JP3092490B2 - 車両用舵角比可変操舵装置 - Google Patents

車両用舵角比可変操舵装置

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JP3092490B2 JP07200754A JP20075495A JP3092490B2 JP 3092490 B2 JP3092490 B2 JP 3092490B2 JP 07200754 A JP07200754 A JP 07200754A JP 20075495 A JP20075495 A JP 20075495A JP 3092490 B2 JP3092490 B2 JP 3092490B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用舵角比可変操
舵装置に係り、特に、車速等に応じて舵角比(ステアリ
ングギヤ比)を変えることができる車両用舵角比可変操
舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両においては、車速
に応じてステアリングギヤ比を変えることができる車両
用舵角比可変操舵装置が知られており、その一例が、特
開平6−234367号公報に示されている。
【0003】図15に示される如く、この車両用舵角比
可変操舵装置は、ステアリングホイール170の軸17
0Aに連結されたピニオン172によって、ラック17
4がその軸線方向へ移動し、この移動によって、揺動レ
バー176に設けられた長孔178に係合している摺動
ピン180が支点ピン182を中心に揺動レバー176
を揺動させ、ピン184によって揺動レバー176に軸
支されたリレーロッド186をその軸線方向へ移動させ
て、操舵輪188を操舵する構成となっている。そし
て、支点ピン182の位置をラック174及びリレーロ
ッド186に対して直交する方向(図15の矢印Y方
向)へ移動させ、支点ピン182とピン180との距離
W1と、支点ピン182とピン184との距離W2との
比を変化させることによって、ステアリングギヤ比を変
えることができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この車
両用舵角比可変操舵装置では、ステアリング170の回
転運動を、ラック174の直線運動に変換し、このラッ
ク174の直線運動を揺動レバー176の揺動運動に変
換し、更に、揺動レバー176の揺動運動をリレーロッ
ド186の直線運動に変換している。従って、各構成部
材の移動範囲が広くなり、装置が大型化するという不具
合がある。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、車両の走行状
態等に応じてステアリングギヤ比を変えることができ、
且つ装置を小型化できる車両用舵角比可変操舵装置を得
ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
車両用舵角比可変操舵装置は、一端で揺動可能に支持さ
れてステアリング操作により揺動する揺動手段と、操舵
輪に連結された出力軸と、前記揺動手段に回転可能に設
けられて前記出力軸に一体とされた係合部と係合し、前
記出力軸の移動に応じて前記揺動手段を揺動する回転手
段と、該回転手段を回転駆動する駆動手段と、を備えた
ことを特徴としている。
【0007】従って、請求項1記載の本発明の車両用舵
角比可変操舵装置では、ステアリング操作に応じて揺動
手段が揺動し、これにより揺動手段に設けられた回転手
段と出力軸に形成された係合部を介して出力軸に力が伝
達され、出力軸が軸線方向へ移動し操舵輪が操舵さる。
【0008】ここで、駆動手段により回転手段を回転駆
動すると、回転手段が揺動手段に対して相対回転し、ス
テアリング操作により揺動する揺動手段の揺動中心と、
出力軸に形成された係合部との係合位置との距離が変化
する。このため、ステアリング操作量に対する出力軸の
移動量が変化し、ステアリングギヤ比が変化する。
【0009】従って、例えば、車庫入れ等の車速が低い
場合には、駆動手段により回転手段を回転駆動してステ
アリングギヤ比を小さくすれば、ステアリングホイール
の操舵量に対して操舵輪の切れ角が大きくなるように設
定できる。一方、車両の高速走行時には、駆動手段によ
り回転手段を回転駆動してステアリングギヤ比を大きく
すれば、ステアリングホイールの操舵量に対する操舵輪
の切れ角が小さくなるように設定できる。
【0010】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
車両用舵角比可変操舵装置において、前記出力軸と略平
行に配置されて、ステアリング操作に応じて軸線方向に
移動するとともに、前記回転手段に係合され前記揺動手
段を揺動する移動手段を備えたことを特徴としている。
【0011】従って、請求項2記載の本発明の車両用舵
角比可変操舵装置では、ステアリング操作に応じて移動
手段が軸線方向に移動し、この移動手段の移動が回転手
段に伝達されて揺動手段が揺動する。これにより揺動手
段に設けられた回転手段と出力軸に形成された係合部を
介して出力軸に力が伝達され、出力軸が軸線方向へ移動
し操舵輪が操舵される。
【0012】ここで、駆動手段により回転手段を回転駆
動すると、回転手段が揺動手段に対して相対回転する。
これによって、出力軸と略平行に配置した移動手段と回
転手段との係合位置と、揺動手段の揺動中心との距離が
変化するとともに、揺動手段の揺動中心と、出力軸に形
成された係合部との係合位置との距離が変化する。この
ため、ステアリング操作量に対する出力軸の移動量が変
化し、ステアリングギヤ比が変化する。
【0013】請求項3記載の本発明は、請求項1記載の
車両用舵角比可変操舵装置において、ステアリング操作
に応じて回転する入力軸と、該入力軸の回転により軸線
方向へ移動し前記揺動手段を揺動する第1移動手段と、
前記出力軸に噛合された回転軸と、前記揺動手段の揺動
により軸線方向に移動し、前記回転軸を回転駆動する第
2移動手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】従って、請求項3記載の本発明の車両用舵
角比可変操舵装置では、ステアリング操作に応じて入力
軸が回転し、この入力軸の回転により、第1移動手段が
軸線方向へ移動し揺動手段が揺動する。揺動手段が揺動
すると第2移動手段が軸線方向へ移動し回転軸が回転す
るので、回転軸に噛合された出力軸が軸線方向へ移動し
操舵輪が操舵される。
【0015】ここで、駆動手段により回転手段を回転す
ると、回転手段が揺動手段に対して相対回転する。これ
によって、第1移動手段と回転手段との係合位置と、揺
動手段の揺動中心との距離が変化するとともに、揺動手
段の揺動中心と、第2移動手段と回転手段との係合位置
との距離が変化する。このため、ステアリング操作量に
対する回転軸の回転量、即ち出力軸の移動量が変化し、
ステアリングギヤ比が変化する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の車両用舵角比可変操舵装
置の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0017】図1に示される如く、本一実施形態の車両
用舵角比可変操舵装置10では、図示を省略したステア
リングホイールに連動する操舵軸12に、操舵力アシス
ト機構(パワーステアリングシステム)13(図2参
照)の一部を構成するロータリバルブ14を介して揺動
手段としてのスイングアーム16が連結されている。こ
のスイングアーム16は、一方の端部に操舵軸12の軸
方向に延びる軸部18(軸線P1)を備えており、軸部
18の両端部18A、18Bがベアリング20を介して
車体側に支持されている。従って、スイングアーム16
は軸部18を中心にして図1の矢印A方向へ揺動可能に
なっている。
【0018】スイングアーム16のホルダー部19内に
は、回転手段としてのリング22が回転可能に挿入され
ており、リング22の外周部には、ウオーム22Aが形
成されている。このウオーム22Aは、ウオームギヤ2
4に噛合しており、ウオームギヤ24は、駆動手段とし
てのギヤ比可変用モータ26の回転軸26Aに固定され
ている。従って、図示を省略した制御装置によって、ギ
ヤ比可変用モータ26が回転すると、リング22は図1
の時計回転方向(矢印B方向)及び図1の反時計回転方
向(矢印C方向)へ回転するようになっている。
【0019】図2に示される如く、リング22の両面に
は、それぞれボール28、30がリング22を挟んで互
いに対向する位置に固定されている。
【0020】図1に示される如く、リング22の孔部2
2Bには、図示を省略した操舵輪に連結された出力軸と
してのリレーロッド32が貫通しており、このリレーロ
ッド32には、側面視で扇状の係合部としての連結ピー
ス34が固定されている。
【0021】図2に示される如く、連結ピース34の外
周部には、凹部36が形成されており、この凹部36の
対向する両壁面36A、36B間にそれぞれボール2
8、30が当接している。従って、ボール28、30が
図2の右方向(矢印D方向)へ移動すると、連結ピース
34とともに、リレーロッド32が図2の矢印D方向へ
移動するようになっている。また、ボール28、30が
図2の左方向(矢印E方向)へ移動すると、連結ピース
34とともに、リレーロッド32が図2の矢印E方向へ
移動するようになっている。
【0022】次に本第1実施形態の作用を説明する。本
第1実施形態の車両用舵角比可変操舵装置10では、ス
テアリングホイールの操作に応じて、操舵軸12が回転
し、操舵軸12にロータリバルブ14を介して連結され
たスイングアーム16が、軸部18を中心にして図1及
び図2の矢印A方向に揺動する。この揺動によって、リ
ング22とボール28、30が図2の矢印D方向又は矢
印E方向へ移動すると、連結ピース34とともに、リレ
ーロッド32が図2の矢印D方向又は矢印E方向へ移動
し操舵輪が操舵される。
【0023】また、車両の走行状態等に応じて、制御装
置の制御によりギヤ比可変用モータ26が作動し、例え
ば、リング22とともにボール28、30が回転し、ボ
ール28、30がスイングアーム16の軸部18から遠
ざかった場合(図3)には、ボール28、30とスイン
グアーム16の軸部18(揺動支点)との距離W1が長
くなる。このため、操舵軸12の回転角に対するリレー
ロッド28の移動量が大きくなり、ステアリングギア比
が小さくなる。
【0024】一方、リング22とボール28、30が回
転し、ボール28、30がスイングアーム16の軸部1
8に近づいた場合(図1)には、ボール28、30とス
イングアーム16の軸部18(揺動支点)との距離W2
が短くなる。このため、操舵軸12の回転角に対するリ
レーロッド28の移動量が小さくなり、ステアリングギ
ア比が大きくなる。
【0025】このため、車両が高速走行状態にある場合
には、ボール28、30をスイングアーム16の軸部1
8に近づづけ(図1)、ステアリングギヤ比大きくし、
一方、車両が低速走行状態にある場合には、ボール2
8、30をスイングアーム16の軸部18から遠ざけ
(図3)、ステアリングギヤ比を小さくできる。
【0026】これにより、低速域ではステアリングホイ
ールの少ない操舵量で操舵輪の最大舵角まで操舵でき
(ステアリングホイールの操舵量を低減でき)、車庫入
れ等が容易になる。一方、高速域ではステアリングホイ
ールの操舵量に対する操舵輪の舵角変化が小さくなるた
め、操縦安定性を確保することができる。このように、
ステアリングホイールを持ち替えることなく、少ない操
舵量(角)で低速域から高速域までをカバーすることが
できる。
【0027】また、本第1実施形態の車両用舵角比可変
操舵装置10では、操舵軸12の回転をスイングアーム
16の揺動方向と同一方向に揺動するボール28、30
によってリレーロッド32に伝達するとともに、リング
22を回転してステアリングギヤ比を変える構成のた
め、従来技術に比べ、揺動部材の振れ回る部位を小さく
できるとともに、振れ範囲も小さくできるため、装置を
小型化できる。
【0028】また、本第1実施形態の車両用舵角比可変
操舵装置10では、ボール28、30と連結ピース34
との係合位置をスイングアーム16の揺動中心から径方
向へ変移させてステアリングギヤ比を変更する構成であ
るため、ステアリングギヤ比の変更によってステアリン
グホイールの操舵中立位置がずれることがない。したが
って、中立位置検出のための舵角センサ等が不要であ
り、さらに適切なステアリングギヤ比に変更するための
複雑な制御も不要になる。また、フェールセーフ構造を
構成することも容易にできる。
【0029】本発明の車両用舵角比可変操舵装置の第2
実施形態を図4〜図9に従って説明する。
【0030】なお、第1実施形態と同一部材に付いて
は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】図5に示される如く、本第2実施形態の車
両用舵角比可変操舵装置50では、リレーロッド32と
略平行に移動手段としてのラックバー52が配設されて
いる。このラックバー52は、操舵軸12にロータリバ
ルブ14を介して連結されたピニオン53に噛合してお
り、操舵軸12の回転に応じて、図5の右方向(矢印F
方向)及び図5の左方向(矢印G方向)へ移動するよう
になっている。
【0032】図4に示される如く、ラックバー52はリ
ング22の孔部22Bを貫通しており、ラックバー52
には、側面視で扇状の連結ピース54が固定されてい
る。
【0033】図5に示される如く、連結ピース54の外
周部には凹部56が形成されており、この凹部56の対
向する両壁面間にはボール58が当接している。このボ
ール58はリング22に埋め込まれており、その一部が
リング22の両面からそれぞれ突出している。
【0034】なお、連結ピース34の凹部36の対向す
る両壁面間には、ボール60が当接している。このボー
ル60は、リング22のボール58から周方向へ180
°回転した位置に埋め込まれ、その一部がリング22の
両面からそれぞれ突出している。
【0035】次に本第2実施形態の作用を説明する。本
第2実施形態の車両用舵角比可変操舵装置50では、ス
テアリングホイールの操作に応じて、操舵軸12が回転
し、操舵軸12にピニオン53を介して連結されたラッ
クバー52が図5の矢印F方向又は矢印G方向へ移動
し、ラックバー52とともに、連結ピース54が図5の
矢印F方向又は矢印G方向へ移動する。この移動によっ
て、ボール58が図5の矢印D方向又は矢印E方向へ移
動すると、スイングアーム16は軸部18を中心にして
図5の矢印A方向へ揺動する。
【0036】この揺動によって、ボール60も図5の矢
印D方向又は矢印E方向へ移動し、連結ピース34とと
もに、リレーロッド32が図5の矢印D方向又は矢印E
方向へ移動し操舵輪が操舵される。
【0037】また、車両の走行状態等に応じて、制御装
置の制御によりギヤ比可変用モータ26が作動し、例え
ば、リング22とともにボール58、60が回転し、入
力軸側のボール58がスイングアーム16の軸部18か
ら遠ざかり、出力軸側のボール60がスイングアーム1
6の軸部18に近づいた場合(図6及び図7)には、ボ
ール58とスイングアーム16の軸部18(揺動支点)
との距離S1が、ボール60とスイングアーム16の軸
部18(揺動支点)との距離S2に対して長くなる。こ
のため、図7に示される如く、リレーロッド32の所定
の移動量L1に対するスイングアーム16の揺動角α1
が、中立時に比べて大きくなるため、ラックバー52の
移動量L2が大きくなる。即ち、操舵軸12の回転角に
対するリレーロッド32の移動量は小さくなるため、ス
テアリングギア比が大きくなる。
【0038】一方、リング22とボール58、60が回
転し、入力軸側のボール58がスイングアーム16の軸
部18に近づき、出力軸側のボール60がスイングアー
ム16の軸部18にから遠ざかった場合(図8及び図
9)には、ボール58とスイングアーム16の軸部18
(揺動支点)との距離S3が、ボール60とスイングア
ーム16の軸部18(揺動支点)との距離S4に対して
短くなる。このため、図9に示される如く、リレーロッ
ド32の所定の移動量L1に対するスイングアーム16
の揺動角α2が、中立時に比べて小さくなるため、ラッ
クバー52の移動量L3が小さくなる。即ち、操舵軸1
2の回転角に対するリレーロッド32の移動量は大きく
なるため、ステアリングギア比が小さくなる。
【0039】このため、車両が高速走行状態にある場合
には、入力軸側のボール58をスイングアーム16の軸
部18から遠ざけ、出力軸側のボール60をスイングア
ーム16の軸部18に近づけ(図6及び図7)、ステア
リングギヤ比大きくし、一方、車両が低速走行状態にあ
る場合には、入力軸側のボール58をスイングアーム1
6の軸部18に近づけ、出力軸側のボール60をスイン
グアーム16の軸部18から遠ざけ(図8及び図9)、
ステアリングギヤ比を小さくできる。
【0040】これにより、低速域ではステアリングホイ
ールの少ない操舵量で操舵輪の最大舵角まで操舵でき
(ステアリングホイールの操舵量を低減でき)、車庫入
れ等が容易になる。一方、高速域ではステアリングホイ
ールの操舵量に対する操舵輪の舵角変化が小さくなるた
め、操縦安定性を確保することができる。このように、
ステアリングホイールを持ち替えることなく、少ない操
舵量(角)で低速域から高速域までをカバーすることが
できる。
【0041】また、本第2実施形態の車両用舵角比可変
操舵装置50では、リレーロッド32と略平行にラック
バー52を設け、これらをスイングアーム16のリング
22に設けられたボール58とボール60に係合する構
成としたので、第1実施形態の車両用舵角比可変操舵装
置に比べて、伝達比の可変量を大きくできる。
【0042】本発明の車両用舵角比可変操舵装置の第3
実施形態を図10〜図14に従って説明する。
【0043】なお、第1実施形態と同一部材に付いて
は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】図10に示される如く、本第3実施形態の
車両用舵角比可変操舵装置62では、ステアリングホイ
ール64に連動する操舵軸66に、ロータリバルブ14
を介して入力軸としてのシャフト68が連結されてい
る。
【0045】シャフト68には、ボール螺子を介して第
1移動手段としてのシリンダ70が連結されており、シ
ャフト68が軸線回り方向(図10の矢印H方向)へ回
転すると、シリンダ70が軸線方向(図10の矢印J方
向)へ移動するようになっている。
【0046】シリンダ70の外側には、第2移動手段と
してのシリンダ72がシリンダ70と同一軸線P2上に
配設されている。シリンダ70はシャフト74によっ
て、軸線方向には移動可能であるが回転しないようにシ
リンダ72へ取付けられている。また、シリンダ72は
シャフト76によって、軸線方向(図10の矢印K方
向)には移動可能であるが回転しないように車体側に取
付けられている。
【0047】シャフト68の延長線上には、回転軸とし
てのシャフト78が配設されており、このシャフト78
は、ボール螺子を介してシリンダ72の底部72Aに連
結されている。シャフト78は、軸線回り方向(図10
の矢印L方向)には、回転するが、その軸線方向へ移動
しないように、シャフト80によって車体側へ取付られ
ている。
【0048】シャフト78には、ピニオン82が連結さ
れており、このピニオン82が操舵輪83に連結された
リレーロッド32のラック84に噛合している。
【0049】図11に示される如く、シャフト68は、
第1実施形態と同様に構成されたスイングアーム16の
リング22に形成された孔部22Bを貫通している。リ
ング22の下面86には、入力側フレキシブルジョイン
ト88を介してベアリング90が取付られており、この
ベアリング90にはシャフト92が軸線方向(図11の
矢印M方向)へ移動可能に挿入されている。シャフト9
2はベアリング94を介してシリンダ70の端部に取付
られており、シャフト92はシリンダ70の周方向(図
11の矢印N方向)へ回転可能となっている。
【0050】リング22の下面86の、入力側フレキシ
ブルジョイント88から周方向に180°の位置には、
出力側フレキシブルジョイント96を介してベアリング
98が取付られており、このベアリング98にはシャフ
ト100が軸線方向(図11の矢印Q方向)へ移動可能
に挿入されている。シャフト100はベアリング102
を介してシリンダ72の端部に取付られており、シャフ
ト100はシリンダ72の周方向(図11の矢印N方
向)へ回転可能となっている。
【0051】次に本第3実施形態の作用を説明する。本
第3実施形態の車両用舵角比可変操舵装置62では、ス
テアリングホイール64の操作に応じて、操舵軸66が
回転し、操舵軸66にロータリバルブ14を介して連結
されたシャフト68が矢印H方向へ回転すると、シリン
ダ70が矢印J方向へ移動する。この移動により、シリ
ンダ70に連結されたスイングアーム16が、図10の
想像線で示す位置方向へ揺動し、スイングアーム16に
連結されたシリンダ72が矢印K方向へ移動する。シリ
ンダ72が矢印K方向へ移動すると、シャフト78が矢
印L方向へ回転し、ピニオン82とラック84を介して
リレーロッド32が図10の矢印D方向又は矢印E方向
へ移動し操舵輪83が操舵される。
【0052】なお、本第3実施形態の車両用舵角比可変
操舵装置62では、図12に示される如く、ステアリン
グギヤ比が1:1の場合には、入力側フレキシブルジョ
イント88とスイングアーム16の軸部18(揺動支
点)との距離Xと、出力側フレキシブルジョイント96
とスイングアーム16の軸部18(揺動支点)との距離
Xが等しくなっている。
【0053】また、本第3実施形態の車両用舵角比可変
操舵装置62では、車両の走行状態、例えば、車速セン
サからのデータに応じて、制御装置の制御によりギヤ比
可変用モータ26が作動すると、リング22が回転す
る。リング22の回転によって、例えば、入力側フレキ
シブルジョイント88がスイングアーム16の軸部18
から遠ざかり、出力側フレキシブルジョイント96がス
イングアーム16の軸部18に近づいた場合(図13)
には、入力側フレキシブルジョイント88とスイングア
ーム16の軸部18(揺動支点)との距離X1が、出力
側フレキシブルジョイント96とスイングアーム16の
軸部18(揺動支点)との距離X2に対して長くなる。
このため、シリンダ70の移動量に対するシリンダ72
の移動量が小さくなる。即ち、操舵軸の回転角に対する
リレーロッド32の移動量が小さくなって、ステアリン
グギア比が大きくなる。
【0054】一方、入力側フレキシブルジョイント88
がスイングアーム16の軸部18に近づき、出力側フレ
キシブルジョイント96がスイングアーム16の軸部1
8から遠ざかった場合(図14)には、入力側フレキシ
ブルジョイント88とスイングアーム16の軸部18
(揺動支点)との距離X3が、出力側フレキシブルジョ
イント96とスイングアーム16の軸部18(揺動支
点)との距離X4に対して短くなる。このため、シリン
ダ70の移動量に対するシリンダ72の移動量が大きく
なる。即ち、操舵軸の回転角に対するリレーロッド32
の移動量が大きくなって、ステアリングギア比が小さく
なる。
【0055】このため、車両が高速走行状態にある場合
には、リング22を回転し、入力側フレキシブルジョイ
ント88をスイングアーム16の軸部18から遠ざけ、
出力側フレキシブルジョイント96をスイングアーム1
6の軸部18に近づけ(図13)、ステアリングギヤ比
大きくし、一方、車両が低速走行状態にある場合には、
リング22が回転し、入力側フレキシブルジョイント8
8をスイングアーム16の軸部18に近づけ、出力側フ
レキシブルジョイント96をスイングアーム16の軸部
18から遠ざけ(図14)、ステアリングギヤ比を小さ
くできる。
【0056】これにより、低速域ではステアリングホイ
ールの少ない操舵量で操舵輪の最大舵角まで操舵でき
(ステアリングホイールの操舵量を低減でき)、車庫入
れ等が容易になる。一方、高速域ではステアリングホイ
ールの操舵量に対する操舵輪の舵角変化が小さくなるた
め、操縦安定性を確保することができる。このように、
ステアリングホイールを持ち替えることなく、少ない操
舵量(角)で低速域から高速域までをカバーすることが
できる。
【0057】また、本第3実施形態の車両用舵角比可変
操舵装置62では、入力軸をシャフト68とシャフト7
8とに分割し、それぞれのシャフト68、78を軸線方
向に移動するシリンダ70、72を介してスイングアー
ム16のリング22に連結したので、第1実施形態に比
べ更に装置を小型化できる。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の車両用舵角比可
変操舵装置は、一端で揺動可能に支持されてステアリン
グ操作により揺動する揺動手段と、操舵輪に連結された
出力軸と、揺動手段に回転可能に設けられて出力軸に一
体とされた係合部と係合し、出力軸の移動に応じて揺動
手段を揺動する回転手段と、回転手段を回転駆動する駆
動手段と、を備えた構成としたので、車両の走行状態等
に応じてステアリングギヤ比を変えることができ、且つ
装置を小型化できるという優れた効果を有する。
【0059】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
車両用舵角比可変操舵装置において、出力軸と略平行に
配置されて、ステアリング操作に応じて軸線方向に移動
するとともに、回転手段に係合され揺動手段を揺動する
移動手段を備えた構成としたので、請求項1記載の効果
に加えて、伝達比の可変量を大きくできるという優れた
効果を有する。
【0060】請求項3記載の本発明は、請求項1記載の
車両用舵角比可変操舵装置において、ステアリング操作
に応じて回転する入力軸と、入力軸の回転により軸線方
向へ移動し揺動手段を揺動する第1移動手段と、出力軸
に噛合された回転軸と、揺動手段の揺動により軸線方向
に移動し、回転軸を回転駆動する第2移動手段と、を備
えた構成としたので、車両の走行状態等に応じてステア
リングギヤ比を変えることができ、且つ装置を更に小型
化できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置のステアリングギヤ比大時を示す一部断面とし
た側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置を示す一部断面とした平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置のステアリングギヤ比小時を示す一部断面とし
た側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置の中立時を示す一部断面とした側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置の中立時を示す一部断面とした平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置のステアリングギヤ比大時を示す一部断面とし
た側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置のステアリングギヤ比大時を示す一部断面とし
た正面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置のステアリングギヤ比小時を示す一部断面とし
た側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る車両用舵角比可変
操舵装置のステアリングギヤ比小時を示す一部断面とし
た正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る車両用舵角比可
変操舵装置が適用された車両用操舵装置を示す概略構成
図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る車両用舵角比可
変操舵装置の一部を示す拡大側断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る車両用舵角比可
変操舵装置の中立時を示す側断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る車両用舵角比可
変操舵装置のステアリングギヤ比大時を示す側断面図で
ある。
【図14】本発明の第3実施形態に係る車両用舵角比可
変操舵装置のステアリングギヤ比小時を示す側断面図で
ある。
【図15】従来の実施形態に係る車両用舵角比可変操舵
装置を示す概略平面図である。
【符号の説明】
10 車両用舵角比可変操舵装置 12 操舵軸 14 ロータリバルブ 16 スイングアーム(揺動手段) 18 軸部 22 リング(回転手段) 26 ギヤ比可変用モータ(駆動手段) 28 ボール 30 ボール 32 リレーロッド(出力軸) 34 連結ピース(係合部) 50 車両用舵角比可変操舵装置 52 ラックバー(移動手段) 54 連結ピース 58 ボール 60 ボール 62 車両用舵角比可変操舵装置 64 ステアリングホイール 66 操舵軸 68 シャフト(入力軸) 70 シリンダ(第1移動手段) 72 シリンダ(第2移動手段) 78 シャフト(回転軸) 88 入力側フレキシブルジョイント 96 出力側フレキシブルジョイント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−234367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/02 B62D 5/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端で揺動可能に支持されてステアリン
    グ操作により揺動する揺動手段と、 操舵輪に連結された出力軸と、 前記揺動手段に回転可能に設けられて前記出力軸に一体
    とされた係合部と係合し、前記出力軸の移動に応じて前
    記揺動手段を揺動する回転手段と、 該回転手段を回転駆動する駆動手段と、 を備えたことを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記出力軸と略平行に配置されて、ステ
    アリング操作に応じて軸線方向に移動するとともに、前
    記回転手段に係合され前記揺動手段を揺動する移動手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用舵角比
    可変操舵装置。
  3. 【請求項3】 ステアリング操作に応じて回転する入力
    軸と、 該入力軸の回転により軸線方向へ移動し前記揺動手段を
    揺動する第1移動手段と、 前記出力軸に噛合された回転軸と、 前記揺動手段の揺動により軸線方向に移動し、前記回転
    軸を回転駆動する第2移動手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用舵角比
    可変操舵装置。
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