JP3090528B2 - ピストン式流体ポンプ - Google Patents

ピストン式流体ポンプ

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JP3090528B2
JP3090528B2 JP04067937A JP6793792A JP3090528B2 JP 3090528 B2 JP3090528 B2 JP 3090528B2 JP 04067937 A JP04067937 A JP 04067937A JP 6793792 A JP6793792 A JP 6793792A JP 3090528 B2 JP3090528 B2 JP 3090528B2
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piston
pump
chamber
oil
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正 古沢
弘 岡野
秀雄 永山
一也 安藤
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Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車車輌に装備され、
エンジン等により駆動されてバキュームポンプ等として
機能するピストン式流体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のポンプとして、ディーゼルエン
ジンのブレーキブースタに用いるバキュームポンプがあ
る。
【0003】このバキュームポンプは、作動ピストンの
上下に形成されたポンプ上室とポンプ下室とを有し、ピ
ストンの外周に設けた環状溝に嵌合したシール部材がピ
ストンとシリンダとの間の摺動部として機能する。そし
て車輌エンジンによってこのポンプが駆動されるよう
に、前記ピストンのロッドの一端に設けたローラが、エ
ンジンに連動するカムによって駆動されて、作動ピスト
ンが上下動する。
【0004】そして、ピストンはその外周に嵌合するシ
ール部材を保持するに十分な厚みを有し、外周から中央
部の前面に亘って同じ厚みに形成されており、ピストン
全体の質量が大きかった。そのため、カムの回転に追従
してピストンロッドが追従できるように、ピストンロッ
ドに強い荷重の圧縮スプリングを設けて、ローラをカム
に押し付けていた。
【0005】又、ロッドは、ロッドシール内を上下に摺
動する構造になっており、エンジン内部に開口している
ロッドとロッドシールとの微小隙間を通じて微量のオイ
ルミストがポンプ下室に吸入される構造になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
ロッドとロッドシールとの微小隙間から、微量のオイル
ミストがポンプ下室に吸入されるのみである。そのた
め、高温雰囲気中でポンプが運転され、ポンプ室内に導
入された空気が排気されると、ポンプ室内に溜っている
微量のオイルが排気によって持ち去られ、ピストン摺動
部が潤滑不良となり、ピストンリングの摩耗やシリンダ
の焼付きが発生する。
【0007】又、ピストンリングやシリンダ摺動面の面
荒れ、ピストンリングの摩耗により、ピストン摺動部の
シール性が低下し、シール洩れに起因してポンプ性能が
低下する。
【0008】又、摺動面の面荒れにより摺動発熱が増大
し、Oリング等が体積膨張を起こし、シリンダとの間の
面圧が増加することにより、摺動抵抗がより一層増加す
るという悪循環を生じる。
【0009】そして、このようなピストンとシリンダの
摺動抵抗の増加によってピストン摺動部が異常摩耗した
り、前記圧縮スプリングの荷重が強いことと相まって、
ローラとカムの当接部の作用力や、ローラ、カムの軸受
荷重が増大して、ローラとカムの当接部や、これ等の、
軸受摺動部が異常摩耗するという問題点があった。
【0010】そこで、本願の発明は、作動ピストン摺動
部へ十分な量の潤滑用オイルを供給することにより、上
記従来技術の問題点であるポンプ性能の低下や、機構の
異常摩耗を防止できるピストン式流体ポンプを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の発明のピストン式流体ポンプは、ピストンロ
ッド(10)と、該ピストンロッド(10)に固着され
たピストン(6)と、該ピストン(6)の上下に形成さ
れたポンプ上室(14)とポンプ下室(15)と、前記
ピストンロッド(10)を摺動可能に軸承する軸受部
と、前記ピストン(6)とは反対側に位置する軸受開口
部(24)と、該軸受開口部(24)と上記ポンプ下室
(15)とを連通するオイル通路(12a)と、軸受開
口部(24)に潤滑オイルを供給するオイル供給手段
(29a)と、軸受開口部(24)とオイル供給手段
(29a)との間に設けた連通孔(28)とを具備する
ことを特徴とする。
【0013】
【0014】
【作用】オイル供給手段(29a)からの潤滑オイル
は、連通孔(28)を通って直接軸受開口部(24)に
供給され、更にオイル通路(12a)からポンプ室(1
25,14)内へと導かれて、ピストン摺動部を潤滑す
る。
【0015】
【実施例】図1〜図3に示す実施例において、1はバキ
ュームポンプで、ロワーケーシング2とアッパーケーシ
リング3とを備え、ロワーケーシング2の下部において
エンジンのシリンダヘッドカバー4に固定されている。
【0016】5はロワーケーシング2に固定されたシリ
ンダ、6はシリンダ5内を上下動するピストンで、その
外周に設けた環状溝7にはOリング8とテフロンのピス
トンリング9が嵌合されている。Oリング8はその弾力
でピストンリング9をシリンダ5の内周面に押圧すると
ともに、温度変化によるピストンリング9の寸法変化を
吸収する。
【0017】ピストン6の下面中央部は上方にへこんだ
形状で、ピストン6の中央部の厚みを強度的に必要最小
限の厚みとすることで、ピストン6の質量を軽減してい
る。10はピストンロッドで、ロワーケーシング2に設
けた軸受11により上下に摺動可能に軸承され、その上
端はピストン6の中央に固着されている。
【0018】12はロッド10に嵌合するようロワーケ
ーシング2に設けられたテフロンのシールリングで、特
に図2、3に拡大図示するように、その内周4箇所にオ
イル通路12aが形成されている。
【0019】13はシールリング12の周りに設けたO
リングで、その弾力によってシールリング12をピスト
ンロッド10の外周に押圧するとともに温度変化による
シールリング12の寸法変化を吸収する。
【0020】14と15はそれぞれピストン6の上下に
形成されたポンプ上室とポンプ下室、16はロワーケー
シング2に固定したパイプで、図示されてないブレーキ
ブースタに連通される。
【0021】ポンプ下室15の底面中央部を形成するロ
ワーケース2の部分は上方にふくらんだ形状に形成さ
れ、このふくらんだ部分の中央に、前記シールリング1
2やOリング13等のシール部材を保持する軸シール保
持部が形成されている。
【0022】17、18は吸入弁で、夫々パイプ16と
ポンプ上室14との間と、パイプ16とポンプ下室15
との間に配設されている。ポンプ上室14とポンプ下室
15は、夫々吐出弁19、20を経てヘッドカバー4内
の空間に連通している。
【0023】21はピストンロッド10の下端部に固定
されたピン、22はピン21に回動可能に嵌合された小
径ローラ、23は小径ローラ22の外周に嵌合する大径
ローラで、ローラ23はエンジンのカムシャフトに形成
されたカム25に当接している。
【0024】26はピストンロッド10の下端近くに形
成されたフランジ、27はフランジ26とロワーケーシ
ング2との間に配設された圧縮スプリングで、ピストン
ロッド10を下方に付勢してローラ23をカム25に押
圧当接している。
【0025】この圧縮スプリング27は、ピストン6の
質量を小さくした分、その荷重が小さくしてある。この
ように構成されたローラ23は、カム25に従動するポ
ンプ駆動部として機能する。24は軸受11の下方に位
置する軸受開口部、28はフランジ26に設けた連通孔
である。29はオイル供給手段で、軸受開口部24とポ
ンプ駆動部であるローラ23の外周面へ潤滑オイルを供
給するオイルノズル29aと29bを有する。
【0026】オイル供給手段としてのオイルノズル29
aから噴出する潤滑オイルは、フランジ26の連通孔2
8を通過し、直接軸受開口部24に達し、さらに軸受1
1とピストンロッド10の隙間を通り、オイル通路12
aを経てポンプ下室15へ吸入される。
【0027】上記実施例で、エンジンに連動してカム2
5が回転すると、カム25がポンプ駆動部であるローラ
23を駆動して、ポンプロッド10とピストン6を上下
動させる。
【0028】ピストン6が上昇すると、ポンプ上室14
内の空気が吐出弁19を経てヘッドカバー4内の空間に
吐出され、ポンプ下室15には図示されてないブレーキ
ブースタからパイプ16、吸入弁18を経て空気が吸入
される。同時に、オイル供給手段としてのオイルノズル
29aから連通孔28を通って直接軸受開口部24に供
給された潤滑オイルが、ポンプ下室15の負圧によっ
て、軸受11とピストンロッド10との隙間、及びオイ
ル通路12aを経てポンプ下室15内に吸入され、ポン
プ下室15内に拡散する。
【0029】ピストンが上下に往復動を繰り返すことに
より、ポンプ下室15内に充分の潤滑オイルが流入し、
ピストンリング9とシリンダ5との摺動面に付着し、良
好な摺動状態を維持する。
【0030】ピストン6の下降時には、ポンプ下室15
内の空気は吐出弁20を経てヘッドカバー4内の空間へ
吐出され、ポンプ上室14には、ブレーキブースタから
パイプ16と吸入弁17を経て空気が吸入される。又、
ポンプ下室15側のシリンダ5とピストンリング9付近
に付着した潤滑オイルは、ポンプ上室14の負圧により
ポンプ下室15からポンプ上室14側へ流入し、ポンプ
上室14内に拡散する。
【0031】そしてピストン6が往復動を繰り返すこと
により、さらにポンプ上室14に潤滑オイルが流入し
て、ピストンリング9とシリンダ5の摺動面に付着し、
良好な摺動状態を維持する。このようにして、ピストン
摺動面の潤滑が良好に行なわれる。
【0032】ポンプ下室15に連通するオイル通路12
aは流入する潤滑オイルが付着して、このオイル通路1
2aからポンプ下室15への不要な空気の吸い込みを防
止する。また、フランジ26におけるピストンロッド根
元部に付着した異物は、潤滑オイルと共に連通孔28か
ら外部へ自然落下して排出される。したがって、該連通
孔28は、オイル中の異物を排出する効果をも有し、軸
受摺動部、ピストン摺動部の摩耗低減により長期間安定
したポンプ性能を維持する効果もある。
【0033】上記実施例では、オイル供給源として二つ
のオイルノズル29a、29bを有するオイル供給手段
29を設けているが、一方のオイルノズル29bを廃止
して、オイルノズル29aから軸受開口部24周辺へ噴
出した潤滑オイルが、連通孔28からポンプ駆動部へ自
然落下してローラ23を潤滑するようにしてもよい。
【0034】なお、従来技術では、上記実施例のオイル
通路12aと連通孔28とを備えていない。
【0035】
【発明の効果】本発明のピストン式流体ポンプは上述の
ように構成されているので、ピストンリングとシリンダ
との摺動面への潤滑オイルの供給ができるため、摺動面
の摩擦力や発熱が減少し、摺動面の摩耗や面荒れを低減
できる。
【0036】又、ピストンリングとシリンダとの摺動面
との摩擦力の異常増加が防止される結果、カム当接面に
かかる当接力や、軸受押圧力の異常を防止し、これ等の
部の異常摩耗を防止できる。
【0037】さらに又、上記ピストンリングとシリンダ
の摺動面の摩耗、面荒れの低減や、カム当接部の異常摩
耗の防止によるピストンのストロークの安定維持の結
果、安定したポンプ性能を長期間にわたり維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の縦断面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】図2のシールリングの水平断面図。
【符号の説明】
6 ピストン 10 ポンプロッド 12a オイル通路 14 ポンプ上室 15 ポンプ下室 24 軸受開口部 28 連通孔 29a オイル供給手段(オイルノズル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永山 秀雄 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (72)発明者 安藤 一也 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 37/14 F04B 39/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンロッド(10)と、該ピストン
    ロッド(10)に固着されたピストン(6)と、該ピス
    トン(6)の上下に形成されたポンプ上室(14)とポ
    ンプ下室(15)と、前記ピストンロッド(10)を摺
    動可能に軸承する軸受部と、前記ピストン(6)とは反
    対側に位置する軸受開口部(24)と、該軸受開口部
    (24)と上記ポンプ下室(15)とを連通するオイル
    通路(12a)と、軸受開口部(24)に潤滑オイルを
    供給するオイル供給手段(29a)と、軸受開口部(2
    4)とオイル供給手段(29a)との間に設けた連通孔
    (28)とを具備することを特徴とするピストン式流体
    ポンプ。
JP04067937A 1991-08-22 1992-03-26 ピストン式流体ポンプ Expired - Lifetime JP3090528B2 (ja)

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