JP3094228U - 褥瘡防止クッション - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】患部に緩衝体が当接しないようにした褥瘡防止
クッションの提供。 【解決手段】緩衝体をクッションカバーＢに収容してな
る褥瘡防止クッションにおいて、上記緩衝体が弾性材料
製で肉厚方形板状の主体部１に、窓孔２…，２′を該主
体部１の上下面に貫通させて形成し、上記窓孔２…，
２′に嵌合部材３…，３′…，１７…を取り外し自在に
嵌合させてなり、上記クッションカバーＢが、周壁部
６′を有する略方形状で伸縮性材料からなる上面材６お
よびそれと同じく略方形状の下面材７を重合し、上記周
壁部６′の下辺縁と下面材７の外周縁のたがいに直角を
挟んで隣り合う２辺同士を縫合し、残りの２辺同士の間
には開閉具を取り付けて該上面材６と下面材７との間を
開閉自在にし、さらに上記下面材７の外周縁に取付用紐
１０…を取り付けてなる褥瘡防止クッション。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は褥瘡防止クッションに関する。

【０００２】

【従来の技術】

褥瘡（いわゆる床擦れ）は、ベッドや椅子の上で頻繁に姿勢を変えることがで きないときに、身体の特定の部位が長時間にわたって圧迫されることによって発 生する。 この褥瘡を防止するためのクッションとして、環状の緩衝体からなるドーナツ 状のものが知られている。 そのクッションは、上記緩衝体によって身体の特定の部位、特に患部に加わる 体圧を緩衝して褥瘡の発生や悪化を防止することができるものと認められる（た とえば、特許文献１参照。）。

【０００３】

【特許文献１】 登録実用新案第３０３１０１１号公報（第１，３図）

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、特に患部は、緩衝体に所要の緩衝作用があるとしても、その緩衝体に 当接すること自体で痛みを感じるようなことがあるが、上記ドーナツ状のクッシ ョンでは、上記患部を中央孔に一致する状態にして使用しない限り、その他の部 分では上記患部に当接せざるを得ないから使用上不都合であった。 また、上記ドーナツ状のクッションのような中央孔を備えていない形状のもの では、緩衝体が患部の全体に当接することとなるから、同様の不都合があった。

【０００５】 そこで本考案は、上記の不都合を解消して患部に緩衝体が当接しないようにし た褥瘡防止クッションを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の本考案褥瘡防止クッションは、緩衝体をクッションカバーＢに 収容してなる褥瘡防止クッションにおいて、上記緩衝体が弾性材料製で肉厚方形 板状の主体部１に、窓孔２…，２′を該主体部１の上下面に貫通させて形成し、 上記窓孔２…，２′に嵌合部材３…，３′…，１７…を取り外し自在に嵌合させ てなるとともに、上記クッションカバーＢが、周壁部６′を有する略方形状で伸 縮性材料からなる上面材６およびそれと同じく略方形状の下面材７を重合し、上 記周壁部６′の下辺縁と下面材７の外周縁のたがいに直角を挟んで隣り合う２辺 同士を縫合し、残りの２辺同士の間には開閉具を取り付けて該上面材６と下面材 ７との間を開閉自在にし、さらに上記下面材７の外周縁に取付用紐１０…を取り 付けてなる。

【０００７】 請求項２記載の本考案褥瘡防止クッションは、緩衝体をクッションカバーＢ′ に収容してなる褥瘡防止クッションにおいて、上記緩衝体が弾性材料製で肉厚円 板状の主体部１′に窓孔２…，２′を該主体部１′の上下面に貫通させて形成し 、上記窓孔２…，２′に嵌合部材３…，３′…，１７…を取り外し自在に嵌合さ せてなるとともに、上記クッションカバーＢ′が、周壁部１５を有する略円形状 で伸縮性材料からなる上面材１４およびそれと同じく略円形状の下面材１６を重 合し、上記周壁部１５の下辺縁と下面材１６の外周縁とを略半周縫合し、残りの 略半周の部分には開閉具を取り付けて、該上面材１４と下面材１６との間を開閉 自在にし、さらに、上記下面材１６の外周縁に取付用紐１０…を取り付けてなる 。

【０００８】 請求項３記載の本考案は、緩衝体Ａ′が、窓孔２′内に複数の嵌合部材３′… ，１７…を嵌合させてなる請求項１または２記載の褥瘡防止クッションである。

【０００９】 請求項４記載の本考案は、嵌合部材３…，３′…が、一側面に取出用溝４…を 刻設してなる請求項１，２または３記載の褥瘡防止クッションである。

【００１０】 請求項５記載の本考案は、嵌合部材３…，３′…が弾性材料からなる請求項１ ，２，３または４記載の褥瘡防止クッションである。

【００１１】 請求項６記載の本考案は、嵌合部材１７…が、充填材１８…を袋材に充填して なる請求項１，２または３記載の褥瘡防止クッションである。

【００１２】 請求項７記載の本考案は、上下面の柔軟材料の間に肉薄の弾性材料を内包して なる底敷材１２を上記クッションカバーＢ，Ｂ′の下面材７，１６上に重合し、 さらにその上に緩衝体を重合してなる請求項１，２，３，４，５または６記載の 褥瘡防止クッションである。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、まず本考案の第１実施形態に係る褥瘡防止クッションについて図１〜５ を参照し詳しく説明する。

【００１４】 Ａはスポンジ等の弾性材料製で肉厚方形板状の主体部１に、複数の円形の窓孔 ２…を該主体部１の上下面に貫通させて形成するとともに、その窓孔２…の各々 に該窓孔２…と同形同大の嵌合部材３…を取り外し自在に嵌合させてなる緩衝体 である。

【００１５】 上記嵌合部材３…は、上記主体部１と同じくスポンジ等の弾性材料製であって 、上記窓孔２…をたとえば打ち抜き形成するときに得られる打ち抜き片をもって あてることができる。それらの一側面には取出用溝４…を刻設し、それらを上記 窓孔２…から取り出す際には、そこに指をかけて簡単に取り出すことができるよ うにしてある。

【００１６】 なお、窓孔２…および嵌合部材３…の数，大きさ，形状は、上記に限らず任意 とすることができ、たとえば、図５に示した緩衝体Ａ′のように、大きく開口さ せた窓孔２′内に大きさ，形状の異なる複数の嵌合部材３′…を嵌合させたもの とすることもできる。

【００１７】 上記主体部１および各嵌合部材３…の下面には、係止手段として、たとえばベ ルベットファスナー（いわゆるマジックテープ（登録商標））の掛け側ベルベッ ト５…を所要の配置で取り付けてある。

【００１８】 Ｂは布帛，皮革等の柔軟材料、より好ましくは任意の方向に伸縮自在な伸縮性 材料からなるクッションカバーであり、本考案褥瘡防止クッションＣは、上記緩 衝体ＡをこのクッションカバーＢに収容してなるものである。

【００１９】 そのクッションカバーＢは周壁部６′を有する略方形状の上面材６およびそれ と同じく略方形状の下面材７を重合し、上記周壁部６′の下辺縁と下面材７の外 周縁のたがいに直角を挟んで隣り合う２辺同士を一致させて縫合するとともに、 残りの２辺同士の間には上記緩衝体Ａを出し入れするための開閉具として、たと えばファスナー８を取り付けて該上面材６と下面材７との間を開閉自在にしてな るものである。

【００２０】 上記下面材７の外周縁には、縁取り材９を被覆、縫着するとともに、その適宜 箇所には環状にした取付用紐１０…を所要数取り付けている。 この取付用紐１０…に他の紐等を通すことにより、本考案褥瘡防止クッション Ｃは椅子等に結びつけておくことができるようになっている。

【００２１】 上記下面材７の上面には、緩衝体Ａの主体部１および各嵌合部材３…の下面に 取り付けた上記掛け側ベルベット５…に対応する配置で、それと対になるベルベ ットファスナーの受け側ベルベット１１…が取り付けられている。 このクッションカバーＢへの上記緩衝体Ａの収容は、前者の受け側ベルベット １１…に後者の掛け側ベルベット５…を係合し、前者の上面材６および下面材７ で後者の上下面を被覆し、ファスナー８により上記上面材６と下面材７との間を 閉じた状態となるようにして行う。

【００２２】 上記構成の本考案褥瘡防止クッションＣは、通常は上記収容状態において床や ベッドあるいは各種の椅子に横臥したり座ったりするときに、マットあるいは座 布団として敷いて使用することができるものであるが、特に、クッションカバー Ｂ内の上記緩衝体Ａが患部に当接しないように、その患部に対応する位置の嵌合 部材３…を取り外し、窓孔２…を開口させることができるようにしたことを重要 な点とする。 また、上面材６を、伸縮性材料からなるのものとすれば、該上面材６は開口さ せた上記窓孔２…に対応する箇所において突っ張ることなく、患部とともにその 窓孔２…内に伸長するので、その患部を圧迫することがない。

【００２３】 次に、本考案の第２実施形態に係る褥瘡防止クッションについて図６，７を参 照し説明する。 本実施形態に係る褥瘡防止クッションＤは、上記第１実施形態の褥瘡防止クッ ションＣのクッションカバーＢの下面材７に取り付けていたベルベットファスナ ーの受け側ベルベット１１を省略するとともに、その受け側ベルベットを取り付 けていない下面材７上に底敷材を収容していることにおいて相違するのみである 。そこで、同一の部分には同一符号を付して説明を省略し、以下にはその相違点 についてだけ説明する。

【００２４】 １２は、上下面の柔軟材料の間に上記緩衝体Ａの主体部１にくらべてはるかに 肉薄のスポンジ等の弾性材料を内包してなる方形状の底敷材である。その上面に は、上記緩衝体Ａの主体部１および各嵌合部材３…の下面に取り付けた掛け側ベ ルベット５…に対応する配置でベルベットファスナーの受け側ベルベット１３… を取り付けてある。

【００２５】 この底敷材１２は、上記クッションカバーＢの下面材７上に重合され、さらに その上に上記受け側ベルベット１３…と掛け側ベルベット５…を係合させて緩衝 体Ａを重合するもので、これにより、褥瘡防止クッションＤは、緩衝体Ａのみを 収容した上記第１実施形態のものよりその弾性を高めたものとなる。 また、この底敷材１２は、上記窓孔２…の底を塞ぐ状態となるので、この褥瘡 防止クッションＤを、その所要位置の嵌合部材３…を取り外して使用している場 合において、緩衝体Ａが体重等で極度に圧潰されたときにもなお、所要の緩衝作 用をする。

【００２６】 さらに、上記底敷材１２の上面を、上記掛け側ベルベット５…を直接係合させ ることができるフレンチパイル等の材料からなるものとすれば、そこに上記受け 側ベルベット１３…を取り付ける必要がないこと明らかである。

【００２７】 次に、本考案の第３実施形態に係る褥瘡防止クッションについて図８を参照し 説明する。 本実施形態に係る褥瘡防止クッションＥは、その形状が円板状であることにお いて上記第１，２実施形態に係る褥瘡防止クッションＣ，Ｄと相違するのみであ る。そこで、同一の部分には同一符号を付して説明を省略し、以下にはその相違 点についてだけ説明する。

【００２８】 Ａ″は弾性材料性で肉厚円板状の主体部１′に複数の窓孔２…を該主体部１′ の上下面に貫通させて形成するとともに、その窓孔２…の各々に該窓孔２…と同 形同大の嵌合部材３…を取り外し自在に嵌合させてなる緩衝体である。

【００２９】 本考案褥瘡防止クッションＥは、上記緩衝体Ａ″をクッションカバーＢ′に収 容してなるものである。

【００３０】 そのクッションカバーＢ′は、周壁部１５を有する略円形状の上面材１４およ びそれと同じく略円形状の下面材１６を重合し、上記周壁部１５の下辺縁と下面 材１６の外周縁との間を略半周縫合するとともに、残りの略半周の部分にファス ナー８を取り付けて、該上面材１４と下面材１６との間を開閉自在にしてなるも のである。

【００３１】 また、上記第２実施形態に係る褥瘡防止クッションＤに収容した底敷材１２は 方形状のものであるが、それを円形状のものとすれば本実施形態に係る褥瘡防止 クッションＥに収容できること明らかである。

【００３２】 上記各実施形態において、嵌合部材３…，３′…は必ずしも弾性材料製のもの とする必要はなく、上記弾性材料よりも硬度の高い材料により製作することがで きる。 図９（ａ）に示した嵌合部材１７は、図９（ｂ）に示したパイプ状や中空球状 に形成された数ミリ程度の大きさのプラスチック製の充填材１８…を袋材に多数 充填して、上記窓孔２，２′に嵌合させることができる程度の大きさとしたもの で、それは内部の充填材１８…を流動させることにより自在に変形させることが できるが、一つ一つの充填材１８は押圧されてもほとんど弾性変形しない。

【００３３】 したがって、褥瘡防止クッションＣ，Ｄ，Ｅの使用時において身体が過度に沈 下してしまう場合に、この嵌合部材１７…を患部以外の位置に当接するように窓 孔２…，２′に嵌合させておくことにより、身体を支持させて過度の沈下を防ぐ ことができる。

【００３４】

【考案の効果】

以上述べたところから明らかなように、本考案褥瘡防止クッションによれば次 の効果を奏する。 緩衝体をクッションカバーに収容しているので、普通のクッションと同様、床 やベッドあるいは各種の椅子に横臥したり座ったりするときに、マットあるいは 座布団として敷いて使用することができる。 上記緩衝体は主体部の上下面に貫通させて窓孔を形成するとともに、その窓孔 に嵌合部材を取り外し自在に嵌合させてなるので、上記緩衝体が患部に当接しな いように、患部に対応する位置の上記嵌合部材を取り外して窓孔を開口させるこ とができる。しかも、クッションカバーの上面材は伸縮性材料からなるのでその 患部を圧迫することがない。 したがって褥瘡の発生の防止およびその悪化の防止に効果的である。 さらに、クッションカバーには取付用紐を取り付けているので、椅子等に結び つけておくことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施形態に係る褥瘡防止クッショ
ンの斜視図である。

【図２】図１のＩ−Ｉ線縦断端面図である。

【図３】クッションカバーの斜視図である。

【図４】緩衝体の斜視図である。

【図５】緩衝体の他の例の平面図である。

【図６】本考案の第２実施形態に係る褥瘡防止クッショ
ンの縦断端面図である。

【図７】底敷材の斜視図である。

【図８】本考案の第３実施形態に係る褥瘡防止クッショ
ンの斜視図である。

【図９】（ａ）嵌合部材の他の例の斜視図である。
（ｂ）その嵌合部材に充填される充填材の拡大斜視図で
ある。

【符号の説明】

Ａ，Ａ′，Ａ″ 緩衝体 Ｂ，Ｂ′ クッションカバー Ｃ，Ｄ，Ｅ 褥瘡防止クッション １，１′ 主体部 ２，２′ 窓孔 ３，３′，１７ 嵌合部材 ４ 取出用溝 ６，１４ 上面材 ６′，１５ 周壁部 ７，１６ 下面材 ８ ファスナー １０ 取付用紐 １２ 底敷材 １８ 充填材

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】緩衝体をクッションカバーに収容してなる
   褥瘡防止クッションにおいて、上記緩衝体が弾性材料製
   で肉厚方形板状の主体部に、窓孔を該主体部の上下面に
   貫通させて形成し、上記窓孔に嵌合部材を取り外し自在
   に嵌合させてなるとともに、上記クッションカバーが、
   周壁部を有する略方形状で伸縮性材料からなる上面材お
   よびそれと同じく略方形状の下面材を重合し、上記周壁
   部の下辺縁と下面材の外周縁のたがいに直角を挟んで隣
   り合う２辺同士を縫合し、残りの２辺同士の間には開閉
   具を取り付けて該上面材と下面材との間を開閉自在に
   し、さらに上記下面材の外周縁に取付用紐を取り付けて
   なることを特徴とする褥瘡防止クッション。
2. 【請求項２】緩衝体をクッションカバーに収容してなる
   褥瘡防止クッションにおいて、上記緩衝体が弾性材料製
   で肉厚円板状の主体部に窓孔を該主体部の上下面に貫通
   させて形成し、上記窓孔に嵌合部材を取り外し自在に嵌
   合させてなるとともに、上記クッションカバーが、周壁
   部を有する略円形状で伸縮性材料からなる上面材および
   それと同じく略円形状の下面材を重合し、上記周壁部の
   下辺縁と下面材の外周縁とを略半周縫合し、残りの略半
   周の部分には開閉具を取り付けて、該上面材と下面材と
   の間を開閉自在にし、さらに、上記下面材の外周縁に取
   付用紐を取り付けてなることを特徴とする褥瘡防止クッ
   ション。
3. 【請求項３】緩衝体が、窓孔内に複数の嵌合部材を嵌合
   させてなることを特徴とする請求項１または２記載の褥
   瘡防止クッション。
4. 【請求項４】嵌合部材が、一側面に取出用溝を刻設して
   なることを特徴とする請求項１，２または３記載の褥瘡
   防止クッション。
5. 【請求項５】嵌合部材が、弾性材料からなることを特徴
   とする請求項１，２，３または４記載の褥瘡防止クッシ
   ョン。
6. 【請求項６】嵌合部材が、充填材を袋材に充填してなる
   ことを特徴とする請求項１，２または３記載の褥瘡防止
   クッション。
7. 【請求項７】上下面の柔軟材料の間に肉薄の弾性材料を
   内包してなる底敷材を上記クッションカバーの下面材上
   に重合し、さらにその上に緩衝体を重合してなることを
   特徴とする請求項１，２，３，４，５または６記載の褥
   瘡防止クッション。