JP3782635B2 - 自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前後方向の傾斜(以下、ピッチ角という)に基づいてヘッドランプの光軸をピッチ角相当相殺する方向に自動的に傾動調整(以下、オートレベリングという)する自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置に係り、特に、主として停止時の車両のピッチ角に基づいてヘッドランプの光軸を上下に自動調整するオートレベリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のヘッドランプでは、例えば、光源を挿着したリフレクターがランプボディに対し水平傾動軸周りに傾動可能に支持されるとともに、アクチュエータによってリフレクター(ヘッドランプ)の光軸が水平傾動軸周りに傾動できる構造となっている。
【0003】
そして、従来のオートレベリング装置としては、ピッチ角検出手段や車速センサーやこれらからの検出信号に 基づいてアクチュエータの駆動を制御する制御部等を車両に設けて構成され、ヘッドランプ(リフレクター)の光軸が路面に対し常に所定の状態となるように調整するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のオートレベリング装置では、車両の走行、停車時を問わず、走行中の加減速による車両姿勢の変化や停車中の荷物の積み降ろしや乗員の乗り降り等による荷重変化に対し、リアルタイムでレベリングするように構成されている。このため、アクチュエータの作動回数が非常に多く、消費電力がかさむ上に、モータ,ギア等の駆動機構構成部品に多大な耐久性が求められ、コスト高の原因になっていた。
【0005】
そこで、アクチュエータの駆動頻度を減らすことで、安価にして長期使用可能なオートレベリング装置の提供を目的として、また、縁石に乗り上げた状態などの誤った停車中の車両姿勢に基づくオートレベリングを補正することを目的として、停車中に一定のインターバルでアクチュエータの駆動を制御し、走行中は、安定走行時に限り、アクチュエータの駆動を1回だけ制御するというオートレベリング装置(特願平10−264221号)が提案された。
【0006】
しかし、提案された前記オートレベリング装置では、ピッチ角検出手段である車高センサが前輪側サスペンションまたは後輪側サスペンションの左右いずれかの側に設けられているため、旋回走行を等速で行った場合には、車高センサがその時のピッチ角の変化を検出するが、走行条件が等速走行(所定速度以上かつ所定加速度以下の走行状態が所定時間継続する)であるため、制御部は、これを安定走行と判別し、旋回走行中に検出された適正ではないピッチ角データに基づいてレベリングされるおそれがある。
【0007】
即ち、車高センサが、例えば後輪右側のサスペンションに取り付けられている場合には、等速走行時に左旋回した場合、旋回重力加速度(以下、旋回Gという)により、右側のサスペンションが沈み込み(縮み)、この沈み込んだサスペンションに取り付けられている車高センサは、この沈み込みを車両の前後方向の傾き(車両のピッチ角の変化)として検出する。一方、等速走行時に右旋回した場合、旋回重力加速度(以下、旋回Gという)により、右側のサスペンションが浮き上がり(伸び)、この伸びたサスペンションに取り付けられている車高センサは、この浮き上がり(伸び)を車両の前後方向の傾き(車両のピッチ角の変化)として検出する。このようなピッチ角データは、平坦な路面を等速走行する安定走行時のピッチ角データ(停車時のピッチ角データに近いデータ)とは異なったもので、不適正なデータである。
【0008】
そして、オートレベリング装置(制御部)は、旋回走行状態であっても、所定速度以上かつ所定加速度以下の走行状態が所定時間継続する状態であれば安定走行状態と判別し、レベリング(制御)してしまう。このため、光軸を下げる方向にレベリングした場合は、車両前方の視認距離が短くなって、ドライバーにとって安全走行上、好ましくない。また逆に、光軸を上げる方向にレベリング(制御)した場合には、グレア光が発生し、対向車にとって安全走行上、好ましくない。
【0009】
そこで、走行中にレベリングを行うに際し、走行中のピッチ角データが停車中のピッチ角データに比べ所定値以上の開きがあった場合には、定常旋回走行と判断し、アクチュエータの駆動制御(レベリング)を一旦中止し、その後、安定走行条件を満足したときに、アクチュエータの駆動制御(レベリング)を行うというオートレベリング装置(特願平11−38233号)が提案された。
【0010】
しかし、縁石に乗り上げた状態と定常旋回走行状態とは、停車中と走行中とで車両姿勢が大きく異なる(停車中のピッチ角データと走行中のピッチ角データとに大きな開きがある)という点で、共通し、両者の区別が付かず、適正なオートレベリングができないおそれがある。
【0011】
即ち、縁石に乗り上げて停車した後に走行した場合に対しては、停車中に検出した不適正なピッチ角データに基づき行ったアクチュエータの駆動制御(レベリング)が正しくない(誤っている)ため、新たに検出した安定走行下でのピッチ角データに基づいて、走行中、速やかにアクチュエータの駆動制御(レベリング)を実行することが望ましい。一方、定常旋回走行している場合に対しては、走行中に検出したピッチ角データがアクチュエータの駆動制御(レベリング)に用いる上で適正ではないため、速やかに走行中のアクチュエータの駆動制御(レベリング)を中止することが望ましい。
【0012】
しかるに、前記特願平11−38233号では、走行中のピッチ角データと停車中のピッチ角データとに所定値以上の開きがあった場合には、本当は縁石への乗り上げ停車が原因であるにも拘わらず、定常旋回走行と判断し、アクチュエータの駆動制御(レベリング)を一旦中止し、その後、停車中のピッチ角データとに所定値以上の開きが検出され続ける以上、ヘッドランプの光軸が縁石への乗り上げ停車中にレベリングした位置のまま保持される、という好ましくない事態が生じるおそれがある。
【0013】
本発明は前記した従来技術および先行技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、アクチュエータの駆動頻度を減らすことで、安価にして長期の使用可能な自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置を提供することであって、安定走行中における不適切なオートレベリングを改善することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
前記目的を達成するために、請求項1に係わる自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置においては、アクチュエータの駆動により光軸が車体に対し上下に傾動するヘッドランプと、前記アクチュエータの駆動を制御する制御手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、前輪側サスペンションまたは後輪側サスペンションの左右いずれかの側に設けられた、車両のピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記ピッチ角検出手段により検出された車両のピッチ角データを記憶する記憶部と、を備え、前記制御手段は、前記ピッチ角検出手段により検出されたピッチ角データに基づいて、ヘッドランプの光軸が路面に対し所定の傾斜状態となるようにアクチュエータの駆動を制御する自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置において、前記制御手段は、車速検出手段の出力に基づいて停車中と走行中とを判別し、停車中には、一定のインターバルでアクチュエータの駆動を制御するとともに、走行中は、車速が所定値以上で加速度が所定値以下の状態が所定時間継続している安定走行条件を満足した場合に、1回だけ、その安定走行時のピッチ角データに基づいてアクチュエータの駆動を制御する自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置であって、
前記制御手段は、前記安定走行時のピッチ角データに基づいてアクチュエータの駆動を制御した後も、検出されるピッチ角データの監視を継続し、前記安定走行条件を満たした場合にアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データが停車中のアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データと所定基準値以上の開きがある場合には、順次検出される前記新たなピッチ角データを多数決処理することで特定した新たなピッチ角データに基づいて、さらに1回に限り、アクチュエータの駆動を制御するように構成した。
(作用)停車中の車両のピッチ角データに基づいたレベリング(光軸補正)が前提であり、車両停車中におけるピッチ角データの方が、検出時の外乱要因が少ない分、車両走行中におけるピッチ角データよりも正確であり、この正確なピッチ角データに基づいてアクチュエータの駆動を制御するので、それだけ正確なオートレベリングが可能になる。
また、停車中におけるアクチュエータの駆動の制御は、一定時間毎に限られるので、それだけアクチュエータの作動頻度が少なく、消費電力が節約され、駆動機構構成部材の摩耗が少ない。
また、車速が所定値以上で加速度が所定値以下の状態が所定時間継続する安定走行時のピッチ角データ(車両停車中におけるピッチ角データに近いデータ)に基づいたレベリング(光軸補正)は、停車中の車両が坂道停車している場合とか、縁石に乗り上げて停車している場合のような不適切な車両停車中におけるレベリング(光軸補正)を、安定走行条件を満たした場合にピッチ角データが検出された段階で、直ちに適切なものに補正する。
また、所定の安定走行条件を満たしたとしても、それが旋回走行中である場合もあり得るが、このような場合は、走行中に実行したアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データが停車中に実行したアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データと所定基準値以上の開きがあるか否かによって判別できる。
そして、旋回走行中(走行中のレベリングに用いたピッチ角データと停車中のレベリングに用いたピッチ角データとの差が所定基準値以上)である場合には、走行中のアクチュエータの駆動制御(レベリング)後に、安定走行条件を満たした場合に順次検出されるピッチ角データを多数決処理することで特定した適正なピッチ角データ(旋回走行状態にない車両姿勢)に基づいて、アクチュエータを駆動制御(レベリング)することで、不適切な旋回走行中におけるピッチ角データに基づいたレベリングを、適切なものに補正する。
また、走行中に第2回目のレベリングをするか否かの基準となる所定基準値としては、縁石乗り上げ停車に対しては勿論、路面の凹凸や車速,加速度変動等に伴う微小車両姿勢変化に影響されることなく定常旋回走行を確実に検出できる値であって、レベリングされたとしても、対向車に対してはグレア光とならず、またドライバの前方視認性を妨げることのない、0.23度に設定されている。
なお、走行中の第1回目のレベリングが旋回走行時のピッチ角データに基づいたものである場合は、走行中の第2回目のレベリング(光軸補正)が実行されるまでの間、ヘッドランプの光軸は適正でない位置(旋回走行時のピッチ角データに基づいた補正位置)に保持されることになる。しかし、縁石乗り上げ停車による車両姿勢への影響は、縁石の高さに比例し、ピッチ角データへの影響が大きい場合があるのに対し、旋回走行による車両姿勢(ピッチ角データ)への影響は、対向車にグレア光を与えたり、前方視認性を著しく低下させる程の大きいものではないので、第2回目のレベリングまでのしばらくの間、旋回走行時のピッチ角データに基づいた補正位置で走行することになっても、問題はない。
また、走行中に実行したアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データと停車中に実行したアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データとの差が所定基準値未満の場合には、停車中のレベリング(光軸補正)が適正な場合、または不適正な停車中のレベリング(光軸補正)が適正に補正された場合であり、新たなピッチ角データを検出したとしても、停車中のレベリングに用いたピッチ角データや走行中に実行したレベリングに用いたピッチ角データとほぼ同一となるため、走行中の再度のアクチュエータの駆動制御を行わないようにすることで、無駄なアクチュエータの駆動を回避できる。
この請求項1に示すレベリングの様子を、図3に基づいて説明する。
車両の発進から走行に至る車速の変化する様子は、この図3(a)に示されており、アクセルを踏み込んで車両が走行を開始した後、一般に車速は急速に上昇し、等速走行に移行する。また、走行中と停車中の車高センサの出力(車両姿勢)差は、図3(b)に示されており、縁石乗り上げ停車や旋回走行などの異常な条件がない限り、図中ほぼ0のまま推移する。
即ち、車速は、走行開始後、等速走行に移行する前のT1で示す時間内では、徐々に増加し、その後、等速となり、安定走行条件を満たした場合に、T2経過時点で、安定走行時のピッチ角データに基づいてレベリングが実行される。
しかし、縁石乗り上げ停車(中にレベリングした)後に走行する場合や、車両発進後に定常旋回走行する場合にも、図3(a)に示すように、一般的な安定走行特性を示すので、安定走行条件を満足した場合に、T2経過時点で、安定走行時のピッチ角データに基づいてレベリングすることになる。これにより、少なくとも縁石乗り上げ停車時の誤ったレベリングが回避される。
ところが、安定走行時のレベリングが定常旋回走行中であった場合には、走行中のレベリングは定常旋回走行中のピッチ角データに基づいたもので、適正なものではない。そこで、走行中、第2回目のレベリングを行うに際し、図3(b)に示すように、安定走行時の第1回目のレベリングに用いたピッチ角データと停車中の(レベリングに用いた)ピッチ角データとの差が所定基準値(例えば0.23度)以上である場合には、定常旋回走行と判断し、第1回目のレベリング後に、安定走行条件を満たした場合に、順次検出されるピッチ角データを多数決処理して適正なピッチ角データ(旋回走行状態にない車両におけるピッチ角データ)を特定し、この適正なピッチ角データに基づいて、第2回目のレベリング(不適正な第1回目のレベリングの補正)を実行するのである。
また、請求項2においては、請求項1に記載の自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置において、前記多数決処理を、前記安定走行条件を満足した場合に順次検出される新たなピッチ角データと停車時のアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データとの開きが、0を含みプラス側およびマイナス側に前記所定基準値相当の幅をもつ第1の基準値ゾーン,前記第1の基準値ゾーンのプラス側の第2の基準値ゾーン,前記第1の基準値ゾーンのマイナス側の第3の基準値ゾーンからなる3つの異なる連続した基準値ゾーンのいずれに最も多く該当するかを判別し、前記ピッチ角データの開きが最も多く該当する基準値ゾーンに対応するピッチ角データを走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いるピッチ角データとするように構成した。
新たに検出されるピッチ角データと停車時のアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データとの開き(差)は、3つの異なる連続した基準値ゾーンのいずれかに該当するので、ピッチ角データの開き(差)がいずれの基準値ゾーンに最も多く該当するかという多数決により基準値ゾーン(ピッチ角データ)を特定することは、容易である。
また、請求項3においては、請求項2に記載の自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置において、走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いる前記ピッチ角データとして、特定された基準値ゾーンに対応する最新のピッチ角データを用いるように構成した。
多数決により特定された基準値ゾーンに該当する多くのピッチ角データの中で、最新のピッチ角データを2回目のアクチュエータの駆動制御に用いるピッチ角データとすることは、過去のピッチ角データを用いる場合に比べて、容量の小さい記憶部で対応でき、さらに最新のピッチ角データの取り出しも容易である。
また、請求項4においては、請求項2に記載の自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置において、走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いる前記ピッチ角データとして、特定された基準値ゾーンに対応するピッチ角データの平均値を用いるように構成した。
車両姿勢は路面の凹凸や車速変動や加速度変動等により僅かにしろ常に変化しているので、同一の基準値ゾーン内に該当するピッチ角データとはいっても、ばらついているが、特定された基準値ゾーンに該当する多くのピッチ角データを平均することで、その中から一つのピッチ角データを選択する場合に比べて、ピッチ角データとしての精度が高い。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図4は、本発明の一実施例を示すもので、図1は、本発明の第1の実施例である自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置の全体構成図、図2は、記憶部の構成を示す図、図3(a)は、車両の発進から走行に至る車速の変化の様子を示す図、図3(b)は、走行中と停車中の車高センサの出力差の変化の様子を示す図、図4は同レベリング装置の制御部であるCPUのフローチャートを示す図である。
【0017】
図1における符号1は、自動車用ヘッドランプで、ランプボディ2の前面開口部には、前面レンズ4が組付けられて灯室Sが画成されている。灯室S内には、光源であるバルブ6を挿着した放物面形状のリフレクター5が、水平傾動軸(図1における紙面と垂直な軸)7周りに傾動するように支持されるとともに、アクチュエータであるモータ10によって傾動調整できるように構成されている。
【0018】
そして、ヘッドランプ1のオートレベリング装置は、ヘッドランプ1の光軸Lを上下方向に傾動調整するアクチュエータであるモータ10と、ヘッドランプ1の点灯スイッチ11と、車両の速度を検出する車速検出手段である車速センサー12と、車両のピッチ角検出手段の一部を構成する車高センサー14と、ヘッドランプの点灯と消灯を判別し、車速センサー12からの信号に基づいて車両の走行・停車状態を判別し、車高センサー14からの信号に基づいて車両のピッチ角や加速度を演算するとともに、このピッチ角データに基づいてモータ10を駆動させるための制御信号をモータドライバ18に出力する制御部であるCPU16と、車高センサー14で検出され、CPU16で演算された車両のピッチ角データを記憶する記憶部20と、モータ10の駆動するタイミングを設定するためのインターバルタイマ22と、車両の安定走行時間を検出する安定走行時間検出タイマー24と、走行中の第1回のレベリング後に3つの基準値ゾーンA,B,Cのそれぞれに該当した回数をカウントするカウンター26A,26B、26Cとから主として構成されている。
【0019】
CPU16では、車速センサー12からの信号が入力すると、この入力信号に基づいて車両が停車中か走行中かを判別し、停車中は一定のインターバルでモータ10の駆動を制御し、走行中は、安定走行条件を満足し、かつ1秒平均ピッチ角データと、3秒平均ピッチ角データとが一致した場合にのみ、しかも1回に限り、モータ10の駆動を制御する。
【0020】
また、CPU16では、車高センサー14からの信号が入力すると、サスペンションの変位量に相当するこの信号から、車両の前後方向の傾斜(ピッチ角)を演算する。なお、この実施例に示す車両では、後輪側サスペンションの右輪側にのみ車高センサー14が設けられた1センサー方式が採用されており、車高センサ14の検出した車高の変化量から車両のピッチ角が推測できる。そして、CPU16は、検出されたこのピッチ角を打ち消す方向に、光軸Lを所定量傾動させるべくモータドライバ18に出力する。
【0021】
また、記憶部20は、車高センサ14で検出され、CPU16で演算されたピッチ角データを記憶する部分で、図2(a)に示すように、記憶部20の格納部20Aには、100ms間隔で1秒間サンプリングした10個のデータD1〜D10が格納されている。また、記憶部20の格納部20Bには、100ms間隔で3秒間サンプリングした30個のデータD1〜D30が格納されている。そして、格納部20A、20Bには、それぞれ100ms毎に新しいデータが取り込まれ、最も古いデータが捨てられる(順次古いデータは、新しいデータに書き換えられる)ように構成されている。
【0022】
また、CPU16は、点灯スイッチ11がONかOFFかを判別し、点灯スイッチ11がONされている場合に限り、モータ10を駆動するべくモタドライバ18に出力する。
【0023】
また、CPU16は、停車中は、インターバルタイマ22において設定されている所定のインターバルタイムを経過している場合に限り、モータ10を駆動するべくモタドライバ18に出力する。
【0024】
即ち、ヘッドランプ1の光軸の傾動可能範囲は定まっており、したがって一回のレベリングに必要なモータ10の最大駆動時間も決まっている。そして、モータ駆動のインターバル(タイム)が一回のレベリングに必要なモータ10の最大駆動時間よりも短いと、人の乗り降りに伴う車両姿勢(ピッチ角)の変化に逐次追従してモータ10が頻繁に駆動することとなって、光軸L(モータ10)が目標位置まで到達することなく正転、逆転、停止を繰り返すこととなり、寿命の低下につながり、好ましいことではない。
【0025】
そこで、モータ駆動のインターバルを、一回のレベリングに必要なモータ10の最大駆動時間よりも長い時間(例えば10秒)に設定することで、レベリング動作中(モータの駆動中)に光軸の目標位置が変わらないようになっている。
【0026】
また、CPU16は、停車中においては、記憶部20(格納部20A)に記憶されている最新の1秒平均ピッチ角データ(データD1〜D10の平均値)に基づいて、モータ10の駆動を制御するが、発進時には、格納部20Bに記憶されている発進1秒前の1秒平均ピッチ角データ(データD11〜D20の平均値)に基づいてモータ10の駆動を制御するようになっている。
【0027】
即ち、アクセルを踏み込んで後、車速センサーが車両の発進を検出するまでの時間内に検出されたピッチ角データは、車両の沈み込みがあるため必ずしも正確ではない。また、車速センサーが車両の発進を検出するのに要す時間としては、1秒を超えることは、あり得ない。そこで、発進1秒前の1秒平均ピッチ角データを停車時のデータとして用いることで、適正なオートレベリングができる。
【0028】
また、CPU16は、停車中に車高センサ14で検出された最新の1秒平均ピッチ角データに基づいてモータ10の駆動を制御するが、停車中の車両が坂道停車している場合とか、縁石に乗り上げて停車している場合のように、不適切な車両停車中におけるピッチ角データに基づいてレベリング(光軸補正)されることがある。そこで、安定走行中に限り、原則として1回だけ、安定走行中に検出したピッチ角データに基づいてモータ10の駆動を制御して、この誤ったレベリング(光軸補正)を補正するようになっている。なお、車両停車中のピッチ角データが適切(停車中の車両が坂道停車とか縁石に乗り上げるなどの不自然な形態での停車ではない場合)であれば、安定走行中のピッチ角データは車両停車中のピッチ角データにほぼ等しく、したがって安定走行中のピッチ角データに基づいたレベリング後の光軸位置は、車両停車中に行われた最後のレベリング後の光軸位置とほぼ同一位置であるので、走行中に、再度同一ピッチ角データに基づいてレベリングしたとしても何ら問題がない。。
【0029】
また、CPU16は、常に車高センサー14からの信号を検出し、比較的速いサンプリングタイム(100ms)で演算を行って、1秒平均ピッチ角データおよび3秒平均データを算出している。そして、停車中では、10秒というインバータルタイム毎に、1秒平均ピッチ角データに基づいてモータ10の駆動を制御し、走行中では、外乱を排除するために、車速が基準値以上で、加速度が基準値以下で、しかもこの状態(車速が基準値以上で、加速度が基準値以下の状態)が一定時間以上継続している場合にのみ、モータ10の駆動を制御(レベリング)するようになっている。
【0030】
即ち、路面の凹凸等といった外乱となる要素の多い悪路では、30km/h以上の速度では走行できず、車両の姿勢が変わる急加減速を除くためには、0.78m/s2以下の加速度に限定することが適切である。したがって、速度30km/h以上で、加速度0.78m/s2以下の状態が3秒以上継続することを安定走行の条件とし、この条件を満たした時にのみ車両のピッチ角を演算することで、突発的な異常値が検出されたり、その影響を受けにくいようになっている。この安定走行状態が3秒以上継続したか否かは、速度30km/h以上で、加速度0.78m/s2以下という状態が確認された時点で作動する安定走行時間検出タイマ24をCPU16がカウントすることで、判別される。
【0031】
また、安定走行条件(速度30km/h以上で、加速度0.78m/s2以下いう状態が3秒以上継続)を満足するような場合であっても、ここには、定常旋回走行という不適正なピッチ角データが検出される異常走行状態が含まれている場合がある。しかし、定常旋回走行の場合は、検出されるピッチ角データが停車中に検出される適正なピッチ角データに比べて所定値以上の開き(例えば0.23度以上の差)が生じるので、検出ピッチ角データにこの所定値以上の開きがあるか否かによって、旋回走行か否かが判別できる。
【0032】
そして、CPU16は、モータ10の駆動を制御(レベリング)した後も、検出されるピッチ角データの監視を継続し、レベリングに用いたピッチ角データにこの所定基準値(0.23度)以上の開きがあった場合には、旋回走行であると判断し、その後に検出された適正なピッチ角データに基づいて、第2回目のレベリングを行う。
【0033】
また、道路を走行する上では、たとえ旋回走行が続いても30秒は続かないものと解されるので、旋回走行と判別した場合には、その後、少なくとも30秒以上の時間が必要な多数決処理により、検出した多くのピッチ角データの中から適正な新たなピッチ角データを特定し、この新たに特定した適正ピッチ角データに基づいて、モータ10の駆動を制御することで、適正なレベリングとなる。。
【0034】
また、多数決処理としては、安定走行条件を満足した場合に、順次検出される新たなピッチ角データと停車時のアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データとの差が、0を含みプラス側とマイナス側に所定基準値(0.23度)相当の幅をもつ第1の基準値ゾーンA,前記第1の基準値ゾーンのプラス側の第2の基準値ゾーンB,前記第1の基準値ゾーンのマイナス側の第3の基準値ゾーンCの3つの異なる連続した基準値ゾーンの中で最も多く該当する基準値ゾーンを特定することで行う。
【0035】
具体的には、基準値ゾーンA,B,Cの中で、安定走行条件を満足した場合に、次々と検出されるピッチ角データθdnと停車時のレベリングに用いたピッチ角データθsの差|θdn−θs|が、最も速く10回該当することとなったゾーンが適正ピッチ角データに対応するゾーンであり、この特定した基準値ゾーンにおける最新の3秒平均ピッチ角データを走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いるのである。なお、10回該当するか否かは、CPU16がカウンタA,B、Cをカウントすることで、判別できる。
【0036】
次に、制御ユニットであるCPU16によるモータ10の駆動の制御を、図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0037】
まず、ステップ102、104では、車速センサー12の出力から車速と加速度をそれぞれ演算し、ステップ106、108では、車高センサー14の出力から1秒平均ピッチ角データ、3秒平均ピッチ角データをそれぞれ演算する。そして、次のステップ110において、点灯スイッチ11からの出力により、ヘッドランプが点灯か否かが判別される。そして、YES(点灯中)であれば、ステップ114に移行し、NO(消灯中)であれば、ステップ111に移行する。ステップ111では、走行補正フラグをリセットし、さらに、ステップ112において、キャンセルフラグをリセットした後、ステップ102に戻る。
【0038】
ステップ114では、車両が走行中か否かが判別される。即ち、車速センサ12の出力により、車両が走行状態か否かが判別される。そして、ステップ114において、NO(停車中)の場合には、ステップ115において、走行補正フラグをリセットする。即ち、安定走行中のピッチ角データに基づいてモータの駆動制御(光軸の補正)がすでに済んでいる場合であって、安定走行中のモータ駆動制御に用いたピッチ角データθdと停車中のモータ駆動制御に用いたピッチ角データθsとの差|θd−θs|が基準値θ0未満の場合は、後述するステップ138において、走行補正フラグがセットされるようになっているが、このステップ115では、この走行補正フラグをリセットする。
【0039】
そして、ステップ116に移行し、キャンセルフラグをリセットする。即ち、安定走行中のピッチ角データに基づいてモータの駆動制御(光軸の補正)がすでに済んでいる場合であって、安定走行中のモータ駆動制御に用いたピッチ角データθdと停車中のモータ駆動制御に用いたピッチ角データθsとの差|θd−θs|が基準値θ0以上の場合は、後述するステップ140において、キャンセルフラグがセットされるようになっているが、このステップ116では、このキャンセルフラグをリセットする。
【0040】
そして、ステップ117に移行し、インターバルタイマ22をカウントし、インターバルタイム(10秒)を経過しているか否か判別される。そして、ステップ117において、YESの場合(10秒を経過している場合)には、ステップ119において、1秒平均ピッチ角データを選択する。そして、ステップ120に移行し、1秒平均ピッチ角データに基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力し、ステップ102に戻る。
【0041】
一方、ステップ117において、NOの場合(10秒経過していない場合)には、モータ10を駆動させることなく、ステップ102に戻る。
【0042】
また、ステップ114において、YES(走行中)であれば、ステップ130において、走行補正フラグがセットされているか否かが判別される。そして、NO.即ち、走行補正フラグがセットされていない場合であれば、ステップ131において、車速が基準値(30km/h)以上か否かが判別され、YES(30km/h以上の場合)であれば、ステップ132において、加速度が基準値(0.78m/s2)以下か否かが判別される。ステップ132において、YES(0.78m/s2以下)であれば、ステップ133において、安定走行時間検出タイマ24をカウントアップするとともに、ステップ134において、車速が30km/h以上で、加速度が0.78m/s2以下の状態が所定時間(3秒)以上経過しているか否かが、判別される。
【0043】
そして、ステップ134において、YES(車速30km/h以上で加速度0.78m/s2以下の状態が3秒以上経過している場合)であれば、ステップ135に移行し、安定走行時間検出タイマ24のカウントをクリアにした後、ステップ136に移行する。
【0044】
ステップ136では、キャンセルフラグがセット済みか否かが判別される。即ち、走行中に検出したピッチ角データθdと停車中に検出したピッチ角データθsとの差|θd−θs|が基準値θ0を超えている場合は、何らかの異常がある場合であり、このような場合は、ステップ140において、キャンセルフラグがセットされるとともに、その後のステップ120において、走行中に検出したピッチ角データ(ステップ139で選択した3秒平均ピッチ角データ)に基づいたオートレベリングが実行されている。
【0045】
そして、ステップ136において、NOの場合(キャンセルフラグがまだセットされていない場合)には、ステップ137において、安定走行中のピッチ角データθdと停車中のピッチ角データθsとの差|θd−θs|が基準値θ0を超えているか否かが判別される。そして、NOの場合(基準値θ0以下の場合)には、ステップ138において、走行補正フラグをセットし、ステップ139において、3秒平均ピッチ角データを選択した後、ステップ120に移行し、3秒平均ピッチ角データに基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力し、ステップ102に戻る。
【0046】
一方、ステップ137において、YESの場合(基準値を超えている場合)には、ステップ140において、キャンセルフラグをセットするとともに、ステップ139に移行する。
【0047】
また、ステップ136において、YESの場合(キャンセルフラグがセットされている場合、即ち、走行中に既にレベリングが実行され、走行中のレベリングに用いたピッチ角データθdと停車中のレベリングに用いたピッチ角データθsとの差|θd−θs|が基準値を超えている場合)には、ステップ210に移行し、新たに検出された安定走行中のピッチ角データθdnと停車中の(レベリングに用いた)ピッチ角データθsとの差|θdn−θs|がゾーンAにあるか否かが判別される。
【0048】
そして、ステップ210において、YESの場合(差|θdn−θs|がゾーンAにある場合)には、ステップ211において、カウンタAをカウントアップするとともに、ステップ212に移行して、カウンタAのカウント値に基づいて、ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンAに10回該当するか否か判別される。そして、ステップ212において、YESの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンAに10回該当する場合)には、ステップ214に移行し、このルーチンにおいて検出された最新の3秒平均ピッチ角データを選択する。そして、ステップ216において、走行補正フラグをセットした後、ステップ120に移行し、3秒平均ピッチ角データに基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力し、ステップ102に戻る。
【0049】
一方、ステップ212において、NOの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンAに10回該当しない場合)には、何もすることなくステップ102に戻る。
【0050】
また、ステップ210において、NOの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンAに該当しない場合)には、ステップ220に移行して、ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンBに該当するか否か判別される。そして、ステップ220において、YESの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンBに該当する場合)には、ステップ221においてカウンタBをカウントアップするとともに、ステップ222に移行して、ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンBに10回該当するか否かが判別される。そして、ステップ222において、YESの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンBに10回該当する場合)には、ステップ224に移行し、このルーチンにおいて検出された最新の3秒平均ピッチ角データを選択する。そして、ステップ226において、走行補正フラグをセットした後、ステップ120に移行し、3秒平均ピッチ角データに基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力し、ステップ102に戻る。一方、ステップ222において、NOの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンBに10回該当しない場合)には、何もすることなくステップ102に戻る。
【0051】
また、ステップ220において、NOの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンB該当しない場合)には、ステップ231に移行して、カウンタCをカウントアップするとともに、ステップ232に移行して、ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンCに10回該当するか否かが判別される。そして、ステップ232において、YESの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンCに10回該当する場合)には、ステップ234に移行し、このルーチンにおいて検出された最新の3秒平均ピッチ角データを選択する。そして、ステップ236において、走行補正フラグをセットした後、ステップ120に移行し、3秒平均ピッチ角データに基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力し、ステップ102に戻る。一方、ステップ232において、NOの場合(ピッチ角データの差|θdn−θs|がゾーンCに10回該当しない場合)には、何もすることなくステップ102に戻る。
【0052】
また、ステップ130において、YES、即ち、走行補正フラグがセットされている場合や、ステップ131、132において、それぞれNOの場合(車速が基準値30km/h未満の場合、加速度が基準値0.78m/s2を超える場合)には、ステップ142において、安定走行時間検出タイマー24のカウントをクリアにするとともに、ステップ102に戻る。
【0053】
また、ステップ134において、NOの場合(車速が基準値30km/h以上で、加速度が基準値0.78m/s2以下の状態ではあるが、この状態が3秒以上継続していない場合)にも、モータ10を駆動させることなく、ステップ102に戻る。
【0054】
図5および図6は、本発明の第2の実施例を示し、図5は本発明の第2の実施例である自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置の記憶部の要部の構成を示す図、図6は同装置の制御部であるCPUのフローチャートを示す図である。
【0055】
前記した第1の実施例では、CPU16は、検出したピッチ角データを多数決処理することで、補正すべき適正なピッチ角データの存在するゾーンを決定するとともに、補正すべき適正なピッチ角データとして、そのゾーンに対応するデータの中で直前の3秒平均ピッチ角データに基づいてモータの駆動を制御するようになっているが、この第2の実施例では、ゾーンを決定する構成は同一であるが、10回の3秒平均ピッチ角データの平均値に基づいてモータの駆動を制御するようになっている点が相違する。
【0056】
したがって、記憶部20は、図5に示されるように、ゾーンAに該当するピッチ角データを記憶するメモリA、ゾーンBに該当するピッチ角データを記憶するメモリB、ゾーンCに該当するピッチ角データを記憶するメモリCを備え、CPU16は、各メモリA、B、Cに記憶されているピッチ角データの平均値を演算できるように構成されている。
【0057】
そして、前記した第1の実施例の処理フローとは、この異なる構成に対応したステップ214(224,234)に代わるステップ215(225,235)処理と、ステップ210(220)後の新たなステップ213(223,233)処理だけが異なり、その他は、前記した第1の実施例の処理フローと同一であるので、この異なる処理フローについて説明し、その他は、同一の符号を付すことでその説明は省略する。
【0058】
即ち、ステップ212では、ピッチ角データの差|θdn−θs|が10回目に該当するか否か判別され、NOの場合(10回目未満である場合)には、ステップ213において、3秒平均ピッチ角データをメモリAに格納するとともに、ステップ102に戻る。一方、ステップ212において、YESの場合(10回目に該当する場合)には、ステップ215に移行し、メモリAに記憶されている平均値(10個の3秒平均ピッチ角データの平均値)を選択し、ステップ216において、走行補正フラグをセット後、ステップ120に移行し、選択した10個の3秒平均ピッチ角データの平均値に基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力する。
【0059】
同様に、ステップ222では、ピッチ角データの差|θdn−θs|が10回目に該当するか否か判別され、NOの場合(10回目未満である場合)には、ステップ223において、3秒平均ピッチ角データをメモリBに格納するとともに、ステップ102に戻る。一方、ステップ222において、YESの場合(10回目に該当する場合)には、ステップ225に移行し、メモリBに記憶されている平均値(10個の3秒平均ピッチ角データの平均値)を選択し、ステップ226において、走行補正フラグをセット後、ステップ120に移行し、選択した10個の3秒平均ピッチ角データの平均値に基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力する。
【0060】
同様に、ステップ232では、ピッチ角データの差|θdn−θs|が10回目に該当するか否か判別され、NOの場合(10回目未満である場合)には、ステップ233において、3秒平均ピッチ角データをメモリCに格納するとともに、ステップ102に戻る。一方、ステップ232において、YESの場合(10回目に該当する場合)には、ステップ235に移行し、メモリCに記憶されている平均値(10個の3秒平均ピッチ角データの平均値)を選択し、ステップ236において、走行補正フラグをセット後、ステップ120に移行し、選択した10個の3秒平均ピッチ角データの平均値に基づいて、モータ10を駆動させるべくモータドライバ18に出力する。
【0061】
また、前記実施例では、車体に固定されるランプボディ2に対しリフレクター5が傾動可能に設けられているリフレクター可動型のヘッドランプにおけるオートレベリングについて説明したが、車体に固定されるランプハウジングに対しランプボディ・リフレクターユニットが傾動可能に設けられているユニット可動型のヘッドランプにおけるオートレベリングについても同様に適用できる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置によれば、オートレベリングによるアクチュエータの駆動は、停車中と安定走行時に限られ、しかも停車中は一定時間毎に限られ、走行中は1回に限られるので、アクチュエータの作動回数は少なく、消費電力も節約され、駆動機構構成部材の摩耗も少ないことから、安価にして的確に作動するオートレベリング装置が提供される。
また、旋回走行が原因で走行中のオートレベリングが適正でない場合には、新たに検出された適正なピッチ角データに基づいた第2回目のオートレベリングが実行されるので、停車時の誤ったレベリングは勿論、安定走行時の誤ったレベリングも正しく補正されるので、ドライバーおよび対向車双方の安全走行が保証される。
また、請求項2によれば、新たなピッチ角データは所定の幅をもつゾーンとして特定できるので、適正なピッチ角データの特定が容易で、レベリングの補正を迅速に遂行できる。
また、請求項3によれば、容量の小さい記憶部で対応でき、しかもピッチ角データの取り出しも容易であるので、オートレベリング装置の構成を簡潔にできる。
また、請求項4によれば、第1回目のレベリングをその後に検出した正確なピッチ角データにより補正できるので、ドライバーおよび対向車双方の安全走行が確実に保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置の全体構成図である。
【図2】記憶部の構成を示す図である。
【図3】(a)は車両の発進から走行に至る車速の変化の様子を示す図である。
(b)は走行中と停車中の車高センサの出力差の変化の様子を示す図である。
【図4】同装置の制御部であるCPUのフローチャートを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例である自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置の記憶部の要部の構成を示す図である。
【図6】同装置の制御部であるCPUのフローチャートを示す図
【符号の説明】
1 ヘッドランプ
2 ランプボディ
4 前面レンズ
5 リフレクター
6 光源であるバルブ
10 アクチュエータである駆動モータ
11 点灯スイッチ
12 車速検出手段である車速センサー
14 ピッチ角検出手段の一部を構成する車高センサー
16 制御部であるCPU
20(20A,20B) 記憶部
22 インターバルタイマ
24 安定走行時間検出タイマ
26A カウンタA
26B カウンタB
26C カウンタC
L ヘッドランプの光軸
S 灯室
Claims (4)
- アクチュエータの駆動により光軸が車体に対し上下に傾動するヘッドランプと、前記アクチュエータの駆動を制御する制御手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、前輪側サスペンションまたは後輪側サスペンションの左右いずれかの側に設けられた、車両のピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記ピッチ角検出手段により検出された車両のピッチ角データを記憶する記憶部と、を備え、前記制御手段は、前記ピッチ角検出手段により検出されたピッチ角データに基づいて、ヘッドランプの光軸が路面に対し所定の傾斜状態となるようにアクチュエータの駆動を制御する自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置において、前記制御手段は、車速検出手段の出力に基づいて停車中と走行中とを判別し、停車中には、一定のインターバルでアクチュエータの駆動を制御するとともに、走行中は、車速が所定値以上で加速度が所定値以下の状態が所定時間継続している安定走行条件を満足した場合に、1回だけ、その安定走行時のピッチ角データに基づいてアクチュエータの駆動を制御する自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置であって、
前記制御手段は、前記安定走行時のピッチ角データに基づいてアクチュエータの駆動を制御した後も、検出されるピッチ角データの監視を継続し、前記安定走行条件を満たした場合にアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データが停車中のアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データと所定基準値以上の開きがある場合には、順次検出される前記新たなピッチ角データを多数決処理することで特定した新たなピッチ角データに基づいて、さらに1回に限り、アクチュエータの駆動を制御することを特徴とする自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置。 - 前記多数決処理は、前記安定走行条件を満足した場合に順次検出される新たなピッチ角データと停車時のアクチュエータの駆動制御に用いたピッチ角データとの開きが、0を含みプラス側およびマイナス側に前記所定基準値相当の幅をもつ第1の基準値ゾーン,前記第1の基準値ゾーンのプラス側の第2の基準値ゾーン,前記第1の基準値ゾーンのマイナス側の第3の基準値ゾーンからなる3つの異なる連続した基準値ゾーンのいずれに最も多く該当するかを判別し、前記ピッチ角データの開きが最も多く該当する基準値ゾーンに対応するピッチ角データを走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いるピッチ角データとするように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置。
- 走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いる前記ピッチ角データは、特定された基準値ゾーンに対応する最新のピッチ角データであることを特徴とする請求項2に記載の自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置。
- 走行中の2回目のアクチュエータの駆動制御に用いる前記ピッチ角データは、特定された基準値ゾーンに対応するピッチ角データの平均値であることを特徴とする請求項2に記載の自動車用ヘッドランプのオートレベリング装置。
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