JP3095702B2 - 車両用前照灯光軸方向自動調整装置 - Google Patents

車両用前照灯光軸方向自動調整装置

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JP3095702B2
JP3095702B2 JP6263497A JP6263497A JP3095702B2 JP 3095702 B2 JP3095702 B2 JP 3095702B2 JP 6263497 A JP6263497 A JP 6263497A JP 6263497 A JP6263497 A JP 6263497A JP 3095702 B2 JP3095702 B2 JP 3095702B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に配設される
前照灯による照射の光軸方向を自動的に調整する車両用
前照灯光軸方向自動調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の前照灯においては、車体の
傾きによって前照灯の光軸方向が上向きになると対向車
等に眩光を与えたり、光軸方向が下向きになると運転者
の遠方視認性が低下することとなるため、前照灯の光軸
方向を一定に保持したいという要望がある。
【0003】これに関連する先行技術文献としては、実
開平5−29857号公報にて開示されたものが知られ
ている。このものでは、車両が停止中であることを検出
し、そのときの車高変化に基づき前照灯の光軸方向を調
整する技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述するような車両の
停止中のみならず、前照灯の光軸方向を加減速時等にお
ける車体の挙動にも対応させて調整したいという更なる
要望がある。ところが、車両の旋回中には車体姿勢が直
進時に較べて不安定となるため、前照灯の光軸方向の調
整を行うと却って対向車等に眩光を与えたり、運転者の
遠方視認性を損なうというような不具合があった。
【0005】そこで、この発明はかかる不具合を解決す
るためになされたもので、前照灯の光軸方向を車体の挙
動に対応させて調整する際に、車両が旋回中であるかを
考慮することで前照灯の光軸方向をより適切に調整可能
な車両用前照灯光軸方向自動調整装置の提供を課題とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両用前照灯
光軸方向自動調整装置によれば、傾き角演算手段で例え
ば、車両の前部及び後部のそれぞれ1箇所に配設された
車高センサからの出力値に基づき車両の前照灯の光軸方
向の水平面に対する傾き角が算出され、車速検出として
例えば、車輪速センサで検出された車速とそれに基づき
算出された加速度とから走行状態に対応してモード決定
手段で決定された制御モードによってフィルタ切換手段
で前照灯の光軸方向の調整の応答性を変更するフィルタ
が切換えられ、そのフィルタがかけられて得られた角度
に基づき光軸方向調整手段で前照灯の光軸方向が調整さ
れる。ここで、旋回判定手段で車両が旋回中と判定され
たときには光軸方向調整手段による前照灯の光軸方向の
調整が停止される。このように、車両の走行状態に対応
したフィルタが傾き角にかけられることで前照灯の光軸
方向が適切な応答性にて調整される。このとき、車両が
旋回中であれば前照灯の光軸方向の調整が停止されるこ
とで、車体の挙動が不安定であるときの前照灯に対する
光軸方向の調整がより適切なものとなる。
【0007】請求項2の車両用前照灯光軸方向自動調整
装置によれば、傾き角演算手段で例えば、車両の前部及
び後部のそれぞれ1箇所に配設された車高センサからの
出力値に基づき車両の前照灯の光軸方向の水平面に対す
る傾き角が算出され、車速検出として例えば、車輪速セ
ンサで検出された車速とそれに基づき算出された加速度
とから走行状態に対応してモード決定手段で決定された
制御モードによってフィルタ切換手段で前照灯の光軸方
向の調整の応答性を変更するフィルタが切換えられ、そ
のフィルタがかけられて得られた角度に基づき光軸方向
調整手段で前照灯の光軸方向が調整される。ここで、旋
回判定手段で車両が旋回中と判定されたときには光軸方
向調整手段による前照灯の光軸方向が初期設定位置に戻
される。このように、車両の走行状態に対応したフィル
タが傾き角にかけられることで前照灯の光軸方向が適切
な応答性にて調整される。このとき、車両が旋回中であ
れば前照灯の光軸方向が初期設定位置に戻されること
で、車体の挙動が不安定であるときの前照灯に対する光
軸方向の調整がより適切なものとなる。
【0008】請求項3の車両用前照灯光軸方向自動調整
装置によれば、傾き角演算手段で例えば、車両の前部及
び後部のそれぞれ1箇所に配設された車高センサからの
出力値に基づき車両の前照灯の光軸方向の水平面に対す
る傾き角が算出され、車速検出として例えば、車輪速セ
ンサで検出された車速とそれに基づき算出された加速度
とから走行状態に対応してモード決定手段で決定された
制御モードによってフィルタ切換手段で前照灯の光軸方
向の調整の応答性を変更するフィルタが切換えられ、そ
のフィルタがかけられて得られた角度に基づき光軸方向
調整手段で前照灯の光軸方向が調整される。ここで、旋
回判定手段で車両が旋回中と判定されたときには光軸方
向調整手段による前照灯の光軸方向の調整の応答性が遅
くなるようにされる。このように、車両の走行状態に対
応したフィルタが傾き角にかけられることで前照灯の光
軸方向が適切な応答性にて調整される。このとき、車両
が旋回中であれば前照灯の光軸方向の調整の応答性が遅
くなるように例えば、強いフィルタがかけられること
で、車体の挙動が不安定であるときの前照灯に対する光
軸方向の調整がより適切なものとなる。
【0009】請求項4の車両用前照灯光軸方向自動調整
装置では、旋回判定手段で車両が旋回中と判定されても
光軸方向調整手段で直ちに旋回時における前照灯の光軸
方向の調整が実行されることなく、所定期間経過してか
ら実行される。これにより、前照灯の光軸方向が安定し
ほぼ正規位置となったのち調整が実行されるため、車両
の旋回中における前照灯に対する光軸方向の調整におい
て対向車等に眩光を与えることが防止され、運転者の遠
方視認性を向上することができるという効果が得られ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる車両用前照灯光軸方向自動調整装置の全体構成を示
す概略図である。
【0012】図1において、車両の前部及び後部の運転
席側または助手席側の車軸と車体との間のサスペンショ
ンにはそれぞれフロント(前輪)側のハイトセンサ(車
高センサ)11F、リヤ(後輪)側のハイトセンサ(車
高センサ)11Rが取付けられている。このハイトセン
サ11F,11Rからは前輪側の車軸及び後輪側の車軸
と車体との相対変位量(車高の変位量)としてのフロン
トハイト値(前輪側の車高の変位量)HF及びリヤハイ
ト値(後輪側の車高の変位量)HR、また、車速センサ
としての車両側に配設され周知のABS(Antilock Brak
e System)制御等で用いられている車輪速センサ12か
ら車輪速パルス等の各種センサ信号が車両に搭載された
ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)20
に入力される。なお、ECU20及び車輪速センサ12
は便宜上、車両の外部に図示されている。
【0013】ECU20は、周知の中央処理装置として
のCPU21、制御プログラムを格納したROM22、
各種データを格納するRAM23、B/U(バックアッ
プ)RAM24、入出力回路25及びそれらを接続する
バスライン26等からなる論理演算回路として構成され
ている。
【0014】そして、ECU20からの出力信号が車両
の左右のヘッドライト(前照灯)30L,30Rの各ア
クチュエータ35L,35Rに入力され、後述するよう
に、左右のヘッドライト30L,30Rの光軸方向が調
整される。なお、車輪速センサ12等からの各種センサ
信号は、車両の停車モード、加速モード、減速モード、
定速モード等のモード判定に用いられる。
【0015】図2は図1のヘッドライト30L(30
R)の要部構成を示す断面図である。図2において、ヘ
ッドライト30L(30R)は主として、ランプ31と
そのランプ31を固定するリフレクタ32、そのリフレ
クタ32を円弧矢印方向に揺動自在に支持する一方のロ
ッド状の支持部33及びリフレクタ32を支持すると共
に可動自在な他方のロッド状の可動部34、その可動部
34を前後矢印方向に駆動するステップモータまたはD
Cモータ等からなるアクチュエータ35L(35R)に
て構成されている。このため、可動部34がアクチュエ
ータ35L(35R)にて前後方向に駆動されることで
支持部33の先端を支点としてリフレクタ32が上下方
向に後述のアクチュエータ駆動角(目標光軸方向調整角
度)θaだけ傾けられ、ヘッドライト30L(30R)
の光軸方向が調整される。なお、ヘッドライト30L
(30R)の光軸方向は運転者1名が乗車した状態を想
定して初期設定されている。
【0016】次に、本実施例の車両用前照灯光軸方向自
動調整装置で用いられる車両の前後方向のピッチ角θp
の算出について述べる。
【0017】ECU20内に入力される車両の各種セン
サ信号のうちハイトセンサ11F,11Rからのフロン
トハイト値HF及びリヤハイト値HRに基づき車両の前
後方向の予め設定された基準面に対する傾き角としての
ピッチ角θp 〔°〕が、次式(1)にて算出される。こ
こで、Lw は前輪及び後輪のホイールベース(軸間距
離)である。
【0018】
【数1】 θp =tan -1{(HF−HR)/Lw } ・・・(1) 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前
照灯光軸方向自動調整装置で用いられる制御モードに対
応するフィルタ領域を示すテーブルであり、横軸を車速
V〔km/h〕、縦軸をその車速Vが微分された加速度
dV/dt〔m/s2 〕としたときの車両の制御モード
(停車モード、加速モード、減速モード、定速モード)
に対応する各フィルタ領域A,B,Cが表されている。
これらのフィルタとしては、ハイトセンサ信号に対して
ハードウェア(例えば、CR回路による信号の平滑化)
によるもの、ハイトセンサ信号またはピッチ角に対して
ソフトウェア(例えば、ECUによる移動平均や標準偏
差を用いた信号の平滑化)によるものがあり、本システ
ムでは元々ECUが内蔵されているためコスト的に有利
なピッチ角に対する移動平均を用いるものとする。
【0019】ここで、図3のテーブルでは、車速Vが数
km/h(例えば、2〔km/h〕)未満のときには停
車モードに対応したフィルタAとされ、停車時には荷物
の積卸し等で大きなピッチ角変動が予想されるためフィ
ルタをかけないか、ごく弱いフィルタをかけてそのピッ
チ角変動に対し素早くアクチュエータを応答させるよう
にする。一方、車速Vが数km/h(例えば、2〔km
/h〕)以上であって、その車速Vを微分して算出され
た加速度dV/dtが予め設定された閾値(例えば、±
2〔m/s2 〕)を越えているときには加速モードまた
は減速モードに対応したフィルタBとされ、ピッチ角変
動も大きいためフィルタをかけないか、ごく弱いフィル
タをかけてそのピッチ角変動に対し素早くアクチュエー
タを応答させるようにする。また、車速Vが数km/h
(例えば、2〔km/h〕)以上であって、その車速V
を微分して算出された加速度dV/dtが予め設定され
た閾値(例えば、±2〔m/s2 〕)未満のときには定
速モードに対応したフィルタCとされ、通常、大きなピ
ッチ角変動はないと予想されるため走行時の振動の高周
波成分や路面の凹凸によるピッチ角変動を除去するよう
強いフィルタをかけてアクチュエータを応答させないよ
うにするものである。
【0020】図4は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されてい
るECU20内のCPU21の光軸制御の処理手順を示
すフローチャートである。なお、本ルーチンは約50m
s毎に実行される。
【0021】図4において、ステップS101で初期設
定が実行されたのち、ステップS102に移行し、車輪
速パルス、フロントハイト値HF、リヤハイト値HR等
の各種センサ信号が読込まれる。次にステップS103
に移行して、ステップS102で読込まれた車輪速パル
スから演算された車速Vが予め設定された閾値V0 未満
であるかが判定される。なお、閾値V0 としては、図3
のテーブルに示すように、例えば、2〔km/h〕とさ
れる。ステップS103の判定条件が成立するときに
は、ステップS104に移行し、停車モードであるとし
て上式(1)で算出されたピッチ角θp に対して図3に
示す弱いフィルタAがかけられる。このように、弱いフ
ィルタAがピッチ角θp にかけられフィルタ処理された
ピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移状態にある
程度追従されたものとなる。
【0022】一方、ステップS103の判定条件が成立
せず、車速Vが2〔km/h〕以上であるときには、ス
テップS105に移行し、車速Vを微分演算した加速度
dV/dtの絶対値が予め設定された閾値αを越えてい
るかが判定される。なお、閾値αとしては、図3のテー
ブルに示すように、例えば、±2〔m/s2 〕とされ
る。ステップS105の判定条件が成立するときには、
ステップS106に移行し、加減速モード(加速モード
または減速モード)であるとして上式(1)で算出され
たピッチ角θp に対して図3に示す弱いフィルタBがか
けられる。このように、弱いフィルタBがピッチ角θp
にかけられフィルタ処理されたピッチ角θpfは、停車モ
ードのときと同様に、実際のピッチ角θp の遷移状態に
ある程度追従されたものとなる。
【0023】そして、ステップS105の判定条件が成
立せず、加速度dV/dtの絶対値が閾値α以下である
ときには、車両が一定速で走行しているものと考えられ
るためステップS107に移行し、定速モードであると
して上式(1)で算出されたピッチ角θp に対して図3
に示す強いフィルタCがかけられる。このように、強い
フィルタCがピッチ角θp にかけられフィルタ処理され
たピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移状態から
振動の高周波成分が除去され細かな変動がないものとな
る。以上により通常走行中に加減速操作が行われたとき
には、正規の車速、加速度判定に移行し弱いフィルタが
かけられ、アクチュエータが素早く応答される。
【0024】このようにして、ステップS104で車両
の停車モード、ステップS106で車両の加減速モー
ド、ステップS107で車両の定速モードにおいてフィ
ルタ処理された各ピッチ角θpfに対して、θa ≒−θpf
であって対向車に眩光を与えることのないアクチュエー
タ駆動角(目標光軸方向調整角度)θa が算出される。
次にステップS108に移行し、後述のように設定され
る旋回中フラグXTN がオンであり車両が旋回中である
かが判定される。ステップS108の判定条件が成立せ
ず、旋回中フラグXTN がオフであり車両が旋回中でな
いときにはステップS109に移行して、算出されたア
クチュエータ駆動角θa に基づきアクチュエータ35L
(35R)が駆動されヘッドライト30L(30R)の
光軸方向が調整されたのちステップS102に戻り、以
降、ステップS102〜ステップS109の処理が繰返
し実行される。
【0025】一方、ステップS108の判定条件が成立
し、旋回中フラグXTN がオンであり車両が旋回中であ
るときには、アクチュエータ35L(35R)が駆動さ
れることなくそのままステップS102に戻り、同様の
処理が繰返し実行される。一般に、旋回中は車体の挙動
が不安定となり細かいピッチ角の変動を呈する。このと
き、光軸が調整制御されると、場合によっては意図しな
い制御となることがあるためアクチュエータ35L(3
5R)の駆動を停止させるものである。なお、アクチュ
エータ35L(35R)に対する制御速度設定等につい
ては省略されている。このようにして、車両の旋回中を
除いた車両の状態(停車モード、加減速モード、定速モ
ード)に応じてヘッドライト30L(30R)の光軸方
向が適切に調整される。
【0026】次に、図4のステップS108で判定され
る旋回中フラグXTN の設定について図5の旋回判定ル
ーチンに基づき、図6及び図7のタイムチャートを参照
して説明する。これら図6及び図7のタイムチャートに
は、左右車輪速VL ,VR 〔km/h〕及びピッチ角θ
p 〔°〕に対応するアクチュエータ駆動角θa 〔°〕及
び最終的なヘッドライト30L(30R)における光軸
調整角θ〔°〕が示されている。なお、旋回中であれば
外側の車輪の回転半径の方が内側の車輪の回転半径より
大きくなり左車輪速VL と右車輪速VR とに偏差が生じ
るため、左右の車輪速を知ることで旋回中の判定を行う
ことができる。
【0027】ここで、図6のタイムチャートは、左車輪
速VL と右車輪速VR との偏差に基づき直ちに旋回中と
してアクチュエータ35L(35R)の駆動を停止した
場合である。図6からも分かるように、旋回中は制御停
止としてピッチ角θp の変動に対するアクチュエータ3
5L(35R)の駆動が停止されアクチュエータ駆動角
θa が保持されるため、極端に不適切な光軸調整角θと
なるような光軸制御を引起こすことは防止される。とこ
ろで、旋回初期は制動減速時のピッチ角θp 変化が安定
していないため、左右の車輪速の偏差に基づき直ちに旋
回中として光軸制御を停止すると、正規位置まで制御さ
れる以前に光軸が停止されるような不都合が考えられ
る。
【0028】これに対して、図7のタイムチャートは、
左車輪速VL と右車輪速VR との偏差に基づく旋回中か
ら所定時間を経過したのちにアクチュエータ35L(3
5R)の駆動を停止した場合である。図7からも分かる
ように、旋回開始から所定時間TC 経過後にピッチ角θ
p の変動に対応したアクチュエータ35L(35R)の
駆動が停止されアクチュエータ駆動角θa が保持され、
ほぼ正規位置まで光軸制御されたのち光軸が停止される
のである。このため、図5のルーチンでは図7のタイム
チャートに沿う光軸制御となる旋回中の判定が実行され
ている。
【0029】図5において、まず、ステップS201
で、左右輪に設けられた車輪速センサ12の車輪速パル
スから演算された左車輪速VL と右車輪速VR との偏差
の絶対値が予め設定された判定値VC を越えているかが
判定される。ステップS201の判定条件が成立すると
きには、ステップS202に移行し、所定時間TC が経
過しているかが判定される。ステップS202の判定条
件が成立し、所定時間TC の経過が確認されたときには
ステップS203に移行し、旋回中フラグXTNがオン
とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS20
1またはステップS202の判定条件が成立しないとき
には、ステップS204に移行し、旋回中フラグXTN
がオフとされ、本ルーチンを終了する。
【0030】このように、本実施例の車両用前照灯光軸
方向自動調整装置は、車両の前部及び後部のそれぞれ1
箇所に配設され、車高の変位量を検出するハイトセンサ
11F,11Rと、ハイトセンサ11F,11Rからの
出力値HF,HRに基づき前記車両のヘッドライト30
L,30Rの光軸方向の水平面に対する傾き角としての
ピッチ角θp を算出するECU20にて達成される傾き
角演算手段と、前記車両の左右車輪速VL ,VR に基づ
き車速Vを検出する車速センサとしての車輪速センサ1
2と、車速Vとその車速Vに基づき算出された加速度d
V/dtとから走行状態に対応する制御モードを決定す
るECU20にて達成されるモード決定手段と、前記モ
ード決定手段で決定された制御モードに対応しヘッドラ
イト30L,30Rの光軸方向の調整の応答性を変更す
るフィルタを切換えるECU20にて達成されるフィル
タ切換手段と、前記傾き角演算手段で算出されたピッチ
角θp に対して前記フィルタ切換手段による前記フィル
タをかけて得られた角度としてのピッチ角θpfに対応す
るアクチュエータ駆動角θa に基づきヘッドライト30
L,30Rの光軸方向を調整するECU20にて達成さ
れる光軸方向調整手段と、前記車両の旋回状態を左右車
輪速VL ,VR の偏差に基づき判定するECU20にて
達成される旋回判定手段とを具備し、前記旋回判定手段
で前記車両が旋回中フラグXTN オンで旋回中と判定さ
れたとき、前記光軸方向調整手段によるヘッドライト3
0L,30Rの光軸方向の調整を停止するものである。
【0031】したがって、傾き角演算手段を達成するE
CU20で車両の少なくとも前部及び後部のそれぞれ1
箇所に配設されたハイトセンサ11F,11Rからの出
力値HF,HRに基づき車両のヘッドライト30L,3
0Rの光軸方向の水平面に対するピッチ角θp が算出さ
れ、車輪速センサ12で検出された車速Vとそれに基づ
き算出された加速度dV/dtとから走行状態に対応し
てモード決定手段を達成するECU20で決定された制
御モードによってフィルタ切換手段を達成するECU2
0でヘッドライト30L,30Rの光軸方向の調整の応
答性を変更するフィルタが切換えられ、そのフィルタが
かけられて得られたピッチ角θpfに基づき光軸方向調整
手段を達成するECU20でヘッドライト30L,30
Rの光軸方向が調整される。ここで、旋回判定手段を達
成するECU20で車両が旋回中と判定されたときには
光軸方向調整手段を達成するECU20によるヘッドラ
イト30L,30Rの光軸方向の調整が停止される。こ
のため、車両の走行状態に対応したフィルタがピッチ角
θp にかけられヘッドライト30L,30Rの光軸方向
が適切な応答性で以て調整される。このとき、車両が旋
回中であればアクチュエータ35L(35R)が停止さ
れることで、車体の挙動が不安定であるときのヘッドラ
イト30L,30Rに対する光軸方向の調整がより適切
なものとなる。
【0032】また、本実施例の車両用前照灯光軸方向自
動調整装置は、ECU20にて達成される旋回判定手段
で前記車両が旋回中と判定されたときには所定時間TC
経過した後、ECU20にて達成される光軸方向調整手
段による旋回時におけるヘッドライト30L,30Rの
光軸方向の調整を停止するものである。
【0033】したがって、旋回判定手段を達成するEC
U20で車両が旋回中と判定されても直ちにヘッドライ
ト30L,30Rの光軸方向の調整が停止されることな
く、所定時間TC を経過してから停止される。これによ
り、ヘッドライト30L,30Rの光軸方向が安定しほ
ぼ正規位置となったのち停止されるため、車両の旋回中
におけるヘッドライト30L,30Rに対する光軸方向
の調整において対向車等に眩光を与えたり、運転者の遠
方視認性を損なうようなことをなくすことができる。
【0034】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されてい
るECU20内のCPU21の光軸制御の処理手順の変
形例を示す図8のフローチャートに基づき説明する。な
お、本ルーチンは約50ms毎に繰返し実行される。上
述の実施例では、旋回中と判定されたときには光軸制御
を停止しているが、本ルーチンでは旋回中と判定された
ときには、光軸方向を初期位置に戻すものである。ここ
で、旋回中の判定は上述の実施例における図5のルーチ
ンにて同様に実行されるため、詳細な説明を省略する。
【0035】図8において、ステップS301で初期設
定が実行されたのち、ステップS302に移行し、車輪
速パルス、フロントハイト値HF、リヤハイト値HR等
の各種センサ信号が読込まれる。次にステップS303
に移行して、上述の図5で設定された旋回中フラグXT
N がオンであるかが判定される。ステップS303の判
定条件が成立せず、旋回中でないときには、ステップS
304に移行し、ステップS302で読込まれた車輪速
パルスから演算された車速Vが予め設定された閾値V0
未満であるかが判定される。なお、閾値V0 としては、
図3のテーブルに示すように、例えば、2〔km/h〕
とされる。ステップS304の判定条件が成立するとき
には、ステップS305に移行し、停車モードであると
して上式(1)で算出されたピッチ角θp に対して図3
に示す弱いフィルタAがかけられる。このように、弱い
フィルタAがピッチ角θp にかけられフィルタ処理され
たピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移状態にあ
る程度追従されたものとなる。
【0036】一方、ステップS304の判定条件が成立
せず、車速Vが2〔km/h〕以上であるときには、ス
テップS306に移行し、車速Vを微分演算した加速度
dV/dtの絶対値が予め設定された閾値αを越えてい
るかが判定される。なお、閾値αとしては、図3のテー
ブルに示すように、例えば、±2〔m/s2 〕とされ
る。ステップS306の判定条件が成立するときには、
ステップS307に移行し、加減速モード(加速モード
または減速モード)であるとして上式(1)で算出され
たピッチ角θp に対して図3に示す弱いフィルタBがか
けられる。このように、弱いフィルタBがピッチ角θp
にかけられフィルタ処理されたピッチ角θpfは、停車モ
ードのときと同様に、実際のピッチ角θp の遷移状態に
ある程度追従されたものとなる。
【0037】そして、ステップS306の判定条件が成
立せず、加速度dV/dtの絶対値が閾値α以下である
ときには、車両が一定速で走行しているものと考えられ
るためステップS308に移行し、定速モードであると
して上式(1)で算出されたピッチ角θp に対して図3
に示す強いフィルタCがかけられる。このように、強い
フィルタCがピッチ角θp にかけられフィルタ処理され
たピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移状態から
振動の高周波成分が除去され細かな変動がないものとな
る。以上により通常走行中に加減速操作が行われたとき
には、正規の車速、加速度判定に移行し弱いフィルタが
かけられ、アクチュエータが素早く応答される。
【0038】このようにして、ステップS305で車両
の停車モード、ステップS307で車両の加減速モー
ド、ステップS308で車両の定速モードにおいてフィ
ルタ処理された各ピッチ角θpfに対して、θa ≒−θpf
であって対向車に眩光を与えることのないアクチュエー
タ駆動角(目標光軸方向調整角度)θa が算出される。
次にステップS309に移行し、算出されたアクチュエ
ータ駆動角θa に基づきアクチュエータ35L(35
R)が駆動されヘッドライト30L(30R)の光軸方
向が調整されたのちステップS302に戻り、以降、ス
テップS302〜ステップS309の処理が繰返し実行
される。
【0039】一方、ステップS303の判定条件が成立
し、旋回中フラグXTN がオンであり車両が旋回中であ
るときには、アクチュエータ35L(35R)が駆動さ
れ光軸方向が初期位置に設定、即ち、車両が発進する以
前の積載状態において設定された光軸方向に戻され、ア
クチュエータ35L(35R)の駆動が停止されたのち
ステップS302に戻り、同様の処理が繰返し実行され
る。一般に、旋回中は車体の挙動が不安定となり細かい
ピッチ角の変動を呈する。このとき、光軸が調整制御さ
れると、場合によっては意図しない制御となることがあ
るためアクチュエータ35L(35R)の駆動により光
軸方向を初期位置に戻したのち停止させるものである。
なお、アクチュエータ35L(35R)に対する制御速
度設定等については省略されている。このようにして、
車両の旋回中を除いた車両の状態(停車モード、加減速
モード、定速モード)に応じてヘッドライト30L(3
0R)の光軸方向が適切に調整される。
【0040】このように、本実施例の車両用前照灯光軸
方向自動調整装置は、車両の前部及び後部のそれぞれ1
箇所に配設され、車高の変位量を検出するハイトセンサ
11F,11Rと、ハイトセンサ11F,11Rからの
出力値HF,HRに基づき前記車両のヘッドライト30
L,30Rの光軸方向の水平面に対する傾き角としての
ピッチ角θp を算出するECU20にて達成される傾き
角演算手段と、前記車両の左右車輪速VL ,VR に基づ
き車速Vを検出する車速センサとしての車輪速センサ1
2と、車速Vとその車速Vに基づき算出された加速度d
V/dtとから走行状態に対応する制御モードを決定す
るECU20にて達成されるモード決定手段と、前記モ
ード決定手段で決定された制御モードに対応しヘッドラ
イト30L,30Rの光軸方向の調整の応答性を変更す
るフィルタを切換えるECU20にて達成されるフィル
タ切換手段と、前記傾き角演算手段で算出されたピッチ
角θp に対して前記フィルタ切換手段による前記フィル
タをかけて得られた角度としてのピッチ角θpfに対応す
るアクチュエータ駆動角θa に基づきヘッドライト30
L,30Rの光軸方向を調整するECU20にて達成さ
れる光軸方向調整手段と、前記車両の旋回状態を左右車
輪速VL ,VR の偏差に基づき判定するECU20にて
達成される旋回判定手段とを具備し、前記旋回判定手段
で前記車両が旋回中フラグXTN オンで旋回中と判定さ
れたとき、前記光軸方向調整手段によるヘッドライト3
0L,30Rの光軸方向を初期設定位置に戻すものであ
る。
【0041】したがって、傾き角演算手段を達成するE
CU20で車両の少なくとも前部及び後部のそれぞれ1
箇所に配設されたハイトセンサ11F,11Rからの出
力値HF,HRに基づき車両のヘッドライト30L,3
0Rの光軸方向の水平面に対するピッチ角θp が算出さ
れ、車輪速センサ12で検出された車速Vとそれに基づ
き算出された加速度dV/dtとから走行状態に対応し
てモード決定手段を達成するECU20で決定された制
御モードによってフィルタ切換手段を達成するECU2
0でヘッドライト30L,30Rの光軸方向の調整の応
答性を変更するフィルタが切換えられ、そのフィルタが
かけられて得られたピッチ角θpfに基づき光軸方向調整
手段を達成するECU20でヘッドライト30L,30
Rの光軸方向が調整される。ここで、旋回判定手段を達
成するECU20で車両が旋回中と判定されたときには
光軸方向調整手段を達成するECU20によるヘッドラ
イト30L,30Rの光軸方向が初期設定位置に戻され
る。このため、車両の走行状態に対応したフィルタがピ
ッチ角θp にかけられヘッドライト30L,30Rの光
軸方向が適切な応答性で以て調整される。このとき、車
両が旋回中であればアクチュエータ35L(35R)が
初期設定位置に戻されることで、車体の挙動が不安定で
あるときのヘッドライト30L,30Rに対する光軸方
向の調整がより適切なものとなる。
【0042】また、本実施例の車両用前照灯光軸方向自
動調整装置は、ECU20にて達成される旋回判定手段
で前記車両が旋回中と判定されたときには所定時間TC
経過した後、ECU20にて達成される光軸方向調整手
段による旋回時におけるヘッドライト30L,30Rの
光軸方向が初期設定位置に戻されるものである。
【0043】したがって、旋回判定手段を達成するEC
U20で車両が旋回中と判定されても直ちにヘッドライ
ト30L,30Rの光軸方向が初期位置に戻されること
なく、所定時間TC を経過してから戻される。これによ
り、ヘッドライト30L,30Rの光軸方向が安定しほ
ぼ正規位置となったのち初期位置に戻されることとな
り、車両の旋回中におけるヘッドライト30L,30R
に対する光軸方向の調整において、車両の旋回開始から
所定時間TC 経過するまではピッチ角θp の大きな変動
に対処しつつ、そののちの車両の旋回中において対向車
等に眩光を与えたり、運転者の遠方視認性を損なうよう
なことをなくすことができる。
【0044】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されてい
るECU20内のCPU21の光軸制御の処理手順の他
の変形例を示す図9のフローチャートに基づき説明す
る。なお、本ルーチンは約50ms毎に繰返し実行され
る。上述の実施例では、旋回中と判定されたときには光
軸制御を停止、上述の変形例では光軸方向を初期位置に
戻しているが、本ルーチンでは旋回中と判定されたとき
には光軸制御の応答性を遅くする(強いフィルタをかけ
る)ものである。ここで、旋回中の判定は上述の実施例
における図5のルーチンにて同様に実行されるため、詳
細な説明を省略する。
【0045】図9において、ステップS401で初期設
定が実行されたのち、ステップS402に移行し、車輪
速パルス、フロントハイト値HF、リヤハイト値HR等
の各種センサ信号が読込まれる。次にステップS403
に移行して、上述の図5で設定された旋回中フラグXT
N がオンであるかが判定される。ステップS403の判
定条件が成立せず、旋回中でないときには、ステップS
404に移行し、ステップS402で読込まれた車輪速
パルスから演算された車速Vが予め設定された閾値V0
未満であるかが判定される。なお、閾値V0 としては、
図3のテーブルに示すように、例えば、2〔km/h〕
とされる。ステップS404の判定条件が成立するとき
には、ステップS405に移行し、停車モードであると
して上式(1)で算出されたピッチ角θp に対して図3
に示す弱いフィルタAがかけられる。このように、弱い
フィルタAがピッチ角θp にかけられフィルタ処理され
たピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移状態にあ
る程度追従されたものとなる。
【0046】一方、ステップS404の判定条件が成立
せず、車速Vが2〔km/h〕以上であるときには、ス
テップS406に移行し、車速Vを微分演算した加速度
dV/dtの絶対値が予め設定された閾値αを越えてい
るかが判定される。なお、閾値αとしては、図3のテー
ブルに示すように、例えば、±2〔m/s2 〕とされ
る。ステップS406の判定条件が成立するときには、
ステップS407に移行し、加減速モード(加速モード
または減速モード)であるとして上式(1)で算出され
たピッチ角θp に対して図3に示す弱いフィルタBがか
けられる。このように、弱いフィルタBがピッチ角θp
にかけられフィルタ処理されたピッチ角θpfは、停車モ
ードのときと同様に、実際のピッチ角θp の遷移状態に
ある程度追従されたものとなる。
【0047】そして、ステップS406の判定条件が成
立せず、加速度dV/dtの絶対値が閾値α以下である
ときには、車両が一定速で走行しているものと考えられ
るためステップS408に移行し、定速モードであると
して上式(1)で算出されたピッチ角θp に対して図3
に示す強いフィルタCがかけられる。このように、強い
フィルタCがピッチ角θp にかけられフィルタ処理され
たピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移状態から
振動の高周波成分が除去され細かな変動がないものとな
る。以上により通常走行中に加減速操作が行われたとき
には、正規の車速、加速度判定に移行し弱いフィルタが
かけられ、アクチュエータが素早く応答される。
【0048】一方、ステップS403の判定条件が成立
し、車両が旋回中であり旋回中フラグXTN がオンであ
るときには、旋回モードであるとして上式(1)で算出
されたピッチ角θp に対して例えば、定速モードと同様
の図3に示す強いフィルタCがかけられる。このよう
に、強いフィルタCがピッチ角θp にかけられフィルタ
処理されたピッチ角θpfは、実際のピッチ角θp の遷移
状態から振動の高周波成分が除去され細かな変動がな
く、無視できないような大きな変動のみに対処したもの
となる。
【0049】このようにして、ステップS405で車両
の停車モード、ステップS407で車両の加減速モー
ド、ステップS408で車両の定速モード、ステップS
409で旋回モードにおいてフィルタ処理された各ピッ
チ角θpfに対して、θa ≒−θpfであって対向車に眩光
を与えることのないアクチュエータ駆動角(目標光軸方
向調整角度)θa が算出される。次にステップS410
に移行し、算出されたアクチュエータ駆動角θa に基づ
きアクチュエータ35L(35R)が駆動されヘッドラ
イト30L(30R)の光軸方向が調整されたのちステ
ップS402に戻り、以降、ステップS402〜ステッ
プS410の処理が繰返し実行される。
【0050】一般に、旋回中は車体の挙動が不安定とな
り細かいピッチ角の変動を呈する。このとき、光軸が調
整制御されると、場合によっては意図しない制御となる
ことがある。これに対して、強いフィルタCがピッチ角
θp に対して強制的にかけられフィルタ処理されたピッ
チ角θpfは細かな変動がなく、無視できないような大き
な変動のみに対処してアクチュエータ35L(35R)
を駆動させるものである。なお、アクチュエータ35L
(35R)に対する制御速度設定等については省略され
ている。このようにして、車両の状態(停車モード、加
速モード、減速モード、定速モード、旋回モード)に応
じてヘッドライト30L(30R)の光軸方向が適切に
調整される。
【0051】このように、本実施例の車両用前照灯光軸
方向自動調整装置は、車両の前部及び後部のそれぞれ1
箇所に配設され、車高の変位量を検出するハイトセンサ
11F,11Rと、ハイトセンサ11F,11Rからの
出力値HF,HRに基づき前記車両のヘッドライト30
L,30Rの光軸方向の水平面に対する傾き角としての
ピッチ角θp を算出するECU20にて達成される傾き
角演算手段と、前記車両の左右車輪速VL ,VR に基づ
き車速Vを検出する車速センサとしての車輪速センサ1
2と、車速Vとその車速Vに基づき算出された加速度d
V/dtとから走行状態に対応する制御モードを決定す
るECU20にて達成されるモード決定手段と、前記モ
ード決定手段で決定された制御モードに対応しヘッドラ
イト30L,30Rの光軸方向の調整の応答性を変更す
るフィルタを切換えるECU20にて達成されるフィル
タ切換手段と、前記傾き角演算手段で算出されたピッチ
角θp に対して前記フィルタ切換手段による前記フィル
タをかけて得られた角度としてのピッチ角θpfに対応す
るアクチュエータ駆動角θa に基づきヘッドライト30
L,30Rの光軸方向を調整するECU20にて達成さ
れる光軸方向調整手段と、前記車両の旋回状態を左右車
輪速VL ,VR の偏差に基づき判定するECU20にて
達成される旋回判定手段とを具備し、前記旋回判定手段
で前記車両が旋回中フラグXTN オンで旋回中と判定さ
れたとき、前記光軸方向調整手段によるヘッドライト3
0L,30Rの光軸方向の調整の応答性を遅くするもの
である。
【0052】したがって、傾き角演算手段を達成するE
CU20で車両の少なくとも前部及び後部のそれぞれ1
箇所に配設されたハイトセンサ11F,11Rからの出
力値HF,HRに基づき車両のヘッドライト30L,3
0Rの光軸方向の水平面に対するピッチ角θp が算出さ
れ、車輪速センサ12で検出された車速Vとそれに基づ
き算出された加速度dV/dtとから走行状態に対応し
てモード決定手段を達成するECU20で決定された制
御モードによってフィルタ切換手段を達成するECU2
0でヘッドライト30L,30Rの光軸方向の調整の応
答性を変更するフィルタが切換えられ、そのフィルタが
かけられて得られたピッチ角θpfに基づき光軸方向調整
手段を達成するECU20でヘッドライト30L,30
Rの光軸方向が調整される。ここで、旋回判定手段を達
成するECU20で車両が旋回中と判定されたときには
光軸方向調整手段を達成するECU20によるヘッドラ
イト30L,30Rの光軸方向の調整の応答性が遅くさ
れる。このため、車両の走行状態に対応したフィルタが
ピッチ角θp にかけられヘッドライト30L,30Rの
光軸方向が適切な応答性で以て調整される。このとき、
車両が旋回中であればアクチュエータ35L(35R)
の応答性が遅くなるように強いフィルタがかけられるこ
とで、車体の挙動が不安定であるときのヘッドライト3
0L,30Rに対する光軸方向の調整がより適切なもの
となる。
【0053】また、本実施例の車両用前照灯光軸方向自
動調整装置は、ECU20にて達成される旋回判定手段
で前記車両が旋回中と判定されたときには所定時間TC
経過した後、ECU20にて達成される光軸方向調整手
段による旋回時におけるヘッドライト30L,30Rの
光軸方向の調整が遅くされるものである。
【0054】したがって、旋回判定手段を達成するEC
U20で車両が旋回中と判定されても直ちにヘッドライ
ト30L,30Rの光軸方向が初期位置に戻されること
なく、所定時間TC を経過してから戻される。これによ
り、ヘッドライト30L,30Rの光軸方向が安定しほ
ぼ正規位置となったのちアクチュエータ35L(35
R)の応答性が遅くなるように強いフィルタがかけられ
ることとなり、車両の旋回中におけるヘッドライト30
L,30Rに対する光軸方向の調整において、車両の旋
回開始から所定時間TC 経過するまではピッチ角θp の
大きな変動に対処しつつ、そののちの車両の旋回中にお
いて対向車等に眩光を与えたり、運転者の遠方視認性を
損なうようなことをなくすことができる。
【0055】ところで、上記実施例では、車高センサと
して車軸と車体との相対変位を測定するセンサを、前後
車軸に配置して車体のピッチ角を検出するとした。この
ような車高センサは、一般的には摺動抵抗式によるもの
とホール素子を用いた非接触式によるものとがあるが、
どちらのタイプでも使用することができる。また、特願
平8−99753号に示すように、後軸のみに車高セン
サを配置してピッチ角を検出してもよい。また、上述し
たような車軸と車体との間の相対変位を測定するもので
はなく、超音波、赤外線レーザ、ミリ波レーザ等を用い
て対地距離を測定するものでもよく、またその他の手段
によって車体のピッチ角を直接測定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る車両用前照灯光軸方向自動調整装置の全体構成を示す
概略図である。
【図2】 図2は図1のヘッドライトの要部構成を示す
断面図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る車両用前照灯光軸方向自動調整装置で用いられる制御
モードに対応するフィルタ領域を示すテーブルである。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されている
ECU内のCPUにおける光軸制御の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図5】 図5は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されている
ECU内のCPUにおける旋回判定の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図6】 図6は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る車両用前照灯光軸方向自動調整装置による旋回直後か
ら光軸制御を実行したときのタイムチャートである。
【図7】 図7は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る車両用前照灯光軸方向自動調整装置による旋回開始か
ら所定時間を考慮して光軸制御を実行したときのタイム
チャートである。
【図8】 図8は図4の光軸制御ルーチンの変形例を示
すフローチャートである。
【図9】 図9は図4の光軸制御ルーチンの他の変形例
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11F,11R ハイトセンサ(車高センサ) 12 車輪速センサ(車速センサ) 20 ECU(電子制御装置) 30L,30R ヘッドライト(前照灯) 35L,35R アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 良二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 内藤 了輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 山田 有二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−301055(JP,A) 特開 平9−207655(JP,A) 実開 平5−29857(JP,U) 実開 平6−72740(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60Q 1/115

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車高の変位量を検出する車高セン
    サと、 前記車高センサからの出力値に基づき前記車両の前照灯
    の光軸方向の水平面に対する傾き角を算出する傾き角演
    算手段と、 前記車両の車速を検出する車速センサと、 前記車速とその車速に基づき算出された加速度とから走
    行状態に対応する制御モードを決定するモード決定手段
    と、 前記モード決定手段で決定された前記制御モードに対応
    し前記前照灯の光軸方向の調整の応答性を変更するフィ
    ルタを切換えるフィルタ切換手段と、 前記傾き角演算手段で算出された前記傾き角に対して前
    記フィルタ切換手段による前記フィルタをかけて得られ
    た角度に基づき前記前照灯の光軸方向を調整する光軸方
    向調整手段と、 前記車両の旋回状態を判定する旋回判定手段とを具備
    し、 前記旋回判定手段で前記車両が旋回中と判定されたと
    き、前記光軸方向調整手段による前記前照灯の光軸方向
    の調整を停止することを特徴とする車両用前照灯光軸方
    向自動調整装置。
  2. 【請求項2】 車両の車高の変位量を検出する車高セン
    サと、 前記車高センサからの出力値に基づき前記車両の前照灯
    の光軸方向の水平面に対する傾き角を算出する傾き角演
    算手段と、 前記車両の車速を検出する車速センサと、 前記車速とその車速に基づき算出された加速度とから走
    行状態に対応する制御モードを決定するモード決定手段
    と、 前記モード決定手段で決定された前記制御モードに対応
    し前記前照灯の光軸方向の調整の応答性を変更するフィ
    ルタを切換えるフィルタ切換手段と、 前記傾き角演算手段で算出された前記傾き角に対して前
    記フィルタ切換手段による前記フィルタをかけて得られ
    た角度に基づき前記前照灯の光軸方向を調整する光軸方
    向調整手段と、 前記車両の旋回状態を判定する旋回判定手段とを具備
    し、 前記旋回判定手段で前記車両が旋回中と判定されたと
    き、前記光軸方向調整手段による前記前照灯の光軸方向
    を初期設定位置に戻すことを特徴とする車両用前照灯光
    軸方向自動調整装置。
  3. 【請求項3】 車両の車高の変位量を検出する車高セン
    サと、 前記車高センサからの出力値に基づき前記車両の前照灯
    の光軸方向の水平面に対する傾き角を算出する傾き角演
    算手段と、 前記車両の車速を検出する車速センサと、 前記車速とその車速に基づき算出された加速度とから走
    行状態に対応する制御モードを決定するモード決定手段
    と、 前記モード決定手段で決定された前記制御モードに対応
    し前記前照灯の光軸方向の調整の応答性を変更するフィ
    ルタを切換えるフィルタ切換手段と、 前記傾き角演算手段で算出された前記傾き角に対して前
    記フィルタ切換手段による前記フィルタをかけて得られ
    た角度に基づき前記前照灯の光軸方向を調整する光軸方
    向調整手段と、 前記車両の旋回状態を判定する旋回判定手段とを具備
    し、 前記旋回判定手段で前記車両が旋回中と判定されたと
    き、前記光軸方向調整手段による前記前照灯の光軸方向
    の調整の応答性を遅くすることを特徴とする車両用前照
    灯光軸方向自動調整装置。
  4. 【請求項4】 前記旋回判定手段で前記車両が旋回中と
    判定されたときには所定期間経過した後、前記光軸方向
    調整手段による旋回時における調整を実行することを特
    徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の車
    両用前照灯光軸方向自動調整装置。
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