JP3094104B1 - 超電導磁気浮上輸送システム - Google Patents
超電導磁気浮上輸送システムInfo
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)
- Non-Mechanical Conveyors (AREA)
Abstract
【要約】
【課題】 高効率・大容量の位置エネルギーによる輸送
システムを可能とする。 【解決手段】 輸送車両１は、真空輸送路内に設置され
た磁気浮上ガイド２上を落差による位置エネルギーによ
って高速に走行し、目的地に輸送物資を運ぶ。輸送車両
１は、磁気浮上ガイド２上に超電導を利用して非接触・
低摩擦抵抗にて浮上している。超電導磁気浮上は、主に
超電導体のピン止め効果による拘束力を利用して、安定
した位置が保持される。
システムを可能とする。 【解決手段】 輸送車両１は、真空輸送路内に設置され
た磁気浮上ガイド２上を落差による位置エネルギーによ
って高速に走行し、目的地に輸送物資を運ぶ。輸送車両
１は、磁気浮上ガイド２上に超電導を利用して非接触・
低摩擦抵抗にて浮上している。超電導磁気浮上は、主に
超電導体のピン止め効果による拘束力を利用して、安定
した位置が保持される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導磁気浮上輸
送システムに係り、特に、超電導磁気浮上を利用して位
置エネルギーを輸送車両の駆動源とすることにより、郵
便物や食品などの輸送物資を短距離乃至長距離輸送を行
うようにした超電導磁気浮上輸送システムに関する。
送システムに係り、特に、超電導磁気浮上を利用して位
置エネルギーを輸送車両の駆動源とすることにより、郵
便物や食品などの輸送物資を短距離乃至長距離輸送を行
うようにした超電導磁気浮上輸送システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、郵便物や食料品などを輸送す
る方法においては、飛行機や船および自動車、鉄道など
を利用して、空気中をあるいは路上やレール上を輸送す
るようにしていた。
る方法においては、飛行機や船および自動車、鉄道など
を利用して、空気中をあるいは路上やレール上を輸送す
るようにしていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の輸送
方法では、空気中をあるいは路上やレール上を大きな損
失を負いながら輸送するため、燃料費、人件費に多大な
費用がかかるとともに、輸送車両の製造費も膨大な費用
となり、また、環境悪化への影響も少なくない。従来の
飛行機や船あるいは自動車による物資を輸送する方法
は、例えば、石油を駆動エネルギーとして利用している
ため、排気による有害物質の発生、CO２の発生による地
球温暖化現象の助長およびタイヤの磨耗粉などによる空
気汚染など環境への悪影響が著しい。また、鉄道におい
ても、電気エネルギーを作り出すための原子力発電や火
力発電による環境汚染が重要視される。また、それぞれ
の輸送方法は、空気中を走行することで生じる風損およ
び摩擦によって走行するための損失が非常に大きく、将
来備蓄量が懸念されている石油を大量消費している。
方法では、空気中をあるいは路上やレール上を大きな損
失を負いながら輸送するため、燃料費、人件費に多大な
費用がかかるとともに、輸送車両の製造費も膨大な費用
となり、また、環境悪化への影響も少なくない。従来の
飛行機や船あるいは自動車による物資を輸送する方法
は、例えば、石油を駆動エネルギーとして利用している
ため、排気による有害物質の発生、CO２の発生による地
球温暖化現象の助長およびタイヤの磨耗粉などによる空
気汚染など環境への悪影響が著しい。また、鉄道におい
ても、電気エネルギーを作り出すための原子力発電や火
力発電による環境汚染が重要視される。また、それぞれ
の輸送方法は、空気中を走行することで生じる風損およ
び摩擦によって走行するための損失が非常に大きく、将
来備蓄量が懸念されている石油を大量消費している。
【０００４】本発明は、上述した従来の課題を解消する
ため、輸送車両の非接触浮上に軸受損失の極めて小さい
高温超電導磁気浮上を採用し、輸送車両が走行する輸送
路内を真空又は減圧雰囲気にして風損を著しく低減する
ことにより、走行中の抵抗がほとんどなくし、走行用駆
動動力をほとんど位置エネルギーで賄える環境汚染のな
い省エネルギー超電導磁気浮上輸送システムを提供する
ことを目的とする。
ため、輸送車両の非接触浮上に軸受損失の極めて小さい
高温超電導磁気浮上を採用し、輸送車両が走行する輸送
路内を真空又は減圧雰囲気にして風損を著しく低減する
ことにより、走行中の抵抗がほとんどなくし、走行用駆
動動力をほとんど位置エネルギーで賄える環境汚染のな
い省エネルギー超電導磁気浮上輸送システムを提供する
ことを目的とする。
【０００５】また、本発明は、小容量の輸送車両を連結
あるいは複数設けることにより大容量の輸送を可能にす
ることを目的とする。
あるいは複数設けることにより大容量の輸送を可能にす
ることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の超電導磁気浮上
輸送システムでは、輸送物資を保有する輸送キャビンを
備えた輸送車両を超電導現象の一つであるぴん止め効果
を利用して非接触に浮上させ、出発地と到着地との間の
走行路に落差を設けた真空の輸送路内に走行方向に永久
磁石あるいは電磁石を配置したレール上を落差の位置エ
ネルギーを利用して走行させ、目的地の近くになったら
走行の運動エネルギーを位置エネルギーで吸収して目的
地で停止させるようにした。輸送物資の積み卸しおよび
その他作業のため、出発地および到着地には、輸送管端
部（輸送車両の停止場所）を密閉できる真空扉を設け、
その中は大気開放および真空にできる構造になってい
る。また、走行中に磁気浮上で生じる損失分の位置エネ
ルギーは、エレベータを利用して輸送車両を高所に運べ
るようにした。
輸送システムでは、輸送物資を保有する輸送キャビンを
備えた輸送車両を超電導現象の一つであるぴん止め効果
を利用して非接触に浮上させ、出発地と到着地との間の
走行路に落差を設けた真空の輸送路内に走行方向に永久
磁石あるいは電磁石を配置したレール上を落差の位置エ
ネルギーを利用して走行させ、目的地の近くになったら
走行の運動エネルギーを位置エネルギーで吸収して目的
地で停止させるようにした。輸送物資の積み卸しおよび
その他作業のため、出発地および到着地には、輸送管端
部（輸送車両の停止場所）を密閉できる真空扉を設け、
その中は大気開放および真空にできる構造になってい
る。また、走行中に磁気浮上で生じる損失分の位置エネ
ルギーは、エレベータを利用して輸送車両を高所に運べ
るようにした。
【０００７】本発明の解決手段によると、輸送物資を搭
載する輸送物資用キャビンと、超電導部材を含む第１の
磁気浮上用部材と、第１の結合コイルとを有する輸送車
両と、磁界発生用コイル又は磁石を含み前記第１の磁気
浮上用部材に対する第２の磁気浮上用部材と、前記第１
の結合コイルに結合する第２の結合コイルとを有し、前
記輸送車両を浮上させるための磁気浮上ガイドと、前記
輸送車両及び前記磁気浮上ガイドを真空又は減圧雰囲気
で包含し、高低差があるように配置された輸送路を備
え、前記輸送車両の前記第１の磁気浮上部材と前記磁気
浮上ガイドの前記第２の磁気浮上部材とによる超電導ピ
ン止め効果によって、前記輸送車両を前記磁気浮上ガイ
ド上に浮上させ、前記輸送車両を前記輸送路の配置に従
い位置エネルギーにより駆動走行させ、前記輸送車両の
前記第１の結合コイル及び前記磁気浮上ガイドの前記第
２の結合コイルによって、輸送車両の駆動停止、保持又
は位置決めを行うようにした超電導磁気浮上輸送システ
ムを提供する。
載する輸送物資用キャビンと、超電導部材を含む第１の
磁気浮上用部材と、第１の結合コイルとを有する輸送車
両と、磁界発生用コイル又は磁石を含み前記第１の磁気
浮上用部材に対する第２の磁気浮上用部材と、前記第１
の結合コイルに結合する第２の結合コイルとを有し、前
記輸送車両を浮上させるための磁気浮上ガイドと、前記
輸送車両及び前記磁気浮上ガイドを真空又は減圧雰囲気
で包含し、高低差があるように配置された輸送路を備
え、前記輸送車両の前記第１の磁気浮上部材と前記磁気
浮上ガイドの前記第２の磁気浮上部材とによる超電導ピ
ン止め効果によって、前記輸送車両を前記磁気浮上ガイ
ド上に浮上させ、前記輸送車両を前記輸送路の配置に従
い位置エネルギーにより駆動走行させ、前記輸送車両の
前記第１の結合コイル及び前記磁気浮上ガイドの前記第
２の結合コイルによって、輸送車両の駆動停止、保持又
は位置決めを行うようにした超電導磁気浮上輸送システ
ムを提供する。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１、本発明に係る超電導磁気浮
上輸送システムの概要構成図を示す。本発明の超電導磁
気浮上輸送システムは、例えば、地上、地中、海中およ
び湖水中さらには、高速道路の側壁や下壁などに設置で
きる。
上輸送システムの概要構成図を示す。本発明の超電導磁
気浮上輸送システムは、例えば、地上、地中、海中およ
び湖水中さらには、高速道路の側壁や下壁などに設置で
きる。
【０００９】図１（Ａ）において、超電導磁気浮上輸送
システムは、ひとつ又は複数の輸送車両１、永久磁石あ
るいは電磁石を配置した磁気浮上ガイド２、輸送路３を
備える。輸送路３の端部には、出発エリア４及び到着エ
リア５を備える。また、出発エリア４は、真空窓４ａ及
び４ｂを、到着エリア５は、真空窓５ａ及び５ｂをそれ
ぞれ有する。輸送車両１は、真空窓４ａがクローズ、真
空窓４ｂがオープンの状態で、出発エリア４に導かれ、
その後、真空窓４ｂがクローズされ、出発エリア４内部
が真空状態とされる。つぎに、真空窓４ａがオープンと
なり、輸送車両１は、輸送路３に導かれる。輸送車両１
は、磁気浮上ガイド２上に超電導を利用して非接触・低
摩擦抵抗にて浮上している。超電導磁気浮上は、主に超
電導体のピン止め効果による拘束力を利用して、安定し
た位置が保持される。
システムは、ひとつ又は複数の輸送車両１、永久磁石あ
るいは電磁石を配置した磁気浮上ガイド２、輸送路３を
備える。輸送路３の端部には、出発エリア４及び到着エ
リア５を備える。また、出発エリア４は、真空窓４ａ及
び４ｂを、到着エリア５は、真空窓５ａ及び５ｂをそれ
ぞれ有する。輸送車両１は、真空窓４ａがクローズ、真
空窓４ｂがオープンの状態で、出発エリア４に導かれ、
その後、真空窓４ｂがクローズされ、出発エリア４内部
が真空状態とされる。つぎに、真空窓４ａがオープンと
なり、輸送車両１は、輸送路３に導かれる。輸送車両１
は、磁気浮上ガイド２上に超電導を利用して非接触・低
摩擦抵抗にて浮上している。超電導磁気浮上は、主に超
電導体のピン止め効果による拘束力を利用して、安定し
た位置が保持される。
【００１０】質量mを持つ輸送車両１は、出発地の磁気
浮上ガイド２上を落差という位置エネルギーにより輸送
路内を下降部で高速に加速し、ｄ部では一定走行し、目
的地近郊で上昇して輸送車両の運動エネルギーを位置エ
ネルギーとして蓄え、速度が減少し、停止する。到着エ
リア５側では、真空窓５ｂがクローズ、真空窓５ａがオ
ープンで、その内部は真空状態とされている。輸送車両
１が到着エリア５に到着すると、真空窓５ａがクローズ
され、到着エリア５内部が外気と同様の状態とされ、そ
の後、真空窓５ｂがオープンとなり、必要に応じて、エ
レベータ、搬送手段等により所定の位置に導かれる。ま
た、輸送路３は、分岐部７をさらに備え、Ｂ地点の到着
エリア６に輸送することもできる。この際、輸送車両１
と磁気浮上ガイド２に備えられた結合コイル２２又は到
着エリア６等に備えられた適宜の制動手段により、ブレ
ーキをかけるようにすることができる。
浮上ガイド２上を落差という位置エネルギーにより輸送
路内を下降部で高速に加速し、ｄ部では一定走行し、目
的地近郊で上昇して輸送車両の運動エネルギーを位置エ
ネルギーとして蓄え、速度が減少し、停止する。到着エ
リア５側では、真空窓５ｂがクローズ、真空窓５ａがオ
ープンで、その内部は真空状態とされている。輸送車両
１が到着エリア５に到着すると、真空窓５ａがクローズ
され、到着エリア５内部が外気と同様の状態とされ、そ
の後、真空窓５ｂがオープンとなり、必要に応じて、エ
レベータ、搬送手段等により所定の位置に導かれる。ま
た、輸送路３は、分岐部７をさらに備え、Ｂ地点の到着
エリア６に輸送することもできる。この際、輸送車両１
と磁気浮上ガイド２に備えられた結合コイル２２又は到
着エリア６等に備えられた適宜の制動手段により、ブレ
ーキをかけるようにすることができる。
【００１１】図１（Ｂ）に、輸送路の変形構成図を示
す。図１（Ｂ）のように、輸送路３’及び第２の磁気浮
上ガイド２’は、高所や低所が繰り返しあっても、走行
損失が極めて少ないので、高所に向かうときは運動エネ
ルギーを位置エネルギーに変換して速度は減少するが、
今度は蓄えられた位置エネルギーにより下降部で速度を
増加することになりあまり大きな高低でなければほとん
ど影響を受けない。
す。図１（Ｂ）のように、輸送路３’及び第２の磁気浮
上ガイド２’は、高所や低所が繰り返しあっても、走行
損失が極めて少ないので、高所に向かうときは運動エネ
ルギーを位置エネルギーに変換して速度は減少するが、
今度は蓄えられた位置エネルギーにより下降部で速度を
増加することになりあまり大きな高低でなければほとん
ど影響を受けない。
【００１２】このようなシステムにおいて、１個の輸送
車両１について、輸送車両の距離ｄ上での走行速度と出
発地から目的地までの時間を算出してみると、次のよう
になる。すなわち、図１を参照すると、時間tの間に一
定加速度aで進む距離hは、 h=1/2at２ 加速度aは、勾配αと重力加速度gから a=g・sinα 時間t秒後の速度vは、 v=√2ax
車両１について、輸送車両の距離ｄ上での走行速度と出
発地から目的地までの時間を算出してみると、次のよう
になる。すなわち、図１を参照すると、時間tの間に一
定加速度aで進む距離hは、 h=1/2at２ 加速度aは、勾配αと重力加速度gから a=g・sinα 時間t秒後の速度vは、 v=√2ax
【００１３】これらの式から、一例としてα=5°、h=20
0mの場合、距離d=100kmの直線を何分で走行するかを計
算する。まず、傾斜部から直線部に移行するまでにかか
る時間は、a=9.8×sin5°=0.854 m/s２ 、及び、x=2
00/tan5°=2286 m から、 t=√(2x/a)=√(2×2286/0.854)=73.2 s である。したがって、直線部で達する速度vは、 v=√(2×0.854×2286)=62.5 m/s = 225 km/h になる。これから輸送車両１は、100kmの距離dを27分で
走行する。
0mの場合、距離d=100kmの直線を何分で走行するかを計
算する。まず、傾斜部から直線部に移行するまでにかか
る時間は、a=9.8×sin5°=0.854 m/s２ 、及び、x=2
00/tan5°=2286 m から、 t=√(2x/a)=√(2×2286/0.854)=73.2 s である。したがって、直線部で達する速度vは、 v=√(2×0.854×2286)=62.5 m/s = 225 km/h になる。これから輸送車両１は、100kmの距離dを27分で
走行する。
【００１４】もし、輸送車両１が走行中に損失をともな
う時、失うエネルギーは、例えば、重量１tのものが高
さ２００mで有する位置エネルギーは ２×10５kgmであ
るから、風損による損失を真空中走行により皆無とし、
超電導軸受の振動による損失を1t車両で10Wとすると、
走行中に生じる全損失は、10×(2×73.2+27×60)=17664
Jである。これを落差で表示すると1.8mとなる。また、
その損失は、超電導体で生じるので車両をその分冷却し
なくてはならないが、走行中は、輸送車両の蓄冷能力が
大きければ冷却の必要性はない。
う時、失うエネルギーは、例えば、重量１tのものが高
さ２００mで有する位置エネルギーは ２×10５kgmであ
るから、風損による損失を真空中走行により皆無とし、
超電導軸受の振動による損失を1t車両で10Wとすると、
走行中に生じる全損失は、10×(2×73.2+27×60)=17664
Jである。これを落差で表示すると1.8mとなる。また、
その損失は、超電導体で生じるので車両をその分冷却し
なくてはならないが、走行中は、輸送車両の蓄冷能力が
大きければ冷却の必要性はない。
【００１５】さらに、走行中に生じる損失は、車両の速
度を減少させることになる。225km／hで走行している1
トンの車両の持つ運動エネルギーは、 e = 1/2mv２ = 1/2×1000/9.8×62.5２ =200000 (kg
m) = 1962000 (J) であるので、全損失17664Jを消費すると速度は、 v=√（２×(1962000-17664)/1000）=62.36 m/s ≒ 224
km/h となり、約1km/hの速度低下になる。損失が１トン当た
り５０Wあると、走行中の全損失は、88320 J、落差では
9mとなり、速度は、v=61 m/s = 220 km/h で５km/h低下
することになる。
度を減少させることになる。225km／hで走行している1
トンの車両の持つ運動エネルギーは、 e = 1/2mv２ = 1/2×1000/9.8×62.5２ =200000 (kg
m) = 1962000 (J) であるので、全損失17664Jを消費すると速度は、 v=√（２×(1962000-17664)/1000）=62.36 m/s ≒ 224
km/h となり、約1km/hの速度低下になる。損失が１トン当た
り５０Wあると、走行中の全損失は、88320 J、落差では
9mとなり、速度は、v=61 m/s = 220 km/h で５km/h低下
することになる。
【００１６】図２に、本発明に係る超電導磁気浮上輸送
システムの詳細な構成図の一例を示す。輸送車両１は、
輸送物資用キャビン１１，冷凍機又は冷媒１２，蓄冷器
１３，第１の結合コイル１４，第１の磁気浮上用部材１
５を備える。輸送物資用キャビン１１は、輸送物資を搭
載するための空間である。冷凍機又は冷媒１２は、蓄冷
器１３を冷却する機構であり、化学的・電気的等の適宜
の冷却機、又は、例えば液体窒素等の冷媒が用いられ
る。また、冷凍機又は冷媒１２により、輸送物資用キャ
ビン１１を冷却することにより輸送物資を冷却すること
もできる。蓄冷器１３は、第１の磁気浮上用部材１５を
構成する超電導体を冷却する。第１の結合コイル１４
は、常電導線材か超電導線材で製作され、到着地での停
止および走行中の緊急停止あるいは駆動等の走行制御に
用いられる磁気結合コイルである。第１の磁気浮上用部
材１５は、超電導体（特に、高温超電導体）が用いら
れ、輸送車両１を非接触で浮上させ、磁気浮上ガイド２
上を高速に移動するためのものである。
システムの詳細な構成図の一例を示す。輸送車両１は、
輸送物資用キャビン１１，冷凍機又は冷媒１２，蓄冷器
１３，第１の結合コイル１４，第１の磁気浮上用部材１
５を備える。輸送物資用キャビン１１は、輸送物資を搭
載するための空間である。冷凍機又は冷媒１２は、蓄冷
器１３を冷却する機構であり、化学的・電気的等の適宜
の冷却機、又は、例えば液体窒素等の冷媒が用いられ
る。また、冷凍機又は冷媒１２により、輸送物資用キャ
ビン１１を冷却することにより輸送物資を冷却すること
もできる。蓄冷器１３は、第１の磁気浮上用部材１５を
構成する超電導体を冷却する。第１の結合コイル１４
は、常電導線材か超電導線材で製作され、到着地での停
止および走行中の緊急停止あるいは駆動等の走行制御に
用いられる磁気結合コイルである。第１の磁気浮上用部
材１５は、超電導体（特に、高温超電導体）が用いら
れ、輸送車両１を非接触で浮上させ、磁気浮上ガイド２
上を高速に移動するためのものである。
【００１７】静止側の磁気浮上ガイド２は、第２の磁気
浮上用部材２１，第２の結合コイル２２を備える。第２
の磁気浮上用部材２１は、主に、永久磁石が用いられ
る。第２の結合コイル２２は、常電導線材か超電導線材
で製作され、走行制御・駆動用である。静止側磁気浮上
ガイド２は、輸送路３に固定される。さらに、輸送路３
の内部は、輸送車両１の高速走行による気体の風損を極
力少なくするためと輸送車両の超電導磁気浮上部への熱
侵入を極力抑えるために真空状態又は減圧雰囲気になっ
ている。
浮上用部材２１，第２の結合コイル２２を備える。第２
の磁気浮上用部材２１は、主に、永久磁石が用いられ
る。第２の結合コイル２２は、常電導線材か超電導線材
で製作され、走行制御・駆動用である。静止側磁気浮上
ガイド２は、輸送路３に固定される。さらに、輸送路３
の内部は、輸送車両１の高速走行による気体の風損を極
力少なくするためと輸送車両の超電導磁気浮上部への熱
侵入を極力抑えるために真空状態又は減圧雰囲気になっ
ている。
【００１８】ここでは、一例として、輸送車両１側に超
電導体を、一方、磁気浮上ガイド２側に浮上用磁石を設
置する場合について説明する。この場合、輸送車両１側
の第１の磁気浮上用部材１５（超電導体）の温度を臨界
温度以下に下げるためには、輸送車両１に設けられた冷
凍機又は冷媒１２を用いて超電導体の周囲に設置した蓄
冷器１３を冷却して第１の磁気浮上用部材１５を冷却す
る。このとき、輸送車両１を浮上させた状態で、冷却す
ることにより、所定の位置でのピン止め効果による磁気
浮上を実現し及びその保持力を生じることができる。ま
た、磁気浮上ガイド２は、冷凍機を、車両が出発地ある
いは到着地の停止状態の時、外部電源により動作させ、
数時間の蓄冷能力のある蓄冷器１３に冷媒を蓄えること
で、走行中に外部電源を不要とすることができる。
電導体を、一方、磁気浮上ガイド２側に浮上用磁石を設
置する場合について説明する。この場合、輸送車両１側
の第１の磁気浮上用部材１５（超電導体）の温度を臨界
温度以下に下げるためには、輸送車両１に設けられた冷
凍機又は冷媒１２を用いて超電導体の周囲に設置した蓄
冷器１３を冷却して第１の磁気浮上用部材１５を冷却す
る。このとき、輸送車両１を浮上させた状態で、冷却す
ることにより、所定の位置でのピン止め効果による磁気
浮上を実現し及びその保持力を生じることができる。ま
た、磁気浮上ガイド２は、冷凍機を、車両が出発地ある
いは到着地の停止状態の時、外部電源により動作させ、
数時間の蓄冷能力のある蓄冷器１３に冷媒を蓄えること
で、走行中に外部電源を不要とすることができる。
【００１９】図３に、磁気浮上ガイドに磁場発生用の電
磁コイルを配置した説明図を示す。第２の磁気浮上用部
材２１に沿って、永久磁石の代わりに磁場を発生する第
２の結合コイル２２が設けられる。第２の結合コイル２
２による磁場の発生は、輸送車両１の移動位置に同期し
て行われる。もちろん、終日中磁場があっても差し支え
ないがコイルによる電力損失があるので同期して行うこ
とは得策である。
磁コイルを配置した説明図を示す。第２の磁気浮上用部
材２１に沿って、永久磁石の代わりに磁場を発生する第
２の結合コイル２２が設けられる。第２の結合コイル２
２による磁場の発生は、輸送車両１の移動位置に同期し
て行われる。もちろん、終日中磁場があっても差し支え
ないがコイルによる電力損失があるので同期して行うこ
とは得策である。
【００２０】図４に、輸送車両及び磁気浮上ガイドの他
の実施の形態についての輸送路内の構造図を示す。図４
（a）は、輸送車両４０１の両側に磁気浮上用部材及び
結合コイル４０４及び４０５を設け、これに対応して両
側に磁気浮上ガイド４０２及び４０３を設けた構造であ
る。図４（b）は、輸送車両４１１及び４１２を２段並
列に設置し、磁気浮上ガイド４１３、４１４，４１５を
設けた構造である。中間に位置する磁気浮上ガイド４１
５は、磁気浮上用部材４１６を両方の輸送車両４１１及
び４１２に対して共通に使用することができる。また、
磁気浮上ガイド４１５は、結合コイル４１７等を、両方
の輸送車両４１１及び４１２に対して別個に設けてい
る。図４（ｃ）は、図４（ａ）に示された構造にさらに
遠心力による力をより強く支持するための構造を付加し
たものである。すなわち、輸送車両４２１の磁気浮上部
材４２２及び４２３に加えて、磁気浮上部材４２４が、
磁気浮上ガイドの磁気浮上用部材４２５が輸送車両の遠
心力に対して作用する。
の実施の形態についての輸送路内の構造図を示す。図４
（a）は、輸送車両４０１の両側に磁気浮上用部材及び
結合コイル４０４及び４０５を設け、これに対応して両
側に磁気浮上ガイド４０２及び４０３を設けた構造であ
る。図４（b）は、輸送車両４１１及び４１２を２段並
列に設置し、磁気浮上ガイド４１３、４１４，４１５を
設けた構造である。中間に位置する磁気浮上ガイド４１
５は、磁気浮上用部材４１６を両方の輸送車両４１１及
び４１２に対して共通に使用することができる。また、
磁気浮上ガイド４１５は、結合コイル４１７等を、両方
の輸送車両４１１及び４１２に対して別個に設けてい
る。図４（ｃ）は、図４（ａ）に示された構造にさらに
遠心力による力をより強く支持するための構造を付加し
たものである。すなわち、輸送車両４２１の磁気浮上部
材４２２及び４２３に加えて、磁気浮上部材４２４が、
磁気浮上ガイドの磁気浮上用部材４２５が輸送車両の遠
心力に対して作用する。
【００２１】図５に、個々の輸送車両を連結する連結部
についての構成図を示す。図５（ａ）では、角型の各輸
送車両５１ａの前後に連結部５２及び５３を備えたもの
である。一方の連結部５２（又は５３）を超電導体と
し、他方の連結部５３（又は５２）を磁石とすることに
より、超電導のピン止め効果により連結する。図５
（b）は、連結した複数の輸送車両５１ｂを一体化した
構造を示したものである。ここでは、一方の連結部５５
を凹型構造、他方の連結部５６を凸型構造にし、さら
に、一方の連結部５５（又は５６）を超電導体とし、他
方の連結部５６（又は５５）を磁石とすることにより、
超電導のピン止め効果により連結する。このようにした
ことで、磁気浮上ガイドがカーブしている場合や円形状
の場合でも、輸送車両５１ｂはスムースに走行すること
ができる。なお、各連結部による輸送車両の連結は、ピ
ン止め効果以外にも、機械的に連結してもよい。
についての構成図を示す。図５（ａ）では、角型の各輸
送車両５１ａの前後に連結部５２及び５３を備えたもの
である。一方の連結部５２（又は５３）を超電導体と
し、他方の連結部５３（又は５２）を磁石とすることに
より、超電導のピン止め効果により連結する。図５
（b）は、連結した複数の輸送車両５１ｂを一体化した
構造を示したものである。ここでは、一方の連結部５５
を凹型構造、他方の連結部５６を凸型構造にし、さら
に、一方の連結部５５（又は５６）を超電導体とし、他
方の連結部５６（又は５５）を磁石とすることにより、
超電導のピン止め効果により連結する。このようにした
ことで、磁気浮上ガイドがカーブしている場合や円形状
の場合でも、輸送車両５１ｂはスムースに走行すること
ができる。なお、各連結部による輸送車両の連結は、ピ
ン止め効果以外にも、機械的に連結してもよい。
【００２２】なお、本発明は、輸送車両１をひとつの磁
気浮上ガイド２に複数個（例えば、数個から数十個）設
置することにより、容量の増大を図ることができる。ま
た、磁気浮上ガイド２を複数レール多重化するなどによ
っても、容量の増大を図ることができる。
気浮上ガイド２に複数個（例えば、数個から数十個）設
置することにより、容量の増大を図ることができる。ま
た、磁気浮上ガイド２を複数レール多重化するなどによ
っても、容量の増大を図ることができる。
【００２３】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、輸送車
両の軸受に高温超電導磁気浮上を採用して、軸受損失の
著しい低減による高効率化を図るとともに、小容量の輸
送車両を連結あるいは複数設けることにより大容量の輸
送を可能にすることができる。
両の軸受に高温超電導磁気浮上を採用して、軸受損失の
著しい低減による高効率化を図るとともに、小容量の輸
送車両を連結あるいは複数設けることにより大容量の輸
送を可能にすることができる。
【００２４】本発明によると、高効率・大容量の超電導
磁気浮上輸送システムを可能としたことにより、外部か
らの駆動動力がほとんど必要なく、環境汚染もほとんど
ないもので、省エネルギーおよび環境問題に大きく貢献
することができる。また、本発明によると、輸送車両の
各々の固有振動数を高くすることが可能であり、また、
各輸送車両の持つ運動エネルギーはそれほど大きくない
ため、故障時において、エネルギーを分散放出されるよ
うにし、他のシステムや周辺装置等への影響を極力小さ
くすることができる。
磁気浮上輸送システムを可能としたことにより、外部か
らの駆動動力がほとんど必要なく、環境汚染もほとんど
ないもので、省エネルギーおよび環境問題に大きく貢献
することができる。また、本発明によると、輸送車両の
各々の固有振動数を高くすることが可能であり、また、
各輸送車両の持つ運動エネルギーはそれほど大きくない
ため、故障時において、エネルギーを分散放出されるよ
うにし、他のシステムや周辺装置等への影響を極力小さ
くすることができる。
【図１】本発明に係る超電導磁気浮上輸送システムの概
要構成図。
要構成図。
【図２】本発明に係る超電導磁気浮上輸送システムの詳
細な構成図。
細な構成図。
【図３】磁気浮上ガイドに結合コイルを配置した説明
図。
図。
【図４】輸送車両及び磁気浮上ガイドの他の実施の形態
についての輸送路内の構造図。
についての輸送路内の構造図。
【図５】個々の輸送車両を連結する連結部についての構
成図。
成図。
１ 輸送車両 １１ 輸送物資用キャビン １２ 冷凍機又は冷媒 １３ 蓄冷器 １４ 第１の結合コイル １５ 第１の磁気浮上用部材 ２ 磁気浮上ガイド ２’ 第２の磁気浮上ガイド ２１ 第２の磁気浮上用部材 ２２ 第２の結合コイル ３ 輸送路 ３’ 第２の輸送路 ４ 出発エリア ４ａ、４ｂ 真空窓 ５ 到着エリア（Ａ地点） ５ａ、５ｂ 真空窓 ６ 到着エリア（Ｂ地点） ７ 分岐部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B61B 13/08 B65G 54/02
Claims (5)
- 【請求項１】輸送物資を搭載する輸送物資用キャビン
と、超電導部材を含む第１の磁気浮上用部材と、第１の
結合コイルとを有する輸送車両と、 磁界発生用コイル又は磁石を含み前記第１の磁気浮上用
部材に対する第２の磁気浮上用部材と、前記第１の結合
コイルに結合する第２の結合コイルとを有し、前記輸送
車両を浮上させるための磁気浮上ガイドと、 前記輸送車両及び前記磁気浮上ガイドを真空又は減圧雰
囲気で包含し、高低差があるように配置された輸送路
と、 を備え、 前記輸送車両は、走行方向に対して、一端に超電導体
を、他端に磁石を有する連結部をさらに備え、複数の前
記輸送車両を各々の前記連結部間の超伝導ピン止め効果
により連結し、 前記輸送車両の前記第１の磁気浮上部材と前記磁気浮上
ガイドの前記第２の磁気浮上部材とによる超電導ピン止
め効果によって、前記輸送車両を前記磁気浮上ガイド上
に浮上させ、前記輸送車両を前記輸送路の配置に従い位
置エネルギーにより駆動走行させ、 前記輸送車両を目的地近郊で上昇させて、前記輸送車両
の運動エネルギーを位置エネルギーとして蓄えること
で、その速度を減少して停止させ、 さらに、前記輸送車両の前記第１の結合コイル及び前記
磁気浮上ガイドの前記第２の結合コイルによって、輸送
車両の駆動停止、保持又は位置決めを行うようにした超
電導磁気浮上輸送システム。 - 【請求項２】前記輸送車両は、 浮上方向に対して、一方の側に前記第１の磁気浮上用部
材及び第１の結合コイルを備え、 他方の側に第３の磁気浮上用部材及び第３の結合コイル
をさらに備え、 前記磁気浮上ガイドは、 前記輸送車両の前記第１の磁気浮上用部材及び第１の結
合コイルに相対して、前記第２の磁気浮上用部材及び第
２の結合コイルを備え、前記輸送車両の前記第３の磁気
浮上用部材及び第３の結合コイルに相対して、第４の磁
気浮上用部材及び第４の結合コイルを備えたことを特徴
とする請求項１に記載の超電導磁気浮上輸送システム。 - 【請求項３】前記輸送車両は、 前記輸送路が曲がっている際の遠心力が加わる側に、第
５の磁気浮上用部材及び第５の結合コイルをさらに備
え、 前記磁気浮上ガイドは、 前記輸送車両の前記第５の磁気浮上用部材に相対して、
第６の磁気浮上用部材をさらに備えたことを特徴とする
請求項１又は２に記載の超電導磁気浮上輸送システム。 - 【請求項４】前記輸送路は、 真空窓により仕切られた出発エリア及び到着エリアをさ
らに備えたことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか
に記載の超電導磁気浮上輸送システム。 - 【請求項５】前記磁気浮上ガイドに連結又は分岐され、
到着エリアの位置エネルギーが前記磁気浮上ガイドのそ
れと異なるように配置された第２の磁気浮上ガイドを備
えた請求項１乃至４のいずれかに記載の超電導磁気浮上
輸送システム。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11244174A JP3094104B1 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 超電導磁気浮上輸送システム |
| EP00118609A EP1080982A1 (en) | 1999-08-31 | 2000-08-28 | Superconductive magnetic levitation transportation system |
| US09/650,331 US6418857B1 (en) | 1999-08-31 | 2000-08-29 | Superconductive magnetic levitation transportation system |
| CNB001316974A CN1191183C (zh) | 1999-08-31 | 2000-08-31 | 超导磁悬浮运输系统 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11244174A JP3094104B1 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 超電導磁気浮上輸送システム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP3094104B1 true JP3094104B1 (ja) | 2000-10-03 |
| JP2001063556A JP2001063556A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17114874
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11244174A Expired - Lifetime JP3094104B1 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 超電導磁気浮上輸送システム |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6418857B1 (ja) |
| EP (1) | EP1080982A1 (ja) |
| JP (1) | JP3094104B1 (ja) |
| CN (1) | CN1191183C (ja) |
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