JP3091740B1 - 手 袋 - Google Patents

手 袋

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JP3091740B1
JP3091740B1 JP7412899A JP7412899A JP3091740B1 JP 3091740 B1 JP3091740 B1 JP 3091740B1 JP 7412899 A JP7412899 A JP 7412899A JP 7412899 A JP7412899 A JP 7412899A JP 3091740 B1 JP3091740 B1 JP 3091740B1
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哲也 阪本
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株式会社柏田製作所
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Abstract

【要約】 【課題】 縫製者の経験や感に依らずとも指にフィット
し、嵌め心地のよい手袋を提供できるようにする。 【解決手段】 指部を形成する手袋の前記掌部材10側
の縫着部(イ)に波形oを設ける。一方、掌部材10に
縫着する甲部材11側の縫着部(イ)’を直線状に形成
することで、縫着部(イ)と(イ)’に沿って縫い合わ
せていくことで、生地の弛みなどを生じず、指にフィッ
トして関節なども曲げやすい手袋を作れるので、経験や
感に依らずとも嵌め心地のよい手袋を提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】この発明は、皮革、各種布
地、合成樹脂シートなどを使って製作される手袋に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】皮革、各種布地、合成樹脂シートなどを
用いた各種手袋は、型紙に合わせて前記生地を裁断し、
裁断した構成部材を縫着して製作する。
【0003】例えば、本願発明の手袋である図1のもの
では、図2(a)に示す本体部材1、同図(b)の親指
甲部部材2、同図(c)の中指掌部材3、それに同図
(d)の薬指掌部材4の各部材で構成されており、本体
部材1に前記指部材2,3,4を縫着し、折り返し12
で折り曲げ、掌部部材10と甲部部材11を重ね合わせ
たのち、周囲を縫着することで手袋を形成している。
【0004】ところで、このような掌部部材10と甲部
部材11とを縫着する手袋では、従来、図8(a)のよ
うに、指部を形成する掌部部材10’と甲部部材11’
の縫着部5’を「まっすぐ」に形成していた。また、本
体部材1に指部材を縫着するための切り込み6’も「ま
っすぐ」に形成していた。
【0005】そのため、このような手袋においては、指
を伸ばした状態ではあまり違和感はないが、図8(b)
〜(e)に示すように、指を曲げると弛みが生じて曲げ
づらい。
【0006】それを解消する一つの方法として掌部部材
10’の指の先端(ピリケン)から後端までの長さを甲
部部材11’より短く形成し、掌部部材10’を引っ張
りながら縫製することで、少しだけ内側に湾曲するよう
に形成している。
【0007】一方、本体部材1と指部材とを「まっす
ぐ」にカットされた切り込み6’によって縫着すると、
図9(a),(b)に示すように、縫着方向に生地が伸
縮しなくなる。このため、掌を開いたり握ったりする
と、それに伴って本体部材1が引きつるので、手袋全体
を大きめに形成するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
引っ張りながら縫製する方法では、縫製技術が未熟だ
と、生地を引っ張り過ぎたり、引っ張りが足りなかった
りして、縫い合わせが捩じれて仕上がりが悪くなる。こ
のように、製品の出来、不出来は縫製技術者の技量に頼
っているため、一双一双の製品にばらつきが出て、量産
に不向きな問題がある。
【0009】一方、引きつりを防止するため、手袋全体
を大きめに形成する方法では、フィット感が得にくく、
手にはめた形も良くないなどの問題もある。
【0010】そこで、この発明の課題は、経験や感に依
らずとも手にフィットし、嵌め心地のよい手袋を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、側縁に直線状の縫着部側を被う指部
と手のひらの甲側を被う甲部からなる甲部材と、側縁に
波形で、かつ、波形の長さを前記手の指の甲側を被う指
部の直線状の縫着部と同じ長さの縫着部を形成した手の
指の掌側を被う指部と、手のひらの掌側を被う掌部から
なる掌部材とからなり、前記手の指の甲側を被う指部と
手の指の掌側を被う指部の縫着部を波形の頂点が指の関
節位置となるようにして縫着するようにするとともに、
前記手の指の掌側を被う指部と手のひらの掌側を被う掌
部とに、両者を縫着するための縫着部を形成し、その縫
着部の一方を山形に形成し、他方を前記山形に対応する
谷形に形成した構成を採用したのである。
【0012】このような構成を採用することにより、甲
部材を掌部材の縫着部に沿って縫着すれば、掌部材の波
形にした縫着部によって自然と掌側に湾曲しながら縫着
して弛みをとることができる。
【0013】
【0014】また、このとき、指の甲側を被う指部と手
の指の掌側を被う指部の縫着部を波形の頂点が指の関節
位置となるようにすることにより、指の間接部分の弛み
をなくすことができるので、指にフィットさせることが
できる。
【0015】
【0016】さらに、手の指の掌側を被う指部と手のひ
らの掌側を被う掌部とに、両者を縫着するための縫着部
を形成し、その縫着部の一方を山形に形成し、他方を前
記山形に対応する谷形に形成することにより、波形の縫
着部を引っ張りにより伸ばすことができるので、伸縮性
を付与できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0018】図1は、この形態の手袋を示す。図2は、
その構成部材を示す展開図である。従来例でも述べたよ
うに、図2(a)は本体部材1、同図(b)は親指甲部
材2、同図(c)は中指掌部材3、同図(d)は薬指掌
部材4である。
【0019】本体部材1は、掌部材10、甲部材11か
らなり、折り返し12で折り曲げて重合わせるようにな
っており、周縁には縫着部(イ)〜(オ)が形成されて
いる。
【0020】掌部材10は、指孔13の設けられた掌部
14、掌部人差し指部15、掌部小指部16で構成され
ている。
【0021】この掌部人指し指部15及び掌部小指部1
6の側縁の縫着部(イ),(ロ)は、図3に示すよう
に、内側に向かって形成した波形が2箇所設けてあり、
それぞれ、後述する甲部材11の甲部材11の甲部人指
し指部21と小指部24の直線状の縫着部(イ)’,
(ロ)’と縫着することにより、各波形oの頂点(波形
の一番深い点が、ほぼ、各指の第一及び第二関節位置
になるように形成してある。
【0022】また、前記人差し指部15と小指部16の
後端には、それぞれ切り込み6が設けられており、後述
する中指掌部材3、薬指掌部材4との縫着部(ハ),
(ニ)(ホ),(ヘ)が形成されている。
【0023】前記切り込み6は波形で、この形態では、
前記人差し指部15と小指部16側の切り込み6を谷
に、中指部材3と薬指部材4側の切り込み6を山形に形
成してある。
【0024】一方、甲部材11は、甲部20、甲部人差
し指部21、中指部22、薬指部23、小指部24とで
構成されており、各指部21〜24の周縁に形成された
縫着部(イ)’,(ト)’,(チ)’,(ロ)’は直線
状に形成されている。
【0025】図2(b)の親指甲部材2は、後縁に指孔
13との縫着部(ル)’を形成したもので、折り返し1
2で折り曲げて縫着部(ル)’を指孔13の縫着部
(ル)に縫着し、図4に示すように、前方を立ち上げて
縫着部(ヌ)同士を縫着する。
【0026】図2(c)の中指掌部材3は、両側縁に甲
部中指部22との縫着部(ト)が形成されている。前記
縫着部(ト)は人差し指部15と同様に、内側に向かっ
て形成した波形oが2箇所設けられており、直線状の前
記甲部中指部22の縫着部(ト)’と縫着することによ
り、各波形oの頂点が中指の第1と第2の関節に対応す
るようになっている。
【0027】この中指掌部材3の後縁には、切り込み6
との縫着部(ホ)’と掌部人差し指部15との縫着部
(ハ)’及び薬指掌部材4との縫着部(オ)’が形成さ
れており、縫着部(ホ)’は、前述したように前記人差
し指部15側の切り込み6と逆の山形で互いに合致する
形となっている。
【0028】図2(d)の薬指掌部材4は、両側に甲部
薬指部23との縫着部(チ)が形成されている。前記縫
着部(チ)には、内側に向けて形成した波形oが2箇所
設けられており、この縫着部(チ)を直線状の前記甲部
薬指部23の縫着部(チ)’と縫着することにより、他
のものと同様に、各波形oの頂点が薬指の第1と第2の
関節に対応するように形成されている。
【0029】また、薬指掌部材4の後縁には、中指部材
3との縫着部(オ)と、切り込み6に対する縫着部
(ヘ)’及び掌部小指部16に対する縫着部(ニ)’が
形成されている。前記切り込み6に対する縫着部
(ヘ)’は、山形となっており、縫着部(ヘ)の谷形と
逆であり、互いに合致する形となっている。
【0030】一方、これら上記の手袋を構成する図2
(a),(b),(c),(d)の甲部材11と掌部材
10のそれぞれ縫着される各頂点(e〜f)から後端
(h〜k)までの長さは、下記の関係に設定されてい
る。
【0031】1.図2(a)の甲部人差し指部21の
e’〜i’の長さを、掌部人差し指部15のe〜i”の
長さと図2(c)の中指掌部材3のi〜i''' の長さを
合計した長さと同じにする。
【0032】2.図2(a)の甲部中指部22のi’〜
f’の長さを、図2(c)の中指掌部3のi〜fの長さ
と同じにする。また、図2(a)の甲部中指部22の
f’〜j’の長さを、図2(c)の薬指掌部材4のf〜
jの長さと同じにする。
【0033】3.図2(a)の甲部薬指部23のg’〜
j’の長さを、図2(c)の中指掌部材4のj〜j'''
と図2(d)の薬指掌部材のg〜j”までの合計した長
さと同じにする。また、図2(a)の甲部薬指部23の
g’〜k’の長さを、図2(d)の薬指掌部材4のg〜
kとg〜j”までの合計した長さと同じにする。
【0034】4.図2(a)の甲部小指部24のk’〜
h’の長さを、図2(a)の掌部小指部16のk''' 〜
hと図2(d)の薬指掌部材4のk〜k”までの合計し
た長さと同じにする。
【0035】この形態は、上記のように構成され、図4
に示すように、本体部材1に親指甲部材2、中指部材
3、薬指部材4を縫着し、各部材2,3,4を縫着した
本体部材1を折り返し12で折り曲げて重ね合わせ、周
囲を縫着する。
【0036】すなわち、イとイ’、ロとロ’・・・のよ
うに対応する縫着部同士を縫着し、切り込み6の縫着部
(ホ),(ヘ)もそれに対応する中指掌部材3、薬指掌
部材4の縫着部(ホ)’,(ヘ)’に縫着する。また、
掌部人差し指部15との縫着部(ハ)’及び薬指掌部材
4に対する縫着部(オ)’は、縫着関係を示す図5から
判るように、前述した掌部人差し指部15の縫着部
(ハ)と中指掌部材3の縫着部(ハ)’と縫着すること
で、人差し指と中指の間の部分を形成し、薬指掌部材4
の縫着部(ニ)’を掌部小指部16の縫着部(ニ)と縫
着することで、中指と小指の間の部分を形成する。
【0037】このとき、例えば、甲部人差し指部21の
縫着部(イ)’と、掌部人差し指部15の縫着部(イ)
の波形oを延ばした長さとを同じにしたことで、縫着部
(イ),(イ)’に余りを生じないようになっており、
その際、縫着した際の波形oの頂点を、それぞれ、人差
し指の第1関節と第2関節に合わせて形成したので、図
6に示すように、関節部分に生じる弛みを取り除き、自
然に内側に湾曲するようになっている。そのため、手に
はめた際に、指にフィットしてはめ心地がよく、また、
無駄な弛みがないので、曲げやい。
【0038】同様に、他の指においても波形oを形成し
たことにより、指にフィットさせることができる。
【0039】このように、甲部材11の直線状に形成さ
れた縫着部と掌部材10の波形oに形成された縫着部の
長さを同じ長さにすることにより、掌部材10を引っ張
りながら縫着することなく、各指に対する弛みを取り除
いて内側に湾曲させることができる。このため、はめ心
地が良く、生地が弛まないので、関節も曲げやすい。
【0040】一方、掌部14の切り込み6の縫着部
(ホ),(ヘ)を谷に、それに対応する中指掌部材3、
薬指掌部材4の縫着部(ホ)’,(ヘ)’を山形に形成
したことにより、図7(a)に示すように、縫着部
(ホ),(ヘ),(ホ)’,(ヘ)’に沿って縫着した
縫い目は、図7(b)のように伸縮の必要な方向に引っ
張れば、縫着部(ホ),(ヘ),(ホ)’,(ヘ)’が
伸びる。
【0041】このため、伸縮性を付与できるので、掌を
広げたり、広げた掌を握ったりし易く、その際、本体部
材1も引きつらない。
【0042】したがって、本体部材1を大きく形成しな
くてもよくなり、スマートな形に成形でき、しかも、は
め心地が良くて指も動かし易く、フィット感を得られる
手袋を提供できる。
【0043】このように、縫着部(イ),(イ)’
(ホ),(ホ)’,(ヘ),(ヘ)’に沿って縫い合わ
せていけば、経験や感に依らずとも生地の弛みなどを生
じず、指にフィットして関節なども曲げやすく、形のよ
い手袋を作れるので、はめ心地のよい量産にも適した手
袋を提供することができる。
【0044】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成したこと
により、経験や感に依らずとも指にフィットし、嵌め心
地のよい手袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の斜視図
【図2】実施形態の構成部材を示す展開図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】実施形態の部材の取り付け状態を示す作用説明
【図5】実施形態の縫着関係を示す作用図
【図6】実施形態の作用説明図
【図7】実施形態の作用説明図
【図8】(a)従来の構成部材の要部拡大図 (b)〜(e)従来例の使用状態を示す作用説明図
【図9】従来例の作用説明図
【符号の説明】
6 切り込み 10 掌部材 11 甲部材 15 掌部人差し指部材 17 甲部 o 波形 (イ) 縫着部 (イ)’ 縫着部 (ロ) 縫着部 (ロ)’ 縫着部 (ヘ) 縫着部 (ヘ) 縫着部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側縁に直線状の縫着部(イ)’,
    (ト)’,(チ)’,(ロ)’を形成した手の指の甲側
    を被う指部21〜24と手のひらの甲側を被う甲部20
    からなる甲部材11と、側縁に波形で、かつ、波形の長
    さを前記手の指の甲側を被う指部21〜24の直線状の
    縫着部(イ)’,(ト)’,(チ)’,(ロ)’と同じ
    長さの縫着部(イ),(ト),(チ),(ロ)を形成し
    た手の指の掌側を被う指部15,16と手のひらの掌側
    を被う掌部14からなる掌部材10とからなり、前記手
    の指の甲側を被う指部21〜24と手の指の掌側を被う
    指部15,16の縫着部(イ),(ト),(チ),
    (ロ),(イ)’,(ト)’,(チ)’,(ロ)’を波
    形oの頂点が指の関節位置となるようにして縫着するよ
    うにするとともに、前記手の指の掌側を被う指部15,
    16と手のひらの掌側を被う掌部14とに、両者を縫着
    するための縫着部(ホ),(ヘ),(ホ)’,(ヘ)’
    を形成し、その縫着部(ホ),(ヘ),(ホ)’,
    (ヘ)’の一方を山形に形成し、他方を前記山形に対応
    する谷形に形成した手袋。
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