JP3095666B2 - 作業車用ギヤケース - Google Patents

作業車用ギヤケース

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JP3095666B2
JP3095666B2 JP27766595A JP27766595A JP3095666B2 JP 3095666 B2 JP3095666 B2 JP 3095666B2 JP 27766595 A JP27766595 A JP 27766595A JP 27766595 A JP27766595 A JP 27766595A JP 3095666 B2 JP3095666 B2 JP 3095666B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業車用ギヤケース
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】農作業等の労働軽減の一策として、乗用
作業車を用いて収穫作業や運搬作業をする試みがなさ
れ、例えば特開平6−339303号公報「乗用電動式
作業車」の技術がある。この技術は、その公報の図1及
び図2によれば、車体長手方向に延びる左右一対の支持
フレーム14,14(番号は公報に記載されたものを引
用した。以下同じ。)の前後に、各2輪の走行輪5…を
配置し、後部の走行輪5…をモーター6でベルト駆動又
はチェーン駆動した構成である。
【0003】この作業車1は、支持フレーム14,14
の上面前部に上部水平面4、上面後部に一段高い腰掛け
部11、支持フレーム14,14の下面長手中央にコン
トロールボックス12を各配置し、腰掛け部11の下に
バッテリー7を収納し、更に、前記腰掛け部11の左右
側部にフェンダー兼用ステップ板22,22を備え、乗
員は腰掛け部11に座り、ステップ板22,22又は上
部水平面4に選択的に足を載せることのできる電動車両
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術は、後部の走行輪5,5をモーター6でベルト駆動又
はチェーン駆動するものであり、走行輪5,5の車軸と
モーター6との間に離間距離を必要とするので、駆動機
構は大型になる。このような駆動機構を小型化するため
には、ギヤケースに内蔵したギヤ機構によって、モータ
ー6の動力を走行輪5,5に伝達することが考えられ
る。一般に、ギヤケースはケース本体と蓋体とをボルト
締めしたものを、支持フレーム14,14にボルト固定
する。このためボルト数が多く、組付時間が増大し、作
業性は良くない。
【0005】そこで本発明の目的は、部品数が少なく組
付時間が低減し、作業性の高い作業車用ギヤケースを提
供することにある。
【0006】
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
請求項記載の発明は、ギヤケースの内部で走行用モ
ータの出力軸に対し車軸を直角に配置し、ギヤケースを
ケース本体と蓋体とで構成し、一方、前部フランジ並び
に後部フランジとを有するボックス体からなるサブフレ
ームを作業車の車体フレームに設け、前部フランジに走
行用モータをボルト固定し、後部フランジをケース本体
と蓋体とで挟み、これらの後部フランジとケース本体と
蓋体とを一体的にボルトで結合することで、ケース本体
に蓋体を組立てると同時にサブフレームにギヤケースを
取付け可能に構成したことを特徴とする。モータの出力
軸が入力軸の役割を兼ねるので、作業車用ギヤケースは
小型になる。さらには、後部フランジをケース本体と蓋
体とで挟み、これらの後部フランジとケース本体と蓋体
とを一体的にボルトで結合したので、後部フランジとケ
ース本体と蓋体とをボルト締めしただけで、ギヤケース
をサブフレームに取付けることができる。従来は、ケー
ス本体に蓋体をボルト締めしてなるギヤケースを、支持
フレームにボルトで固定した構造を採用していた。請求
項1では、サブフレームとケース本体と蓋体とをボルト
で共締めしたので、ケース本体に蓋体を組立てると同時
にサブフレームにギヤケースを取付けることができ、
来より組付時間が低減し、作業性が高まり、ボルト数が
減少し、部品数が少なくなる
【0009】さらに請求項記載の発明は、前部フラン
ジに走行用モータをボルト固定したので、走行用モータ
とギヤケースとを一体化でき、作業車用ギヤケースは小
型になる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は乗員(運転者)から
見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、
Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものと
する。図1は本発明に係る乗用作業車の側面図であり、
乗用作業車1は、例えば「葉たばこ運搬車」として使用
するものであって、電動台車2と、電動台車2の上部に
配置した荷台4とで構成し、操舵ハンドルを有しないこ
とを特徴とする。詳しくは、電動台車2は、車体フレー
ムとしてのセンタフレーム3の上面前部に、荷台4を備
えたものであり、この荷台4は前後方向中間部及び後部
に脚部4a,4aを有し、この図の実線で示す位置と想
像線で示す位置との間で、前後方向に移動可能である。
【0011】電動台車2は、センタフレーム3に対し
て、前部に左右の前輪5,5(この図では片側だけを示
す。以下、同じ。)を配置し、後部に左右の後輪6,6
を配置し、前部端部に走行用モータ7を配置し、前・後
輪5,6間のモータ7寄りに左右のバッテリ8,8を配
置し、更に、上面後部に乗員用シート9を配置したとこ
ろの、4輪車である。そして、モータ7は荷台4の下方
に配置することになる。乗員用シート9は後述するよう
に、前後方向に移動可能である。なお、前・後輪5,6
はタイヤを装着したものである。11はセンタフレーム
3の前端部に取付けたガード部材である。
【0012】図2は本発明に係る乗用作業車の平面図で
あり、乗用作業車1の荷台2を省略した姿を示す。電動
台車2は、乗員用シート9を配置した側の車輪間距離
(左右の車輪の外側間の寸法)を、他側の車輪間距離よ
り短く設定したことを特徴とする。すなわち、前輪5と
後輪6のタイヤの太さは概ね同一であり、後輪6,6中
心間距離L1は前輪5,5中心間距離L2より短く設定
してある。センタフレーム3は車体中心線CL(車幅方
向中央)を通り、この車体中心線CL上に荷台4の脚4
a,4a、モータ7及びシート9を配置してなる。
【0013】一方、左右の後輪6,6の上部は、車幅方
向に延びる1つのリヤフェンダ12でカバーされる。リ
ヤフェンダ12は、それの車幅方向略中央の前部に、モ
ータ7を操作するための操作パネル14を配置してお
り、このため、シート9はリヤフェンダ12の車幅方向
略中央の後部にある。従って、操作パネル14はシート
9に座った乗員の股間に位置する。操作パネル14は、
走行用モータ7を操作するものであり、例えば、電源ス
イッチ14a、前後進切換スイッチ14b、フットコン
トローラ切換スイッチ14c、車速調整ボリューム14
d、電源ランプ14eを備える。
【0014】センタフレーム3はリヤフェンダ12の前
部において、右側部のフットコントローラ15と左側部
のブレーキレバー73と、乗員用フットステップ80と
を備える。フットコントローラ15は、上記操作パネル
14のフットコントローラ切換スイッチ14cがONの
場合に、足の踏み操作で車速調整可能なコントローラで
あって、センタフレーム3に着脱可能である。
【0015】図3〜図5にて詳述するが、モータ7の動
力は、駆動ユニット20を介して前輪5,5に伝達さ
れ、更に、推進軸49及び従動ユニット50を介して後
輪6,6に伝達される。従って、電動台車2は4輪駆動
車である。センタフレーム3の上壁3aには、荷台4の
脚部4a,4aを所定位置にボルト止めするための多数
のボルト孔3b…(…は複数を示す。以下同じ。)を明
けてある。なお、センタフレーム3の上壁3aには、シ
ート9を所定位置にボルト止めするための多数のボルト
孔も明けてあるがこの図では省略する。想像線で示した
荷台4は左右の前輪5,5の上部をカバーするので、フ
ロントフェンダは不要である。
【0016】図3は本発明に係る電動台車の駆動ユニッ
トの断面図であり、駆動ユニット20は、センタフレー
ム3の前部にボルト固定したサブフレーム21と、サブ
フレーム21に組付けた駆動機構31とからなる。サブ
フレーム21は、前面の前部フランジ部21aと、前部
フランジ部21aに溶接した側面視コ字状のフレーム部
21bとからなるボックス体であり、このボックス体は
左右方向(この図の表裏方向)が開いた開放形ボックス
である。フレーム部21bの後部は後部フランジ部21
cである。
【0017】走行用モータ7は、サブフレーム21の前
部フランジ部21aにボルト固定した概ね薄型筒状のケ
ース23と、ケース23内に取付けた環状のステータ2
4と、ステータ24内に配置しケース23に回転可能に
支持したロータ25と、ロータ25の回転を減速する減
速機構26と、減速機構26からの動力を出力する出力
軸27と、出力軸27(ロータ25)の回転数を無段変
速制御する制御回路部28とからなる。そしてモータ7
は、筒状ケース23の中央から延びた出力軸27を、電
動台車2の後方に延出するように略水平配置し、しか
も、前輪用車軸35より上位に且つ前輪用車軸35に直
角に配置したものである。出力軸27は、それの長手方
向中央をウォーム27aとした長い軸であり、この軸は
駆動機構31を貫通し、しかも、先端部27bを上記推
進軸49にスプライン連結した。
【0018】駆動機構31は、モータ7の動力を前輪用
車軸35に伝達する役割を果たす。駆動機構31は、ケ
ース本体32と蓋体33とでギヤケース34を構成し、
このギヤケース34に前輪用車軸35とモータ7の出力
軸27とを互いに直交して配置し、車軸35にホイール
36をスプライン連結し、ホイール36にウォーム27
aを噛合してウォームギヤ機構を構成したものである。
モータ7の出力軸27及び車軸35はギヤケース34を
貫通する。このように、モータ7の出力軸27は駆動機
構31の入力軸の役割を果たし、また、前輪用車軸35
は駆動機構31の出力軸の役割を果たす。ギヤケース3
4は、サブフレーム21の後部フランジ部21cをケー
ス本体32と蓋体33とで挟み、これらを一体的にボル
ト37で結合したものである。このため、ケース本体3
2と蓋体33とをボルト締めしただけで、ギヤケース3
4の組立作業と、このギヤケース34をサブフレーム2
1に取付ける作業とは、同時にすることができる。従っ
て、ギヤケース34をサブフレーム21に取付けるため
の別のボルトが不要であり、部品数が少なく組付時間が
低減し、作業性が高まる。なお、38は軸シール、39
はベアリングである。
【0019】図4は図3の4−4線断面図であり、前輪
用車軸35はそれの両端部に、左右の前輪5,5をボル
ト固定し、更に、その外方に左右の保護カバー48,4
8をボルト固定した構成である。モータ7の出力軸27
は、車体中心線CL上に配置したので、左右の前輪5,
5間の中央位置にある。電動台車2は、モータ7の回転
数を無段変速制御することにより、例えば超低速(1m
/min程度)から中速(30m/min程度)の範囲
で調整可能である。なお、車軸35はそれの軸長手方向
中央部に、ホイール36を連結するための大径のスプラ
インを有し、このスプライン部分の両端面が左右のベア
リング41,42と当接するので、スライド不能であ
る。43は止め輪、44,45は軸シール、46はケー
ス本体32に弾性嵌合するキャップである。
【0020】保護カバー48は、車軸35の先端にボル
ト固定した軸部48aと、軸部48aにベアリング48
bにて空転自在に取付けたカバー部材48cとからな
り、カバー部材48cは前輪5の側面を覆う部材であ
る。電動台車2が畝間を走行中、前輪5が畝に生えた植
物や植物の根廻りをカバーした樹脂フィルム等に接近し
ても、これら植物や樹脂フィルム等が車輪5に巻き込ま
れぬように保護カバー48で前輪5をカバーした。そし
て、保護カバー48は空転可能であるから、障害物に接
触した場合には静止し、障害物と保護カバー48との相
互の傷付きを防止できる。なお、後輪用車軸57の左右
両端にも、同構成の保護カバー48を備えるが、説明を
省略する。
【0021】図5は本発明に係る電動台車の従動ユニッ
トの断面図であり、従動ユニット50は、センタフレー
ム3の後部にボルト固定したサブフレーム51と、サブ
フレーム51に組付けた駆動機構52とからなる。サブ
フレーム51は、側面視コ字状のチャンネルであり、後
面のみならず図面表裏方向の面も開放状態である。サブ
フレーム51の前部は前部フランジ部51aである。
【0022】従動ユニット50の駆動機構52は、上記
図3に示す駆動ユニット20の駆動機構31と概ね同構
成であり、推進軸49からの動力を後輪用車軸57に伝
達する役割を果たす。駆動機構52は、ケース本体53
と蓋体54とでギヤケース55を構成し、このギヤケー
ス55に入力軸56と後輪用車軸57とを互いに直交し
て配置し、車軸57にホイール58をスプライン連結
し、ホイール58に入力軸56のウォーム56aを噛合
してウォームギヤ機構を構成したものである。車軸57
はギヤケース55を貫通する。入力軸56は略水平配置
し、しかも、後輪用車軸57より上位に且つ車軸57に
直角に配置したものである。入力軸56は、ギヤケース
55から前方に延びた前端部を、上記推進軸49の後端
部にブレーキ用ギヤ71とともにボルト結合する。
【0023】このように後輪用車軸57は、駆動機構5
2の出力軸の役割を果たす。以上の説明から明らかなよ
うに、電動台車2は、走行用モータ7の出力軸27に、
前輪用車軸35とともに推進軸49を連結し、この推進
軸49で前輪用車軸35とは異なるところの後輪用車軸
57を駆動する構成としたことを特徴とする。
【0024】ギヤケース55は、サブフレーム51の前
部フランジ部51aをケース本体53と蓋体54とで挟
み、これらを一体的にボルト59で結合したものであ
る。このため、ケース本体53と蓋体54とをボルト締
めしただけで、ギヤケース55の組立作業と、このギヤ
ケース55をサブフレーム51に取付ける作業とを同時
にすることができる。従って、ギヤケース55をサブフ
レーム51に取付けるための別のボルトが不要であり、
部品数が少なく組付時間が低減し、作業性が高まる。な
お、従動ユニット50の駆動機構52の車幅方向断面構
造は、上記図4に示す駆動ユニット20の駆動機構31
と同様の構成であり、その説明を省略する。61は軸シ
ール、62,63はベアリングである。
【0025】図6は図1の6−6線断面図であり、セン
タフレーム3の左右にバッテリ8,8を配置した姿を示
す。センタフレーム3は下側開放のコ字状断面体であ
り、左右の分割体3A,3Bを合せてなるもので、左右
の分割体3A,3Bは左右対称形部材であって、しか
も、アルミニウム合金材料の押出し成形材である。セン
タフレーム3はアルミニウム合金材料からなるので、軽
量であり、しかも、錆の発生が少ないので塗装等の防錆
処理が不要である。
【0026】センタフレーム3は、両側壁3c,3cの
下部に下部膨出部3d,3dを形成し、これらの下部膨
出部3d,3dはセンタフレーム3の長手方向に延び、
内側に開放した収納凹部3e,3eを有する。収納凹部
3eはセンタフレーム3に沿って引回されるワイヤハー
ネス65…等の各種引回し材を通す役割を果たす。ワイ
ヤハーネス65…は、上記操作パネル14及びフットコ
ントローラ15からモータ7に信号を伝送する信号ライ
ン、バッテリ8からモータ7に電力を供給する動力ライ
ン等からなる。このように、ワイヤハーネス65…等の
各種引回し材は収納凹部3eを通るので、外部に剥き出
しにならない。
【0027】また、センタフレーム3は上部に、図1に
示す荷台4及び乗員用シート9を前後(この図の表裏方
向)移動可能に案内するためのガイド溝3g,3gを備
える。詳しくは、平坦なセンタフレーム3の端部に上部
膨出部3fを形成し、内方に開放したガイド溝3g,3
gを形成したものである。荷台4の脚部4aは下部にベ
ースプレート4bを有し、このベースプレート4bはス
ペーサ66,66を介してガイド溝3g,3gに移動可
能に嵌合する。スペーサ66,66はガイド溝3g,3
gとの滑りを円滑にするためのもので、樹脂成形材であ
る。ベースプレート4bをセンタフレーム3の上壁3a
に蝶ボルト・蝶ナット67,67にて固定することで、
荷台4の脚部4aを所定位置に固定する。
【0028】センタフレーム3の両側にバッテリ用サポ
ート68,68を取付け、このサポート68,68にバ
ッテリ8,8を着脱可能に取付ける構成である。詳しく
は、バッテリ用サポート68は、センタフレーム3の側
壁3c上部に引掛け、センタフレーム3の下部膨出部3
dにボルト固定してなる。
【0029】図7は図1の7−7線断面図であり、乗員
用シート9は下部にベースプレート9aを有し、このベ
ースプレート9aは上記ガイド溝3g,3gに移動可能
に嵌合する。ベースプレート9aをセンタフレーム3の
上壁3aに蝶ボルト・蝶ナット67,67にて固定する
ことで、シート9は所定位置に固定する。
【0030】図8(a),(b)は本発明に係るハンド
ブレーキ機構の構成図兼作用説明図であり、(a)はハ
ンドブレーキ機構の斜視図、(b)はハンドブレーキ機
構の組立断面図である。なお、(a)は上記図1に示す
ブレーキレバー73を反対側から見た姿を示す。ハンド
ブレーキ機構70は、パーキングブレーキの役割を果た
すものであり、(a)に示すように、推進軸49に固定
したブレーキ用ギヤ71と、センタフレーム3の両側壁
3c,3c間に回動自在に支持した支軸72と、支軸7
2の一端に固定したブレーキレバー73と、支軸72の
中央に固定しブレーキ用ギヤ71に係合可能なブレーキ
用バー74と、支軸72の他端に固定したばね掛部材7
5と、ばね掛部材75とセンタフレーム3の側壁との間
に掛けてブレーキレバー73を所定位置に弾発する引張
りばね76とからなる。(b)に示すように、センタフ
レーム3は両側に、下部膨出部3dと上部膨出部3fと
の間に凹状部分3hを有し、この凹状部分3hはブレー
キレバー73、ばね掛部材75及び引張りばね76を収
納する。このため、ハンドブレーキ機構70はセンタフ
レーム3の周囲に突出しないので、小型であり、外観性
も良い。
【0031】図9は本発明に係る乗員用フットステップ
の斜視図であり、乗員用フットステップ80のステップ
部83は、電動台車2の方向修正時に握るグリップの役
割を兼ねたことを特徴とする。乗員用フットステップ8
0は、センタフレーム3の両側壁3c,3c間に回動自
在に支持した支軸81と、支軸81の両端に取付けた揺
動アーム部82,82と、これらの揺動アーム部82,
82の揺動先端部に備えたステップ部83,83とから
なる。このように、揺動アーム部82がセンタフレーム
3に前後揺動可能に取付けられるので、ステップ部83
は、乗員が足を載せるのに好適な低位置と、乗員が手で
持上げるのに好適な高位置とに揺動可能である。なお、
84,84はステップ部83,83の低位置を規定する
ストッパである。
【0032】次に、上記センタフレーム3、駆動ユニッ
ト20、及び従動ユニット50の組立手順を図10〜図
12に基づき説明する。説明の順序は、図10にて駆動
ユニット20の駆動機構31の組立手順を説明し、次に
図11にて駆動ユニット20の組立手順を説明し、最後
に図12にてセンタフレーム3と駆動ユニット20と従
動ユニット50の組立手順を説明する。なお、次の組立
手順は、上記構成の理解を容易にするために説明するも
のであり、下記の組立手順に限定するものではない。
【0033】図10は本発明に係る駆動ユニットの駆動
機構の組立説明図である。ケース本体32に、モータ7
の出力軸27のための軸シール38を嵌合し(矢印
)、前輪用車軸35のための軸シール44、ベアリン
グ41を嵌合する(矢印)。その後、ケース本体32
にホイール36を入れ、次に、右方向から車軸35を挿
入してホイール36とスプライン連結し、ベアリング4
1及び軸シール44に嵌合する(矢印)。そして、車
軸35の右方向からベアリング42を嵌合し、止め輪4
3で車軸35の位置決めをし、軸シール45及びキャッ
プ46を嵌合して(矢印)、駆動機構31の組立を完
了する。
【0034】図11は本発明に係る駆動ユニットの組立
説明図である。先ず、駆動機構31を組込んだケース本
体32をサブフレーム21内に挿入し(矢印)、サブ
フレーム21の後部フランジ部21cをケース本体32
とベアリング39付き蓋体33とで挟み(矢印)、こ
れらを一体的にボルト37で結合する(矢印)。次
に、モータ7の出力軸27をサブフレーム21の前面か
ら挿入してギヤケース34を貫通し(矢印)、その
後、モータ7を前部フランジ部21aにボルト29で結
合し(矢印)、駆動ユニット20の組立を完了する。
【0035】図12は本発明に係るセンタフレームの組
立説明図である。センタフレーム3の左右の分割体3
A,3Bを合せ(矢印)、それの前端部に駆動ユニッ
ト20のフレーム21を嵌合して、ボルト69…で上壁
3a及び両側壁3c,3cと結合する(矢印)。その
後、従動ユニット50のサブフレーム51を、センタフ
レーム3の後端部に嵌合して、ボルト69…で上壁3a
及び両側壁3c,3cと結合し(矢印)、組立作業を
完了する。このように、センタフレーム3に駆動・従動
ユニット20,50を組付けると同時に、センタフレー
ム3は左右の分割体3A,3Bを一体的に結合すること
になる。
【0036】次に、上記構成の乗用作業車1の作用を、
図1及び図13に基づき説明する。図1に示すように、
乗員Mの体形・体格や作業性に合せて、荷台4やシート
9を前後方向の任意の位置に移動して、設定する。例え
ば、荷台4は図2に示すセンタフレーム3のボルト孔3
b…を任意に選択して、蝶ボルト・蝶ナット67…(図
6参照)で位置決めする。このため、乗員Mは楽な姿勢
で作業をすることができる。
【0037】操作パネル14の各種スイッチ類(図2に
示す電源スイッチ14a、前後進切換スイッチ14b、
フットコントローラ切換スイッチ14c、車速調整ボリ
ューム14d)を操作することで、乗用作業車1は多様
な走行をする。例えば、前後進切換スイッチ14bを前
進操作又は後進操作すると、モータ7は正転又は逆転
し、駆動ユニット20や従動ユニット50を介して前・
後輪5,6を駆動する。また、前後進切換スイッチ14
bを停止操作すると、モータ7は電力供給が停止され且
つ回生制動される。
【0038】フットコントローラ切換スイッチ14cを
ON操作すると、フットコントローラ15は踏込み量に
応じてモータ7の回転数を無段調節することで、車速を
調節する。また、フットコントローラ15は着脱可能で
あり、例えば荷台4に載せて、乗員Mが荷台4で作業を
しながら踏込み操作することもできる。一方、フットコ
ントローラ切換スイッチ14cをOFF操作すると、車
速調整ボリューム14dは操作量に応じてモータ7の回
転数を無段調節することで、車速を調節する。この場合
には、フットコントローラ15による調整は不能であ
る。
【0039】このように乗用作業車1は、乗員の乗車有
無にかかわらず多様な走行が可能である。また、シート
9に座った想像線で示す乗員Mの股間に、操作パネル1
4を配置したので、操作パネル14に手が届きやすく、
座った乗員Mは操作パネル14を容易に操作することが
できる。このため、乗用作業車1を葉たばこ運搬車とし
て使用した場合には、畝間での葉たばこの苗の移植作
業、防除作業、芯止め作業、収穫作業、運搬作業などを
極めて容易に行うことができ、作業性が高い。
【0040】葉たばこ畑などの畝間において、乗用作業
車1の方向修正は、図13のようにする。図13(a)
〜(c)は本発明に係る乗用作業車の作用説明図であ
り、(a)は乗用作業車1を走行させながら作業をして
いる状態図、(b)は乗用作業車1の方向修正をしてい
る状態図、(c)は畝間で走行中の乗用作業車1の平面
図である。
【0041】通常の作業状態では(a)のように、乗員
Mがシート9に座り、乗用作業車1を走行させながら作
業をすることができ、乗員Mは低位置にあるステップ部
83に足を載せることができる。その後、乗用作業車1
の方向を修正する場合には、(b)のように乗員Mがシ
ート9から腰を浮かせる。そして、ステップ部83を高
位置に揺動し、このステップ部83を手で持上げながら
センタフレーム3を左又は右へ振る。(c)のように、
シート9側の後輪6,6間距離が前輪5,5間距離より
短いので、狭い畝間Umでセンタフレーム3のシート9
側を左又は右へ振った際でも、後輪6,6は畝Uに妨げ
られることがない。このため、乗用作業車1の方向を修
正することができる。この場合、乗員Mがシート9から
降りるとセンタフレーム3のシート9側が軽くなるの
で、この軽いシート9側を小さい力で左又は右へ振って
乗用作業車1の方向修正をすることができる。このた
め、乗用作業車1の方向修正が容易である。
【0042】次に、ハンドブレーキ機構70の作用を図
8(a)に基づき説明する。この図に示すように、ブレ
ーキレバー73が下方に倒れている状態では、ブレーキ
用バー74がブレーキ用ギヤ71と係合しないので、推
進軸49は回転可能である。そして、ハンドブレーキ機
構70は引張りばね76の弾発作用により、この非係合
状態を維持する。その後、引張りばね76の弾発力に抗
してブレーキレバー73を上方に揺動操作すると(矢印
A)、ブレーキ用バー74がブレーキ用ギヤ71と係合
するので(矢印B)、推進軸49は回転不能となる。同
時に、ばね掛部材75が揺動することにより(矢印
C)、引張りばね76は想像線で示す位置に反転する
(矢印D)。ハンドブレーキ機構70は引張りばね76
の弾発作用により、この係合状態を維持する。このよう
に、ハンドブレーキ機構70はパーキングブレーキの役
割を果たす。
【0043】次に、本発明の別の実施の形態例を、図1
4に基づき説明する。図14(a)〜(c)は本発明に
係る電動台車の別の実施の形態例図である。(a)は、
センタフレーム3に対して、後部端部に走行用モータ7
を配置し、モータ7寄りに左右のバッテリ8,8を配置
し、更に、上面前部に乗員用シート9を配置した構成で
ある。乗員用シート9を配置した側の前輪5,5中心間
距離L3は、他側の後輪6,6中心間距離L4より短
い。(b)は、センタフレーム3に対して、前部端部に
走行用モータ7を配置し、モータ7寄りに且つ車幅方向
中央にバッテリ8,8を配置し、更に、上面後部に乗員
用シート9を配置した構成である。乗員用シート9を配
置した側の後輪6,6中心間距離L1は、他側の前輪
5,5中心間距離L2より短い。(c)は、上記(a)
の構成の変形であり、バッテリ8,8をモータ7寄りに
且つ車幅方向中央に配置した構成である。但し、実施の
形態及び別の実施の形態において、電動台車2は、乗員
用シート9を配置した側の車輪間距離を、他側の車輪間
距離より短く設定した構成に限定するものではなく、例
えば、同一の車輪間距離としてもよい。
【0044】なお、上記電動台車2の実施の形態及び別
の実施の形態において、走行用モータ7の出力軸27と
車軸35,57との配置関係、モータ7と乗員用シート
9との配置関係は、走行用モータ7の出力軸27を下向
きに且つ車軸35,57と直角に配置し、更に、モータ
7の上方に乗員用シート9を配置したものでもよい。こ
の構成によれば、車軸35,57に対してモータ7を上
位に配置できるので、電動台車2の最低地上高さを低く
でき、また、モータ7に泥や汚水等を被り難くできる。
更に、モータ7の上方にシート9を配置するので、電動
台車2の長さを短くできる。例えば、図1及び図2に示
す実施の形態において、シート9の下方に、モータ7の
出力軸27を下向きに且つ車軸35,57と直角に配置
することもできる。また、次に説明する図15の電動台
車の構成にすることもできる。
【0045】図15(a),(b)は本発明に係る電動
台車の更なる別の実施の形態例図であり、(a)は電動
台車の要部を断面した側面図、(b)は使用状態の説明
図である。(a)において、電動台車90は走行用モー
タ7の出力軸27を下向きに且つ車軸91と直角に配置
し、更に、モータ7の上方に乗員用シート9を配置した
ことを特徴とする。具体的には、電動台車90は上記図
3に示す構成の駆動ユニット20を基本構成とし、しか
も、モータ7の出力軸27を下向きに配置した構成であ
る。
【0046】サブフレーム21は、上部にシート9を配
置するためのスタンド92を取付け、前部下面にキャス
タ93を取付け、前部上部且つ車幅方向中央にバッテリ
8を取付けたものである。電動台車90は前部をカバー
するための前面カバー94を備え、この前面カバー94
は車幅方向略中央に且つシート9の前部に上記操作パネ
ル14を配置した。このため、操作パネル14はシート
9に座った乗員Mの股間に配置することになる。95は
車軸91の両端に取付けた車輪、96は乗員用フットス
テップである。
【0047】上記(a)の電動台車90は極めて小型で
あり、しかも、小回りのきく操縦ができ、車速も超低速
から中速まで無段変速調整できる。このため、(b)に
示すように、電動台車90はシート9に座りながら作業
をする乗用作業車や、車椅子などに使用できる。
【0048】なお、上記本発明の実施の形態、別の実施
の形態、及び、更なる別の実施の形態において、乗用作
業車1は、「葉たばこ運搬車」として使用するものに限
定せず、例えば農作業車や工場用運搬車としても使用で
き、必要に応じて種々の荷台に交換してもよい。また、
乗用作業車1は荷台4を外して電動台車2だけでも使用
できる。更に、乗用作業車1は上記乗員用ステップ80
の他に、用途に応じてステップを付加してもよい。更に
また、乗用作業車1は操舵ハンドルを有しない構成であ
るが、必要に応じて操舵ハンドル機構を付加することは
差し支えない。
【0049】また、電動台車2は他の台車を連結する構
成でもよい。更に、駆動機構31,52は、走行用モー
タ7の出力軸27又は推進軸49を、車軸35,57と
直角に配置して動力伝達が可能であればよく、上記ウォ
ームギヤ機構の他に、例えば、ねじ歯車機構やハイポイ
ドギヤ機構でもよい。更にまた、乗員用シート9は、高
さ調整や左右方向スライド可能な構成でもよい。
【0050】
【0051】
【0052】
【発明の効果】 本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。 請求項記載の発明は、ギヤケースの内部で走行
用モータの出力軸に対し車軸を直角に配置したことによ
り、モータの出力軸が駆動機構の入力軸の役割を兼ね
る。このため、作業車用ギヤケースは小型になる。さら
には、ギヤケースをケース本体と蓋体とで構成し、一
方、前部フランジ並びに後部フランジとを有するボック
ス体からなるサブフレームを作業車の車体フレームに設
け、後部フランジをケース本体と蓋体とで挟み、これら
後部フランジとケース本体と蓋体とを一体的にボルト
で結合することにより、ケース本体に蓋体を組立てると
同時にサブフレームにギヤケースを取付けることができ
る。従来は、ケース本体に蓋体をボルト締めしてなるギ
ヤケースを、支持フレームにボルトで固定した構造を採
用していた。請求項では、後部フランジとケース本体
と蓋体とをボルトで共締めしたので、ケース本体に蓋体
を組立てると同時にサブフレームにギヤケースを取付け
ることができ、従来より組付時間が低減し、作業性が高
まり、ボルト数が減少し、部品数が少なくなる
【0053】さらに請求項記載の発明は、前部フラン
ジに走行用モータをボルト固定したので、走行用モータ
とギヤケースとを一体化でき、作業車用ギヤケースが小
型になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗用作業車の側面図
【図2】本発明に係る乗用作業車の平面図(荷台を省略
した姿)
【図3】本発明に係る電動台車の駆動ユニットの断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】本発明に係る電動台車の従動ユニットの断面図
【図6】図1の6−6線断面図
【図7】図1の7−7線断面図
【図8】本発明に係るハンドブレーキ機構の構成図兼作
用説明図
【図9】本発明に係る乗員用フットステップの斜視図
【図10】本発明に係る駆動ユニットの駆動機構の組立
説明図
【図11】本発明に係る駆動ユニットの組立説明図
【図12】本発明に係るセンタフレームの組立説明図
【図13】本発明に係る乗用作業車の作用説明図
【図14】本発明に係る電動台車の別の実施の形態例図
【図15】本発明に係る電動台車の更なる別の実施の形
態例図
【符号の説明】
1…乗用作業車、2…電動台車、3…車体フレーム(セ
ンタフレーム)、5…前輪、6…後輪、7…走行用モー
タ、8…バッテリ、20…駆動ユニット、21…サブフ
レーム、27…出力軸、27a…ウォーム、31…駆動
機構、32…ケース本体、33…蓋体、34…ギヤケー
ス、35…前輪用車軸、36…ホイール、37…ボル
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/04 A01B 75/00 F16H 57/02 511

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギヤケースの内部で走行用モータの出力
    軸に対し車軸を直角に配置し、前記ギヤケースをケース
    本体と蓋体とで構成し、一方、前部フランジ並びに後部
    フランジとを有するボックス体からなるサブフレームを
    作業車の車体フレームに設け、前記前部フランジに前記
    走行用モータをボルト固定し、前記後部フランジを前記
    ケース本体と蓋体とで挟み、これらの後部フランジとケ
    ース本体と蓋体とを一体的にボルトで結合することで、
    ケース本体に蓋体を組立てると同時にサブフレームにギ
    ヤケースを取付け可能に構成したことを特徴とする作業
    車用ギヤケース。
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