JP3096056B2 - 生産ラインの故障診断方法 - Google Patents

生産ラインの故障診断方法

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JP3096056B2 JP02304023A JP30402390A JP3096056B2 JP 3096056 B2 JP3096056 B2 JP 3096056B2 JP 02304023 A JP02304023 A JP 02304023A JP 30402390 A JP30402390 A JP 30402390A JP 3096056 B2 JP3096056 B2 JP 3096056B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産ラインの故障診断方法に関し、特に、
シーケンサにより制御される生産ラインにおける故障部
位の特定の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の組立ラインの如くの生産ラインにおいて、設
置された種々の設備に対してコンピュータを内蔵したシ
ーケンス制御部を設け、かかるシーケンス制御部により
各設備が順次行なうべき動作についてのシーケンス制御
を行なうようにすることが知られている。かかるシーケ
ンス制御が行なわれる際には、シーケンス制御部に内蔵
されたコンピュータに制御プログラムがロードされ、シ
ーケンス制御部が生産ラインに設置された種々の設備の
夫々に対する動作制御の各段階をシーケンス動作制御プ
ログラムに従って順次進めていく。
【0003】 このような生産ラインに設置された種々の設備の動作
についてのシーケンス制御が行われるにあたつては、そ
の制御状態を監視して各設備における故障を検知する故
障診断が、シーケンス制御に並行して行われるようにさ
れることが多い。そして、シーケンス制御に関連した故
障診断は種々の形式がとられている。例えば、特開昭60
−238906号公報には、設備が正常に作動している状態に
おけるシーケンス制御回路部の構成要素の動作態様を基
準動作態様として予め設定しておき、設備の実際の作動
時におけるシーケンス制御回路部の構成要素の動作態様
を上記基準動作態様と順次比較していき、その差に基づ
いて故障検出を行うようなことが、シーケンス制御に関
連した故障診断の一つとして提案されている。
【0004】 上記故障検出は、完全に停止してしまったような故障
に対して有効であるが、完全停止に至らないような軽故
障、例えば、設備が経年変化により、その動作に多少多
くの時間がかかるような故障に対しては、そのような軽
故障のパターンを全て基準動作態様として記憶すること
は不可能なので実質的に無力である。
【0005】 このような軽故障を検出する手法として、所謂「トラ
ップ法」と呼ばれる故障診断方法も提案されている。こ
のトラップ法は、シーケンス制御ラダープログラムにお
ける出力デバイスに出力にあったことをもってタイマを
起動し、このタイマがタイムアウトするまでの時間内
に、出力デバイスの動作を確認する確認デバイスが作動
するか否かを確認する監視ラダープログラムを作成する
ものである。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のトラップ法では、個々のラダープロ
グラム要素に対して、その各々に対してトラップ用のラ
ダープログラムを作成する必要があり、このことは極め
て効率の悪いことである。
【0006】 そこで、本発明の目的は、複数の動作ステップからな
る動作ブロックによって表されるラダープログラムによ
って制御される生産ラインの故障診断方法を提案するも
ので、特に、故障検出用のラダープログラムを個々の設
備に対して不要とし、しかも、故障検出を的確に行なう
ことのできる生産ラインの故障診断方法を提案するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための本発明の故障診断方法は、
複数の駆動デバイスを備え、1つの駆動デバイスの動作
が1つまたは複数の動作ステップにより表現されたラダ
ープログラムに従って制御される生産ラインの故障診断
方法であって、前記生産ラインの動作を複数の動作ブロ
ックに区分すると共に、その夫々の動作ブロックをその
動作開始から終了まで他の動作ブロックから独立して動
作するように記述した動作ブロックマップと、前記夫々
の動作ブロックマップを、前記1つの駆動デバイスの出
力動作を伴う1つまたは複数の動作ステップに区分する
と共に、その夫々の動作ステップについて、予め設定し
た作動予想時間と、該駆動デバイスの動作を確認する確
認デバイスによる確認動作とを記述した動作ステップマ
ップと、前記動作ブロックマップと前記動作ステップマ
ップとに基づいて、前記複数の駆動デバイスの出力動作
と、それら駆動デバイスに対応する前記確認デバイスの
確認動作とを記述したラダープログラムと、前記ラダー
プログラムから独立して動作するように記述した監視プ
ログラムとを予め作成する準備工程と、前記ラダープロ
グラムと前記監視プログラムとを実行する実行工程とか
らなり、前記準備工程において、前記監視プログラム
は、前記動作ステップの実行開始及び実行終了を表わす
情報、或いは、前記駆動デバイスの出力動作タイミング
及び前記確認デバイスによる確認動作終了を表わす情報
を前記ラダープログラムから入手し、それらの情報に基
づいて前記動作ステップの実動作時間を監視する監視工
程と、前記動作ステップマップに記述された作動予想時
間を入手し、その作動予想時間と、前記動作ステップの
実動作時間とを比較し、その比較結果に基づいて、故障
した駆動デバイスの出力動作が記載された動作ステップ
を特定する特定工程とを実行するように記述することを
特徴とする。
【0008】 上記発明の故障診断方法によれば、ラダープログラム
の動作から独立して動作する監視プログラムの機能によ
り、動作ステップマップに予め設定された作動予想時間
と、実動作時間とを比較するだけで、故障した駆動デバ
イスの出力動作が記載された動作ステップを判定するこ
とができる。換言すれば、ラダープログラム側には、従
来のようなタイマ監視回路は不要となる。更に、個々の
動作ブロックはその開始から終了まで他の動作ブロック
から独立して動作するというラダープログラムを前提と
しているために、動作ステップの判定に加え、動作ブロ
ックレベルでの故障の特定をも可能とすることができ
る。
【0009】 本発明の好適な一態様である請求項2に拠れば、前記
作動予想時間が前記実動作時間と異なるときは、ラダー
プログラムや監視プログラムに手を加えること無く、前
記動作ステップマップに記述された予想動作時間を、該
実動作時間に基づいて補正するだけで、駆動デバイスに
経年変化が生じても、精度の高い故障診断が行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して、本発明を自動車の生産ライ
ンのためのシーケンス制御/故障診断に適用した場合の
実施例を説明する。
【0011】 この実施例システムは、第1図に示すように、シーケ
ンス制御のためのラダープログラムならびに復旧用プロ
グラムを自動生成するサブシステム106と、生成された
ラダープログラムを実行するサブシステム101と、故障
を検出するサブシステム10と、検出された故障に基づい
て故障部位を特定して故障診断を行なうサブシステム10
5と、システムを復旧する復旧サブシステム103とを有す
る。
【0012】 第1図は本実施例のシステムを概念的に説明する。ス
テップラダープログラム101は、シーケンサ等にロード
されて、設備100を制御するためのプログラムであり、
自動生成サブシステム106により生成される。このプロ
グラム101の実行は監視サブシステム104によりモニタさ
れ、設備100における故障が検出される。本実施例の故
障検出サブシステム104では、「ブロックハングアッ
プ」と「ステップタイムオーバ」と「ステップハングア
ップ」という3種類の故障が検出され、これらの検出手
順については、後程、図面に基づいて説明されるであろ
う。「ブロックハングアップ」は、1つの動作ブロック
(この「動作ブロック」の概念については、第6図に関
連して説明する)からそれに続く他の動作ブロックに遷
移する過程で発生するハングアップであり、従来技術で
は検出不可能であったものである。また、「ステップタ
イムオーバ」や「ステップハングアップ」とは、ある動
作ステップ(この「動作ステップ」の概念については、
第8図に関連して説明する)においての経過時間が予想
よりも長過ぎたか、その動作ステップでハングアップし
たような故障である。これらの「ブロックハングアッ
プ」や「ステップタイムオーバ」や「ステップハングア
ップ」という故障を検出するために、本故障検出サブシ
ステム104では、後述するように、「ブロックタイマカ
ウンタ」や「ステップタイマカウンタ」なるものを導入
している。
【0013】 故障診断サブシステム105は、モニタシステム104によ
り故障を更に解析して故障部位(故障の発生した動作ス
テップ)を特定する。この故障診断のための手順も、後
程、図面に基づいて説明されるであろう。復旧サブシス
テム103は、診断サブシステム105により特定された動作
ステップに最も適切な復旧プログラム102を起動してシ
ステムを復旧するものである。この復旧プログラム102
は、自動生成サブシステム106が後述の「動作ブロック
マップ」や「動作ステップマップ」等に基づいて作成す
る。この復旧サブシステム及び復旧プログラムの自動生
成の説明により、従来では困難であった、復旧プログラ
ムの自動作成及び的確な自動復旧が本システムにおいて
実現されることが理解されるであろう。
【0014】 先ず、シーケンス制御プログラム101の制御対象とな
る車両組立ラインについて説明する。次に、シーケンス
制御プログラムの自動生成サブシステム106を説明する
ことにより、本実施例の故障診断に重要な概念である動
作ブロックと動作ステップについて言及する。そして、
その後に、本実施例の特徴部分である故障検出/故障診
断/復旧について説明する。
【0015】 <組立ライン> 先ず、生成されるべきシーケンス制御プログラムの制
御対象となる車両組立ラインの一例について、第2図及
び第3図を参照して述べる。
【0016】 第2図及び第3図に示される車両組立ラインは、例示
的に、3つのステーションST1,ST2,ST3からなる。位置
決めステーションST1は、車両のボデイ11を受台12上に
受け、受台12の位置を制御して受台12上におけるボデイ
11との位置決めを行う。ドッキングステーションST2
は、パレット13上における所定の位置に載置されたエン
ジン14とフロントサスペンシヨンアツセンブリ(不図
示)とリアサスペンシヨンアツセンブリ15とボデイ11と
を組み合わせる。締結ステーションST3は、ボデイ11に
対して、これにSTにて組み合わされたエンジン14とフロ
ントサスペンシヨン組立15とを、螺子を用いて締結固定
留する。また、位置決めステーションST1とドッキング
ステーションST2との間には、ボデイ11を保持して搬送
するオーバーヘツド式の移載位置16が設けられている。
ドッキングステーションST2と締結ステーションST3との
間には、パレット13を搬送するパレット搬送位置17が設
けられている。
【0017】 位置決めステーションST1における受台12は、レール1
8に沿つて往復走行移動する。位置決めステーションST1
には、受台12をレール18に直交する方向(車幅方向)に
移動させることにより、受台12上に載置されたボデイ11
を、その前部の車幅方向についての位置決めを行う位置
決め手段(BF)並びにその後部の車幅方向の位置決めを
行う位置決め手段(BR)と、受台12をレール18に沿う方
向(前後方向)に移動させることにより、その前後方向
における位置決めを行う位置決め手段(TL)とが設けら
れている。さらに、ST1には、ボデイ11における前方左
右部及び後方左右部に係合することにより、ボデイ11
の、受台12に対する位置決めを行う昇降基準ピン(FL,F
R,RL,RR)が設けられている。そして、これらの位置決
め手段及び昇降基準ピンによつて、位置決めステーショ
ンST1における位置決め装置19が構成されている。即
ち、これらの位置決め手段及び昇降基準ピンが、シーケ
ンス制御プログラムの位置決め装置19についての制御対
象となる。
【0018】 移載装置16は、位置決めステーションST1とドッキン
グステーションST2との上方において両者間に掛け渡さ
れて配されたガイドレール20と、ガイドレール20に沿つ
て移動するキヤリア21とから成る。キヤリア21には、昇
降ハンガーフレーム21Bが取り付けられていて、ボデイ1
1は昇降ハンガーフレーム22により支持される。昇降ハ
ンガーフレーム22には、第4図に示されるように、左前
方支持アーム22FL,右前方支持アーム22FRが夫々一対の
前方アームクランプ部22Aを介して取付けられている共
に、左後方支持アーム22RL,右後方支持アーム22RR(不
図示)が夫々一対の前方アームクランプ部22Bを介して
取付けられている。左前方支持アーム22FL,右前方支持
アーム22FRの夫々は、前方アームアームクランプ部22A
を回動中心として回動し、前方アームクランプ22Aによ
るクランプが解除された状態においては、ガイドレール
20に沿って伸びる位置を取り、また、前方アームクラン
プ部22Aによるクランプがなされるときには、第4図に
示される如く、ガイドレール20に直交する方向に伸びる
位置をとる。同様に、左後方支持アーム22RL,右後方支
持アーム22RRの夫々も、後方アームクランプ部22Bを回
動中心として回動し、後方アームクランプ部22Aによる
クランプが解除された状態においては、ガイド20に沿っ
て伸びる位置をとり、また、後方アームクランプ部22B
によるクランプがなされるときには、ガイドレール20に
直交する方向に伸びる位置をとる。
【0019】 移載装置16にボデイ11が移載されるにあたっては、移
載装置16が、第2図において一点鎖線により示されるよ
うに、レール18の前端部上方の位置(原位置)に、左前
方支持アーム22FL,右前方支持アーム22FRの夫々が前方
アームクランプ部22Aによるクランプが解除されてガイ
ドレール20に沿って伸びる。また、左後方支持アーム22
RL,右後方支持アーム22RRの夫々が後方アームクランプ
部22Bによるクランブが解除されてガイドレール20に沿
って伸びて、その後、昇降ハンガーフレーム21Bが下降
せしめられる。かかる状態で、ボデイ11が載置された受
台12が、レール18に沿ってその前端部にまで移動せしめ
られ、降下されていた移載装置16の昇降ハンガーフレー
ム21Bに対応する位置を取るようにされる。そして、左
前方支持アーム22FL,右前方支持アーム22FRの夫々が、
回動されてボデイ11の前部の下方においてガイドレール
20に直交する方向に伸びる位置をとって、前方アームク
ランプ部22Aによるクランプがなされた状態となる。ま
た、左後方支持アーム22RL,右後方支持アーム22RRの夫
々が、回動されてボデイ11の後部の下方においてガイド
レール20に直交する方向に伸びる位置をとって、後方ア
ームクランプ部22Bによるクランプがなされた状態とな
る。その後、昇降ハンガーフレーム21Bが上昇させられ
て、第4図に示されるように、ボデイ11が、移載装置16
の昇降ハンガーフレーム21Bに取付けられた左前方支持
アーム22FL,右前方支持アーム22FRと左後方支持アーム2
2RL,右後方支持アーム22RRとにより支持される。
【0020】 また、パレット搬送装置17は、夫々パレット13の下面
を受ける多数の支持ローラ23が設けられた一対のガイド
部24L及び24Rと、このガイド部24L及び24Rに夫々並行に
延設された一対の搬送レール25L及び25Rと、各々がパレ
ット13を係止するパレット係止部26を有し、夫々搬送レ
ール25L及び25Rに沿つて移動するものとされたパレット
搬送台27L及び27Rと、これらのパレット搬送台27L及び2
7Rを駆動するリニアモータ機構(図示は省略されてい
る)とを備える。
【0021】 ドッキングステーションST2には、フロントサスペン
シヨンアセンブリ及びリアサスペンシヨンアツセンブリ
15の夫々の組み付け時において、フロントサスペンシヨ
ンアツセンブリのストラツト及びリアサスペンシヨンア
ツセンブリ15のストラツト15Aを夫々支持して組付姿勢
をとらせる一対の左右前方クランプアーム30L及び30R
と、及び、一対の左右後方クランプアーム31L及び31Rと
が設けられている。この左右前方クランプアーム30L及
び30Rは、夫々、搬送レール25L及び25Rに直交する方向
に進退動可能に、取付板部32L及び32Rに取り付けられる
とともに、左右後方クランプアーム31L及び31Rは、夫
々、取付板部33L及び33Rに、搬送レール25L及び25Rに直
交する方向に進退動可能に取り付けられている。左右前
方クランプアーム30L及び30Rの相互対向先端部と、左右
後方クランプアーム31L及び31Rの相互対向先端部とは、
夫々、フロントサスペンシヨンアツセンブリのストラツ
トもしくはリアサスペンシヨンアツセンブリ15のストラ
ツト15Aに係合する係合部を有する。そして、前記取付
板部32Lは、アームスライド34Lにより固定基台35Lに対
して、搬送レール25L及び25Rに沿う方向に移動可能とさ
れる。取付板部32Rはアームスライド34Rにより固定基台
35Rに対して、搬送レール25L及び25Rに沿う方向に移動
可能とされる。取付板部33Lは、アームスライド36Lによ
り固定基台37Lに対して、搬送レール25L及び25Rに沿う
方向に移動可能とされる。さらに、取付板部33Rは、ア
ームスライド36Rにより固定基台37Rに対して、搬送レー
ル25L及び25Rに沿う方向に移動可能とされている。従つ
て、左右前方クランプアーム30L及び30Rは、それらの先
端部がフロントサスペンシヨンアツセンブリのストラツ
トに係合した状態のもとで、前後左右に移動可能とな
る。また、左右後方クランプアーム31L及び31Rは、それ
らの先端部がリアサスペンシヨンアツセンブリ15のスト
ラツト15Aに係合した状態のもとで、前後左右に移動可
能となる。また、これらの左右前方クランプアーム30L
及び30R,アームスライド34L及び34R,左右後方クランプ
アーム31L及び31R、及びアームスライド36L及び36Rが、
ドッキング装置40を構成している。
【0022】 さらに、ドッキングステーションST2には、搬送レー
ル25L及び25Rに夫々平行に伸びるように設置された一対
のスライドレール41L及び41Rと、このスライドレール41
L及び41Rに沿つてスライドするものとされた可動部材4
2,可動部材42を駆動するモータ43等から成るスライド装
置45とが設けられている。このスライド装置45における
可動部材42には、パレット13上に設けられた可動エンジ
ン支持部材(図示は省略されている)に係合する係合手
段46と、パレット13を所定の位置に位置決めするための
2個の昇降パレット基準ピン47とが設けられている。ス
ライド装置45においては、移載装置16における昇降ハン
ガーフレーム22により支持されたボデイ11に、パレット
13上に配されたエンジン14,フロントサスペンシヨンア
ツセンブリ及びリアサスペンシヨンアツセンブリ15とを
組み合わせる際に、その係合手段46が昇降パレット基準
ピン47により位置決めされたパレット13上の可動エンジ
ン支持部材に係合した状態で前後動せしめられ、それに
より、ボデイ11に対してエンジン14を前後動させて、ボ
デイ11とエンジン14との干渉を回避するようになってい
る。
【0023】 締結ステーションST3には、ボデイ11に、これに組み
合わされたエンジン14及びフロントサスペンシヨンアツ
センブリを締結するための螺子締め作業を行うためのロ
ボツト48Aと、ボデイ11に、これに組み合わされたリア
サスペンシヨンアツセンブリ15を締結するための螺子締
め作業を行うためのロボツト48Bとが配置されている。
さらに、締結ステーションST3においては、パレット13
を所定の位置に位置決めするための2個の昇降パレット
基準ピン47が設けられている。
【0024】 第2図乃至第4図により説明した車両組立ラインにお
いて、位置決めステーションST1における位置決め装置1
9,移載装置16、そして、ドッキングステーションST2に
おけるドッキング装置40及びスライド装置45,パレット
搬送装置17、そして、締結ステーションST3におけるロ
ボツト48A及び48Bは、それらに接続されたシーケンス制
御部により、本実施例のプログラム生成装置によって生
成されたシーケンス制御プログラムに基づいてシーケン
ス制御が行われる。即ち、これらの上記位置決め装置1
9,移載装置16等は、シーケンス制御対象の“設備”とさ
れる。
【0025】 <シーケンス制御プログラムの自動生成> 第2図の生産ラインにおける組立動作は、即ち、上記
のシーケンス制御対象の“設備”の全てが行う動作は複
数の“動作ブロック”に分解することができる。ここで
“動作ブロック”とは、 (1):複数の単位動作の集合である と定義することができる。動作ブロックの最も重要な性
質は、 (2):ある動作ブロックの開始から終了に至るまでの
中間過程で、他の動作ブロックから独立して干渉を受け
ることなく、動作を完結することができるということで
ある。
【0026】 この(1),(2)の性質のために、動作ブロックを
1つのブロック(かたまり)として表記することが可能
となる。換言すれば、動作ブックは、動作ブロックのレ
ベルにおいてのみ、他の動作ブロックと関係する。動作
ブロックが動作を開始できるためには、他の動作ブロッ
クにおける動作の終了が必要となる。この他の動作ブロ
ックは、1つの場合もあれば、複数の場合もあろう。即
ち、1つの動作ブロックの動作終了がそれに連結する別
の動作ブロック(1つまたは複数の動作ブロック)の起
動条件になったり、複数の動作ブロックの動作終了が起
動条件になったりするということである。
【0027】 また、上記性質によれば、1つの動作ブロックにおけ
る動作の中間段階で、他の動作ブロックに対して起動を
かけるということはない。また、1つの動作ブロックの
中間段階で、他の動作ブロックからの起動を待つという
こともない。
【0028】 上記(1),(2)の動作ブロックの定義から、次の
付随的な動作ブロックの性質(3)を導くことができ
る。
【0029】 (3):動作ブロックは、上記(1),(2)の性質を
満足する単位動作の集合のなかで、最大のものであるこ
とが望ましい。
【0030】 この(3)の性質は絶対的に必要なものではない。し
かし、(3)を満足すると、生産ラインを記述する動作
ブロックの数が減り、工程全体の記述が単純化され、大
変見易いものとなる。
【0031】 第2図,第3図に示した生産ラインを、(1)乃至
(3)の条件を満足する動作ブロックにより記述する
と、以下の如くに、A0〜A4と、B0〜B11の17個の動作ブ
ロックが得られる。
【0032】 上記17個の動作ブロックのうち、B0〜B11の12個の動
作ブロックについて夫々説明する。
【0033】 ブロックB0:受台12とその上のボデイ11の、位置決め
装置19による位置決めを行う動作ブロック。この動作ブ
ロックを受台位置決めブロックと呼ぶ。
【0034】 ブロックB1:移載装置16による、ボデイ11の移載のた
めの準備を行う動作ブロック。この動作ブロックを移載
装置準備ブロックと呼ぶ。
【0035】 ブロックB2:ドッキング装置40が、左右前方クランプ
アーム30L,30Rでもってフロントサスペンシヨンアツセ
ンブリのストラツトをクランプし、また、左右後方クラ
ンプアーム31L,31Rでもってリアサスペンシヨンアツセ
ンブリ15のストラツト15Aをクランプするための準備を
行う動作ブロック。この動作ブロックをストラツトクラ
ンプ準備ブロックと呼ぶ。
【0036】 ブロックB3:位置決め装置19による位置決めがなされ
た受台12上のボデイ11が、移載装置16における昇降ハン
ガーフレーム22へと移載され、搬送される状態とされる
動作ブロック。この動作ブロックを移載装置受取りブロ
ックと呼ぶ。
【0037】 ブロックB4:スライド装置45による、その可動部材42
に設けられた係合手段46をパレット13上の可動エンジン
支持部材に係合させるための準備を行う動作ブロック。
この動作ブロックをスライド装置準備ブロックと呼ぶ。
【0038】 ブロックB5:位置決め装置19により、受台12を原位置
に戻す動作ブロック。この動作ブロックを受台原位置戻
しブロックと呼ぶ。
【0039】 ブロックB6:移載装置16の昇降ハンガーフレーム22に
より支持されたボデイ11に対して、パレット13上に配さ
れたエンジン14と、パレット13上に配され左右前方クラ
ンプアーム30L,30Rによりクランプされたフロントサス
ペンシヨンアツセンブリのストラツトと、左右後方クラ
ンプアーム31L,31Rによりクランプされたリアサスペン
シヨンアツセンブリ15のストラツト15Aとを組み合わせ
る動作ブロック。この動作ブロックをエンジン/サスペ
ンシヨン・ドッキングブロックと呼ぶ。
【0040】 ブロックB7:移載装置16が原位置に戻る動作ブロッ
ク。この動作ブロックを移載装置原位置戻りブロックと
呼ぶ。
【0041】 ブロックB8:ドッキング装置40による、左右前方クラ
ンプアーム30L,30Rと、左右後方クランプアーム31L,31R
との夫々を原位置に戻す動作ブロック。この動作ブロッ
クをクランプアーム原位置戻しブロックと呼ぶ。
【0042】 ブロックB9:パレット搬送装置17がリニアモータを動
作させて、エンジン14,フロントサスペンシヨンアツセ
ンブリ,リアサスペンシヨンアツセンブリ15が組み合わ
されたボデイ11が載置されたパレット13を締結ステーシ
ョンST3へ搬送する動作ブロック。この動作ブロックを
リニアモータ推進ブロックと呼ぶ。
【0043】 ブロックB10:ロボツト48Aによる、ボデイ11に組み合
わされたエンジン14とフロントサスペンシヨンアツセン
ブリとをボデイ11に締結するための螺子締め作業を行う
動作ブロック。この動作ブロックを螺子締め第1動作ブ
ロックと呼ぶ。
【0044】 ブロックB11:ロボツ48Bによる、ボデイ11に組み合わ
されたリアサスペンシヨンアツセンブリ15をボデイ11に
締結するための螺子締め作業を行う動作ブロック。この
動作ブロックを螺子締め第2ブロックと呼ぶ。
【0045】 第5図は、第2図〜第4図に示された生産ラインにお
ける、A0〜A4とB0〜B11の17個の動作ブロック間の関連
を示したものである。この第5図は、第2図〜第4図に
示された生産ラインのシーケンス制御プログラムを作成
しようとするプログラマが、この生産ラインにおける動
作を分析した上で作成したものである。
【0046】 第5図において、移載装置16のブロックB3は、位置決
め装置19の動作ブロックB0と移載装置16の動作ブロック
B1とから2つのラインが引かれている。この線は、ブロ
ックB3が、位置決め装置19にて、受台12とその上のボデ
イ11の位置決め動作(動作ブロックB0)が終了し、移載
位置16にて、ボデイ11の移載準備(動作ブロックB1)が
終了してから起動されるということである。換言すれ
ば、動作ブロックB0とB1とは並列動作を行なう。
【0047】 上述の動作ブロックB0〜B11の夫々は、夫々が出力動
作を伴う複数の動作ステップに区分される。ここで、動
作ステップとは、出力動作を伴なうことを要件とする。
但し、動作ステップは動作ブロックの構成要素であるか
ら、1つの動作ブロック内の動作ステップは、他の動作
ブロックの動作ステップに対して出力動作を行なうこと
はない。
【0048】 例えば、受台位置決め動作ブロックB0については、以
下の如くにB0S0〜B0S9の10個の動作ステップに区分され
る。
【0049】 B0S0: 動作ブロックB0が起動されるための各種条件を確認する
動作ステップ(条件確認動作ステップと呼ぶ)。
【0050】 B0S1: 位置決め手段BFにより受台12が移動されて、ボデイ11の
前部の車両方向における位置決めが行われる動作ステッ
プ(BF位置決め動作ステップ)。
【0051】 B0S2: 位置決め手段BRにより受台12が移動されて、ボデイ11の
後部の車幅方向における位置決めが行われる動作ステッ
プ(BR位置決め動作ステップ)。
【0052】 B0S3: 位置決め手段TLにより受台12が移動されて、ボデイ11の
レール18に沿う方向(前後方向)における位置決めが行
われる動作ステップ(TL位置決め動作ステップ)。
【0053】 B0S4: 昇降基準ピンFLがボデイ11の前方左側部に係合する動作
ステップ(FL係合動作ステツプ)。
【0054】 B0S5: 昇降基準ピンFRがボデイ11の前方右側部に係合する動作
ステップ(FR係合動作ステツプ)。
【0055】 B0S6: 昇降基準ピンRLがボデイ11の後方左側部に係合する動作
ステップ(RL係合動作ステツプ)。
【0056】 B0S7: 昇降基準ピンRRがボデイ11の後方右側部に係合する動作
ステップ(RR係合動作ステツプ)。
【0057】 B0S8: 位置決め手段BFがボデイ11の前部の車幅方向における位
置決めをした後に、原位置に戻る動作ステップ(BF原位
置戻り動作ステップ)。
【0058】 B0S9: 位置決め手段BRがボデイ11の後部の車幅方向における位
置決めをした後に、原位置に戻る動作ステップ(BR原位
置戻り動作ステップ)。
【0059】 第2図の生産ラインの動作ステップの一例を第8図に
示す。
【0060】 第9A図は、第2図の生産ラインの例えば昇降基準ピン
等を駆動する動作回路素子を表わす。このような素子に
おける入力は、この素子の機械要素としてのソレノイド
を駆動するための入力信号Y0であり、このY0はシーケン
スラダープログラム要素からの出力である。また、この
素子からの出力として、素子の作動状態を確認するため
に、駆動された異を確認するためのリミツトスイツチか
らの出力(出力確認L/S)と、原位置に戻されたことを
確認するためのリミツトスイツチからの出力(戻り確認
L/S)がある。
【0061】 第9B図は、第9A図の素子の出力駆動動作の論理を説明
する図である。ソレノイドがオンするためには、インタ
ーロツク条件ILCが満足されることである。インターロ
ツク条件ILCは、一般に、その動作ステップに特有の種
々の起動条件を含む。
【0062】 第9C図は全体シーケンスを自動生成する際に用いる定
型的な動作回路の一例を示す。第9C図において、条件M
Aは自動モード(生産ラインがシーケンス制御プログラ
ムに従って動作するモードである)でこの動作回路が動
作しているときは閉じられる。条件MSは手動モードで
この動作回路が動作しているときに閉じられる。MSは
通常閉じられている。従って、通常の自動モードでは、
インターロツク条件ILC0とXlが満足されれば、出力Y0が
出力される。一方、ILC1は手動モードにおける動作条件
の論理を記述する。手動モードでは、接点MSが開くの
で、条件Xk,ILC1が同時に満足するか、条件Xk,XIが同時
に満足すれば、Y0は出力される。一般に、XIは、手動
動作のインターロツク条件ILC1を殺すための論理であ
る。
【0063】 以上のことから明らかなように、接点条件MA,MS,XI
等はいかなる生産ラインにも共通なものであるので、シ
ステムがプログラマの手を煩わすことなく定型的に設定
できるものである。
【0064】 第12図は、第1図で説明した実施例システムを、ハー
ドウエア構成の観点から改めて書き直した一例のもので
ある。シーケンス制御/故障診断/復旧のための本シス
テムは、第12図に示すように、シーケンス制御対象設備
50(第1図の設備100に対応)に接続されて、それに対
するシーケンス動作制御を行うシーケンス制御部51(第
1図のシーケンサ101に対応)と、自動生成部90(第1
図のサブシステム106に対応)と、故障診断部52(第1
図のサブシステム103,104,105に対応)と、CRT(陰極線
管)操作盤部53とから成る。
【0065】 シーケンス制御部51は、シーケンス動作制御ラダープ
ログラム(第11図)が格納されるプログラムメモリ55、
及び、送受信インターフエース54を備えるコンピユータ
を内蔵する。故障診断部52は、バスライン61を通じて接
続された中央処理ユニツト(CPU)62,メモリ63,入出力
インターフエース(I/Oインターフエース)64及び送受
信インターフエース65を有しており、さらに、I/Oイン
ターフエース64に接続されたキーボード66,デイスプレ
イ用のCT67及びプリンタ68が備えられている。また、CR
T操作盤部53は、バスライン71を通じて接続されたCPU7
2,メモリ73,送受信インターフエース74及び75、及び、I
/Oインターフエース76を有しており、さらに、I/Oイン
ターフエース76に接続された補助メモリとしてのハード
デイスク装置77,デイスプレイ用のCRT78及びデータ及び
制御コード入力用のキーボード79、及び、送受信インタ
ーフエース74に接続されたタツチパネル80が備えられて
いる。タツチパネル80はCRT78のフエースプレート部外
面に取り付けられている。
【0066】 また、自動生成部90は、シーケンス制御用のラダープ
ログラム(第11図)ならびに復旧用のラダープログラム
を自動生成する部分である。尚、シーケンス制御用のラ
ダープログラムを自動生成するサブシステムについて
は、本出願人から、特願平1−253991(「シーケンス制
御プログラムの自動作成装置」が出願されている。
【0067】 シーケンス制御部51が内蔵するコンピユータに備えら
れた送受信インターフエース54と故障診断部52に設けら
れた送受信インターフエース65及びCRT操作盤部53に設
けられた送受信インターフエース75の夫々とが相互接続
され、さらに、故障診断部52に設けられた送受信インタ
ーフエース65とCRT操作盤部53に設けられた送受信イン
ターフエース75と、自動生成部90のインターフエース96
とが相互接続されている。
【0068】 また、故障診断部52は、シーケンス制御部51から送受
信インターフエース54及び65を通じて、シーケンス制御
部51におけるシーケンス動作制御ラダープログラム及び
シユミレーシヨンプログラムの作動状態をあらわすプロ
グラム処理データを受け取り、それをCPU62により処理
して、プログラム処理データに基づく表示信号及び出力
信号を得、I/Oインターフエース64を通じて、表示信号
をCRT67に、また、出力信号をプリンタ68に夫々供給す
る。
【0069】 続いて、上述の如くの車両組立ラインの各設備の動作
に対してシーケンス制御を行なうためのシーケンス制御
プログラムを自動作成するための手順を概略的に説明す
る。
【0070】 かかる制御プログラムの自動生成に必要なデータは、
定型の「ステップラダーパターン」と「入出力マップ」
と前述の「動作ブロックマップ」,「動作ステップマッ
プ」である。定型ステップラダーパターンとは、生産ラ
インの制御プログラムに必要な全ての動作を表記する動
作回路のシンボルを記憶するデータベースである。この
ような定型パターンの例は前述の第9C図のようなもので
ある。
【0071】 入出力マップとは、一般的に生産ラインに使われる可
能性のある多くの動作回路についての、その各々の入力
出力関係を記述したデータベースである。この入出力マ
ップデータベースの一例を第7図に示す。上記の定型ス
テップラダーパターンデータベースと入出力マップデー
タベースは、生産ラインに共通なデータであり、ある特
定の生産ラインに固有なデータではない。
【0072】 固有なデータは動作ブロックマップデータと動作ステ
ップマップデータの2つである。動作ブロックマップと
は、前述の動作ブロックの個々を記述し、且つ、これら
の動作ブロック間の連係関係を記述するデータである。
第2図の生産ラインについて固有な動作ブロックマップ
データの例を第6図に示す。動作ステップマップとは、
ある特定の生産ラインに固有な動作ブロックの各々に含
まれる動作ステップを記述する固有なデータである。第
2図の生産ラインについて固有な動作ステップマップの
一例を第8図に示す。
【0073】 かかる2つの定型データベースと2つの固有なデータ
とに基づいてシーケンス制御プログラムが生成される。
【0074】 先ず、定型のステップラダーパターンデータベースに
ついて第10図に従って説明する。第10A図は、動作ブロ
ックの開始と停止を定型的に記述するパターンである。
第10B図は、第9C図に関連して説明したパターンと同じ
である。第10C図は、第10B図のパターンに更に1つの接
点条件を付加したものである。
【0075】 次に、入出力マップについて説明する。この入出力マ
ップは、予め生産ラインに使用される全ての設備につい
て、その入出力の態様をテーブルとして記述したもので
ある。第7図の入出力マップは、第2図の位置決め装置
19についてのものである。この入出力マツプにおいて、
“コメント”は、入出力動作の内容をあらわす。また
“No."は自動作成される。また、“コメント",“動作”
及び“原位置”についてのデータはキーボード67が操作
せれることにより入力される。“出力コイルデイバイ
ス",“確認入力接点デイバイス”及び“手動入力接点デ
イバイス”は自動設定される。
【0076】 例えば、A02のBF(位置決め)という動作回路は、動
作タイプが“出力”であり、出力コイルの端子はY1であ
る。出力されたときの確認入力接点名は“X1"である。
また、手動入力の接点名は“XB”である。
【0077】 次に、動作ブロックマップについて説明する。このマ
ップのデータは、対象の生産ラインの動作を分析し、前
述の定義に従って動作ブロックにより、その生産ライン
の工程を表現することにより得られる。第5図の動作ブ
ロックのマップは、第2図の生産ラインについて分析し
た結果、第5図に示したような動作ブロックチャートが
得られた場合に、そのチャートを表現するテーブルであ
る。換言すれば、この第6図のテーブル(マップ)は第
5図のチャートと略等価である。
【0078】 第6図において、“SC−REG"は、16ビツトのレジスタ
をあらわし、動作ブロックB0〜B11の夫々に1個づつ設
けられたものである。このレジスタは、対応する動作ブ
ロック内で、現在、どの動作ステップが実行されている
のかを表わす。例えば、動作ブロックB0で現在B0S0(第
8図参照)の動作ステップが実行されているのであれ
ば、動作ブロックB0のSCREGには“B0S0"が格納される。
【0079】 動作ブロックマップの“FROM"は、当該動作ブロック
の動作が開始される条件となる直前の動作ブロックをあ
らわす。例えば、動作ブロックB3は動作ブロックB0,B1
の終了が起動条件となる。また、“TO"は当該動作ブロ
ックの動作完了によつて動作を開始せしめられるところ
の、当該動作ブロックの直後につながる動作ブロックを
あらわす。例えば、動作ブロックB3の終了は、動作ブロ
ックB5,B7の起動を意味する。“クリア条件”は、当該
動作ブロックに関わる設備が原状に戻る動作ブロックを
あらわす。さらに、“設備”は、当該動作ブロックに関
わるシーケンス制御対象設備をあらわす。
【0080】 “NO"及び“SC−REG"の内容は自動作成される。一
方、“ブロック名称",“FROM",“TO",“クリア条件”及
び“設備”の内容は、プログラマがキーボード67を操作
して入力する。
【0081】 次に、第8図の動作ステップマップについて説明す
る。前述したように、動作ステップは、各動作ブロック
内の具体的な動作の内容を記述する。換言すれば、入出
力マップ(第7図)は、動作のシーケンスを表わしては
いない。しかし、動作ステップマップの個々の設備の動
作シーケンスをも表現する。第8図は、動作ブロックB0
の動作ステップマップの例を示したものである。第8図
において、“NO"はシステムが自動的に付与する。即
ち、動作ステップ順序を表わす“NO"は例えば動作ブロ
ックB0については“B000"から始まって、“B0S0"〜“B0
S9"まで、プログラマが“コメント”をキーボード67か
ら入力する毎にシステムが生成する。尚、“B000"は当
該動作ブロックの準備を意味する動作ステップであり、
ラダープログラムにおいて各動作ブロックの先頭に置か
れる。
【0082】 また、“B999"は当該動作ブロックの完了を意味する
動作ステップであり、ラダープログラムにおいて各動作
ブロックの最後尾に置かれる。
【0083】 動作ステップマップの生成で最低限必要なものは、ス
テップのシーケンス順に入力する“コメント”の情報で
ある。例えば、ステップ番号“B0S0"において、プログ
ラマが“条件確認”を入力すれば、入出力マップの先頭
にある“ワーク有”のコメント名を有する番号“A01"の
データを読出す。入出力マップの“A01"のデータは確認
入力接点が“X0"、手動入力接点が“XA”であるので、
これらのデータを第8図の対応位置に書込む。ステップ
“B0S0"の出力コイルの“Y0"は、動作ブロックの先頭動
作ステップに与えられる出力名である。続いて、プログ
ラマが動作ステップ“B0S1"においてコメント“BF(位
置決め)”と入力し、動作タイプを“出力”と入力すれ
ば、このタイトルから入出力マップを索引して、番号
“A02"のデータを得る。番号“A02"のデータは、“出力
コイル”が“Y1"、“確認入力接点”が“X1"、“手動入
力接点”が“XB”であるので、第8図の動作ステップ
“B0S1"に対応するデータを書込む。
【0084】 このように、動作ステップマップ(第8図)は、プロ
グラマが入力した“コメント”と“動作タイプ”とに基
づいて、対応するデータを入出力マップ(第7図)内に
検索し、作成していく。また、このような動作ステップ
マップを各動作ブロックについて作成する。
【0085】 尚、第8図の動作ステップマップにおいて、一番右側
のデータτは、各動作ステップの作動予測時間である。
このデータτは、前述の「ステップタイムオーバ」と
「ステップハングアップ」故障の検出判断を行なうのに
重要なデータである。
【0086】 第11図はこのようにして生成されたブロックB0につい
てのシーケンスラダープログラムである。第11図のラダ
ープログラムと第8図の動作ステップマップとを対比す
ると、ラダープログラムの構成がよく理解できる。例え
ば、動作ステップB0S0においては、接点MAが閉じてい
る自動動作モードにおいては、接点デバイスX0は閉じて
いるので出力Y1が出力される。Y1が出力されると、B0S1
においてその確認入力接点X0は閉じるのでY1が出力され
る。
【0087】 以上が本実施例システムにおけるシーケンス制御ラダ
ープログラムの自動生成に関する説明であり、この説明
により、動作ブロックマップ(第6図)により、各動作
ブロック間の相互動作が理解されたであろう。また、動
作ステップマップ及び入出力マップ(第7図)により、
制御プログラムの自動生成がいかに効率良く行なわれる
のかが理解できたであろう。
【0088】 <シーケンス制御/監視/故障診断> 以上、本実施例システムにおけるラダープログラムの
自動生成について説明した。またその過程で、動作ブロ
ックマップ及び動作ステップステップがどういうものか
が理解できた。
【0089】 第13図は、第1図の故障検出/故障診断サブシステム
104,105における制御プログラム間の関係、並びに、そ
れらとステップラダープログラム200(第1図の101)と
の関係を説明するものである。同図を用いて、本システ
ムのシーケンス制御及び監視及び故障診断について説明
する。上述のプログラムの自動生成はシーケンス制御及
び故障診断とは別個独立に動作するプログラムであるの
に対し、後に明らかになるように、シーケンス制御プロ
グラム及び故障検出/診断プログラムは、互いに密接に
関わりながら動作する。
【0090】 第13図において、ステップラダープログラム200と
は、第11図に示されたラダープログラムであり、第11図
に関連して説明したように、個々の動作ステップにおけ
る個々のアクチュエータの具体的な動作を記述するもの
である。また、マップ制御プログラム201は、動作ブロ
ックマップ(第6図)及び動作ステップマップ(第7
図)を参照しながらラダープログラム200が実行する設
備の動作をモニタする。このマップ制御プログラム201
の詳細は第16A図に示される。また、動作監視プログラ
ム202は、マップ制御プログラム201とラダープログラム
200間とのやり取りを監視しながら、故障の発生を検知
するものであり、その詳細は第16B図に示される。さら
に、故障診断プログラム203は、監視プログラム202の通
知により故障が発生したことを知られされると、故障診
断を行なうものである。この故障の発生したアクチュエ
ータ(即ち、動作ステップ)は、監視プログラム202と
マップ制御プログラム201とが記録している後述のステ
ップカウンタの内容を診断プログラム203が調べること
により知れる。アクチュエータ内の具体的なデバイス若
しくは接点は、診断プログラム203が、入出力マップ
(第7図)のデータに基づいて検出することができる。
【0091】 故障診断システムを理解するためには、動作ブロック
毎に設定された前述のSC−REG(CSと略記する)等の理
解が必要である。
【0092】 第14図は、ある動作ブロックi(BLi)に設けられた
上記CSレジスタと、タイムレジスタ(TS Si,TSei)と、
ブロックタイムレジスタTB Sを説明するものである。CS
レジスタCSiは、ブロックiで最後に実行終了した動作
ステップの番号を格納する。また、ステップタイムレジ
スタTS Siは、最後に実行された、あるいは現在実行中
の動作ステップが開始された時刻を格納する。TSeiは最
後に実行が終了した動作ステップがその終了した時刻が
格納される。また、ブロックタイムレジスタTBiは、当
該ブロックが起動可能になるまではゼロである。起動可
能になると、TBiには起動可能になった時刻が格納され
る。
【0093】 <ステップタイムオーバ> 第15図は、個々のブロックには、各々の上記レジスタ
が設定されている様子を示している。
【0094】 ある動作ステップの実行が終了した時点では、 TSxi=TSei−TS Si ……(1) が、その動作ステップを実行するのに要した時間とな
る。前述したように、カウンタCSiは、ブロックiが最
後に実行終了した動作ステップの番号(実際には、その
動作ステップの次の動作ステップ番号を示す)を記憶す
るから、このCSiの内容から、最後に終了した動作ステ
ップの実行に要した時間TSxiを計算することができる。
本実施例の故障診断システムでは、このTSxiと第8図の
動作ステップマップに記憶されている個々の動作ステッ
プの実行に要する標準時間τとを比較することにより、 TSxi−τ>δ0 ……(2) であれば、その動作ステップの実行に障害(前述の「ス
テップタイムオーバ」)があったと判断する。ここでδ
0は定数である。
【0095】 <ステップハングアップ> また、本故障診断システムでは、定期的に実行が終了
していない動作ステップをスキャンし、現在までの経過
時間TP−TS Siが、 TP−TS Si>δ1 ……(3) であれば、当該動作ステップはループ若しくはハングア
ップしていると判断する。ここで、TPは現在の時刻で
あり、また、δ1は定数である。δ1は、通常、その生
産ラインの動作ステップの実行に要する時間のなかで最
大のものにある許容幅をもたせたものである。かかる故
障が「ステップハングアップ」である。
【0096】 <ブロックハングアップ> 第15図,第19A図乃至第19E図を用いて「ブロックハン
グアップ」について説明する。
【0097】 第15図若しくは第5図に示すように、互いに並行動作
を行なう複数のブロックが存在する。かかる複数のブロ
ックをグループと考えると、ある1つのグループ(第15
図の例では、BL1が1つのグループを形成する)の全ス
テップ動作が終了して、そのグループに続く他のグルー
プ(第15図の例では、BL2,BL3,BL4からなるGR1)が実行
されるまでの時間経過を監視する必要がある。前述のブ
ロックタイムレジスタTBiは、上記ブロックグループが
起動されるまでの経過時間である。各グループについ
て、測定動作時間を基準時間と比較しつつモニタするこ
とにより、各グループ毎に異常、換言すれば、ブロック
から別のブロック間に遷移する過程で発生した故障を診
断することができようになっている。このような故障が
「ブロックハングアップ」である。本実施例システムに
おいては、ブロックハングアップが発生した場合は、更
に、その原因となった動作ステップを特定することまで
を行なう。
【0098】 「ブロックハングアップ」の原因となった動作ステッ
プを特定する手法について、第19A図乃至第19E図を用い
て説明する。これらの第19A図乃至第19E図は、第5図に
示された生産ラインを、「ブロックハングアップ」の説
明を容易にするために、簡略化したものである。第19A
図においては、生産ラインは、簡単に4つの動作ブロッ
クから構成される。これらの動作ブロックに対する動作
ブロックマップは、簡略化して第19B図のように示され
る。
【0099】 第19B図では、ブロック1からブロック2が起動され
るまでに要する時間をΓ12、ブロック1からブロック3
が起動されるまでに要する時間をΓ1等と表わされてい
る。これらの遷移時間Γは前もって設定可能だからであ
る。例えば、ブロック4は、並行したブロック2,3の終
了により起動される。第15図に関連して説明したよう
に、ブロックタイムレジスタTBiは、当該ブロックが起
動可能になるまではゼロである。そして、起動可能にな
ると、その時刻が格納される。従って、レジスタTBiの
値がゼロでなく、現在までの経過時間が上記Γよりも十
分に大きいときは、ブロックハングアップが起こってい
るものと判断できる。従って、ブロック2,3の終了か
ら、時間Γ24,Γ34が経過してもブロック4が起動され
ない場合は、ブロックハングアップとして故障認識され
る。
【0100】 ブロック4が起動されないためにブロックハングアッ
プが検出されたときは、その原因となった動作ステップ
はブロック2,3のいずれかにある筈である、第19C図は動
作ブロック2の動作ステップマップを、第19D図はブロ
ック3の動作ステップマップを示す。第19C図によれ
ば、ブロック2には4つの動作ステップが設定され、各
々のステップにおける出力は、Y1,Y2,…Y4であり、それ
らの出力アクチュエータの確認スイツチをX1,X2,…X4で
ある、また、第19D図によれば、ブロック3には3つの
動作ステップが設定され、各々のステップにおける出力
は、Y5,Y6,Y7であり、それらの出力アクチュエータの確
認スイツチをX5,X6,X7である。上記確認スイツチX1乃至
X7の状態は、ブロック2,3を終了する時点では、ブロッ
ク毎にユニークであり、且つ、事前に知り得るものであ
る。第19E図の起動条件マップは、第19A図の例に示され
た4つの動作ブロックの夫々が起動されるための条件、
即ち、動作確認スイツチの状態論理を示すものである。
図中、ブロック4について言えば、ブロック2では出力
Y1乃至Y4がオンされて、確認スイツチX1乃至X4までがオ
ンされている。また、ブロック3では出力Y4乃至Y7がオ
ンされて、確認スイツチX4乃至X7までがオンされてい
る。従って、ブロック4が正常に起動されるときは、 X1*X2*…*X7 でなくてはならない。ブロック2,3はブロック1の終了
によって起動される。従って、ブロック2,ブロック3の
起動条件はブロック1の全動作ステップの確認スイツチ
の状態の論理積となる。尚、第19E図において、〈N〉
は、確認スイツチが出力Yが“出”状態にあることを確
認する状態にあることを意味し、〈I〉は、確認スイツ
チが出力Yが“戻り”状態にあることを確認する状態に
あることを意味する。
【0101】 このように、各動作ブロックの起動条件に、そのブロ
ックの前段のブロックの全動作ステップの出力を確認す
るデバイスの状態を論理積として組み合せたものをプロ
グラム化すれば、当該動作ブロックの起動は、前段の動
作ブロックの全動作ステップの正常な終了を確認しない
限り行なわれない。換言すれば、起動条件が満足されな
ければ、前述のブロックハングアップが起こって、故障
と正しく検知されるのである。しかも、故障が検知され
たブロックが認識されれば、起動条件マップと、実際の
確認スイツチの状態とを比較すれば、どのスイツチが異
常であるか、そして、入出力マップ(第7図)と動作ス
テップマップ(第8図)とを参照することにより、どの
動作ステップのどの出力アクチュエータがおかしかった
かを速やかに知ることができる。
【0102】 生産ラインにおけるシーケンス制御には、経験上、動
作ステップのアクチュエータが、「出」状態でもなく、
「戻」状態でもない状態で停止したり、あるいは、
「出」状態と「戻」状態の両方を示したりする場合があ
る。この原因の1つは、重量の重いアクチュエータがバ
ウンドにより「出」状態でもなく、「戻」状態でもない
「中途半端」な状態に陥ってしまうからである。そし
て、従来では、このような状態は、見掛け上は、シーケ
ンス制御は正常に進んでいくから、その不良確認スイツ
チの状態によって起動される(別の動作ブロックの)筈
の動作ステップが何時までも起動されないという理由で
故障と確認されるに至るものの、しかしながら、その停
止点は、実際に障害が発生した動作ステップとはかけ離
れた動作ステップである可能性が高い。
【0103】 しかしながら、本実施例のブロックハングアップ検知
の手法によれば、前述したように、各動作ブロックの起
動条件に、第19E図のような、前段ブロックの全確認デ
バイスのあるべき論理状態の論理積を設定しているの
で、ある1つの動作ブロックの動作ステップで上述の中
途半端なスイツチ状態に陥って、その動作ステップで故
障と認識できなくても、その動作ブロックが終了して、
次に続く動作ブロックが起動される際に、ブロックハン
グアップとして確認できる。即ち、故障のあった動作ス
テップと故障認識が行なわれた動作ステップとが時間的
にも空間的に余り離れたものとはならず、故障診断が正
確になるばかりでなく、復旧もより速やかになるという
効果がある。
【0104】 上述したような、ステップタイムオーバ、ステップハ
ングアップ、ブロックハングアップ等により故障が検知
されると、故障ステップの特定により、動作ステップマ
ップ(第8図)から、障害のあるアクチュエータが特定
される。第8図に示すように、1つの動作ステップは1
つのアクチュエータに対応するからである。ここで、故
障アクチュエータから、このアクチュエータがどのよう
な状態で停止しているか、即ち、このアクチュエータの
動作を定義するLS(出と戻りの2つリミツトスイツチL
S)がどのような状態になっているかを知る必要があ
る。
【0105】 第7図の入出力マップ及び第8図の動作ステップマッ
プはこのLSの状態を知るのに使われる。第8図の動作ス
テップマップにおいては、アクチュエータ識別番号欄が
設けられている。この識別番号は、それに対応するステ
ップ(例えば、B0S0)で使われるアクチュエータを識別
する番号(例えば、A01)である。この識別番号は入出
力マップの個々のアイテムの番号である。第7図の入出
力マップは、個々のアクチュエータの動作タイプや接点
名を示すだけではなく、出状態を示す接点と戻り状態を
示す接点との関係をも記述する。アクチュエータは往復
動作を行なうから、1つのアクチュエータには必ず、出
状態と戻り状態とがペアで存在する。第7図の入出力マ
ップにおいて、「対応関係」は、そのペア関係を記述し
ている。例えば、BFというアクチュエータ(このアクチ
ュエータは番号A02で識別される)の対応関係の欄には
“A03"と記されている。即ち、BFアクチュエータが出状
態にあるときを番号A02により特定し、この出状態に対
応する戻り状態は、番号A03にあるということを示して
いる。
【0106】 従って、故障診断システムは、故障ブロック番号と故
障動作ステップ番号とを得たならば、動作ステップマッ
プから故障したアクチュエータの識別番号を知り、この
番号から、この故障アクチュエータには、どのようなLS
が設定されているかを知ることができる。そして、どの
LSが設けられているかを知ることができれば、そのLSの
状態を読出して、例えば、表示すること等により、操作
者に故障状態を伝えることができる。
【0107】 第7図の入出力マップは、実際の動作シーケンスを記
述する動作ステップマップ(第8図)や、ラダープログ
ラム(第11図)とは独立している。即ち、生産ラインが
変更されて、動作ステップマップ(第8図)やラダープ
ログラム(第11図)が修正されても、入出力マップを修
正する必要はない。即ち、生産ラインの変更毎に故障診
断プログラムを修正する労力から解放される。
【0108】 尚、上記標準実行時間τは、例えば、正常作動時にお
ける所定回数のサイクルについての測定動作時間の平均
値(TSxi)と標準偏差値σとで規定される、例えば、 τ=(TSxi)+3σ ……(4) と定義することが好ましい。より好ましくはサイクル毎
にデータτが更新される方がよい。何故なら、アクチュ
エータの動作特性は経年変化するからである。また、ブ
ロックハングアップの検出に用いる時間Γ(第6図の動
作ブロックマップを参照)についても、経年変化を考慮
して、実際に要した時間に基づいて更新することが望ま
しい。
【0109】 <制御手順> 次に、第16A図乃至第16C図に従って、本実施例システ
ムにおける制御動作を説明する。
【0110】 第16A図は、動作ブロックマップ,動作ステップマッ
プに従って、当該生産ラインの各アクチュエータをラダ
ープログラム200の動作を監視するマップ制御プログラ
ム201の制御手順である。このプログラムが起動される
とステップS2で、初期化を行ない、起動可能な最初のブ
ロックグループを検出する。このグループには1つのブ
ロックを含む場合もあれば複数のブロックを含む場合も
ある。
【0111】 ステップS4では、新たに起動可能とされたブロックの
存在を調べる。このステップS4の目的は、主に、ある1
つの動作ブロックの全ステップ動作が終了して、この動
作ブロックに続く実行可能な動作ブロックが存在するか
を調べるものである。このようなブロックが存在すれば
(ステップS2から起動された場合は、実行可能な動作ブ
ロックは存在する筈である)、ステップS6では、そのブ
ロック番号を検出する。かかるブロック番号をiとし、
この番号は、当然、複数の番号を含み得るものである。
グループで実行可能な場合があるからである。
【0112】 ステップS8では、そのような動作ブロックの動作ステ
ップマップを読み込み、ステップS10でその動作ブロッ
クを実行中とマークする。ステップS12では、実行可能
な動作ステップがあるかを調べる。動作ステップが実行
可能となるのは、CSレジスタに示されている動作ステッ
プの動作が終了しているときであり、監視プログラム20
2のステップS54(第16B図)で行なわれる。実行可能な
動作ステップが当該動作ブロックにあれば、ステップS3
2で、当該動作ブロックiのタイマレジスタTS Siに現在
時刻を開始時刻として書込む。ステップS32の動作を実
行可能な動作ステップがある限り行なう。実際には、グ
ループ内に複数の動作ブロックが存在すれば、その動作
ブロックの各々で1つの動作ステップが実行されること
になろう。
【0113】 実行可能な動作ステップが全て起動されると、いずれ
かの動作ステップの動作が終了するまでは、ステップS1
2の判断はNOとなって、ステップS14に進み、いずれかの
動作ステップの実行終了を待つ。
【0114】 いずれかの動作ステップの実行が終了したと終了信号
がラダープログラム側からシーケンス制御プログラムに
伝えられたら、ステップS14からステップS16に進む。こ
こで、終了した動作ブロック番号iと動作ステップ番号
(第13図参照)を読む。このiにより終了した動作ステ
ップを含む動作ブロックが特定できる。ステップS18で
は、終了時刻を当該動作ブロックiのタイマレジスタTS
eiに書込み、ステップS20では、次に実行すべき動作ス
テップを示すためにCSレジスタを1つインクリメントす
る。
【0115】 このような動作を行なっていけば、アクチュエータ動
作を終了した動作ステップから順に、対応するブロック
のCSレジスタが更新されると共にTSeiも更新されてい
く。
【0116】 一方、監視プログラム202は、第16B図のステップS40
において、ラダープログラム200からのステップ終了信
号を監視している。いずれかのラダー要素でアクチュエ
ータ動作終了があったときは、ステップS42に進み、ラ
ダープログラム側から知らされた当該ブロック番号i、
ステップ番号を読取る。そして、ステップS44で、この
ブロック番号iからそのブロックのタイマ値TS SiとTSe
i並びに、動作ステップマップから当該動作ステップの
実行予測時間τを読取り、(1)式に従って経過時間TS
xiを演算する。そしてステップS46で、実行に要した時
間TSxiが異常に長かったかを判断する。
【0117】 ステップS46の判断がOKであれば、ステップS52に進ん
で、当該動作ブロックのタイマレジスタの内容をクリア
し、ステップS54では、現在レジスタCSiに示されている
動作ステップを実行可能とマークする。このCSiで示さ
れる動作ステップは、ステップS20で更新したように、
終了した次の動作ステップである。
【0118】 ある動作ブロックの動作ステップが実行可能とマーク
されると、シーケンス制御プログラムの第16A図のステ
ップS12でYESと判断されて次の動作ステップの実行が行
なわれていく。
【0119】 このように次々と動作ステップが実行されると、ある
動作ブロックについて、ステップS22において、CSレジ
スタの内容が最終ステップ番号を超えるとき、即ち、そ
の動作ブロックの全処理を終了したとなるときがくる。
このときはステップS24で、当該ブロックを終了とマー
クし、ステップS26では、現在のブロックの次に起動さ
れるべきブロックのためのタイマTBijに現在時刻を書込
む。ここで、TBijは、ブロックiが終了して、このブロ
ックiの次に起動されるべきブロックjが存在すること
を明示するためのタイマであり、第19B図のΓ12等に対
応する。尚、タイムレジスタTBは次に起動されるべき動
作ブロックの最初の動作ステップが起動されれば、ステ
ップS30でクリアされる。
【0120】 ステップS26からステップSS4に戻り、新たに実行可能
な動作ブロックを探す。例えば、第5図の例で、B0の処
理が終了してステップS4に戻ったときに、まだB1の処理
が終了していなければ、B3は実行可能とマークされな
い。次に、第16B図のステップS46に戻って、ステップタ
イムオーバ故障の発見の手順について説明する。
【0121】 ステップS46で、 TSxi−τ>δ0 と判断されたときは、当該動作ステップの実行にかかっ
た時間が異常に長かったのであるから、ステップS48
で、その動作ステップの属する動作ブロックを故障とマ
ークし、ステップS49で、予想時間τの更新を行なう。
この更新処理は第16D図にその詳細が示されており、動
作ステップの処理に実際に要した時間Txiと予想時間τ
との差が小さくて、即ち、 (Txi−τ)/τ<ε(≪1) であって、要した時間Txiがτよりも若干長かった場合
には、それは設備の経年変化によるものと判断して、ス
テップS102において、過去のTxiと今回のTxiとから、次
回のためのτを計算して更新する。このような更新によ
り経年変化をも考慮した正確な故障検知が可能となる。
【0122】 第16B図の制御手順において、ステップS50で診断プロ
グラム(第16C図)を起動してから、ステップS40に戻
る。ステップS40に戻るのは、他の動作ブロックの動作
ステップにおいても故障を検出するためである。また、
故障検出を行なってシーケンス制御プログラム(第16A
図)の実行を停止しないのは、1つの動作ブロックを停
止しても、並行動作すべき動作ブロックがあるので、そ
の動作ブロックの動作を停止してはならないからであ
る。他の動作ブロックを停止しなくてもよいのは、そも
そも、動作ブロックが他の動作ブロックと独立して動作
することを条件に定義されたものだからである。
【0123】 ステップS56以下は、ブロックハングアップ若しくは
ステップハングアップを検出する手順である。
【0124】 ある動作ステップでラダープログラムがハングアップ
した場合の対処を説明する。かかる場合は終了信号は発
生しない。従って、ステップS40からステップS56に進
む。ステップS56では、一定時間の経過を見る。これ
は、前回ステップS56に来てから現在時点(時刻TP)ま
での経過時間が一定の値を超えたかを見るものであり、
換言すれば、ブロックハングアップ若しくはステップハ
ングアップの有無ははこの一定時間毎にチェックされる
ということである。ステップS58では、実行中とマーク
されている動作ステップをサーチする。これは、実行中
とマークされている動作ブロックの各CSレジスタの内容
が特定の動作ステップを指し、且つ、TS Siに開始時間
が書込まれていながら、TSeiが未だ更新されていないも
のである。ステップS60では、現在までの経過時間TP−
TS Siを計算し、ステップS62では、(3)式に従って、 TP−TS Si>δ1 ……(3) を判断する。判断がYESであれば、ステップS64に進み当
該ブロックをステップハングアップ故障とマークする。
【0125】 ステップS58で、実行中の動作ステップがないと判断
された場合について説明する。この場合は、ステップS7
0では、ブロックタイムレジスタTBijの値がゼロでない
ブロックjをサーチする。ステップS26に関連して前述
したように、TBijがゼロでないものは、ブロックiが終
了してもそれに続くブロックjが未だ起動されていない
ことを示す。ステップS72では、そのようなブロックに
おける動作ステップが未起動のままの経過時間と前記予
想時間Γijとの差、 (TP−TBij)−Γij を計算する。そして、その差が定数δ2よりも大きいな
らば、ステップS76でブロックハングアップと判断す
る。ステップS78では、故障診断プログラム(第16C図)
を起動する。
【0126】 第16C図に従って、故障診断プログラム203について説
明する。
【0127】 この故障診断プログラムは、故障がブロックハングア
ップであるか、あるいはステップタイムオーバ,ステッ
プハングアップであるかにより、処理を若干異にする。
ステップタイムオーバ,ステップハングアップが検出さ
れれば、故障動作ステップが直接的に知ることができる
のに対し、ブロックハングアップの場合は、故障動作ス
テップを遡って追跡する必要があるからである。
【0128】 ステップタイムオーバ,ステップハングアップ故障の
場合は、ステップS82において、故障とマークされたブ
ロックをサーチする。このマークはステップS48若しく
はステップS66でなされたものである。ステップS72で
は、検出されたブロックのCSレジスタの内容を読み、故
障した動作ステップを特定する。ステップS74では、動
作ステップマップから故障したアクチュエータの識別番
号を知る。ステップS76では、この識別番号から入出力
マップ(第7図)をサーチし、ステップS78で、この識
別番号を有するアクチュエータの出と戻りのLSの番号を
知る。ステップS80では、これら知り得た。故障の起こ
った動作ブロック番号,動作ステップ番号アクチュエー
タ番号,LS番号を表示して、操作者に対処をうながす。
【0129】 ステップS80ではブロックハングアップが検出された
場合について説明する。この場合は、ステップS96で、
ブロックハングアップが検出されたブロック番号に対応
する起動条件マップ(第19E図)を読み込む。ステップS
98では、マップに書かれている確認スイツチの論理状態
と、それらの確認スイツチの実際状態とを比較して不一
致の確認スイツチを探す。この不一致スイツチデバイス
の特定がなされれば、次に、ステップS100で、ハングア
ップが検出されたブロックの親ブロックをブロックマッ
プ(第6図)からサーチする。ステップS102では、検出
された親ブロックの動作ステップマップ(第8図)か
ら、上記不一致スイツチを使用している動作ステップを
特定、これからステップS102で、この動作ステップのア
クチュエータ番号やL/S番号を特定してステップS92に進
む。ステップS92では、これらを表示する。以上のよう
にしてサーチされた故障箇所が、デイスプレイ装置8の
モニタ画面上で所定の色で強調表示される。そして、作
業者による故障箇所の復旧作業が行なわれる。
【0130】 以上説明した「ステップタイムオーバ」や「ステップ
ハングアップ」の検出は、基本的には、ステップラダー
プログラム203とは独立したプログラムにより行なわれ
ている。このことは次のような効果を奏する。即ち、ス
テップラダープログラムには、上記故障検出するための
所謂、「トラップ回路」を設ける必要がなくなるという
ことである。第20図の(b)において、MYは、インタ
ーロツク条件ILCが満足されたことによる出力であり、
MYが出力されると、アクチュエータ出力Yが出力され
る。従来では、第20図の(b)に示すように、スイツチ
MYが閉じたら起動されるタイマ回路Tを設け、このタ
イマがタイムアウトする前に、出力Yを確認するスイツ
チXLSが開かなければ故障(ALMオン)とするものであ
った。しかし、本実施例によれば、このようなタイマ回
路は不要になり、第20図(a)のように、本来の生産シ
ーケンス制御に必要なステップラダープラグラムのみを
作成すればよいことになる。
【0131】 <故障復旧> 以上が、本実施例システムに用意された故障検出/故
障診断の手法である。次に、このように検出された故障
からシステム全体を再起動する手法(第1図の故障復旧
サブシステム103)について説明する。
【0132】 第1図に関連して説明したように、この復旧サブシス
テム103は、前もって生成された復旧プログラム102に基
づいて復旧を行なうものである。従って、本システムに
おける復旧プログラムの自動生成について説明する。
【0133】 第21図は、本復旧サブシステムの動作原理を説明す
る。あるブロックBnの実行中に、その動作ステップBnS5
において故障があったとすると、従来では、マニュアル
操作により、BnS5→BnS6…とステップを進めていた。し
かしながら、この従来の手法では、復旧処理が自動化さ
れないばかりでなく、マニュアルによるステップ進行が
途中で行き詰まってしまう場合が多発していた。
【0134】 本復旧サブシステムでは、第21図に示すように、故障
した動作ステップBnS5から、逆戻りを行ない、このブロ
ックBnの先頭BnS1まで戻し、この先頭の動作ステップBn
S1から再起動をかけるものである。即ち、リカバリ処理
における逆戻りのラダープログラム(RRPと称する)
は、通常のシーケンス制御時におけるラダープログラム
が第11図のものであれば、第22図のようなものになる。
第11図と第22図とを比較すれば分かるように、このリカ
バリ用のラダープログラムRRPは、第11図のある動作ス
テップにおける出力Ynの動作確認スイツチを、その前段
の動作ステップの手動インターロツク条件とするという
ものである。
【0135】 具体的に説明する。第8図の動作ステップマップをラ
ダープログラム化した第11図のステップラダープログラ
ムにおいて、動作ステップB0S1の出力Y1は、その動作を
スイツチX1により確認され、動作ステップB0S2における
出力Y2となる。この出力Y2はその動作をスイツチX2によ
り確認されるようになっている。一方、第22図のRR8で
は、出力Y3の確認スイツチX3が閉じることにより、マニ
ュアル的に出力Y2が出力され、このY2の確認スイツチX2
がとじると、RR9において、出力Y1が出力される。この
ように、リカバリ用のラダープログラムRRPでは、RRPに
対応するステップラダープログラムSRPの出力の確認ス
イツチを、当該RRPの後段のインターロツク条件に入力
することにより、第21図で説明した逆戻り制御を実現し
ている。
【0136】 第17図は、上述の逆戻り用のラダープログラムRRPを
自動生成するためのプログラムのフローチヤートであ
り、このプログラムは第1図のサブシステム106にあ
り、あるいは、第13図の自動生成部90に格納されてい
る。
【0137】 この自動生成プログラムが起動されると、第17図のス
テップS150において、生成対象のブロック番号nを指定
するように操作者に促す。ステップS152では、そのブロ
ック番号に該当する動作ステップマップを読み込む。ス
テップS154では、シーケンス制御ラダープログラムSRP
のステップ番号に相当するmを最大値に初期化する。ス
テップS156では、リカバリプログラムRRPのステップ番
号に相当するkを“1"に初期化する。ステップS158で
は、動作のステップマップから、SRPのBnSmの出力Ym
を、RRPkの出力Ykに割り付ける。ステップS160では、Bn
Smの出力Ymの確認スイツチXmをRRPkのインターロツク条
件に割り付ける。ステップS162では、kをインクリメン
トし、ステップS164では、mを1つデクリメントする。
上記操作を、ステップS166で、m=0となるまで繰返
す。
【0138】 このようにして、復旧プログラム102が自動生成さ
れ、復旧スイツチ(不図示)が操作者に押されるまで起
動されずに、ハードウエアデイスク77に格納されてい
る。
【0139】 第18図は、上記復旧スイツチが操作者により押された
場合に起動される復旧サブシステムの制御プログラムの
制御手順を示す。故障が発生した場合は、その故障がス
テップタイムオーバあるいはステップハングアップであ
れば、発生したブロックにおいて、故障動作ステップが
第16C図の制御手順によりCSレジスタにより示されて停
止している。その他のブロックは、当該故障ブロックの
再起動を待って待機している。また、ブロックハングア
ップであれば、第16C図の制御手順により、故障動作ス
テップが特定された状態でシステムは再起動を待ってい
る。第18図においてスイツチが押されると、ステップS1
82で、上述のようにして特定された故障ブロック及び故
障動作ステップを入力する。ステップS184では故障ブロ
ックに対応する復旧プログラムをデイスク77から読出し
てきて、そのプログラムをシーケンサにロードする。ス
テップS186では、このリカバリラダープログラムRRP
を、ステップS182で知った故障動作ステップに対応する
ステップ番号kから起動する。ステップS188では、この
リカバリプログラムの終了を待って、ステップS190で、
ステップラダープログラムSRPをシーケンサに再ロード
して、ステップS192でこのラダープログラムを再起動す
る。
【0140】 <実施例の効果> 以上、説明したように、本実施例の故障検知/故障診
断/復旧システムによれば、 (1):ステップタイムオーバ検出、ステップハングア
ップ検出、ブロックハングアップ検出により、簡単で的
確な故障検出ができる。
【0141】 即ち、本実施例システムのステップタイムオーバ検
出、ステップハングアップ検出では、従来のように、故
障検出回路をラダープログラムに組み込む必要がなくな
り、簡素化がなされた。
【0142】 特に、ステップタイムオーバ検出では、基準予想時間
τは実際のデータを基に更新されるので、その検出精度
は確保される。
【0143】 また、ブロック起動条件を各ブロックの起動条件に組
み込むことにより、中途半端な状態に確認スイツチが入
ってしまったというような故障状態を、ブロックハング
アップ状態として認識することができる。この認識によ
り、動作ステップが多く進まないうちの早めに、かかる
故障状態がブロックハングアップとして検出でき、その
結果より的確な故障診断が行なえる。
【0144】 (2):シーケンスラダープログラムSRPの出力Yの確
認スイツチを、リカバリラダープログラムRRPのインタ
ーロツク条件とすることにより、動作ステップマップだ
けを便りにして、リカバリプログラムが極めて容易に自
動生成することができる。また、このリカバリプログラ
ムを起動させて、故障したブロックを一旦初期状態に戻
してから再起動を欠けるという手法を取ることにより、
復旧がより確実なものとなる。
【0145】 <変形例> 本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能
である。例えば、上記実施例は本発明を自動車の生産ラ
インに適用したものであったが、当然ながら本発明はそ
のような適用分野に限定されるものではない。少なくと
もシーケンス制御を行なうものであれば適用可能であ
る。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明では、複
数の駆動デバイスを備え、1つの駆動デバイスの動作が
1つまたは複数の動作ステップにより表現されたラダー
プログラムに従って制御される生産ラインの故障診断方
法であって、前記生産ラインの動作を複数の動作ブロッ
クに区分すると共に、その夫々の動作ブロックをその動
作開始から終了まで他の動作ブロックから独立して動作
するように記述した動作ブロックマップと、前記夫々の
動作ブロックマップを、前記1つの駆動デバイスの出力
動作を伴う1つまたは複数の動作ステップに区分すると
共に、その夫々の動作ステップについて、予め設定した
作動予想時間と、該駆動デバイスの動作を確認する確認
デバイスによる確認動作とを記述した動作ステップマッ
プと、前記動作ブロックマップと前記動作ステップマッ
プとに基づいて、前記複数の駆動デバイスの出力動作
と、それら駆動デバイスに対応する前記確認デバイスの
確認動作とを記述したラダープログラムと、前記ラダー
プログラムから独立して動作するように記述した監視プ
ログラムと予め作成する準備工程と、前記ラダープログ
ラムと前記監視プログラムとを実行する実行工程とから
なり、前記準備工程において、前記監視プログラムを、
前記動作ステップの実行開始及び実行終了を表わす情
報、或いは、前記駆動デバイスの出力動作タイミング及
び前記確認デバイスによる確認動作終了を表わす情報を
前記ラダープログラムから入手し、それらの情報に基づ
いて前記動作ステップの実動作時間を監視する監視工程
と、前記動作ステップマップに記述された作動予想時間
を入手し、その作動予想時間と、前記動作ステップの実
動作時間とを比較し、その比較結果に基づいて、故障し
た駆動デバイスの出力動作が記載された動作ステップを
特定する特定工程とを実行するように記述した。
【0147】 従って、この故障診断方法を実現すべく、前記実行工
程において前記ラダープログラムと前記監視プログラム
とを実行すれば、ラダープログラムの動作から独立して
動作する監視プログラムの機能により、動作ステップマ
ップに予め設定された作動予想時間と、実動作時間とを
比較するだけで、故障した駆動デバイスの出力動作が記
載された動作ステップを確実に判定することができる。
換言すれば、ラダープログラム側には、従来のようなタ
イマ監視回路は不要であるため、ラダープログラムの構
造を簡便に構成することででき、プログラム作成を容易
にすることができる。 また、請求項1の発明が前提とするラダープログラム
は、動作ブロックについて、1つの動作ブロックはその
開始から終了まで他の動作ブロックから独立して動作す
るという特質を前提としている。このために、動作ステ
ップの判定に加え、動作ブロックレベルでの故障をも特
定可能とすることができた。
【0148】 また、請求項2の方法に拠れば、前記作動予想時間が
前記実動作時間と異なるときは、ラダープログラムや監
視プログラムに手を加えること無く、前記動作ステップ
マップに記述された予想動作時間を、該実動作時間に基
づいて補正するだけで、駆動デバイスに経年変化が生じ
ても、精度の高い故障診断が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例に具備された機能をブロック的に
示した図、
【図2】 本発明を自動車の組立ラインに適用した場合の、その組
立ラインの構成を説明する図、
【図3】 本発明を自動車の組立ラインに適用した場合の、その組
立ラインの構成を説明する図、
【図4】 本発明を自動車の組立ラインに適用した場合の、その組
立ラインの構成を説明する図、
【図5】 上記組立ラインを動作ブロックに分解した場合におけ
る、それらの動作ブロック間の接続関係を説明する図、
【図6】 動作ブロックマップの構造を説明する図、
【図7】 入出力マップの構造を説明する図、
【図8】 動作ステップマップの構造を説明する図、
【図9A】 設備をアクチュエータによりシンボル化した場合の表記
を説明する図、
【図9B】 1つのアクチュエータの論理を説明する図、
【図9C】 ステップラダーパターンの1つの例を示す図、
【図10A】 ステップラダーパターンの他の例を示す図、
【図10B】 ステップラダーパターンの他の例を示す図、
【図10C】 ステップラダーパターンの他の例を示す図、
【図11】 第5図に示した例の動作ブロック0についてのラダープ
ログラム要素を示す図、
【図12】 実施例システムのハード構成を説明するブロック図、
【図13】 本実施例システムにおける、ラダープログラムとシーケ
ンス制御プログラムと監視プログラムと故障診断プログ
ラムとの関係を説明する図、
【図14】 故障検出の手法を説明する図、
【図15】 故障検出の手法を説明する図、
【図16A】 シーケンス制御プログラムの制御手順を示すフローチヤ
ート、
【図16B】 監視プログラムの制御手順を示すフローチヤート、
【図16C】 故障診断プログラムの制御手順を示すフローチヤート、
【図16D】 動作ステップの実行予想時間を実際のデータに併せるた
めの制御手順のフローチヤート、
【図17】 復旧用のラダープログラムを自動生成するための制御プ
ログラムの手順を示すフローチヤート、
【図18】 自動生成された復旧用ラダープログラムを実行するため
の制御プログラム手順を示すフローチヤート、
【図19A】 ブロックハングアップを検出するための原理を説明する
図、
【図19B】 ブロックハングアップを検出するための原理を説明する
図、
【図19C】 ブロックハングアップを検出するための原理を説明する
図、
【図19D】 ブロックハングアップを検出するための原理を説明する
図、
【図19E】 ブロックハングアップを検出するための原理を説明する
図、
【図20】 本実施例システムにおける、基準時間を設定し、この基
準時間と動作ステップの経過時間とを比較することによ
り動作ステップにおける故障を検出することの優位性を
従来例との比較で説明する図、
【図21】 本実施例における復旧手順を原理的に説明する図、
【図22】 リカバリラダープログラムの一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/418 B23Q 41/08 G05B 23/02 302

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の駆動デバイスを備え、1つの駆動デ
    バイスの動作が1つまたは複数の動作ステップにより表
    現されたラダープログラムに従って制御される生産ライ
    ンの故障診断方法であって、 前記生産ラインの動作を複数の動作ブロックに区分する
    と共に、その夫々の動作ブロックをその動作開始から終
    了まで他の動作ブロックから独立して動作するように記
    述した動作ブロックマップと、 前記夫々の動作ブロックマップを、前記1つの駆動デバ
    イスの出力動作を伴う1つまたは複数の動作ステップに
    区分すると共に、その夫々の動作ステップについて、予
    め設定した作動予想時間と、該駆動デバイスの動作を確
    認する確認デバイスによる確認動作とを記述した動作ス
    テップマップと、 前記動作ブロックマップと前記動作ステップマップとに
    基づいて、前記複数の駆動デバイスの出力動作と、それ
    ら駆動デバイスに対応する前記確認デバイスの確認動作
    とを記述したラダープログラムと、 前記ラダープログラムから独立して動作するように記述
    した監視プログラムとを予め作成する準備工程と、 前記ラダープログラムと前記監視プログラムとを実行す
    る実行工程とからなり、 前記準備工程において、前記監視プログラムは、 前記動作ステップの実行開始及び実行終了を表わす情
    報、或いは、前記駆動デバイスの出力動作タイミング及
    び前記確認デバイスによる確認動作終了を表わす情報を
    前記ラダープログラムから入手し、それらの情報に基づ
    いて前記動作ステップの実動作時間を監視する監視工程
    と、 前記動作ステップマップに記述された作動予想時間を入
    手し、その作動予想時間と、前記動作ステップの実動作
    時間とを比較し、その比較結果に基づいて、故障した駆
    動デバイスの出力動作が記載された動作ステップを特定
    する特定工程と、 を実行するように記述する ことを特徴とする生産ラインの故障診断方法。
  2. 【請求項2】前記作動予想時間が前記実動作時間と異な
    るときは、前記動作ステップマップに記述された予想動
    作時間を、該実動作時間に基づいて補正する ことを特徴とする請求項の第1項に記載の生産ラインの
    故障診断方法。
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