JP7479811B2 - λ/4型電波吸収体 - Google Patents

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Description

本発明は、λ/4型電波吸収体等に関する。
近年、携帯電話やスマートフォン等の携帯通信機器の普及が急速に進んでおり、また自動車等において多くの電子機器が搭載されるようになり、これらから発生する電波・ノイズを原因とする電波障害、他の電子機器の誤動作等の問題が多発している。このような電波障害、誤動作等を防止する方策として、各種の電波吸収体が検討されている。例えば、特許文献1には、60~90GHzの周波数帯域において、電磁波吸収量が20dB以上である周波数帯域の帯域幅が2GHz以上である電磁波吸収体が開示されている。
特開2018-098367号公報
通信技術や自動運転技術において高周波数領域の電波に関して広周波数範囲において高く吸収するλ/4型電波吸収体の需要が高まっている。これらの電波吸収体は車のバンパーなどの紫外線にさらされる可能性のある部位へ貼付して用いられることがある。このような場合、光や紫外線への耐光性、及び防汚性に優れている必要がある。
そこで、本発明は、耐光性及び防汚性に優れたλ/4型電波吸収体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層をこの順に含むλ/4型電波吸収体であって、支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上であり、且つ前記支持体の全光線透過率が30%以下である、λ/4型電波吸収体、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. 支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層をこの順に含むλ/4型電波吸収体であって、支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上であり、且つ前記支持体の全光線透過率が30%以下である、λ/4型電波吸収体。
項2. 前記支持体が光反射剤を含有する、項1に記載のλ/4型電波吸収体。
項3. 前記光反射剤が二酸化チタンである、項2に記載のλ/4型電波吸収体。
項4. 前記抵抗膜がモリブデンを含有する、項1~3のいずれかに記載のλ/4型電波吸収体。
項5. 前記抵抗膜が酸化インジウムを含有する、項1~3のいずれかに記載のλ/4型電波吸収体。
項6. 成形品と、前記成形品に取り付けられた項1~5のいずれかに記載のλ/4型電波吸収体とを備える、電波吸収体付成形品。
項7. ミリ波レーダーである、項6に記載の電波吸収体付成形品。
項8. 支持体、抵抗膜、及び誘電体層をこの順に含むλ/4型電波吸収体用部材であって、支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上であり、且つ前記支持体の全光線透過率が30%以下である、λ/4型電波吸収体用部材。
本発明によれば、耐光性及び防汚性に優れたλ/4型電波吸収体を提供することができる。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.λ/4型電波吸収体
本発明は、その一態様において、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層をこの順に含むλ/4型電波吸収体であって、支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上であり、且つ前記支持体の全光線透過率が30%以下である、λ/4型電波吸収体(本明細書において、「本発明のλ/4型電波吸収体」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
<1-1.支持体>
支持体により、抵抗膜を保護することができ、電波吸収体としての耐久性を高めることが可能である。支持体は、シート状のものである限り、特に制限されない。支持体としては、特に制限されないが、例えば樹脂基材が挙げられる。
本発明においては、λ/4型電波吸収体の支持体側最表面(通常、支持体の抵抗膜側とは反対側の表面)の表面張力が35dyn/cm以上である。表面張力がこのような値を採ることによって、下記の全光線透過率と相まって、優れた耐光性及び防汚性を発揮することができる。該表面張力の上限は、特に制限されないが、製造時に支持体同士のブロッキングを抑える観点から、好ましくは60dyn/cm以下、より好ましくは57dyn/cm以下、さらに好ましくは55dyn/cm以下である。
表面張力は、JIS K 6768「プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法」に準じ、ぬれ張力試験用液(和光純薬製、ぬれ張力試験用混合液)を用いて測定することができる。
支持体の全光線透過率は30%以下である。支持体の全光線透過率がこのような値を採ることによって、上記の表面張力と相まって、優れた耐光性及び防汚性を発揮することができる。該全光線透過率の下限は、特に制限されず、例えば0.01%以上、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。
全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電飾社製「NDH-4000」、又はその同等品)を用いて、JIS K7105に基づいて、測定することができる。
樹脂基材は、樹脂を素材として含む基材であって、シート状のものである限り、特に制限されない。樹脂基材は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、樹脂以外の成分が含まれていてもよい。例えば、比誘電率を調整する観点から酸化チタン等が含まれていてもよい。樹脂基材中の樹脂の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
樹脂としては、特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで使用することができる。
これらの中でも、生産性や強度の観点から、好ましくはポリエステル系樹脂、より好ましくはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
支持体の比誘電率は、特に制限されない。支持体の比誘電率は、例えば1~20、好ましくは1~15、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~5である。
支持体は、上記した表面張力及び全光線透過率の範囲を充足させるために、光反射剤を含有することが好ましい。光反射剤は、支持体材料(上記樹脂等)と混合された状態であってもよいし、支持体表面を構成するコーティング層に含まれていてもよい。好ましくは、光反射剤は、支持体材料(上記樹脂等)と混合された状態である。
光反射剤としては、紫外線や可視光等(特に紫外線)を反射、散乱等可能なものであって、且つ支持体に含まれていても本発明のλ/4型電波吸収体の電波吸収特性を著しく低下させない限り特に制限されず、例えば、無機粉体を使用することができる。
無機粉体の平均粒子径は、上記した表面張力及び全光線透過率の範囲を充足させる観点から、好ましくは50~400nm、より好ましくは60~390nm、さらに好ましくは70~380nmである。
無機粉体としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。これらの中でも、屈折率が大きく光の散乱が大きい為、全光線透過率を調整しやすいという観点から、二酸化チタンが好ましい。
光反射剤として適用される酸化亜鉛の平均粒子径は、上記した表面張力及び全光線透過率の範囲を充足させる観点から、好ましくは50~400nm、より好ましくは60~390nm、さらに好ましくは70~380nmである。
酸化亜鉛として好ましくは、より分散性に優れたものであり、例えば、必要に応じて公知の方法で表面処理した酸化亜鉛を用いることができる。
酸化亜鉛の表面処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;その他、レシチン処理;金属石鹸処理;脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。なかでも、シリコーン表面処理を施した酸化亜鉛が好ましい。
酸化亜鉛の表面処理に用いられるシリコーンは、特に制限されないが、例えばメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ジメチルシロキサン/メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン/メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン/メチルステアロキシシロキサン共重合体等の各種シリコーン油を挙げることができる。酸化亜鉛の表面処理に用いられるシリコーンは、好ましくはメチルハイドロジェンポリシロキサンである。
酸化亜鉛のシリコーン処理方法は、特に制限されず、従来公知の方法を適宜選択して行うことができる。
光反射剤として適用される酸化亜鉛の市販品の例としては、MZ-300(表面処理剤なし、粒径30~40nm、テイカ(株))、MZ-303S(メチコン処理、粒径30~40nm、テイカ(株))、MZ-303M(ジメチコン処理、粒径30~40nm、テイカ(株))、MZ-500(表面処理剤なし、粒径20~30nm、テイカ(株))、MZ-505S(メチコン処理、粒径20~30nm、テイカ(株)製)、MZ-505M(ジメチコン処理、粒径20~30nm、テイカ(株))、MZ-700(表面処理剤なし、粒径10~20nm、テイカ(株))、MZ-707S(メチコン処理、粒径10~20nm、テイカ(株))、FINEX-25(表面処理剤なし、粒径60nm、堺化学(株)製)、FINEX-25LP(ジメチコン処理、粒径60nm、堺化学(株))、FINEX-50(表面処理剤なし、粒径20nm、堺化学(株))、FINEX-50LP(ジメチコン処理、粒径20nm、堺化学(株))、FINEX-75(表面処理剤なし、粒径10nm、堺化学(株)製)などが挙げられる。
光反射剤として適用される二酸化チタンの平均粒子径は、上記した表面張力及び全光線透過率の範囲を充足させる観点から、好ましくは50~400nm、より好ましくは60~390nm、さらに好ましくは70~380nmである。
光反射剤として適用される二酸化チタンとしては、紫外線散乱効果を高めるために、表面処理が施されたものが好ましい。二酸化チタンの表面処理法としては、特段の限定を受けずに用いることができる。表面処理法としては、例えば、二酸化チタン表面に油脂を吸着させる方法;水酸基等の官能基を利用しエステル化又はエーテル化を起こさせた二酸化チタンを脂肪酸で処理する脂肪酸処理法;脂肪酸処理法において、脂肪酸に代えてステアリン酸アルミニウム又はステアリン酸亜鉛のような脂肪酸のアルミニウム塩又は亜鉛塩を用いる金属石鹸処理法;脂肪酸処理法において、脂肪酸に代えてメチルポリシロキサンまたはメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いるシリコーン処理法;脂肪酸処理法において、さらに脂肪酸に代えてパーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物で処理する方法等が挙げられる。
光反射剤として適用される二酸化チタンの具体例として、タイペークCR-50(酸化アルミニウム処理、粒径25nm、石原産業(株)製)、バイエルチタンR-KB-1(酸化亜鉛処理、酸化アルミニウム処理、二酸化ケイ素処理、粒径30nm~40nm、バイエル社製)、タイペークTTO-M-1(酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム処理、粒径10nm~25nm、石原産業(株)製)、タイペークTTO-D-1(酸化ジルコニウム処理、酸化アルミニウム処理、粒径20nm~30nm、石原産業(株)製)、ソラベールCT-100、ソラベールCT-200、ソラベールCT-300、ソラベールCT-434クローダージャパン(株)製)、STR-100シリーズ、STR-40(堺化学(株)製)が挙げられる。但し、これら例示に限定されるものでない。
上述の表面張力及び全光線透過率の範囲を充足させる方法としては、上記した光反射剤を配合する以外にも、例えば光吸収剤を含有する塗料により支持体表面を塗工する等の方法が挙げられる。
支持体の厚みは、特に制限されない。支持体の厚みは、例えば5μm以上500μm以下、好ましくは10μm以上300μm以下、より好ましくは20μm以上300μm以下である。
支持体の層構成は特に制限されない。支持体は、1種単独の支持体から構成されるものであってもよいし、2種以上の支持体が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-2.抵抗膜>
抵抗膜は、電波吸収体において抵抗層として機能し得る層を含む限り特に制限されない。
抵抗膜の抵抗値は、特に制限されない。抵抗膜の抵抗値(シート抵抗)は、例えば100~800Ω/□である。該範囲の中でも、より好ましくは150~750Ω/□、さらに好ましくは200~600Ω/□である。
抵抗膜の抵抗値は、表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANA
LYTECH社製、商品名「Loresta-EP」)を用いて、4端子法により測定することができる。
抵抗膜の厚みは、本発明の特性を満たし得る抵抗値となるものである限り特に制限されない。抵抗膜の厚みは、例えば1nm以上200nm以下、好ましくは2nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下である。
抵抗膜の層構成は特に制限されない。抵抗膜は、1種単独の層から構成されるものであってもよいし、2種以上の層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-2-1.抵抗層>
抵抗層の抵抗値は、本発明の特性を満たし得るものである限り特に制限されない。抵抗層の抵抗値は、例えば100~800Ω/□である。該範囲の中でも、より好ましくは150~750Ω/□、さらに好ましくは200~600Ω/□である。
抵抗層の厚みは、本発明の特性を満たし得る抵抗値となるものである限り特に制限されない。抵抗層の厚みは、例えば1nm以上200nm以下、好ましくは2nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下である。
抵抗層の層構成は特に制限されない。抵抗層は、1種単独の抵抗層から構成されるものであってもよいし、2種以上の抵抗層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-2-1-1.酸化インジウム含有抵抗層>
抵抗層としては、例えば酸化インジウム等の抵抗層材料を含有する抵抗層が挙げられる。好ましい一態様において、抵抗層材料としては、酸化インジウムに他の材料(ドーパント)がドープされてなる材料を含有することが好ましい。他の材料としては、特に制限されないが、例えば酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
酸化インジウムに酸化スズがドープされてなる材料の中でも、好ましくは、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(酸化インジウムスズ)(tin-doped indium oxide;ITO)が挙げられる。非晶質構造が極めて安定であり、高温多湿の環境下においても抵抗層のシート抵抗の変動を抑えることができる点から、ITO中のSnO含有量は、好ましくは1~40重量%、より好ましくは2~35重量%である。
抵抗層中の上記抵抗層材料の含有量は、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、通常100質量%未満である。
<1-3-1-2.モリブデン含有抵抗層>
抵抗層としては、耐久性、シート抵抗の調整が容易である観点から、モリブデンを含有する抵抗層が好ましく用いられる。モリブデンの含有量の下限は特に限定されないが、より耐久性を高める観点から、5重量%が好ましく、7重量%がより好ましく、9重量%が更に好ましく、11重量%がより更に好ましく、13重量%が特に好ましく、15重量%が非常に好ましく、16重量%が最も好ましい。また、上記モリブデンの含有量の上限は、表面抵抗値の調整の容易化の観点から、30重量%が好ましく、25重量%がより好ましく、20重量%が更に好ましい。
上記抵抗層は、モリブデンを含有している場合、さらにニッケル及びクロムを含有することがより好ましい。抵抗層にモリブデンに加えてニッケル及びクロムを含有することでより耐久性に優れた電波吸収体とすることができる。ニッケル、クロム及びモリブデンを含有する合金としては、例えば、ハステロイB-2、B-3、C-4、C-2000、C-22、C-276、G-30、N、W、X等の各種グレードが挙げられる。
上記抵抗層がモリブデン、ニッケル及びクロムを含有する場合、モリブデンの含有量が5重量%以上、ニッケルの含有量が40重量%以上、クロムの含有量が1重量%以上であることが好ましい。モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量が上記範囲であることで、より耐久性に優れた電波吸収体とすることができる。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が7重量%以上、ニッケル含有量が45重量%以上、クロム含有量が3重量%以上であることがより好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が9重量%以上、ニッケル含有量が47重量%以上、クロム含有量が5重量%以上であることが更に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が11重量%以上、ニッケル含有量が50重量%以上、クロム含有量が10重量%以上であることがより更に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が13重量%以上、ニッケル含有量が53重量%以上、クロム含有量が12重量%以上であることが特に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が15重量%以上、ニッケル含有量が55重量%以上、クロム含有量が15重量%以上であることが非常に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が16重量%以上、ニッケル含有量が57重量%以上、クロム含有量が16重量%以上であることが最も好ましい。また、上記ニッケルの含有量は、80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることが更に好ましい。上記クロム含有量の上限は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることが更に好ましい。
上記抵抗層は、上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属を含有してもよい。そのような金属としては、例えば、鉄、コバルト、タングステン、マンガン、チタン等が挙げられる。上記抵抗層がモリブデン、ニッケル及びクロムを含有する場合、上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属の合計含有量の上限は、抵抗層の耐久性の観点から、好ましくは45重量%、より好ましくは40重量%、更に好ましくは35重量%、より更に好ましくは30重量%、特に好ましくは25重量%、非常に好ましくは23重量%である。上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属の合計含有量の下限は、例えば1重量%以上である。
上記抵抗層が鉄を含有する場合、抵抗層の耐久性の観点から、含有量の好ましい上限は25重量%、より好ましい上限は20重量%、更に好ましい上限は15重量%であり、好ましい下限は1重量%である。上記抵抗層がコバルト及び/又はマンガンを含有する場合、抵抗層の耐久性の観点から、それぞれ独立して、含有量の好ましい上限は5重量%、より好ましい上限は4重量%、更に好ましい上限は3重量%であり、好ましい下限は0.1重量%である。上記抵抗層がタングステンを含有する場合、抵抗層の耐久性の観点から、含有量の好ましい上限は8重量%、より好ましい上限は6重量%、更に好ましい上限は4重量%であり、好ましい下限は1重量%である。
上記抵抗層は、ケイ素及び/又は炭素を含有してもよい。抵抗層がケイ素及び/又は炭素を含有する場合、上記ケイ素及び/又は炭素の含有量は、それぞれ独立して、1重量%以下であることが好ましく0.5重量%以下であることがより好ましい。また、抵抗層がケイ素及び/又は炭素を含有する場合、上記ケイ素及び/又は炭素の含有量は、0.01重量%以上であることが好ましい。
<1-2-2.バリア層>
耐久性の観点から、抵抗膜はバリア層を含むことが好ましい。バリア層は、抵抗層の少なくとも一方の表面上に配置される。バリア層について以下に詳述する。
バリア層は、抵抗層を保護し、その劣化を抑えることができる層である限り、特に制限されない。バリア層の素材としては、例えば金属化合物、半金属化合物、好ましくは金属又は半金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物等が挙げられる。バリア層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、上記素材以外の成分が含まれていてもよい。その場合、バリア層中の上記素材量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
バリア層が含む金属元素としては、例えばチタン、アルミニウム、ニオブ、コバルト、ニッケル等が挙げられる。バリア層が含む半金属元素としては、例えばケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス等が挙げられる。
上記酸化物としては、例えばMO[式中、Xは式:n/100≦X≦n/2(nは金属又は半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化物としては、例えばMN[式中、Yは式:n/100≦Y≦n/3(nは金属又は半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化酸化物としては、例えばMO[式中、XとYは、n/100≦X、n/100≦Y、かつ、X+Y<n/2(nは金属又は半金属の価数である)であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記酸化物又は窒化酸化物の酸化数Xに関しては、例えばMO又はMOを含む層の断面を、FE-TEM-EDX(例えば、日本電子社製「JEM-ARM200F」)により元素分析し、MO又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとOとの元素比率からXを算出することにより、酸素原子の価数を算出することができる。
上記窒化物又は窒化酸化物の窒素化数Yに関しては、例えばMN又はMOを含む層の断面を、FE-TEM-EDX(例えば、日本電子社製「JEM-ARM200F」)により元素分析し、MN又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとNとの元素比率からYを算出することにより、窒素原子の価数を算出することができる。
バリア層の素材の具体例としては、SiO、SiO、Al、MgAl、CuO、CuN、TiO、TiN、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げられる。
バリア層の厚みは、特に制限されない。バリア層の厚みは、例えば1nm以上200nm以下、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは1nm以上20nm以下である。
バリア層の層構成は特に制限されない。バリア層は、1種単独のバリア層から構成されるものであってもよいし、2種以上のバリア層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-3.誘電体層>
誘電体層は、電波吸収体において目的の波長に対して誘電体として機能し得るものである限り、特に制限されない。誘電体層としては、特に制限されないが、例えば粘着剤層、樹脂シート、発泡体層等が挙げられる。
粘着剤層としては、粘着剤を含むものである限り、特に制限されない。粘着剤層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、粘着剤以外の成分が含まれていてもよい。その場合、樹脂シート中の樹脂の合計量は、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、通常100質量%未満である。
粘着剤としては、特に制限されず、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、耐候性が高いという観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
樹脂シートは、樹脂を素材として含むシート状のものである限り、特に制限されない。樹脂シートは、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、樹脂以外の成分が含まれていてもよい。その場合、樹脂シート中の樹脂の合計量は、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、通常100質量%未満である。
樹脂としては、特に制限されず、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル、ウレタン、アクリル、アクリルウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ等の合成樹脂や、ポリイソプレンゴム、ポリスチレン・ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン・プロピレンゴムおよびシリコーンゴム等の合成ゴム材料を樹脂成分として用いることが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで使用することができる。
誘電体層は、粘着性を備えるものであってもよい。このため、粘着性を有しない誘電体を粘着剤層により他の層に積層させる場合、該誘電体と粘着剤層とを合わせたものが「誘電体層」となる。隣接する層と積層し易いという観点から、誘電体層は、好ましくは粘着剤層を含む。
誘電体層の比誘電率は、特に制限されない。誘電体層の比誘電率は、例えば1~20、好ましくは1~15、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~5である。
誘電体層の比誘電率は、ネットワークアナライザー、空洞共振器などを用いて10GHzにおける比誘電率を空洞共振器摂動法により測定することができるによって測定することができる。
誘電体層の厚みは、特に制限されない。誘電体層の厚みは、例えば100~1000μm、好ましくは200~800μm、より好ましくは300~700μm、さらに好ましくは350~650μmである。
誘電体層の厚みは、Nikon DIGIMICRO STANDMS-11C+Nikon DIGIMICRO MFC-101によって測定することができる。
誘電体層の層構成は特に制限されない。誘電体層は、1種単独の誘電体層から構成されるものであってもよいし、2種以上の誘電体層が複数組み合わされたものであってもよい。例えば、粘着性を有しない誘電体とその両面に配置された粘着剤層とからなる3層構造の誘電体層、粘着性を有する誘電体からなる1層構造の誘電体層等が挙げられる。
<1-4.反射層>
反射層は、電波吸収体において電波の反射層として機能し得るものである限り、特に制限されない。反射層としては、特に制限されないが、例えば金属膜が挙げられる。
金属膜は、金属を素材として含む層である限り、特に制限されない。金属膜は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、金属以外の成分が含まれていてもよい。その場合、金属膜中の金属の合計量は、例えば30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、非常に好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
金属としては、特に制限されず、例えばアルミニウム、銅、鉄、銀、金、クロム、ニッケル、モリブデン、ガリウム、亜鉛、スズ、ニオブ、インジウム等が挙げられる。また、金属化合物、例えばITO等も、金属膜の素材として使用することができる。これらは1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
反射層の厚みは、特に制限されない。反射層の厚みは、例えば1μm以上500μm以下、好ましくは2μm以上200μm以下、より好ましくは5μm以上100μm以下である。
反射層の層構成は特に制限されない。反射層は、1種単独の反射層から構成されるものであってもよいし、2種以上の反射層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-5.層構成>
本発明のλ/4型電波吸収体において、各層は、電波吸収性能を発揮することができる順に配置される。支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層は、この順に配置される。
本発明のλ/4型電波吸収体においては、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層以外に、他の層を含むものであってもよい。他の層は、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層それぞれの層の、どちらか一方の表面上に配置され得る。
他の層としては、例えば、反射層の誘電体層側とは反対側の面上に配置される粘着剤層が挙げられる。この粘着剤層により、本発明のλ/4型電波吸収体を、他の部材(例えば、自動車内のデバイス等)により容易に取り付けることが可能になる。この観点から、本発明のλ/4型電波吸収体は、反射層の誘電体層側とは反対側の面上に粘着剤層が配置されていることが好ましい。
粘着剤としては、特に制限されず、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤等が挙げられる。
<1-6.製造方法>
本発明のλ/4型電波吸収体は、その構成に応じて、様々な方法、例えば公知の製造方法に従って又は準じて得ることができる。例えば、支持体上に抵抗膜、誘電体層、及び反射層を順に積層させる工程を含む方法により、得ることができる。
積層方法は特に制限されない。
抵抗膜は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、パルスレーザーデポジション法等により行うことができる。これらの中でも、膜厚制御性の観点から、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、特に限定されないが、例えば、直流マグネトロンスパッタ、高周波マグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッタ等が挙げられる。また、スパッタ装置は、バッチ方式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。
誘電体層や反射層は、例えば誘電体層が有する粘着性を利用して、積層することができる。
2.λ/4型電波吸収体部材
本発明は、その一態様において、支持体、抵抗膜、及び誘電体層をこの順に含むλ/4型電波吸収体であって、支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上であり、且つ前記支持体の全光線透過率が30%以下である、λ/4型電波吸収体用部材、に関する。λ/4型電波吸収体用部材は、反射層として機能し得る被着体に接するように配置することによりλ/4型電波吸収体を形成するための部材である。支持体、抵抗膜、誘電体層、その他の構成については、本発明のλ/4型電波吸収体に関する説明と同様である。
3.用途
本発明のλ/4型電波吸収体は、不要な電磁波を吸収する性能を有するため、例えば光トランシーバや、次世代移動通信システム(5G)、近距離無線転送技術等における電波対策部材として好適に利用できる。また、その他の用途として自動車、道路、人の相互間で情報通信を行う高度道路交通システム(ITS)や自動車衝突防止システムに用いるミリ波レーダーにおいても、電波干渉抑制やノイズ低減の目的で用いることができる。
本発明は、その一態様において、成形品と、前記成形品に取り付けられた本発明のλ/4型電波吸収体とを備える、電波吸収体付成形品、に関する。成形品としては、例えば上記各種用途において使用される部材等が挙げられる。本発明のλ/4型電波吸収体を成形品に取り付ける方法としては、特に制限されず、例えば粘着剤を介して取り付ける方法や、固定具により取り付ける方法が挙げられる。電波吸収体付成形品の好ましい一例としては、ミリ波レーダーが挙げられる。
本発明のλ/4型電波吸収体が対象とする電波の周波数は、好ましくは10~150GHz、より好ましくは20~120GHz、さらに好ましくは30~100GHz、さらにより好ましくは55~90GHz、特に好ましくは70~90GHzである。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)支持体の全光線透過率の測定方法
以下の参考例において、支持体の全光線透過率を、ヘーズメーター(日本電飾社製「NDH-4000」)を用いて、JIS K7105に基づいて、測定した。
(2)支持体表面の表面張力の測定方法
以下の参考例において、支持体表面の表面張力を、次のようにして測定した。支持体の抵抗膜と面する側とは反対の表面における表面張力を、JIS K 6768「プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法」に準じ、ぬれ張力試験用液(和光純薬製、ぬれ張力試験用混合液)を用いて測定した。
(3)支持体の準備
(参考例1)
以下のようにして、光反射剤として酸化チタン(平均粒径200nm、商品名:ST-41、石原産業社製)を10重量%含有する、厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:11%、表面張力:43dyn/cm)を得た。
ポリエチレンテレフタレートに上記酸化チタン10重量%を添加し、280℃で溶融押出し、冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを縦方向に100℃3倍、および横方向に120℃3.3倍に延伸し熱処理して125μmの厚みのフィルムを得た。
(参考例2)
以下のようにして、光反射剤として酸化チタン(平均粒径200nm、商品名:ST-41、石原産業社製)を25重量%含有する、厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:28%、表面張力:42dyn/cm)を得た。
ポリエチレンテレフタレートに上記酸化チタン25重量%を添加し、280℃で溶融押出し、冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを縦方向に100℃3倍、および横方向に120℃3.3倍に延伸し熱処理して125μmの厚みのフィルムを得た。
(参考例3)
以下のようにして、光反射剤として酸化亜鉛(平均粒径300nm、商品名:XZ-300F-LP、堺化学社製)を11重量%含有する、厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:8%、表面張力:38dyn/cm)を得た。
ポリエチレンテレフタレートに上記酸化チタン11重量%を添加し、280℃で溶融押出し、冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを縦方向に100℃3倍、および横方向に120℃3.3倍に延伸し熱処理して125μmの厚みのフィルムを得た。
(参考例4)
光反射剤を含まない、厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:95%、表面張力:30dyn/cm)を用意した。
(参考例5)
以下のようにして、光反射剤として酸化チタン(平均粒径200nm、商品名:ST-41、石原産業社製)が表面にコーティングされた(酸化チタン含有量は1.1重量%)、厚み約125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:80%、表面張力:45dyn/cm)を得た。
厚み約125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに上記酸化チタンの水分散液を塗布し、厚み300nmになるようにした。
(4)λ/4型電波吸収体の製造
(実施例1)
参考例1のPETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、シート抵抗値370Ω/□の抵抗膜を形成した。スパッタリングは酸化インジウムスズ(ITO)をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。次いで、形成した抵抗膜上に粘着テープ(アクリル両面粘着テープ、厚み30μm、比誘電率2.6)を介して厚み400μm且つ比誘電率2.7のポリカーボネートからなる誘電体を積層し、誘電体層上に厚み12μmの銅からなる反射層を積層して、λ/4型電波吸収体を得た。
(実施例2)
参考例2のPETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、シート抵抗値380Ω/□の抵抗膜を形成した。スパッタリングはハステロイC-276をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。これ以降は、実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収体を得た。
(実施例3)
参考例3のPETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、シート抵抗値375Ω/□の抵抗膜を形成した。スパッタリングは酸化インジウムスズ(ITO)をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。これ以降は、実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収体を得た。
(比較例1)
参考例4のPETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、シート抵抗値385Ω/□の抵抗膜を形成した。スパッタリングはハステロイC-276をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。これ以降は、実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収体を得た。
(比較例2)
参考例5のPETフィルムの酸化チタンコーティング面とは反対側の表面上に、DCパルススパッタリングにより、シート抵抗値379Ω/□の抵抗膜を形成した。スパッタリングは酸化インジウムスズ(ITO)をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。これ以降は、実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収体を得た。
(5)評価
(5-1)防汚性の評価
λ/4型電波吸収体の支持体の抵抗膜に面する側とは反対の表面にサラダ油をスポイトで1滴滴下した後、リグロインを含ませたワイパー(商品名:クリーンワイパー SF30C クラレ社製)で20往復ラビングした後、光学顕微鏡写真にて、サラダ油の付着の有無を確認した。前記表面にサラダ油の付着が顕著に認められる場合を×とし、まったく認められない場合を○とした。
(5-2)耐光性の評価
λ/4型電波吸収体をサンシャインウエザーメーター(S-80、スガ試験機(株)製)を用いて、サンシャインカーボンアーク灯、相対湿度60%の条件下、1000時間の露光を行った。その後、誘電体層と支持体間、または誘電体層と反射層間に剥がれがある場合を×とした。
(5-3)総合判定
防汚性、耐光性の評価結果が両方とも○であるものを○、それ以外は×と判定した。
(6)結果
結果を表1示す。
Figure 0007479811000001

Claims (8)

  1. 支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層をこの順に含むλ/4型電波吸収体であって、
    支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上、43dyn/cm以下であり、
    前記支持体の全光線透過率が30%以下であり、
    前記支持体が樹脂基材であり、
    前記支持体が光反射剤を含有し、
    前記樹脂基材中の樹脂の合計量が80質量%以上であり、且つ
    前記支持体の比誘電率が1~20である、
    λ/4型電波吸収体。
  2. 前記光反射剤が二酸化チタンである、請求項に記載のλ/4型電波吸収体。
  3. 前記抵抗膜がモリブデンを含有する、請求項1又は2に記載のλ/4型電波吸収体。
  4. 前記抵抗膜が酸化インジウムを含有する、請求項1又は2に記載のλ/4型電波吸収体。
  5. 前記支持体中の酸化チタンの含有量が10質量%以上である、請求項に記載のλ/4型電波吸収体。
  6. 成形品と、前記成形品に取り付けられた請求項1~のいずれかに記載のλ/4型電波吸収体とを備える、電波吸収体付成形品。
  7. ミリ波レーダーである、請求項に記載の電波吸収体付成形品。
  8. 支持体、抵抗膜、及び誘電体層をこの順に含むλ/4型電波吸収体用部材であって、
    支持体側最表面の表面張力が35dyn/cm以上、43dyn/cm以下であり、
    前記支持体の全光線透過率が30%以下であり、
    前記支持体が樹脂基材であり、
    前記支持体が光反射剤を含有し、
    前記樹脂基材中の樹脂の合計量が80質量%以上であり、且つ
    前記支持体の比誘電率が1~20である、
    λ/4型電波吸収体用部材。
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