JP3090769B2 - 自走式エレベータの制御装置 - Google Patents

自走式エレベータの制御装置

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JP3090769B2
JP3090769B2 JP04087107A JP8710792A JP3090769B2 JP 3090769 B2 JP3090769 B2 JP 3090769B2 JP 04087107 A JP04087107 A JP 04087107A JP 8710792 A JP8710792 A JP 8710792A JP 3090769 B2 JP3090769 B2 JP 3090769B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走行路に沿って配置
された複数の乗りかごがそれぞれ自ら推進力を発生して
走行路を一方向に循環走行する自走式エレベータの制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から広く用いられているエレベータ
は、油圧プランジャを用いて乗りかごを昇降させる油圧
式エレベータや比較的小容量域に使用される巻胴式エレ
ベータを除いて、その大半は、電動機駆動のシーブに吊
り掛けられたロープの一端に乗りかごを、また他端に釣
合重りをそれぞれつるべ状に吊り下げた「つるべ式」の
ものであって、1つの昇降路に1つの乗りかごを配置し
ている。
【0003】このつるべ式エレベータにおいては、図1
5に示すように、昇降路に沿って前方にガイドレール3
a,3bを、後方にガイドレール4a,4bを配設し、
ガイドレール3a,3bの間に乗りかご1を、またガイ
ドレール4a,4bの間に釣合重り2をそれぞれ配置す
ると共に、昇降路上部の機械室に配設された巻上機5の
シーブ6にロープ8を巻き掛け、そらせシーブ7などを
介して案内されるロープ8の一端に乗りかご1を、他端
に釣合重り2を、それぞれつるべ式に吊り下げる。近年
では巻上機5の駆動用電動機として三相誘導電動機が用
いられ、制御装置にはマイクロプロセッサを搭載したイ
ンバータ装置が広く用いられている。
【0004】このようなつるべ式エレベータにおいて、
モータの制御異常や機器故障などによる乗りかごの衝突
事故は終端階でしか発生し得ない。そのため、終端階に
おける乗りかごの異常な過速度を検出したら乗りかごを
急減速させたり急停止させたりする終端階強制減速装置
が設けられている。この保護装置は従来から広く利用さ
れてきている方式であって、性能面でも安全面でも技術
的に確立された信頼性のあるものである。
【0005】ところが、近年、将来的な問題として、超
高層ビルや超々高層ビルなどのビル内交通需要に応える
ための新しい階間交通システムの考え方が種々提案され
ている。提案されている新交通システムの1つが、巻上
機およびロープを用いることなく、乗りかごが自ら推進
力を発生して走行する自走式エレベータである。この自
走式エレベータは、上下方向(昇降方向)のみならず水
平方向にも走行可能な構造とした「縦横走行型自走式エ
レベータシステム」の構想である。
【0006】この自走式エレベータシステムの構想は、
従来の1昇降路1乗りかごの既成概念を打破するもので
あり、1昇降路に複数台の乗りかごを走行させることが
可能な革新的な技術として注目されつつある。
【0007】図16はそのような縦横走行型自走式エレ
ベータシステムを示すものである。同一昇降路内に配置
された複数台の乗りかご9にそれぞれリニアモータ二次
導体10を備え、各二次導体10は昇降路に配設された
リニアモータ一次導体11との相互作用によって駆動推
進力を得る。各乗りかご9には安全装置として、ブレー
キ12や乗りかご9相互の衝突による衝撃を緩和するた
めの緩衝機13が取り付けられ、また複数の乗りかごの
連結走行を行うための超電導電磁石14も取り付けられ
ている。さらに、最上階には、吊下機15および水平走
行用可動式プレート16が設けられ、最下階には、同じ
く油圧ジャッキ17が設けられている。
【0008】図17は乗りかご9の周辺の詳細な機器配
置を示すものである。乗りかご9には推進用リニアモー
タの二次導体10が取り付けられ、リニアモータの一次
導体11は昇降路に設けられている。乗りかご9はガイ
ドレール18にガイドされる形で昇降し、そのガイドレ
ール18に対して制動力を得るようにブレーキ12が配
置されている。さらに、乗りかご9には内部の照明や制
御機器などの動作電力を昇降路側から得るための集電装
置19が取り付けられ、信号伝送を行うための情報伝送
用ケーブル20が昇降路に設置されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されている自
走式エレベータの制御装置では、上記のように安全装置
の1つとして乗りかご相互の衝突による衝撃を緩和する
ために緩衝機13が設けられているが、これは衝突その
ものはやむを得ないとする考え方に立った対策であり、
望ましくは、走行している乗りかごが相互に決して衝突
することなく運転制御することである。他方ではまた、
本来のエレベータのサービス性を向上させるために、安
全を確保した上で、できるだけ多くの乗りかごをできる
だけ高速で運転制御することも、重要なことである。
【0010】この発明は、このような安全確保と高速大
量輸送という両面の課題を解決するためになされたもの
で、複数台の乗りかごが同一走行路を相互に安全かご間
距離を保持しつつ安全で信頼性の高い可変速運転を可能
とする自走式エレベータの制御装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の制御装置は、各乗りかごの走行速度を
算する速度演算手段と、自かごと前方かごとの間の距離
演算する距離演算手段と、速度演算手段により算出
された自かごの走行速度に基づいて自かごの加速度を演
し自かごが加速運転中か定速走行中か減速運転中かを
判定する自号機走行状態判別手段と、自かご停止時に
離演算手段により算出された前方かごとの間の距離と前
方かごとの間に設定される必要最低距離との比較および
その比較結果と目的階までの距離との比較により自かご
のスタート可否を判別しスタート制御を行うスタート制
御手段と、自号機走行状態判別手段の判別結果、自かご
の走行速度から算出した、速度制御によって停止するの
に必要な減速停止必要距離、および距離演算手段によっ
て算出された前方かごとの間の距離と目的階までの距離
とのうちの短い方の距離に基づいて、自かごの加減速を
制御する加減速制御手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】この発明の制御装置では、かごの位置・速度・
加速度および前方かごとのかご間距離を検出する。これ
らの検出データと目的階フロアデータとにより、目的階
への運転の場合は即座にスタート許可し、前方かごまで
の運転の場合は、安全性と乗り心地等を考慮して一定以
上の距離だけ離れないとスタートさせないように制御さ
れる。かごがスタートした後は、加減速制御手段により
各検出データにより自号機かごの走行状態を把握し、そ
の時点における自号機かごの減速・停止必要距離演算値
と運転距離演算値(残り距離)との比較により加速・定
速走行・減速を制御する。こうして同一走行路を走行す
る複数の乗りかごの相互の安全かご間距離を保ちつつ、
乗り心地を確保した上で、エレベータのサービス効率を
できるだけ高くした運転制御を実施することができる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。
【0014】まず、この発明の制御装置の全体的な構成
につき図2を参照して説明する。図2は、複数の走行路
(シャフト)A〜Zに1〜X号機からなる複数の乗りか
ご9を走行させるシステムを示している。ただし、説明
の簡略化のために昇降方向のみが図示されている。走行
路に沿って配設された駆動用リニアモータの一次コイル
21は、各走行路A〜Zごとに、昇降路の長さに応じて
複数の区間a〜yに分割されている。このように一次コ
イル21を複数の区間に分割する理由は、一次コイルを
走行路全体に渡るようにすると長大なコイルとなるが、
現状ではそのような長大コイルは損失が大きく、システ
ム全体の経済性が損われてしまうからである。種々の制
御機能を実行し、各一次コイル21に制御された電力を
供給するために、乗りかご1〜X号機に対応して駆動制
御装置22が設けられている。特定の駆動制御装置22
から特定の一次コイル21に駆動電力を供給するために
両者の間に区間選択切換器23が設けられている。各駆
動制御装置22は各一次コイル21を介してリニアモー
タに制御された交流電力を供給するために周波数変換装
置を備えているが、図示は省略されている。周波数変換
装置は、整流器およびインバータにより構成してもよい
し、サイクロコンバータにより構成してもよい。周波数
変換装置は区間選択切換器23を介して、どの一次コイ
ル21にも駆動電力を供給しうるように結線されてい
る。各一次コイル21には乗りかご台数分の区間選択切
換器23が接続されていて、例えば1号機の乗りかごの
駆動制御装置22は、1号機の乗りかごが存在する区間
の区間選択切換器23を選択して一次コイル21に駆動
電力を供給し、乗りかごの進行方向に応じて区間選択切
換器23を順次選択して行くことによって、乗りかごを
所望の方向に推進させることができる。つまり、1号機
の乗りかごがA走行路のa区間に存在しているとすれ
ば、1号機の乗りかごの駆動制御装置22はまず1Aa
の区間選択切換器23を選択してこれをオンとし、乗り
かごがA走行路のb区間に移行すると、1Abの区間選
択切換器23を選択してこれをオンとするようにして推
進していく。
【0015】このような自走式エレベータシステムにお
いて、各駆動制御装置22は、同一走行路内を走行する
進行方向前方の乗りかごとの間に常に安全なかご間距離
を保ちながら、運転効率を上げ、かつエレベータのサー
ビス性を最善にするために、図1に示すように、乗りか
ごの運転速度を制御する速度制御機能を備えている。な
お、図1はこの発明の制御機能部分の実施に不可欠な各
手段の関連を示す機能ブロック図であり、これらの各手
段は、自かごの運転制御を行う汎用のマイクロコンピュ
ータのソフトウェアによって、他の必要な種々の機能と
共に実現するものである。
【0016】本発明による運転制御の特徴は次の3点に
ある。
【0017】1. 目的階に至るまでに前方かごが存在
しない場合は、目的階レベルに向かって通常の運転を行
う。
【0018】2. 目的階に至るまでに前方かごが存在
する場合は、前方かごまでの距離と前方かごの速度と前
方かごまでの最短接近距離(余裕距離)とに基づいて演
算した運転距離演算値SRUN と、乗り心地等を考慮した
運転許可前方かご間最低距離SMIN との比較により、S
RUN ≧SMIN の時に限り運転開始とする。またSRUN
MIN の時は運転を不許可とする。
【0019】3. 運転開始後は、走行速度に対応した
自号機かごの減速・停止必要距離演算値と運転距離演算
値(残り距離)との比較により加速・定速・減速の制御
を行う。
【0020】図1に示すように各号機の駆動制御装置2
2は、自号機の乗りかごの走行速度va を演算する自号
機速度演算手段24、自号機の乗りかごと進行方向前方
の乗りかごとの間の距離Sを演算するかご間距離演算手
段25、および前方号機の乗りかごの自号機に対する相
対速度を演算し、その演算結果と自号機のかご速度とか
ら前方かご速度vb を演算する前方かご速度演算手段2
4Aを備えている。
【0021】駆動制御装置22はさらに運転距離演算手
段26、スタート制御手段27、自号機走行状態判別手
段28、および加減速制御手段29を備えている。
【0022】運転距離演算手段26は各演算手段によっ
て算出された距離および速度の検出信号S,va ,vb
と、同じ駆動制御装置22の他の処理機能で処理され出
力されたホールかご呼びに応答するための当該かごの運
転目的階位置信号26aとから自号機かごのその都度の
運転距離を演算し運転距離信号26bを出力する。スタ
ート制御手段27においては、運転距離信号26bに基
づいて前方かごとの距離を確認の上、かごのスタート開
始信号27aを出力し、かごのスタートを制御する。自
号機走行状態判別手段28は自号機かごの検出速度デー
タva とそれに基づいて演算した加速度の符号とから走
行状態を判別する手段であって、この実施例において
は、走行状態をA:停止(va =0)、B:加速中(加
速度正)、C:一定速度走行中(va >0、かつ加速度
ゼロ)、D:減速中(加速度負)という4モードに分類
し、いまどの状態にあるかを表す走行状態信号28aを
出力する。加減速制御手段29は、これら走行状態信号
28a、自号機かご速度va、および運転距離信号26
bに基づいて、安全性を確保した上でサービス効率のよ
い運転速度を達成しうるようなかごの運転速度基準(パ
ターン)を作成し、運転パターン信号29aとして出力
する。
【0023】速度演算手段24はガイドレール18に沿
って転動するローラガイド30(図3参照)などに取り
付けられたパルス発生器30Aからの走行パルス信号3
0aを入力とし、自号機Aの乗りかご9の速度va を演
算する。また、かご間距離演算手段25は、自号機Aの
乗りかご9の進行方向前面に取り付けられたかご間距離
検出器31(図3参照)から光や電波の反射信号を利用
して得られるかご間距離信号31aを入力し、進行方向
前方を走行する前方号機Bの乗りかご9との間の距離S
x を演算する。
【0024】次に、図2および図1に示す自走式エレベ
ータの制御装置の動作について説明する。
【0025】前方かごの速度vb は、第1に次式に示す
ようにかご間距離演算手段25によって求めるかご間距
離St を時間微分することによって相対速度vx を求
め、 vx =(St −St-1 )/Δt (ここで、St は今回の制御演算サイクル時に得られた
かご間距離、St-1は前回の制御演算サイクル時に得ら
れたかご間距離、Δtは制御演算周期をそれぞれ示すも
のとする) 前方号機Bの乗りかご9の速度vb は、自号機Aの乗り
かご9の速度va と相対速度vx とから、 vb =va +vx として求めることができる。
【0026】以上の動作を図4に示すフローチャートを
参照して説明すると、一定の制御演算周期Δtで、自号
機Aの乗りかご9の走行パルス信号Dx と、前方走行号
機Bに対するかご間距離信号Sx とを入力し(ステップ
S1)、これらの入力を周期Δtにより時間微分するこ
とにより、相対速度vx 、自号機Aの速度va を各周期
ごとに演算し(ステップS2)、さらに、これらの演算
結果から、前方号機Bの実速度vb をそれぞれ次式に従
って演算する(ステップS3)。
【0027】 vx =(Sx −Sx-1 )/Δt …(1) va =(Dx −Dx-1 )/Δt …(2) vb =va +vx …(3) 次に運転距離演算手段26の演算処理について説明す
る。
【0028】この演算手段においては、先に求めた前方
かごの走行速度vb と前方かごまでのかご間距離Sx
さらに他の制御手段によって求められた自かごの呼び応
答フロア位置を示す目的階信号26aを用いて、自号機
の運転距離を算出するものであって、図5に示すフロー
チャートを参照してその動作を説明する。
【0029】前記の各演算手段で得られた前方かご速度
およびかご間距離Sを入力し(ステップS4)、
自号機かごの前方かごまでの運転距離SFCを演算する
(ステップS5)。この運転距離SFCを決定する要素
は、 (1) 前方かごまでのかご間距離S (2) 前方かごが速度vでの走行中、なんらかのトラ
ブルでブレーキをかけて急停止(ブレーキ制動力γ)し
た場合の減速走行停止距離v /(2γ)(|γ|>
|α|),α:通常の運転加減速度) (3) かご間最短接近距離SCON の3点であって、 SFC=S+{v /(2γ)}−SCON …(4) となる。
【0030】次にSFC演算値と目的階までの距離SFL
ータとを比較し(ステップS6)、SFL≦SFCの場合は
運転距離データSRUN =SFLとセットし(ステップS
7)、SFL>SFCの場合は運転距離データSRUN =SFC
とセットし(ステップS8)、このルーチンを終了す
る。こうして周期的に自号機かごの運転距離SRUN を演
算する。
【0031】かごの停止中に運転距離演算手段26で算
出された運転距離演算値SRUN を用いて、安全性を確保
できるかご間距離をキープし、乗り心地を考慮した上で
のかごの運転スタート制御を行うのがスタート制御手段
27である。この制御手段の動作を図6のフローチャー
トを参照して説明する。
【0032】このルーチンは、スタート制御ルーチンの
ため停止中でのみ動作する(ステップS9)。今回の運
転が予備に応答する目的階への運転か前方かご後方への
接近運転かを判別し(ステップS10)、前者の場合は
目的階までの間にかごが存在しないことを確認したら
座にスタートを許可し(ステップS11)、目的階まで
の間にかごが存在することが検出されたときは後者の場
合に移行して、このルーチンを終了する。後者の場合
は、運転を許可する前方かご間最短距離SMIN以上か
ごが離れている(SRUN≧SMIN)かを判別し(ス
テップS12)、離れていればスタートを許可し(ステ
ップS13)、このルーチンを終了する。ここで運転を
許可する前方かご間最短距離SMINの決定方法の一例
を示す。
【0033】かごを運転許可する場合は次の点に十分考
慮する必要がある。
【0034】(1) 安全であること(前方かごに決して
衝突しない距離で停止することができること)。
【0035】(2) 乗り心地が良好であること(急激な
加速や減速、さらには加速・減速のくり返しが少ないこ
と)。
【0036】(3) エレベータのサービス性を高くする
こと(ホールでの待ち時間、かご内での乗り時間が短い
こと)。
【0037】こうした観点から前方かご間最短距離S
MIN は、図7に示すように、一定速走行をすることがで
きる距離とすることが望ましい。図7中、各記号の意味
は次の通りである。
【0038】t(横軸)は時間、v(縦軸)かごの走行
速度、αは加(減)速度、Jは加加速度(ジャーク)、
α0 は一定加速度、−α0 は一定減速度。
【0039】α0 =0.5〜1.0(m/s 2 ) J=1.0(m/s 3 ) VL :最低一定速度(15m/分〜50m/分) Ta :一定速走行時間(数sec ) この図の例では、前方かご間最短距離SMIN は、 SMIN =(S1 +S2 +S3 )×2+S4
【0040】
【数1】 1 +S2 +S3 =(1/2)VL (VL /α0 +α0 /J) S4 =VL ・Ta ∴ SMIN =VL (VL /α0 +α0 /J)+VL ・Ta …(5) この式の示すように、前方かご間最短距離SMIN は速度
L と時間Ta により決定される。上述の条件(1) 〜
(3) を加味し、最適な距離VL ・Ta を設定する必要が
ある。
【0041】このようにして決定された最短距離SMIN
以上の運転距離演算値SRUN にならないと、スタートを
許可しない。こうして、スタート制御手段27で算出さ
れたSRUN データとSMIN との比較によりスタートを制
御することにより、かご間最短接近距離をキープし、一
定の乗り心地をキープすることができる。
【0042】次にスタート後のかごの走行状態を検出す
る自号機走行状態判別手段28につき図8のフローチャ
ートを参照して説明する。この状態判別手段28では、
自号機かごの速度データv2 を取り込み(ステップS1
4)、その速度データv2 に基づいて運転加速度αax
算出する(ステップS14)。次に運転加速度αaxの符
号に基づいて状態判別を行い(ステップS16)、加速
運転中(モードB:αax>0)か(ステップS17)、
一定速度走行中(モードC:αax=0)か(ステップS
18)、減速運転中(モードD:αax<0)か(ステッ
プS19)を判別する。このようにしてスタート制御手
段27は走行中のかご状態(モード)を常時判別する。
【0043】加減速制御手段29においては、各走行状
態に対応して、その時々のかご速度vaxでの通常減速・
停止までに必要な距離SSLSTを演算し、またその時々の
運転残り距離SRUN との比較判定により、安全で、乗り
心地を保ち、運転効率のよい速度基準を演算する。まず
加減速制御手段29全体の動作を、図9のフローチャー
トを参照して説明する。かごスタート前は、速度基準V
REF および加速度基準αREF は共にゼロである。すなわ
ちVREF =0、αREF =0である(ステップS20,S
21)。次にスタート制御手段27によりスタートが許
可されているかどうかを判別し(ステップS22)、ス
タートOKの場合、設定加速度αREF =αREF +ΔαK
(ただし、ΔαK は微少加減速度変化分)としてセット
し(ステップS23)、速度基準VREF =VREF +α
REF ・Δtとして速度基準VREF を演算し(ステップS
24)、このルーチンを終了する。ここで、Δtは演算
処理周期である。なお、αREF =Jt,J=1(m/s
3 )と制御したい場合には、Δt=20msとすれば、Δ
αK =0.02(m/s2 )となる。
【0044】かごが既に加速中である場合(モードB)
は加速中速度基準設定ルーチン(ステップS25,2
6)に、一定速度走行中の場合(モードC)は定速中速
度基準設定ルーチン(ステップS27,28)に、減速
中の場合(モードD)は減速中速度基準設定ルーチン
(ステップS29,30)に移行する。そして各ルーチ
ン(ステップS26,S28,S30)の処理を終了し
た後、ステップS24に戻り、新たな速度基準V
REF を、 VREF =VREF +αREF ・Δt …(6) として演算し、このルーチンを終了する。
【0045】次に加速中速度基準設定ルーチン(ステッ
プS26)の処理の詳細について図10のフローチャー
トおよび図13の基本的な運転速度基準パターンを参照
して説明する。加速中(図13中のB区間)である自号
機かごの速度検出データvaxにより、この時点での加
速を終了して一定速度になり、通常の減速すなわちブレ
ーキをかけることなく速度制御による減速を行い、ブレ
ーキなしで停止するまでに必要な距離(通常減速停止必
要距離)SSLSTを演算する(ステップS31)。こ
れは図14に示す一定速度走行区間なしの減速パターン
例(A)のケースである。
【0046】図7の場合と同一の表記を用いると、ここ
での距離SSLSTは、 SSLST=S1 +S2 +2S3 …(7) である。
【0047】次に、この距離SSLSTと上述のルーチン
(図5:S4〜S8)において算出した運転距離SRUN
とを比較し(ステップS32)、SSLST<SRUN 、つま
り運転距離の残りが十分あるときは、さらに加速中の最
大限界速度VMAX と自かごの速度vaxとを比較し(ステ
ップS34)、vax≧VMAX ならば、加速を終了して一
定走行に移行するために次式に従って加速度αREF を減
少させていく(ステップS35)。
【0048】 αREF =αREF −Δα …(8) vax<VMAX ならば、次式に従って加速を継続していく
(ステップS36)。
【0049】 αREF =αREF +Δα …(9) ただし、αREF のリミット値をα0 とする。
【0050】ステップS32において、SSLST≧SRUN
の場合、加速を終了させ、減速を開始する(ステップS
33)。すなわち、 αREF =αREF −Δα …(10) 以上のようにして、加速中のかごの速度制御を円滑に行
うことができる。
【0051】次に、定速中速度基準設定ルーチン(図
9、ステップS28)の処理について図11のフローチ
ャートを参照して説明する。
【0052】前ルーチン(図10)の場合と同様に、一
定速度運転中(図13のC区間)の自かごの速度vax
ータから、この時点で一定速度走行を終了し、通常の減
速を開始し停止するまでの必要距離SSLSTを演算する
(ステップS37)。図14に示す減速パターン例
(B)のケースである。図7の場合と同一表記を用いる
と、ここでの距離SSLSTは、 SSLST=S1 +S2 +S3 である。このSSLSTと先に求められているSRUN との比
較を実施し(ステップS38)、SSLST≧SRUN の場合
は、一定速運転を終了させ、減速開始とする(ステップ
S39)。すなわち、 αREF =αREF −ΔαSLST<SRUN の場合は速度vaxのチェックを行い(ス
テップS40)、vax≧VMAX の場合は、定速走行を継
続する(ステップS41)。ステップS40にてvax
MAX の場合は、さらに加速して一定速度を上げて運転
できないかを確認するために、現時点での速度vax
り、通常加速してトップスピードをVUPPまで上げ、一
定区間一定速走行をし、その通常減速をして停止するの
に要する距離SSLSTを演算する(ステップS42)。図
14(C)の加速・定速・減速のパターンのケースであ
る。図14(C)でVUPP は、このエレベータの最大定
格速度VTOP 以下の速度である。一例としてVUPP =v
ax+Δである。Δvは、最大定格速度VTOP にもよる
が、一般に、10〜20m/分程度である。つまり、Δ
v以上の速度上昇が不可ならば、速度上昇は行わない。
また、一定速走行時間TC は、先にも説明したように、
乗り心地確保のため少なくとも数秒は必要である。
【0053】このようにして求めた距離SSLSTを距離S
RUN と比較し(ステップS43)、SSLST≧SRUN のと
きは現状の定速走行(αREF =0)を継続させる(ステ
ップS44)。SSLST<SRUN の場合は再加速を開始す
べく、αREF を増大する(ステップS45)。すなわ
ち、 αREF =αREF +Δα このようにして、一定速度にて走行中のかごの速度制御
を円滑に行うことができる。
【0054】最後に、減速中速度基準設定ルーチン(図
9、ステップS30)の処理について図12のフローチ
ャートを参照して説明する。この減速中ルーチンには、
最終的に目標位置(フロアレベル)に正確に着床させる
という点で特に重要な制御である。そこで、この減速・
着床の制御にあたっては次の点を考慮する。
【0055】(1) 減速開始後は残り走行距離に対応し
て減速度を加減し、目標位置に着床させる。
【0056】(2) 着床レベルの手前一定距離に達した
時点で、実残り距離に対応した距離ベースの着床パター
ン制御に移行させ、レベル着床制御を行う。
【0057】まず通常減速中(図13のD区間)の自号
機かごの速度データからこの時点でこのまま減速を継続
して停止するまでの必要距離SSLSTを演算する(ステッ
プS46)。図14(B)に示す減速パターンのケース
である。次に、距離SSLSTと距離SRUN とを比較し(ス
テップS47)、SSLST>SRUN の場合は、このまま減
速度を少し上げながら減速を継続する(ステップS4
8)。すなわち、 αREF =αREF −Δα 次に減速度αREF の値をチェックし、リミット値−α
0MAXを超えた時点で制御異常と判断し、強制急減速保護
動作とし(ステップS49,S50)、ブレーキにより
急停止させる。
【0058】ステップS47でSSLST=SRUN となった
場合はこのままの減速度で運転を続け、着床目標位置の
手前の一定距離に達した時点で距離ベースの着床パター
ンで決まる速度値VREF をセットし(ステップS51,
S52)、本ルーチンを終了する。
【0059】ステップS47においてSSLST<S
RUNの場合は、減速を中止し、再度ある一定区間一定
速度走行し、再び減速して着床停止させることができな
いかを確認するために、図14(D)の減速パターンに
おける距離SSLSTを演算する(ステップS53)。
ここで、速度値VDNNは一例として、VDNN=v
ax−Δvとし、Δv=10〜20m/分程度にセット
し、一定速度走行時間Tは数秒として演算する。この
SLSTをSRUNと比較し(ステップS54)、S
SLST<SRUNのときは再度の一定速度走行が可能
であると判断し、減速を終了させ定速運転へ制御してゆ
く(ステップS55)。すなわち、 αREF=αREF+Δα ステップS51でSSLST≧SRUNの場合は、減速
度を緩和して、減速継続する(図14(E)参照)(ス
テップS56)。
【0060】このようにして、減速中にて走行中のかご
の速度制御を円滑に行うことができる。
【0061】以上詳述したように、かごのすべての運転
状態において、常時、前方かごまでの距離、自かご・先
方かごの走行速度を基に、前方かごの動きに追従して、
効率のよい速度基準を作成し運転速度制御をすることが
できる。
【0062】なお、この発明は上記の実施例に限定され
ることはない。例えば、上記の実施例では、前方の乗り
かごの速度をかご間距離検出データと自号機の実速度と
から演算によって求めたが、前方号機のかご速度をその
乗りかごに取り付けた速度検出器により直接求め、安全
かご間距離に保持するように自号機の速度制御を行うよ
うにしてもよい。
【0063】また、かご間距離の検出も、前方号機B自
体で位置検出を行い、その位置検出信号をA号機の位置
検出信号と比較することにより行うようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、自号機と前方走行号
機の走行速度およびかご間距離を検出して、前方号機が
急停止しても追突しないで停止できるだけの最小接近距
離を求め、自号機がその最小接近距離よりも大きなかご
間距離を保つように制御することができる。特に同一走
行路内を複数台の乗りかごが同時に走行運転する場合に
追突したりしないで各乗りかごを安全に走行させること
ができ、また、かごをできるだけ高速で運転して乗客の
乗車時間を短縮することにより、エレベータのサービス
性を大幅に向上させることができる。
【0065】かくして自走式エレベータの安全性・サー
ビス性の高い速度制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による制御装置の詳細を示す機能ブロ
ック図。
【図2】この発明の一実施例による制御装置の全体構成
を示すブロック図。
【図3】同一走行路に複数の乗りかごが存在する状態並
びに速度検出端およびかご間距離検出器の配置状態を説
明するための図。
【図4】自号機から前方号機のかご速度を演算する手順
を示すフローチャート。
【図5】図1における運転距離演算手段の演算処理手順
を示すフローチャート。
【図6】図1におけるスタート制御手段の処理手順を示
すフローチャート。
【図7】エレベータのスタートから加速運転、定速運転
および減速運転を経て停止に至るまでの望ましい速度パ
ターンと走行距離の関係を示す図。
【図8】図1における自号機走行状態検出手段の処理手
順を示すフローチャート。
【図9】図1における加減速制御手段の処理手順を示す
フローチャート。
【図10】図9における加速中速度基準設定ルーチンの
詳細を示すフローチャート。
【図11】図9における定速中速度基準設定ルーチンの
詳細を示すフローチャート。
【図12】図9における減速中速度基準設定ルーチンの
詳細を示すフローチャート。
【図13】速度基準設定のために示す基本的な運転速度
基準パターンの一例を示す図。
【図14】(A)ないし(E)は種々の速度パターンと
走行距離の関係を説明するための図。
【図15】従来のつるべ式エレベータシステムの内部構
成を示す斜視図。
【図16】提案されている自走式エレベータシステムを
説明するための概念図。
【図17】図16のエレベータシステムの乗りかご周辺
機器の配置を示す平面図。
【符号の説明】
21 一次コイル 22 駆動制御装置 23 区間選択切換器 24 自号機速度検出手段 24A 前方かご速度検出手段 25 かご間距離検出手段 26 運転距離演算手段 27 スタート制御手段 28 自号機走行状態検出手段 29 加減速制御手段 30A パルス発生器 31 かご間距離検出器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行路に沿って配置された複数の乗りかご
    がそれぞれ自ら推進力を発生して走行路を一方向に循環
    走行する自走式エレベータの制御装置において、 各乗りかごの走行速度を演算する速度演算手段と、 自かごと前方かごとの間の距離を演算する距離演算手段
    と、 前記速度演算手段により算出された自かごの走行速度に
    基づいて自かごの加速度を演算し自かごが加速運転中か
    定速走行中か減速運転中かを判定する自号機走行状態判
    別手段と、 自かご停止時に前記距離演算手段により算出された前方
    かごとの間の距離と前方かごとの間に設定される必要最
    低距離との比較およびその比較結果と目的階までの距離
    との比較により自かごのスタート可否を判別しスタート
    制御を行うスタート制御手段と、 前記自号機走行状態判別手段の判別結果、自かごの走行
    速度から算出した、速度制御によって停止するのに必要
    な減速停止必要距離、および前記距離演算手段によって
    算出された前方かごとの間の距離と目的階までの距離と
    のうちの短い方の距離 に基づいて、自かごの加減速を制
    御する加減速制御手段と、 を備えたことを特徴とする自走式エレベータの制御装
    置。
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