JP3091576U - 透視可能なフイルム印刷物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 簡単に且つ安価に製造できる透視可能なフイ
ルム印刷物を提供する。 【解決手段】 表面に接着剤を有した透明樹脂フイルム
（２）の裏面に、表面から見て正像になるようにオフセ
ット印刷で絵柄部分（５）と透視部分（６）とが交互に
ストライプ状に配置された絵柄を印刷して、透明樹脂フ
イルム（２）の裏面に絵柄層（８）を設ける。絵柄層
（８）の絵柄部分（５）にこれに重なるように白色イン
キ、銀インキ、墨色インキを順番に印刷又は塗布し、透
明樹脂フイルム（２）の裏面ストライプ状の白色インキ
層（９）、銀インキ層（１０）及び墨色インキ層（１
１）を積層して形成する。更に、墨色インキ層（１１）
の上に透明ニスインキを印刷又は塗布し、墨色インキ層
（１１）の上に透明ニスインキ層を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一方の面からは絵柄が見え、他方の面からは反対側が透視可能なフイ ルム印刷物に関し、更に特定すれば、建物や車両のウインドウガラスの内側に貼 り付け、ガラスの外側からはフイルムに印刷された絵柄が見え、且つ、室内を見 え難くし、ガラスの内側からは透明部分を通して屋外、車外の風景が見えるよう にする透視可能なフイルム印刷物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

特公昭６２−２２２８８３号公報及び特公平６−３２７２１号公報には、光透 過材料に絵柄を印刷後、透明にする部分を除去する透視可能なフイルム印刷物が 開示されている。 また、特公平８−５２４６号公報には印刷後に透明にする部分を転写方式で除去 する方法が開示されている。また、実公平５−２０８７１号公報にはフイルムに 絵柄を印刷し、印刷後に多数の孔を開け透視部分を設けた透視可能なフイルム印 刷物が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の透視可能なフイルム印刷物の製作技術は、いずれも絵柄を印刷後に 透明部分を形成する工程が加わるものであり、絵柄と透明部分とを一工程で印刷 したものがない。そのため、製作工程が複雑となってしまい、コスト高となると いう問題点がある。 本考案は上記問題点を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、表面に接着剤を有した透明樹脂フイルム （２）の裏面に、表面から見て正像になるようにオフセット印刷で絵柄部分（５ ）と透視部分（６）とが交互にストライプ状に配置された絵柄（７）を印刷して 、前記透明樹脂フイルム（２）の裏面に絵柄層（８）を設け、前記絵柄層（８） の絵柄部分（５）に重なるように白色インキ、銀インキ、墨色インキを順番に印 刷又は塗布し、絵柄層（８）の上にストライプ状の白色インキ層（９）、銀イン キ層（１０）及び墨色インキ層（１１）を積層して形成したものである。 また本考案は、前記墨色インキ層（１１）の上に透明ニスインキを印刷又は塗 布し、前記墨色インキ層（１１）の上に透明ニスインキ層（１３）を設けたもの である。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下に本考案の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。 図１において、符号１はフイルム印刷物を示し、透明樹脂フイルム２の表面に 接着剤が塗布され、この接着剤はフイルム２の表面に接着剤層３を形成する。前 記透明樹脂フイルム２の接着剤層３には剥離用フイルムから成るセパレータ４が 脱着自在に接着されている。

【０００６】 前記透明樹脂フイルム２の裏面には、幅１ｍｍの絵柄部分５と幅０．３ｍｍの 透視部分６とが交互にストライプ状に配置された絵柄７が、透明樹脂フイルム２ の表面から見て正像となるように、オフセット印刷により印刷され、透明樹脂フ イルム２の裏面に絵柄層８が形成されている。９は白色インキ層であり、白色部 分が前記絵柄層８の絵柄部分に重なるようにオフセット印刷によりあるいはその 他の塗布手段により透明樹脂フイルム２の裏面に印刷又は塗布されている。

【０００７】 前記白色インキ層９は、絵柄部分５に重なった幅１ｍｍの白色部分と幅０．３ ｍｍの透視部分とが交互にストライプ状に配列された構成となっている。１０は 銀インキ層であり、銀インキ部分が前記白色インキ層９の白色部分に重なるよう に、オフセット印刷によりあるいはその他の塗布手段により、透明樹脂フイルム ２の裏面に印刷又は塗布されている。

【０００８】 銀インキ層１０は、白色インキ層９の白色部分に重なった幅１ｍｍの銀インキ 部分と幅０．３ｍｍの透視部分とが交互にストライプ状に配列された構成となっ ている。１１は墨色インキ層であり、墨色インキ部分が前記銀インキ層１０の銀 インキ部分に重なるように、オフセット印刷によりあるいはその他の塗布手段に より、透明樹脂フイルム２の裏面に印刷又は塗布されている。墨色インキ層１１ は、銀インキ層１０の銀インキ部分に重なった幅１ｍｍの墨色インキ部分と幅０ ．３ｍｍの透視部分とが交互にストライプ状に配列された構成となっている。

【０００９】 上記した構成において、フイルム印刷物１のセパレータ４を取り去った表面か らは絵柄７と透視部分６のストライプが見え、裏面からは墨色と透視部分のスト ライプが見える。フイルム印刷物１の表面には接着剤層３が塗布してあるため、 セパレータ４を剥がしながらガラスの内側にフイルム印刷物１を貼り付けること により、ガラスの内側からは外が透視可能で、外部からは絵柄７が見え、且つ内 部の状況を見づらくすることができる。

【００１０】 次に本考案の他の実施形態を図３を参照して説明する。 図中、１２はフイルム印刷物であり、図１に示す第１の実施形態の主要な構成 を備えている。図３において、第１の実施形態と同一の部分には対応関係を明ら かにするため同一の番号を附してある。１３は透明ニスインキ層であり、墨色イ ンキ層１１の墨色インキ部分の上にオフセット印刷により、あるいはその他の塗 布手段により、印刷又は塗布されている。

【００１１】 フイルム印刷物１２をガラスに貼り付ける時に、ガラスとフイルム面の間に溜 まった空気や水を押し出すためにスキージー（へら）でフイルム印刷物の裏面を 擦るが、このとき、透明ニスインキ層１３がスキージーから印刷層あるいは塗布 層を保護する。

【００１２】 上記実施形態において、白色インキ層９は、絵柄層８の色の状態によって、２ 乃至４回の重ね刷りをすることにより絵柄の色調の鮮明さを保つことができる。 また、保護用の透明ニスインキには若干量のシリコンを混合すると、スキージー の滑りを良くすることができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は上述の如く、接着剤付き透明樹脂フイルムに直接絵柄部分と透視部分 とがストライプ状に並ぶ絵柄をオフセット印刷するようにしたので、透視可能な フイルム印刷物を簡便に作成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施形態を示す透視可能なフイ
ルム印刷物の説明的断面側面図である。

【図２】本考案の第１の実施形態を示す透視可能なフイ
ルム印刷物の正面図である。

【図３】本考案の第２の実施形態を示す透視可能なフイ
ルム印刷物の説明的断面側面図である。

【符号の説明】

１ フイルム印刷物 ２ 透明樹脂フイルム ３ 接着剤層 ４ セパレータ ５ 絵柄部分 ６ 透視部分 ７ 絵柄 ８ 絵柄層 ９ 白色インキ層 １０ 銀インキ層 １１ 墨色インキ層 １２ フイルム印刷物 １３ 透明ニスインキ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に接着剤を有した透明樹脂フイルム
   （２）の裏面に、表面から見て正像になるようにオフセ
   ット印刷で絵柄部分（５）と透視部分（６）とが交互に
   ストライプ状に配置された絵柄（７）を印刷して、前記
   透明樹脂フイルム（２）の裏面に絵柄層（８）を設け、
   前記絵柄層（８）の絵柄部分（５）に重なるように白色
   インキ、銀インキ、墨色インキを順番に印刷又は塗布
   し、絵柄層（８）の上にストライプ状の白色インキ層
   （９）、銀インキ層（１０）及び墨色インキ層（１１）
   を積層して形成したことを特徴とする透視可能な印刷
   物。
2. 【請求項２】 前記墨色インキ層（１１）の上に透明ニ
   スインキを印刷又は塗布し、前記墨色インキ層（１１）
   の上に透明ニスインキ層（１３）を設けたことを特徴と
   する「請求項１」に記載の透視可能な印刷物。