JP3090758B2 - 含フッ素リン酸エステル又はその塩の製造法 - Google Patents

含フッ素リン酸エステル又はその塩の製造法

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JP3090758B2 JP04030654A JP3065492A JP3090758B2 JP 3090758 B2 JP3090758 B2 JP 3090758B2 JP 04030654 A JP04030654 A JP 04030654A JP 3065492 A JP3065492 A JP 3065492A JP 3090758 B2 JP3090758 B2 JP 3090758B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水撥油性を示す、高
純度の含フッ素リン酸エステル又はその塩の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】含フッ
素リン酸エステル又はその塩は、繊維、紙等の撥水撥油
処理剤等の幅広い分野において使用されている。従来、
含フッ素リン酸エステル又はその塩の製造法としては、
種々の方法、例えば無水リン酸とフッ素アルコールを用
いる方法、またはオキシ塩化リンとフッ素アルコールを
用いる方法等が知られている。しかしながら、これらの
製造法において得られる含フッ素リン酸エステル又はそ
の塩中には、未反応のフッ素アルコールやリン酸化剤由
来のオルトリン酸及びピロリン酸の混入を避けることは
できない。含フッ素リン酸エステル中への未反応物の混
入は、使用用途によっては、撥水撥油性能の低下等好ま
しくない影響を与える。
【0003】従って、含フッ素リン酸エステル又はその
塩を高純度に製造することは、該エステルの機能を有効
的に利用する上で、重要な課題である。しかし、従来工
業的に使用される含フッ素リン酸エステル又はその塩
は、オルトリン酸及び/又はピロリン酸等やその他多く
の不純物を含み、その純度において、満足すべきもので
はなかった。従って、本発明の目的は、高純度の含フッ
素リン酸エステル又はその塩を容易に製造する方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、鋭意検討の結果、特定の工程を行う
ことにより、上記目的を達成し得ることを見い出し、本
発明を完成した。即ち、本発明は、パーフルオロアルキ
ル基を有する、アルコール及びオレフィンからなる群か
ら選ばれる少なくとも一種(以下、非イオン性フッ素化
合物と言う)を含有する、一般式(I)で表される含フ
ッ素リン酸エステル(以下、含フッ素リン酸エステル
(I)と略記する)又はその塩を、中性又は塩基性条件
下で、直鎖又は分岐鎖の総炭素数2〜8の脂肪族エーテ
ル系炭化水素、総炭素数1〜4のアルコール及び水と接
触させたのち、油層を分離、除去後、水層より一般式
(II)で表される含フッ素リン酸エステル塩(以下、含
フッ素リン酸エステル塩(II)と略記する)を回収する
ことを特徴とする、非イオン性フッ素化合物含量の低減
された含フッ素リン酸エステル塩(II)の製造法(以
下、製造法(1) と言う)を提供するものである。
【0005】 〔Rf(CH2)mO(AO)ny PO(OH)3-y (I) 〔Rf(CH2)mO(AO)ny PO(OM1)(OM2)2-y (II) 〔式中、Rf;直鎖又は分岐鎖の炭素数3〜21のパーフル
オロアルキル基を示し、単一鎖長であっても、混合鎖長
であってもよい。 A;同一又は異なって炭素数2〜3のアルキレン基を示
す。 m;1〜12の数を示す。 n;0〜10の数を示す。 y;1〜2の数を示す。 M1,M2:同一又は異なって、H 、アルカリ金属イオン、
アンモニウムイオン及び総炭素数2〜9のアルカノール
アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも
一種を示す。但し、y=1のとき、M1=M2=H である場
合、及びy=2のとき、M1=H である場合を除く。〕 さらに、本発明は、非イオン性フッ素化合物を含有す
る、含フッ素リン酸エステル(I)又はその塩を、中性
又は塩基性条件下で、直鎖又は分岐鎖の総炭素数2〜8
の脂肪族エーテル系炭化水素、総炭素数1〜4のアルコ
ール及び水と接触させたのち、油層を分離、除去後、水
層に存在する含フッ素リン酸エステル塩(II)を酸性条
件下で含フッ素リン酸エステル(I)とした後、水層を
分離、除去し、油層から含フッ素リン酸エステル(I)
を回収することを特徴とする、非イオン性フッ素化合物
含量の低減された含フッ素リン酸エステル(I)の製造
法(以下、製造法(2) と言う)を提供するものである。
【0006】以下、製造法(1) 及び(2) について詳細に
説明する。製造法(1) 本発明における製造法(1) において、含フッ素リン酸エ
ステル(I)としては、例えば、モノヘプタフルオロペ
ンチルリン酸、モノノナフルオロヘキシルリン酸、モノ
ドデカフルオロヘプチルリン酸、モノトリデカフルオロ
オクチルリン酸、モノペンタデカフルオロノニルリン
酸、モノヘプタデカフルオロデシルリン酸、モノノナデ
カフルオロウンデシルリン酸、モノヘンエイコサフルオ
ロドデシルリン酸、モノペンタコサフルオロテトラデシ
ルリン酸、モノノナコサフルオロヘキサデシルリン酸、
モノトリトリアコンタフルオロオクタデシルリン酸等の
モノパーフルオロアルキルリン酸類;モノトリデカフル
オロオクチロキシエチルリン酸、モノヘプタデカフルオ
ロデシロキシエチルリン酸、モノトリデカフルオロオク
チロキシエトキシエチルリン酸、モノヘプタデカフルオ
ロデシロキシエトキシエチルリン酸等のモノパーフルオ
ロアルキロキシエチルリン酸類;ジヘプタフルオロペン
チルリン酸、ジノナフルオロヘキシルリン酸、ジドデカ
フルオロヘプチルリン酸、ジトリデカフルオロオクチル
リン酸、ジペンタデカフルオロノニルリン酸、ジヘプタ
デカフルオロデシルリン酸、ジノナデカフルオロウンデ
シルリン酸、ジヘンエイコサフルオロドデシルリン酸、
ジペンタコサフルオロテトラデシルリン酸、ジノナコサ
フルオロヘキサデシルリン酸、ジトリトリアコンタフル
オロオクタデシルリン酸、トリデカフルオロオクチル−
ヘプタデカフルオロデシルリン酸、トリデカフルオロオ
クチル−ヘンエイコサフルオロドデシルリン酸、ヘプタ
デカフルオロデシル−ヘンエイコサフルオロドデシルリ
ン酸等のジパーフルオロアルキルリン酸類;ジトリデカ
フルオロオクチロキシエチルリン酸、ジヘプタデカフル
オロデシロキシエチルリン酸、ジトリデカフルオロオク
チロキシエトキシエチルリン酸、ジヘプタデカフルオロ
デシロキシエトキシエチルリン酸等のジパーフルオロア
ルキロキシエチルリン酸類、トリヘプタフルオロペンチ
ルリン酸、トリノナフルオロヘキシルリン酸、トリドデ
カフルオロヘプチルリン酸、トリトリデカフルオロオク
チルリン酸、トリペンタデカフルオロノニルリン酸、ト
リヘプタデカフルオロデシルリン酸、トリノナデカフル
オロウンデシルリン酸、トリヘンエイコサフルオロドデ
シルリン酸、トリペンタコサフルオロテトラデシルリン
酸、トリノナコサフルオロヘキサデシルリン酸、トリト
リトリアコンタフルオロオクタデシルリン酸、ジトリデ
カフルオロオクチル−ヘプタデカフルオロデシルリン
酸、ジトリデカフルオロオクチル−ヘンエイコサフルオ
ロドデシルリン酸、ジヘプタデカフルオロデシル−ヘン
エイコサフルオロドデシルリン酸、ジヘプタデシフルオ
ロデシル−トリデカフルオロオクチルリン酸等のトリパ
ーフルオロアルキルリン酸類;トリトリデカフルオロオ
クチロキシエチルリン酸、トリヘプタデカフルオロデシ
ロキシエチルリン酸、トリトリデカフルオロオクチロキ
シエトキシエチルリン酸、トリヘプタデカフルオロデシ
ロキシエトキシエチルリン酸等のトリパーフルオロアル
キロキシエチルリン酸類等が挙げられる。
【0007】また、含フッ素リン酸エステル(I)の塩
としては上記含フッ素リン酸エステルのナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン
塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等
が挙げられる。
【0008】そして、本発明における非イオン性フッ素
化合物としては、フッ素化アルコール、フッ素化オレフ
ィン等が挙げられる。
【0009】本発明の製造法(1) において使用される、
総炭素数2〜8の脂肪族エーテル系炭化水素(以下、溶
剤(a) と言う)としては、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジn−ブチ
ルエーテル、ジイソブチルエーテル等が挙げられ、なか
でもジイソプロピルエーテルが好ましい。溶剤(a) の使
用量は、含フッ素リン酸エステル(I)又はその塩の種
類等により適宜決められるが、通常、含フッ素リン酸エ
ステル(I)又はその塩1重量部に対し、 0.5〜50重量
部である。
【0010】本発明の製造法(1) において使用される、
総炭素数1〜4のアルコール(以下、溶剤(b) と言う)
としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられる
が、なかでもエタノール、イソプロパノールが好まし
い。溶剤(b) と水の割合は、溶剤(b) の種類等により適
宜決められるが、水1重量部に対し、0.01〜5重量部、
好ましくは 0.1〜1重量部である。溶剤(b) と水との合
計使用量は適宜決められるが、通常、溶剤(a) の使用量
1重量部に対し、0.1 〜4重量部である。
【0011】本発明の製造法(1) において、フッ素アル
コール等の非イオン性フッ素化合物を含む油溶性の不純
物を含フッ素リン酸エステル(I)又はその塩から、効
率よく除去する条件としては、分離した水層のpHが5以
上、好ましくは8以上であるような中性もしくは塩基性
条件下で行うことが望ましい。この際、抽出液のpHを5
以上、好ましくは8以上にあげるために、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸カリウム、アンモニア等の無機塩基、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等のアルカノールアミン類、メチルアミン、ジ
メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等
のアルキルアミン類に代表される有機塩基を加えること
ができる。また分離時の温度としては、含フッ素リン酸
エステル(I)又はその塩の種類、溶剤(a) および溶剤
(b) の種類、使用量等により適宜決められるが、室温〜
90℃、好ましくは40℃〜70℃である。
【0012】更に、具体的には本発明は、含フッ素リン
酸エステル(I)又はその塩と非イオン性フッ素化合物
を含む混合物に、含フッ素リン酸エステル(I)又はそ
の塩1重量部に対し、溶剤(a) 0.5 〜50重量部, 、好ま
しくは1〜20重量部、溶剤(b) 0.1 〜20重量部、好まし
くは0.5 〜5重量、および水1〜40重量部、好ましくは
1〜20重量部を加え、場合によっては水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸カリウム、アンモニア等の無機塩基、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等のアルカノールアミン類、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の
アルキルアミン類に代表される有機塩基を加えて抽出液
のpHを5以上、好ましくは8以上に上げた後、充分攪拌
し、ついでこれを暫時静置したのち、油層と水層を分離
することによって行われる。本操作は室温もしくは加温
して行っても差し支えない。本発明の精製操作は更に繰
り返し行うこともでき、その場合、水層からフッ素アル
コール等の非イオン性フッ素化合物をほぼ完全に除去す
ることができる。
【0013】このようにして非イオン性フッ素化合物を
多く含有する油層を分離除去した後、含フッ素リン酸エ
ステル(I)を水溶性塩として多く含有する水層をその
まま濃縮、乾燥することにより、フッ素アルコール等の
非イオン性フッ素化合物を殆ど含まない含フッ素リン酸
エステル(I)をそのナトリウム塩、カリウム塩等の金
属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエ
タノールアミン塩、トリエタノールアミ塩、メチルアミ
ン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエ
チルアミン塩等の置換アンモニウム塩として得ることが
できる。
【0014】製造法(2) 製造法(2) においては、製造法(1) で得られた、含フッ
素リン酸エステル塩(II)の水溶液を、通常の方法に従
い、塩酸、硫酸等の酸の水溶液にて水溶液のpHを3以下
にすることにより含フッ素リン酸エステル(I)とし、
これへ、必要により前記の溶剤(a) 及び(b) を加えて、
含フッ素リン酸エステル(I)を油層へ移行させ、この
油層における溶剤を除去することによって、又は該油層
より晶析を行うことによって、非イオン性フッ素化合物
含量の低減された含フッ素リン酸エステル(I)を高純
度に得ることができる。
【0015】また結晶性の含フッ素リン酸エステル
(I)については、含フッ素リン酸エステル(I)を多
く含有する油層をそのままもしくは濃縮したのち、該含
フッ素リン酸エステル(I)が殆ど溶解しない溶剤と混
合することにより結晶として析出させることができるた
め、これを濾過等により取り出すことにより、フッ素ア
ルコール等の非イオン性フッ素化合物を殆ど含まない含
フッ素リン酸エステル(I)を結晶として得ることがで
きる。含フッ素リン酸エステル(I)が殆ど溶解しない
溶剤としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素系の溶剤が好ましいが、必ずしもこれに限
定されない。
【0016】
【実施例】次に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0017】実施例1 モノヘプタデカフルオロデシルリン酸 393重量部、ジヘ
プタデカフルオロデシルリン酸 539重量部、ヘプタデカ
フルオロデシルアルコール53重量部、オルトリン酸2重
量部、ピロリン酸10重量部からなる混合物を抽出容器に
入れ、ジイソプロピルエーテル2000重量部、イソプロピ
ルアルコール1000重量部、水4300重量部及びジエタノー
ルアミン 200重量部を加え、水層のpHを9まで上げた
後、60℃で30分攪拌した。その後、攪拌を停止し、60℃
で30分静置した後、分層した下層を抜き出すことによ
り、ヘプタデカフルオロデシルアルコールが除かれた下
層6420重量部を得た。抜き出した下層に再びジイソプロ
ピルエーテル2000重量部、イソプロピルアルコール 500
重量部及び35%塩酸 250重量部を加え、水層のpHを2ま
で下げた後、60℃で30分攪拌した。その後、攪拌を停止
し、60℃で30分静置した後、分層した下層を抜き出し
た。残った上層に、水2000重量部及びイソプロピルアル
コール 500重量部を加え、再び60℃で30分攪拌した後30
分静置し、分層した下層を抜き出すことにより、オルト
リン酸及びピロリン酸が除かれた上層3328重量部を得
た。これより溶剤を留去し、減圧(<5mmHg)下に、60
℃で24時間乾燥することにより、淡黄色の粉末 932重量
部を得た。この粉末を分析すると、モノヘプタデカフル
オロデシルリン酸が 390重量部、ジヘプタデカフルオロ
デシルリン酸が 536重量部、ヘプタデカフルオロデシル
アルコールが3重量部、オルトリン酸が 0.1重量部、ピ
ロリン酸が 0.3重量部含まれていた。
【0018】実施例2 モノパーフルオロアルキロキシエチルリン酸ジエタノー
ルアミン塩〔(CnF2n+1OC2H4O)P(=O)(O N(H)2(C2H4OH)2)
2 〕(n=6〜18、平均 n=9) 200 重量部、ジパーフルオロ
アルキロキシエチルリン酸ジエタノールアミン塩〔(CnF
2n+1OC2H4O)2P(=O)O N(H)2(C2H4OH)2〕(n=6〜18、平均
n=9) 400 重量部、パーフルオロアルキロキシエチルア
ルコール〔CnF2n+1OC2H4OH〕(n=6〜18、平均 n=9) 100
重量部、オルトリン酸40重量部、ピロリン酸60重量部お
よび水3200重量部からなる混合物を抽出容器に入れ、ジ
イソプロピルエーテル1000重量部、イソプロピルアルコ
ール 500重量部を加え、60℃で30分攪拌する。その後、
攪拌を停止し、60℃で30分静置した後、分層した下層を
抜き出すことにより、パーフルオロアルキロキシエチル
アルコールが除かれた下層4300重量部を得た。抜き出し
た下層に再びジイソプロピルエーテル2000重量部、イソ
プロピルアルコール 500重量部及び35%塩酸250重量部
を加え、水層のpHを3以下まで下げた後、60℃で30分攪
拌した。その後、攪拌を停止し、60℃で30分静置した
後、分層した下層を抜き出した。残った上層に、水2000
重量部及びイソプロピルアルコール 500重量部を加え、
再び60℃で30分攪拌した後30分静置し、分層した下層を
抜き出すことにより、オルトリン酸及びピロリン酸が除
かれた上層3100重量部を得た。これより溶剤を留去し、
減圧(<5mmHg)下に、60℃で24時間乾燥することによ
り、淡黄色の粉末 930重量部を得た。この粉末を分析す
ると、モノパーフルオロアルキロキシエチルリン酸〔(C
nF2n+1OC2H4O)P(=O)(OH)2〕(n=6〜18、平均 n=9) 160
重量部、ジパーフルオロアルキロキシエチルリン酸〔(C
nF2n+1OC2H4O)2P(=O)(OH)〕(n=6〜18、平均n=9) 345重
量部、パーフルオロアルキロキシエチルアルコール〔Cn
F2n+1OC2H4OH〕(n=6〜18、平均 n=9) 2重量部、オルト
リン酸が1重量部、ピロリン酸が2重量部含まれてい
た。
【0019】実施例3 モノヘプタデカフルオロデシルリン酸 410重量部、ジヘ
プタデカフルオロデシルリン酸 550重量部、ヘプタデカ
フルオロデシルアルコール45重量部、オルトリン酸40重
量部、ピロリン酸60重量部からなる混合物を抽出容器に
入れ、ジイソプロピルエーテル2000重量部、イソプロピ
ルアルコール1000重量部、及び水4000重量部を加え、60
℃で30分攪拌した。その後、攪拌を停止し、60℃で30分
静置した後、分層した下層を抜き出すことにより、オル
トリン酸及びピロリン酸が除かれた上層3450重量部を得
た。得られた上層に、イソプロピルアルコール1000重量
部、水3300重量部および水酸化カリウム 200重量部を加
え、60℃で30分攪拌した。その後、攪拌を停止し、60℃
で30分静置した後、分層した下層を抜き出すことによ
り、ヘプタデカフルオロデシルアルコールが除かれた下
層4830重量部を得た。これより溶剤を留去し、減圧(<
5mmHg)下に、24時間凍結乾燥することにより、淡かっ
色の固形物 930重量部を得た。この粉末を分析すると、
モノヘプタデカフルオロデシルリン酸モノカリウム塩が
390重量部、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸カリウ
ム塩が 536重量部、ヘプタデカフルオロデシルアルコー
ルが1重量部、オルトリン酸が1重量部、ピロリン酸が
2重量部含まれていた。
【0020】実施例4 モノパーフルオロアルキロキシエチルリン酸ジエタノー
ルアミン塩〔(CnF2n+1OC2H4O)P(=O)(O N(H)2(C2H4OH)2)
2 〕(n=6〜18、平均 n=9) 200 重量部、ジパーフルオロ
アルキロキシエチルリン酸ジエタノールアミン塩〔(CnF
2n+1OC2H4O)2P(=O)O N(H)2(C2H4OH)2〕(n=6〜18、平均
n=9) 400 重量部、パーフルオロアルキロキシエチルア
ルコール〔CnF2n+1OC2H4OH〕(n=6〜18、平均 n=9) 100
重量部、パーフルオロアルキロキシエチレン〔CnF2n+1O
CH=CH2〕(n=6〜18、平均 n=9) 50重量部、オルトリン酸
40重量部、ピロリン酸60重量部および水3200重量部から
なる混合物を抽出容器に入れ、ジイソプロピルエーテル
1000重量部、イソプロピルアルコール 500重量部を加
え、60℃で30分攪拌する。その後、攪拌を停止し、60℃
で30分静置した後、分層した下層を抜き出すことによ
り、パーフルオロアルキロキシエチルアルコール及びパ
ーフルオロアルキロキシエチレンが除かれた下層4300重
量部を得た。抜き出した下層に再びジイソプロピルエー
テル2000重量部、イソプロピルアルコール500 重量部及
び35%塩酸 250重量部を加え、水層のpHを3以下まで下
げた後、60℃で30分攪拌した。その後、攪拌を停止し、
60℃で30分静置した後、分層した下層を抜き出した。残
った上層に、水2000重量部及びイソプロピルアルコール
500重量部を加え、再び60℃で30分攪拌した後30分静置
し、分層した下層を抜き出すことにより、オルトリン酸
及びピロリン酸が除かれた上層3100重量部を得た。これ
より溶剤を留去し、減圧(<5mmHg)下に、60℃で24時
間乾燥することにより、淡黄色の粉末 930重量部を得
た。この粉末を分析すると、モノパーフルオロアルキロ
キシエチルリン酸〔(CnF2n+1OC2H4O)P(=O)(OH)2〕(n=6
〜18、平均 n=9) 160 重量部、ジパーフルオロアルキロ
キシエチルリン酸〔(CnF2n+1OC2H4O)2P(=O)(OH)〕(n=6
〜18、平均 n=9) 345 重量部、パーフルオロアルキロキ
シエチルアルコール〔CnF2n+1OC2H4OH〕(n=6〜18、平均
n=9) が2重量部、パーフルオロアルキロキシエチレン
〔CnF2n+1OCH=CH2〕(n=6〜18、平均n=9)が 0.1重量部、
オルトリン酸が1重量部、ピロリン酸が2重量部含まれ
ていた。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、極めて簡便な操作に
て、非イオン性フッ素化合物を含有する、含フッ素リン
酸エステル又はその塩より、高純度の含フッ素リン酸エ
ステル又はその塩を得ることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロアルキル基を有する、アル
    コール及びオレフィンからなる群から選ばれる少なくと
    も一種(以下、非イオン性フッ素化合物と言う)を含有
    する、一般式(I)で表される含フッ素リン酸エステル
    又はその塩を、中性又は塩基性条件下で、直鎖又は分岐
    鎖の総炭素数2〜8の脂肪族エーテル系炭化水素、総炭
    素数1〜4のアルコール及び水と接触させたのち、油層
    を分離、除去後、水層より一般式(II)で表される含フ
    ッ素リン酸エステル塩を回収することを特徴とする、非
    イオン性フッ素化合物含量の低減された一般式(II)で
    表される含フッ素リン酸エステル塩の製造法。 〔Rf(CH2)mO(AO)ny PO(OH)3-y (I) 〔Rf(CH2)mO(AO)ny PO(OM1)(OM2)2-y (II) 〔式中、Rf;直鎖又は分岐鎖の炭素数3〜21のパーフル
    オロアルキル基を示し、単一鎖長であっても、混合鎖長
    であってもよい。 A;同一又は異なって炭素数2〜3のアルキレン基を示
    す。 m;1〜12の数を示す。 n;0〜10の数を示す。 y;1〜2の数を示す。 M1,M2:同一又は異なって、H 、アルカリ金属イオン、
    アンモニウムイオン及び総炭素数2〜9のアルカノール
    アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも
    一種を示す。但し、y=1のとき、M1=M2=H である場
    合、及びy=2のとき、M1=H である場合を除く。〕
  2. 【請求項2】 非イオン性フッ素化合物を含有する、前
    記一般式(I)で表される含フッ素リン酸エステル又は
    その塩を、中性又は塩基性条件下で、直鎖又は分岐鎖の
    総炭素数2〜8の脂肪族エーテル系炭化水素、総炭素数
    1〜4のアルコール及び水と接触させたのち、油層を分
    離、除去後、水層に存在する前記一般式(II)で表され
    る含フッ素リン酸エステル塩を酸性条件下で前記一般式
    (I)で表される含フッ素リン酸エステルとした後、水
    層を分離、除去し、油層から前記一般式(I)で表され
    る含フッ素リン酸エステルを回収することを特徴とす
    る、非イオン性フッ素化合物含量の低減された前記一般
    式(I)で表される含フッ素リン酸エステルの製造法。
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