JP3090550U - 複合筆記具 - Google Patents

複合筆記具

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JP3090550U
JP3090550U JP2002003431U JP2002003431U JP3090550U JP 3090550 U JP3090550 U JP 3090550U JP 2002003431 U JP2002003431 U JP 2002003431U JP 2002003431 U JP2002003431 U JP 2002003431U JP 3090550 U JP3090550 U JP 3090550U
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shaft
cam
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mechanical pencil
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英雄 高橋
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株式会社パイオニア
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスコット等の飾り部材を装着可能かつ替え
芯の補充が容易な複合筆記具を安価に提供する。 【解決手段】 本考案は、第1に、クリップ9をカム筒
21と一体に形成することにより、部品点数の減少を図
るとともに、ペン軸の上端部に飾り部材を装着してもノ
ック動作に支障を生じないようにクリップによりノック
動作可能としてある。第2に、キャップ11に飾り部材
の取付手段11aを設けることにより飾り部材の装着を
容易にしてある。第3に、芯パイプ5aやインクパイプ
7aの上端部に取り付けられるカム従動子25の連通孔
部に芯ガイド23の脚部23bを挿着して、カム従動子
25同士の相対位置を固定化することによりスムーズな
カム動作を保障している。第4に、上記の脚部23bの
うち、芯パイプの上部に挿着される脚部には、芯ガイド
孔部を設けることにより替え芯の補充を容易化してあ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、少なくとも2種類のボールペン軸とシャープペンシル軸との組み合 わせたものを1本のペン軸に収納し、選択した任意のペン先等を出没可能とする 複合筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以前から1本のペン軸に、2〜3本のボールペン軸やシャープペンシル軸を、 先端部から出没自在に収納してなるいわゆる複合筆記具が実用に供されている。 これは、1本のペンで3種類の筆記具の機能を有するものとなっているため、便 利なものとなっているが、特に携帯用筆記具として重宝なものとして利用されて いる。上記のような複合筆記具の構成については、種々のものが採用されている が、その中の1つとして、ペン軸本体の外周部を構成する胴軸と、この胴軸の先 端部に連結されている先軸、又は胴軸とこの胴軸の上部に連結されているキャッ プとを相対回動させることにより、インク色の異なるボールペン軸又はシャープ ペンシル軸等を選択可能とするものがある。
【0003】 その一例として、外筒(胴軸)とキャップとを相対回動させることにより、外 筒内で軸方向へ摺動可能に挿着された第1、第2のレフィールを交互に突出・退 没させる複合筆記具において、上記の第1、第2のレフィールが摺動自在に挿入 されたガイド手段と、これらのレフィールの後端部が圧接係合されたカム筒と、 このカム筒に設けられて前方に延出し、上記のガイド手段に軸方向へ摺動可能に 挿入された鞘軸とを備えた複合筆記具が実用に供されている(特公平8−114 77号公報)。
【0004】 上記の複合筆記具は、上記の鞘軸と上記のカム筒とを一体的に構成し、上記の キャップの回動により、カム筒を介して上記の第1、第2のレフィールを交互に 突出・退没させ、かつ上記のキャップを用いたノック動作により、上記の鞘軸を 軸方向に移動可能としてある。なお、この発明では、第1、第2のレフィールを 交互に突出・退没させるようにしてあるが、多くの筆記具では、黒又は青色のボ ールペン軸と赤色のボールペン軸とシャープペンシル軸の3本のレフィールを備 え、これらを任意に選択して使用可能とするものが多く使われている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記の例における複合筆記具の上端部には、通常、シャープペンシル軸の芯を 出し入れ操作するためのノックキャップが取り付けてあるが、これは親指でノッ クしやすいように、短く、かつ指当たりのよい形状に形成されている。したがっ て、このノックキャップの頭部に、人気キャラクターその他の飾り部材を取り付 けたりすることには不向きなものとなっている。
【0006】 また、ペンシル軸の替え芯を補充するための操作は、外筒(胴軸)とキャップ 又は外筒と先軸とを分離し、さらにペンシル軸を引き抜いて行っている。替え芯 の補充は、引き抜いた芯パイプの上端部から替え芯を挿入するようになっている が、この操作の際に替え芯を取り落としてしまうことがある上に、芯パイプを原 状に復帰させる手間を要するなど面倒なものとなっている。
【0007】 そこで、本考案の目的は、ノックキャップにキャラクター等の飾りを着けても ノック操作に支障を生じさせないようにするとともに、シャープペンシル軸の替 え芯の補充を容易に行うことができるようにした複合筆記具を安価に提供するこ とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案に係る複合筆記具は以下の手段を採用す ることにより以下の作用効果を生じるようにしたところに特徴がある。
【0009】 (請求項1に記載した考案の構成) 本考案に係る複合筆記具の基本構成は、パイプ状の胴軸に回動自在に挿し込ま れている回転ガイドと、この回転ガイドの先端部に連結してある先軸と連結され ることにより回転ガイドと先軸との内部に形成される共通穴部内に、上記の先軸 の先端部から出没自在に収納されている少なくとも1本のシャープペンシル軸及 び少なくとも1本のボールペン軸と、上記の胴軸の上部に摺動可能に挿着された カム筒とを備えている。この複合筆記具は、上記の先軸と上記の胴軸とを相対回 動させることにより、選択されたいずれかのペンシル軸又はボールペン軸を、ペ ンシル軸の芯パイプ及びボールペン軸のインクパイプに設けてあるカム従動子と 、カム筒に形成してあるカム部とを組み合わせてなるカム機構を介して出没可能 とする複合筆記具に適用したものである。
【0010】 本考案は、上記の基本構成の複合筆記具において、上記のカム筒には、上記の 胴軸の上端部近傍に設けられた窓部から突出し、上記窓部に沿って所定量だけ移 動可能に設けてなる支持部を介してこのカム筒と一体にクリップが設けてあると ころに特徴がある。
【0011】 (請求項1に記載した考案の作用効果) 請求項1に記載した考案は、カム筒とクリップとが一体に形成してあるため、 部品点数が減少するため製造コストの引き下げが可能となる。また、クリップを 上記の窓部に沿って移動させることにより、ペン軸の先端部を使わずにペンシル 軸のノックができるようになる。このため、先端部のキャップにマスコットや人 気キャラクター等の飾り部材を取り付けることが可能となる。これまでの複合筆 記具がノックキャップの存在によりこのような飾り部材を設けることができなか ったのに対し、この考案は、シャープペンシル軸のノックをクリップで行うこと ができるようにしてこのような障碍を除去したものである。
【0012】 (請求項2に記載した考案の特徴) 請求項2に記載した考案は、請求項1に記載した考案において、シャープペン シル軸のノックをクリップで行うことができるようにしたことにともない、カム 筒の上端部に取り付けられるキャップに、飾り部材の取付手段を備えたものとし てあるところに特徴がある。上記の取付手段としては、キャップに飾り部材の取 り付け用の突起や凹凸又は溝等を設けることにより、飾り部材の取り付けを容易 にしてある。飾り部材を取り付け容易としてあることにより、好みのマスコット 等を頭部に着けることができるようになるため、複合筆記具の商品価値を向上さ せたものとなる。
【0013】 (請求項3に記載した考案の特徴) 請求項3に記載した考案は、上記したように、クリップとカム筒とを一体化し 、クリップを使ってノック動作をするようにしたことにともない、上記のカム筒 の全長をなるべく長くするように配慮したところに特徴がある。具体的にはカム 筒の全長を、15mm〜80mmとすることが望ましい。これは、クリップを用 いてノックする際に、クリップを胴軸(カム筒)側に押し付けるような力及び支 持部を介してカム筒を胴軸の内周部に対する接触圧を偏在させるような力が作用 するために、ノック動作における摩擦抵抗が大きくなってノック操作がしづらく なることに対処しようとするものである。上記の全長は、ペン軸の全長が概略1 30mm〜160mmであるものが多いことから、デザイン上のバランス等を考 慮してこの範囲に限定したものである。
【0014】 (請求項4記載した考案の特徴) 請求項4記載した考案に係る複合筆記具は、上記のシャープペンシル軸又は上 記のボールペン軸に設けてあるカム従動子の上端部には、上記のカム筒内に挿着 可能な芯ガイドの各脚部が摺動可能に挿着してあるところに特徴がある。芯ガイ ドは、板部とこの板部の一方の面に垂設された複数の脚部とにより構成してある 。脚部の数は、ペンシル軸及びボールペン軸の数に対応する数であり、いずれも 板部を介して一体に構成してあるので、各脚部が各カム従動子に挿着された状態 で回転ガイドが回動すると、これらの各カム従動子は常に一体になって動作をす ることが可能となる。したがって、回転ガイドの回動により各カム従動子が回動 かつ進退動作する際にずれを生じない状態が維持されるため、正確なカム動作が 得られる。
【0015】 (請求項5に記載した考案の特徴) 請求項5記載した考案は、上記の芯ガイドに設けてある複数の脚部のうち、上 記のペンシル軸に設けてあるカム従動子の上端部に挿着される脚部には、このペ ンシル軸に補充する替え芯を上端部側からの挿入を容易にする芯ガイド孔が設け てあるところに特徴がある。上記の芯ガイドの各脚部は、上記のカム従動子の本 体部内に挿着されるが、ペンシル軸に設けてあるカム従動子の上端部に挿着され る脚部には、上記の板部の上方とカム従動子とを連通するように芯ガイド孔を設 けることにより、ここから替え芯を芯パイプ内に補充可能とするものである。こ れ以外の脚部には、このような孔が設けられておらず、各インクパイプの上方は 上記の板部で塞がれているため、替え芯はこのガイド孔部からのみ補充可能とな っている。こうして、この芯ガイドは、インクパイプの間やカム部内に替え芯が 紛れ込むことにより、カム動作に支障を生じさせるような事態を回避可能とする 機能を有するものとなっている。
【0016】
【考案の実施の形態】
次に実施の一形態例について図面を参照して説明する。図1は、本考案に係る 複合筆記具1の全体の構成例を示したものである。同図(a)は外観上の構成を 示しており、同図(b)は内部構成を断面図で示したものである。同図に示して あるように、ペン軸3の先端部から1本のシャープペンシル軸(以下「ペンシル 軸」という)5及び2本のボールペン軸7の各チップを出没可能に収納してあり 、ペン軸の頭部側にはクリップ9が設けてある。また、ペン軸の頭部にはキャッ プ11が被せてある。
【0017】 ペン軸3の本体は、筒状の胴軸13と、先細筒体からなる先軸15とを連結し たものからなり、上記のペンシル軸5及び2本のボールペン軸7は、上記の胴軸 と先軸との連結体の内部にできた共通穴部14内に収納されている。先軸15の 外周部の平行になっている範囲には、軟質の弾性体からなるグリップ17が圧入 してあり、上記の共通穴部14の内側には、回転ガイド19が圧入してある。し たがって上記の共通穴部14は、正確にはこの回転ガイド19と先軸15との連 結体の内部に形成されたものとなっている。
【0018】 回転ガイド19の上端部側は、外径が小さくなっているが、この小さくなって いる範囲には後述するように、カム筒21が挿着してある。カム筒21は、上述 のクリップ9と一体に形成したものからなり、支持部9aが上記の胴軸13に設 けてある窓部13bから突出した部分で結合することにより両者を一体化してあ る。カム筒21の内部は、下方(図面左方)を太くする段差穴となっているが、 この太くなっている部分には、芯ガイド23が挿着してある。芯ガイド23は、 後述するように、平板状の板部23aから下方に垂設してなる3本の脚部23b ,23cが、カム従動子25の本体部25aに突き刺さるように挿入されており 、これらの各カム従動子は、回転ガイド19のガイド孔19g(図2参照)に挿 着されているため、回転ガイドと一体になって回動可能となっている。したがっ て、これらの各カム従動子も、芯ガイド23を介して回転ガイド19と一体にな って回動可能となるため、常に一定の状態を保持可能となっている。なお、脚部 23bの数は、ボールペン軸及びペンシル軸の合計数に対応したものとなる。
【0019】 図2(a)に示すように、胴軸13の本体13aは、外観上はストレート管か らなり、内部には、同図(b)に示す回転ガイド19の位置決めをするための凹 凸部13d及び段差を有する穴部13eが形成してある。また、上記の窓部13 bは、上端部近傍に軸方向に沿って設けた長溝からなり、この長溝の上端部側に は、上記のクリップの支持部9aを通過させるためのガイド溝13cが形成され ている。上記の支持部9aは、このガイド溝13cから窓部13b内に無理やり に押し込まれた後は、出口が狭くなっているため、上記の支持部はここからの脱 出が困難となっている。
【0020】 回転ガイド19は、図2(b)に示すように、中央の大径部19aに、上記の 胴軸の凹凸部13dと対応する凹凸部19bが形成してあり、大径部の下方(左 方)には、先軸15とねじ結合するおねじ部19cが設けてあり、さらにその下 方には、ストレート部19dが形成してある。大径部19aの上部に位置する中 径部19eの下方側は、空胴部となっているが、上方側からそれに続く小径部1 9fの先端部までの範囲は、同図(c)に示すように、3個のガイド孔19gを 有するガイド部となっている。各ガイド孔19gは、円柱体を等角度に3分割し 、軸芯の周りに3個の円弧状の孔を配置したものからなる。各ガイド孔19gの 一部は、ガイド部の外周部と重なっているためガイド部の周囲で開口しており、 そこから後述のカム従動子の従動子部が突出可能となっている。
【0021】 図3(a)に示すように、ペンシル軸5は、芯パイプ5aと、チップ5bとを つなぎ部材5cを介して連結したものからなる。芯パイプ5aの内部には0.5 mm径の芯6が入っている。芯パイプ5aの上端部(図面右方)には、カム従動 子25が挿着してある。カム従動子25は、本体部25aの外径が芯パイプのそ れよりもやや太くなっており、内部には各パイプと連通可能な連通孔が設けてあ る。この太くなっている部分の端部は、付勢手段としての圧縮ばね27の上端部 を支持可能となっている。本体部25aの下部外周部には、所定の範囲に鋭角の 山形に形成してなる従動子部25bが形成してある。従動子部25bは回転ガイ ド19のガイド孔19gの側部から外へ突出しており、後述のカム部22の端部 に弾接可能となっている。
【0022】 ボールペン軸7は、インクパイプ7aの先端部にチップ7bを圧入したものか らなり、インクパイプ内には赤色や青色等のインクが充填されている。上端部に カム従動子25が挿着してあることについてはペンシル軸と同様である。
【0023】 図4に示すように、カム筒21は、円筒体からなる筒部21aの下部(図面左 方)に鋭角の山状に形成してなるカム部22を備えたものとなっている。筒部2 1aの上端部には、消しゴム収納部21cが設けてあり、その周囲はキャップ1 1で覆われている(図1参照)。既述の通り、筒部21aとクリップ9とは、支 持部9aを介して一体に形成してあり、このクリップを上述の窓部13b(図2 参照)に沿って上下動させることによってノック動作を行うようにしてある。こ のノック動作の際には、クリップ9を胴軸13側へ押し付けるように力が作用す る。このため、支持部9aを介してカム筒に曲げモーメントやカム筒を胴軸の内 周部に対して不均等な力を作用させる等により、カム筒の摺動抵抗を大きくして ノック操作に支障を生じさせるおそれがある。そこで、本考案では、ノック操作 に支障を生じさせないようにする手段として、カム筒の全長をなるべく大きくす るように配慮してある。
【0024】 この複合筆記具の構成において、カム筒21の全長とクリップの長さとの比率 と上記の曲げモーメント等との三者間に相関関係が認められることから、クリッ プの長さ(d1)に対するカム筒の長さ(d2)の比率を50%〜100%とす ることが望ましい。このような判断の下に、この形態例ではカム筒21の全長を クリップの長さの約78%となっている。もちろん、この比率は100%以上に なってもよいが、こうすると、ペン軸の長さが大きくなり過ぎて実用的なものか ら外れてしまうおそれがあるので、上記の比率の範囲を採用することが望ましい 。ただし、クリップの全長は、デザイン等の変化により変化することがあるため 、上記の比率はあくまでも図示のものに限られる。実際には、ペン軸の全長が1 30mm〜160mmとなっていることに鑑み、カム筒の全長を15mm〜80 mmとすることが望ましい。なお、この形態例においてはカム筒の全長を27m mとしてある。
【0025】 次にカム従動子25の動作について説明する。図5は、カム筒21のカム部2 2に、3個のカム従動子125a,125b,125cがばね27により弾接し ている状態を示している。各カム従動子の本体部の従動子部25bの先端から先 の部分は、カム部22又はカム筒の本体部21aの内側に図示していない回転ガ イド上端部側とともに重複して位置しており、これらの従動子部だけが、上述の ガイド孔19gの側部から突出してカム部の端面に弾接している。カム部22は 、鋭角の山部の頂上に、トップ凹部22aが設けてあり、山の傾斜面22b,2 2cは、従動子部25b(図3参照)の斜面角度とほぼ同じ角度に形成したもの を採用してある。両斜面22b,22cに続く谷部22d,22dは平坦になっ ており、ここに弾接している各従動子は、回転ガイド19が回動しても、ここに 弾接している間は同一状態を保持するようになっている。
【0026】 この状態から回転ガイド19を、図5で、右向きに見て時計回り方向に回動さ せると、第1カム従動子125aは、カム部の斜面22bを登り始める。そして 、第2カム従動子125bは、トップ凹部22aから下り傾斜面22cに沿って 降り始める。この時、第3カム従動子125cは、谷部22dに弾接したままの 状態を維持しているため進退動作は行われない。そして、さらに回転ガイドを同 方向に回動させると、第1カム従動子125aがトップ凹部22aに達して停止 すると同時に、第2カム従動子125bが谷部22dに到着して停止する。なお 、回転ガイド19をこれ以上同方向に回動させても、次にトップ凹部25aに移 動するカム従動子がないので無意味となることから、これ以上回しても回動しな いようにストッパ手段(図示略)で規制してある。
【0027】 次に、回転ガイド19を反時計回り方向に回動させれば、各カム従動子125 a,125b,125cは原位置に復帰するが、さらにこれを同方向に回動させ れば、こんどは、第3カム従動子125cがトップ凹部22aに達し、第1,第 2のカム従動子125a,125bは、それぞれ谷部22dに弾接する状態とな る。これらのカム従動子のカム動作は、ボールペン軸又はペンシル軸の各チップ を先軸15の先端部から出没させる働きをするものであり、先軸と胴軸13との 相対回動により、ボールペンの色別又はペンシルのうちのいずれかを選択可能と なる。回転ガイド19の反時計回り方向への回動に対しても、第3のカム従動子 125cがトップ凹部22aに弾接している状態からさらに同方向に回動するこ とは、やはり、無意味となることから反時計方向への回動については、この規制 に抗して無理やり回動させると、この規制が破れて、回転ガイドのおねじ部19 cと先軸15のめねじ部とのねじ結合が緩んで、先軸を取り外し可能となる。こ の取り外し操作によりペンシル軸5やボールペン軸の交換が可能となる。
【0028】 次に、芯ガイド23について説明する。図6(a)は、胴軸13にカム筒21 (クリップ9)を挿着する前の状態を示してあるが、上述の芯ガイド23は、回 転ガイド19の上端部近くでカム従動子25に挿着された状態となっている。こ の芯ガイド23は、円板部23aに3本の脚部23b,23c(2本だけ図示) が垂設してあり、これらの各脚部が、各カム従動子25の本体部25aに緩く嵌 まっている。したがって上述のカム動作により、これらのカム従動子25が進退 運動しても、これを妨げるようなことは生じない。これらの脚部がそれぞれカム 従動子に嵌め込まれていることにより、一定の状態に保持されるため、各カム従 動子の移動が確実となるためカム機構の動作が正確となる。
【0029】 上記の脚部23bのうち、ボールペン軸のカム従動子に嵌め込まれる脚部23 cは中実棒となっている。これに対しペンシル5のカム従動子25に嵌め込まれ る脚部23cは、ここからペンシル軸の替え芯を挿入可能とする芯ガイド孔23 eが設けてある。この芯ガイド孔23eは、板部23aをも貫いているので、キ ャップ及び消しゴムを取り外してこの芯ガイド孔から替え芯を補充可能となる。 また、他の脚部は上述の通り中実棒となっているため、ボールペンのカム従動子 は実質的に蓋を被せられた状態となっている。したがって替え芯を補充する際に 誤って、カム動作部に紛れ込んで動作不良の原因となるようなことを防ぐことが できる。
【0030】 芯ガイド23は、上述の通り、カム従動子25の上端部に取り付けた後、カム 筒21(クリップ9)を胴軸13の上端部に取り付けると、図6(b)に示すよ うに、この芯ガイドはカム筒21の内部に収納された状態となる。この芯ガイド 23は、いずれかの脚部がカム従動子を介して常にばね27(図3参照)により 上向きに付勢されているため、この付勢力により常に定位置を維持している。ま た、この芯ガイド23は、カム筒21のノック動作の際には、これとともに往復 移動可能となっている。
【0031】 次に飾り部材について説明する。一般的に使われている複合筆記具は、上端部 でノックするようになっているため、ここに設けられるノックキャップは、親指 を用いてノックしやすい形状のものが採用されている。これに対し本考案に係る 複合筆記具は、キャップを用いてノックすることも可能ではあるが、原則的にノ ック動作をクリップ9で行う構成を採用してあるため、キャップの構造に対する 自由度が高いものとなっている。
【0032】 そこで、本考案のキャップの構成の第一例として、図7(a)に示すように、 キャップ11の天板部にマスコット等の飾り部材の取付手段として、取り付け孔 部11aを設けたものを採用してある。この取り付け孔部11aにマスコット等 の座部に形成した突起部を圧入することにより取り付け容易となっている。なお 、第一例に係るキャップは、先端部がノックキャップと同様の構成となっている ので、マスコットなどを取り付けずにそのままノックキャップとして使用するこ とも可能である。
【0033】 また、第2例として、図7(b)に示すように、キャップ111の上端部に突 起111bを形成したものを採用してある。飾り部材31は、この突起111a をこの飾り部材の座部に設けてある取り付け孔部31aに圧入することにより取 り付けられる。このようにキャップに飾り部材が取り付けられるとノック動作に は不向きとなるが、クリップでノック動作を行うことができるようにしてあるの で、ノック操作には何らかの障害も生じないものとなっている。
【0034】
【考案の効果】
本考案によれば、クリップとカム筒を一体に形成してあるため、部品点数の減 少による製造コストの低減が可能となる。また、クリップでペンシル軸のノック 操作をするようにして、キャップにマスコット等の飾り部材の取付手段を設けて あるため、マスコット等を装着した各種の変化に富んだ複合筆記具を提供可能と なる。そして、ペンシル軸の芯パイプやボールペン軸のインクパイプの上端部に 挿着されるカム従動子に、芯ガイドの脚部を挿着することによりカム従動子の位 置関係を確定するようにしてあるため、ボールペン軸等の選択時にスムーズなカ ム動作が得られる。さらに、上記の芯ガイドの脚部のうち、ペンシル軸に対応す る脚部に、芯ガイド孔が設けてあるため、替え芯を補充する際に、誤ってインク パイプ間などに落としてしまうなど、カム動作やノック動作の不良発生の原因を 生じないものとなるため替え芯の補充が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の一形態例における全体の構成を示すもの
であり、(a)は外観を示す拡大正面図、(b)は
(a)のA−A線の断面図である。
【図2】胴軸と回転ガイドを関連させて示したものであ
り、(a)は胴軸の一部切欠の拡大断面図、(b)は回
転ガイドの拡大正面図、(c)はその側面図である。
【図3】シャープペンシル軸及びボールペン軸を示すも
のでり、(a)はペンシル軸の部分断面図、(b)はボ
ールペン軸の一部切欠断面の正面図である。
【図4】一体に形成されたクリップとカム筒とを示して
おり、(a)は拡大正面図、(b)はその側面図であ
る。
【図5】カムの動作機構の説明図である。
【図6】胴軸へのカム筒の取り付け状態を拡大して示し
たものであり、(a)は取り付け前の状態を示す要部の
断面図、(b)はカム筒を取り付けた後の状態を示す要
部の断面図、(c)は図(b)の平面図である。
【図7】キャップの取り付け状態を拡大して示したもの
であり、(a)は消しゴム及びキャップを取り付ける前
の状態を示す要部の断面図、(b)は飾り部材をキャッ
プに取り付けた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 複合筆記具 5 シャープペンシル軸 5a 芯パイプ 7 ボールペン軸 7a インクパイプ 9 クリップ 9a 支持部 11,111 キャップ 11a,111a 取付手段 13 胴軸 13b 窓部 14 共通穴部 15 先軸 19 回転ガイド 21 カム筒 22 カム部 23 芯ガイド 23b、23c 脚部 23d 芯ガイド孔 25 カム従動子 25b 従動子部 27 ばね 31 飾り部材(マスコット)

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ状の胴軸に回動自在に挿着してあ
    る回転ガイドと、この回転ガイドの先端部にこれと一体
    になって回動可能に連結してある先軸と、この先軸と上
    記回転ガイドとを連結することにより内部に形成される
    共通穴部内には、当該先軸の先端部から出没自在に収納
    されている少なくとも1本のシャープペンシル軸及び少
    なくとも1本のボールペン軸と、上記胴軸の上部に摺動
    可能に挿着されたカム筒とを備え、上記先軸と上記胴軸
    とを相対回動させることにより選択されたいずれかの上
    記シャープペンシル軸又は上記ボールペン軸を、当該シ
    ャープペンシル軸及び当該ボールペン軸に設けてあるカ
    ム従動子と、上記カム筒に形成してあるカム部とを組み
    合わせてなるカム機構を介して上記先軸から出没可能と
    する複合筆記具において、 上記カム筒には、上記胴軸の上端部近傍に設けられた窓
    部から突出し、上記窓部に沿って所定量だけ軸方向に移
    動可能に設けてなる支持部を介して当該カム筒と一体に
    クリップが設けてあることを特徴とする複合筆記具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記カム筒の上端部
    に取り付けられるキャップには、飾り部材の取付手段を
    備えていることを特徴とする複合筆記具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかにおい
    て、上記カム筒の全長は、15mm〜80mmとしてあ
    ることを特徴とする複合筆記具。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかにおい
    て、上記シャープペンシル軸又は上記ボールペン軸に設
    けてあるカム従動子の上端部には、上記カム筒内に挿着
    可能な芯ガイドの各脚部が摺動可能に挿着してあること
    を特徴とする複合筆記具。
  5. 【請求項5】 請求項4において、上記芯ガイドの上記
    脚部のうち、上記シャープペンシル軸に設けてあるカム
    従動子の上端部に挿着される脚部には、当該シャープペ
    ンシル軸に補充する替え芯を上端部から挿入容易にする
    芯ガイド孔が設けてあることを特徴とする複合筆記具。
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