JP3096714B2 - スリーバー疵の少ないAl含有ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
スリーバー疵の少ないAl含有ステンレス鋼の製造方法Info
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Description
ないAl含有ステンレス鋼の製造方法に関し、特に製造
工程において用いるスラグ組成を調整することにより、
圧延時にスリーバー疵のない、或いは少ないAl含有ス
テンレス鋼を製造する方法に関する。
効率化の関係で連続鋳造法を採用することが一般的であ
るが、その連続鋳造時にタンディシュ又はモールド内で
凝集、粗大化しやすいスピネル(Al2 O3 ・MgO)
系介在物がスラブ表面の研磨ではすべてが除去されるこ
とがないため、圧延時にふくれ欠陥やスリーバー疵が発
生する。そこで、スピネル組成の介在物を回避するため
の手段が種々提案されている。例えば、特開昭56−1
56711号公報では、Al/Ca合金を添加すること
により、アルミナ(Al2 O3 )系介在物を低融点のC
aO−Al2 O3 系介在物の球状介在物に変化させ、凝
集肥大化を容易にし、浮上を促進している。しかし、こ
の方法でも凝集肥大化した介在物がスラブ表層にトラッ
プされて、それによりスリーバ疵になる問題がある。
は、真空酸素脱炭法処理中にAlを添加した後、次いで
溶鋼中を上方より浸漬させたランスからアルゴンガスに
より減圧下で攪拌させることによって、アルミナ系介在
物をCaO−Al2 O3 系介在物の形の低融点介在物に
変化させて、介在物の無害化を図る方法が提案されてい
る。ところが、この方法は真空酸素脱炭法における精錬
時間の延長、温度低下による昇温コストのアップなどの
問題がある。また、特開平1−92311号公報では、
取鍋の内張りにSiO2 の少ない耐火物を使い、耐火物
中の酸素源を無くし、アルミナ系介在物の生成を減らす
ようにしている。しかし、耐火物中のSiO2 分を減ら
すことにより耐熱耐衝撃性の低下やコストの増加の問題
がある。
ンレス鋼の製造において、前記したスピネル系介在物
は、凝集し易く、連続鋳造機のモールド内で粗大化した
り、ノズルに付着した後に剥離した物がスラグの内部に
付着し、それがスラブに付着し、圧延時にふくれ欠陥、
スリーバー疵を発生させる。本発明は、前記したスリー
バー疵の発生の原因を解明し、それとともにそれを解消
させる手段を開発したものである。本発明は、前記した
欠点を有する従来の方法によらず、スリーバー疵の原因
になり易いスピネル系介在物を、そのような原因となら
ないような介在物に変えることによりスリーバー疵のな
い、もしくは少ないAl含有ステンレス鋼を製造しよう
とすることを目的とするものである。
ー疵の原因になり易いスピネル系介在物を、そのような
原因とならないような介在物に変えることの手段を種々
研究した結果、到達したものである。本発明は、前記の
スピネル系介在物について、それから導かれる介在物で
あって、凝集しないようなものを多数の実験により検討
したところ、マグネシア系介在物とすると、そのような
性質を有することを見いだすことによりなされたもので
ある。
記の目的を達成した。 (1)Al含有ステンレス鋼を真空酸素脱炭法の仕上げ
期において、CaO:40〜50wt%、SiO2 :1
0wt%以下、Al2 O3 :20〜30wt%、Mg
O:5〜10wt%、CaO/SiO2 (C/S):
4.0以上の組成をもつスラグを用いて精錬を行い、C
r:12wt%以上、Al:0.005〜4.0wt%
の組成を有するステンレス鋼を製造することを特徴とす
るスリーバー疵の少ないAl含有ステンレス鋼の製造方
法。 (2)前記スラグとしてSiO2 の含有量が7wt%以
下である組成を有するものを用いることを特徴とする前
記(1)項記載のスリーバー疵の少ないAl含有ステン
レス鋼の製造方法。
テンレス鋼の製造方法について詳しく説明する。一般の
Al含有ステンレス鋼の製造方法は、電気炉で原料を溶
解し、アルゴン酸素脱炭法で粗脱炭を行い、次に真空酸
素脱炭法で脱炭、脱硫、脱酸を行い、取鍋温度成分調整
設備で温度調整を行い、連鋳法で鋳造を行うという工程
からなっている。この連鋳法で得た板を圧延することに
より板を製造するさいに、スリーバー疵を発生させる原
因となる介在物は、これらの工程の中で発生しており、
これらの工程の条件によって介在物の量や性状が変わっ
てくる。本発明者は、その工程の中で発生する介在物の
組成を、真空酸素脱炭法の仕上げ期のスラグ中の酸素ポ
テンシャルを下げることにより、溶鋼中の酸素ポテンシ
ャルを低下させ、ノズルに付着しにくく、凝集しにくい
性質のマグネシアを含有するものになるように、介在物
組成を制御すればよい、と考えた。そのために、真空酸
素脱炭法で脱炭を行い、除滓後に前記した低SiO2 の
スラグを添加し、目標成分となるようにAlを溶鋼を添
加することにより、前記した組成のAl含有ステンレス
鋼を製造する。
の仕上げ期におけるスラグについてその組成を前記した
ように限定した理由について説明する。前記スラグ中の
SiO2 量は、本発明において非常に重要な要件であ
る。本発明では、SiO2 量を10wt%以下にするこ
とにより、溶鋼中の酸素ポテンシャルを低下させ、下記
に示す反応により、スピネル系の介在物をマグネシア
系介在物に組成を変化させることができる。SiO2 量
を7wt%以下にすることがより好ましい。 2Al2 O3 /MgO(介在物)→2MgO(介在物)+4Al+3O2 … CaOは、高融点酸化物のため、その含有量は50wt
%を超えると、スラグの流動性が低下し、溶鋼との反応
速度が低下する。一方、CaOは溶鋼中の酸素ポテンシ
ャルを低下させる働きがあるため、CaOが40wt%
以下では、介在物がスピネル系のものになりやすい。
のAl2 O3 の活量が高くなり、下記に示す反応によ
りマグネシア系介在物をスピネル系介在物に変化させ
る。 2MgO(介在物)+4Al+3O2 →2Al2 O3 /MgO(介在物)… また、20wt%以下では鋼中のAlの歩留りを悪くす
る。MgOは介在物をマグネシア系にするには有利に働
く成分であるが、CaOと同様に高融点酸化物であるた
め、10wt%を超えるとスラグの流動性が低下し、溶
鋼との反応速度が低下する。また5wt%以下では溶鋼
中のMgの活量が小さくなり、アルミナ系介在物にな
る。
理由について説明する。Alは、Nと結合してAlNを
形成し、母相中のNを低減して靭性及び強度を高めるだ
けでなく、脱酸剤としても重要である。しかし、含有量
が0.005wt%未満では、その効果が得られず、一
方4.0wt%を超えると、製品のリジング性を劣化さ
せる。Al濃度が低いほど介在物の組成中のAl濃度が
下がるが、前記した理由によりその含有量の範囲を0.
005〜4.0wt%とした。リジング性の劣化の点か
らいうと、その含有量の範囲は0.005〜0.5wt
%であり、好ましくは0.01〜0.2wt%、より好
ましくは0.05〜0.15wt%である。Crは、一
般に不動態を形成して不銹性を持つ鋼にするのに必要な
含有量である12wt%であり、好ましくは12〜30
wt%である。本発明によれば、Al含有ステンレス鋼
として、フェライト系ステンレス鋼或いはオーステナイ
ト系ステンレス鋼のいずれのものも製造することができ
る。
る。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 表1に示す成分を有するフェライト系ステンレス鋼、オ
ーステナイト系ステンレス鋼をそれぞれ、表2に示す成
分のスラグを用いて真空酸素脱炭法における仕上げ製錬
を行い、その後、連続鋳造機により鋳造を行い、熱間圧
延及びそれに続く冷間圧延により、厚さ0.6mmの製
品板とした。この連続鋳造工程における、ノズル内壁付
着物の厚み、製品板のスリーバー発生の有無及び主な介
在物組成を本発明の試料No.1〜7と、比較例である
試料No.8〜16につき、それぞれ表2に示す。
試料No.1〜7の本発明例のものでは、そこで生成す
る介在物がすべてマグネシア系の介在物組成となり、製
品板はすべて品質が良好であった。これに対して、試料
No.8〜16の比較例のものは、いずれもノズル内付
着物があり、製品板にはスリーバー疵が発生した。ま
た、試料No.8〜9の比較例のものは、靭性又はリジ
ング性が不良であった。この実験結果について、図で示
すと、図1に示すとおりであり、この図1では縦軸がス
ラグ中のSiO2 濃度(wt%)を表わし、横軸が鋼中
のAl濃度(wt%)を示す。図1において、鋼中のA
l濃度(wt%)が0.15wt%以下で、スラグ中の
SiO2 濃度(wt%)が10wt%以下である範囲、
すなわち斜線を引いた範囲がより好ましい範囲である。
を前記したSiO2 含有量の少ないスラグを用いること
により、その製造工程中に発生するスリーバー疵の形成
の原因となるスピネル系介在物をマグネシア系介在物に
変えることができるため、スリーバー疵のない、あるい
は極めて少ない製品を得ることができる。さらには、ふ
くれ欠陥のない製品を得ることができる。また、Al含
有ステンレス鋼を格別の設備投資もなく、現存する設備
を用いて安価に製造することができ、製品の歩留りも向
上する。
おける、スラグ中のSiO2 濃度(wt%)と鋼中のA
l濃度(wt%)との関係におけるスリーバー疵の発生
の有無を表した図を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 Al含有ステンレス鋼を真空酸素脱炭法
の仕上げ期において、CaO:40〜50wt%、Si
O2 :10wt%以下、Al2 O3 :20〜30wt
%、MgO:5〜10wt%、重量比でCaO/SiO
2 :4.0以上の組成をもつスラグを用いて精錬を行
い、Cr:12wt%以上、Al:0.005〜4.0
wt%の組成を有するステンレス鋼を製造することを特
徴とするスリーバー疵の少ないAl含有ステンレス鋼の
製造方法。 - 【請求項2】 前記スラグとしてSiO2 の含有量が7
wt%以下である組成を有するものを用いることを特徴
とする請求項1記載のスリーバー疵の少ないAl含有ス
テンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP08066668A JP3096714B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | スリーバー疵の少ないAl含有ステンレス鋼の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08066668A JP3096714B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | スリーバー疵の少ないAl含有ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09256028A JPH09256028A (ja) | 1997-09-30 |
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KR100411264B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2003-12-18 | 주식회사 포스코 | 전자부품용 타이타늄 함유 페라이트 스테인레스강의 제조방법 |
JP5436239B2 (ja) * | 2010-01-21 | 2014-03-05 | 株式会社神戸製鋼所 | フッ素を使用しない2次精錬方法 |
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1996
- 1996-03-22 JP JP08066668A patent/JP3096714B2/ja not_active Expired - Fee Related
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