JP3095110B2 - 液晶セルに対する液晶注入方法 - Google Patents

液晶セルに対する液晶注入方法

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JP3095110B2
JP3095110B2 JP07026957A JP2695795A JP3095110B2 JP 3095110 B2 JP3095110 B2 JP 3095110B2 JP 07026957 A JP07026957 A JP 07026957A JP 2695795 A JP2695795 A JP 2695795A JP 3095110 B2 JP3095110 B2 JP 3095110B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶セルに対する液晶
注入方法に係り、特に、液晶のうち強誘電性液晶や反強
誘電性液晶等のスメクチック液晶の液晶セルに対する液
晶注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、強誘電性液晶を液晶セル
に注入するに際しては、当該強誘電性液晶を加熱してス
メクチック相から低粘度の液体状態に変化させ、この液
体状態になった液晶を、10-5Torr程度の真空状態
に脱気した液晶セルの液晶注入口に付着させ、その後、
液晶セルの周囲を大気圧に戻して液晶セルの内外に差圧
を生じさせることにより、液体状態の強誘電性液晶を液
晶セル内に吸引させて注入するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、強誘電性液
晶を採用する液晶セル内のギャップは、TN型液晶セル
に比べて非常に薄いため、液晶注入抵抗が大きい。この
ため、液晶セル内の奥の部分、即ち先端の部分に、強誘
電性液晶の未充填部分が生じる。また、液晶セルを構成
する両基板の形成材料と強誘電性液晶との間に熱膨張率
の差があるため、同様に、液晶セル内に強誘電性液晶の
未充填部分が生じる。
【0004】従って、上述のような液晶セル内の強誘電
性液晶の未充填部分が、液晶セルに表示不良部分を発生
させる原因となっている。これに対しては、特開平5−
313110号公報にて示されているように、液晶セル
内の未充填部分に対する強誘電性液晶の充填を促すため
に、強誘電性液晶の注入末期において、大気圧よりも高
い圧力を液晶セルの周囲に加え、液晶セルの内外間の圧
力差を大きくすることも考えられる。
【0005】しかし、このような方法では、上記加圧状
態が、主として、室温近傍における強誘電性液晶のSm
* 相よりも体積膨張している液体状態(ISO状態)
にて行われる。このため、液晶セルに対する強誘電性液
晶の充填密度の大きさが不十分となる。従って、液晶セ
ルの温度を室温に戻すに伴い、液晶セル内の強誘電性液
晶がSmC* 相に相転移して体積収縮を起こしたとき、
上述と同様に、液晶セル内に、強誘電性液晶の未充填部
分が生じるという不具合を招く。
【0006】この場合、上記加圧状態の終わりにおい
て、強誘電性液晶を液体状態からコレステリック相(C
h相)に相転移させているが、これによっても、液晶セ
ルに対する強誘電性液晶の充填密度の大きさが、なお、
不十分であって、上記不具合を解消することはできな
い。また、強誘電性液晶に代えて、反強誘電性液晶を採
用した場合、この反強誘電性液晶の相転移過程ではコレ
ステリック相が生じないため、上述した不具合は、強誘
電性液晶の場合に比べて、さらに著しいといえる。
【0007】そこで、本発明は、以上のようなことに対
処すべく、スメクチック液晶の液晶セルに対する注入
を、液晶セル内における液晶未充填領域を無くするよう
に行う液晶注入方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては メクチック液
晶を液晶セルに注入する液晶注入方法において、スメク
チック液晶の液晶セル(10)への注入後、この液晶セ
ル内のスメクチック液晶を液体状態に相転移させ 液晶
セルに充填すべき新たなスメクチック液晶をその液体状
態にて加圧により液晶セル内に充填し、その後、上記加
圧の状態を維持したまま液晶セル内のスメクチック液晶
をスメクチック相に相転移させることを特徴とする液晶
セルに対する液晶注入方法が提供される。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の液晶セルに対する液晶注入方法において
メクチック液晶のスメクチック相への相転移後、上記加
圧の状態を大気圧まで戻すことを特徴とする。また、請
求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の液晶
セルに対する液晶注入方法において、スメクチック液
のスメクチック相への相転移は、上記加圧の状態を維持
したまま液晶セルを冷却することで行うことを特徴とす
る。 また、請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3
のいずれか1つに記載の液晶セルに対する液晶注入方法
において、スメクチック液晶は強誘電性液晶及び反強誘
電性液晶の一方であることを特徴とする。
【0010】また、請求項5に記載の発明では、液晶セ
ル(10)を減圧状態におく第1工程(S2)と、液晶
ルをその外部にて上記減圧状態から解放させることに
より、液体状態のスメクチック液晶を液晶セル内に吸引
させて注入する第2工程(S3、S4)と、液晶セル内
のスメクチック液晶をその液体状態から他の相状態に相
転移させる第3工程(S5)と、この第3工程後、液晶
ル内のスメクチック液晶を液体状態に戻す第4工程
(S6)と 液晶セルに充填すべき新たなスメクチック
液晶をその液体状態にて加圧により液晶セル内に充填す
る第5工程(S7)と、 上記加圧の状態を維持したまま
液晶セル内のスメクチック液晶をスメクチック相に相転
移させる第6工程(S8、S9)とを備える液晶セルに
対する液晶注入方法が提供される。
【0011】また、請求項6に記載の発明では、請求
5に記載の液晶セルに対する液晶注入方法において
メクチック液晶のスメクチック相への相転移後、上記加
圧の状態を大気圧まで戻すことを特徴とする また、請
求項7に記載の発明では、請求項6に記載の液晶セルに
対する液晶注入方法において、 スメクチック液晶のスメ
クチック相への相転移は、上記加圧の状態を維持したま
ま液晶セルを冷却することで行うことを特徴とする。
た、請求項8に記載の発明では、請求項5乃至7のいず
れか1つに記載の液晶セルに対する液晶注入方法におい
て、スメクチック液晶は反強誘電性液晶であることを特
徴とする。
【0012】また、請求項9に記載の発明では、請求項
5に記載の液晶セルに対する液晶注入方法において、ス
メクチック液晶は反強誘電性液晶であり この反強誘電
性液晶のスメクチック相への相転移が、液晶セル内に液
晶未充填領域を発生させない程度に反強誘電性液晶の体
積収縮を抑制して行われることを特徴とする。
【0013】なお、上記各構成要素のカッコ内の符号
は、後述する実施例記載の具体的構成要素との対応関係
を示すものである。
【0014】
【発明の作用効果】上記請求項1〜4に記載の発明によ
れば、スメクチック液晶の液晶セルへの注入後、この液
晶セル内のスメクチック液晶を液体状態に相転移させた
上で、液晶セルに充填すべき新たなスメクチック液晶を
その液体状態にて加圧により液晶セル内に充填する。こ
れにより、新たなスメクチック液晶の充填前において、
スメクチック液晶の注入済みの液晶セル内に液晶未充填
領域があっても、この液晶未充填領域を無くするよう
に、液晶セル内全体に亘りスメクチック液晶を充填でき
ここで、上述のように、スメクチック液晶の充填
後、上記加圧の状態を維持したまま液晶セル内のスメク
チック液晶をスメクチック相に相転移させる。従って、
スメクチック液晶のスメクチック相への相転移時には液
晶セル内のスメクチック液晶は加圧されているので、ス
メクチック液晶の液晶セル内での液晶未充填領域がなく
なる。その結果、液晶セルの表示不良部分の発生を防止
できる。
【0015】また、請求項5〜8に記載の発明によれ
ば、液晶セルを、減圧後、その外部にて当該減圧から解
放させて、液体状態のスメクチック液晶を液晶セル内に
吸引させて注入する。然る後、液晶セル内のスメクチッ
ク液晶をその液体状態から他の相状態に相転移させた
上、液晶セル内のスメクチック液晶を液体状態に戻す。
ついで、液晶セル内に充填すべき新たなスメクチック液
晶をその液体状態にて加圧により液晶セル内に充填し、
その後、上記加圧の状態を維持したまま液晶セル内のス
メクチック液晶をスメクチック相に相転移させる
【0016】これにより、請求項1に記載の発明と同様
の効果を達成できる。また、請求項9に記載の発明のよ
うに、反強誘電性液晶のスメクチック相への相転移が、
液晶セル内に液晶未充填領域を発生させない程度に反強
誘電性液晶の体積収縮を抑制して行われれば、液晶未充
填領域の再発防止に有効である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図面により説明
する。図1は、本発明に係る液晶注入方法を主として示
す工程図である。まず、液晶セル形成工程S1におい
て、反強誘電性液晶が注入されていない液晶セル10
(図4参照)を次のようにして形成する。
【0018】両ガラス基板の一方に透明導電膜を成膜し
た後、この透明導電膜にフォトリソグラフィックパター
ン形成技術を施して複数条の電極を形成する。そして、
これら各電極を介して一方のガラス基板に絶縁膜を成膜
する。ついで、この絶縁膜に配向膜を形成してラビング
処理を施す。そして、この一方のガラス基板に上記配向
膜の周囲にて熱硬化性エポキシ系接着剤によりシール
(図4にて符号11により示す)を形成する。これによ
り、液晶セル10のコモン基板10aが形成される。
【0019】なお、シール11は、両防止壁11bを備
えており、これら両防止壁11bは、液晶注入口11a
の両側にて、コモン基板10aの対向基板10b(後述
する)からの延出板部上に延出形成される。他方のガラ
ス基板にも同様にして複数条の電極及び配向膜を形成す
る。そして、この配向膜上にスペーサ(1.7μm程度
の径を有する)及びエポキシ系接着粒子(5.5μm程
度の径を有する)を散布する。これにより、液晶セル1
0の対向基板10bが形成される。なお、スペーサの散
布密度は、500個/mm2程度とし、また、エポキシ
系接着粒子の散布密度は、50個/mm2 程度とする。
【0020】然る後、上記両ガラス基板をシール、スペ
ーサ及びエポキシ系接着粒子を介し重ね合わせて、18
0℃にて1時間の間0.5kg/cm2 の加圧状態にて
上記シールを硬化させる。これにより、液晶セル10の
形成が完了する。減圧工程S2においては、図4にて示
す液晶注入装置20を利用し、次のようにして液晶セル
10の内外部を減圧して真空状態にする。
【0021】ここで、液晶注入装置20は、恒温チャン
バ21を備えており、この恒温チャンバ21の内部は、
ヒータ22により0℃〜200℃の範囲で加熱されるよ
うになっている。また、液晶注入装置20は、真空ポン
プ23を備えており、この真空ポンプ23は、バルブ2
4を介し恒温チャンバ21内に接続されている。この真
空ポンプ23は、恒温チャンバ21の内部を10-6To
rrの真空度まで減圧することができる。
【0022】また、液晶注入装置20は、真空計25及
び温度計26を備えており、真空計25は、恒温チャン
バ21の内部に生ずる圧力を測定する。また、温度計2
6は、恒温チャンバ21内における液晶セル10の表面
温度を測定する。しかして、このように構成した真空装
置20の恒温チャンバ21内に液晶セル10を図4にて
示すごとく各治具27により位置決めして配置する。こ
のとき、液晶セル10の対向基板10bがコモン基板1
0aの上に位置するように、恒温チャンバ21の底壁上
に置く。また、コモン基板10aの延出板部上には、反
強誘電性液晶が、両防止壁11bの間にて付着されてい
る(図4にて符号13参照)。このとき、恒温チャンバ
21の内部は大気圧及び常温になっている。
【0023】このような状態にて、バルブ24を開いて
真空ポンプ23により恒温チャンバ21の内部を減圧す
る。この減圧は、圧力と時間との関係を表す圧力−時間
プログラムP1(図2参照)の点Aから点Bにかけてな
される。この場合、点Aから点A’まで、即ち、大気圧
から10Torrまでは、30分程度かけて減圧を行
う。
【0024】これにより、急激な圧力変化が抑制される
ので、コモン基板10a及び対向基板10bからのエポ
キシ系接着粒子の剥がれによるセルギャップむらの発生
が防止され得る。なお、点A’から点Bまでは、減圧速
度を特定することなく減圧を行う。然る後、加熱工程S
3において、液晶セル10の延出板部に付着している反
強誘電性液晶がスメクチック相から液体状態(ISO状
態)に相転移するように、恒温チャンバ21の内部を、
ヒータ22により、120℃まで加熱する。この加熱
は、温度と時間との関係を表す温度−時間プログラムT
1(図2参照)の点aから点bにかけてなされる。
【0025】これにより、反強誘電性液晶がISO状態
になると、この反強誘電性液晶の粘度が低下する。そし
て、この反強誘電性液晶が流動してシール11の液晶注
入口11aを塞ぐ。ついで、圧力戻し工程S4におい
て、恒温チャンバ21の内部を、バルブ24及び真空ポ
ンプ23を通して大気に開放して大気圧まで戻す。この
戻し過程は、図2の圧力−時間プログラムP1の点Cか
ら点Dに沿い、恒温チャンバ21の内部の圧力を大気圧
まで3時間かけて行う。
【0026】このような圧力の戻し過程においては、液
晶セル10の周囲の圧力が液晶セル10内の圧力よりも
高くなるので、この差圧により、液体状態の反強誘電性
液晶が液晶セル10内に液晶注入口11aから吸引注入
される。但し、このような注入状態は、反強誘電性液晶
の液晶セル10内への注入が完了するまで、温度−時間
プログラムT1の点b〜点cにおける圧力−時間プログ
ラムP1の点D後の部分にて示すごとく、2時間程維持
される。
【0027】次に、冷却工程S5において、恒温チャン
バ21の内部を大気圧に維持したまま、当該恒温チャン
バ21の内部の温度を温度−時間プログラムT1の点c
〜点dに沿い低下させ常温に戻す。これにより、液晶セ
ル10内に注入した反強誘電性液晶が液体状態からスメ
クチック相に戻る。なお、上述した各工程における液晶
セル10の温度及び恒温チャンバ21の内部の圧力は、
温度計26及び真空計25により視認される。
【0028】ところで、上記冷却工程S5における液晶
セル10内への反強誘電性液晶の注入完了時には、液晶
セル10の内部の奥に液晶未充填部分が残っている場合
がある。このため、液晶セル10内への強誘電性液晶の
充填密度を高めるとともに液晶セル10内の液晶未充填
部分を無くする必要がある。そこで、図5にて示す加圧
装置30を利用して、以下の各工程による処理をさらに
行う。
【0029】ここで、加圧装置30は、圧力チャンバ3
1を備えており、この圧力チャンバ31の内部は、プレ
ートヒータ32により0℃〜200℃の範囲で加熱され
るようになっている。なお、プレートヒータ32は、コ
字状のプレート32a内にヒータ部32bを配置して構
成されている。また、加圧装置30は、ガスボンベ33
を備えており、このガスボンベ33は、バルブ34を介
し圧力チャンバ31内に接続されている。このガスボン
ベ33は、窒素ガス等の不活性ガスを、バルブ34を通
し圧力チャンバ31内に圧送し、この圧力チャンバ31
の内部に5kg/cm2 程度まで加圧できるようになっ
ている。
【0030】また、この加圧装置30は、圧力計35及
び温度計36を備えており、圧力計35は、圧力チャン
バ31の内部に生ずる圧力を測定する。また、温度計3
6は、圧力チャンバ31内における液晶セル10の表面
温度を測定する。しかして、加熱工程S6において、上
述のように構成した加圧装置30の圧力チャンバ31内
に、冷却工程S5による処理後の液晶セル10を、図5
にて示すごとく、プレートヒータ32のプレート32a
上に載置する。このとき、コモン基板10aの延出板部
上には、両防止壁11bの間にて、液晶セル10内に充
填すべき新たな反強誘電性液晶が付着している(図5に
て符号13a参照)。
【0031】このような状態にて、液晶セル10に付着
している反強誘電性液晶がスメクチック相から液体状態
(ISO状態)に相転移するように、圧力チャンバ31
の内部を、プレートヒータ32により、120℃まで加
熱する。この加熱は、温度と時間との関係を表す温度−
時間プログラムT2(図3参照)の点eから点fにかけ
てなされる。
【0032】これにより、反強誘電性液晶がISO状態
になると、この反強誘電性液晶の粘度が低下する。そし
て、この反強誘電性液晶が流動してシール11の液晶注
入口11aを塞ぐ。その後、加圧工程S7において、バ
ルブ34を開いてガスボンベ33により圧力チャンバ3
1内に不活性ガスを圧送する。この加圧は、圧力と時間
との関係を表す圧力−時間プログラムP2(図3参照)
の点Eから点Fにかけてなされる。これにより、圧力チ
ャンバ31の内部が3kg/cm2 程度まで加圧され
る。
【0033】このため、液晶セル10の周囲の圧力が液
晶セル10内の圧力、即ち大気圧よりも高くなるので、
この差圧により、液体状態の反強誘電性液晶が液晶セル
10内に液晶注入口11aから吸引注入される。これに
より、液晶セル10内の液晶未充填部分への反強誘電性
液晶の充填が確実に行われる。なお、この注入は、90
分程度(図3にて点Fと点gとの間の時間)の経過によ
り完了する。
【0034】その後、冷却工程S8において、上記加圧
状態を維持したまま、圧力チャンバ31の内部を、温度
−時間プログラムT2の点gから点jに沿い冷却する。
この場合、点gから点hまでは、液体状態の反強誘電性
液晶に相転移を起こさせない範囲で後の冷却期間を短縮
するように、図3にて示すごとく急激な冷却がなされ
る。
【0035】また、点hから点iまでは、図3にて示す
ごとく、緩やかな徐冷速度(−0.1℃/min程度)
で冷却が行われる。これは、反強誘電性液晶の体積が、
この反強誘電性液晶のISO状態からSmA相への相転
移開始温度から完全にSmA相になる温度までの間にお
いて、最も大きく収縮することを考慮して、反強誘電性
液晶の体積収縮割合を緩和することにより、液晶セル1
0内の未充填領域の再発を防止するためである。
【0036】上述のような冷却により、液晶セル10内
の反強誘電性液晶が液体状態からスメクチック相に完全
に戻る。ここで、点hから点iまでは緩やかな徐冷速度
にて冷却がなされるので、反強誘電性液晶の初期配向
が、きめ細かく揃い良好な状態を維持する。このような
冷却後は、圧力チャンバ31の内部が、温度−時間プロ
グラムT2の点iから点jに沿い常温まで冷却される。
この過程では、既に反強誘電性液晶がスメクチック相に
相転移済み故、冷却速度は、時間短縮のために高くされ
ている。然る後、この状態が、温度−時間プログラムT
2の点jから点kにて示すごとく、一定時間の間保持さ
れる。
【0037】以上のようにして冷却工程S8の処理が終
了すると、圧力戻し工程S9において、圧力チャンバ3
1内の圧力を、圧力−時間プログラムP2の点Gから点
Hに沿い、大気圧まで戻す。これにより、液晶セル10
内への反強誘電性液晶の加圧充填処理が終了する。この
ようにして反強誘電性液晶を充填した液晶セル10に
は、液晶未充填領域がなく、その後再発することもな
い。
【0038】ちなみに、反強誘電性液晶を注入してない
液晶セルを、試料NO.1〜5として準備して、これら
の液晶セルに冷却工程S5までの処理を行って反強誘電
性液晶を注入した場合の各液晶セル内の液晶未充填領域
の面積と、これらの液晶セルに加熱工程S6以後の処理
をさらに行った場合の各液晶セル内の液晶未充填領域の
面積とを測定したところ、次の表1にて示す結果が得ら
れた。なお、各液晶セルのセルギャップは1.7μmで
ある。
【0039】これによれば、各液晶セル共、最終的に
は、未充填領域が解消されていることが分かる。
【0040】
【表1】 なお、各液晶セルに用いた反強誘電性液晶の相転移デー
タは以下の通りである。
【0041】 −12℃ 71℃ 75℃ 97℃ 結晶 → SmCA * → SmC* → SmA → ISO 73℃ 77℃ 97℃ 結晶 ← SmCA * ← SmC* ← SmA ← ISO 次に、本発明の第2実施例について図6及び図7を参照
して説明する。
【0042】この第2実施例においては、液晶セル10
内への反強誘電性液晶の注入充填が、図6にて示す圧力
−時間プログラムP3及び温度−時間プログラムT3に
基づき、図7にて示す液晶注入加圧装置40を利用して
なされる。ここで、圧力−時間プログラムP3は、上記
第1実施例にて述べた圧力−時間プログラムP1(図2
参照)と圧力−時間プログラムP2(図3参照)とを連
続的に実行するように合体させたものである。一方、温
度−時間プログラムT3は、上記第1実施例にて述べた
温度−時間プログラムT1(図2参照)と温度−時間プ
ログラムT2(図3参照)とを連続的に実行するように
合体させたものである。
【0043】また、液晶注入加圧装置40は、上記第1
実施例にて述べた液晶注入装置20に、加圧装置30の
ガスボンベ33、バルブ34及び圧力計35を付加して
構成されている。この第2実施例によれば、上記第1実
施例における各工程S1〜S9の処理が圧力−時間プロ
グラムP3及び温度−時間プログラムT3に基づき液晶
注入加圧装置40の利用でもって達成される。
【0044】なお、本発明の実施にあたっては、反強誘
電性液晶に限ることなく、強誘電性液晶等のスメクチッ
ク液晶を採用して実施してもよい。この場合、図2、図
3及び図6にて示す圧力−時間プログラム及び温度−時
間プログラムにおける各設定値は、液晶材料及び液晶セ
ルのサイズに基づき必要に応じて変更して実施すればよ
い。
【0045】かかる場合、スメクチック液晶を液体状態
にて液晶セルに注入した後、このスメクチック液晶を常
温近くまで冷却してSmCA * 相にし、その後、再び液
体状態まで昇温して加圧し、スメクチック液晶を高密度
で液晶セルに充填できるように上記各設定値を設定す
る。また、本発明の実施にあたっては、図1、図2及び
図6の各プログラムをコントローラに内蔵して図1の各
工程を自動的に実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶注入方法の第1実施例を示す
工程図である。
【図2】上記第1実施例における圧力−時間プログラム
及び温度−時間プログラムの各前半を示す図である。
【図3】上記第1実施例における圧力−時間プログラム
及び温度−時間プログラムの各後半を示す図である。
【図4】上記第1実施例における液晶注入装置の概略断
面図である。
【図5】上記第1実施例における加圧装置の概略断面図
である。
【図6】本発明の第2実施例における圧力−時間プログ
ラム及び温度−時間プログラムを示す図である。
【図7】上記第2実施例における液晶注入加圧装置の概
略断面図である。
【符号の説明】
10・・・液晶セル、20・・・液晶注入装置、30・
・・加圧装置、40・・・液晶注入加圧装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−51258(JP,A) 特開 昭62−262025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1341 G02F 1/13 101

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スメクチック液晶を液晶セルに注入する
    液晶注入方法において、 前記スメクチック液晶の前記液晶セルへの注入後、この
    液晶セル内のスメクチック液晶を液体状態に相転移さ
    前記液晶セルに充填すべき新 たなスメクチック液晶をそ
    の液体状態にて加圧により前記液晶セル内に充填し、そ
    の後、前記加圧の状態を維持したまま前記液晶セル内の
    スメクチック液晶をスメクチック相に相転移させること
    を特徴とする液晶セルに対する液晶注入方法。
  2. 【請求項2】 前記スメクチック液晶のスメクチック相
    への相転移後、前記加圧の状態を大気圧まで戻すことを
    特徴とする請求項1に記載の液晶セルに対する液晶注入
    方法。
  3. 【請求項3】 前記スメクチック液晶のスメクチック相
    への相転移は、前記加圧の状態を維持したまま前記液晶
    セルを冷却することで行うことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の液晶セルに対する液晶注入方法。
  4. 【請求項4】 前記スメクチック液晶は強誘電性液晶及
    び反強誘電性液晶の一方であることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1つに記載の液晶セルに対する液晶
    注入方法。
  5. 【請求項5】 液晶セルを減圧状態におく第1工程と、 前記液晶セルをその外部にて前記減圧状態から解放させ
    ることにより、液体状態のスメクチック液晶を前記液晶
    セル内に吸引させて注入する第2工程と、 前記液晶セル内のスメクチック液晶をその液体状態から
    他の相状態に相転移させる第3工程と、 この第3工程後、前記液晶セル内のスメクチック液晶を
    液体状態に戻す第4工程と、 前記液晶セルに充填すべき新たなスメクチック液晶をそ
    の液体状態にて加圧により前記液晶セル内に充填する第
    5工程と、 前記加圧の状態を維持したまま前記液晶セル内のスメク
    チック液晶をスメクチック相に相転移させる第6工程と
    備える液晶セルに対する液晶注入方法。
  6. 【請求項6】 前記スメクチック液晶のスメクチック相
    への相転移後、前記加圧の状態を大気圧まで戻すことを
    特徴とする請求項5に記載の液晶セルに対する液晶注入
    方法。
  7. 【請求項7】 前記スメクチック液晶のスメクチック相
    への相転移は、前記加圧の状態を維持したまま前記液晶
    セルを冷却することで行うことを特徴とする請求項6に
    記載の液晶セルに対する液晶注入方法。
  8. 【請求項8】 前記スメクチック液晶は反強誘電性液晶
    であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1つ
    に記載の液晶セルに対する液晶注入方法。
  9. 【請求項9】 前記スメクチック液晶は反強誘電性液晶
    であり、この反強誘電性液晶のスメクチック相への相転移が、前
    記液晶セル内に液晶未充填領域を発生させない程度に前
    記反強誘電性液晶の体積収縮を抑制して行われることを
    特徴とする請求項5に記載の液晶セルに対する液晶注入
    方法。
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