の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチ64が設置されている。ここで、上記した超音波センサー6、非常停止スイッチ62、切換え制御弁5、開閉操作スイッチ64などは、2か所の開口部21,21のそれぞれに設けられた扉3,3に対して各別に設けられている。さらに、建屋1内には、車両走行路面12上や作業ピット2にいる人に聞こえるように鳴動するブザー(不図示)が設置されている。
【0019】
次に、図4を主に参照して入車場所13への車両の入車から入車場所13からの車両の出車までに至る一連の動作を説明する。
【0020】
扉3が図3のように全閉している状態のときに、車両走行路面12を走行してきた車両Cがそのまま入車場所13に入車してくる。入車場所13に車両Cが入車すると、その車両Cを超音波センサー6が検出するので、入車確認灯(回転灯)61が起動(点灯)する。このときの入車確認灯61が点灯により、建屋内の作業員やその他の人が車両Cの入車を知ることになる。入車確認灯61が点灯した後の一定時間T1(たとえば10秒)が経過すると、ブザーが鳴動を開始して扉3が開動することを予告する。そのため、周囲の作業員やその他の人は扉3が開き始めるよりも先に扉3がこれらから開くことを知るようになり、そのことが、高い安全性を確保することに役立つ。一方、入車確認灯61は扉3が全開されることに併せて動作停止(消灯)する。そのため、入車確認灯61が入車場所13への入車を知らせるという役割だけを果たすようになり、その入車確認灯61が扉3の全開後も点灯し続けて周囲の人に入車が継続されているような誤解を与えることが防止される。また、ブザーは扉3が開きはじめる前に鳴動を開始して一定時間T2だけ鳴動を継続し、扉3が全閉することと併せてその鳴動を停止する。したがって、ブザーの鳴動時間T2を短くして3秒程度に定めることがてきるようになり、いたずらにブザーが鳴動し続けて周囲に不必要な警戒感を与えることを防止することができる。
【0021】
扉3が全開した後、入車場所13で停止している車両Cが開口部21を利用して下側から保守される。この保守には、オイル交換やその他のねじ締め作業といった必要な保守作業が含まれる。
【0022】
車両保守が終わると、車両Cが車両走行路面12を自走して入車場所13から出車する。そして、車両Cが入車場所13から出車すると、超音波センサー6が車両Cを検出しなくなり、そのときの超音波センサー6の信号に基づいてブザーが再鳴動を開始する。このときの再鳴動によって周囲の人に開口部21が開いていることが知らされる。そのため、開いた開口部21に気づかずにその開口部21から人が落下するというような事故が防止される。このときのブザーの再鳴動は一定時間T3(たとえば3秒)だけ継続され、タイマーの働きによって数秒後には再鳴動が停止する。また、扉3はブザーが再鳴動を開始した後で閉動し、扉3が全閉した時点でブザーの再鳴動が停止する。
【0023】
上記において、扉3の開駆動や閉駆動は、エア供給源4からエアシリンダ41,42へのエアの供給を制御する切換え制御弁5の切換え動作を介して行われるため、上記した一連の動作は自動で円滑に行われる。
【0024】
このピット設備において、開口部21は、縦幅Dが横幅Wよりも長くなっていて、その開閉が、横開き式の左扉31と右扉32との同調開閉動作によって行われるようになっているので、縦開き式の扉で開閉する場合や1枚の横開き扉によって開閉する場合に比べて、開閉に要する時間が大幅に短縮されて車両保守サイクルの短縮化が図れるという利点があるだけでなく、開閉に要する時間が短縮されるのに見合って安全性も向上する。また、左扉31と右扉32とは閉扉状態でそれらの扉31,32の内端同士が段差を生じない状態で図3(A)のように互いに突き合わされるようになっているので、左扉31と右扉32との突合せ箇所イに段差が生じず、その扉3の上を人が歩いても段差につまづくといった危険がなくなってそれだけ高い安全性が保たれる。さらに、左扉31と右扉32との同調した開閉駆動が、同一のエア供給源4から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダ41,42の動作を通じて行われるので、扉3の開閉が自動化されるようになり、作業員が手動で扉を開閉するという煩わしさもない。
【0025】
この実施形態では、作業ピット2の室内に、超音波センサー6が車両Cのあることを検出しているか否かとは無関係に切換え制御弁5を切り換えて扉3の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチ64が配備されている。そのため、上記した一連の自動動作が行われているときに何らかの動作不良が発生した場合でも、作業ピット2の室内で作業を行っている作業員が開閉操作スイッチ64を操作して切換え制御弁5を切り換え、それによって、超音波センサー6が車両Cのあることを検出しているか否かとは無関係に扉3の開閉動を行わせることができる。その結果、動作不良が発生した場合の安全性が向上する。
【0026】
さらに、扉3の開閉動作中に何らかの事故又は不具合が発生した場合には、車両走行路面12上にいる作業員がその場所で即座に非常停止スイッチ62を操作して給気路をその外部に解放することが可能である。そのため、緊急を要するような場合に扉3の開閉動作を即座に停止させて、左扉31や右扉32にエアシリンダ41,42の力が作用しないようにすることが可能になる。これにより緊急時の安全性が向上する。
【0027】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、作業ピットの開口部を跨ぐ位置に入車させた車両をその開口部を通して下側から保守する場合に、開口部に設けた扉の開閉を自動制御して短時間で行わせることができるだけでなく、扉によって開閉される開口部を備えた作業ピット内での作業や入車場所の近くでの作業の安全性を高めることが可能になる。また、手動による開閉操作スイッチ64のスイッチング操作によっても扉の自動開閉を短時間で安全に行わせることができるようになる。さらに、扉の開閉を自動制御している状態において、異常事態が発生したような場合にはその自動制御を即座に解除して手動操作に切り換えることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る車両保守用ピット設備の実施形態の全体概略構成を例示した説明図である。
【図2】開口部の平面図である。
【図3】(A)は閉扉状態を示した説明図、(B)は開扉状態を示した説明図である。
【図4】車両の入車から出車に至るまでの超音波センサーなどの時系列図である。
【図5】切換え制御弁とその制御方法を説明するための概略系統図である。
【符号の説明】
2 作業ピット
3 扉
4 エア供給源
5 切換え制御弁
6 超音波センサー
12 車両走行路面
13 入車場所
21 開口部
31 左扉
32 右扉
41,42 エアシリンダ
61 入車確認灯
62 非常停止スイッチ
64 開閉操作スイッチ
A 入車方向
C 車両
Claims (4)
- 車両走行路面上に定められた入車場所に位置してその入車場所で停止した車両が車幅方向に跨ぐ開口部を備えた作業ピットの前記開口部の入車方向に沿う縦幅が、上記入車場所で停止した車両の車幅方向に沿うその開口部の横幅よりも長くなっていると共に、この開口部に、入車方向に沿って開閉動される扉が設けられ、開扉状態で上記開口部を通して上記作業ピット内の作業員が上記入車場所で停止している車両をその下側から保守することができるようになっている車両保守用ピット設備において、
上記扉を入車方向に沿って開閉動させることに代えて車幅方向に開閉動可能に構成し、その扉が入車場所で停止した車両の車幅方向に左右2分割されていると共に、分割された左扉と右扉とが、同一のエア供給源から供給されるエアを動作媒体として押引き動作されるエアシリンダによって互いに反対向きに同調して開閉駆動され、かつ、左右の各扉がそれらの閉位置ではそれらの扉の内端同士が段差を生じない状態で互いに突き合わされるようになっていることを特徴とする車両保守用ピット設備。 - 上記入車場所の上方に配備されてその入車場所に車両のあることを検出するセンサーと、車両走行路面上で視認可能な位置に設置されて上記センサーが車両を検出することによって起動されかつ上記扉が全開されることに併せて動作停止される入車確認灯と、上記センサーが入車場所への入車を検出した後の一定時間後に上記扉が閉位置から開位置へ向けて開駆動されるように上記エア供給源から上記エアシリンダへのエアの供給を制御する制御弁と、上記入車確認灯が起動した後で上記扉が閉位置から開位置へ向けて始動されるよりも先に鳴動を開始して上記扉の開動を予告しかつ扉が全開することと併せてその鳴動が停止されるブザーと、を備え、
車両が入車場所から出車することにより上記センサーが車両を検出しなくなる動作に併せて、上記ブザーが一定時間だけ続行する再鳴動を開始するようになっていると共に、そのブザーの再鳴動中に上記扉が開位置から閉位置に向けて閉動するように上記制御弁が上記エアシリンダへのエアの供給を制御するようになっている請求項1に記載した車両保守用ピット設備。 - 上記作業ピットの室内に、上記センサーが車両のあることを検出しているか否かとは無関係に上記制御弁を切り換えて上記扉の開閉動を制御することのできる開閉操作スイッチが配備されている請求項1又は請求項2に記載した車両保守用ピット設備。
- 上記車両走行路面上で操作可能な箇所に、上記エア供給源からエアシリンダに至る給気路をその外部に解放して上記扉の開動又は閉動を停止させる非常停止スイッチが配備されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した車両保守用ピット設備。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012006591A (ja) * | 2008-09-19 | 2012-01-12 | Better Place GmbH | バッテリ交換ステーション |
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-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003002131U patent/JP3097255U/ja not_active Expired - Lifetime
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