JP3090270B2 - 生物学的封じ込め - Google Patents

生物学的封じ込め

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ある条件下で生物体又はレプリコンを生物
学的に含む方法及びその方法に使用されるレプリコン並
びに前記レプリコンを含む細胞に関する。 技術背景 DNA分子のインビトロでの組換えを用いる技法(該技
法は“遺伝子工学”として知られている)は、特定の遺
伝子を単離し、そして種々の宿主細胞中にそのような遺
伝子を発現(この宿主細胞中の問題の遺伝子は天然に見
られず又は発現されない)することを可能にして来た。
組換えDNA分子は、それを含む宿主細胞中で自主的に複
製することができ、又は宿主細胞ゲノム中に組込まれる
ベクター、所望とする1又はそれよりも多くの生合成生
成物をコードする1又はそれよりも多くの遺伝子及び宿
主細胞中への該遺伝子(又は遺伝子類)の発現のために
必要とされるDNA配列から典型的には成る。組換DNA技法
は、1又はそれよりも多くの所望とする生合成生成物、
たとえばペプチドホルモン、たとえばインシュリン及び
成長ホルモン、酵素、たとえばプラスミノーゲン活性化
因子を生成するために、産業上の適用、たとえば遺伝学
的に製造された生物体、たとえば細菌、酵母又は動物細
胞の大規模な発酵のために重要に成って来た。もう1つ
の重要な分野への適用は、環境中に遺伝学的に製造され
た微生物又はウィルス、たとえばある植物に有害である
昆虫の幼虫を殺すことができる細菌又は細菌類、ある汚
染物、たとえば油を分解する細菌又は収穫に対する低温
感受性を減じる細菌の制御された開放である。 1970年代における組換えDNA技法の開発の初期段階か
ら、化学者達は、遺伝子工学に関連する可能性ある生物
学的危険性にひじょうに敏感に気づいていた。結果とし
て、National Institute of Health,Bethesda,USAは、
ほとんどの国のための基準を与える“組換えDNA研究の
ための指針(Guidelines for Reconbinan+ DNA Researc
h)”のセットを提案した。1978年以来、その指針は、
組換えDNA研究に関連する可能性ある生物学的危険性に
関する多くの実験証拠を基礎にして、規則的に改正され
て来た。 NIHの規制が緩和される傾向にあるにもかかわらず、
公衆の意見は、遺伝子工学に関連する可能性ある生物学
的危険性にひじょうに関心を示し続けている。公衆の関
心は、遺伝学的製造された生物体の環境への制御された
放出に関与する実験の可能性ある影響に主に向けられて
来た。しかしながら、多くの国においては、治療及び同
様のものに関連して使用される生物合成物質の大規模な
製造がまた、その安全性に関して、特に発酵器から環境
へのそのような物質を製造する組換え生物の偶然の放出
の影響に関して疑がわれて来た。従って、安全性が解決
されるまで、遺伝子工学の産業上の可能性を十分に開発
することは不可能である。 実験又は遺伝子工学の大規模な適用に関連する危険、
たとえば環境への組換え生物の放出を避け又は最少に減
じるために、通常の操作条件下で放出されるそのような
生物体の数を制限し、そしてあるタイプの事故の場合、
実験室及び製造施設の適切な物理的設計によって制限す
る処置が取られて来た。 そのような処置は“物理的封じ込め”と呼ばれ、そし
てこれは、組換え生物体を特定の、前もって決定された
制限領域に封じ込める、実験室又は製造施設の設計特徴
を意味する。物理的な封じ込めの異なったレベルは、NI
H規制に従って組換えDNA研究の異なったタイプを必要と
される。従って、可能性ある病原因に関する研究は、該
研究が行なわれる実験室又は製造施設においてより厳密
な物理的条件を必要とする。 物理的封じ込め処理は、実験室又は製造施設内では実
行可能であるが、ところがそのような処置は、遺伝学的
に製造された微生物の環境への制御された放出に関与す
る適用の場合、不可能である。 他方又は同時に、偶然に放出された組換え生成体のひ
き続き生存又は環境中への組換えDNA分子の拡散は、
“生物学的封じ込め”によって制限され得る。この用語
は、特定の生物合成生成物の製造に使用され、又は所望
するでき事を担持するその能力のために使用される宿主
細胞又はレプリコンの特徴を示唆し、そしてこの特徴と
は、特定の条件が支配する(“定義された環境”と呼ば
れる)特定の制限された環境の外で宿主細胞の増殖の可
能性を制限するように作用することであり、そして/又
は、宿主細胞に含まれるレプリコンの特徴とは、それが
向けられた生物体よりも他の生物体にレプリコン(及び
いづれかの挿入された外来性ヌクレオチド配列、すなわ
ち問題のレプリコンに本来、関係されないヌクレオチド
配列)の拡散を制限するように作用することである。生
物学的封じ込めはまた、宿主細胞及びレプリコンの両者
の特定の特徴の組合せを通しても観察され、そしてこの
特徴とは、細胞の生存を制限することである。これに関
連して、特定の表現型の特性を現わすために、この情報
を担持するレプリコンの形で特定の遺伝情報を付与され
る生物体は、“一次宿主細胞”と呼ばれる。 組換えDNA分子を含む特定の生物体の生物学的封じ込
めを確保する1つの従来の方法は、定義された環境外で
増殖するその能力を制限することである。典型的には、
天然の環境〔たとえば実験室又は製造施設の定義された
環境の外の環境として定義される(時々“外部環境”と
も呼ばれる);用語“天然の環境”とは消化管も含む〕
下に通常見出されない1又はそれよりも多くの増殖因子
のための十分に定義された必要条件及び/又は同じ種の
野生型生物に関する一般的に減じられた競争性をもたら
す多くの独立した突然変異を導びくことによって弱めら
れた宿主生物が使用される。たとえば、E.コリ(E.col
i)K−12は、弱められた細菌株であり、ここでその菌
株は、この弱められた菌株が実験室又は製造施設の定義
された条件の外部でそれ自体を増殖し、そして確立する
ことができないように、遺伝子工学に関する実験及び製
造に通常、使用される。さらに、このE.コリ株は、E.コ
リの通常の環境である哺乳類の消化管の上皮細胞上に付
着することができず、すなわち、遺伝子工学により製造
されたE.コリK−12による、E.コリの天然の生息地での
コロニィー形成は起こらないことを意味する。 しかしながら、たとえE.コリK−12が天然の生物と競
争することができなくても、それは天然の環境下である
期間なお生存するであろうことは注目されるべきであ
る。 実験又は実際の製造が、天然の環境(上記に定義され
た)への遺伝子的製造された生物体の制御された放出に
関与する場合、上記のように弱められた宿主細胞を用い
ることによって生物学的封じ込めを得ることは可能では
ない。明らかに、機能するために環境に放される微生物
は、適切な生態的地位に少なくとも一時的にそれらを確
立するために、同じ種又は他の種のいづれかの野生型生
物と同じ環境下で競争することができる。 生物学的封じ込めのもう1つの分野は、実験又は産業
上の製造のために使用される第一次宿主細胞から、同じ
種の他の細胞(但し、生物学的封じ込めシステムの一部
として課された第一次宿主細胞のアテニュエーティング
突然変異を欠く)又は第一次宿主細胞の増殖のために必
要とされる定義された環境(これは生物学的封じ込めの
一部である)の外で増殖することができる異なった種の
細胞のいづれかに、レプリコン(該レプリコンは、たと
えば細菌性プラスミドであることもできるし、場合によ
っては挿入された外来性DNAを含む)上に存在する遺伝
情報の拡散を制限することに関する。 遺伝情報はいくつかの手段によって生物間に伝達され
得る。細菌及び細菌性プラスミドの場合、これらは細菌
性接合によってトランスファーされ、ここで物理的な橋
が2種の接合細菌の間に形成され、その結果、そのプラ
スミドは1つの細菌から他の細菌にこの橋を通して通過
する。異なった種の細菌は接合によってプラスミドを交
換することができ、そしてあるプラスミドは、E.コリ及
びプスードモナスspp.(Pseudomonas spp.)のようなグ
ラム陰性細菌の間で事実伝導可能である。接合するため
の細菌の能力及びトランスファーされるためのプラスミ
ドの能力は、プラスミド産性DNA配列に関連する特性で
あり、遺伝学的に製造される細菌に関与する産業的製造
に使用されるベクターは、細菌性接合及びプラスミドの
トランスファーを担当するDNA配列を欠くことが必要と
される。この必要条件は、細菌性プラスミドに関して取
られた主な生物学的封じ込め処置を構成する。 しかしながら、たとえば、細菌性プラスミド上に存在
することができる遺伝情報はまた、細菌性接合及びプラ
スミドのトランスファーをコードする前記遺伝情報の除
去によって妨げられない他の手段によって拡散され得
る。 組換えDNAプラスミドを有する第一次宿主細胞(定義
された環境条件下でのみ長期生存を確保するために適切
な突然変異によって弱められた)は、1又はそれよりも
多くの天然に存在するバクテリオファージによって時々
感染され得る。いくつかのバクテリオファージは、プラ
スミド又は他のDNA分子をランダムに取り込むための能
力を有し、そして弱められてず、そして従って第一次宿
主細胞を増殖するために使用される定義された環境の外
で増殖することができる第二次宿主細胞(生合成生成物
又は他の目的物の産生のために向けられていない細胞、
すなわち天然の環境に見出される典型的な野生型株)に
それらを伝達することが知られている。 細菌性接合をコードし、そして接合に基づいてトラン
スファーされ得る、天然に存在するプラスミドの1つを
有する細菌が組換えプラスミドをすでに有する第一次宿
主細胞と接合する場合に、類似する情況が生じるかも知
れない。次に、相同組換えが、他の宿主細胞への組換え
プラスミドのトランスファーをもたらす2種のプラスミ
ドの間で起こる。 第一次宿主細胞上で行なわれるアテニュエーティング
突然変異を欠く細胞に遺伝情報を拡散するもう1つの方
法は、細胞による遊離DNAの受身的な取り込み、いわゆ
る形質転換である。多くの天然に存在する微生物は、遊
離DNAを取り込むことができる。次に、そのDNAは新規の
第二次宿主細胞の染色体中に組込まれ、又は宿主細胞中
において独立的に複製することができ、そして該宿主細
胞は、アテニュエーティング突然変異を欠くために、実
験室又は製造施設の定義された環境の外でそれらを増殖
し、そして確立することができる。細菌性プラスミドDN
Aの実質的な量が、発酵器中での増殖の間、たとえばE.
コリ細胞から生物学的に活性な形で開放されることを示
唆するある証拠が存在する。これは、発酵培地が環境に
放される場合、細胞が収穫された発酵培地が、低頻度で
はあるが、形質転換による第二次宿主細胞によって取り
込まれ得るプラスミドDNAの主な源を示すことを指摘す
るであろう。現在使用されている生物学的封じ込め法
は、この問題の解決法を提案しない。 天然の環境(上記に定義されたような)への遺伝学的
に製造された微生物の制御された放出に関与する実験又
は実際の適用の場合、接合によるレプリコン(場合によ
っては挿入された外来性ヌクレオチド配列を含む)の広
がりが、接合に担当するヌクレオチド配列の遺伝子がベ
クター中に位置されていない場合、制限される(上記を
参照のこと)。しかしながら、この生物学的封じ込め法
は、トランスダクション、伝達可能なプラスミドによる
組換え又は分解された組換え生物体から放される組換え
DNAの形質転換による、たとえば新規の第二次宿主細胞
への細菌性プラスミドの拡散に対するいかなる処置をも
示唆しない。 生物学的封じ込め特性を有する菌株を生成するために
多くの試みがなされて来たが、すべてではないがこれら
のほとんどは、それらが、実験室又は製造施設における
好ましい条件下でさえ細胞の増殖性質に相当影響を及ぼ
し、そして細胞殺害よりもむしろ増殖阻害が定義された
環境の外で得られるという欠点を有する。 組換え生物体の封じ込めに関する問題の上記概要は、
主に細菌に関係されて来た。類似する論議が真核生物及
びウィルスに適用されることが強調されるべきである。 (発明の開示) 本発明は、組換えDNA分子を有する第一次宿主細胞が
新規環境条件に又はランダムなでき事の結果としてゆだ
ねられる場合、又は第二次宿主細胞が第一次宿主細胞に
元来存在する組換えDNA分子を受ける場合、活性封じ込
め因子、すなわち細胞殺害機能を使用することによる生
物学的封じ込めの概念への新しいアプローチを示す。い
くつかの場合、その第二次宿主細胞は、細胞殺害機能の
発現を誘導する条件下でのみ殺される。 従って、本発明は、レプリコンに関し、ここで細胞殺
害機能をコードするヌクレオ配列は、前記レプリコンが
1つのタイプの宿主細胞(第一次宿主細胞)中に含まれ
る場合、規則正しく発現され、その結果そのレプリコン
を有する細胞は、その細胞殺害機能が発現される条件下
で殺害され、そして細胞殺害機能をコードするヌクレオ
配列は、前記レプリコンがもう1つのタイプの宿主細胞
(第二次宿主細胞)中に含まれる場合、規則正しく又は
構成的に発現され、その結果そのレプリコンを有するこ
れらの細胞は、その細胞殺害機能が発現される条件下で
一定に殺害される。 本発明において、“レプリコン”とは、核酸のセグメ
ント、たとえば細菌性プラスミド、細菌性染色体、原核
性ウィルス、真核性プラスミド、真核性ウィルス、真核
性染色体、真核性ミトコンドリア又は真核性クロロプラ
ストを表わす。 本発明において、“細胞”とは、細菌性及び真核性生
物体、たとえば単細胞生物、たとえば酵母又は菌類、及
び多細胞生物体、たとえば植物、動物又は菌類並びに多
細胞真核生物、たとえば植物、動物又は菌類の組織に由
来する細胞を示す。 レプリコンは、定義された環境の内に第一次宿主細胞
及びそのレプリコン自体の封じ込めを行なうことができ
るように設計され得ることが示されるべきである。レプ
リコンが1つのタイプの宿主細胞、すなわち第一次宿主
細胞に含まれる場合、細胞殺害機能をコードするヌクレ
オ配列は、規則正しく発現されるべきであり;この事
は、第一次宿主細胞が、たとえば定義された環境内に存
在するようなある条件にゆだねられる場合(ここで、そ
の存在は、特定の生成物の産生に関与する理由のために
又はそれが他の機能、たとえば汚染物の分解を有するた
めに所望される)、細胞殺害機能をコードするヌクレオ
チド配列は発現されず、そしてその宿主細胞は生存し続
け、そしてそれらの機能を実現することができることを
含んで成る。しかしながら、第一次宿主細胞が環境条件
で特定の変化にゆだねられる場合、その細胞殺害機能
は、レプリコンを有する第一次宿主細胞を殺害するため
に発現される。 細胞殺害機能が発現される条件を提供することによっ
て、たとえば発酵容器中に存在する第一次宿主細胞を殺
害することは、特定の生成物を製造する過程の一部とし
ても可能であろう。この方法は、遺伝学的に製造された
生物体が酵母容器から取られる前、殺害されるべきであ
る、ある健康に関する権威者によって規定された必要条
件に従ってである。 細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列を担持す
るレプリコンを第一次宿主細胞中に導入することにより
生物学的封じ込めを得るための本発明の原理は、第一次
宿主細胞、たとえば生合成生成物の産業的製造に使用さ
れる細胞として野生型株の使用を可能にすることができ
る。これは、特定の増殖条件、たとえば増殖のために突
然変異化された生物によって必要とされる1又はそれよ
りも多くの特定の増殖因子を含む特定の培地を使用する
必要がないことを上記で指摘されたように、安全な予防
策としてこれまで使用して来た、突然変異化され、アテ
ニュエートされた菌株の使用に関して重要な利点を有
し、従って使用される培地の費用を減じ、そして広い範
囲の培地成分が使用され得る。さらに、その野生型生物
体は、遺伝子操作のためにより適切であり又は改良され
た発酵特性を示し、又はそれらは、所望とする特定の生
成物を産生するが、しかし大規模な製造での使用のため
にはこれまで可能でなかった生物体である。 レプリコンは、もう1つのタイプの宿主細胞、すなわ
ち第二次宿主細胞(これは普通、第一次宿主細胞又は場
合によっては第一次宿主細胞が増殖せしめられた培地が
放される天然の環境において見出される野生型生物であ
り、そしてその細胞中で、細胞殺害機能をコードするヌ
クレオチド配列が規則正しく又は構成的に発現される)
によって取り込まれるべきであり;いづれかの場合、そ
の第二次宿主細胞は、細胞殺害機能の発現がもはや抑制
されず又は阻害されない場合、殺されるであろう。 ある場合、細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配
列を含んで成るDNAフラグメントのサイズは、本発明の
その使用のためには有意でない。しかしながら、細胞殺
害機能をコードするヌクレオチド配列は、レプリコンの
コピー数が普通、そのレプリコンの合計サイズが大きく
なる場合、少なくなるという事実から好都合である小さ
なDNAフラグメント上に存在することがしばしば好まし
い。従って、生物学的封じ込めを得るために、細胞殺害
機能をコードするDNAフラグメントの挿入は、細胞殺害
機能をコードするDNAフラグメントが単に短い配列を含
んで成る場合、レプリコンによってもまたコードされて
いる目的の生合成生成物の収量に何の実質的な減少をも
導びかない。細胞殺害機能をコードする好都合なヌクレ
オチド配列は、1500個又はそれ以下のヌクレオチド、好
ましくは1000個又はそれ以下のヌクレオチド、たとえば
500〜200個又はそれ以下のヌクレオチドのサイズを有す
る。 細胞殺害機能の発現が調節され得る本発明の1つの方
法は、細胞殺害機能の発現が転写のレベルで調節される
レプリコンを提供することである。転写のレベルでの調
節は種々の方法で行なわれ得るが、しかしその調節は好
ましくは、1又はそれよりも多くの因子によって調節さ
れたプロモーターによって行なわれる。これらの因子
は、それらの存在によって、細胞殺害機能をコードする
ヌクレオチド配列の発現を確保する因子であり、又は他
方、それらの因子の不在が細胞殺害機能の発現を引き起
こす、前記ヌクレオ配列の発現を制御する因子である。
従って、第一次宿主細胞がまわりの環境に放される場
合、又は組換えDNA分子が第二次宿主細胞によって取り
込まれる場合、すなわち、実験又は製造の定義された環
境又は生物体が特定の目的のために放された特定の制限
された環境の外に放される場合、プロモーター及び場合
によってはその関連する調節配列が、細胞殺害機能をコ
ードするヌクレオチド配列の転写に影響を及ぼすため
に、1又はそれよりも多くのこれらの因子の存在又は不
在によって活性化され、それによって細胞殺害生成物が
製造され、そしてその宿主細胞が殺される。 プロモーター活性を調節する因子は、広範囲の種類の
因子から選択され得る。主に、細胞殺害機能をコードす
る遺伝子の発現は、細胞の環境条件又は生理学的状態に
よって、又は周期的又は推計学的出来事によって決定さ
れ得る。本発明において、“周期的出来事”とは、細胞
殺害機能の発現に影響を及ぼすことに有用な因子、たと
えば温度条件、光の強さの変化又はホルモンの変化によ
って引き起こされる周期的に再現する出来事を意味する
ことが理解される。“細胞の生理学的状態”とは、細胞
密度又は細胞の増殖相のような因子を表わす。 本発明の有用な因子(これらは最も容易に調節できる
ので)は、環境におけるある化学物質又は環境における
物理的条件、たとえば環境において有力な温度又は他の
物理的な特性(たとえば、環境における光の強さ)の存
在又は不在である。従って、第一次宿主生物体の発酵培
地中に存在するある化学物質が、その第一次宿主細胞が
放される環境下に存在せず、すなわち第一次宿主細胞
が、たとえば発酵タンクからまわりの環境に偶然放出さ
れ、細胞の増殖又は生存のために必要とされる因子がも
はや存在せず、又は該因子が同じ効果を有する培地から
消耗される場合、細胞殺害機能をコードするヌクレオチ
ド配列が発現される封じ込めシステムを予想することが
可能である。細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配
列の転写を調節するプロモーターはまた、第一次宿主生
物体の発酵培地中に存在しないが、しかしプロモーター
を活性化するために十分な量で環境に存在する化学物質
によっても活性化され得る。同様に、プロモーターは、
温度の移動により活性化されるものであり、すなわち本
発明のレプリコンに関与する封じ込め原理において、そ
れは、普通、発酵容器又は消化管における高い温度から
外部環境において支配的である低い温度への移動を含ん
で成り、又は光の強さに関しては、プロモーターは、十
分な強さの光の存在下で活性化されるが、しかし第一次
宿主の定義された環境である発酵容器において支配的で
ある暗やみでは不活性であるプロモーターであり得る。 第一次宿主生物体が、調整された様式で天然の環境、
たとえば制限された領域の土地又は動物の消化管に開放
される場合、その調節可能なプロモーターは、化学的手
段によって、すなわち細胞の環境におけるある化学物質
の存在又は不在によって調節されるものであるが、しか
したとえば温度の変化によって、又は推計学的出来事に
よって周期的に活性化されるプロモーターでもある。
“推計学的出来事”とは、本発明に従って、殺害機能の
発現の活性化が起こる細胞の殺害をもたらす、細胞、世
代当りの頻度又は時間単位当りの頻度によりランダムに
生じる出来事を表わす。その推計学的出来事は、プロモ
ーターを担持する領域の周期的な逆位又は陰性調節要素
を担持する配列の切り出しによって引き起こされ得る。
推計学的出来事による、細胞殺害の確立した結果は、宿
主細胞の人口が、天然に存在する生物体の人口に比べて
低められた競争性を有するであろう。 細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列の転写の
開始に使用されるプロモーターは、好ましくは、本発明
の原理の一般的な適用性の確保をするために、広範囲の
宿主生物体中に、細胞殺害機能をコードするヌクレオチ
ド配列の発現を可能にすることができるプロモーターで
ある。 細胞殺害機能の調節可能な転写の場合、たとえばその
調節配列は、アミノ酸の生合成に関与する細菌性オペロ
ンから又は細菌性遺伝子から単離され得、そしてこの転
写は、定常増殖期の後期で又は表面構造体(線毛)の合
成に関与する細菌性遺伝子から活性化される。適切なプ
ロモーターの例は、トリプトファンの不在下で活性化さ
れるE.コリtrp、温度感受性調節因子によって調整され
るバクテリオファージλPR及びPL、胞子形成の間、活性
化されるB。サブチリス(B.subtilis)の胞子形成遺伝
子プロモーター及び推計学的に活性化されるE.コリ及び
サルモネラ線毛遺伝子プロモーターである。 化学的に調節可能なプロモーターの場合、化学物質
(この存在又は不在がプロモーターの活性化を決定す
る)は、適切には、炭素又は窒素源、代謝物、アミノ
酸、ヌクレオシド、プリン又はピリミジン塩基又は金属
イオンから選択され得る。存在する場合、化学物質がプ
ロモーター活性を抑圧するものである場合、それは好ま
しくは、宿主生物体が天然の環境に開放される場合にプ
ロモーターが活性化されないような濃度で天然の環境に
めったに存在しないものであるべきである。たとえばE.
コリのような生物体における適切なプロモーターの1つ
の例は、その細胞環境においてトリプトファンの十分な
濃度の存在下で抑制されるが、しかしその環境下でトリ
プトファンの十分な量の不在下で抑制解除され得るtrp
プロモーターである。従って、このtrpプロモーターを
用いての封じ込めシステムは、宿主生物が発酵器から通
常ひじょうに低濃度のトリプトファンを含むか又はまっ
たく含まない環境に開放される場合、抑制解除されるプ
ロモーターを抑制するために発酵器中に多量のトリプト
ファンを含むことができる。 プロモーター領域の周期的な逆位によって推計学的に
活性化されるプロモーター(本発明において、これはま
た、“逆位可能なプロモーター”及び“逆位性スイッチ
プロモーター”と呼ばれる)及び本発明の目的のために
有用であるプロモーターはまた、hin、cin及びginプロ
モーター(R。H.A.Plasterkなど.,Proc。Natl。Acad.S
ci.USA80,1983,5355〜5358ページ;G.Mertensなど.,EMBO
J.3,1984,2415〜2421ページ;J.Zieg及びM.I.Simon,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA77,1980,4196〜4200ページ)を含
む。その比較的小さなサイズのために特に有用であるこ
とが見出された1つの逆位可能なプロモーターは、下記
の配列を有する1つのE.コリ線毛遺伝子プロモーターで
あるfimAプロモーターであり:ここで転写の方向は、左から右であり、そして提案され
たプロモーターのコンセンサス配列は−35及び−10で指
摘される(P.Klemm,EMBOJ.5,1986,1389〜1393ペー
ジ)。 このプロモーターの活性化(逆位性スイッチ)は、本
発明の目的のために“オン”遺伝子及び“オフ”遺伝子
と命名された2種の遺伝子の遺伝子生成物によって調節
され、前記オン遺伝子生成物はオフ(不活性)からオン
(活性)にスイッチを誘導し、そして前記オフ遺伝子生
成物は、オンからオフにスイッチを誘導する。fimA遺伝
子及びその関連遺伝子が染色体上の1つのコピーに存在
する野生型E.コリ細胞において、逆位性スイッチは、1
個の細胞/1000個の細胞/世代のスイッチ頻度で生じ
る。しかしなから、オン及びオフ遺伝子の発現の用量を
調節することによって、必要とされる逆位性スイッチ
(実質的に)の頻度を調節することが可能である。たと
えば、これは、オン及びオフ遺伝子中に転写するために
挿入される適切なプロモーターによって影響され得る。
次に、これらのプロモーターによる転写開始の頻度は、
形成されるオン及びオフ遺伝子の相対的用量レベルを決
定するであろう。従って、比較的多量のオフ遺伝子生成
物が形成される場合、“オン”位置への逆位性スイッチ
の頻度は、比較的多量のオン遺伝子生成物が形成される
場合よりも低い。 本発明の宿主細胞封じ込めを含むもう1つの方法は、
翻訳のレベルで細胞殺害機能をコードするヌクレオチド
配列の発現を調節することである。これは、第一次宿主
細胞中に細胞殺害機能を特定化するメッセンジャーRNA
(mRNA)の翻訳を阻害するアンチセンスRNAを提供する
ことによって行なわれ得る。このアンチセンスRNAをコ
ードするヌクレオチド配列の発現は、構成的であり又
は、たとえば細胞殺害機能を担持するレプリコンのコピ
ー数の増大を可能にするために調節され得、単にその必
要条件は、細胞殺害機能を特定化するmRNAの第一次宿主
細胞において翻訳を完全に阻害するために、アンチセン
スRNAの十分な量が、単位時間当りに生成されるような
プロモーターの強さであることである。そのようなレプ
リコンが、細胞殺害機能をコードするヌクレオ配列が転
写され、そしてそのヌクレオチド配列の生成物が細胞殺
害機能に影響を及ぼすいづれかのタイプの第二次宿主細
胞にトランスファーされる場合、阻害性アンチセンスRN
Aをコードするヌクレオチド配列の、第二次宿主細胞に
おける不在が、その第二次宿主細胞の死を引き起こす細
胞殺害機能を特定するmRNAの翻訳をもたらす。すべての
実施目的のためには、これは、細胞殺害機能をコードす
るヌクレオチド配列の発現がアンチセンスRNAの存在に
よって調節され、そしてこの遺伝子配列は、第一次宿主
細胞におけるもう1つのレプリコン上に都合良く存在す
る。 本発明によれば、アンチセンスRNAの発現は、細胞殺
害機能をコードするヌクレオチド配列の転写を開始する
プロモーターについて上記に記載されたようにして、プ
ロモーター(これから、アンチセンスRNAをコードする
ヌクレオチド配列が転写される)の活性に影響を及ぼす
定義された環境因子によって調節され得る。これらの環
境因子は上記と同じものであり、そして環境におけるあ
る化学物質の存在又は不在、環境の温度又は第一次宿主
細胞の環境における光の強さを含んで成る。たとえば、
適切なプロモーターは、種々の異化経路、浸透調節又は
重金属耐性に関与する細菌性オペロンから単離され得
る。化学物質により活性化される適切なプロモーター
は、それぞれラクトース、アラビノース及びピリミジン
ヌクレオシドによって活性化されるlac,ara及びdeoプロ
モーター、及び高濃度のK+の存在下で誘導されるosrA、
並びに重金属イオンによって誘導されるTn501の水銀耐
性遺伝子のためのプロモーターである。アンチセンスRN
Aが第一次宿主細胞中に存在する場合、細胞殺害機能を
特定化するmRNAの翻訳が、2種のRNAの間の相互作用に
より阻害される。しかしながら、第一次宿主細胞がその
意図された環境から放される場合、プロモーター活性を
決定する環境条件が、変化せしめられ、その結果、ある
環境に発現されるように計画されたアンチセンスRNAを
コードするヌクレオチド配列は、もはや発現されず、そ
してその一次宿主細胞は死滅するであろう。同様に、細
胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列を担持する組
換えDNA分子が第二次宿主機構によって取り込まれる場
合、アンチセンスRNAは、細胞殺害生成物の産生を妨げ
るために存在しないであろうし、そしてその第二次宿主
細胞はまた死滅するであろう。 アンチセンスRNAのすべて又は一部をコードするヌク
レオチド配列が、直接的に反復された十分な大きさのヌ
クレオチド配列の間に挿入される場合、それらの反復の
間の組換えは、反復の長さ及び/又は反復の間の距離を
変えることによって実験的にある程度決定され得る頻度
により、組換え的に成熟した細胞に起こるであろうし、
そして否定的に作用する調節要素の組換えによる切断が
起こる場合、細胞の死を導びくであろう。これとは別
に、アンチセンスRNAの発現はまた、たとえば逆位性ス
イッチを引き起こすために逆位可能なプロモーターから
推計学的に調節され得、その結果、アンチセンスRNAは
もはや発現されない。このプロモーターは好ましくは、
E.コリfimAプロモーターであり得る。 本発明のレプリコンに挿入されるべき、細胞殺害機能
をコードするヌクレオチド配列は、広範囲の種類の源、
たとえば細菌性プラスミド、細菌性染色体、原核性ウィ
ルス、真核性プラスミド、真核性染色体、真核性ウィル
ス、真核性ミトコンドリア又は真核性クロロプラストに
由来し;それらはまた、標準方法によって合成的に生成
され得る。細胞殺害機能を発現するヌクレオチド配列の
1つの例は、プラスミドRIのpar B領域からのhok遺伝子
であり、その領域は、細菌集団内でRIの安定した維持に
関与することが前もって示されている、国際特許出願番
号PCT/DK83/00086、出願番号W084/01172の開示を参照の
こと。par Bによるプラスミド安定化の重要な特徴は、R
Iのpar B領域からの転写されたhok mRNAの翻訳がhok mR
NAハイブリダイズ性アンチセンスRNA、すなわちsok(こ
れはまた、par B領域から転写される)によってもはや
抑圧されない場合、影響を及ぼされるhok遺伝子生成物
の毒性効果であることが見出された。細菌性細胞からの
RIプラスミドの欠失は、たぶん2種のRNAの半減期の相
違によって、プラスミドを含まない細胞におけるhok mR
NAとsok RNAとの間の割合の変化、及び最終的には、不
十分な濃度の抑制sok RNAがその細胞中に存在する場合
(これはプラスミドを含まない細胞の死を引き起こ
す)、hok mRNAの翻訳を導く。 細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列は、プロ
モーター配列、たとえば上記のものと組合され、又は上
記のようにしてアンチセンスRNAをコードする配列と第
一次宿主細胞内で組合わされ得る。これらの配列は、天
然源、たとえば細胞殺害機能について上記で言及された
ものに由来し、又は合成的に産生され得る。 この天然のシステムを、本発明の原理に従って用い、
組換え生物体を、定義された環境、たとえば発酵器に閉
じ込め、組換えDNA分子又はウィルスを、定義された環
境内で特定の宿主細胞に閉じ込め、最終的に、環境に放
された生物体又は組換え遺伝情報を担持するベクターを
閉じ込めるために、RIからのhok遺伝子を用いて生物学
的封じ込めのシステムを計画する。 本発明によれば、宿主細胞封じ込め、たとえば組換DN
A分子、たとえばプラスミドを含むE.コリ宿主の封じ込
めは、標準組換えDNA技法により、hok遺伝子の転写が少
なくとも部分的にプロモーター/調節配列によって制御
されるような態様で適切なプロモーター/調節領域を含
むDNA配列と共にhok遺伝子が、挿入される場合に得ら
れ;使用されるプロモーター/調節配列の性質によって
決定された特定の環境条件が合わない場合、そのプロモ
ーター/調節領域は脱抑制され、その結果、hok遺伝子
の転写が細胞の死を導びく。他方、調節のもう1つの
形、たとえばhok mRNA翻訳のアンチセンスRNA阻害を用
いることによる上記のような翻訳制御を用いることは可
能である。そのようなシステムは次のように構成され得
る;hok遺伝子はプラスミド産生遺伝子から構成的に発現
され、そしてhok mRNAの翻訳は適切に計画されたアンチ
センスRNAの合成によって逆反応され、これをコードす
る遺伝子は、上記のようにして調節されたプロモーター
から発現され、そしてこのプロモーターの活性は1又は
それよりも多くの特定の環境因子の存在に依存する。こ
れらの因子がもはや存在しない場合、プロモーターはも
はや活性的でないであろうし、そして従ってアンチセン
スRNAはもはや発現されず、そしてhok mRNAの翻訳をも
はや阻害せず、その結果毒性生成物が形成され、そして
宿主細胞が殺される。 上記のように、プラスミド上でのpar B領域(hok及び
sok遺伝子を含む)の存在は、プラスミド遺伝を安定化
する。この基本的な安定化原理は、hok mRNAは抑制sok
アンチセンスRNAに対して過剰に発現されるので、プロ
モーターからの転写がhokタンパク質の合成をもたらす
ような態様で、hok及びsok遺伝子の上流に調節できる、
好ましくは強いプロモーターを挿入することによって、
利用され得る。従って、挿入されたプロモーターからの
転写が起こらない条件下で、プラスミドは細胞の増殖集
団中に安定して維持されるが、ところが異なった条件下
で、たとえば外部の環境又は第二次宿主細胞中におい
て、その挿入されたプロモーターの転写が起こり、そし
て細胞は殺される。 本発明によれば、RI hok遺伝子生成物のために確立さ
れた原理と同じ原理に従って、他の生物体からのRI hok
遺伝子(これはこれらの生物体中で活性的であろう)に
相同の又は関連する配列を、RI hok遺伝子生成物が毒性
でないであろう宿主生物体に使用することが企画されて
いる。“相同”とは、与えられたプローブと分析される
核酸種との間にある程度の相補性の存在を示すために本
発明においては用いられる。“相同の程度”は、与えら
れたプローブと分析される核酸種との間に形成される二
重核酸分子における相補的塩基の部分として表わされ
る。検出できる最少程度の相同体は、ハイブリダイゼー
ションの間、用いられる実験条件並びにプローブ及び分
析される核酸種の特徴の関数である。そのような相同配
列は、多くの細菌種(たとえばグラム陽性細菌)の染色
体DNA内に、酵母、テトラヒメナピリホルミス(Tetrahy
mena pyriformis)のミトコンドリアDNA内に及びヒト細
胞並びにエンドウのクロロプラストDNA内に見出され、
そしてこれらのすべては、DNA/DNAハイブリダイゼーシ
ョンによって決定される場合、RI par B配列に関連する
DNA配列を有する。従って、この逆位はまた、hok遺伝子
に相同であるヌクレオチド配列を担持するレプリコンに
も関連する。 本発明はまた、上記のようなレプリコンを有する第一
次宿主細胞にも関する。その細胞はまた、上記のよう
に、細胞ゲノム中に挿入されたアンチセンスRNAをコー
ドするヌクレオチド配列を含有することができる。その
第一次宿主細胞は、広範囲の種類の細胞、たとえば細菌
又は真核性生物、たとえば単細胞生物、たとえば酵母又
は菌類、多細胞生物、たとえば植物、動物又は菌類の組
織に由来された細胞から選択され得る。 もう1つの観点において、本発明は、細胞殺害機能を
コードをするヌクレオチド配列に関する。このヌクレオ
チド配列は、さらに、その細胞殺害機能をコードする配
列の転写を調節する配列を含んで成る。その調節配列
は、上記のような特徴及び機能を有するプロモーターで
あり得る。 本発明はさらに、細胞殺害機能を特定化するmRNAの翻
訳を阻害することができるアンチセンスRNAをコードす
るヌクレオチド配列に関する。上記のように、このヌク
レオチド配列は、好ましくは他のレプリコン上で細胞中
に挿入される。そのアンチセンスRNAをコードするヌク
レオチド配列は、構成的に発現され、又はその転写は、
たとえば上記のように1又はそれよりも多くの因子によ
って調節されるプロモーターであり得る他のヌクレオチ
ド配列から調節され得る。 重要な観点において、本発明は、生物学的システムを
含む方法に関し、この方法とは、細胞殺害機能をコード
するヌクレオチド配列を生物学的システムに導入するこ
とを含んで成り、前記配列はある条件下で規則的に発現
され、そしてまた、生物学的システムが維持される異な
った条件下で規則的に又は構成的に発現される。 本発明において、“生物学的システム”とは、再生で
きる、いづれかの組織化された生物学的物質、たとえば
核酸(DNA又はRNA)配列、感染物質、たとえばウィル
ス、細菌又は単細胞真核生物、たとえば酵母又は菌類、
又は多細胞生物、たとえば植物、昆虫、等、並びに多細
胞生物の組織に由来の細胞に関する。“封じ込め”と
は、特定の制限された環境(ここで特定の条件が支配
し、そしてその存在が所望される)からの生物学的シス
テムの広がりが制限され、又は生物学的システムの存在
がある期間制限されることを示す。 封じ込めは、細胞殺害機能が発現されないことを確保
するある条件下で生物学的システムを維持することによ
って行なわれる。これらの条件は、細胞内又は細胞外で
あってもよく、そして宿主生物、宿主−ベクター関係の
表現型及び生理学的状態、生物学的システムを支配する
環境条件又は周期的な出来事を含んで成る。これらの条
件の1つが変化する場合、細胞殺害機能は、細胞殺害機
能をコードするヌクレオチド配列を担持する宿主生物を
殺すために、規則的に又は構成的に発現され得る。さら
に、その条件は推計学的出来事も含む。 生物学的システムが細胞を含んで成る場合、これら
は、細胞殺害機能をコードする配列及び細胞殺害機能を
コードする配列の転写を調節する配列を含むヌクレオチ
ド配列、又は別に、細胞殺害機能をコードするヌクレオ
チド配列及び上記のように、発現される場合、細胞殺害
機能を特定するmRNAの翻訳を阻害するアンチセンスRNA
をコードするヌクレオチド配列を、前記細胞中に挿入す
ることによって、定義された環境条件下で含まれる。 本発明の原理によれば、細胞殺害機能をコードするヌ
クレオチド配列は、好ましくはレプリコン上に担持され
る。アンチセンスmRNAをコードするヌクレオチド配列
は、細胞中のもう1つのレプリコン上に挿入され得る。
本発明の方法に従って含まれる細胞は、細菌又は真核生
物から選択され得る。 定義された条件下でのみ存在するように宿主生物の封
じ込めを提供することの他に、本発明の封じ込め方法は
また、細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列(該
ヌクレオチド配列は、1又はそれよりも多くの因子によ
って調節される調節配列から規則的に転写され、この因
子の少なくとも1つは、第一次宿主細胞のゲノム中に独
占的に存在するヌクレオチド配列によってコードされて
いる)をレプリコン中に挿入することによって、第一次
宿主細胞にレプリコンの封じ込めを提供する。 他方、レプリコンは、細胞殺害機能をコードするmRNA
を構造的に発現するDNAフラグメントをレプリコン中に
挿入することによって第一次宿主細胞に含まれ、この翻
訳は、前記第一次宿主細胞中に挿入されたもう1つのヌ
クレオチド配列から転写されたアンチセンスRNAにより
阻害され、前記アンチセンスRNAをコードするヌクレオ
チド配列は、1又はそれよりも多くの因子、たとえば上
記のような因子の1つによって調節されているプロモー
ターから構造的に発現される。レプリコンはまた、第一
次宿主細胞に含まれる他に、それはまた、同じ種類の細
胞及び限定できる範囲の第二次宿主細胞、すなわち細胞
殺害機能の発現の調節を担当する因子がまた存在する細
胞にも含まれるように企画され得る。 上記開示から明らかであるように、本発明の生物学的
封じ込め法は、特定の生合成生成物の産生又は天然の環
境(外部環境又は動物の消化管)への開放のいづれかの
ために、予定された弱められた生物のみならずまた野生
型株をまた、活性的な生物学的封じ込めるために、広範
囲の宿主細胞及びレプリコンに適用できるひじょうに多
角的な方法であり;さらにこの方法によって、特定の宿
主への与えられたレプリコンの活性封じ込めが得られ
る。 ある前もって定義された条件下で発現される細胞殺害
機能をコードするヌクレオ配列を担持するレプリコンに
関する本発明の原理は、生ワクチンの調製に利用され得
ることがさらに企画されている。病原性微生物又はウィ
ルスの非病原性(たとえば弱毒化された)株に基づくワ
クチンは、これまで長い間、知られて来た。生ワクチン
に使用される薬物の主な例として、ワクシニアウィル
ス、弱毒化されたポリオウィルス(Jonas Salkによって
得られた)及びバシリカルメティーグエリン(BCG)
〔弱毒化されたマイコバクテリアムツベルコロシス(My
cobacteriumtuberculosis)〕を挙げることができる。
生ワクチンは、一生ではないが、それらが問題の病原体
に対する長期の免疫性を与える利点を有する。さらに、
それらは一般的に、不活性化された(殺された)病原菌
又は精製されたタンパク質に基づくよりもより安く且つ
より容易に管理することができる。 しかしながら、生ワクチンの使用は、これまで制限さ
れて来た。なぜならばアテニュエーション(弱毒化)、
生存度及び適切な免疫応答の正しい組合せを得ることが
しばしば困難であるからである。さらに、遺伝学的に製
造された細菌の環境(外部又は内部のいづれか)への計
画的な放出は、可能性ある長期の環境への影響、特に遺
伝学的に製造された細菌の環境における永久的な確立の
危険性に関しての公衆の関心のために、多くの国で現在
許されていない。 本発明は、適切な宿主生物(上記のような第一次宿主
細胞)中に、細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配
列(この発現は推計学的出来事によって決定される);
病原体からの免疫化(抗原決定基)のための所望のエピ
トープをコードする配列;及び発現される場合、細胞の
外部表面へのエピトープの輸送、すなわち細胞膜システ
ムを通してのそれのトランスロケーションのための手段
を導入することによって生ワクチンの使用に関する問題
を避けることを可能にした。細胞殺害機能をコードする
ヌクレオチド配列及びそのエピトープをコードするヌク
レオチド配列は、同じレプリコン又は別のレプリコン上
に存在することができる。この関係において、細胞殺害
機能は、上記に示されたもののいづれか1つであり得
る。現在、好ましい細胞殺害機能は、RI hok遺伝子によ
ってコードされるものである。 宿主細胞は、ワクチンによって免疫化される動物、た
とえばヒトに投与されるために適切であるいづれの生物
であってよい。便利には、宿主細胞は、アドヘシンの発
現のための遺伝情報を提供され、たとえば細菌は天然で
アドヘシンを発現し、これによってそれらは上皮組織の
表面に付着する。(アドヘシンは、上皮表面上に存在す
るレセプターへの細菌の付着を担当する構造体として定
義され得る。)これは宿主細胞の重要な特性である。な
ぜならば、免疫応答のタイプ、すなわち分泌IgG及びIgA
が最適である場合、それは免疫目的のために特に好都合
な特定の環境においてそれ自体を確立することができ、
従って上皮表面の卓越した保護を提供するからである。
本発明において、特定の条件が支配する特定の、制限さ
れた環境として前記に定義された“環境”とは、体の組
織及び上皮表面及びそのような表面によって定義される
体腔、たとえば消化管、口及び鼻腔、呼吸器管、泌尿管
及び生殖器管を含むことが理解されるべきであることが
注目されるべきである。これらの領域は、感染性(病原
性)物質に最初に暴露されるものと一致することを示す
ここが興味の対象である。ワクチンは、経口ワクチンと
して最っとも便利に投与され得、そして結果的に、宿主
細胞はこの場合、腸内にそれ自体を確保することがで
き、そしてその中にすでに存在する多くの生物と好結果
をもたらして競争することができるものであるべきであ
ることが現在予期される。 従って、適切な第一次宿主細胞の例として、エンテロ
バクテリアセアエ(Enterobacteriaceae)、たとえばE.
コリ又は乳酸菌、たとえばラクトバシラスアシドフィラ
ス(Lactobacillus acidophilus)、ビブリオナセアエ
(Vibrionaceae)及びプスードモナデス(Pseudomonade
s)を挙げることができる。しかしながら、それらの生
物が、腸内にそれら自体を確立することができるもので
あることは必ずしも必要でない。他の基準、たとえば組
換え技法又は酵母方法にゆだねられるためのその適性に
従って宿主生物をまた選択することができ、そして標準
のDNA組換え技法によって細胞にアドヘシンを発現する
遺伝子を付与することができ、そしてそのようにして選
択された生物は、上皮組織にそれを付着することができ
るような機能を欠失するに違いない。 免疫化のためのエピトープは、当業界でよく知られて
いる標準組換え技法(たとえばManiatisなど.,Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,1
982)に従ってレプリコン中に、エピトープをコードす
るヌクレオチド配列を挿入することによって第一次宿主
細胞に導入され得る。従って、エピトープをコードする
ヌクレオチド配列を担持するレプリコンは、宿主細胞の
表面上にエピトープの発現を確保するために、適切なプ
ロモーター、リボゾーム結合部位、翻訳開始コドン(AT
G)をさらに付与されるべきである。本発明のワクチン
の本質的な特徴は、エピトープが免疫化されるべき哺乳
類中に適切な免疫応答を誘発するために宿主細胞上に現
わされるべきであることである。エピトープが宿主細胞
の表面に自然に移される場合、そのエピトープをコード
するヌクレオチド配列は、細胞表面にトランスロケーシ
ョンされる融合タンパク質を発現するために、天然に存
在する細胞表面タンパク質、たとえばフィンブリリン
(繊毛の構造サブユニット)をコードする遺伝子中に挿
入され得る。 上記のように、本発明のワクチンの場合、細胞殺害機
能の発現は推計学的出来事によって決定される。この出
来事は、上記に説明されたように、典型的には、細胞殺
害機能をコードするヌクレオチド配列中に転写するため
のプロモーター、すなわちfimAプロモーターに関して上
記で説明されたように、オン及びオフ遺伝子の発現のそ
れぞれのレベルによって調節され得る頻度で不活性から
活性的な逆位性スイッチにゆだねられるプロモーターの
周期的な逆位性スイッチによって、引き起こされるであ
ろう。類似するプロモーターは、類似する機構によって
調節されることが推定される。これは、ワクチンが投与
される動物の満足した免疫化を得るのに必要な時間、エ
ピトープの十分な投与量レベルを維持するために、逆位
性スイッチの頻度の調製を可能にする。他方、推計学的
出来事は、上記に説明されたように、細胞殺害機能を特
定するmRNAの翻訳を阻害するアンチセンスRNAをコード
するヌクレオチド配列を転写するプロモーターの周期的
な逆位性スイッチによって引き起こされ得る。これとは
別に、細胞殺害機能の発現は、上記に説明されたよう
に、アンチセンスRNAの組換え的切断により達成され得
る。細胞殺害機能の推計学的転写機構をコードする遺伝
子(すなわちプロモーター及び場合によってはオン及び
オフ遺伝子)は、便利には、細胞からのプラスミドの損
失の結果として前記遺伝子の損失を避けるために、たと
えばバクテリオファージによって、プラスミド上よりも
むしろ宿主細胞染色体中に挿入される。逆位性スイッチ
の頻度を調節することによって、ある予定された%の宿
主細胞が、それぞれの世代で殺されるであろう。これ
は、細胞人口が、長期間にわたって、たとえば腸の天然
の細菌相と競争することができないことを確かにする。 細胞殺害機能が発現される前、そのような予定された
期間、生物体を腸の環境下で確立することによって、エ
ピトープ(これに、免疫化される体が暴露される)の量
が十分に多量であり、そして十分な期間続き、適切な免
疫化を付与するであろうことを確保することが可能であ
る。宿主細胞が宿主細胞から発現されたエピトープの性
質及び活性に依存して、15〜30日の間、定義された環境
下で十分な量存在する場合、満足する免疫化が得られる
ことが推定される。 原理的に、第一次細胞によって発現されたエピトープ
は、いづれかの病原性物質(これに対する免疫性を得る
ことが所望される)からのエピトープであることができ
る。そのような病原性物質として、ウイルス、細菌又は
真核生物、たとえば菌類又は原生動物を挙げることがで
きる。ウイルス(これから、本発明の生ワクチンに関連
して使用されるエピトープが得られる)の例として、ア
デリウィルス、ヘルペウィルス、パポバウィルス、ミク
ソウィルス、オルトミクソウィルス、パラミクソウィル
ス、ポックスウィルス、ラブドウィルス、アルボウィル
ス又はレオウィルスの種類に属するウィルスを挙げるこ
とができる。これに関する他のウィルスの種類はピコル
タナウィルス及びレトロウィルスである。ウィルスの特
定の例は、インフルエンザウィルス、パラインフルエン
ザウィルス、はしかウィルス、おたふくかぜウィルス、
ルベラウィルス、ライノウィルス、狂犬病ウィルス、HT
LV I及びIIウィルス、HIVウィルス、B型肝炎ウィルス
及び肝炎を引き起こす他のウィルス、ポリウィルス、ロ
タウィルス、レオウィルス、エプステイン−バールウィ
ルス、単純ヘルペスI及びIIウィルス、サイトメガロウ
ィルス、種々のタイプのヒト乳頭腫ウィルス、等であ
る。 本発明の生ワクチンに関連して使用されるエピトープ
を誘導する細菌の例は、腸内細菌、たとえばE.コリ,サ
ルモネラssp。たとえばS。チプヒムリアウ(S。typhi
murium),S。チピ(S。typhi),S。schottlleri及び
S.コレラエスイス(S。choleraesuis),ビブロコレラ
エ(Vibro cholerae),ジゲラ ジセンテリアエ(Seig
ella dysenteriae);コリネバクテリアム ジフテリア
エ(Corynebacterium diphteriae);マイコバクテリア
ム トベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis);
ネイセリアssp。(Neisseria ssp。),たとえばN。ゴ
ノルホエアエ(N。gonorrhoeae),N。メニンジジチス
(N。meningiditis)及びN.カタルハリス(N。catarr
halis);プスードモナスssp。(Pseudomonas ssp.),
たとえばP。アエルギノサ(P。aeruginosa);エルシ
ニアssp。(Yersinia ssp.),たとえはY。ペスティス
(Y.pestis);モラキセラssp。(Moraxella ssp.),
たとえはM。ボビス(M.bovis);スタフィロコーカスs
sp.(Staphylococcus ssp。),たとえばS。アウレウ
ス(S。aereus);ストレプトコーカスssp。(Strepto
coccus ssp.),たとえばS.プネウモニアエ(S。pneum
oniae)及びS。ピオゲネス(S。pyogenes);ボルデ
テラssp。(Bordetella ssp。),たとえばB。ペルツ
シス(B.pertussis)及びB。ブロンキセプチカ(B。b
ronchiseptica);ヘモフィラス インフルエンザエ(H
emophilus influenzae);トレポネマ パリダム(Trep
onema pallidum);及びクロストリジアムssp。(Clost
ridium ssp。),たとえばC.ボツリナム(C.botulinu
m)及びC。テタニ(C.tetani)の病原性菌株である。 病原性真核生物(このエピトープは、本発明の生ワク
チンに関連して使用され得る)の例は、菌類,たとえば
ブラストマイセス デルマチチジス(Blastomyces derm
titidis),ヒストプラズマ カプルラタム(Histoplas
ma capsulatum),コシジオイデス イミイチス(Cocci
dioides immitis),クリプトコーカス ネオホルマン
ス(Cryptococcus neoformans)及びカンジダ アルビ
カン(Candida albicans);原生動物たとえばギアルジ
ア ランブリア(Giardia lamblia);トリパノソマss
p。(Trypanosoma ssp。),たとえばT。カンビエンス
(T。gambiense),T。ロデシエンセ(T。rhodesiens
e)及びT.クルジ(T。cruzi);レイシニアssp.(Leis
hmania ssp.),たとえばL.ドノバニ(L.donovani)及
びL.トロピカ(L。tropica);エントマエバ ヒスト
ライチカ(Entamoeba histolytica);ナネグレリアss
p.(Naegleria ssp。);プラスモジウムssp.(Plasmod
ium ssp。),たとえばP,ファルシパリウム(P,falcipa
rum),P.ビベックス(P。vivax),P.マラリア(P.mala
riae)及びP。オバレ(P.ovale);及びイソスポラss
p。(Isospora ssp.),たとえばI。ベリ(I。bell
i)及びI。ヒウミニス(I。huminis)である。 エピトープが上記のように実質的に、フィンブリリン
と共に融合タンパク質として発現され、又は他の手段に
よって、たとえば組合せワクチンを得るためにシグナル
ペプチドの存在によって、細胞表面に輸送されるような
方法により、異なった病原物質からのエピトープをコー
ドする複数のヌクレオチド配列を宿主細胞中に導入する
ことによって、種々の病原物質に対する組合せワクチン
を得ることが可能であろうことがさらに企画されてい
る。この場合もまた、エピトープは、異なった繊毛の一
部として宿主細胞の表面上に暴露されるであろう。本発
明のこの態様の重要な利点は、免疫化が種々の病原菌に
対して同時にもたらされ、すなわちワクチンの1回の投
与のみが必要とされることである。 問題の動物において定義された環境から伝わる生きて
いる第一次宿主細胞(ここでそれらの存在は外の環境に
所望される)により、たとえば経口ワクチンの場合、沈
殿物により、外の環境(すなわち、本発明のワクチンに
より免疫化されるべき動物の外部の環境)を汚染するい
ずれの危険をも避けるために、それらが外の環境に伝わ
った後、宿主細胞を殺すことが可能であるべきである。
これは、宿主細胞中に追加のプロモーター(推計学的な
プロモーターとは別の)を挿入することによって達成さ
れ、ここでこのプロモーターは、活性化される場合、細
胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列中に転写し、
それによって細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配
列を担持するレプリコンを有するようになる宿主細胞又
はいづれかの他の細胞(第二次宿主細胞)の死を引き起
こす。1つの態様において、その追加のプロモーター
は、活性化される場合、推計学的出来事によって決定さ
れる発現の1つと同じ細胞殺害機能をコードするヌクレ
オチド配列中に転写する。活性化される場合、転写する
追加のプロモーターを、第一細胞殺害機能をコードする
ヌクレオチド配列と同じか又は別のレプリコーン上に挿
入される第二細胞殺害機能(これは第一細胞殺害機能と
同一である)をコードするもう1つのヌクレオチド配列
中に挿入することもまた可能であろう。この追加のプロ
モーターの活性化は、上記のように、体温(約37℃)以
下への温度の低下の結果として又は化学的誘導によって
好都合に起こる。 この方法において、本発明の生ワクチンに使用され
る、遺伝学的に製造された細菌の外部環境における非生
存性が確保される。細胞殺害機能をコードするヌクレオ
チド配列及びエピトープをコードする遺伝子が同じレプ
リコン上に存在する場合、第二次宿主細胞への組換えレ
プリコンの突然の拡散が(この場合、外部環境に見出さ
れる通常、野生型の生物)、実質的に阻害される。従っ
て、細胞殺害機能をコードするヌクレオチド配列及びエ
ピトープをコードする遺伝子の同じレプリコン上での存
在が、本発明のワクチンの好ましい態様を構成する。 上記のように生ワクチンの調製において有用であるこ
との他に、本発明の原理は、被害性病原菌に基づかれる
ワクチンの開発に適用できることがさらに企画される。
現在まで、そのようなワクチン(以下“殺されたワクチ
ン”とする)は、生ワクチンよりもより効果的でないこ
とが知られている。特定の理論に限定されないなら、本
発明は、殺されたワクチンの減じられた効率が、ワクチ
ンに使用される病原性物質が不活性化される(これは通
常、熱処理又はホルムアルデヒドによる化学的な不活性
化によってである)方法に起因することができると思わ
れる。これは、問題の病原菌の抗原構造を変性し、ワク
チンが投与される場合、不適切な免疫応答及びこのため
に不十分な免疫化を引き起こすと思われる。 この問題は、本発明の処置を利用することによって避
けられ得る。従って、細胞殺害機能をコードする1又は
それよりも多くのヌクレオチド配列を担持する病原性物
質(該物質は、1又はそれよりも多くの前記ヌクレオチ
ド配列の発現によって殺されている)を含んで成る、殺
されたワクチンを産生することが可能になって来た。こ
の方法においては、病原菌の構造は生来のまま残り、そ
の結果、理論的には、殺害性ワクチンが投与される哺乳
類のより有効な免疫化が得られるであろう。その殺害さ
れたワクチンに使用される病原菌は、生ワクチンとして
使用のために生存する非病原性宿主細胞に導入されるべ
きエピトープをコードする遺伝子を提供するような上記
に挙げられたもののいずれか1つ(又は組合せ)であり
得る。 低いが、しかし明らかな危険性の突然変異(殺害機能
をもたらす)のために、この型のワクチンは、単に獣医
学の分野に適切に使用されるものであり得る。 細胞殺害機能の発現は、たとえば調節可能なプロモー
ターによって転写のレベルで調節され得る。上記のプロ
モーターのいずれか1つが使用され得る。他方、細胞殺
害機能の発現は、たとえば細胞殺害機能を特定するmRNA
の翻訳を阻害するアンチセンスRNAによって、上記のよ
うに翻訳のレベルで調節され得る。 本発明の殺されたワクチンの特定の態様において、投
与される場合、ワクチンは、病原菌が支配される環境の
変化、たとえば温度、pH又はある化学物質の存在の変化
の結果として、体の中でも活性化される、細胞殺害機能
を挿入している生病原性物質を含んで成る。 本発明のワクチン(生又は殺された)は、医薬的に又
は獣医学的に許容される担体又はビークルと共にヒト及
び獣医学の分野における普通の実施に従って経口又は非
経口的投与のために配合され得る。 生ワクチンの経口投与に関しては、たとえば本発明の
ために有用できるように企画された多くの細菌の生存性
に有害である傾向がある胃の環境に対して宿主細胞を保
護することが好ましい。たとえば、この保護は、腸被覆
の形で提供され得る。 1.グラム陰性及びグラム陽性細菌 細菌性宿主細胞における遺伝子工学のための適切なレ
プリコンは、たとえばpBR322又はR1ランナウエイ複製プ
ラスミド(ヨーロッパ特許出願第83305438.0号,出願番
号第0109150号)をエンテロバクテリアセアエ(Enterob
acteriaceae)中で複製することができる、又は一般的
に、たとえばRSF1010に由来するプラスミド(Bagdasari
anなど.,Gene16,1981,237〜242ページ)をグラム陰性細
菌中で複製することができるプラスミド、又はたとえば
pC194及びpUB110(Lovett及びKeggins,Meth.in Enzymo
l.68,1979,342〜357ページ)をグラム陽性細菌中に複製
することができるプラスミドである。そのような細菌性
プラスミド又は本発明のそのようなプラスミドを含む細
胞を生物学的に含むために、R1 hok領域を含むDNAフラ
グメント(又はDNAフラグメント類)は、R1 hok発現が
問題の宿主細胞中に認識されることが知られている調節
可能なプロモーターによって支配されているような態様
で、レプリコン中に挿入され得、そしてそのようなプロ
モーターは、天然の又は合成のプロモーターのいづれ
か、たとえば定常期細胞におけるある遺伝子の発現を支
配するE。コリtrpプロモーター又はB。サブティリス
(B,subtilis)プロモーターである。この例に示される
ように、R1 hok遺伝子生成物は、広範囲のグラム陰性細
菌及びB.サブティリス(例16を参照のこと)において及
び従ってたぶんすべてのグラム陽性細菌において毒性で
ある。R1 hok遺伝子生成物が問題の宿主細胞に対して致
死的でない場合(生物学的封じ込めシステムを確立する
ための明確な必要条件)、R1 hok相同配列が、問題の宿
主細胞(又はひじょうに関連した細菌種)のゲノムか
ら、問題の宿主細胞(又はひじょうに関連した細菌種)
において天然に存在するプラスミドから又は細菌性ウィ
ルスのいづれかから単離され、そして続いてhok様活性
についてR1 hokの1つのE.コリ染色体相同体についての
例に記載されている例に類似する態様により試験され得
る。 R1 hok又は細菌中におけるhokに相同のヌクレオチド
配列の使用に関与する、たとえば発酵目的のための生物
学的封じ込めの確立は、次のものを含む:レプリコン及
び宿主細胞の選択;定義された環境下で選択された細胞
中に発現されないR1 hok又はhokに相同のヌクレオチド
配列中への挿入;多量産生されるべく有用な生成物をコ
ードする遺伝子(複数の遺伝子)のレプリコン中への挿
入;細菌の形質転換の標準技法によって細菌性宿主細胞
中への組換えレプリコンの導入;目的の細胞濃度を達成
するのに必要な世代数のために、問題の封じ込めシステ
ムのために必要とされるいづれかの外来性因子を含む必
要な栄養物により補足された培養培地中におけるレプリ
コン含有性宿主細胞の培養;及び最後に、細胞及び培地
(このいづれかから、問題の生成物が単離され得る)の
収穫。細胞が外部環境に偶然に放出される場合、hok又
はhok様配列の転写を調節するプロモーターが活性化さ
れ、そして細胞は、hok又はhok様生成物の発現の結果と
して殺害されるであろうし、又はアンチセンスRNAの転
写を調節するプロモーターが不活性化される。同様にそ
れらの細胞からのDNAが他の細胞(第二次宿主)に転移
される場合、hok又はhok様配列の転写を調節するプロモ
ーターが活性化され、そして細胞は殺害され、そしてこ
れはまた、hok又はhok様配列がアンチセンスRNAによっ
て調節される場合、そのアンチセンスRNAをコードする
ヌクレオチド配列を欠く細胞においても存在する。 2.酵母細胞 真核系における組換DNA技法の技術的研究は、細菌中
で実施されない又は半最適な態様でせいぜい実施される
第一次(真核性)遺伝子生成物の翻訳後変性(特定のタ
ンパク質分解切断,グリコシル化,等)を得ることが所
望される。広く使用される真核生物は、酵母サッカロミ
セス、セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)であ
り、ここで天然に存在するプラスミド、すなわち2μレ
プリコンは、S。セレビシアエ中の2μレプリコンに本
来関係しない遺伝子の発現のためのベクターとして適合
せしめられて来た。上記のように、酵母細胞及びプラス
ミドを封じ込めるためのR1 hok生物学的封じ込め機構の
原理を利用して、酵母レプリコン、たとえば2μレプリ
コン中に挿入されるべき配列を単離し又は構成すること
が可能である。 R1 hokの本来のプロモーターは、S。セレビシアエ細
胞中に利用されそうもないけれども、単に関連する生物
中におけるhok様配列の保護及びグラム陽性及びグラム
陰性細菌に対するR1 hokの毒性は、R1 hok遺伝子及びR1
hokに関連する遺伝子(たとえば、細菌プラスミドから
単離されたR1 hok又は相同遺伝子に対してその配列及び
機能レベルで相同性を示す細菌ゲノム起源のrelB−orf3
又はpar1もしくは他の遺伝子)の生成物が、酵母細胞、
たとえばS.セレビシアエを殺害するためのそれらの能力
について試験されるべきであることを仮定することを合
理的にする。実際問題として、これはhok遺伝子又はhok
様遺伝子のコード領域を単離し、そして該コード領域を
適切な調節可能な酵母細胞プロモーターに連結すること
を伴い、その得られたレプリコンは最終的に標準方法に
よって酵母細胞中に導入され、そしてhok又はhok様遺伝
子の発現の結果が調べられる。細胞の死が確実になる場
合、有用なhok又はhok様遺伝子が同定された。 他方、parB又はrelB−orf3に対する相同性により酵母
細胞からのDNA中に同定された配列が単離され、適切な
酵母細胞プロモーターに連結され、2μレプリコン中に
導入され、そしてS。セレビシアエ中にその組換えレプ
リコンを導入した後、細胞を殺害するそれらの能力につ
いて試験され得る。たとえばS。セレビシアエについて
の発現に基づいて毒性であることを示されたhok遺伝子
又はhok様遺伝子から、R1 hot系と同一の又は相同の生
物学的封じ込め系が、一般的な方法の説明で前に論議さ
れたように、調節ループ(調節可能なプロモーター又は
適切な酵母プロモーターによって調節されたアンチセン
スRNAをコードする遺伝子)を課することによって生成
され得る。その得られた調節可能な酵母hok配列又はhok
様配列は、いづれかの酵母レプリコン、たとえば2μレ
プリコン又はその誘導体に挿入され、そして該レプリコ
ン中には、天然で2μに関連しない遺伝子が、生物学的
封じ込め細胞及び/又は組換えレプリコンのために、そ
の挿入された遺伝子の発現を得る目的ですでに挿入され
ている。そのレプリコンは、形質転換又は原形質体融合
によって酵母細胞、たとえばS。セレビシアエ細胞中に
導入され得、そしてレプリコンを担持する細胞の選択の
後、これらはさらに、必要な栄養物及び問題の封じ込め
システムのために必要とされるいづれかの外来性因子に
より補足された適切な培養培地中で大規模培養により増
殖され得る。次に、問題のレプリコンを有する細胞の培
養物を収穫し、そしてそのレプリコンから発現されたい
づれか有用な生成物が、問題の遺伝子及び遺伝子生成物
に依存して、酵母細胞又は培養培地のいづれかから単離
され得る。その細胞が外部環境に偶然に放出される場
合、hok又はhok様配列の転写を調節するプロモーターが
活性化され、そして細胞は、hok又はhok様生成物の発現
の結果として殺害され又はアンチセンスRNAの転写を調
節するプロモーターが不活性化される。同様に、その細
胞からのDNAが他の細胞(第二次宿主)に転移される場
合、hok又はhok様配列の転写を調節するプロモーターが
活性化され、そして細胞は殺害され、そしてこれはま
た、hok又はhok様配列がアンチセンスRNAによって調節
される場合、そのアンチセンスRNAをコードするヌクレ
オチド配列を欠く細胞においても存在する。 3.哺乳類細胞 特定の翻訳後変性のための必要条件は、細菌又は酵母
細胞におけるよりもむしろ、哺乳類細胞におけるある真
核性遺伝子、すなわちヒト又は動物起源の発現を必要と
する。真核細胞中においてクローニングベクターとして
使用され得るレプリコンは、DNAウィルス、たとえばSV4
0及びウシ乳頭腫ウィルスからの、又はRNAウィルス、た
とえばレトウィルスからの染色体(arsレプリコン)に
由来する。これらの2種のウィルスは、感染された細胞
中においてプラスミド状態で維持されるが、ところがほ
とんどのレトロウィルス(RNA含有性ウィルス)は、ウ
ィルス性DNAゲノムの染色体組込みコピーとしてよりも
むしろ自由に複製するDNA分子として存在するために遺
伝子学的に変性される必要がある。前記レプリコン(こ
の中に、該レプリコンに本来関係しない遺伝子又は遺伝
子類が、有用な生成物の発現を得るためにすでに挿入さ
れている)を含む大規模な培養が、前記セクションで論
議したように原核ベクター上に含まれる必要があろうこ
とが推定され得る。 酵母細胞系下で記載された態様と同じ態様において、
問題の宿主細胞中においてhok又はhok様効果を及ぼす遺
伝子が同定された後、規則的に発現されたR1 hok遺伝子
を含むヌクレオチド配列又はhokに相同のヌクレオチド
配列が構成され得る。従って、第1段階は、hok遺伝子
の発現が、発現の誘導に基づいて得られ、すなわち、問
題の宿主細胞中において遺伝子の発現のために必要とさ
れるような、すべての必要な調節配列により補われるよ
うな方法により、問題の宿主細胞において複製すること
ができるレプリコン中に、細菌性プラスミド、細菌性ゲ
ノム又は酵母細胞ゲノムから(それらの起原には関係な
い)の既知のhok又はhok様遺伝子のコード配列を挿入す
ることであろう。hok又はhok様遺伝子の上流の、挿入の
ために適切なプロモーター配列は、ステロイドホルモン
により誘導可能であるマウス乳癌ウィルスLTR(長い末
端の反復配列)又は金属イオンにより誘導可能であるメ
タロチオネイン遺伝子の発現を制御する領域であろう。
細胞の死が転写の誘導に基づいて確保される場合、hok
遺伝子又はhok様遺伝子は、問題の宿主細胞のために同
定され、そしてこのhok又はhok様遺伝子から、レプリコ
ンによる生物学的封じ込めシステムが、上記のような転
写翻訳レベルの調節ループによって構成され得る。 細菌又は酵母起原の利用できるhok様遺伝子が問題の
哺乳類宿主細胞中において何の毒性効果をも及ぼさない
場合、新規のhok様配列が哺乳類ゲノム〔たとえば、テ
トラヒメナ(Tetrahymena)のミトコンドリアDNA及びヒ
ト細胞DNA中に発見される配列〕から単離され、そして
続いて、正しく発現される場合、hok様活性について試
験され得る。新規hok様配列の検出のための推薦される
方法は、上記に概略された。 従って、哺乳類細胞におけるhok様封じ込め機構の使
用は次のものを含んで成る:レプリコン、たとえばレト
ロウィルスベクターの選択及び挿入されたhok様ヌクレ
オチド配列の発現を支配する実際の配列に依存するであ
ろう宿主細胞の選択;レプリコン中に産生されるべき有
用な生成物をコードするそのような外来性遺伝子のレプ
リコン中への挿入;DNAトランスフェクション又はミクロ
−インジェクションの標準方法による問題の哺乳類細胞
型への組換レプリコンの導入;問題のレプリコンを含む
細胞の選択;有用な生成物をコードする遺伝子を発現す
る細胞の大規模培養を得るつもりで、必要な栄養物及び
増殖因子並びに問題の封じ込めシステムのために必要と
される外来性因子の添加により問題の細胞型のために適
合される培養培地中での細胞の増殖;及び最終的に、培
養物の収穫及び有用な生成物の単離。細胞が外部環境に
偶然に放出される場合、hok又はhok様配列の転写を調節
するプロモーターが活性化され、そして細胞は、hok又
はhok様生成物の発現の結果として殺害されるであろう
し、又はアンチセンスRNAの転写を調節するプロモータ
ーが不活性化される。同様に、それらの細胞からのDNA
が他の細胞(第二次宿主)に転移される場合、hok又はh
ok様配列の転写を調節するプロモーターが活性化され、
そして細胞は殺害され、そしてこれはまた、hok又はhok
様配列がアンチセンスRNAによって調節される場合、そ
のアンチセンスRNAをコードするヌクレオチド配列を欠
く細胞においても存在する。 特定の型の細胞のために適合された特定の型のレプリ
コンが上記のセクションに詳細に論議されて来たが、本
発明の封じ込め機構を用いる一般的な原理は、レプリコ
ンの型及びレプリコンを有する細胞:すなわちレプリコ
ンを有する細胞中において細胞殺害機能の発現を調節す
るように適合された調節機能及び宿主殺害機能の確立に
関係なく同じであり、その結果、細胞殺害機能が発現さ
れる条件下で、宿主細胞は殺される。 図面の説明 第1図は、parB+領域の欠失地図作成を示す。プラス
ミドR1のEcoR I−Aフラグメント内のparA+領域及びpar
B+領域の配置が黒色のボックスとして示される。EcoR I
−Aフラグメントの制限酵素部位は、国際特許出願番号
PCT/DK83/00086,出願番号WO 84/01172に記載されてい
る。parB+領域は、座標15.0及び16.9により緑どられた
1.9kbのPst Iフラグメント内に位置される。parB+領域
はさらに、880bpのRsa Iフラグメントの右側580bpに示
された。斜めの線の領域は、最小のparB+領域を示す。5
8bpのparB+領域内のhok及びsok遺伝子の位置もまた示さ
れている。λpRプロモーター及びλレプレッサー遺伝子
のcI857対立遺伝子を含むBgl II−Sal Iフラグメント
が、parBフラグメントの種々の部分を担持するpBR322誘
導体中に挿入された。その挿入されたフラグメントの位
置及びλpRからの転写の方向がparB+領域の地図の下に
示される(矢印)。pKG633,pKG634及びpKG341における
λpRプロモーターは、parB+領域中を左から右に読み、
ところがpKG171におけるλpRプロモーターは右から左に
読む。制限酵素部位は、E(EcoR I),B(Bal I),B
2(Bgl II),S(Sal I),R(Rsa I)及びP(Pst I)と
して示される。 第2図は、プラスミドpPR95(13kb)の地図を示す。c
opA,copBは、プラスミドR1の複製制御遺伝子を示し;rep
AはR1複製のために必要とされる遺伝子を示し;oriは複
製の起点であり;blaはプラスミド担持細胞上で耐アンピ
シリン性を付与する遺伝子を表わし;parBはhok及びsok
遺伝子をコードするR1由来の維持機能を表わし;deo−la
cZ′はdeoC遺伝子とlacZ遺伝子の間の翻訳融合を示す。
lacZ,Y,Aはlacオペロンを表わし;cI857はλpRプロモー
ター活性を制御する温感性λレプレッサーをコードする
遺伝子を示す。矢印は、転写の方向を示す。黒色のバー
は、種々の遺伝の延長を示す。制限酵母部位はSal I
(S),Bgl II(B2),BamH I(B)及びEcoR I(E)と
して示される。 第3a及び3b図は、parB+領域のヌクレオチド配列を示
す。上のDNA鎖の5′末端は、右に位置する。塩基の数
は、第1図におけるparB+領域の座標に従って存在す
る。Terは、50個以上のコドンから成るヌクレオチド配
列中に存在するたった3個の読み取り枠の停止コドンを
示す。+304位で始まる、hok遺伝子生成物のアミノ酸配
列がDNA配列の下に示され−アミノ酸略語は標準の命名
法である。“−10"及び“−35"と命名された下線を引か
れている配列は、sok遺伝子のためのプロモーター構造
体である。 第4図は、λpRがhok遺伝子の活性化を誘発した後の
宿主細胞の死を示す。pKG634(黒くぬられた記号)又は
pKG171(黒くぬられていない記号)のいづれかを含むJC
411株が、30℃でカサミノ酸により補われたA+B最少
培地中で指数的に増殖された。時間0で、温度が42℃に
変えられ、そして培養物の増殖は、選択培地(50μg/ml
のアンピシリンを含むLBプレート)上でのOD450及び生
存細胞数測定として表わされた。 第5図は、JC411(pKG634)株が42℃に変えられた
後、1時間後、サンプリングされた細胞の写真である。
矢印は、明らかに変えられた形態を有する細胞を示す。
正常な形態を有する細胞もまた見られる。倍率×2000。 第6図は、宿主細胞殺害の抑制を示す。pF634のみ
(黒くぬられた記号)又はpF634+pPR633(黒くぬられ
ていない記号)のいづれかを含むJC411株が、30℃でカ
サミノ酸により補われたA+B最少培地中で指数的に増
殖された。時間0で、その温度が42℃に変えられ、そし
て培養物の増殖は、選択培地(100μg/mlのカナマイシ
ンを含むLBプレート)上での光学密度(OD450)及び生
存細胞数を測定することによって示された。 第7a図は、hok遺伝子生成物及びrelB−orf3遺伝子生
成物のアミノ酸配列の比較である。保護されたアミノ酸
は、太字のタイプで示され;保存性変化を示すアミノ酸
は下線を引かれている。 第7b図は、E。コリのrelBオペロンのparB及びorf3の
ヌクレオチド配列の配置を示す(Bechなど.,The EMBO J
ournal 4,1985,1059〜1066ページ)。parB配列は上の鎖
であり、relBは下部の鎖である。垂直のバーは、保護さ
れたヌクレオチドを示す。かっこ内の数字は、Bechなど
によって与えられたような、relBヌクレオチド配列の相
関体である。これらの2種読み枠の出発コドンが同じ位
置に存在するように、これらの2種の配列が整列され、
これは+304位でMetにより指摘される。2種の読み枠の
終結コドンは+460位でTerにより指摘される。 第8a図は、R1 parBプローブを用いるフィルターハイ
プリダイゼーションによって分析された、E.コリ株から
のEcoR I−制限性合計DNA0.75μgを示す。レーン1:Rld
rd−19;レーン2;R100;レーン3:R386。これらのレーンは
30分間、感光された。レーン4:RP1;レーン5:R6−k;レー
ン6:プラスミドを含まないE。コリ。これらのレーンは
5時間感光された。適切なフラグメントのサイズは、kb
で与えられている。 第8b図は、relB−orf3プローブを用いるフィルターハ
イブルダイゼーションによって分析された、E。コリ株
からのEcoR I−制限性合計DNA0.75μgを示す。レーン
1:R100;レーン2:R386;レーン3:プラスミドを含まないE.
コリ。感光の時間:3.5時間。適切なフラグメントのサイ
ズは、kbで与えられている。 第9図は、R1 parBプローブを用いるフィルターハイ
ブリダイゼーションによって分析された、種々の細菌か
らのEcoR I−制限性合計DNA0.5〜0.75μgを示す。オー
トラジオグラムは、17時間感光された。同じオートラジ
オグラムの2種の異なった写真感光は、次の通りであ
る:レーン1:サルモレラチフィムリアム(Salmonella t
yphimurium)(このテキストには論議されていない);
レーン2:セラチア マルセスセンス(Serratia marcesc
ens);レーン3:プスードモナス フルオレスセンス(P
seudomonas fluoresens);レーン4:プスードモナス
プチダ(Pseudomonas putida);レーン5:プロテウス
バルガリス(Proteus vulgaris)(このテキストには論
議されていない);レーン6:E。コリ;レーン7:バシラ
ス サブチリス(Bacillus subtilis);レーン8:バシ
ラス サーキュランPL236(Bacillus circulans PL23
6)。放射性ラベルされたマーカー(Hind IIIにより制
限されたλ)のサイズは、kbで与えられる。 第10図は、relB−orf3プローブを用いるフィルターハ
イブリダイゼーションによって分析された、種々の細菌
からのEcoR I−制限性合計DNA0.5〜0.75μgを示す。オ
ートラジオグラムは、17時間(レーン1)及び72時間
(レーン2〜7)、感光された。レーン1:セラチア マ
ルセスセンス;レーン2:プスードモナス フルオレスセ
ンス;レーン3:プスードモナス プチダ;レーン4:バシ
ラス サブチリス;レーン5:バシラス サーキュランPL
236:レーン6,7:ラクトバシラス(Lactobacillus)。放
射性ラベルされたマーカー(Hind IIIにより制限された
λ)のサイズは、kbで与えられる。 第11図は、relB−orf3プローブ(レーン1−4)及び
R1 parBプローブ(レーン5−6)を用いて、真核細胞
からのDNAのフィルターハイブリダイゼーション分析を
示す。DNAは、EcoR I(レーン1−3及び5−6)又はP
at I(レーン4)により切断された。レーン1:テトラヒ
メナ サーモフィラ(Tetrahymena thermophila)から
の大核DNA1.5μg;レーン2:テトラヒメラ サーモフィラ
からの合計DNA2.5μg;レーン3:ピスム サチバム(Pisu
m sativum)からのクロロプラストDNA0.25μg;レーン5:
神経芽細胞からの合計の細胞性DNA5μg;レーン6:胎児の
肝臓からの合計の細胞性DNA10μg。フラグメントのサ
イズQ,kbで与えられる。 第12図は、プラスミドp341−1の部分的な地図を示
す。ここに表わされている領域は、hok遺伝子とE.コリ
K−12(プラスミドpSG8から得られた)のtrpオペロン
からのプロモーター領域との融合である。trpプロモー
ター(矢印によって示される)の他に、trpE遺伝子のNH
2終結端がまた表わされている(trpEとして示され
る)。点線は、pBR322配列を表わし、そしてこれからの
ApR遺伝子及び複製の起点が示されている。制限酵素部
位は、E1(EcoR I),B1−E5〔BamH I(DNAポリマラーゼ
Iによってフィルインされた)及びEcoR Vの融合〕及び
X−S(Xho I及びSal Iの融合)として示される。 第13図は、37℃で0.2%グリコース及び1%カサミノ
酸により補足されたA+B最少培地中で増殖されたMC10
00(p341−1)(円)及びMC1000(三角)のための増殖
曲線を示す。細胞密度はOD450として分光光度的に測定
される。 第14図は、時間の関数としての、pNL7(円)又はpBR3
22(三角)を含むE.コリHB101の生存細胞数(OD600)を
示すグラフである。外来性トリプトファンは、MA+B培
養培地に添加されなかった。 第15図は、時間の関数としての、pNL7(円)及びpBR3
22(四角)を含むE.コリHB101の生存細胞数(OD600)を
示すグラフである。5μg/mlのトリプトファンがMA+B
培養培地に添加された。 第16a図は、最小のparB+領域の欠失地図作成を示す。
数字は、第1図に示されるparB+領域の座標に従って存
在する。その領域内のhok及びsok遺伝子は、それぞれ黒
くぬられた部分及び開放部分により示されている。推定
のsokプロモーターは←として示され、そして推定のhok
Shine−Dalgarno配列は*として示される。プラスミド
pPR341及びpPR345は、pBR322の誘導体であり、これは、
それぞれ+268〜+580及び+303〜+580のparB領域を含
む。プラスミドpPR341は、hok Shine−Dalgarno配列及
びhok読み枠を担持し、ところがpPR345は、hok読み枠の
みを担持する。両プラスミドは、sok遺伝子を欠いてい
る。制限酵素部位はB1(BamH I)及びE(EcoR I)とし
て示される。 第16b図は、cro′−hok遺伝子融合の誘導のために使
用されるプラスミドpKG345の物理的且つ遺伝子的な地図
を示す。プラスミドpKG345はpPR345誘導体であり、ここ
でλpRプロモーター及びλリプレッサー遺伝子のcI857
対立遺伝子を含むBgl II−Sal Iフラグメントが、BamH
I及びSal Iにより制限されたpPR345中に挿入された。こ
の構成は、それぞれλpRプロモーター及びcro Shine−D
algarno配列の制御下でhok遺伝子の転写及び翻訳を決定
した。遺伝子融合はcro′のために開放部分として及びh
okのために斜線部分として示される。bla遺伝子、λレ
プレッサー(黒くぬられた部分)及び複製の起点がまた
示される。λpRプロモーターは←として示されそしてcr
o Shine−Dalgarno配列は*として示される。制限酵素
部位は、R(Rsa I),S(Sal I),E(EcoR I),B(BamH
I)及びB2(Bal II)として示される。 第17図は、hok遺伝子とcro′−hok+遺伝子との融合体
のλpR誘発性発現の後の宿主細胞殺害を示す。E。コリ
株MC1000〔pKG341(開放の記号)又はpKG345(黒くぬら
れた記号)のいずれかを含む〕は、30℃で、0.2%グリ
コール及び1%カサミノ酸により補足されたA+B最少
培地中で指数的に増殖された。時間0で、温度が42℃に
変えられ、そしてその培養物の増殖は、選択培地(100
μg/mlのアンピシリンを含むLPプレート)上でOD450
び生存細胞数測定として表わされた。 第18図は、プラスミドpLK26の地図である。黒くぬら
れた部分は構造遺伝子を示し;挿入体は、spac Iプロモ
ーター続いて合成リボゾーム結合部位及びポリリンカー
を示し;oriは、それぞれpBR322及びpUB110からの複製の
起点を示し;lac oはlacオペレーターを示す。 第19図は、時間の関数としての、pSI−1(円)又はp
LK26(四角)を含むB.サブチリスBD170の生存細胞数(O
D600)を示すグラフである。その細胞は、37℃で、5μ
g/mlのクロラムフェニコールを含むLB培地中で指数的に
増殖した。 第20図は、2mMのIPTGによるhokの誘発の後の殺害運動
を示すグラフである。pSI−1(円)又はpLK26(四角)
を含むB.サブチリスBD170は、5μg/mlのクロラムフェ
ニコールを含むLB培地中で増殖された。生存細胞指数測
定は、5μg/mlのクロラムフェニコールを含むLBプレー
ト上でモニターされた。 第21図は、プラスミドpPKL8(5.5kb)の地図を示す。
fimB,fimE及び切断されたfimA遺伝の位置が示されてい
る。二重矢印を含むボックスは、fimA遺伝子のプロモー
ターを含む逆位可能な300bp領域を示す。斜線部分はpBR
322のDNAを示す。 第22図は、プラスミドpPR341(4.3kb)の地図を示
す。斜線部分はpBR322のDNAを示す。 第23図は、プラスミドpPKL100(7.5kb)の地図を示
す。詳しくは第14及び第15図を参照のこと。 第24a及び第24b図は、プラスミドpPKL100を含むE.コ
リK−12株MC1000細胞の顕微鏡写真を示す。矢印は殺害
されたゴースト細胞を示す。 第25図は、プラスミドpPKL100(レーンA)及びpPKL8
(レーンB)のSac II及びSnaB Iによる消化を示す。レ
ーンCは、次のサイズを示す分子量マーカーとして使用
されたバクテリオファージλのHnid III消化物である:2
3.1kb,9.4kb,6.6kb,4.4kb,2.3kb,2.0kb及び0.56kb。矢
印は、300bpセグメントの逆位によって影響されたフラ
グメントを示す。 第26図は、プラスミドpLP4(=A),pLP(=B)及び
pLP6(=C)の地図を示す。斜線部は、pACYC184のDNA
を表わす。関連する制限部位及びfimB及びfimE遺伝子の
位置が示されている。 材料及び方法 細菌株及びプラスミド 細菌及びプラスミドは、第1表に挙げられている。 使用される実験技法は、微生物遺伝学(J.Miller:Exp
eriments in Molecular Genetics,Cold Spring Harbor,
New York,1972)及び遺伝子操作(Davis,Bothstein及び
Roth:A Manual for Genetic Engineering;Advanced Bac
terial Genetics,Cold Spring Harbor,New York,1980及
びManiatis,Firitsch及びSambrook:Molecular Clonnig,
Cold Spring Harbor,New York,1982)の分野に使用され
る標準技法であった。 すべての細胞は、グルコース0.2%及び1μg/mlのチ
アミンを含むLB培地(Bertani,J.Bact62,1951,293ペー
ジ)又はグルコース0.2%及び1%カサミノ酸により充
たされたA+B最少培地(Clark及びMaale,J。Mol.Bio
l.23,1967,99ページ)中で増殖された。使用されるプレ
ートは、LB培地及び寒天1.5%を含むLAプレートであっ
た。 透明な分解物がClewell及びHelinski,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA62,1969,1159〜1166ページによって記載され
た方法に従って調製された。 プラスミドDNAの小規模な調製が、Birnboimなど.,Nuc
l。Acids Res.7,1979,1513〜23ページの方法によって行
なわれた。 プラスミドDNAの大規模な調製及び分析がStougaard及
びMolin,Anal.Biochem.118,1981,181ページに従って、
色素浮遊密度勾配遠心法を用いて行なわれた。 制限エンドヌクレアーゼが、製造者によって提供され
た規定(Boehringer,Mannheim又はBiolabs,New Englan
d)に従って、37℃で使用された。二重及び三重の消化
が、最っとも低い塩濃度を要する酵素により開始し、そ
して次に次の酵素を添加する前、追加の緩衝液により調
整することによって行なわれた。 エキソヌクレアーゼBal31による処理は、次のように
して行なわれた:0.1単位のBgl31を、線状DNA50μgに添
加し、そしてサンプルを、1′,2′,4′,8′,16′,32′
及び60′で60mMのEDTA中に取り、フェノールにより抽出
し、エタノールにより沈殿せしめ、そしてTE緩衝液20μ
中に再懸濁した。その20μ溶液の半分を、適切な制
限酵素により消化し、アガロースゲル電気泳動にかけ、
欠失されたDNA欠失体の平均サイズを決定した。他の半
分に、適切なリンカーを添加し、そしてその混合物を、
48時間、過剰のT4 DNAリガーゼにより連結した。 制限されたプラスミドDNAの連結は、製造業者によっ
て推薦されるようにして行ない(但し、ブラント末端の
連結を除く)、ここで過剰のT4 DNAリガーゼ及びATPが
添加された。 pKG633:λレプレッサー遺伝子のcI857温度感受性対立
遺伝子及びλpRプロモーターを含むpOU82のSal I−Bgl
IIフラグメントを、parB+領域の前のpPR633中に挿入
し、その結果、λpRプロモーターは、左から右に領域中
を読む(第1図)。類似する方法において、pOU82のSal
I−Bgl IIフラグメントを、pPR634及びpPR341中に挿入
し、これらは、pKG634及びpKG341をもたらす、pPR633の
Bgl31欠失誘導体である。pKG171:pPR171において、pOU8
2のSal I−Bgl IIフラグメントを、反応の方向に挿入
し、pKG171を得た。hok及びsok遺伝子に対するその挿入
されたλpRプロモーターの位置及び方向は第1図に示さ
れる。pF634:parB+領域の右側390bp及びλcI857−pR誘
発性プロモーター系を含むpKG634のEcoR I−Sal Iフラ
グメントを、ブラント末端の連結(S1ヌクレアーゼを用
いて、制限され、ブラント末端化されたDNAフラグメン
トを製造した)によって、pML31の耐カナマイシン性(s
phA+)フラグメント中のユニークSal I部位に挿入し
た。 DNAを、製造業者によって与えられる方法に従って、
適切な制限エンドヌクレアーゼにより切断した。細胞DN
Aのためには、DNAμg当り10単位が使用された。インキ
ュベーション時間は、37℃で3時間であった。その生成
されたDNAフラグメントを、0.8ボルト/cmで18時間、Tri
s−酢酸緩衝液中、0.7%又は1%アガロースゲルを通し
ての電気泳動により分離し、そしてエチジウムブロミド
による染色により可視化した。 プラスミドの移動化 E.コリS17.1は、染色体中における、挿入された接合
性プラスミド(RP1誘導体)によって、RSF1010のような
プラスミドを移動することができる。問題のプラスミド
は、供与体を表わすS17.1に形質転換された。 供与体細胞及び受容細胞の1滴を、LBプレート(選択
されない)上で混合し、そして一晩インキュベートし
た。この得られた細胞マスから、液体懸濁液を生成し、
この希釈液を、二重選択プレート上に分散した。 1)M.J。Casabadan,S.N.Cohen,J。Molec.Biol.138,198
0,179ページ。 2)R.Simon,Biotechnology,November 1983. 3)J.Grinsted,J。R。Saunders,L。C.Ingram,R.B。Sy
kers,M.N.Richmond,J。Bacteriol。110,1972,529ペー
ジ。 4)Dubnan & Cirigliano,J。Bacteriol.117,1974,488
ページ。 5)G.Skogman,J。Nilsson,P。Gustafsson,Gene 23,198
3,105ページ。 6)Kreft et al.,in Molecular Cloning and Gene Reg
ulation in Bacilli eds。A.T.Ganesan et al.,Acdemic
Press,1982,145ページ。 7)A slight modification of pAIQ25 described in Y
ansura and Henner,Proc.Natl.Acad.Sci.81,1984,439ペ
ージ;Hennerから得られた。 染色体DNAの精製 全DNAを次のようにして細菌から抽出した。細胞を遠
心分離により収穫し、1×TEN緩衝液〔TEN=10mMのTris
(pH7.5),1mMのEDTA,0.1MのNaCl〕により2度洗浄し、
そして1mg/mlのリゾチームを含むTENの1/10体積中に再
懸濁した。37℃で30分間のインキュベーションの後、プ
ロトプラストを、ドデシル硫酸ナトリウムの添加により
分解し、1%の最終濃度にし、そしてプロテイナーゼK
を添加し、0.25mg/mlにした。その分解物を37℃で2時
間インキュベートし、そして緩衝フェノールにより2度
及びクロロホルムにより3度、連続的に抽出した。酢酸
ナトリウムを添加し、0.3Mにし、そして1体積のイソプ
ロパノールの添加によってDNAを沈殿せしめた。その沈
殿物を、96%及び80%エタノールにより数度洗浄した。
最後に、DNAを、1mMのTris,1mMのEDTA中に溶解した。 テトラヒメナ サーモフィリアBV IIからの全DNAを、
Nielsen,H.及びEngberg,J.:Biochim.Biophys.Acta 825,
1985,30〜38ページの方法に従って調製した。テトラヒ
メナ サーモフィリアBV IIからの大核を単離し(Cech,
T.R.など.:Cell 27,1981,487〜496ページ)そしてDNAを
抽出した(Maniatisなど.,1982,op.cit.,280〜281ペー
ジ)。テトラヒメナ サーモフィリアBV IIからのrDNA
を、Engberg,J。など.:J。Mol。Biol.104,1976,455〜47
0ページによって記載されているようにして調製した。 ピサム サチバム(Pisum sativum)からのクロロプ
ラストDNAを、Book jans,G。など,:Analyt,Biochem。14
1,1984,244〜247ページの方法に従って単離した。 7週の法的な中絶からの胎児の肝臓組織を、生理食塩
水中で細かく切り刻み、そしてそのDNAを、Maniatisな
ど.,1982,op.cit.,280〜281ページの方法に従って調製
した。類似する方法により、DNAを、神経芽細胞腫の患
者からの腫瘍組織検査法により単離し;その単離された
DNAは、数百倍の拡大された染色体領域を含むことが見
出され、そして同様に、腫瘍細胞は、分裂細胞の鏡検法
により、多くの染色体外ミニクロモソームを含むことが
見出された。 放射性ラベリングのためのDNAフラグメントの単離 100ミクロンのpPR95及びpBD2724 DNAを、それぞれEco
R I及びHind IIIにより消化した。そのフラグメント
を、5ボルト/cmで3時間、Tris−ボレート緩衝液中、
1%アガロースゲルを通して電気泳動により分離した。
所望のフラグメントを、製造業者の方法に従って、NA45
膜(Schleicher & Schll)上で電気溶離することに
よって単離した。65℃で1.5MのNaClによりそのフィルタ
ーを溶離することによってフラグメントを回収した後、
そのフラグメントを再びアガロースゲル電気泳動による
精製にゆだねた。 アガロースゲル電気泳動 DNAを、製造業者によって与えられた方法に従って、
適切な制限エンドヌクレアーゼにより切断した。細胞DN
Aのためには、DNAμg当り10単位が使用された。インキ
ュベーション時間は、37℃で3時間であった。生成され
たDNAフラグメントを、0.8ボルト/cmで18時間、Tris−
酢酸緩衝液中、0.7%又は1%アガロースゲルを通して
電気泳動にかけることによって分離し、そしてエチジウ
ム ブロミド染色により可視化した。 分子量マーカーを次のようにして調製した: wtλDNAを、Hind IIIにより制限し、そしてα−32P−dC
TP+非放射性dATP及びdGTPの存在下で、製造業者によっ
て推薦されるようにして、Boehringer,Mennheimからの
クレノウポリマラーゼにより末端ラベル化した。分子量
マーカーとして使用される場合、ヒトラヒメナの多くの
大核DNAが、試験レーンのDNA負荷に対応して添加され
る。 ゲルからニトロセルロースフィルターへのDNAフラグメ
ントのトランスファー 室温で15分間、0.25HのHCl中で一部脱プリンした後、
ゲル中のDNAの変性,中和及びゲルからBA85(Schleiche
r & Schll)ニトロセルロースフィルターへの続くト
ランスファーが、Maniatisなど.,1982,op.cit.,280〜28
1ページに記載のようにして行なわれた。トランスファ
ーの完結は、トランスファーの後、ゲルのエチジウムブ
ロミド染色により確められた。 放射性ラベルされたプローブの調製 900bpのparBフラグメント0.3μg及び300bpのrelB−o
rf3フラグメント0.3μgを、0.25μMのα−32p−デオ
キシシチジン三リン酸(mモル当り3000Ci)を用いてニ
ックトランスレーション(Maniatisなど.,1982,op.ci
t.)によって放射性ラベルした。取込まれなかった放射
性前駆体を、くり返しこのエタノール沈殿法によって除
去した。それぞれの調製物に、担体としてE・コリの+
RNA100μgを添加した。 プローブの比活性は、それぞれparB及びrelB−orf3フ
ラグメントのμg当り2〜3×108及び4〜5×107dpm
であった。 ハイブリダイゼーション アガロースゲルからトランスファーされたDNAを含む
フィルターを、一定に振盪しながら、37℃で18時間、ハ
イブリダイゼーション溶液を有するプラスチックバッグ
(120cm2当り10ml)中でプレインキュベートした。その
ハイプリダイゼーション溶液は、Wahlなど.,Proc.Nat
l。Acad.Sci.76,1979,3683〜3687ページから変性され、
そして38%脱イオン化ホルムアミド,0.7MのNaCl,50mMの
リン酸ナトリウム及び10×Denhardt溶液(50×Denhardt
溶液は、0.2%ウシ血清アルブミン、0.2%ポリビニルピ
ロリドン及び0.2%フィコールを含む)を含有した。 プレインキュベーションの後、変性された,放射性ラ
ベルされたプローブを、適切なフィルターに添加した。
parBプローブを用いる実験においては、ハイブリダイゼ
ーション中のフラグメントの濃度は3ng/mlであり、とこ
ろがrelB−orf3プローブは1.3ng/mlの濃度で使用され、
これらの2つの場合、等モル濃度の相補的配列が得られ
た。 ハイブリダイゼーションは、静かに振盪しながら19時
間、37℃で行なわれた。 ハイブリダイズされたフィルターを、0.4×洗浄緩衝
液により室温で20分間、1度洗浄し、そして最後に、4
×洗浄緩衝液により60℃で30分間、2度洗浄した。その
洗浄緩衝液は、0.6MのNaCl、0.1%SDS、0.1%ピロリン
酸ナトリウム、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.5)を含
んだ。オートラジオグラフ法がX線フィルムを用い、そ
してスクリーンを増強することで行なわれた。照射時間
は、図面の説明のセクションに示されている。 “フィルターハイブリダゼーション分析”は、次の操
作の順序を示す例に使用される:DNAフラグメントのアガ
ロースゲル電気泳動、ニトロセルロースフィルターへの
フラグメントのトランスファー、適切な放射性ラベルさ
れたプローブとのハイブリダイゼーション,フィルター
洗浄,及び洗浄に続くフィルターのオートラジオグラフ
法。これらの例に示されるデータは、フィルターハイブ
リダイゼーション分析によって得られたオートラジオグ
ラムを表わす。 用語“相同性”は与えられたプローブと分析される核
酸種との間の相補性の程度の存在を示すために本明細書
中に使用される。 相同性の程度は、与えられたプローブと分析される核
酸種との間に形成される二重核酸分子中における相補的
な塩基の部分とに表わされる。 検出できる相同性の最少度は、ハイブリダイゼーショ
ン中に使用される実験条件及びプローブと分析される核
酸種との特徴の関数である。 プローブDNAとフィルターに結合されたDNA種との間の
相同性の程度は、同じ条件下で100%相同の、フィルタ
ーに結合された配列に観察されたシグナル強度に対する
実際のハイブリダイゼーションシグナルの強度から推定
された。 ハイブリダイゼーションシクグナルの強度は、主に、
ハイブリダイゼーションの速度及び特異的にハイブリダ
イズするバンドに存在する、フィルターに結合されたDN
A分子の数に依存する。ハイブリダイゼーションの速度
は主に、ハイブリダイゼーションの間の相補的配列の濃
度、イオン条件、温度及びプローブDNAとフィルターに
結合された分子との間の相同程度によって決定される。
ハイブリダイゼーションの速度は、二重DNAの熱安定性
を低下せしめる非相補的配列(Bonner,T.I.など.,J.Mo
l.Biol.81,1973,123ページ)の存在により遅められ;プ
ローブとフィルターに結合されたDNAとの1%ミスマッ
チは、熱安定性において1度の減少をもたらす(Maniat
isなど.,1982,op.cit。,388ページ)。従って、ハイブ
リダイゼーション条件は、ミスマッチのレベルが検出で
きるシグナルをなお生産するであろうことを決定する。
本発明に使用される条件は、フィルターに結合されたDN
Aとプローブとの飽和を誘導しなかったことが注目され
るべきである。 ハイブリダイゼーション及びフィルターのための本発
明の条件は、同じイオン環境下で対合された二重DNAの
平均溶融温度以下の40℃である温度に、DNA二重体をさ
らすことであり、すなわちその条件は、高度の非対合性
塩基を含む二重体の検出を可能にする。この計算に使用
される公式は、Beltz,G.A.など.,Meth.Enzynol.100,198
3,266〜285ページに論議されている。 使用される条件は、100%〜80%の相同性有する二重
体から得られた最大のハイブリダイゼーションシグナル
の100%を検出し、ところが60%相同性の二重体からの
シグナルは、上記最大の強度(上記を参照のこと)の50
%であることが推定される。60%よりも低い相同性を有
する二重体は、さらに弱いシグナルを生成するであろ
う。 多くのミスマッチを有する二重体に関しては、オート
ラジオグラムの照射時間が延長され又はフィルターに結
合された相補的分子のコピー数が増加され得る場合、シ
グナルは検出できるであろう。 例1 ParB 領域の欠失マッピング(第1図参照) pPR95の構成(第2図) pPR95の構成は次のように行なわれた。プラスミドpOU
93(Gerdesら、J。Bacteriol.161,1985,pp292−98)は
プラスミドR1(第1図)のEcoR I−Aフラグメントから
導かれたparB pst Iフラグメントを含むpBR322誘導体で
ある。そのpst Iフラグメントは第1図に示すように制
限酵素Rsa Iにより便利に小さな数フラグメントに分け
られる。通常のクローニング法によりその最も大きいRs
a Iフラグメント(880bp)pBR322由来のクローニングベ
クターpHP34(PrentkiらGene 17,1982,pp189−96)のSm
a I部位に挿入しpPR13とした。pHP34のSma I部位は2つ
のEcoR I部位の両端に代えられ、それによって挿入され
た880塩基対(bp)のRsa Iフラグメントは900塩基対のE
coR Iフラグメントに変換された。そのようにして作ら
れたpPR13の900塩基対のEcoR IフラグメントはminiR1由
来のpOU82(国際特許出願第PCT/DK83/00086号、同公開
第WO84/01172号)のEcoR I部位にクローニングされpPR9
5を得た。pPR95を第2図に示した。プラスミドpOU82は
分配機能を欠いているために不安定に植え継がれている
(国際特許出願第PCT/DK83/0086号同公開第WO84/01172
号)。そして1世代1細胞につき10-2の頻度で脱落す
る。 他方pPR95は非常にまれに脱落し1世代1細胞当り10
-4をこえない頻度で脱落する特徴を有する(国際特許出
願第PCT/DK83/0086号,同公開第WO84/01172号中に述べ
られたように測定された)。それはparB+miniR1誘導体
の特徴的な脱落頻度である。このようにして完全なparB
領域はminiR1レプリコンを安定化させるフラグメントの
能力によって判断されるように880塩基対のRSa Iフラグ
メント上に位置する。 parB領域の詳細な制限酵素マッピングは次のように行
なわれた。pPR95はBamH Iによって切断され、エキソヌ
クレアーゼBal31によって処理され、次いで結合され
た。この結合の前にBamH Iオリゴヌクレオチドリンカー
が付加された。この処理によってparB領域の左側を含む
一連の欠失誘導体が得られる。その欠失の大きさはその
DNAを制限酵素EcoR IとBamH Iで処理した後、アガロー
スゲル上でDNAフラグメントの大きさを分画することに
より決定された。次にBamH Iオリゴヌクレオチドリンカ
ーの正確な挿入部はMaxamとGilbertによって述べられた
ヌクレオチド配列決定法によって決められた(Meth.Enz
ymol.65,1980,pp499−566)。このような方法でその領
域の非常に詳細な地図が得られた。さらに各々のプラス
ミド誘導体に対するparB表現型(材料と方法の項に述べ
られたようにして決められた)は解析された。pPR95の
−320から0の間の配列の欠失(第1図参照)によって
得たpPR311はparB+の表現型を変化させなかった。よっ
てpPR311の中の残る580塩基対のBamH I−EcoR Iフラグ
メントは完全なparB領域を含んでいるにちがいない。そ
の領域の中をさらに左から欠失させると完全に安定化活
性を消失する。 pPR311の580塩基対のparBフラグメントの右の部分の
欠失(第1図参照)はparB+表現型の消失となる。その
ようにparB領域はこのフラグメント端に近い位置に存在
する。 例2 parB領域のヌクレオチド配列(第3図参照) 第3図に示されたミニマルparBのヌクレオチド配列は
Maxam及びGilbertにより述べられた化学分解法(Meth.E
nzymol.65,1980,pp499−566)を用いて決められた。次
のようにparB領域の塩基配列内の必須の生物学的情報は
詳細に記載される。 実施例1で定義されたように580塩基対のミニマルpar
B領域の塩基配列(第1図参照)は第3図に描かれる。
その領域の中央と左側部分は2回対称性に富んでいる。
その580塩基対は50コドン以上からなる3つのオープン
リーディングフレームから成る。これらのリーディング
フレームの開始及び終止のコドンは第3図に示される。
その+304位から始まる+460で終わるリーディングフレ
ーの前にはイー。コリのリボソーム結合部位(Shine及
びDalgarno,Nature(ロンドン)254,1975,pp34−38)に
似たDNA配列(5′−AGGA−3′)が存在する。その部
位はmRNAの翻訳を開始するリボソームに対する認識部位
として作用することが知られている。このリーディング
フレームのポリペプチド産物は第3図のDNA配列の下に
示される。 例3 parB領域から発現される機能(第4図及び第5図参照) 一連のプラスミドが構築され、それからparB領域内の
推定遺伝子(配列から示されるような)の条件付の発現
λpBプロモーター及びλcI857遺伝子をもったフラグ
メントの挿入によって得られる。これらの挿入部は第1
図に示される。λpR温度誘発プロモーター系が選ばれた
理由は、λpRプロモーターの調節遺伝子(cI857遺伝
子)とλpRは共に単一のBgl II−Sal Iフラグメント上
に位置しているためである。さらにλリプレッサー遺伝
子のcI857対立遺伝子は高温(42℃)で挿入プロモータ
ーを誘発出来るようにする。しかし低温(30℃)で静止
又は静止に近い状態にする。pOU82のBgl II−Sal Iフラ
グメントがプラスミドpPR634とpPR341に常法のクローニ
ング法により挿入され、それぞれプラスミドpKG634及び
pKG341を得た(材料と方法の項参照)。 pKG634とpKG341をもつ細胞は30℃で正常に増殖する。
しかしながら42℃でλpRの誘発は宿主細胞の急速な死を
招く。 第4図は、致死速度(生存細胞数測定)とJC441(pKG
634)株の42℃へ温度上昇後のOD450で測定される増殖曲
線とを示す。生存細胞数は急速に減少し(半減期2.5
分)OD450の増加は止まる。反対方向(pKG171)にparB
領域を転写するλpRプロモーターの存在は細胞増殖と生
存性に影響を与えない(第4図、コントロール)。 λpRプロモーターの熱誘発後の細胞(JC411/pKG634)
の顕微鏡検察(位相差)は細胞の変形した形態を示し
た。ほとんどの物質は帯状に明らかに凝集しており、細
胞の残りの部分は透明のままである。この実例は第5図
に示される。その図には正常と変化した細胞を示した。
特徴的なparB誘発現象をもった細胞は次のようにゴース
ト細胞と名づけられる。 λpRプロモーターフラグメントは52アミノ酸のオープ
ンリーディングフレームの開始点のすぐ上流に挿入され
たので(例2参照)、+304位に開始されるオープンリ
ーディングフレームによってコードされる52アミノ酸の
ポリペプチドは細胞を死に致らせることを強く示唆す
る。したがってこの遺伝子は次のようにhok(宿主致
死)と呼ばれる。 例4 hokによって発現される宿主致死効果の抑圧(第6図参
照) ひじように毒性のある生産物が発現される遺伝子は明
らかに調節されているにちがいない。それ故hokの調節
因子も又はparB領域によってコードされたと仮定され
た。この調節ループの性質を調べる最初の試みとしてho
k遺伝子の上流にλcI857を含むpKG634のフラグメントが
ミニFプラスミドに挿入されpF634を作製した。第6図
はJC411(pF634)の致死の誘発を表わす。その図は、pB
R322に比してFは低コピー数であるのでpKG634の場合よ
り致死は幾分ゆっくりし、効果的でないことを示す。 第2のparB+プラスミド(pPR633)は次にJC411(pF63
4)株に導入され、この2重のプラスミド株によって誘
発実験がくり返された。第6図に示されるようにトラン
スに存在するparB領域はhok遺伝子の転写活性を充分抑
圧する。よってそのparB領域は宿主致死の抑制因子(so
k遺伝子)をコードする。この実験企画を1つの検出法
として用いながら、sok遺伝子の地図は次のような方法
で作製された。pF634を含む二重プラスミド株と欠失誘
導体のひとつのpPR634,pPR341,pPR154又はpPR171がそれ
ぞれ作製された。そして42℃におけるこれらの株の増殖
様式を追跡することにより、その欠失誘導体のsok表現
型は温度上昇後の増殖を測定することにより決定され
た。これらの欠失誘導体の解析によって、プラスミドpP
R634とpPR154はsok活性を発現していることが分かっ
た。それに対しプラスミドpPR341とpPR171はsok活性を
検出出来る程度には発現していない。 そのプラスミドは又はparB+に対して特徴的な不和合
性表現型について試験された(国際特許出願第PCT/DK83
/00086号,同公開第WO84/01172号参照)。そしてsok活
性を発現するプラスミドは又parB特異的な不和合性を示
すことが見出された。一方、上述のようにsok-であるプ
ラスミドは不和合性を示さない。よってparB不和合性反
応はsok活性の検出法を表わす。 hok遺伝子に対して述べられたと同様にsok遺伝子活性
に必要な領域はさらに締められた。マッピングに用いら
れたsok-の誘導体のひとつpPR171は−300から+288まで
に及ぶparB領域を含む(第1図及び第3図)。λcI857
とλpRを含む制限酵素フラグメントは、pPR171に、λpR
プロモーターがそのプラスミドのsok領域の中を読むよ
うに挿入されpKG171を作製した(材料と方法の項参
照)。 プラスミドpKG171はpOU94を含むCSH50株に導入され
た。プラスミドpOU94はプラスミド上にparB領域を有す
るために完全に安定に植え継がれるlac+parB+p15誘導体
である。その株の中に他のparB+プラスミドの導入はpar
Bから発現される不和合性のためにpOU94の不安定化を招
く。30℃においてpGK171の存在は、それほどpOU94の不
安定化を超さないが42℃では明らかに不安定性が検出さ
れた。それ故pKG171のparB領域内の右から左への転写は
incB領域(すなわちsok遺伝子)の活性化を起こす。 ここで述べられた結果はsok遺伝子の領域をさらに狭
め、+194(pPR634)と+288(pPR171)の間に位置して
いるに違いない。又sok遺伝子プロモーターは右から左
へ(hok遺伝子転写とは逆に)読み、少くとも部分的に
+288(pPR171)と+336(pPR154)の間の領域に位置づ
けられる。推定の−10配列(TATCCT)は+262位に位置
し−35配列(TTGCGC)は+285位に位置する(第3図)
(HawleyとMcClure,Nucleic Acids Res.11,1983,pp2237
−2255)、これらの配列はsok遺伝子のプロモーターを
構成すると仮定される。 例5 イー・コリ染色体上のR1 parB相同体の発見(第8a図参
照) プラスミド進化は、バクテリア染色体と自由に複製す
るDNA分子との間の遺伝情報の広はんな交換を伴なうの
で、イー・コリ染色体DNAはR1 parB配列に可能な祖先の
配列に関して解析された。 図8aの6列目にプラスミドをもたないイー・コリJC41
1からの全EcoR I開裂DNAがparBプローブに対するフィル
ターハイブリダイゼーションによって解析された(材料
と方法の項参照)、20キロ塩基(kb)のフラグメントは
むしろ弱いが明確なシグナルが見られる。このシグナル
は同時間露出した場合イ・コリDNAを含む他の列(4
列、5列)にも又検出出来る。染色体配列は、parBにお
よそ55%の相同性があると見られる。その染色体配列は
次のようにpar1と名づけられる。 重要な問題はもちろん、塩基配列のレベルでの相同性
の知見が、その相同の領域によってコードされる産物の
機能の類似性に、どの程度反映するのかということであ
る。1つの見方が実施例7でさらに扱われる。 例6 R1 parBのイ・コリ染色体相同体の遺伝的構成及びR1 pa
rBに対するその機能的関係(第7図参照) 実施例3で定義されたプラスミドR1のhok遺伝子は52
アミノ酸のポリペプチドをコードする。そのhok遺伝子
産物のアミノ酸配列を多数の既知の蛋白配列と比較し
た。驚くことにイー・コリrelBオペロン(BechらThe EM
BO Journal 4,1985,pp 1059−1066)のrelB−orf3遺伝
子によってコードされる51アミノ酸のポリペプチドはho
k産物に顕著な相同性を示した。2つの相同な蛋白のア
ミノ酸配列は第7図に表わされる。第7図は、そのアミ
ノ酸の42%(22個)が前記2つの蛋白において同一であ
ることを示す。アミノ酸の17%(9個)に関しては、1
つのアミノ酸が同じ化学的性状(すなわち、疎水性,荷
電等)のアミノ酸によって置換されていることにより、
その変化が保存されており、したがって全体の相同性は
61%になる。特に荷電アミノ酸は16位と31位のシスティ
ン残基のようによく保存されている(第7図)。 hok遺伝子及びrelB−orf3のDNA配列も又第7図に示さ
れるように比較された。次のように用いられた塩基配列
位置番号は第3図で示されたparB+配列の通りである。
+290位から+460まで、2つの配列の間に55%の相同性
がある。保存された領域は、+304から+460に位置す
る、蛋白をコードする配列の上流及び下流の塩基を含む
と第7図から思われる。そのコード領域の外側の塩基の
保存性は2つの遺伝子の調節様式もまた少くとも部分的
に保存されていることを示す。 その配列相同性が機能に類似性を反映していることを
示すために、relB−orf3遺伝子の上流λpRプロモーター
フラグメントをもったプラスミドが構築された(構築の
同様な様式の記載は実施例3のhok遺伝子のマッピング
で行なった)。 relB−orf3の中にλpRが仲介する転写が誘発されたと
き、急速な細胞死が実施例3に述べられたプラスミドpK
G341を含むバクテリアに対し観察されたと同様の速度で
見られる。同時に培養液中のすべての細胞はhok性をも
った“ゴースト”細胞に形質転換される(第5図参
照)。 よってプラスミドR1のhok遺伝子とイ・コリrelBオペ
ロンのrelB−orf3との間に構造及び機能上に顕著な相同
性がある。 例7 種々のプラスミド上のparB相同配列(第8a図参照) 種々のプラスミドをもったイ・コリの多数の株からEc
oR I開裂全DNAのフィルターハイブリダイゼーション解
析はparBグローブを用いて行なわれた(第8a図における
1〜5列)。 プラスミドR1 dra19は、parBプローブが初めからクロ
ーニングされたR1プラスミド群の1員である。R1 dra19
は細菌ゲノムにつき2コピー存在する。イ・コリ1005/R
1−dra19からのEcoR I切断全DNAは第1列に解析されて
いる。19.5キロ塩基の強くハイブリダイズするフラグメ
ントがみられる。その大きさは19.5キロ塩基R1プラスミ
ドのparB機能の遺伝子地図と一致する(国際特許出願第
PCT/DK83/00086号,同公開第WO84/01172号)。 プラスミドR100はR1の19.5キロ塩基のEcoR I−Aフラ
グメントに等しい領域内に転移因子Tn10をもつR1に近い
関係にある。そのトランスポゾンはEcoR Iの認識配列を
含む、そして結果としてさらにEcoR I部位がR1様EcoR I
Aフラグメントの中に導入され、これをR100の2つのEc
oR I A及びEcoR I−Dフラグメントに分割する(Mikiら
J.Bacteriol.144,1980pp87〜89)。R100のこれらの2つ
のEcoR Iフラグメントはヘテロデュプレックスマッピン
グによってF因子に存在する配列に相同することが見出
された(SharpらJ.Mol.Bio175,1973,p235)。12.8キロ
塩基の強くハイブリダイズするフラグメントが第8a図2
列に見られる。それによってR1とR100、及びFとの間の
相同性領域の中心となるR100のparB領域からR100のEcoR
I−Dフラグメントまで地図化される。 R100のF相同性領域内のparBの位置づけは、不和合性
群IncF Iに属するプラスミド上のparB様配列についての
検索をうながした。 IncF IプラスミドR386をもったイ・コリ株B210/R386
からのEcoR I開裂全DNAは、parBプローブを用いたフィ
ルターハイブリダイゼーション法によって解析された
(第8a図,3列)。 Fと同じ不和合性群に属するプラスミドR386は19.5キ
ロ塩基のEcoR Iフラグメントに対応するparBハイブリダ
イゼーションシグナルを与えることが見出された。この
プラスミドはゲノム当たり0.5〜1コピー存在するの
で、R100シグナルの約3分の1のシグナルが見られると
いうことは(第8a図,2列)、R1 parBとR386 parB様配列
との間の相同性の程度は55〜60%であることを示唆して
いる。 parB関連配列検索は他の不和合性群へ広げられた。不
和合性群IncPに属するプラスミドRP Iが解析された。 parBプローブによって1005(RP1)からの全EcoR I開
裂フラグメントはEcoR Iで直線化されたプラスミドに対
応するハイブリダイゼーションシグナルを与える(第8a
図,4列)。その他にpar1に対応する20キロ塩基のハイブ
リダイゼーションバンドが見られる。それは実施例5で
論述された。 RP1はグラム陰性バクテリア宿主の広い範囲に安定に
維持されているので、RP1上のparB関連配列の発見はイ
ー・コリ及びプソイドモナス・プチダ(例11)に働いて
いるR1 parB系に似たプラスミド維持系が多数の細菌宿
主に機能している可能性を示す。 さらに他のプラスミドR6−K(IncK不和合性群)は、
parBプローブにハイブリダイズするR6Kの25キロ塩基のE
coR1フラグメントが存在することによって証拠づけられ
るように、およそRP1と同じハイブリダイゼーション性
をもった配列を有することが見出された(第8a図,5
列)。 R1 parBハイブリダイズ配列の存在はR1 parBに関連す
る安定化機構の存在を反映しているかどうかを決めるた
めに低コピー数プラスミドFはいくらか詳細に解析され
た。 2つのプラスミドを安定化機能はFのゲノム内に同定
されそしてそれに対応する遺伝子〔SOP(OguraとHirag
a,Cel132,1983,pp351〜360)とccd(OguraとHiraga,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA80,1980,pp4784〜4788)〕は40.3
から49.5の地図位にわたるEcoR Iフラグメントに位置づ
けられた。 Fをもつイ・コリ1005からの全DNAのフィルターハイ
ブリダイゼーション解析は、R1 parB関連配列はFの10.
7キロ塩基のEcoR Iフラグメント(49.5〜60.2位にマッ
プされる)上に存在することがわかった。EcoR I及び/
又はBamH Iによって消化された1005(F)DNAのハイブ
リダイゼーション解析によって、55.7〜60.2位にわたる
4.5キロ塩基のBamH I−EcoR Iフラグメントにこれらの
配列をマップすることが出来る。このことはF内に第3
のプラスミド安定化機能が存在することを示す。 R1 parBプローブをハイブリダイズするFの領域は次
にバクテリオファーλベクター内にクローニングされ
た。1005(F)からのEcoR I消化DNAは分取アガロース
ゲル電気泳動法によってサイズ分画され、9.5から12キ
ロ塩基のフラグメントは電気泳動溶出によりゲルから回
収された。そのフラグメントはλL147の左右のアームの
EcoR I部位に結合され、そして試験管内パッケイジング
により感染ファージを作った(ManiatisらMolecular Cl
oning,Cold Spring Harbor,New York,1982,p256参
照)。それは次にイ・コリLE392を感染させるのに用い
られた。R1 parB関連の配列を有する組換え体ファージ
をプラックハイブリダイゼーション法で同定した。 R1 parB関連配列を含む10.7キロ塩基のEcoR Iフラグ
メントをもった組換えファージからそのフラグメントは
単離され、pUC8のEcoR I部位に挿入された。1つの得ら
れたプラスミドpNL1において、その挿入遺伝子は、pNL1
DNAのBamH Iによる切断がR1 parBハイブリダイズ配列を
もった4.5キロ塩基のフラグメントを切断するように配
置された。 pNL Iからの4.5キロ塩基のBamH Iフラグメントは単離
されR1 parBプローブをハイブリダイズする領域はフィ
ルターハイブリダイゼーション解析によって870塩基対
のRsa Iフラグメントにマップされた。その870塩基対の
Rsa Iフラグメントは単離されM13mp9のSma I部位に挿入
された。870塩基対の挿入遺伝子上にR1 parB関連配列を
もった多数の組換え体ファージはプラックハイブリダイ
ゼーション法によって同定された。挿入DNAのヌクレオ
チド配列はSangerらの方法Proc.Natl.Acad.Sci.USA74,p
p5463−5467により解析された。 組換え体ファージmpNL12の1つの一部ヌクレオチド配
列はRsa I部位から広がる402塩基対からなり、この配列
はR1 parB配列(第3図)の+178〜+580の領域に90%
相同する。またすべてのR1 parB領域の必須の性質は、
F誘導配列の中に見出される。(1)50アミノ酸の蛋白
をコードするオープンリーディングフレームはR1 hok遺
伝子に対応して存在する、(2)R1 hokのリボゾーム結
合部位は保存されている、(3)hokmRNA安定化に必須
であると信じられているR1 parBmRNAの3′非翻訳部に
対応する領域は高度に保存されている(90%相同性)、
および(4)R1−sokの推定の−10及び35領域も又保存
されている。 F由来の配列内のオープンリーディングフレーム(オ
ープン読取り枠)は、R1特異的hok蛋白とはわずかにの
み異なる50アミノ酸の蛋白の遺伝情報を指定する。第1
に、R1 hok内の2つのコドンすなわちバリン15セリン29
が欠失された。第2に、2つの保存的な置換が生じ、す
なわちロイシン16がバリンにヒスチジン39がチロシンに
置き換えられている。 明らかに、F上の、R1 hok遺伝子及びその関連配列は
共通の祖先の配列から派生し、そしてさらにR1 hokに対
応するコード領域の保存性はコードされた蛋白がFの安
定化に関係するということを強く示唆する。 F由来配列のプラスミド安定化性能を試験するため
に、Fhok様配列をもったpNL1からの4.5キロ塩基のBamH
Iフラグメントが1世代につき10-2の頻度で脱落する低
コピー数プラスミドであるpJEL82に導入された(国際特
許願第PCT/DK83/00084号,同公開第1WO84/01171号)。
得られたプラスミドpJEL82/FはpJEL82と同様、イ・コリ
HB101に形質転換された。2つの株は選択圧なしに16時
間の間培養増殖された。そしてプラスミド含有細胞(ア
ンピシリン耐性,ApR)の画分が測定された。結果は次の
通りであった。 プラスミド アンピシリン耐性細胞の% pJEL82 36.5 pJEL82/F 98.4 それ故R1 parB関連配列をもった4.5キロ塩基のBamH Iフ
ラグメントがプラスミド安定化効果を及ぼすことが結論
された。もしその安定化がFフラグメント内のhok様遺
伝子の存在によるならば、ゴースト細胞の出現が、選択
圧なしにpJEL82/Fをもった細胞を培養増殖させた場合に
予想される(例3参照)。pJEL82/Fを含む細胞の一夜培
養液中にはR1 hok誘発ゴースト細胞とは区別できないゴ
ースト細胞を約5%含むことが見出された。 フィルターハイブリダイゼーション法によるR1 parB
関連配列の証明は、Fの場合にも、機能的に同様のプラ
スミド安定化機構が存在することを示している。 例8 parB関連配列に相同するレプリコン安定化配列の検出の
ための方法としての段階的ハイブリダイゼーション法
(第8b図参照) ハイブリダイゼーションの条件は検出できるシグナル
を生ずるのに必要なプローブとフィルター結合DNA種の
間の相同性の程度を決定する(材料と方法の項における
論述参照)。したがって与えられた一連のハイブリダイ
ゼーション条件下で与えられたプローブによって検出で
きないでいて、しかしそれにもかかわらずhok様活性を
コードしているフィルター結合配列が存在するかも知れ
ない。材料と方法の中の相同性と機能に関する論述参
照。これは次の実験によって例証される。 例6に述べられたように、relB−orf3は、hokとrelBo
rf3の配列比較データと機能類似性にもとづいてR1 parB
の染色体相同性を表わす。プラスミドpBD2724に存在す
るようなrelB−orf3及びフランキング配列は、イ・コリ
染色体DNAのフィルターハイブリダイゼーション解析に
おけるプローブとして用いられた。 プラスミドpBD2724は、relB−orf3コード配列(Bech
らによって1070−1350と位置づけられた前記文献)を含
むイ・コリのrelBオペロンからのHinc II−Mlu Iフラグ
メントを含むpBR32誘導体である。第8b図3列に、プラ
スミドを持たないイ・コリからのEcoR I開裂全DNAが、r
elB−orf3プローブを用いたフィルターハイブリダイゼ
ーション法によって解析される。さきに同定されたpar1
配列(例6)に表わされそうな20キロ塩基のハイブリダ
イゼーションフラグメントの他にさらに別の16キロ塩基
のフラグメントが検出される。後者の強度は20キロ塩基
のシグナルの強度より大きいので、16キロ塩基のEcoR I
フラグメントはハイブリダイゼーションプローブとして
用いられたイ・コリrelB−orf3遺伝子をおおっているに
ちがいない。すなわち16キロ塩基のシグナルの強度から
相同性の程度を見積ることができる。relB−orf3シグナ
ルの約3分の4であるpar1ハイブリダイゼーションのシ
グナル強度は、par1がrelB−orf3に約65〜70%の相同性
のあることを示唆する。16キロ塩基のrelB−orf3をもっ
たフラグメントはparBプローブで検出されない(第8a
図,6列)ので、R1 parBはrelB−orf3に対し50%又はそ
れ以下の相同性がある。 例5において、parBプローブは、20キロ塩基染色体相
同体を検出するが前記データに従ってrelB−orf3を表わ
す16キロ塩基の相同性を検出しないことがわかった。実
施例6に述べられたように後者は発現された時hok様活
性を与えるので、par1も又hok様活性かsok様活性及び/
もしくは正しく発現されたとき両者の活性を発現すると
考えられる。 R1 parB様配列をもったプラスミドR100及びR386を含
むイ・コリのフィルターハイブリダイゼーション解析に
おいて、プローブとしてrelB−orf3フラグメントが用い
られた(第8a図、1列及び2列)。現在のハイブリダイ
ゼーション条件下では、relB−orf3プローブは、20キロ
塩基par1および16キロ塩基relB−orf3をもったフラグメ
ントだけがプローブとハイブリダイズすることが見られ
るので、これらの配列を検出しなかった(第8b図,1列及
び2列)。このことは、hok又はhok様活性を発現する領
域からのプローブと与えられたDNA種とのハイブリダイ
ゼーションが存在しないことは、問題のDNA種が、正し
く発現されればhok様活性を与えることを除外しないこ
とを示す。したがって問題のDNA種とhok又はhok様活性
を発現する領域との間の相同性を見出したことは、問題
のDNAが正しく発現されればhok又はhok様活性を示すだ
ろうことを強く示唆する。 それ故上のデータはhok/sok様活性を与える領域を探
索する有用な戦略であることを示す。hok又はhok様遺伝
子(例えばR1 parB)から成る核酸の領域を表わすプロ
ーブは、問題のゲノム(例えば染色体DNA又はプラスミ
ドDNA)内の相同配列(例えばpar1)を検出するのに用
いられる。そのゲノムは次に正しい実験組立ての中でho
k又はhok様活性に対し試験される(relB−orf3領域に対
してなされたように)。そしてもしそのような単一もし
くは複数の活性がコードされることが示されるならば、
次にそれ自身をプローブとして新規の相同配列を見つけ
るために第2回目のハイブリダイゼーションに用いられ
る。その新規の配列は第1回目のハイブリダイゼーショ
ンで用いられたプローブに対しては関係するかも知れな
いし関係しないかもしれない(例えばR1 parB)。核酸
ハイブリダイゼーションと単離された核酸配列の機能検
定を結びつけるこの段階法は、イ・コリからどんどん分
離されるゲノム中のhok又はhok様活性を発現する遺伝子
の探索に一般的な戦術として採用されることができる。 例9 細菌におけるparB関連配列の検出(第9および10図参
照) 前記実施例において1)R1−parBに関連する配列は、
グラム陰性菌から単離された細菌プラスミドの中に広く
分布する、および2)R1 parB関連配列はイ・コリの染
色体DNAの中に存在することが証明された。これらの発
見は、これらの生物に自然に存在する染色体DNA又はプ
ラスミドの部分として、R1 parB又は種々の細菌からのD
NA中の染色体の片割れの1つ(イ・コリrelB−orf3)に
関連する配列の検索をうながした。 セラチア・マルセセンスからのEcoR I開裂DNAについ
てのR1 parBプローブを用いたフィルターハイブリダイ
ゼーション解析は、4.1、2.9及び2.5キロ塩基の3つの
フラグメントの強いハイブリダイゼーションを示す(第
9図,2列)。4.1キロ塩基のフラグメントだけはrelB−o
rf3プローブにもハイブリッド形成する(第10図,1
列)。parBプローブはさらに6つのフラグメントとハイ
ブリダイズする。これらのシグナルの2つは、イ・コリ
DNAにおけるrelB−orf3をもった16キロ塩基フラグメン
トから由来するparBシグナルより強い(第9図,6列)。
セラチア・マルセセンスDNAのイ・コリrelB−orf3プロ
ーブとのハイブリダイゼーションは多数の弱いハイブリ
ダイゼーションシグナルを生じる。アガロースゲル電気
泳動ではどれも高コピー数プラスミドであることを示さ
なかったけれども、2.5、2.9及び4.1キロ塩基の強くハ
イブリダイズするバンドはプラスミド由来である可能性
がある。 プソイドモナス・フルオレセンスはこの種のプラスミ
ドをもたない一員として解析された。プソイドモナス・
フルオレセンスからのDNAのR1 parBとのハイブリダイゼ
ーション(第9図,3列)は8〜10個のハイブリダイズす
るフラグメントを示す。そのうち4つはR1 parBの感染
体片割れの約33%の強度のシグナルを表わす(第9図,6
列)。また約13キロ塩基のこれらのフラグメントの1つ
のシグナルはおそらくイ・コリrelB−orf3プローブとハ
イブリダイズする(第10図,2列)。さらにrelB−orf3の
プローブは低いシグナル強度だけど5つのフラグメント
を明確に同定する。5.5及び5.6キロ塩基のこれらの2つ
は、このDNAがrelB−orf3プローブを用いて解析された
時(第10図,3列)プソイドモナス・プチダからのDNA中
にも見られる。そのrelB−orf3プローブはプソイドモナ
ス・プチダDNAの中の他の5フラグメントにハイブリダ
イズするが、これらのフラグメントのどれもR1 parBプ
ローブによっては認識されない(第9図,4列)。プソイ
ドモナス・プチダDNAにおいてparBプローブは低いシグ
ナル強度の約10個のフラグメントと約7.3キロの塩基の
1個の全く強くハイブリダイズするフラグメントとを検
出する。 グラム陽性菌中でビイ・サブチリス、ビイ・シルクラ
ンス(B.circulans)PL236及びラクトバチルス(Lactob
acillus)の2株は、R1−parB又はイー・コリrelB−orf
3に関連する配列の存在に関して解析された。 parBプローブの場合に、5.2キロ塩基の1個の全く強
くハイブリダイズするフラグメントは、ビイ・シルクラ
ンスからのDNAの中に見出された(第9図,8列)。ビイ
・シルクランスDNAのいくつかの他のフラグメントから
ひじょうに弱いシグナルが得られた。relB−orf3プロー
ブによって、限られた数のハイブリダイゼーションフラ
グメントがビイ・サブチリス(第10図,4列),ビイ・シ
ルクランス(第10図,5列)及びラクトバチルス(第10
図,6と7列)からのDNAの中にみとめられた。relB−orf
3ハイブリダイズフラグメントの数は6から11の範囲に
あり、すべてほとんど同じシグナル強度を有する。ラク
トバチリス属の細菌においてアガロースゲル電気泳動
は、少くともいくらかのハイブリダイズ配列がプラスミ
ド由来である可能性を示唆するプラスミドの存在を証明
した。ビイ・シルクランスPL236においてプラスミドの
探索は、R1−parBプローブとハイブリダイズするビイ・
シルクランスDNA配列が(第9図,8列)染色体由来であ
るということについては否定的な示唆を与えた。 上記実験は、R1 parB及び又はイ・コリrelB−orf3に
関連する配列が、細菌種の中にそのプローブが導かれた
エンテロバクテリウム属の細菌だけでなくグラム陽性菌
にも広く分布していることを示す。 例10 真核細胞内におけるparB関連配列の検出(第11図参照) 単細胞真核生物すなわち繊毛のある原生動物テトラヒ
メナ・テルモフィラが研究された(第11図)。この生物
は、1)細胞当りのミトコンドリアDNA分子数が多いこ
と、および2)リボソームRNA遺伝子の約12000コピーが
自己複製するリボソームDNA分子上に存在することを特
徴とする。R1 parBプローブもイ・コリrelB−orf3プロ
ーブも、単離された大核から作られたDNA中のいかなる
フラグメントも検出しない(第11図,1列)。またそれら
プローブは、単離されたrDNAの2つのEcoR Iにもハイブ
リダイズしない(第11図,3列)。ミトコンドリアDNAを
含むテトラヒメナ・テルモフィラからのEcoR I切断全DN
Aは、relB−orf3プローブとハイブリダイズする、6.6及
び3.3キロ塩基(第11図,2列)の2つのフラグメントを
示す。一方parBプローブはいかなるシグナルも生じなか
った。そのハイブリダイズするフラグメントはミトコン
ドリアDNAの2つのフラグメントと共に移される。その
ことはDNAトランスファーの前にゲルをエチジウムブロ
マイドで染色することによりたやすく検出される。 えんどう〔ピスム・サチブム(Pisum sativum)〕か
らの葉緑体DNAは制限酵素Pst Iで開裂され、0.12μgが
parB及びrelB−orf3プローブを用いるフィルターハイブ
リダイゼーション法によってい解析された(第11図,4
列)。後者のプローブは約16キロ塩基のフラグメントに
ハイブリダイズする。 最後にヒト細胞DNAの2検体が、EcoR I開裂後フィル
ターハイブリダイゼーション法によって解析された。R1
parBプローブは、神経芽細胞DNA(第11図,5列)及び胎
児肝DNA(第11図,6列)に弱いハイブリダイゼーション
シグナルを得た。肝組織の高いミトコンドリア含量は、
第11図,6列に観察されるシグナルがヒトミトコンドリア
から由来していることを示すものである。他のハイブリ
ダイゼーション解析が染色体外ミニ染色体(“doublemi
nutes")の存在に導く小さな染色体領域の選択的な増幅
を示したので、神経芽細胞DNAが解析された。第11図,5
列のハイブリダイゼーションシグナルの起源はわからな
い。 同時に、培養中の細胞のすべては、hok特性の“ゴー
スト”細胞中に形質転換される(第5図を参照のこ
と)。 従って、構造及び機能の両レベルで、プラスミドR1の
hok遺伝子とE・コリrelBオペロンのrelB−orf3との間
で著しい相同性が存在する。 例11 trp−hok融合体の構成 プラスミドpPR341は、天然のプロモーターを含まない
parB領域からのhok+遺伝子を担持する(第1表及び第3
図を参照のこと)。プラスミドpSGS8は、pBR322中に挿
入されたEcoR Iフラグメント上にtrpオペロンを担持す
る。trpプロモーターを担持するpSGS8からのXho I−Eco
R Vフラグメント(約700bp)を、まずBamH I(この部位
は、クレノウポリマラーゼによるフィルーイン反応を通
して平滑末端化された)により、そして次にSal Iによ
り消化されたpPR341中に、連結することによって挿入し
た。この挿入は、転写がhok遺伝子に入るであろう方向
にtrpプロモーターを配置した。MC1000への形質転換の
後、アンピシリン含有のLBプレート上でコロニーを選択
し、そして続いて、そのコロニーを、ロイシン及びアン
ピシリンを含むA+B最少プレート上での増殖について
試験した。トリプトファンの不在下で、trpプロモータ
ーが誘発され、そしてhok遺伝子中への転写は、致死的
であるように思われた。従って、最少プレート上で増殖
しなかったクローンについてスクリーニングした。プラ
スミド、p341−1を含むそのようなクローン(正しい挿
入を有することが制限酵素地図によって示された)の1
つを、さらに分析するために選択した(第12図を参照の
こと)。 例12 p341−1を含む細胞の増殖 MC1000(p341−1)を、0.2%グルコース及び1%カ
サミノ酸を供給されたA+B最少培地中で増殖した。カ
サミノ酸はひじょうに少量のトリプトファンを含み、そ
の結果、ある細胞密度で、その培地はトリプトファンを
欠失するであろうことが推定される。この状況は、希少
アミノ酸であるトリプトファンの制限された供給によ
る、自然環境下での増殖によく似ている。第13図に見ら
れるように、プラスミド担持の株(hok+)の初期増殖速
度は、プラスミドを含まないMC1000株の速度と同一であ
る。しかしながら、約UD450=0.8の細胞密度で、MC1000
(p341−1)の増殖は突然停止し、hok遺伝子の誘発を
示し(細胞の顕微鏡試験によって確認された)、ところ
がプラスミドを含まない株は増殖し続ける。この点及び
1時間後でのMC1000(p341−1)からの生菌数計測は、
生存性において劇的な減少を示す(10-4以下)。結論と
して、E・コリK−12株におけるp341−1の存在は、増
殖培地中におけるトリプトファンの存在に依存する増殖
及び生存性を導びく。アミノ酸が環境から使い尽くされ
る場合、増殖はすぐに停止し、そして細胞は殺される。 例13 生物学的封じ込めシステムの構成におけるR1 hok相
同体の使用 F hok遺伝子(例7を参照のこと)及びtrpプロモータ
ーを組合せ、生物学的封じ込めシステムを生成した。例
7に記載されたpNL1からの、R1 parBプローブをハイブ
リダイズする850bpのRsa Iフラグメントを、Sma Iによ
り制限されたM13mP11中にクローン化した。組換え体、m
PNL4を同定し、ここでF hokのリボゾーム結合部位及びF
hokのコード領域を、約300bpのFsp I−EcoR Iフラグメ
ントとして切り出すことができた。この約300bpのフラ
グメント、trpプロモーター及びtrpEの初めの部分を含
むpSGS8の550bPのEcoR V−Xho Iフラグメント及びbla遺
伝子を担持するpBR322の3.7kbのSal I−EcoR Iフラグメ
ントを連結し、pNL7を生成した。この構成体において、
trpプロモーターはF hok中に転写するであろう。そのプ
ラスミドpNL7は、正しい制限酸素パターンを有し、そし
てpNL7により形質転換されたE.コリHB101は、例12にお
いてp341−1形質転換体について記載したように,トリ
プトファンを含まないプレート上で増殖阻害を示す。 pNL7上でのF hok遺伝子の発現によって引き起こされ
る最大の誘発性細胞死が、pNL7,HB101(pNL7)により形
質転換されたE.コリHB101について決定された。細胞を
変性されたA+B(MA+B)中で増殖した。該培地は、
チアミン,ロイシン,プロリン,0.4%グルコース,1%カ
サミノ酸及びアンピシリン(50μg/ml)によりそしてさ
らに種々の濃度(0〜200μg/ml)でのトリプトファン
の添加により補充されたA+B培地を含んで成る。細胞
は、初期に指数増殖され、この時点で100μg/mlのイン
ドールイルアクリル酸(IAA)が添加され、そしてこの
物質はレプレッサーに結合するためにトリプトファンと
競争し、従ってレプレッサーの不活性化を導びく。ml当
りの生存細胞の数を、IAAによる誘発の後、30分で、50
μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にIAAにより
処理された培養物のサンプルをプレートすることによっ
て決定した。E.コリHB101(pBR322)は、これらの実験
で対照として働く。IAA添加に基く最大の殺害効果が、
5〜10μg/mlのトリプトファンで観察され、HB101(pNL
7)の生存フラクションは、1.4×10-4であった。対照の
細胞は、IAA添加によって影響されなかった。 5μg/mlのトリプトファンを含む上記培地中において
増殖されたHB101(pNL7)のIAA誘発性殺害の運動学は、
0〜15分間(この時点で生存フラクションは、10-3より
も少ない)指数増殖を有する二段階増殖であり、そして
第二直線増殖が90分続き、この段階は、10倍又はそれ以
上生存フラクションをさらに減じる。 トリプトファンの消耗及び従ってtrpプロモーターの
活性化を導びく条件下でE.コリHB101(pNL7)を増殖す
ることによって刺激性開放実験を、行なった。細胞を、
トリプトファンが添加されていないか又は5μg/mlのト
リプトファンにより補充されたMA+B培地中で増殖し
た。ml当りのOD600及び生存細胞が得られた。対照はHB1
01(pBR322)であった。 1つの実験においては、トリプトファンが増殖培地中
に存在せず、そして第14図に示されるように、HB101(p
NL7)のOD600は、対照培養物よりもゆっくりした速度で
わあるが、数時間、指数的に増大するが、しかし細胞数
における対応する増大は見られなかった。顕微鏡観察に
よれば、pNL7により形質転換された細胞の細胞サイズは
この期間大きくなった。生存細胞数は低くならなかった
ので、低いが、しかしまずまずのF hokの発現が生じた
ことが推定される。トリプトファンの消耗の後、HB101
(pNL7)の殺害が観察され、そしてその生存フラクショ
ンは2×10-3であった。 2番目の実験において、HB101(pNL7)及びHB101(pB
R322)を、5μg/mlのトリプトファンにより補充された
MA+B培地中で増殖した。第15図から明らかなように、
この2種の株は、OD600によって決定される場合、この
実験の第1段階の間、全く同じの世代時間を有し、そし
てこの実験において、HB101(pNL7)培養におけるOD600
の上昇は、細胞数における指数的上昇をもたらした。従
って、E.コリ内でのF hok系のほんの少しの存在は、ト
リプトファンが増殖培地に存在するかぎり、細胞増殖に
影響を及ぼさない。トリプトファンの消耗の段階で、F
hokが、細胞の殺害をもたらすtrpプロモーターの抑制解
除によって発現され、その結果、生存フラクションは、
1時間内で10-3に減じられる。 F hokに関する上記構成法を用いる場合、実質的なフ
ラクションの細胞が、殺害機能の発現の誘発にもかかわ
らず残存している。これは、原理的には、次のようない
くつかの要因の組合せによるかも知れない:pNL7の構造
的な不安定性,hokタンパク質の毒性効果へのHB101(pNL
7)の適合性,集団中でのプラスミドを含まない細胞の
選択,trpアテニュエーターが存在するような誘発性状態
及び低コピー数の細胞の選択においてさえ、比較的低レ
ベルの転写の組合された効果による、個々の細胞におけ
るF hokの不十分な発現。 この問題に近づくために、90分間のIAA誘発性F hok発
現又は外部から添加されたトリプトファンによる又はそ
れによらない増殖後、トリプトファンの消耗によるhok
発現の誘発のいづれかによるE.コリHB101(pNL7)の生
存性を分析した。この消耗実験からの生存細胞を、第14
及び第15図におけるOD600曲線の偏向後、1時間でサン
プリングした。これらの3種の場合、試験されたすべて
の生存コロニーは、50μg/mlのアンピシリンに耐性であ
るが、しかしトリプトファンが添加されなかった(第14
図)消耗実験からの生存コロニーは、500μg/mlのアン
ピシリン耐性細胞の50%減少を示した。従って、hokタ
ンパク質の連続した低レベル発現は、低プラスミドコピ
ー数の細胞の選択を導びくことができる。これらの3種
の誘発実験のそれぞれからの12個の耐アンピシリンコロ
ニーを、50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地中で増殖
し、この初期の指数増殖期で、IAAを添加し、100μg/ml
にした。ml当りの生存細胞の数を、IAAの添加後、90分
で測定した。すべての36の実験において、予定された殺
害が観察され、すなわちそれらの生存フラクションは10
-3〜10-4であった。従って、F hok系の誘発に基づくHB1
01(pNL7)の生き残りは、hokタンパク質の発現のレベ
ルが限界値を越えない細胞の選択、たとえば低いプラス
ミドコピー数の細胞の選択によることが決定される。従
って、hokに基づく生物学的封じ込めシステムの効率
は、より強いプロモーターを交換し及び/又はhok mRNA
の翻訳効率を高めることによって、さらに改良され得
る。 例14 hok遺伝子の発現に対するλPRプロモーターの効果 エキソヌクレアーゼBal31によるpPR633の処理は、par
B領域のコード鎖の5′末端における一連の欠失(これ
らの2つは第16a図に示されている)をもたらした。プ
ラスミドpPR341は例3に記載されている。プラスミドpP
R345は、parBの+303〜+580領域を含み、そしてこれ
は、hok遺伝子の読み枠を含む(第3図を参照のこ
と)。欠失は、hok遺伝子を発現するためにプロモータ
ーもShine−Dalgarno配列も付与しない。Sal I及びBam
H Iにより制限されたpPR345中へのλPRプロモーター及
びλレプレッサー(cI857)を含むBal II〜Sal Iフラグ
メントのクローニングは、プラスミドpKG345(第16b
図)をもたらした。λPRの誘発(42℃で)は、急速な宿
主の殺害をもたらし、そしてこれは、誘発される場合、
pKG345がhok+表現型を示し、そしてその効果が、前の構
造体に比べて増大せしめられたことを示した。 より精密な分析によれば、その構造体は、λフラグメ
ントのcro′遺伝子がhok遺伝子に融合したことを示し
た。これは、hok遺伝子がλPRプロモーター及びcro′Sh
ine−Dalgarno配列から発現せしめられた融合体をもた
らした。従って、高められた宿主殺害効果は、hokの天
然のリボゾーム結合部位に比べて、cro′Shine−Dalgar
noからのより効果的な翻訳による。 第17図は、cro′−hok融合体によって発現された高め
られた殺害効果を示す。その殺害速度(生存細胞数測
定)及び増殖(OD450)は、pKG341又はpKG345のいづれ
かを含むE.コリ株MC1000を42℃に移した後、示された。
OD450の上昇は停止し、そして生存細胞数測定は両培養
において急速に低下するが、しかしcro′−hok融合体の
宿主殺害効果は、hokのみと比べてより明確である(pKG
345のための半減期は1時間である)。 例15 trp−hok封じ込め系を担持するプラスミドの生物学的封
じ込め 自然環境におけるプラスミドのトランスファーは、組
換えDNA用途に関連して、高く不確実な危険要因であ
る。従って、プラスミドは、それらが、トランスファー
の後、新しい宿主細胞の殺害を誘発するであろう機能を
担持する場合、より安全に使用されるべきである。他の
細菌種のための殺害因子として、hok遺伝子生成物の可
能性を調べるための試みにおいて、p341−1及び広宿主
範囲の可動性プラスミドRSF1010の耐カナマシン誘導
体、pBOE93の融合プラスミドが構成された。このハイブ
リッド(EcoR I−EcoR I融合体)を、E.コリS17.1(染
色体中に挿入された接合プラスミドRP1誘導体を含む)
に形質転換せしめた。一連の可動性実験において、p341
−1−RSF1010が、S17.1からそれぞれE.コリ1005、セラ
チア マルセスセンス(Serratia marcescens)及びプ
ス−ドモナス プチダにトランスファーされた。pBOE93
及びpBR322と融合したpBOE93のトランスファーを対照と
して行なった。 第2表に示された結果は、すべてのプラスミドがS17.
1から1005へ、等しい頻度でトランスファーされたこと
を示し〔それは、1005(p341−1−RSF1010)トランス
接合体がトリプトファンの不在下で殺されたことを示
す〕。 ベクタープラスミドは、ひじょうに高い頻度で、S.マ
ルセスセンス及びP.プチダにトランスファーされ、とこ
ろがp341−1−RSF1010は、たとえトリプトファンがそ
の間ずっと存在したとしても、104倍以下の低い頻度で
これらの両細菌にトランスファーされた。従って、hok
遺伝子生成物は、ひじょうに遠い関係にあるP.プチダ種
のためにさえ致死的であり、そして両生物体において、
trpプロモーターのためのE.コリの調節システムは、S.
マルセスセンスがE.コリに近い関係にあるけれども、不
明である。これは、E.コリのプラスミドを受ける可能性
を有する、自然環境中の大多数の細菌が、trp−hok融合
体が存在する場合、トリプトファンの外部からの濃度に
関係なく殺されるであろうことを示す。例16 グラム陽性細菌のための生物学的封じ込めシステムの構
成:適切な殺害機能としてのhokの同定 これまでの例において、封じ込めシステムの構成のた
めのR1 hok及び相同遺伝子の使用は、広範囲のグラム陰
性細菌についてこれまで記載されて来た。しかしなが
ら、発酵におけるグラム陽性細菌の広範囲にわたる使用
及びグラム陽性細菌が計画的な放出に使用することがで
きる表示は、グラム陽性細菌のための生物学的封じ込め
システムの開発を必要とする。グラム陰性細菌のために
上記システムに類似する封じ込みシステムを構成するた
めの必要条件は、グラム陽性細菌に影響を及ぼす細胞殺
害機能が、同一のものとして認められ得ることである。
R1 hokタンパク質は、広範囲のグラム陰性細菌において
毒性であるので、グラム陽性細菌におけるhokタンパク
質の可能性ある毒性効果が調べられた。 予備実験は、R1 hok遺伝子からの生来のプロモーター
及びリボゾーム結合部位がB.サブチリスにおいてhokの
発現を促進しないことを示した。 B.サブチリスにおけるhokの発現を得るために、hokの
ためのコード配列を、B.サブチリスにおいて機能的であ
ることが知られているプロモーター及びリボゾーム結合
部位を含む発現ベクター中に挿入した。プラスミドpS I
−1はpAIQ25(Yanzura及びHenner,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA81,1984年1月、439〜443ページ)の変性体であ
り、ここでPpac-I-プロモーター及びペニシリラーゼ遺
伝子は、spac−Iプロモーター、続いて合成リボゾーム
結合部位(AAGGAGGTGATC)及びポリリンカーによって置
換されている。pS I−1のポリリンカー中に挿入された
遺伝子は、IPTGが増殖培地に添加される場合、そのプラ
スミド上にlacオペレーター及びlac I遺伝子の存在によ
り発現されるであろう(Yanzura及びHenner,op.ci
t.)。pS I−1ベクター中へのR1 hokのクローニングの
前、hok遺伝子を次のようにして変性した。N−末端hok
コード領域に対応し、そしてXba I(5′)及びSau III
A(3′)切断に対応するオーバーハングを有する二重
鎖オリゴヌクレオチドを、β−LINKシアノエチルフォス
フォラミジテ合成方法を用いて、CycloneTMDNAシンセサ
イザー(Biosearch Inc.,New Brunswick,USAから入手で
きる)によって合成した。そのオリゴヌクレオチドは、
3つの位置でR1 hok配列と異なり、1つの結果はHind I
II認識部位の形成である。 オリゴヌクレオチド、すなわちhokコード配列のC−
末端部分に対応する250bpのSau IIIA−Pat Iフラグメン
ト〔pUC9組換え体(これからhok遺伝が種々の制限酵素
により切断され得る)に由来された〕及びXba I及びPst
Iにより制限されたpUC18から成る連結反応を用いて、
E.コリDH5a(Bethesda Research Laboratories,USAから
入手できる)を形質転換し、50μg/mlのアンピシリン、
0.004%X−Gal及び1mMのIPTGを含むLBプレート上で選
択した。白色のコロニーの1つから、プラスミドpLK24
を単離した。このプラスミドは、制限酵素分析によって
決定される場合、予定される物理的地図を有する。その
合成オリゴヌクレオチドに由来するpLK24の領域を、hok
遺伝子のコード領域の再確立を確認するために配列決定
した。 pS I−1中に変性されたhok遺伝子を挿入するため
に、pLK24からの300bpのhok担持のXba I−Pst Iフラグ
メントを単離し、そしてXba I及びPst Iにより制限され
たpS I−1に連結し、そしてその連結反応を用いて、Sa
daie及びKada,J.Bact.153,1983年2月、813〜821ページ
に記載の方法に従って適切なB.サブチリスBD170細胞を
形質転換し、そして続いて、クロラムフェニコール(5
μg/ml)を含むLBプレート上で選択した。この構成法
は、pS I−1の合成リボゾーム結合部位から11bpの距離
にATG開始コドンの位置を定めるので、耐クロラムフェ
ニコール性コロニーを、hokがB.サブチリス中で活性で
ある場合、ImMのIPTGを含むLBプレート上にその形質転
換体をプレートすることによって、増殖の阻害、すなわ
ち推定される表現型について分析した。増殖阻害は、試
験された形質転換体の約半分で観察された。そのような
形質転換体の1つ、すなわちBD170(pLK26)を、さらに
分析した。 BD170(pLK26)から単離されたプラスミドDNAは、推
定される物理的地図(第18図)を示し、そして従って、
それは構造的に安定しているように見えた。 B.サブチリス中におけるR1 hok遺伝子生成物の毒性を
試験するために、BD170(pLK26)及びBD170(pS I−
1)を初期の指数増殖期(OD600)(この時点でIPTGを
添加し、2mMにした)にLB培地中で増殖せしめた。これ
は、pS I−1のspac−Iプロモーターを誘発せしめる。
ml当りのOD600及び生存細胞を、この実験の間、測定し
た。第19図に見られるように、2種の培養物の増殖速度
は、IPTGの添加の前は同一であり、すなわちB.サブチリ
ス内のhok遺伝子の単なる存在は、細胞増殖に影響を及
ぼさない。IPTGの添加後、BD170(pLK26)培養物のOD
600は、IPTG処理の初めの1時間の間2倍になり、続い
ての期間、OD600の上昇は存在しなかった;これはE.コ
リにおけるhok効果のために観察されるパターンに相当
する。生存細胞数測定は、BD170(pLK26)培養物へのIP
TCの添加後、すぐに減少し(第20図)、その生存フラク
ションは0.25であった。IPTG添加の効果は対照に対して
は見られなかった。IPTGの添加の後、1時間でのBD170
(pLK26)の位相差鏡検法は、約5%のゴースト細胞の
出現を示した。hok発現のIPTG誘発で1.5時間生存する細
胞が、IPTGによる再誘発に対するそれらの敏感性につい
て試験された。生存細胞からのすべての25個のコロニー
は、1mMのIPTGを含むLBプレート上で増殖阻害を示し
た。 hok遺伝子生成物がグラム陽性細菌に対して毒性であ
り、そして従って、それは本発明に記載の方法に従って
生物学的封じ込めシステムを構成するために使用され得
ることがこれらの結果から明確になる。生存フラクショ
ンが0.25に相当する発見は、この報告を無価値にする。
なぜならば、生存細胞は、主にhok遺伝子の不十分な発
現によるものであると思われるからであり、この特徴
は、たとえばより強いプロモーター又は他の標準方法を
用いることによって改良され得る。 例17 fim及びhokシステムの組み合せによって得られた推計学
的な殺害効果 E.コリK−12における推計学的殺害効果が、E.コリに
おけるタイプ1繊毛の周期的発現を特定するfim遺伝子
クラスターの一部に関連するhok遺伝子を担持する組換
えプラスミドによって得られた。 プラスミドpPKL8(第21図)は、fimA遺伝子のための
プロモーターを含む、300bpの逆位可能なDNAフラグメン
トを担持する。このプラスミドはさらに、2種の調節遺
伝子fimB及びfimE(それぞれ“オン”及び“オフ”遺伝
子、Klemmなど.,Mol.Gen.Genet.199,1983,410〜414ペー
ジ;Klemm,Embo J.5,1986,1389〜1393ページ)を含む。
プラスミドpPR341(第22図)は、すでに前に説明された
(Gerdesなど.,Proc.Natl.Acad.Sci USA83,1986,3116〜
3120ページ)。 pPKL8を、Bgl II及びBcl Iにより制限した。fimB及び
fimE遺伝子及び逆位可能なプロモーター領域を含む3.3k
bのBgl II〜Bcl Iフラグメントを、pPR341のBamH I部位
中に挿入し、プラスミドpPKL100(第23図)を得、これ
を用いてE.コリK−12株MC1000に形質転換した。この構
成体を含むE.コリK−12細胞を、従来通りにLB−培地中
で増殖せしめた。しかしながら、このような細胞の培養
物は、1〜2%のゴースト細胞の存在を示し、この多く
は異常に長かった(第24a及びb)。これは、宿主の続
く殺害によりhok遺伝子の周期的転写を表示する。 逆位可能なプロモーターセグメントの方向を決定する
ために、プラスミドpPKL1000を、制限酵素SnaB I及びSa
c IIにより消化した。その逆位可能なプロモーターセグ
メントは、SnaB Iのためのユニーク部位を含み、そして
その得られたフラグメントのサイズを研究することによ
って、そのプロモーター含有セグメントの方向を推定し
た:650bpのSac II〜SnaB Iフラグメントが“オン”形状
に起因し、そして350bpのフラグメントが“オフ”形状
に起因する(第23図)。選択力の不在下で、それぞれ
“オン”及び“オフ”形状でセグメントを含むプラスミ
ドの50/50分布が、pPKL8(第25図のレーンB)によって
例示される場合、推定される。しかしながら、同じパタ
ーンは、プラスミドpPKL100の場合には見られなく、こ
こで“オフ”形状のみが明確であった(第25図のレーン
A)。これは、逆位性スイッチが“オン”形状にある,
プラスミドpPKL100を含む細胞が生存していないことを
指摘する。 例18 fimA−hoK封じ込めシステムを含む及び含まない細胞間
の競争に基づく生物学的封じ込め プラスミドpPKL100(例17を参照のこと)中の逆位可
能なDNAフラグメントがfimB及びfimEの遺伝子用量によ
ってtransに影響を及ぼすかどうかをさらに明確にする
ために、次の構造体が、トランスでのこのプラスミドを
補うために製造された。すなわち、プラスミドpPKL100
はpBR322のレプリコンに基づかれているので、この適合
性ベクターpACYC184に基づく3種のプラスミド、すなわ
ちfimB及びfimE遺伝子を担持するpLP5、fimB遺伝子のみ
を含むpLP4及びfimE遺伝子のみを含むpLP6が構成され
た。 プラスミドpLP4が、pPKL10(Klemm,1986,op.cit.)か
らの2300bPのBgl II−Stu Iフラグメントを、BamH I及
びEcoR Vにより消化されたプラスミドpACYC184(第26図
を参照のこと)中に挿入することによって構成された。
プラスミドpLP5は、2650bpのBgl II−Snab Iフラグメン
トをBamH I及びEcoR Vにより消化されたプラスミドpACY
C184中に挿入することによって構成された。プラスミド
pLP6は、pLP5のHinc II欠失誘導体であった(第26図を
参照のこと)。 プラスミドpLP4,pLP5及びpLP6を用いて、pPKL100をす
でに含むE.コリMC1000宿主細胞を形質転換し、そしてこ
れを、10μg/mlのプロリン,トレオニン,イソロイシン
及びロイシン,20μg/mlのクロラムフェニコール及び10
μg/mlのアンピシリンにより補充された0.2%グリセロ
ールA+B培地上で増殖せしめた。これらの3種の組合
せの光学濃度の上昇によって測定される場合の増殖速度
が第3表に示されている。pBR322:pACYC184のコピー数
の比は、大まかに4:1であり、そして従って、プラスミ
ドの組合せpLP4+pPKL100を有する宿主は、pPKL100のみ
を有する細胞と比較して、fimB(これは、pPKL100中にf
imAプロモーターを含む逆位可能なDNAフラグメントの
“オフ”から“オン”への形状を仲介する)の遺伝子用
量において対応する25%の上昇を有する。他方、プラス
ミド組合せpLP6+pPKL100を含む細胞は、fimE遺伝子
(これは逆位可能なDNAフラグメントの“オン”から
“オフ”への形状を仲介する)の量において大まかに25
%の上昇を有する。 pLP4+pPKL100の組合せの場合、fimAプロモーターの
より頻度の高い活性化及び続く宿主の殺害の明確な徴候
は、pLP6+pPKL100の組合せを含む宿主のための110分と
比べて、その対応する宿主のためには140分の世代時間
から明らかになった(第3表)。さらに、細胞が顕微鏡
により調べられる場合、前者は、約12%のゴースト細胞
の存在を示し、そして後者は実質的に何のゴースト細胞
の存在も示さなかった。 第 3 表 プラスミド 世代時間(人口が二倍になる時間) pPKL100+pLP4 140分 pPKL100+pLP5 120分 pPKL100+pLP6 110分 微生物の寄託 特許手続の目的のために微生物の国際認識に基づくブ
タペスト条約の規定に従って、次の微生物のサンプルを
1987年3月25日、Dentsche Sammlungvon Mikroorganism
en、Grisebachstrasse 8,3400Gttingen,Federal Repu
blic of Germanyに寄託した。 菌 株 寄託番号 B.サブチリス BD170(pLK26) DSM 4037 E.コリ HB101(pNL7) DSM 4034 E.コリ K−12 MC1000(pKG345) DSM 4036 E.コリ K−12 MC1000(pPKL100) DSM 4035 E.コリ K−12 MC1000(pPKL100+pLP4) DSM 4031 E.コリ K−12 MC1000(pPKL100+pLP5) DSM 4032 E.コリ K−12 MC1000(pPKL100+pLP6) DSM 4033
フロントページの続き (72)発明者 アンデルソン,ポール キルケテルプ デンマーク国,デーコー‐2000 フレデ リクスベルウ,1,テーホー.,ストッ クフレトスバイ 9 (72)発明者 ゲルデス,ケン アクセー デンマーク国,デーコー‐2830 ビル ム,ベーゲバン 19 (72)発明者 クレム,ペル デンマーク国,デーコー‐1902 フレデ リクスベルウ セー,リッケスホルムス アレー 28 (56)参考文献 特開 昭58−107184(JP,A) 欧州特許109150(EP,B1)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.細菌細胞を含む生物学的システムを封じ込める方法
    であって、その封じ込めが、 (a)細菌細胞を特定の環境に制限し、又は (b)組換えDNA分子又はウィルスを特定の細菌宿主細
    胞に制限し、又は (c)環境に放された組換え細菌細胞を時間において制
    限することを含み、 ここでその方法が、上記細菌細胞、上記組換えDNA分子
    又は上記ウィルス内に、調節的に発現される細菌細胞殺
    害遺伝子産物をコードする致死遺伝子を導入することを
    含み、 その遺伝子が、(i)R1 hok遺伝子、(ii)relB−orf3
    遺伝子、(iii)F hok遺伝子、及び(iv)R1 hok遺伝
    子、relB−orf3遺伝子又はF hok遺伝子の遺伝子産物の
    いずれかの細胞殺害活性をもつポリペプチドをコード
    し、そしてストリンジェントな条件下で、R1 hok遺伝子
    又はrelB−orf3遺伝子にハイブリダイズする、腸内細菌
    科の種(Enterobacteriaceae species)又はシュードモ
    ナス種(Pseudomonas species)から単離された遺伝
    子、から成る群から選ばれており、 前記調節が、 (i)上記組換え細菌細胞が制限されるべき特別な環境
    の条件とは異なった環境条件下での調節、又は (ii)上記組換えDNA分子又はウィルスが、そのDNA分子
    又はウィルスが制限されるべき特定の一次細菌宿主細胞
    とは異なる二次細菌宿主細胞に入る場合の調節、又は (iii)組換え細菌細胞が環境に放たれた場合に、発現
    を調節するプロモーターを提供する領域のランダムな逆
    転により又は負に調節する要素を担持する配列の組換え
    によるランダムな切除により、細胞殺害産物を発現させ
    ることによって、前記細菌細胞を環境からある速度で排
    除する態様の調節、 であることを特徴とする方法。但し、上記組換えDNA分
    子又はウィルスは、プラスミドR1のparB領域からのhok
    遺伝子又はE.コリからのrelB−orf3遺伝子であるとき、
    その致死遺伝子の発現がλcI857レプレッサーの制御下
    でλPRプロモーターにより調節される(a)下で定義さ
    れるプラスミド、及びそのプラスミドのlacオペレータ
    ーの制御下でSPO1プロモーターにより調節される挿入さ
    れたhok遺伝子を有するプラスミドpS I−1ではない。 2.前記細菌細胞が、細菌細胞殺害遺伝子産物をコード
    する致死遺伝子をその細胞内に導入することによって特
    別な環境に制限され、ここでその遺伝子産物の発現がそ
    の細胞の環境内で一般的な温度又はその環境内での化学
    物質の存在又は非存在により決定されることを特徴とす
    る、請求項1に記載の方法。 3.組換えDNA分子又はウィルスが、それから細菌細胞
    殺害遺伝子産物が調節的に転写されるところの致死遺伝
    子をそのDNA分子又はウィルス中に挿入することによっ
    て特定の一次宿主細胞に制限され、ここでその転写が、
    その中の少なくとも1がその一次宿主細胞のゲノム内に
    存在する遺伝子によりコードされるところの1以上の遺
    伝子産物により調節されることを特徴とする、請求項1
    に記載の方法。 4.組換えDNA分子又はウィルスが、細菌細胞殺害遺伝
    子産物をコードする致死遺伝子をその組換えDNA分子又
    はウィルス中に挿入することによって特定の一次宿主細
    胞に制限され、ここでその遺伝子から、その細胞殺害遺
    伝子産物をコードするmRNAが構成的に発現され、その翻
    訳が上記特定の一次宿主細胞内に挿入されたヌクレオチ
    ド配列から転写されるアンチセンスRNAにより阻害さ
    れ、そのアンチセンスRNAをコードするヌクレオチド配
    列が、構成的に発現されるか、あるいはその宿主細胞の
    環境内で一般的である温度、その環境内での化学物質の
    存在又は非存在により調節されるプロモーターから調節
    的に発現されることを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。 5.組換えDNA分子又はウィルスが、それから細菌細胞
    殺害遺伝子産物が調節的に転写されるところの致死遺伝
    子を組換えDNA分子又はウィルス内に挿入することによ
    って、特定の一次細菌宿主細胞、同種の細菌宿主細胞及
    びその特定の一次宿主細胞とは異なる限定された範囲の
    二次細菌宿主細胞、すなわち、上記殺害機能の発現を調
    節することを担当する要素がその内に同じく存在すると
    ころの細胞に制限され、ここでその転写が1以上の遺伝
    子産物により調節され、その遺伝子産物の中の少なくと
    も1が上記一次細菌宿主細胞、同種の細菌細胞及び上記
    特定の一次宿主細胞とは異なる上記の限定された範囲の
    二次細菌宿主細胞のゲノム内に存在する遺伝子によりコ
    ードされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 6.組換えDNA分子又はウィルスが、細菌細胞殺害遺伝
    子産物をコードする致死遺伝子を含むヌクレオチド配列
    をその組換えDNA分子又はウィルス内に挿入することに
    よって、特定の一次細菌宿主細胞、同種の細菌宿主細胞
    及びその特定の一次宿主細胞とは異なる限定された範囲
    の二次細菌宿主細胞、すなわち、上記殺害機能の発現を
    調節することを担当する要素がその内に同じく存在する
    ところの細胞に制限され、ここでその遺伝子から、細胞
    殺害遺伝子産物をコードするmRNAが構成的に発現され、
    そのmRNAの翻訳がDNA組換え分子又はウィルスとは異な
    るレプリコン上に存在するアンチセンスRNAをコードす
    るヌクレオチド配列から転写されるアンチセンスRNAに
    より阻害され、そのアンチセンスRNAをコードするヌク
    レオチド配列が構成的に発現されるか、あるいは上記一
    次細菌宿主細胞内の1以上の遺伝子産物により調節され
    るプロモーターから調節的に発現され、その遺伝子生成
    物の少なくとも1が上記一次細菌宿主細胞、同種の細菌
    細胞及び上記特定の一次宿主細胞とは異なる上記の限定
    された範囲の二次細菌宿主細胞のゲノム内に存在する遺
    伝子によりコードされることを特徴とする、請求項1に
    記載の方法。 7.組換えDNA分子又はウィルスを宿す環境に放たれる
    細胞細菌が、細菌細胞殺害遺伝子産物をコードする致死
    遺伝子をその組換えDNA分子又はウィルス内に挿入する
    ことによって時間において制限され、ここでその細胞殺
    害遺伝子産物の発現が推計学的事件により推計学的に調
    節されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 8.前記推計学的事件がプロモーターの逆位スイッチに
    より仲介されることを特徴とする、請求項7に記載の方
    法。 9.前記プロモーターがE.コリfimAプロモーターである
    ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。 10.細菌細胞を含む生物学的システムを封じ込めるた
    めの方法に使用するための組換えプラスミドであって、
    そのプラスミドが調節的に発現される細菌細胞殺害遺伝
    子産物をコードする致死遺伝子を含み、 その遺伝子が、(i)R1 hok遺伝子、(ii)relB−orf3
    遺伝子、(iii)F hok遺伝子、及び(iv)R1 hok遺伝
    子、relB−orf3遺伝子又はF hok遺伝子の遺伝子産物の
    いずれかの細胞殺害活性をもつポリペプチドをコード
    し、そしてストリンジェントな条件下で、R1 hok遺伝子
    又はrelB−orf3遺伝子にハイブリダイズする、腸内細菌
    科の種(Enterobacteriaceae species)又はシュードモ
    ナス種(Pseudomonas species)から単離された遺伝
    子、から成る群から選ばれており、 ここで前記調節が、 (a)上記組換え細菌細胞が制限されるべき特別な環境
    の条件とは異なった環境条件下での調節、又は (b)上記組換えプラスミドが制限されるべき特定の一
    次細菌宿主細胞とは異なる二次細菌宿主細胞に入る場合
    の調節、又は (c)組換え細菌細胞が環境に放たれた場合に、発現を
    調節するプロモーターを提供する領域のランダムな逆転
    により又は負に調節する要素を担持する配列の組換えに
    よるランダムな切除により、細胞殺害産物を発現させる
    ことによって、前記細菌細胞を環境からある速度で排除
    する態様の調節、 である、ことを特徴とするプラスミド。但し、プラスミ
    ドR1のparB領域からのhok遺伝子又はE.コリからのrelB
    −orf3遺伝子であるとき、その致死遺伝子の発現がλcI
    857レプレッサーの制御下でλPRプロモーターにより調
    節される(a)下で定義されるプラスミド、及びそのプ
    ラスミドのlacオペレーターの制御下でSPO1プロモータ
    ーにより調節される挿入されたhok遺伝子を有するプラ
    スミドpS I−1を除く。 11.その細菌細胞殺害遺伝子産物の発現が、そのプラ
    スミドを宿す宿主細胞の環境内で一般的である温度、宿
    主細胞の環境内での化学物質の存在又は非存在、又は推
    計学的事件により調節されるプロモーターによりその転
    写レベルで調節されることを特徴とする、請求項10に記
    載のプラスミド。 12.前記化学物質が炭素又は窒素源、代謝物、アミノ
    酸、ヌクレオチド、プリン又はピリミジン塩素、又は金
    属イオンから成る群から選択されることを特徴とする、
    請求項11に記載のプラスミド。 13.化学物質がトリプトファンである、請求項12に記
    載のプラスミド。 14.前記推計学的事件がプロモーターの定期的な逆位
    スイッチにより引き起こされる、請求項11に記載のプラ
    スミド。 15.プロモーターがE.コリfimAプロモーターである、
    請求項14に記載のプラスミド。 16.細菌細胞殺害遺伝子産物をコードする致死遺伝子
    の発現が、そのmRNAにハイブリダイズすることができる
    アンチセンスRNAによりその細胞殺害遺伝子産物を特定
    するmRNAの翻訳を阻害することによって調節されること
    を特徴とする、請求項10に記載のプラスミド。 17.細胞殺害遺伝子産物をコードする致死遺伝子が、
    細菌性プラスミド、細菌性染色体、原核性ウィルス、真
    核性プラスミド、真核性ウィルス、真核性染色体、真核
    性ミトコンドリア又は真核性クロロプラストに由来し、
    又は合成配列であることを特徴とする、請求項10〜16の
    いずれか1項に記載のプラスミド。 18.前記致死遺伝子が、プラスミドR1のparB領域から
    のhok遺伝子又はそのR1 hok遺伝子に相同であるDNA配列
    であることを特徴とする、請求項17に記載のプラスミ
    ド。 19.その細胞殺害遺伝子産物をコードする遺伝子の転
    写を調節するヌクレオチド配列が、細菌性プラスミド、
    細菌性染色体、原核性ウィルス、真核性プラスミド、真
    該性ウィルス、真核性染色体、真核性ミトコンドリア、
    又は真核性クロロプラストに由来し、又は合成配列であ
    ることを特徴とする、請求項10〜18のいずれか1項に記
    載のプラスミド。 20.そのレプリコンに生来関係ないDNA配列をさらに
    含み、ここでそのDNA配列が、生合成産物、免疫化のた
    めのエピトープ及びは発現される場合、そのプラスミド
    を宿す細菌細胞の外表面にそのエピトープを輸送するた
    めの手段をコードする配列から選ばれることを特徴とす
    る、請求項10〜19のいずれか1項に記載のプラスミド。 21.細菌細胞を含んで成る生物学的システムを封じ込
    める方法に使用するための組換えプラスミドにより形質
    転換された細菌細胞であって、そのプラスミドが調節的
    に発現される細菌細胞殺害遺伝子産物をコードする致死
    遺伝子を含み、 その遺伝子が、(i)R1 hok遺伝子、(ii)relB−orf3
    遺伝子、(iii)F hok遺伝子、及び(iv)R1 hok遺伝
    子、relB−orf3遺伝子又はF hok遺伝子の遺伝子産物の
    いずれかの細胞殺害活性をもつポリペプチドをコード
    し、そしてストリンジェントな条件下で、R1 hok遺伝子
    又はrelB−orf3遺伝子にハイブリダイズする、腸内細菌
    科の種(Enterobacteriaceae species)又はシュードモ
    ナス種(Pseudomonas species)から単離された遺伝
    子、から成る群から選ばれており、 ここで前記調節が、 (a)上記組換え細菌細胞が制限されるべき特別な環境
    の条件とは異なった環境条件下での調節、又は (b)上記組換えプラスミドが制限されるべき特定の一
    次細菌宿主細胞とは異なる二次細菌宿主細胞に入る場合
    の調節、又は (c)組換え細菌細胞が環境に放たれた場合に、発現を
    調節するプロモーターを提供する領域のランダムな逆転
    により又は負に調節する要素を担持する配列の組換えに
    よるランダムな切除により、細胞殺害産物を発現させる
    ことによって、前記細菌細胞を環境からある速度で排除
    する態様の調節、 である、ことを特徴とする細菌細胞。但し、上記プラス
    ミドは、プラスミドR1のparB領域からのhok遺伝子又は
    E.コリからのrelB−orf3遺伝子であるとき、その致死遺
    伝子の発現が、λcI857レプレッサーの制御下でλPR
    ロモーターにより調節される(a)下で定義されたよう
    なプラスミド、及び前記プラスミドのlacオペレーター
    の制御下でSPO1プロモーターにより調節される挿入され
    たhok遺伝子を有するプラスミドps I−1ではない。 22.細菌細胞殺害遺伝子産物をコードする致死遺伝子
    の発現が、そのmRNAにハイブリダイズすることができる
    アンチセンスRNAによりその細胞殺害遺伝子産物を特定
    するmRNAの翻訳を阻害することによって調節されること
    を特徴とするプラスミドを宿し、そしてその細胞遺伝子
    産物を特定するmRNAの翻訳を阻害することができるアン
    チセンスRNAをコードするヌクレオチド配列をさらに含
    み、ここでそのヌクレオチド配列がその細胞内の上記プ
    ラスミド又は他のレプリコン上に存在することを特徴と
    する、請求項21に記載の細菌細胞。 23.前記アンチセンスRNAをコードするヌクレオチド
    配列が構成的に発現されるか、あるいは調節可能なプロ
    モーターから調節的に発現されることを特徴とする、請
    求項22に記載の細菌細胞。 24.前記アンチセンスRNAをコードするヌクレオチド
    配列の発現が、そのプラスミドを宿す宿主細胞の環境内
    での温度、宿主細胞の環境内での化学物質の存在又は非
    存在事件により決定されることを特徴とする、請求項23
    に記載の細菌細胞。 25.その推計学的事件が、プロモーターの定期的な逆
    位スイッチ、又はそのアンチセンスRNAをコードするヌ
    クレオチド配列の組換えによる切除により生じることを
    特徴とする、請求項24に記載の細菌細胞。 26.プロモーターがE.コリfimAプロモーターである、
    請求項25に記載の細菌細胞。 27.そのアンチセンスRNAをコードするヌクレオチド
    配列の発現が、炭素又は窒素源、代謝物、アミノ酸、ヌ
    クレオシド、プリン又はピリミジン塩基又は金属イオン
    から成る群から選ばれた化学物質により決定されること
    を特徴とする、請求項24に記載の細菌細胞。 28.アンチセンスRNAをコードするヌクレオチド配列
    がlacプロモーターから転写される、請求項27に記載の
    細菌細胞。 29.前記アンチセンスRNAをコードするヌクレオチド
    配列が、細菌性プラスミド、細菌性染色体、原核性ウィ
    ルス、真核性プラスミド、真核性ウィルス、真核性染色
    体、真核性ミトコンドリア又は真核性クロロプラストに
    由来し、又は合成配列であることを特徴とする、請求項
    22〜28のいずれか1項に記載の細菌細胞。 30.そのアンチセンスRNAの転写を調節するヌクレオ
    チド配列が、細菌性プラスミド、細菌性染色体、原核性
    ウィルス、真核性プラスミド、真核性ウィルス、真核性
    染色体、真核性ミトコンドリア、又は真核性クロロプラ
    ストに由来し、又は合成配列であることを特徴とする、
    請求項22〜28のいずれか1項に記載の細菌細胞。
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