JP3090222B2 - 粗面化ポリエステルフイルム - Google Patents

粗面化ポリエステルフイルム

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JP3090222B2
JP3090222B2 JP14780891A JP14780891A JP3090222B2 JP 3090222 B2 JP3090222 B2 JP 3090222B2 JP 14780891 A JP14780891 A JP 14780891A JP 14780891 A JP14780891 A JP 14780891A JP 3090222 B2 JP3090222 B2 JP 3090222B2
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晴男 奥平
慎一郎 奥村
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた粗面性を有し、包
装用・工業用フイルムとして好適な粗面化ポリエステル
フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】粗面化プラスチックフイルムとしては、
フイルム表面を物理的或いは化学的に処理して粗面化し
たもの、及び表面に粗面化物質を塗布して粗面化したも
の等が知られている。しかしながら、これらの後加工は
生産性が低くまた塗布後のフイルムを乾燥する際に苛酷
な熱処理を受けるためにフイルムの機械的強度の低下が
大きい等の問題があった。かかる、後加工での欠点を解
消する方法としてフイルム素材中に無機物質や有機物質
を配合して粗面化する方法が提案されている。しかしな
がら、今までに提案された方法においては充分な粗面化
効果を出すためには多量の無機物質や有機物質を配合す
る必要があり、工業生産においてフイルム延伸時の破断
やポリマーのメルトラインにおけるフィルター詰まりが
起こる等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は安定し
た工業生産が可能であり、さらに優れた粗面性を有する
粗面化ポリエステルフイルムを提供しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】粗面化ポリエステルフイル
ムを得る方法としては、ポリエステル基材に他の熱可塑
性樹脂を配合する手段が一般的であるが、何を添加して
も良いと言うわけではなく粗面度と延伸性との兼ね合い
によって配合樹脂の種類が限定される。さらに、熱可塑
性樹脂の添加によって製膜から延伸にいたる連続処理工
程の実施に悪影響を与えることがあってはならないのは
当然であり、その為には少量の添加により優れた粗面効
果を有しさらにフイルム基材の製膜性及び延伸性を阻害
しないような樹脂を選択しなければならない。本発明者
等は上記の知見に基づき、特に主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレートからなるポリエステルフイルムを
対象にして、優れた粗面化効果を発揮しえるような配合
樹脂を見出すべく研究を進めてきた。その結果、配合樹
脂としてポリヘキサメチレンアジパミド(NY66)を
用いることにより、少量の添加により優れた粗面化効果
を有しさらにフイルムの製膜性及び延伸性を阻害しない
組成物を見出したものである。
【0005】本発明に係わる粗面化ポリエステルフイル
ムの構成は請求項1においては主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレートからなるポリエステル80〜97
wt%とポリヘキサメチレンアジパミド3〜20wt%
組成物よりなり、少なくとも一方向に2倍以上延伸され
ていることを特徴とする粗面化ポリエステルフイルムで
あり、特許請求の範囲第2項においては請求項2に記載
された組成物が主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートからなるポリエステルフイルムの片面あるいは両
面に積層されており、かつ少なくとも一方向に2倍以上
延伸されていることを特徴とする粗面化ポリエステルフ
イルムである。
【0006】本発明においてエステルフイルムを構成す
るポリエステルは主たる繰り返し単位の80モル%以上
がエチレンテレフタレートからなるポリエステルであ
り、他の構成成分としては、これと共重合し得るジカル
ボン酸類、グリコール類、オキシカルボン酸類等の成分
を20モル%未満共重合させたものでもよい。配合樹脂
として使用されるポリヘキサメチレンアジパミドはヘキ
サメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合により製造さ
れ、一般にナイロン66と呼ばれている。
【0007】熱可塑性樹脂の中でポリヘキサメチレンア
ジパミドが何故、粗面改良効果が優れるのか明確な理由
は不明なるも、次のように推測される。ポリエステル樹
脂に他の熱可塑性樹脂を配合することによるフイルム表
面の微細な凹凸の生成においては、熱可塑性樹脂の融点
とポリエステル樹脂に対する相溶性が重要である。例え
ば、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー
は低融点であり、さらにポリエチレンテレフタレートか
らなるポリエステル樹脂との相溶性が良くない為、海・
島構造によるある程度の表面凹凸は生成しえる。しかし
ながら、このフイルム表面に生成しえた凹凸は、延伸後
の熱固定におけるポリマーの融点以上の温度雰囲気によ
りポリオレフィン成分が溶融状態となり、有効な粗面性
を発現しえない。これに対し、ポリヘキサメチレンアジ
パミドはポリエチレンテレフタレートからなるポリエス
テル樹脂への配合において、フイルム表面に微細な凹凸
が生じる適度な海・島構造を生成させる相溶性を有し、
さらに、ポリアミド樹脂の中ではポリエチレンテレフタ
レートからなるポリエステル樹脂と同レベルの融点を有
し、延伸後の熱固定における高温雰囲気下においてもフ
イルム表面のナイロン成分が溶融状態とならずに、逆に
その高結晶性の特性によりフイルムの結晶化によって有
効な粗面状態を作り出すことができる。
【0008】前述の如くポリヘキサメチレンアジパミド
を配合樹脂として使用することにより、少量の配合量で
良好な粗面付与効果を有し、且つ安定した製膜性延伸性
が得られる。上記、ポリヘキサメチレンアジパミドの配
合量は3〜20wt%の範囲に設定すべきであり3wt
%未満ではフイルムを十分に粗面化することができず、
一方20wt%を越えると製膜後の延伸性が不安定とな
り、またフイルムの機械的強度が低下する等の問題が生
じる。なお、かかる組成物を構成する原料の配合方法に
ついてはブレンド法、押し出し法による溶融混合法等の
公知の方法を用いることができる。本発明において、製
膜性や延伸性及びフイルムの物性を阻害しない範囲で他
の熱可塑性樹脂が配合されてもよく、更に安定剤や耐候
剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することもでき
る。本発明の粗面化効果は未延伸フイルムを延伸するこ
とにより効果的に発現される、延伸倍率は縦方向及び/
又は横方向に少なくとも2倍以上、好ましくは2.5〜
6倍が生産性の面から適している。未延伸のフイルム及
び延伸倍率が2倍以下のフイルムはフイルム特性や加工
適性が劣るので好ましくない。フイルムの延伸方法は特
に限定されず、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等の公知の方法が用いられる。又、延伸装置もロール式
一軸延伸機、テンター式横延伸機、テンター式或はチュ
ーブラー式同時二軸延伸等を使用することができる。
【0009】粗面化ポリエステルフイルムの製造方法と
しては、通常のポリエステルフイルムを製造する方法を
用いればよく、一例を示すと本発明の組成物を250〜
300℃に加熱された押出機に供給しT字型口金よりシ
ート状に成形する。さらにこのフイルムを20〜50℃
の冷却ドラムで冷却固化せしめて、未延伸シートとした
後、70〜120℃で縦延伸する。その後、フイルムの
両端部をクリップで把持しながらテンターに導き90〜
150℃で横延伸し、さらに150〜250℃で熱固定
を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取る。本
発明の粗面化ポリエステルフイルムの厚みは特に限定さ
れないが、10〜200μが包装用・工業フイルムとし
て好適に用いられる。
【0010】本発明のフイルムに必要に応じてプラズマ
処理、ガス炎処理、コロナ放電処理、オゾン処理、紫外
線照射等の表面処理や印刷、金属蒸着、コート等の加工
を行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成及び効果
を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例に
限定されるものではない。尚、下記実施例で採用した試
験法は次の通りである。 光沢度:日本電色工業┻製グロス計を使用し、測定角度
45°における値を測定した。 ヘイズ:東洋精器┻製積分球式ヘイズ計を使用し、ヘイ
ズ値を測定した。 延伸性:未延伸シートを縦方向に延伸後、横延伸機(テ
ンター)において、延伸時にフイルムが破断する状況を
次に示す3ランクにて評価した。 ○ 殆どフイルム破断を起こさず生産性良好 △ 時折フイルム破断を生じ生産性はやや不良 × 常にフイルム破断を生じ生産性は不良
【0012】
【実施例1〜3、比較例1〜5】ポリエチレンテレフタ
レートに、第1表に示す熱可塑性樹脂を混合して溶融押
出しし、縦方向に3.3倍、次いで横方向に3.8倍延
伸した後、緊張下200℃で10秒間熱固定して厚さ2
5μの粗面化ポリエステルフイルムを得た。用いた熱可
塑性樹脂の種類及び延伸性並びに得られたフイルムのグ
ロス値とヘイズ値を表1に一括して示す。尚表1中に略
記した熱可塑性樹脂は下記の通りである。 NY66 :ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジ
パミド) NY6 :ナイロン6 NY11 :ナイロン11 NY6・12:ナイロン6・12 PP :ポリプロピレン PC :ポリカーボネイト
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、主
たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポ
リエステルにポリヘキサメチレンアジパミド(NY6
6)を配合することにより、優れた粗面性を有する粗面
化ポリエステルフイルムを提供し得ることになった。し
かも、上記の粗面化ポリエステルフイルムは機械的強度
等の優れたフイルム特性や加工適性を有しており、各種
の包装材料及び工業材料として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 77:06) B29K 67:00 B29L 7:00 C08L 67:03 (56)参考文献 特開 昭62−181336(JP,A) 特開 昭61−188445(JP,A) 特開 昭61−204259(JP,A) 特開 昭63−35647(JP,A) 特開 昭64−24849(JP,A) 特表 平4−500695(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/03 C08L 77/06 B29C 55/02 - 55/18 B32B 27/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レートからなるポリエステル80〜97wt%、ポリヘ
    キサメチレンアジパミド3〜20wt%との組成物より
    なり、少なくとも一方向に2倍以上延伸されていること
    を特徴とする粗面化ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物が主たる繰り返
    し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル
    フイルムの片面あるいは両面に積層されており、かつ少
    なくとも一方向に2倍以上延伸されていることを特徴と
    する請求項1記載の粗面化ポリエステルフイルム。
JP14780891A 1991-05-22 1991-05-22 粗面化ポリエステルフイルム Expired - Lifetime JP3090222B2 (ja)

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