JP3096987U - 壁張用クロス - Google Patents
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Abstract
【課題】耐汚染性に優れ、表面に付着した汚れも容易に除去することが可能な、地球の環境に優しい壁張用クロスを提供する。
【解決手段】紙製の基材1上に塩化ビニル樹脂層2が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルム3をコーティングすることによって壁張用クロスを構成することにより、長期間使用しても汚れにくく、かつ、仮に表面に汚れが付着した場合でも容易に除去することができるようにして、クロスの貼り替えを長期間不要とし、資源の無駄遣いを抑制する。
【選択図】 図1
【解決手段】紙製の基材1上に塩化ビニル樹脂層2が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルム3をコーティングすることによって壁張用クロスを構成することにより、長期間使用しても汚れにくく、かつ、仮に表面に汚れが付着した場合でも容易に除去することができるようにして、クロスの貼り替えを長期間不要とし、資源の無駄遣いを抑制する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は壁張用クロスに関し、特に、耐汚染性に優れたクロスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の壁に貼り付ける壁装材としては、塩化ビニル製クロス(壁紙)と呼ばれる化粧シートが広く用いられている。
【0003】
図3に、従来の塩化ビニル製クロスの構成を示す。図3に示すように、従来の塩化ビニル製クロスは、裏打ち紙と呼ばれる紙製の基材1上に塩化ビニル樹脂層2を形成し、この塩化ビニル樹脂層2の上に印刷などにより絵柄層を設け、あるいは、塩化ビニル樹脂層2を発泡させるとともにエンボス加工を施すなどして凹凸模様を設けている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
塩化ビニルは、加工がしやすく経年劣化しにくいという特徴を持つことから、壁張用クロスの材料としても多く利用されてきた。しかしながら、塩化ビニル製クロスは、表面が汚れやすく、しかもこれを除去することが困難であるといった問題があった。これは、塩化ビニル樹脂に大量の可塑剤が配合されていることや、発泡や凹凸模様を形成するために塩化ビニル製クロスの表面に微細な凹凸や空隙が生じることなどが原因である。
【0005】
通常、汚れた塩化ビニル製クロスは、新しいクロスに貼り替えられる。このとき壁面から剥がされた古い塩化ビニル製クロスは、廃棄処分となる。すなわち、塩化ビニルは燃やすとダイオキシンを発生し、また二酸化炭素も大量に発生するという欠点を有する。そのため、塩化ビニル製クロスを焼却処分することができず、産業廃棄物としてただゴミになるだけであった。
【0006】
また、壁張用クロスの規格は、通常、数年置きに変更される。そして、壁張用クロスの規格が変更されると、以前と全く同じ材料等を使って同じような加工方法で模様を施すことができなくなる。そのため、規格変更前と同じ模様を形成することは一般的に難しい。このような理由から、壁張用クロスの古いデザインは、規格が変更される都度廃止され、新たなデザインに変更されるのが一般的である。
【0007】
したがって、汚れた一部分のクロスの修繕を希望する場合であっても、それと同じデザインが既に廃版になっていることが多く、同一デザインのクロスを入手することは難しい。そのため、このような場合には、一部分しか汚れていないにもかかわらず、壁面全てのクロスを貼り替える必要があった。このような状況は、産業廃棄物(剥がした後のクロス)の量をさらに増やすことに繋がり、地球環境を改善する観点からも好ましくなかった。
【0008】
本考案は、このような問題を解決するために成されたものであり、耐汚染性に優れ、表面に付着した汚れも容易に除去することが可能な、地球の環境に優しい壁張用クロスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するために、本考案の壁張用クロスは、紙製の基材上に塩化ビニル樹脂層が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルムをコーティングして構成したことを特徴とする。
【0010】
本考案の他の態様では、壁張用クロスは、紙製の基材上にオレフィン樹脂層が形成されたオレフィン樹脂製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルムをコーティングして構成したことを特徴とする。
【0011】
上記フィルムは、ほぼ190℃から210℃の温度範囲内において加熱して、上記基材上に加圧しながらコーティングされている。
【0012】
このように構成した壁張用クロスを用いれば、表面に汚れが付きにくくなり、仮に汚れが付いても容易に落とすことが可能となる。
【0013】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態における壁張用クロスの構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の壁張用クロスは、裏打ち紙と呼ばれる紙製の基材1、塩化ビニル樹脂層2、および耐汚染性を有する透明のポリエチレン製フィルム3を有している。
【0015】
この壁張用クロスは、基材1上に塩化ビニル樹脂層2が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム3をコーティングすることによって構成する。
【0016】
本実施形態に用いられる塩化ビニル樹脂層2は、通常より50%以上多くの割合で、酸化チタン白顔料または二酸化チタン白顔料を含んでいることが好ましい。通常より多くの割合で酸化チタン白顔料または二酸化チタン白顔料を含有させることにより、日焼けに強い特性(長期間に渡って日光に当たっても色が変色し難い特性)を有する壁張用クロスを提供することが可能になる。
【0017】
一方、ポリエチレン製フィルム3は、数%程度の割合で帯電防止剤を含んでいることが好ましい。このような帯電防止剤を含有させることにより、本発明の壁貼用クロスは、絶縁効果を発揮することが可能になる。その結果、例えば冷蔵庫やテレビ等の背面側に生ずる静電気が原因で、クロスにいわゆる静電気焼けが生ずるのを防止することができる。また、本実施形態ではポリエチレン製フィルム3の厚さは特に限定しないが、例えば10μ〜100μm程度が好ましい。
【0018】
ポリエチレン製フィルム3をコーティングする際には、まず、塩化ビニル樹脂層2の表面(またはポリエチレン製フィルム3の裏面)に接着剤を塗布する。次に、この塩化ビニル樹脂層2にポリエチレン製フィルム3を重ねる。そして、ポリエチレン製フィルム3を加熱して、ロールで加圧しながら圧着する。これにより、塩化ビニル樹脂層2とポリエチレン製フィルム3とが融合し、一体に構成することができる。
【0019】
この場合、ポリエチレン製フィルム3を加熱する温度は、ほぼ190℃〜210℃の温度範囲内であることが好ましい。ほぼ190℃以上の温度でポリエチレン製フィルム3を加熱することにより、塩化ビニル樹脂層2とポリエチレン製フィルム3とを適当に融合させることができる。その結果、圧着後において、ポリエチレン製フィルム3が塩化ビニル樹脂層2から剥がれることを防ぐことが可能になる。また、ほぼ210℃以下の温度でポリエチレン製フィルム3を加熱することにより、圧着する際にポリエチレン製フィルム3が溶けてしまうことを防ぐことが可能になる。
【0020】
上述した壁張用クロスには、模様を設けることが可能である。この場合には、例えば、圧着後のポリエチレン製フィルム3の上に、印刷などにより模様として絵柄を設ける。あるいは、圧着後のポリエチレン製フィルム3の上に、凹凸が形成されたロールを用いてエンボス加工を施すことにより、凹凸模様を形成する。
【0021】
なお、エンボス加工を行う際には、凹凸模様の縁に相当する部分(尖った部分)に対して丸める処理が施されたロールを用いることが好ましい。このようなロールを用いることにより、エンボス加工の際にロールの凸部によってポリエチレン製フィルム3が破損することを防ぐことが可能である。
【0022】
次に、図2に基づいて、本実施形態の壁張用クロスの洗浄手順について説明する。図2は、本実施形態の壁張用クロスの洗浄手順を示すフローチャートである。
【0023】
汚れた壁張用クロスを洗浄する際には、まず、洗浄用ブラシを漂白剤に浸す。そして、この洗浄用ブラシを用いて、壁張用クロスの表面に、漂白剤をムラなく塗る(ステップS11)。この際、汚れの激しい箇所がある場合には、その箇所を歯ブラシ等を用いてこすることが好ましい。
【0024】
壁張用クロスの表面に塗布された漂白剤から泡が発生し、この泡の色が変化してきたら、水布を用いて漂白剤を拭き取る(ステップS12)。この段階で拭き取れなかったヤニ等が残っている場合には、上述したステップS11およびS12を繰り返す。なお、汚れが激しい場合には、漂白剤を塗布した後、しばらく(例えば15分程度)放置しておくことが好ましい。
【0025】
次に、アルカリ系洗浄剤を塗布して、ステップS12において拭き取ることができなかった油汚れを拭き取る(ステップS13)。なお、このアルカリ系洗浄剤は、前に塗布した漂白剤が乾燥した後に塗布することに留意すべきである。漂白剤とアルカリ系洗浄剤が混ざると、有毒ガスが発生するだけでなく、アルカリ系洗浄剤の洗浄効果が得られにくくなるからである。
【0026】
そして、最後に、乾いた布にシンナーを付けて、マジックやボールペン等のインク汚れを拭き取る(ステップS14)。なお、エンボス模様の凹部に付着したインク汚れに関しては、歯ブラシ等にシンナーを付けて、こすり落とすことが好ましい。
【0027】
以上のように、本実施形態の壁張用クロスは、塩化ビニル製壁紙の表面に耐汚染性に優れた透明のフィルムをコーティングすることによって構成したので、長期間使用しても汚れにくく、かつ、仮に表面に汚れが付着した場合でも容易に除去することができるようになる。したがって、クロスの貼り替えを長期間不要とし、メンテナンスにかかる作業およびコストを削減することができるとともに、資源の無駄遣いを抑制することができる。
【0028】
また、クロスの表面に付着した汚れを洗浄しながら長期間に渡って使用することができるので、一部分の僅かな汚れが原因で壁面全てのクロスを貼り替えなければならないという事態を回避することができる。その結果、数年置きのクロスのデザイン変更との関係で増えていた産業廃棄物(剥がした後のクロス)の量を減らすことができる。
【0029】
なお、上記実施形態では、基材1上に形成される樹脂層の材料として、塩化ビニル樹脂を用いたが、その代わりに、オレフィン樹脂を用いても良い。また、ポリエチレン製フィルム3の代わりに、ポリ塩化ビニリデン製フィルムまたはアクリル樹脂製フィルムをコーティングするようにしても良い。
【0030】
その他、上記実施形態は、本考案を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本考案の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本考案はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0031】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、耐汚染性に優れ、表面に付着した汚れも容易に除去することが可能な、地球の環境に優しい壁張用クロスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による壁張用クロスの構成を示す図である。
【図2】本実施形態による壁張用クロスの洗浄手順を示すフローチャートである。
【図3】従来の壁張用クロスの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 基材
2 塩化ビニル樹脂層
3 ポリエチレン製フィルム
【考案の属する技術分野】
本考案は壁張用クロスに関し、特に、耐汚染性に優れたクロスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の壁に貼り付ける壁装材としては、塩化ビニル製クロス(壁紙)と呼ばれる化粧シートが広く用いられている。
【0003】
図3に、従来の塩化ビニル製クロスの構成を示す。図3に示すように、従来の塩化ビニル製クロスは、裏打ち紙と呼ばれる紙製の基材1上に塩化ビニル樹脂層2を形成し、この塩化ビニル樹脂層2の上に印刷などにより絵柄層を設け、あるいは、塩化ビニル樹脂層2を発泡させるとともにエンボス加工を施すなどして凹凸模様を設けている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
塩化ビニルは、加工がしやすく経年劣化しにくいという特徴を持つことから、壁張用クロスの材料としても多く利用されてきた。しかしながら、塩化ビニル製クロスは、表面が汚れやすく、しかもこれを除去することが困難であるといった問題があった。これは、塩化ビニル樹脂に大量の可塑剤が配合されていることや、発泡や凹凸模様を形成するために塩化ビニル製クロスの表面に微細な凹凸や空隙が生じることなどが原因である。
【0005】
通常、汚れた塩化ビニル製クロスは、新しいクロスに貼り替えられる。このとき壁面から剥がされた古い塩化ビニル製クロスは、廃棄処分となる。すなわち、塩化ビニルは燃やすとダイオキシンを発生し、また二酸化炭素も大量に発生するという欠点を有する。そのため、塩化ビニル製クロスを焼却処分することができず、産業廃棄物としてただゴミになるだけであった。
【0006】
また、壁張用クロスの規格は、通常、数年置きに変更される。そして、壁張用クロスの規格が変更されると、以前と全く同じ材料等を使って同じような加工方法で模様を施すことができなくなる。そのため、規格変更前と同じ模様を形成することは一般的に難しい。このような理由から、壁張用クロスの古いデザインは、規格が変更される都度廃止され、新たなデザインに変更されるのが一般的である。
【0007】
したがって、汚れた一部分のクロスの修繕を希望する場合であっても、それと同じデザインが既に廃版になっていることが多く、同一デザインのクロスを入手することは難しい。そのため、このような場合には、一部分しか汚れていないにもかかわらず、壁面全てのクロスを貼り替える必要があった。このような状況は、産業廃棄物(剥がした後のクロス)の量をさらに増やすことに繋がり、地球環境を改善する観点からも好ましくなかった。
【0008】
本考案は、このような問題を解決するために成されたものであり、耐汚染性に優れ、表面に付着した汚れも容易に除去することが可能な、地球の環境に優しい壁張用クロスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するために、本考案の壁張用クロスは、紙製の基材上に塩化ビニル樹脂層が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルムをコーティングして構成したことを特徴とする。
【0010】
本考案の他の態様では、壁張用クロスは、紙製の基材上にオレフィン樹脂層が形成されたオレフィン樹脂製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルムをコーティングして構成したことを特徴とする。
【0011】
上記フィルムは、ほぼ190℃から210℃の温度範囲内において加熱して、上記基材上に加圧しながらコーティングされている。
【0012】
このように構成した壁張用クロスを用いれば、表面に汚れが付きにくくなり、仮に汚れが付いても容易に落とすことが可能となる。
【0013】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態における壁張用クロスの構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の壁張用クロスは、裏打ち紙と呼ばれる紙製の基材1、塩化ビニル樹脂層2、および耐汚染性を有する透明のポリエチレン製フィルム3を有している。
【0015】
この壁張用クロスは、基材1上に塩化ビニル樹脂層2が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム3をコーティングすることによって構成する。
【0016】
本実施形態に用いられる塩化ビニル樹脂層2は、通常より50%以上多くの割合で、酸化チタン白顔料または二酸化チタン白顔料を含んでいることが好ましい。通常より多くの割合で酸化チタン白顔料または二酸化チタン白顔料を含有させることにより、日焼けに強い特性(長期間に渡って日光に当たっても色が変色し難い特性)を有する壁張用クロスを提供することが可能になる。
【0017】
一方、ポリエチレン製フィルム3は、数%程度の割合で帯電防止剤を含んでいることが好ましい。このような帯電防止剤を含有させることにより、本発明の壁貼用クロスは、絶縁効果を発揮することが可能になる。その結果、例えば冷蔵庫やテレビ等の背面側に生ずる静電気が原因で、クロスにいわゆる静電気焼けが生ずるのを防止することができる。また、本実施形態ではポリエチレン製フィルム3の厚さは特に限定しないが、例えば10μ〜100μm程度が好ましい。
【0018】
ポリエチレン製フィルム3をコーティングする際には、まず、塩化ビニル樹脂層2の表面(またはポリエチレン製フィルム3の裏面)に接着剤を塗布する。次に、この塩化ビニル樹脂層2にポリエチレン製フィルム3を重ねる。そして、ポリエチレン製フィルム3を加熱して、ロールで加圧しながら圧着する。これにより、塩化ビニル樹脂層2とポリエチレン製フィルム3とが融合し、一体に構成することができる。
【0019】
この場合、ポリエチレン製フィルム3を加熱する温度は、ほぼ190℃〜210℃の温度範囲内であることが好ましい。ほぼ190℃以上の温度でポリエチレン製フィルム3を加熱することにより、塩化ビニル樹脂層2とポリエチレン製フィルム3とを適当に融合させることができる。その結果、圧着後において、ポリエチレン製フィルム3が塩化ビニル樹脂層2から剥がれることを防ぐことが可能になる。また、ほぼ210℃以下の温度でポリエチレン製フィルム3を加熱することにより、圧着する際にポリエチレン製フィルム3が溶けてしまうことを防ぐことが可能になる。
【0020】
上述した壁張用クロスには、模様を設けることが可能である。この場合には、例えば、圧着後のポリエチレン製フィルム3の上に、印刷などにより模様として絵柄を設ける。あるいは、圧着後のポリエチレン製フィルム3の上に、凹凸が形成されたロールを用いてエンボス加工を施すことにより、凹凸模様を形成する。
【0021】
なお、エンボス加工を行う際には、凹凸模様の縁に相当する部分(尖った部分)に対して丸める処理が施されたロールを用いることが好ましい。このようなロールを用いることにより、エンボス加工の際にロールの凸部によってポリエチレン製フィルム3が破損することを防ぐことが可能である。
【0022】
次に、図2に基づいて、本実施形態の壁張用クロスの洗浄手順について説明する。図2は、本実施形態の壁張用クロスの洗浄手順を示すフローチャートである。
【0023】
汚れた壁張用クロスを洗浄する際には、まず、洗浄用ブラシを漂白剤に浸す。そして、この洗浄用ブラシを用いて、壁張用クロスの表面に、漂白剤をムラなく塗る(ステップS11)。この際、汚れの激しい箇所がある場合には、その箇所を歯ブラシ等を用いてこすることが好ましい。
【0024】
壁張用クロスの表面に塗布された漂白剤から泡が発生し、この泡の色が変化してきたら、水布を用いて漂白剤を拭き取る(ステップS12)。この段階で拭き取れなかったヤニ等が残っている場合には、上述したステップS11およびS12を繰り返す。なお、汚れが激しい場合には、漂白剤を塗布した後、しばらく(例えば15分程度)放置しておくことが好ましい。
【0025】
次に、アルカリ系洗浄剤を塗布して、ステップS12において拭き取ることができなかった油汚れを拭き取る(ステップS13)。なお、このアルカリ系洗浄剤は、前に塗布した漂白剤が乾燥した後に塗布することに留意すべきである。漂白剤とアルカリ系洗浄剤が混ざると、有毒ガスが発生するだけでなく、アルカリ系洗浄剤の洗浄効果が得られにくくなるからである。
【0026】
そして、最後に、乾いた布にシンナーを付けて、マジックやボールペン等のインク汚れを拭き取る(ステップS14)。なお、エンボス模様の凹部に付着したインク汚れに関しては、歯ブラシ等にシンナーを付けて、こすり落とすことが好ましい。
【0027】
以上のように、本実施形態の壁張用クロスは、塩化ビニル製壁紙の表面に耐汚染性に優れた透明のフィルムをコーティングすることによって構成したので、長期間使用しても汚れにくく、かつ、仮に表面に汚れが付着した場合でも容易に除去することができるようになる。したがって、クロスの貼り替えを長期間不要とし、メンテナンスにかかる作業およびコストを削減することができるとともに、資源の無駄遣いを抑制することができる。
【0028】
また、クロスの表面に付着した汚れを洗浄しながら長期間に渡って使用することができるので、一部分の僅かな汚れが原因で壁面全てのクロスを貼り替えなければならないという事態を回避することができる。その結果、数年置きのクロスのデザイン変更との関係で増えていた産業廃棄物(剥がした後のクロス)の量を減らすことができる。
【0029】
なお、上記実施形態では、基材1上に形成される樹脂層の材料として、塩化ビニル樹脂を用いたが、その代わりに、オレフィン樹脂を用いても良い。また、ポリエチレン製フィルム3の代わりに、ポリ塩化ビニリデン製フィルムまたはアクリル樹脂製フィルムをコーティングするようにしても良い。
【0030】
その他、上記実施形態は、本考案を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本考案の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本考案はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0031】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、耐汚染性に優れ、表面に付着した汚れも容易に除去することが可能な、地球の環境に優しい壁張用クロスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による壁張用クロスの構成を示す図である。
【図2】本実施形態による壁張用クロスの洗浄手順を示すフローチャートである。
【図3】従来の壁張用クロスの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 基材
2 塩化ビニル樹脂層
3 ポリエチレン製フィルム
Claims (3)
- 紙製の基材上に塩化ビニル樹脂層が形成された塩化ビニル製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルムをコーティングして構成したことを特徴とする壁張用クロス。
- 紙製の基材上にオレフィン樹脂層が形成されたオレフィン樹脂製壁紙の表面に、ポリエチレン製フィルム、ポリ塩化ビニリデン製フィルムおよびアクリル樹脂製フィルムのうちのいずれかのフィルムをコーティングして構成したことを特徴とする壁張用クロス。
- 上記フィルムをほぼ190℃から210℃の温度範囲内において加熱して、上記基材上に加圧しながらコーティングして構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の壁張用クロス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003001901U JP3096987U (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 壁張用クロス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003001901U JP3096987U (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 壁張用クロス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3096987U true JP3096987U (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=43250830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003001901U Expired - Lifetime JP3096987U (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 壁張用クロス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3096987U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021052102A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 積水化学工業株式会社 | λ/4型電波吸収体 |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003001901U patent/JP3096987U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021052102A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 積水化学工業株式会社 | λ/4型電波吸収体 |
JP7479811B2 (ja) | 2019-09-25 | 2024-05-09 | 積水化学工業株式会社 | λ/4型電波吸収体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R250 | Receipt of annual fees |
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